JP2011028040A - 周回ベルト装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

周回ベルト装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ローラ間に掛け回された無端ベルトからの騒音の発生が抑えられ、かつ、無端ベルトの側端縁の破損を回避し易くすることができるようにする。
【解決手段】定着装置20に適用されたものであり、軸回りに回転可能な加熱ローラ30と、この加熱ローラ30に対向配置された定着ローラ40と、加熱ローラ30および定着ローラ40間に巻き掛けられる定着ベルト50と、加熱ローラ30の両端に設けられた一対のベルト寄り止め部材70とを備えて構成されている。そして、ベルト寄り止め部材70は、加熱ローラ30の外周面より突出した寄り止めフランジ72を有し、この寄り止めフランジ72は、定着ベルト50の側縁部と対向する壁面が、側縁部から離れる方向に湾曲した環状曲面73とされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、互いに対向配置された一対のローラ間に寄り止め状態で掛け回される周回ベルト装置およびこの周回ベルト装置が適用された定着装置並びにこの定着装置が適用された画像形成装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているような、画像形成装置の定着装置に採用される周回ベルト装置が知られている。この周回ベルト装置は、内部にハロゲンヒータを備えた加熱ローラと、この加熱ローラに対向配置された定着ローラと、これら加熱ローラおよび定着ローラ間に張設された無端ベルト(特許文献1ではエンドレスベルト)とを備えている。そして、画像形成部から搬送されてきたトナー像が転写された直後の用紙が、無端ベルトを介して定着ローラと対向配置された加圧ローラとの間のニップ部を通過するに際し、当該用紙上のトナー像が無端ベルトからの熱を得て用紙に対し定着処理が施される。
このような周回ベルト装置において、内部にハロゲンヒータが内装される加熱ローラの両端部には、合成樹脂製の筒状の外嵌部材がそれぞれ嵌め込まれている。かかる外嵌部材は、筒心方向の全長に亘って延びたスリットを有する断熱ブッシュ部と、この断熱ブッシュ部の端縁に形成された周方向の全長に亘って延びるフランジ状のベルト寄り止め部とを備えている。
このような外嵌部材は、ベルト寄り止め部を対向させた状態で加熱ローラの両端部にそれぞれ外嵌される。そして、無端ベルトは、一対の外嵌部材の各寄り止め部間に挟持された状態で加熱ローラに掛け回されている。従って、周回時の無端ベルトは、加熱ローラ上における周回中に、これら一対の寄り止め部に阻止されることで加熱ローラのローラ心方向の外方へ寄ることが防止される。
特開2009−133984号公報
ところで、特許文献1の周回ベルト装置にあっては、外嵌部材に形成された寄り止め部材は、無端ベルトの端縁と対向する部分が面一の平面状に形成されている。従って、無端ベルトは、その端縁が寄り止め部材と面接触しながら周回することになるため、耳障りな騒音が発生し易く、かつ、無端ベルトの側端縁が破損し易くなるという問題点を有していた。
本発明は、従来のこのような問題点を解消するためになされたものであり、第1および第2ローラ間に掛け回された無端ベルトからの騒音の発生が抑えられ、かつ、無端ベルトの側端縁の破損を回避し易くすることができる周回ベルト装置およびこの周回ベルト装置が適用された定着装置並びにこの定着装置が適用された画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明(周回ベルト装置)は、軸回りに回転可能な第1および第2ローラと、前記第1および第2ローラ間に巻き掛けられる無端ベルトと、前記第1および/または第2ローラの少なくとも一端に配置されるベルト寄り止め部材と、を備え、前記ベルト寄り止め部材は、第1または第2ローラの外周面より突出したフランジ部を有し、前記フランジ部は、前記無端ベルトの側縁部と対向する壁面が、前記側縁部から離れる方向に湾曲した曲面とされていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、無端ベルトの側縁部と対向するフランジ部の壁面が、無端ベルトの側縁部から離れる方向に湾曲した曲面とされているため、無端ベルトの側縁部は、裏面側の角部のみがベルト寄り止め部材のフランジ部と接触する、いわゆる線接触となっているため、従来の面接触のときのような接触面積が広いことに起因する騒音の発生が抑制される。また、無端ベルト側縁部とフランジ部との間の接触面積が少ないことから、無端ベルトの端面に傷が付き難くなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記曲面は、前記第1または第2ローラからの立ち上がり部分が垂直に近く、徐々に湾曲度合いが大きくなる曲面であることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、無端ベルトが周回している状態において、当該無端ベルトは、側縁部の内面側の角の部分がフランジ部の曲面の垂直に近い急峻な立ち上がり部分に接触するため、ローラの径方向外方に向けてフランジ部の曲面を競り上がることが効果的に抑制される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記ベルト寄り止め部材は、第1ローラまたは第2ローラの外径に略等しい内径を有する筒体部と、この筒体部の一端側に設けられた円環状フランジ部と、を備え、前記筒体部は、第1または第2ローラの端部に外嵌され、前記円環状フランジ部の前記ベルト側縁と対向する面に前記曲面が形成されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ベルト寄り止め部材の筒体部をローラの端部に嵌め込むという簡単な操作によって第1および第2ローラの両端部に、ベルト寄り止め部を有する円環状フランジ部を形成させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記寄り止め部材の筒体部および円環状フランジ部には、これらに亘って第1または第2ローラの軸方向に延びるスリットが設けられているとともに、前記スリットの前記壁面側の互いに対向した端縁における筒心へ向かう方向の各角部には、それぞれ削り取られた状態のR面が形成されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、周回している無端ベルトの側縁面が円環状フランジ部に当接したとき、当該無端ベルトの側縁面は、スリットの互いに対向した端縁における筒心へ向かう方向の角部にそれぞれ削り取られた状態で形成されたR面に当接される。