JP2011029803A - 光信号の受信装置及び受信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の受信装置は、前方誤り訂正(FEC)によって符号化された光信号の受信装置に関する。この受信装置は、逆方向のバイアス電圧Viによって光電流の増倍率が変化する、光信号を光電変換する光電変換素子212と、光電変換後の電気信号を二値化したデータ信号をFEC復号化するFEC復号化部217と、FEC復号化部217における訂正頻度に基づいて光電変換素子212に印加するバイアス電圧Viの改善値を決定する制御部220と、を備える。
【選択図】 図3
Description
かかるPONシステムでは、局側装置から宅側装置への下り方向通信の場合は、ブロードキャスト方式によって連続的な光信号が伝送され、宅側装置から局側装置への上り方向通信の場合は、光信号の衝突を避けるために、時分割方式によって間欠的な光信号(光バースト信号)が伝送される。
また、局側装置は、上り方向の送信時期及び送信データ量に関する許可(グラント)を予め宅側装置ごとに通知するようになっており、このグラントに従って各宅側装置が送信した上り方向の光信号を時分割で受信する。従って、局側装置には、種々の強度の光バースト信号が間欠的に届くことになる。
また、10G−EPONにおいては、送信信号に前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」ということがある。)によって符号化を行い、受信側においてその符号化に対応するFEC復号化を行うことにより、伝送速度の高速化に伴って不足するパワーバジェットを補うようになっている。
また、APDのバイアス電圧は、大きな温度依存性を持つとともに、その特性のばらつきが大きいので、受信装置ごとにAPDの特性を検査しつつ最適なバイアス電圧を設定する必要がある。
しかしながら、かかる製造時におけるバイアス電圧の設定作業は、そもそも手間がかかるとともに、環境変化や経年変化によって受信特性が変化した場合には、これに対応できないという欠点がある。
また、従来では、APDのバイアス回路に温度センサを設けて、温度に応じてバイアス電圧を最適値に制御している。しかしながら、起動時など受信装置内部の温度変化が大きい場合には、温度センサが正しくAPDの温度を検出できず、バイアス電圧を最適値に制御することが難しい。
従って、後述の実施形態のように、訂正頻度を最小にするバイアス電圧の最適値を決定する場合には、その最適化処理によって得られた唯一のバイアス電圧の最適値も、上記改善値に含まれる。
このため、運用前におけるバイアス電圧の設定作業が不要となり、事業者の作業手間を低減できるとともに、環境変化や経年変化によって受信特性が変化しても、バイアス電圧を改善することができる。
この場合、前記制御部が、前記参照データに基づいて、前記訂正頻度が小さくなる方向に前記バイアス電圧を調整するようにすれば、例えば山登り法等による簡便な局所探索法を用いて、バイアス電圧の改善値を高速に求めることができる。
その理由は、光電変換素子のバイアス電圧が降伏電圧を超える値になると、過電流によって光電変換素子やプリアンプを破壊する恐れがあることから、バイアス電圧の調整の際には、なるべく小さい値から大きい値に移行させるのが好ましいからである。
この場合、光電変換素子の温度変化がバイアス電圧の変化に及ぼす影響を補償した初期値を設定できるので、光電変換素子の温度変化によって初期値が改善値から大きく外れるのを防止することができる。従って、初期値から改善値への収束時間を速めることができる。
そこで、前記制御部は、上記のような場合、すなわち、前記バイアス電圧の改善値を特定不能な程度に低頻度の所定値よりも前記訂正頻度が小さい場合には、現時点の前記バイアス電圧の値を維持させることが好ましい。また、この場合、現時点の前記バイアス電圧の値を更に低下させるようにすれば、バイアス電圧を生成するためのバイアス回路の消費電力を低減することができる。
この場合、訂正頻度が比較的高い場合には、その時間間隔を出来るだけ短くすることにより、バイアス電圧の改善値を可及的速やかに算出することができる。逆に、訂正頻度が比較的低い場合には、その時間間隔を長くすることにより、訂正頻度が0になるバイアス電圧の範囲を狭くすることができ、バイアス電圧の改善値の調整精度を向上することができる。
この場合、宅側装置ごとに正確なバイアス電圧の改善値を求めることができ、その改善値を求める処理を高精度に行うことができる。
そこで、局側装置に搭載する受信装置において、前記制御部は、前記訂正頻度が最も高い前記宅側装置が送信する前記光バースト信号について、その訂正頻度に基づいて前記バイアス電圧の改善値を決定し、他の前記宅側装置が送信する前記光バースト信号についても前記改善値を採用することにしてもよい。
