JP2011029349A - プリント配線板の接続構造およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導体15を有する第1のプリント配線板10と、第1のプリント配線板の上に位置し、フライングリード25を有する第2のプリント配線板20と、導体15と、フライングリード25とを接続する異方導電性接着剤33とを備え、導体およびフライングリードは幅が相違して、幅狭のほうの側面と幅広のほうの対向面とで角部Kを生じており、異方導電性接着剤33は、角部Kを埋めていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
上述のプリント配線板の使用のされ方をしない場合でも、一方のプリント配線板がフライングリードを持ち、他のプリント配線板の導体と導電接続をする場合が多くある。
本発明は、一方のプリント配線板のフライングリードと他方のプリント配線板の導体配線(基板パッド)とを電気的に接続しながら十分高い接続強度を簡単に得ることができる、プリント配線板の接続構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の構成によれば、導体とフライングリードとは、その幅を広狭異にする。このため、導体等の横断面において、角部を生じる。
(C1)フライングリードが幅広の場合は、離型フィルムがフライングリード間に押し込まれにくくなり、また、フライングリードの下の角部に対して傘または庇の役割を果たし、離型フィルムが導体間のスペースに入り込むのを阻止する。この結果、ACFはフライングリードの傘のもとに、十分な量、角部および基材上に溜められる。
(C2)フライングリードが狭幅の場合は、角部は上向きにフライングリードの側面に位置し、基材/導体/フライングリード、にステップ(段差)構造を形成する。このステップ構造の突部(空間側の角)は、押し込まれる離型フィルムに対して障害となり、凹部(角部)および平坦部(対向面および基材上)におけるACFが押されるのを防ぐ。この結果、ACFは、凹部(角部)および平坦部(対向面および基材上)に、十分な量、溜められる。
上記の(C1)および(C2)によって、ACFは、熱圧着工程を経て、十分な量、角部に溜まり、(導体/フライングリード)の導電接続部に連続してその導電接続部を分厚く補強することができる。この結果、上記の接続強度を向上させることができる。なお、(導体/フライングリード)の導電接続部に連続する溜まったACFは、導電性を発現しないことは言うまでもない。
図1は、本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の接続構造50の一例を示し、(a)は平面図、(b)はIB−IB線に沿う断面図である。このプリント配線板の接続構造50は、大略、(基材11上に導体配線15を有する第1のプリント配線板10/異方導電性接着剤(ACF)33/フライングリード25を有する第2のプリント配線板20)の積層体である。本実施の形態における特徴は、フライングリード25の幅W2が導体15の幅W1より大きく、フライングリード25の対向面と導体15の側面とで、角部Kが形成されており、この角部KをACF33が充填している点にある。
第1のプリント配線板10では、絶縁性の基材11の上に、たとえば銅箔が貼着されてエッチングによりパターニングされた導体配線(以下、導体と記す)15が所定の間隔をあけて並行している。プリント配線板10において絶縁性の基材11上に配置されている露出した導体15は、接続のための部分であり、基板パッドと呼ばれる場合もある。
ACF33は、導電粒子33pを含む熱硬化性または熱可塑性樹脂等による接着剤であり、導体15とフライングリード25とは、ACF33により導電接続されており、他の部分では、導電性が発現されていない。導体15とフライングリード25との導電接続は、両者の間隔を短くして、熱硬化性または熱可塑性の接着樹脂中の導電粒子33pのサイズと同程度にすることで、発現する。導電接続される導体15とフライングリード25との間隔は、たとえば1μmであり、これより大きくても小さくてもよく、0.1μm〜5μmの範囲にあればよい。図1(b)では、導体15とフライングリード25とは、直接、接触しているように表示しているが、ACF33が間に介在しており、とくに導電粒子33pが導電接続をしている。導電粒子33pは、ニッケル、銀、などどのような金属でもよいし、樹脂粒に金めっき、銀めっき、ニッケルめっきしたものでもよい。形状も球状、粒状、針状などどのような形態であってもよい。
第2のプリント配線板20において、導体配線であるフライングリード25は、一方の端を絶縁性基材21から延在させて、他方の端を絶縁性基材21に進入させている。一方の端と他方の端の間では裸の状態である。フライングリード25は、図3に示すように、両端側において絶縁性基材21に進入して配線を形成する場合でも、他端側は裸の状態のまま終端する形態であってもよい。フライングリードの領域が複数箇所に分かれていて、その領域が、並置されていても、千鳥状(3つ以上の領域の場合)に配列していてもよい。
図4および図5(d)に示すように、導体15とフライングリード25との間に、並行するすべての導体15にわたって交差するように、ACF33を配置する。したがって、ACF33は、圧力をかけられるフライングリード25と導体15との間でのみ導電性を発揮して、(導体15/フライングリード25)の間に位置するACFでは導電性は発現しない。熱圧着条件は、温度100℃〜300℃−保持時間5秒〜45秒−圧力1MPa〜9MPaの範囲、たとえば温度200℃−保持時間15秒−圧力3MPaとするのがよい。この温度はACF33の温度である。このため、上記の熱圧着条件における温度200℃は、ACF33の温度が200℃になるように、ヒータを内蔵した熱圧着ツールまたは押し具41の温度をより高い温度に設定することになる。保持時間は、上記の押し具41により上記の圧力で押す時間である。
ACF33は、上述のように、導電粒子33pに加えて、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分に含む。熱硬化性樹脂の場合、硬化温度にいたる過渡温度域において溶融または半溶融状態を経過する。また熱可塑性樹脂の場合は高温で溶融または半溶融状態になる。この溶融または半溶融状態に圧力を付加して、導体15/フライングリード25の部分を薄くして、導電粒子がACF33内部で導通するようにする。また、圧力を加えられないその他の部分では、導電性が発現しない。