従って、従来のようにR面が形成されていなかった場合には、無端ベルトの縁面がスリットの先鋭な角部との当接時に引っ掛かって異音が発生していたのであるが、請求項4の発明では、引っ掛かることのないR面によってかかる異音の発生が抑えられる。
請求項5記載の発明(定着装置)は、トナー画像の転写された用紙に対し加熱による定着処理を施す定着装置であって、熱源が内装された加熱ローラと、この加熱ローラと対向配置された定着ローラと、これら定着ローラおよび加熱ローラ間に掛け回された定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記定着ローラと対向配置された加圧ローラとを有し、前記加熱ローラ、前記定着ローラおよび前記定着ベルトが請求項1乃至4のいずれかに記載の周回ベルト装置における第1ローラ、第2ローラおよび無端ベルトであることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、定着装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の周回ベルト装置が備えた作用効果を享受し得るものになる。
請求項6記載の発明(画像形成装置)は、画像情報に基づき所定の画像形成処理を施して用紙にトナー画像を転写する画像形成部と、前記画像形成部で用紙に転写されたトナー画像に対し当該用紙への定着処理を施す請求項5に記載の定着装置と、を備えてなることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、画像形成装置は、請求項5に記載の定着装置が備えた作用効果を享受し得るものになる。
本発明に係る周回ベルト装置によれば、無端ベルトの側縁部は、ローラの周面側の角部のみがベルト寄り止め部材のフランジ部と接触する、いわゆる線接触でローラに掛け回されているため、従来の面接触のときに発生していたような騒音が生じないようにすることができる。
本発明に係る定着装置によれば、当該定着装置は、本発明に係る周回ベルト装置が備えた作用効果を享受することができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、当該画像形成装置は、本発明に係る定着装置が備えた作用効果を享受することができる。
本発明に係る定着装置が適用された画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。 定着装置20の一実施形態の概要を示す正面視の断面図である。 筐体の一実施形態を示す分解斜視図である。 図3に示す筐体の組立て斜視図である。 ベルト寄り止め部材が加熱ローラに適用される状態を示す斜視図であり、(A)は、ベルト寄り止め部材が加熱ローラに装着される直前の状態、(B)は、ベルト寄り止め部材が装着された加熱ローラと定着ローラとの間に定着ベルトが掛け回された状態、(C)は、ベルト寄り止め部材の拡大図をそれぞれ示している。 図5に示す前方側のベルト寄り止め部材のVI−VI線矢視の断面図である。 図6の円内の部分拡大図である。
まず、本発明に係る定着装置が適用された画像形成装置について説明する。図1は、本発明に係る定着装置20が適用された画像形成装置10の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。なお、図1においてX方向を左右方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方という。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置10は、プリンタとして使用されるものであり、箱形を呈した装置本体11と、この装置本体11の側面に対して開閉可能に付設されたカバー体19とを備えている。
前記装置本体11には、コンピュータ等の外部機器から伝送された画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写されたトナー画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙を貯留する用紙貯留部14と、画像形成部12へトナーを補給するトナー補給部15が内装されているとともに、当該装置本体11の上部に定着処理後の用紙Pが排出される用紙排出部16が形成されている。
前記装置本体11の上面適所には、用紙Pの出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、図略の電源キーやスタートボタン、さらには出力条件を入力するための各種のキー等が設けられている。
前記画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙Pにトナー画像を形成させる部分であり、本実施形態では、上流側(図1における右側)から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナー(現像剤)を用いるマゼンタ用ユニット12Mと、シアン色のトナーを用いるシアン用ユニット12Cと、イエロー色のトナーを用いるイエロー用ユニット12Yと、ブラック色のトナーを用いるブラック用ユニット12Kとが備えられている。