このため、上記改善値を決定した後の運用時において、光バースト信号ごとにバイアス電圧を切り替える処理が不要となり、光電変換素子の増倍率の変化が追従しないという問題を回避できる。
図1は、本発明の実施形態に係るPONシステムの接続図である。
図1において、局側装置1は、複数の宅側装置2A〜2Cに対する集約局として設置され、各宅側装置2A〜2Cは、それぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
なお、本実施形態では、各宅側装置の共通事項を説明する場合には符号2を使用し、各宅側装置の個別事項を説明する場合には、符号2A〜2Cを使用する。
また、局側装置1は、上位ネットワーク8と接続され、各宅側装置2はそれぞれのユーザネットワーク9と接続されている。
また、図1では、光カプラ6を1個だけ使用しているが、光カプラを縦列に複数段設けることにより、更に多くの宅側装置を局側装置1と接続することができる。
これらの波長λ1及びλ2は、例えば、IEEE802.3avの10.3125Gbps信号では、以下の範囲の値が想定されている。
1260nm≦λ1≦1280nm
1575nm≦λ2≦1580nm
図8は、局側装置1と宅側装置2A(宅側装置2B,2Cについても同様)との間の制御フレームのやり取りを示すシーケンス図である。
図8に示すように、まず、局側装置1は、運用時間開始時刻T0の時点で宅側装置2Aに関するRTT(Round Trip Time)を既に計算している。
時刻Ta1において、局側装置1は、宅側装置2Aに対して、送出要求量を通知させるために、レポート送出開始時刻Tb2を含んだゲートフレームG1を送信する。
宅側装置2Aは、時刻Tb1に自身に対するゲートG1を受信すると、データ中継処理部207(図2参照)のバッファメモリに蓄積されたデータ量を参照して送出要求量を算出し、ゲートトG1に含まれるレポート送出開始時刻Tb2に、局側装置1に対して送出要求量を含んだレポートフレーム(リクエストともいう。)R1を送出する。
レポートR1に含まれる送出要求量がゼロの場合には、局側装置1による演算結果がゼロとなるため帯域が割当てられないが、宅側装置2AにレポートR2を送出させる必要があるので、局側装置1は宅側装置2Aに対して必ずゲートG2を送出する。
なお、局側装置1は、自身がゲートG2を送出する時刻Ta3を、送出開始時刻Tb4までにゲートG2が宅側装置2Aに到着するように計算する。
このレポートR2は、データDの直前または直後に送出されるが、データDの直前に送出される場合には、送出要求量として局側装置1に報告する値は、バッファメモリに蓄積されているデータ量とデータDのデータ量との差分である。
以上のシーケンスは、すべての宅側装置2A〜2Cに対して独立に行なわれ、運用時間が終了するまで、時刻Ta3〜時刻Ta4の処理が繰り返される。
図9は、PONシステムでの上り方向通信を示すシーケンス図であり、分散割当方式の一例を示している。
以下、図9の左側から右側に向かって時間が進行するとして、局側装置1を主体としたPONシステムの動作について説明する。
次に、局側装置1は、各宅側装置2C,2B,2AからそれぞれレポートRc1,Rb1,Ra1を受信すると、最初にデータの送出を許可する宅側装置2Cに対するゲートGc2を送出する。そして、局側装置1は、宅側装置2Cから送出されるデータDc1及び次のレポートRc2を受信すると、これと並行して、宅側装置2Bに対するゲートGb2を送出する。
また、局側装置1は、宅側装置2Cから送出されるデータDc2及び次のレポートRc3を受信するとともに、これと並行して、宅側装置2Bに対するグラントGb3を送出する。
これ以降、同様の処理が繰り返され、局側装置1は、順次各宅側装置2A〜2Cに対して帯域を動的に割り当てて、データの受信を繰り返す。
図2は、宅側装置2の内部構成の概略を示すブロック図である。
図2に示すように、宅側装置2は、PON側(図2左側)からユーザネットワーク9側に向かって順に、合分波部201、光受信部202、光送信部203、PON側受信部204、PON側送信部205、宅側信号処理部206、データ中継処理部207、ユーザネットワーク側送信部208、及びユーザネットワーク側受信部209を備えている。
PON側受信部204は、受信したフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該フレームが自己宛(ここでは、自己又は自己の配下のユーザネットワーク9内の装置宛を意味する。)であるか否かを判定する。
更に、PON側受信部204は、フレームのヘッダ部分を読み取ることにより、受信したフレームがデータフレームであるか、又は、ゲートフレームであるかを判定する。
また、上記判定の結果、フレームがゲートフレームであれば、PON側受信部204はこれを宅側信号処理部206に転送する。宅側信号処理部206は、ゲートフレームに基づいて上り方向の送出をデータ中継処理部207に指示する。