圧力の負荷には、フライングリード25が露出している長さの範囲に収まる幅寸法の押し具(熱圧着ツール)41を用いるのがよい、押し具41とフライングツール25との間には、通常PTFEフィルムからなる離型フィルム35を介在させる。離型フィルム35は、ACFが押し具41に粘着するのを防止するために配置する。
ここで問題になるのは、離型フィルムのPTFEは、温度上昇して軟化するため、押し具41に押されて、フライングリード25間のスペースD2に、さらには導体15間のスペースD1にまで入り込む場合が多いことである。図4において、点線は、押し具41の熱圧着の圧力印加の位置を示している。フライングリード25間に押し込まれたPTFEフィルムは、直下に位置するACF33に圧力をかける。
図10は、フライングリード125の幅W2と、基材111上の導体115の幅W1とが同じ場合の接続構造を示す。図10に示すように、導電粒子133pを含むACF133は、フライングリード125と導体115の幅W2,W1が同じ場合、圧力を受けて流動して、その多くが導体115間の側方開口から外に流出していた。
ACF33は、角部Kを超えて、導電接続した(導体15/フライングリード25)の側面の上部に達して、側面間(スペースD)では流動体特有の、上記側面を伝って(垂れ下がって)溜まる表面形状を呈する。残存するACFが多いほど、導体15とフライングリード25との接続は強固なものとなる。
上記は、ACF33に熱硬化性接着剤を用いた場合について詳しく説明したが、熱可塑性樹脂を用いてもよいことは、上記のとおりである。
図6は、本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の接続構造50を示す断面図である。本実施の形態では、フライングリード25の幅W2よりも導体15の幅W1が大きい点が特徴である。その幅の差(W1−W2)は、図7に示すように、幅が狭いほうのフライングリード25の厚みt2以上大きくするのがよい。すなわち、一方の端において角部Kを構成する導体15の対向面の部分(W1−W2)/2は、フライングリード25の厚みの半分(t2/2)以上とする。
図8は、本発明の実施の形態3におけるプリント配線板の接続構造50を示す図である。本実施の形態では、フライングリード25がベタ電極である点に特徴を有する。このとき、幅の差(W2−W1)が、狭い方の導体15の厚みt1以上となることは明白である。本実施の形態のプリント配線板の接続構造50は、実施の形態1の極端な場合である。フライングリード25の庇または傘の作用は、非常に大きくなり、大きな傘の下に、ACF33を十分な量、確実に残留させることができる。
図9は、本発明の実施の形態4におけるプリント配線板の接続構造50を示す図である。本実施の形態では、導体15がベタ電極である点に特徴を有する。このとき、幅の差(W1−W2)が、狭い方のフライングリード25の厚みt2以上となることは明白である。本実施の形態のプリント配線板の接続構造50は、実施の形態2の極端な場合である。フライングリード25の突部25kの離型フィルム阻止作用は得ることができる。また、導体15はベタ電極であり突部はなくなっているが、そのベタ電極15が、離型フィルムを阻止することは明白である。このため、離型フィルム35が押し込まれた場合、非常に潤沢な量のACF33が残存することはないかもしれないが、上向きの角部Kを埋めて、なお上向きの角部Kから連続してフライングリード25間のスペースD2に残るACF33を見込むことはできる。この上向きの角部KからスペースD2へと連続するACF33は、導電接続部の界面を側方から分厚く覆う配置となる。この結果、両プリント配線板10,20の接続強度を十分高くすることができる。
Claims (5)
- 基材上に導体を有する第1のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板の上に位置し、フライングリードを有する第2のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板の導体と前記第2のプリント配線板のフライングリードとを接続する異方導電性接着剤とを備え、
前記導体および前記フライングリードは幅が相違して、幅狭のほうの側面と幅広のほうの対向面とで角部を生じており、前記異方導電性接着剤は、前記導体とフライングリードとを導電接続する部分から連続して前記角部を埋めていることを特徴とする、プリント配線板の接続構造。 - 複数の前記導体および複数の前記フライングリードが、個別に一対一に接続され、前記異方導電性接着剤は、前記接続された(導体/フライングリード)間の前記基材上に溜まって、その表面が一のフライングリードの側面から隣のフライングリードの側面へと連なるように位置していることを特徴とする、請求項1に記載のプリント配線板の接続構造。
- 前記導体および前記フライングリードのうちの幅広のほうの一つが、幅狭のほうの複数の他方に導電接続されており、前記角部は、前記幅狭のほうの側面と、幅広の一つの対向面とで、前記複数の幅狭のほうごとに形成され、前記異方導電性接着剤は、前記幅狭のほうごとに前記導電接続する部分から連続して前記角部を埋めていることを特徴とする、請求項1に記載のプリント配線板の接続構造。
- 前記導体およびフライングリードのうち、幅広のほうの幅は、幅狭のほうの幅よりも、狭幅のほうの厚み分以上広いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント配線板の接続構造。
- 導体が基材上に位置する、第1のプリント配線板を準備する工程と、
前記第1のプリント配線板上に異方導電性接着剤フィルムを配置する工程と、
前記異方導電性接着剤フィルム上に、フライングリードを有する第2のプリント配線板を、前記導体上に前記フライングリードを合わせて配置する工程と、
前記第2のプリント配線板の上から、離型フィルムを介在させて熱圧着ツールで圧力をかけて熱圧着する工程とを備え、
前記第1のプリント配線板の導体の幅と、前記第2のプリント配線板のフライングリードの幅とを、相違させることを特徴とする、プリント配線板の接続構造の製造方法。
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