そして、前記各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム121および現像装置122がそれぞれ備えられている。感光体ドラム121は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成させるためのものである。そして、各感光体ドラム121は、図1において時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像装置122からトナーの供給を受ける。各現像装置122には、前記トナー補給部15からトナーが補給される。このような各感光体ドラム121は、図略の感光体ドラム駆動機構によって駆動回転される。
各感光体ドラム121の直下位置には帯電装置123が設けられているとともに、各帯電装置123のさらに下方位置には露光装置124が設けられている。そして、各感光体ドラム121は、前記帯電装置123によって周面が一様に帯電され、コンピュータ等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が前記露光装置124から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射される。これにより、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置122からトナーが供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成される。
感光体ドラム121の上方位置には、当該各感光体ドラム121に当接するように駆動ローラ125aおよび従動ローラ125b間に張設された転写ベルト125が設けられている。この転写ベルト125は、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ126によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回する。
従って、転写ベルト125が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタトナーのトナー像の転写が行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアントナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム121によるイエロートナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後のブラック用ユニット12Kの感光体ドラム121によるブラックトナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、これによって転写ベルト125の表面にカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写されることになる。
そして、各感光体ドラム121の図1における右方位置には当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するクリーニング装置127がそれぞれ設けられている。クリーニング装置127によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電装置123へ向かうことになる。
クリーニング装置127で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収され、貯留される。
画像形成部12の図1における左方位置には、前記カバー体19の右面に沿うように上下方向に延びた用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられ、用紙貯留部14から繰り出された用紙Pは、この搬送ローラ対112の駆動で駆動ローラ125aに掛け回されている転写ベルト125へ向けて搬送される。
かかる用紙搬送路111には、駆動ローラ125aと対向した位置に転写ベルト125の表面と当接した第2転写ローラ113が設けられ、用紙搬送路111を搬送されつつある用紙Pが転写ベルト125と第2転写ローラ113とに押圧挟持されることによって転写ベルト125上のトナー像が当該用紙Pに転写される。
前記定着部13は、画像形成部12で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものである。かかる定着部13には、定着装置20が設けられている。定着装置20については、後に図2〜図4を基に詳細に説明する。
定着処理の完了したカラー印刷済みの用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って装置本体11の頂部に設けられた用紙排出部16の排紙トレイ161へ向けて排出されることになる。
前記用紙貯留部14は、装置本体11内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された用紙トレイ141を備えている。かかる用紙トレイ141は、上面が全面開口の箱体を備えて構成され、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束P1が貯留可能になっている。かかる用紙トレイ141に貯留された用紙束P1の最上位の用紙Pは、下流端(図1における左端)の上面が用紙束P1からピックアップローラ142の駆動で用紙搬送路111へ向けて繰り出される。1枚ずつ繰り出され用紙Pは、搬送ローラ対112の駆動で用紙搬送路111を通って画像形成部12における第2転写ローラ113と転写ベルト125との間のニップ部へ向けて送り込まれる。
前記トナー補給部15には、画像形成部12の各ユニット12M,12C,12Y,12Kにそれぞれ対応して4台のトナーカートリッジ151が設けられている。そして、各ユニット12M,12C,12Y,12Kの現像装置122には、残量が少なくなると対応した対応した各トナーカートリッジ151からトナーが補給される。