宅側信号処理部206は、PON側送信部205に対して送信制御を行い、所定のタイミングで、バッファメモリに蓄積されているフレームをPON側送信部205に出力させるとともに、通知されたバッファメモリ内のデータ蓄積量に基づいてレポートフレームを作成して、PON側送信部205に出力させる。
また、図2に示すように、PON側送信部205は、内部に物理層符号化部210とFEC符号化部211とを備えている。
物理層符号化部210は、データ中継処理部207から送られてくるデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部211は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
図3は、宅側装置2の光受信部202とPON側受信部204の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、宅側装置2の光受信部202は、内部に、光電変換素子212、増幅器213、比較器214、クロック・データ再生部215、及びバイアス部216を備えている。また、宅側装置2のPON側受信部204は、内部に、FEC復号化部217、物理層復号化部218、フレーム再生部219、制御部220、及び記憶部221を備えている。
比較器214は、増幅器213の出力信号を所定の閾値と比較して二値化する。クロック・データ再生部215は、比較器214から受けた二値信号に同期して、タイミング成分(クロック信号)とデータ信号とを再生する。
一方、PON側受信部204のFEC復号化部217は、再生されたデータ信号に対して所定の誤り訂正復号化(FEC復号化)を行い、物理層復号化部218は、再生されたデータ信号に対して64B/66B復号化を行う。
また、FEC復号化部217は、誤り訂正復号の際の誤り訂正数のカウント機能を有しており、FEC復号化部217がカウントした誤り訂正数は、後述する制御部220に入力される。
上記判定の結果、フレームがデータフレームであれば、フレーム再生部219はそれをデータ中継処理部207に送り、フレームがゲートフレームであれば、PON側受信部204はそれを宅側信号処理部206に転送する。
前記した通り、FEC復号化部217は、誤り訂正復号化の処理と同時に、誤り訂正数を制御部220に通知する。
そこで、制御部220は、通知された誤り訂正数を所定時間ごとにカウントすることによって訂正頻度(=誤り訂正数/データ信号のシンボル数)を算出し、それに基づいて、バイアス部216が出力するバイアス電圧Viを最適化するための制御信号Siを生成する。以下、この制御部による最適化処理を説明する。
この図6に示すように、光通信用のAPD212では、バイアス電圧を高くすると、PD電流(図6では、平均で−30dBmの光信号を受信している例)も増加し、増倍効果により受信感度が改善されるが、暗電流も増加するため、増倍率Mがほぼ10程度で受信感度が最適値を示すようになっている。
そこで、APD212のバイアス電圧と出力信号の受信誤り率BER(≒訂正頻度)との関係を求めると、例えば図7に示すように、そのBERは、APD212のバイアス電圧に対して凸関数の関係になることが判明した。
このように、APD212のバイアス電圧は、受信信号のBERのレベルに拘わらず当該BERを最小にする最適値が存在し、BERと凸関数の関係になる。
より具体的には、PON側受信部204の制御部220は、制御信号Siによりバイアス電圧Viを前後に変化させ、その際の訂正頻度をFEC復号化部217から通知される誤り訂正数を所定時間ごとにカウントすることによって算出し、それを現時点の訂正頻度と比較し、例えば山登り法等のロジックにより、訂正頻度が小さくなる方向にバイアス電圧Viを変化させ、その値を改善する。
バイアス電圧Viの調整範囲において、訂正頻度が凸関数を形成しているので、上記処理を行うことにより、バイアス電圧Viが訂正頻度を最小にする最適値に収束する。
このため、製造時におけるバイアス電圧Viの設定作業が不要となり、作業手間を低減できるとともに、環境変化や経年変化によって受信特性が変化しても、バイアス電圧Viを最適化することができる。
また、バイアス電圧Viを変化させた際の訂正頻度を参照データとして記憶部221に記憶すれば、参照データをもとにバイアス電圧Viの最適値を推定することができ、より速くバイアス電圧Viが訂正頻度を最小にする最適値に収束させることができる。
ところで、APD212のバイアス電圧Viが降伏電圧を超える値になると、過電流によってAPD212やプリアンプ等を破壊する恐れがある。従って、上記最適化処理を行うためにバイアス電圧Viの値を調整する場合には、なるべく小さい値から大きい値に移行させることが好ましい。
そこで、本実施形態の制御部220は、起動時におけるバイアス電圧Viの初期値を、当該バイアス電圧Viの最適値よりも低い値に設定するようになっている。
