JP2011027724A - 3次元計測装置、その計測方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
3次元計測装置と計測対象物体との間の位置及び姿勢の関係が高速に変化している場合であっても、装置構成を複雑化させずに、当該物体の位置及び姿勢の計測を精度良く行なえる。
【解決手段】
3次元計測装置は、計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段と、計測対象物体の3次元形状を示す情報に基づいて計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段と、計測対象物体に対して所定の照明パターンを照射する照明手段と、当該照射が行なわれている状態で計測対象物体の画像を撮像する撮像手段と、当該撮像された画像内における距離計測用の領域に対応する領域に基づいて撮像手段から計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出する距離算出手段と、距離情報と3次元形状モデルとに基づいて計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段とを具備する。
【選択図】 図1
Description
図1は、本発明の一実施の形態に係わる3次元計測装置1の構成の一例を示す図である。
3次元計測装置1は、概略値入力部120において、計測対象物体に係わる3次元情報の概略情報(すなわち、3次元計測装置1に対する物体の位置及び姿勢の概略値)を入力する。本実施形態においては、上述した通り、物体の位置及び姿勢の概略値として、3次元計測装置1が当該物体から過去(例えば、直前)に計測した計測値を用いる。
3次元計測装置1は、照明領域決定部130において、照明領域(距離計測用の領域)を決定する。上述した通り、照明領域は、計測対象物体の3次元形状モデルと、計測対象物体の位置及び姿勢の概略値とに基づいて決められる。また、上述した通り、距離計測用の照明は、濃淡変化が小さく、画像特徴(エッジ)が検出され難い領域に対して行なわれる。
3次元計測装置1は、照明部140において、S1020のマスク処理において決定された距離計測用の領域に対して所定の照明パターン(構造化光)を局所的に照射する。上述した通り、この照明は、液晶プロジェクタ等の照明装置を制御することにより行なわれる。この処理では、図5に示すように、距離計測用の領域(画素単位)に構造化光(この場合、マルチスリット光)が照射される。すなわち、画面全体ではなく、S1020のマスク処理により決定された領域(距離計測用の領域)のみに照射が行なわれる。
3次元計測装置1は、撮像部150において、計測対象物体の画像を撮像する。上述した通り、この撮像では、画像特徴検出用の画像と距離計測用の画像とが1枚の画像として同時に撮像される。なお、この撮像は、距離計測を行なう領域に対して局所的に照明が行なわれた状態で行なわれる。
3次元計測装置1は、画像特徴検出部160において、撮像部150により撮像された画像から画像特徴の検出を行なう。本実施形態においては、上述した通り、画像特徴としてエッジを検出する。例えば、非特許文献1に開示された技術を用いてエッジの検出を行なう。ここで、図6を用いて、本実施形態に係わるエッジ検出方法の概要の一例について説明する。エッジ検出では、まず、撮像された計測対象物体の画像に対して投影する投影像(線分)を求める。投影像は、S1010で入力された計測対象物体の位置及び姿勢の概略値に基づいて求められる。次に、投影された各線分上において、等間隔に制御点を設定する。そして、投影された線分の法線方向に平行で且つ制御点を通過する線分(以下、探索ライン)上からエッジを1次元探索する(図6(a))。エッジは、画素値の濃度勾配の極値となる(図6(b))。場合によっては、探索ライン上から複数のエッジが検出されることがある。この場合、本実施形態においては、「L. Vacchetti, V. Lepetit, and P. Fua, "Combining edge and texture information for real-time accurate 3D camera tracking," Proc. ISMAR04, pp.48-57, 2004」に開示された技術を用いる。すなわち、この文献に開示された方法を用いて複数検出されたエッジを仮説として保持する。このようにして各制御点に対応したエッジを探索し、後述するS1070における処理において、3次元の線分をエッジにあてはめる。なお、各制御点の画像を1画素単位で量子化した座標が、距離計測用の領域(画素)に相当する場合、該当する画素のエッジ検出は行なわない。
3次元計測装置1は、距離算出部170において、撮像部150により撮像された画像に基づいて距離を算出(計測)する。具体的には、距離計測用の領域(画素)に基づいて距離を算出する。距離は、上述した通り、三角測量により算出される。距離の算出に際しては、照明部140により照射された領域(画像における画素の位置)と、撮像部150により撮像された画像上における当該領域に対応する位置とが用いられる。また、これ以外にも、照明部140及び撮像部150の内部パラメータや、撮像部150と照明部140との間の相対的な位置及び姿勢を示す値も用いられる。