前記カバー体19は、閉止姿勢S1(図1に実線で表示)と開放姿勢S2との間で姿勢変更することにより画像形成部12、定着部13および用紙貯留部14の図1における左面側に対して開閉可能とされている。かかるカバー体19は、普段、閉止姿勢S1に姿勢設定され、これによって画像形成部12の図1における左面との間に用紙貯留部14からの用紙を第2転写ローラ113へ向けて搬送するための用紙搬送路111が形成される。
そして、搬送ローラ対112や定着部13で紙詰りが発生したときカバー体19が開放され(すなわち、閉止姿勢S1から開放姿勢S2へ姿勢変更され)、これによって外部に露出した画像形成部12および定着部13から詰まった用紙を容易に取り除くことができる。
なお、カバー体19には、その内部に第2転写ローラ113を通過した用紙Pを反転させた後、用紙搬送路111へ戻して裏面側にも印刷処理を施すための両面印刷用の反転搬送路が設けられているが、その説明は省略する。
図2は、定着装置20の一実施形態の概要を示す正面視の断面図である。図2においてX−X方向を左右方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方という。図2に示すように、定着装置20は、異形の箱形を呈した筐体80に、加熱ローラ(第1ローラ)30と、この加熱ローラ30に対向配置された定着ローラ(第2ローラ)40と、この定着ローラ40および前記加熱ローラ30間に張設された定着ベルト(無端ベルト)50と、この定着ベルト50と前記定着ローラ40を介して対向配置された加圧ローラ60とが内装されることによって構成されている。
前記筐体80の底板には、図2における左右方向の中央部より若干左方に寄った位置に用紙搬送路111を介して送り込まれた用紙Pを定着装置20内に導入するための導入開口21が設けられている一方、筐体80の天板における前記導入開口21と対向した位置には、定着処理済みの用紙Pを導出するための導出開口22が設けられている。
前記加熱ローラ30は、筐体80内の図2における右方位置に用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に延びるように設けられている。かかる加熱ローラ30は、筐体80に回動自在に支持されたアルミニウム製の円筒状の筒軸31を備えている。この筒軸31の周りには、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等によるフッ素樹脂加工が施されている。前記筒軸31の内部にはハロゲンランプ等からなる通電発熱体32が配設されている。前記定着ベルト50は、加熱ローラ30の筒軸31に掛け回されている。
前記定着ローラ40は、筐体80内において回転中心が前記導入開口21より若干右側に寄った位置で前記加熱ローラ30の左方位置に周面が対向するように設けられている。かかる定着ローラ40は、アルミニウム合金等の金属材料からなる定着ローラ心金41と、この定着ローラ心金41に同心で一体的に外嵌された円筒状の発泡性シリコンゴムからなる弾性層42とを備えている。
前記定着ベルト50は、加熱ローラ30の筒軸31と定着ローラ40の弾性層42との間に所定の緊張状態で張設されている。かかる定着ベルト50は、本実施形態においては、ニッケル電鋳ベルトを芯材とし、この芯材の表裏面にシリコンゴム層が積層され、外周側にPFAフィルム層を備えている。
因みに、本実施形態においては、前記ニッケル製の芯材は、厚み寸法が90μmに設定され、前記シリコンゴム層は、厚み寸法が200〜300μmに設定され、前記PFAフィルム層は、厚み寸法が30μmに設定されているが、各材料の厚み寸法がこれらの値であることに限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定される。
前記加圧ローラ60は、筐体80内において回転中心が前記導入開口21より若干左側に寄った位置で周面が前記定着ローラ40の周面と定着ベルト50を介して当接するように配設されている。かかる加圧ローラ60は、アルミニウム合金製の筒体からなる加圧ローラ本体61と、この加圧ローラ本体61に同心で一体的に設けられたシリコンゴム製の外嵌された円筒状の弾性体層62と、この弾性体層62の周面に被覆されたPFA等からなる合成樹脂フィルム63とを備えている。
そして、合成樹脂フィルム63を介した弾性体層62の周面と定着ベルト50を介した弾性層42の周面との当接位置(すなわち定着ベルト50と合成樹脂フィルム63とが当接した位置)に、前記導入開口21を介して筐体80内に送り込まれた用紙Pをニップするニップ部Nが形成されている。
前記加圧ローラ本体61は、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されているのに対し、前記弾性体層62は、シリコーンゴム等の弾性材料によって形成され、これによって前記ニップ部Nにおいて定着ベルト50を介した定着ローラ40との当接により弾性変形で径方向に凹没している。
かかる加圧ローラ60においては、筐体80の適所に設けられた図略の駆動モータの駆動力が所定の図略の減速機構を介して加圧ローラ本体61に伝達されることにより、加圧ローラ本体61が軸心回りに駆動回転するようになっている。この加圧ローラ60の駆動回転は、当該加圧ローラ60に押圧当接している定着ベルト50に伝達され、これにより定着ベルト50は加熱ローラ30と定着ローラ40との間を周回する。
従って、定着ベルト50は、周回しつつ通電発熱体32からの輻射熱によって加熱された加熱ローラ30の筒軸31からの伝熱によって全体的に加熱されることになる。
定着装置20はこのように構成されているため、前記第2転写ローラ113(図1)と、駆動ローラ125aに掛け回された転写ベルト125との間を通過することによりトナー像の転写処理が施された用紙Pは、導入開口21を介して定着ローラ40と定着ローラ40に張設された定着ベルト50との間のニップ部Nに供給され、加圧ローラ60の回転および定着ベルト50の周回でこのニップ部Nを通過することにより、定着ベルト50の熱が用紙P表面のトナー像に伝熱され、これによる加熱処理で当該用紙Pに定着処理が施される。