このため、上記最適化処理を行うに当たって、バイアス電圧Viの値の調整の際にその値が大きくなり過ぎることがなく、APD212やその他の回路素子の破損を未然に防止することができる。
この場合、APD212の温度変化がバイアス電圧Viの変化に及ぼす影響を補償した初期値を設定することができ、APD212の温度変化によって初期値が最適値から大きく外れるのを防止することができる。従って、初期値から最適値への収束時間を速めることができる。
図7(b)において、例えば、1012ビットの信号を受信する毎に訂正頻度を更新して取得するとする。この場合、BERが10-11以下(点線部分)では訂正頻度を更新する時間間隔内に発生するエラー数が小さく、訂正頻度を精度よく取得できない。例えば、d2とd3において時間間隔内にエラーが発生しなかったとする。この場合には、ともに訂正頻度が0となり、バイアス電圧Viの最適値を決定できない。しかし、所望の受信感度が10-11より大きい場合には、所望の受信感度が実現されているため、それ以上にバイアス電圧の最適値を求める必要がない。
そこで、本実施形態の制御部220は、バイアス電圧Viの最適値を特定不能な程度に低頻度の所定値(例えば、10-11以下の訂正頻度値)よりも訂正頻度が小さい場合には、現時点のバイアス電圧Viの値をそのまま維持するようになっている。
当然ながら、所望のBERよりも小さい訂正頻度を測定できる必要があり、訂正頻度を更新する時間間隔は1/BERビットの受信時間以上である必要があり、その10倍程度以上に設定しておくことが望ましい。
また、本実施形態の制御部220は、訂正頻度を更新する時間間隔が変更可能になっている。この場合、訂正頻度が比較的高い宅側装置2(例えば、図7(a)のd1〜d5の特性を有する宅側装置2)の場合には、上記時間間隔を出来るだけ短く設定することにより、バイアス電圧の最適値を可及的速やかに算出することができる。
図4は、局側装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。
図4に示すように、局側装置1は、PON側(図4の右側)から上位ネットワーク8側に向かって順に、合分波部101、光受信部102、光送信部103、PON側受信部104、PON側送信部105、局側信号処理部106、データ中継処理部107、上位ネットワーク側送信部108、及び上位ネットワーク側受信部109を備えている。
PON側受信部104は、受信したフレームのヘッダ部分を読み取ることにより、当該フレームがデータフレームであるか、又は、レポートフレームであるかを判定する。
また、上記判定の結果、フレームがレポートフレームであれば、PON側受信部104はこれを局側信号処理部106に転送する。局側信号処理部106は、このレポートに基づいて制御情報としてのゲートフレームを生成し、このゲートフレームを、PON側送信部105及び光送信部103によって下り方向へ送信させる。
また、その下りフレームは、光送信部103において、波長λ2でかつ所定の伝送レート(10.3125Gbps)の光信号に変換され、合分波部101を介して下り方向に送信される。
物理層符号化部110は、データ中継処理部107から送られてくるデータに対して64B/66B符号化を行い、FEC符号化部111は、符号化されたデータに対して更に冗長ビットを付加して所定の誤り訂正符号を生成する。
図5は、局側装置1の光受信部102とPON側受信部104の内部構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、局側装置1の光受信部102は、内部に、光電変換素子112、増幅器113、比較器114、クロック・データ再生部115、及びバイアス部116を備えている。また、局側装置1のPON側受信部104は、内部に、FEC復号化部117、物理層復号化部118、フレーム再生部119、制御部120、及び記憶部121を備えている。
そこで、以下においては、宅側装置2の場合と共通する構成及び機能については説明を省略し、宅側装置2の場合と相違する制御部120の最適化処理について説明する。
局側装置1の制御部120は、基本的に宅側装置2の制御部220と同様のバイアス電圧Viの最適化処理を実行可能である。
しかし、局側装置1の場合には、各宅側装置2から種々の受信タイミングで、異なる強度の光バースト信号B1〜B3を間欠的に受信することから、APD112のバイアス電圧Viの最適化処理の手法としては、次の2種類を採用し得る。
(2) 訂正頻度が最も高い宅側装置(例えば、宅側装置2Cとする)が送信する光バースト信号B3についてのみ、その訂正頻度に基づいてバイアス電圧Viの最適値を決定する。従って、他の宅側装置2A,2Bについては宅側装置2Cのバイアス電圧Viを代用する。
そこで、制御部120は、各光バースト信号B1〜B3の受信時期に合わせて、前記宅側装置2の制御部220の場合と同様の最適化処理を実行することにより、バイアス電圧Viの最適値を宅側装置2A〜2Cごとに求める。