定着処理後の用紙Pは、定着ベルト50の周回およびこれに従動する加圧ローラ60の軸心回りの回転に応じ導出開口22を介して筐体80外に導出され、排紙搬送路114を通って胴内排紙トレイ115(図1)へ排出される。
以下、図3および図4を基に加熱ローラ30、定着ローラ40および加圧ローラ60が装着される筐体80について説明する。図3は、筐体80を説明するための分解斜視図であり、図4は、その組立て斜視図である。なお、図3および図4において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。因みに、図3および図4は、筐体80を理解し易いように簡略化して示したいわゆる原理図であり、従って、詳細な設計的事項については図示を省略したり、あるいは調整したりして示している。また、図3においては、紙面の都合上筐体80の右方側のみを示し、対称に形成された左方側の図示を省略している。
まず図3に示すように、筐体80は、前記加熱ローラ30と、前記定着ローラ40と、前記定着ベルト50とが装着される定着ベルト側筐体81と、前記加圧ローラ60が装着された状態で定着ベルト側筐体81と対向配置される加圧ローラ側筐体87とを備えている。
前記定着ベルト側筐体81は、加熱ローラ30および定着ローラ40に張設された定着ベルト50の各側端部に対向配置される一対の側板82と、加熱ローラ30を支持した状態で各側板82に沿って水平移動可能に設けられた一対の可動板83と、一対の側板82の下端縁部間に架設された架設板84と、一対の側板82間における加熱ローラ30の上方、後方および下方に対応した位置に装着される側面視でコ字状を呈したコ字状カバー体85と、通電発熱体32に供給される電力を中継する端子台部材86とを備えている。
前記各側板82には、その後方側半分の位置に加熱ローラ30の端部と対向した角孔821がそれぞれ穿設されているとともに、前方側半分の位置に定着ローラ40と対向したベアリング装着孔822がそれぞれ穿設されている。また、各側板82には、前記角孔821の後方位置から後方に向かって延設されたブラケット823がそれぞれ設けられているとともに、後方位置から上方に向かって突設板824がそれぞれ突設されている。これらの突設板824の上方後縁部には、互いに対向する方向に向けて突設されることによって形成した、後述する連結ロッド801を挿通するための第1支持片835がそれぞれ設けられている。
前記一対の可動板83は、加熱ローラ30の各端部に外嵌されたベアリングBを支持するものであり、中央部にベアリングBが嵌入されるベアリング装着孔831がそれぞれ穿設されている。かかる可動板83は、一対の側板82の対向面における角孔821の上下に対向配置された一対のガイドレール821aに案内されつつ前後方向に移動することができ。そして、ガイドレール821aに支持された状態の一対の可動板83の各ベアリング装着孔831にベアリングBがそれぞれ嵌入されることにより、加熱ローラ30が軸心回りに回転可能でかつ前後移動可能に側板82に支持される。
かかる可動板83の後方縁部の中央位置には、第1コイルスプリング832の前方端部が装着されている。この第1コイルスプリング832の後方端部は、可動板83が一対のガイドレール821aに支持された状態で、図4に示すように、前記ブラケット823の後方縁部に凹設された係止溝823aに係止され、これによって可動板83は、後方へ向けて付勢されている。
前記架設板84は、前方位置が後方に向かって切り欠かれ、これによって定着ベルト側筐体81が加圧ローラ側筐体87に嵌め込まれるようにして結合された状態で用紙Pをニップ部Nへ導く導入開口21が確保されている。
前記コ字状カバー体85は、加熱ローラ30に掛け回された定着ベルト50の後方を覆う後板851と、この後板851の上縁部から前方に向かって延設された、定着ベルト50の後方上面を覆う天板852と、前記後板851の下縁部から前方に向かって延設された底板853とからなっている。前記底板853が前記架設板84の下面に積層された状態でねじ止めその他で当該架設板84に固定されることにより、定着ベルト50を覆う定着ベルト側筐体81が形成される。
かかるコ字状カバー体85の底板853の前縁部適所には所定個数の貫通孔854(図3では1つのみを示している)が穿設され、ビスSをこれらの貫通孔854に貫通させた上で加圧ローラ側筐体87の後述する底板89に螺着することにより、加圧ローラ側筐体87が定着ベルト側筐体81に連結される。
前記端子台部材86は、前記通電発熱体32を支持した状態で当該通電発熱体32へ供給される電力を中継するものである。かかる端子台部材86は、定着ベルト側筐体81の側板82の角孔821を塞ぐ状態で当該側板82にねじ止めその他で装着される装着板861と、この装着板861の上下方向の略中央位置から外方に向かって突設された前後方向に延びる端子台862とを備えている。
前記装着板861には、可動板83のベアリング装着孔831より若干小径の円孔861aが設けられている。通電発熱体32は、その端面がこの円孔861aを介して端子台862と対向されている。そして、端子台862には、通電発熱体32に対応した端子片862aがねじ止めで取付けられ、この端子片862aを介して電力が通電発熱体32に供給される。
前記加熱ローラ30の両端部には、ベアリングBがそれぞれ外嵌される。そして、加熱ローラ30は、上下一対のガイドレール821a間に支持された可動板83のベアリング装着孔831にベアリングBが嵌め込まれることによって定着ベルト側筐体81に装着される。
前記定着ローラ40は、同心で両端部から互いに反対方向に向けて突設された一対の軸筒43を有し、これらの軸筒43にはベアリングBが装着される。そして、定着ローラ40は、軸筒43に装着されたベアリングBが側板82のベアリング装着孔822に嵌め込まれることによって定着ベルト側筐体81に軸心回りに回転自在に装着される。
前記加圧ローラ側筐体87は、左右方向一対の側板88と、これら一対の側板88の下縁部間に架設された底板89と、前記側板88の前縁部から立設された上下寸法が側板88の略半分の前板90と、この前板90の上縁部から後方に向かって先上がりに傾斜した傾斜天板91とを備えている。
前記一対の側板88間の内寸法は、前記定着ベルト側筐体81の一対の側板82間の外寸法より僅かに大きめに設定され、これによって加圧ローラ側筐体87を定着ベルト側筐体81に対して外嵌することができる。かかる各側板88には、前後方向の中央部より前方位置にベアリング装着孔881が穿設されている。
一方、前記加圧ローラ60は、両端部から同心で互いに反対方向に向けて突設された一対の軸筒64を有し、これらの軸筒64にはベアリングBが装着されている。そして、加圧ローラ60は、軸筒64に装着されたベアリングBが側板88のベアリング装着孔881に嵌め込まれることによって加圧ローラ側筐体87に軸心回りに回転自在に装着されている。
また、前記加圧ローラ60がベアリングBを介して加圧ローラ側筐体87に装着された状態で、ベアリング装着孔881から外部に突出した軸筒64に抜止め部材である例えばEリング65が装着され、これによって加圧ローラ60の加圧ローラ側筐体87に対する装着状態が安定する。
前記底板89には、前後方向の略中央位置に左右方向に延びる長尺矩形孔891が設けられているとともに、後縁部に前記コ字状カバー体85の貫通孔854と対向するように螺設された螺子孔892設けられている。前記長尺矩形孔891は、用紙Pを筐体80内に導入する導入開口21(図2)に対応するように設置位置が設定されている。
そして、底板89がコ字状カバー体85の底板853の下面に当接するように加圧ローラ側筐体87が定着ベルト側筐体81に外嵌めされた状態で貫通孔854を介してビスSを螺子孔892に緩やかに螺着することにより、加圧ローラ側筐体87は、ビスS回りに揺動可能に定着ベルト側筐体81に連結される。また、前記加圧ローラ側筐体87が定着ベルト側筐体81に連結された状態で、加圧ローラ60の周面が定着ベルト50を介して定着ローラ40の周面と対向するように加圧ローラ60の設置位置が設定されている。
前記傾斜天板91は、その前方部分が平面視でコ字状に切り欠かれることによって形成した切欠き部911を有している。この切欠き部911の両側部には、傾斜天板91の前縁部から立設され、かつ、前記定着ベルト側筐体81の第1支持片835と対向するように位置設定された左右方向一対の第2支持片912が設けられている。
そして、第1および第2支持片835,912が前後で互いに対向された状態で、当該第1および第2支持片835,912に穿設された貫通孔に後方側から連結ロッド801が差し通され、これによって定着ベルト側筐体81の上部と加圧ローラ側筐体87とが互いに連結される。前記連結ロッド801には、後端部に連結ロッド801の径寸法より大径の頭部802が設けられているとともに、前端部に環状溝803が凹設されている。
かかる連結ロッド801は、後方から第1および第2支持片835,912に差し通された状態で、図4に示すように、第2コイルスプリング804が前端側に圧縮状態で外嵌され、この状態で環状溝803にCリング805が嵌め込まれる。従って、定着ベルト側筐体81と加圧ローラ側筐体87とが互いに連結された状態(図4)では、第2コイルスプリング804の付勢力によって定着ベルト側筐体81と加圧ローラ側筐体87とは、第2コイルスプリング804の付勢力によってビスS回りに互いに接近する方向に向けて付勢され、これによって加圧ローラ60が定着ベルト50を介して定着ローラ40に押圧当接される。
また、加熱ローラ30は、第1コイルスプリング832の付勢力により可動板83およびベアリングBを介して定着ローラ40から離間する方向に向けて付勢さており、これによって定着ベルト50は、緊張状態が維持される。
そして、本実施形態においては、加熱ローラ30にベルト寄り止め部材70が適用されている。以下、図5および図6を基にベルト寄り止め部材70について説明する。図5は、ベルト寄り止め部材70が加熱ローラ30に適用される状態を示す斜視図であり、図5(A)は、ベルト寄り止め部材70が加熱ローラ30に装着される直前の状態、図5(B)は、ベルト寄り止め部材70が装着された加熱ローラ30と定着ローラ40との間に定着ベルト50が掛け回された状態、図5(C)は、ベルト寄り止め部材の拡大図をそれぞれ示している。
また、図6は、図5に示す前方側のベルト寄り止め部材70のVI−VI線矢視の断面図であり、図7は、図6の円内の部分拡大図である。なお、図5および図6におけるX方向を左右方向、Y方向を前後方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方、−Yを前方、+Yを後方という。
まず、図5に示すように、ベルト寄り止め部材70は、加熱ローラ30の筒軸31の両端部にそれぞれ一体回転可能に外嵌される合成樹脂製の一対の断熱ブッシュ(筒体部)71と、これら一対の断熱ブッシュ71の対向縁面にそれぞれ形成された寄り止めフランジ(フランジ部、円環状フランジ)72と、これら各寄り止めフランジ72の対向面に全周に亘って形成された環状曲面(湾曲した曲面)73とを備えている。
一方、ベルト寄り止め部材70が装着される筒軸31は、中央部の筒軸本体311と、この筒軸本体311の前後の端部に同心で互いに反対方向へ向けてそれぞれ延設された、筒軸本体311より若干小径の前後一対の小径筒部312とを備えている。そして、ベルト寄り止め部材70は、その断熱ブッシュ71が前後の小径筒部312にそれぞれ外嵌されることによって加熱ローラ30に装着される。
前記断熱ブッシュ71は、前後方向に貫通した筒状に形成され、内径寸法が筒軸31の小径筒部312の外径寸法より僅かに小さめに設定されている(加熱ローラ30の外径と断熱ブッシュ71の内径とは略同一に設定されている)。かかる断熱ブッシュ71には、前後方向の全長に亘って切断されることによって形成された切り込み溝(スリット)711が設けられている。
そして、ベルト寄り止め部材70を小径筒部312に装着するに際しては、断熱ブッシュ71を弾性変形させることによって切り込み溝711を広げた状態で断熱ブッシュ71を小径筒部312に外嵌される。こうすることで、断熱ブッシュ71は、小径筒部312に対し弾性変形の復元力で抱き締まり状態になり、一体回転可能に固定される。