もっとも、バイアス電圧Viの最適値を宅側装置2A〜2Cごとに決定すると、その後の運用時において、光バースト信号B1〜B3の受信時期に合わせてバイアス電圧Viを切り替える必要が生じるため、光バースト信号B1〜B3の送信時間が短い場合には、バイアス電圧Viの切り替えが追従できないこともあり得る。
そこで、制御部120は、宅側装置2の制御部220の場合と同様の最適化処理を実行することにより、バイアス電圧Viの最適値を宅側装置2Cについてのみ求める。
このため、光バースト信号B1〜B3ごとにバイアス電圧Viを切り替える処理が不要となり、APD112の増倍率が追従しないという問題を回避することができる。
例えば、上記実施形態では、制御部120,220が、訂正頻度を最小にするバイアス電圧Viの「最適値」を求める処理(最適化処理)を実行するが、その「最適値」を求める場合だけでなく、訂正頻度を現時点よりも低くするバイアス電圧Viの「改善値」を求める場合も、本発明の範囲に含まれる。
また、上記実施形態では、局側装置1と宅側装置2の双方に本発明の受信装置を適用した場合を例示したが、それらのうちのいずれか一方のみに、本発明の受信装置を適用してもよい。
2 宅側装置(受信装置)
2A 宅側装置
2B 宅側装置
2C 宅側装置
5 光ファイバ(幹線)
6 光カプラ
7 光ファイバ(支線)
112 光電変換素子(APD)
117 FEC復号化部
120 制御部
121 記憶部
212 光電変換素子(APD)
217 FEC復号化部
220 制御部
221 記憶部
C1 光信号(下り方向)
B1 光バースト信号(上り方向)
B2 光バースト信号(上り方向)
B3 光バースト信号(上り方向)
Claims (9)
- 前方誤り訂正(Forward Error Correction:以下、「FEC」という。)によって符号化された光信号の受信装置であって、
逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する、前記光信号を光電変換する光電変換素子と、
光電変換後の電気信号を二値化したデータ信号をFEC復号化するFEC復号化部と、
前記FEC復号化部における訂正頻度に基づいて前記光電変換素子に印加する前記バイアス電圧の改善値を決定する制御部と、
を備えていることを特徴とする光信号の受信装置。 - 前記バイアス電圧の調整範囲において前記訂正頻度を参照データとして保持するための記憶部を、更に備えており、
前記制御部は、前記参照データに基づいて、前記訂正頻度が小さくなる方向に前記バイアス電圧を調整する請求項1に記載の光信号の受信装置。 - 前記制御部は、起動時における前記バイアス電圧の初期値を当該バイアス電圧の最適値よりも低い値に設定する請求項2に記載の光信号の受信装置。
- 前記制御部は、前記光電変換素子の温度に基づいて、起動時における前記バイアス電圧の初期値を設定する請求項2又は3に記載の光信号の受信装置。
- 前記制御部は、前記バイアス電圧の改善値を特定不能な程度に低頻度の所定値よりも前記訂正頻度が小さい場合には、現時点の前記バイアス電圧の値を維持又は更に低下させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光信号の受信装置。
- 前記制御部は、前記訂正頻度を更新する時間間隔が変更可能である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光信号の受信装置。
- 複数の宅側装置が送信する上り方向の光バースト信号を時分割で受信する、PONシステムの局側装置に搭載される請求項1〜6のいずれか1項に記載の光信号の受信装置であって、
前記制御部は、前記訂正頻度に基づいて前記バイアス電圧の改善値を決定する処理を前記宅側装置ごとに個別に実行することを特徴とする光信号の受信装置。 - 複数の宅側装置が送信する上り方向の光バースト信号を時分割で受信する、PONシステムの局側装置に搭載される請求項1〜6のいずれか1項に記載の光信号の受信装置であって、
前記制御部は、前記訂正頻度が最も高い前記宅側装置が送信する前記光バースト信号について、その訂正頻度に基づいて前記バイアス電圧の改善値を決定し、他の前記宅側装置が送信する前記光バースト信号についても前記改善値を採用することを特徴とする光信号の受信装置。 - FECによって符号化された光信号の受信方法であって、
逆方向のバイアス電圧によって光電流の増倍率が変化する光電変換素子により、前記光バースト信号を光電変換するステップと、
光電変化後の電気信号を二値化したデータ信号をFEC復号化するステップと、
前記データ信号に対するFEC復号化における訂正頻度に基づいて前記光電変換素子に印加するバイアス電圧の改善値を決定するステップと、
を含むことを特徴とする光信号の受信方法。
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