また、断熱ブッシュ71には、寄り止めフランジ72と反対側の縁部に内フランジ(円環状フランジ部)721が設けられている。この内フランジ721は、断熱ブッシュ71の端部(図6に示す例では前端部)の内周面から中心に向かって所定寸法だけ全周に亘り同心で突設されることによって形成されている。かかる内フランジ721の内径寸法は、筒軸31の小径筒部312の内径寸法と同一に設定されている。従って、断熱ブッシュ71を小径筒部312へ外嵌していくと、内フランジ721が小径筒部312の端縁に当止し、これによって断熱ブッシュ71は位置決め状態で加熱ローラ30の筒軸31に装着される。
前記寄り止めフランジ72は、定着ベルト50が蛇行して図7に二点差線で示すように側方(図7に示す例では前側方)へ寄ったとき、定着ベルト50の端縁部と当接してこれを寄り止めするためのものである。本実施形態においては、かかる寄り止めフランジ72の断熱ブッシュ71からの径方向外方へ向かう突出量は、断熱ブッシュ71の厚み寸法の略2倍に設定されている。蛇行した定着ベルト50は、その縁部が寄り止めフランジ72に当止することにより、断熱ブッシュ71を乗り越えて側方へ寄ってしまうことが阻止される。
前記環状曲面73は、図7に示すように断面視で定着ベルト50に向かって凸の円弧状に形成されている。かかる環状曲面73は、筒軸31の小径筒部312の周面からの立ち上がり部分が垂直に近く、徐々に湾曲度合いが大きくなるように設定されている。従って、定着ベルト50の側縁部51がベルト寄り止め部材70の環状曲面73に当接した状態では、図7に示すように、当該側縁部51の裏面側角部511が断面視で環状曲面73の立ち上がり部分の直近に点接触(環状曲面73の半周に亘って線接触)で当止している。これにより加熱ローラ30の回転で筒軸31が定着ベルト50を回転させても、従来の側縁部51が寄り止めフランジに面接触していた場合に生じていたような異音の発生を抑制することができる。また、環状曲面73の立ち上がり部分は、略垂直に近くなっているので、定着ベルト50の競り上がりも抑止することができる。
因みに、本実施形態においては、寄り止めフランジ72の径方向の厚み寸法をL1とし、環状曲面73の前後方向の寸法をL2とした場合、「L1/L2」の値が2〜1の範囲内になるようにL1およびL2の値が設定されている。そして、L2の値が0.1〜3.0mmの範囲内の値に設定されている。L1およびL2の値をこのような範囲内に設定することにより、定着ベルト50が周回するときの異音の発生が抑えられることが実験的に確認されている。
そして、本実施形態においては、前記ベルト寄り止め部材70の断熱ブッシュ71および寄り止めフランジ72に形成された筒心方向に延びる切り込み溝711の定着ベルト50側の互いに対向した端縁における筒心へ向かう方向の各角部には、図5(C)および図7に示すような、それぞれが削り取られた状態のR面731が形成されている。
従って、周回中の定着ベルト50が寄り止めフランジ72に当接したとき、当該定着ベルト50の側縁面はなだらかなR面731に当接する。従って、従来のようにR面731が形成されていなかった場合には、定着ベルト50の縁面が切り込み溝711の先鋭な角部との当接時に引っ掛かって異音が発生していたのであるが、本実施形態においては、定着ベルト50の側縁面がR面731に案内されるため、当該側縁面が引っ掛かるようなことは起こらず、結果として異音の発生を確実に抑えることができる。
以上詳述したように、本実施形態に係る周回ベルト装置は、定着装置20に適用されたものであり、軸回りに回転可能な加熱ローラ30と、この加熱ローラ30に対向配置された定着ローラ40と、加熱ローラ30および定着ローラ40間に巻き掛けられる定着ベルト50と、加熱ローラ30の両端に設けられた一対のベルト寄り止め部材70とを備えて構成されている。
そして、ベルト寄り止め部材70は、加熱ローラ30の外周面より突出した寄り止めフランジ72を有し、この寄り止めフランジ72は、定着ベルト50の側縁部と対向する壁面が、側縁部から離れる方向に湾曲した環状曲面73とされているため、定着ベルト50の側縁部51は、ローラの周面側の角部のみがベルト寄り止め部材70の寄り止めフランジ72と接触する、いわゆる線接触となっている。従って、従来の面接触のような接触面積が広いことに起因する騒音の発生を抑制することができる。また、定着ベルト50の側縁部51と寄り止めフランジ72との間の接触面積が少ないことから、定着ベルト50の側縁部51を傷が付き難い状態にすることができる。
そして、ベルト寄り止め部材70の環状曲面73は、筒軸31の中心線を通る断面視で加熱ローラ30からの立ち上がり部分が垂直に近く、徐々に湾曲度合いが大きくなるように湾曲設定されているため、定着ベルト50が周回している状態において、当該定着ベルト50は、側縁部51の内面側の角の部分である裏面側角部511が寄り止めフランジ72の環状曲面73の垂直に近い急峻な立ち上がり部分に接触する。従って、定着ベルト50が加熱ローラ30の筒軸31の径方向外方に向けて寄り止めフランジ72の環状曲面73を競り上がることを効果的に抑制することができる。
加えて、ベルト寄り止め部材70は、加熱ローラ30の小径筒部312の外径に略等しい内径を有する断熱ブッシュ71と、この断熱ブッシュ71の一端側に設けられた円環状寄り止めフランジ72とを備えて構成されている。そして、断熱ブッシュ71は環状曲面73を有し、この環状曲面73における定着ベルト50の側縁部51と対向する面には環状曲面73が形成されている。
ベルト寄り止め部材70をこのように構成することで、ベルト寄り止め部材70の断熱ブッシュ71を加熱ローラ30の小径筒部312の端部に嵌め込むという簡単な操作によって加熱ローラ30の両端部に、環状曲面73を有する円環状の寄り止めフランジ72を形成させることができ、ベルト寄り止め部材70の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
そして、このようなベルト寄り止め部材70が採用された定着装置20は、当該ベルト寄り止め部材70が備えた作用効果を享受し得るものにすることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、ベルト寄り止め部材70を備えた定着装置20が適用される画像形成装置10としてプリンタを例に挙げて説明したが、画像形成装置として複写機やファクシミリ装置が採用されてもよい。
(2)上記の実施形態においては、ベルト寄り止め部材70が加熱ローラ30にのみ設けられているが、定着ローラ40にも設けてもよい。
(3)上記の実施形態においては、加熱ローラ30の筒軸31に環状曲面73を備えた寄り止めフランジ72を形成させるべく、これらを備えたベルト寄り止め部材70を加熱ローラ30の小径筒部312に外嵌させるようにしているが、こうする代わりに当初から一体的に寄り止めフランジ72が設けられた筒軸31を製造してもよい。
(4)上記の実施形態においては、筒軸31は、筒軸本体311と、この筒軸本体311の両端部から外方に向けて同心で延設された一対の小径筒部312とから構成され、ベルト寄り止め部材70は、小径筒部312に外嵌されているが、特に小径筒部312を設けることなく、ベルト寄り止め部材70を筒軸本体311に直接外嵌させるようにしてもよい。
10 画像形成装置 11 装置本体
111 用紙搬送路 112 搬送ローラ対
113 転写ローラ 114 排紙搬送路
115 胴内排紙トレイ 12 画像形成部
12M マゼンタ用ユニット 12C シアン用ユニット
12Y イエロー用ユニット 12K ブラック用ユニット
121 感光体ドラム 122 現像装置
123 帯電装置 124 露光装置
125 転写ベルト 125a 駆動ローラ
125b 従動ローラ 126 転写ローラ
127 クリーニング装置 13 定着部
14 用紙貯留部 141 用紙トレイ
142 ピックアップローラ 15 トナー補給部
151 トナーカートリッジ 16 用紙排出部
161 排紙トレイ 19 カバー体
20 定着装置 21 導入開口
22 導出開口 30 加熱ローラ(第1ローラ)
31 筒軸 311 筒軸本体
312 小径筒部 32 通電発熱体
40 定着ローラ(第2ローラ) 41 定着ローラ心金
42 弾性層 43 軸筒
50 定着ベルト(無端ベルト) 51 側縁部
511 裏面側角部 60 加圧ローラ
61 加圧ローラ本体 62 弾性体層
63 合成樹脂フィルム 64 軸筒
65 リング 70 部材
71 断熱ブッシュ(筒体部) 711 切り込み溝(スリット)
72 寄り止めフランジ(フランジ部、円環状フランジ部)
721 内フランジ 73 環状曲面(湾曲した曲面)
731 R面 80 筐体
801 連結ロッド 802 頭部
803 環状溝 804 コイルスプリング
805 Cリング 81 定着ベルト側筐体
82 側板 821 角孔
821a ガイドレール 822 ベアリング装着孔
823 ブラケット 823a 係止溝
824 突設板 83 可動板
831 ベアリング装着孔 832 コイルスプリング
835 支持片 84 架設板
85 コ字状カバー体 851 後板
852 天板 853 底板
854 貫通孔 86 端子台部材
861 装着板 861a 円孔
862 端子台 862a 端子片
881 ベアリング装着孔 87 加圧ローラ側筐体
88 側板 89 底板
891 長尺矩形孔 892 螺子孔
90 前板 91 傾斜天板
911 切欠き部 912 支持片
B ベアリング N ニップ部
P 用紙 P1 用紙束
S ビス S1 閉止姿勢
S2 開放姿勢

Claims (6)

  1. 軸回りに回転可能な第1および第2ローラと、
    前記第1および第2ローラ間に巻き掛けられる無端ベルトと、
    前記第1および/または第2ローラの少なくとも一端に配置されるベルト寄り止め部材と、を備え、
    前記ベルト寄り止め部材は、第1または第2ローラの外周面より突出したフランジ部を有し、
    前記フランジ部は、前記無端ベルトの側縁部と対向する壁面が、前記側縁部から離れる方向に湾曲した曲面とされていることを特徴とする周回ベルト装置。
  2. 前記曲面は、前記第1または第2ローラからの立ち上がり部分が垂直に近く、徐々に湾曲度合いが大きくなる曲面であることを特徴とする請求項1記載の周回ベルト装置。
  3. 前記ベルト寄り止め部材は、第1ローラまたは第2ローラの外径に略等しい内径を有する筒体部と、この筒体部の一端側に設けられた円環状フランジ部と、を備え、
    前記筒体部は、第1または第2ローラの端部に外嵌され、
    前記円環状フランジ部の前記ベルト側縁と対向する面に前記曲面が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の周回ベルト装置。
  4. 前記寄り止め部材の筒体部および円環状フランジ部には、これらに亘って第1または第2ローラの軸方向に延びるスリットが設けられているとともに、前記スリットの前記壁面側の互いに対向した端縁における筒心へ向かう方向の各角部には、それぞれ削り取られた状態のR面が形成されていることを特徴とする請求項3記載の周回ベルト装置。
  5. トナー画像の転写された用紙に対し加熱による定着処理を施す定着装置であって、
    熱源が内装された加熱ローラと、この加熱ローラと対向配置された定着ローラと、これら定着ローラおよび加熱ローラ間に掛け回された定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記定着ローラと対向配置された加圧ローラとを有し、
    前記加熱ローラ、前記定着ローラおよび前記定着ベルトが請求項1乃至4のいずれかに記載の周回ベルト装置における第1ローラ、第2ローラおよび無端ベルトであることを特徴とする定着装置。
  6. 画像情報に基づき所定の画像形成処理を施して用紙にトナー画像を転写する画像形成部と、
    前記画像形成部で用紙に転写されたトナー画像に対し当該用紙への定着処理を施す請求項5に記載の定着装置と、を備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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