3次元計測装置1は、位置姿勢算出部180において、計測対象物体に係わる3次元情報(3次元計測装置1に対する計測対象物体の位置及び姿勢)を算出(計測)する。
3次元計測装置1は、位置姿勢算出部180において、まず、初期化処理を行なう。この初期化処理では、例えば、図3のS1010で得られた計測対象物体の位置及び姿勢の概略値を入力する。
3次元計測装置1は、位置姿勢算出部180において、エッジ及び点群データと、3次元形状モデルとを対応付けする。この処理では、まず、S1210で得られた計測対象物体の位置及び姿勢の概略値に基づいて3次元形状モデルの各線分を画像へ投影し、投影された3次元形状モデルの各面を撮像部150の座標系へ座標変換する。そして、エッジ及び点群データと、3次元形状モデルとを対応付けする。エッジが、各制御点に対応して複数検出された場合には、複数検出されたエッジのうち、投影された線分に対して画像上で最も近いエッジを制御点に対応付ける。この対応付けは、S1210で得られた計測対象物体の位置及び姿勢の概略値に基づいて行なう。また、点群データについては、撮像部150の座標系における各点の3次元座標に基づいて3次元形状モデル中の最も近接する面を探索し対応付ける。
3次元計測装置1は、位置姿勢算出部180において、線形連立方程式を解くための係数行列と誤差ベクトルとを算出する。ここで、係数行列の各要素は、S1210で得られた概略値の微小変化に対する一次の偏微分係数である。エッジについては、画像座標の偏微分係数を算出し、点群データについては、3次元座標の偏微分係数を算出する。また、エッジの誤差ベクトルは、投影された線分と検出されたエッジとの間の2次元平面上(画像)での距離であり、点群データの誤差ベクトルは、点群データを構成する点と3次元形状モデルの面との3次元空間中での距離である。
「数7」をもとに、行列Jの一般化逆行列(JT・J)−1・JTを用いて補正値Δsを求める。ここで、エッジや点群データには、誤検出などによる外れ値が多いため、次に述べるようなロバスト推定手法を用いる。一般に、外れ値であるエッジ(又は点群データ)では、誤差d−r(e−q)が大きくなる。そのため、「数6」、「数7」の連立方程式に対する寄与度が大きくなり、その結果得られるΔsの精度が低下してしまう。そこで、誤差d−r(e−q)が大きいデータに対しては小さな重みを与え、誤差d−r(e−q)が小さいデータに対しては大きな重みを与える。重みは、例えば、「数8」に示すようなTukeyの関数により与える。
c1、c2は、定数である。なお、重みを与える関数は、Tukeyの関数である必要はなく、誤差の大きいデータに対して小さな重みを与え、誤差小さいデータに対して大きな重みを与える関数であれば特に問わない。そのため、例えば、Huberの関数などを用いても良い。
(S1250)
3次元計測装置1は、S1240で算出された補正値Δsにより、S1210で得た概略値を補正する。これにより、計測対象物体の位置及び姿勢を算出する。
3次元計測装置1は、収束しているか否かの判定を行なう。収束していれば、この処理は終了し、そうでなければ、再度、S1220の処理に戻る。なお、収束しているか否かは、補正値Δsがほぼ0である場合や、誤差ベクトルの二乗和の補正前と補正後の差がほぼ0である場合に収束したと判定する。
次に、実施形態2について説明する。実施形態2においては、複数の撮像装置を用いて、計測対象物体の各部から距離情報を取得し、その距離情報に基づいて計測対象物体の位置及び姿勢の計測を行なう場合について説明する。
3次元計測装置1は、概略値入力部120において、計測対象物体に係わる3次元情報の概略値(すなわち、3次元計測装置1に対する物体の位置及び姿勢の概略値)を入力する。このS2010における処理は、実施形態1を説明した図3のS1010の処理と同様となる。
3次元計測装置1は、照明領域決定部130において、照明領域(すなわち、距離計測用の領域)を決定する。このS2020における処理は、実施形態1を説明した図3のS1020の処理と同様となる。
3次元計測装置1は、照明部140において、S2020で決定された距離計測用の領域に対して所定の照明パターン(構造化光)を照射する。距離計測用の照明は、例えば、撮像部150により撮像される画像内において、濃淡変化が小さく、画像特徴が検出され難い領域に対して行なわれる。このS2030における処理は、実施形態1を説明した図3のS1030の処理と同様となる。なお、実施形態1と同様に、距離計測用の照明が照射されない領域(すなわち、画像特徴検出用の領域)は、環境光により十分な明るさが得られればよく、特別な光を照射する必要はない。環境光により十分な明るさが得られないのであれば、例えば、均一な白色光が照射されるように照明パターンを変更すれば良い。
3次元計測装置1は、撮像部150を構成する複数の撮像装置190により計測対象物体の画像を撮像する。なお、この撮像は、距離計測を行なう領域に対して局所的に照明が行なわれた状態で行なわれる。
3次元計測装置1は、距離算出部170において、撮像部150により撮像された画像に基づいて距離(距離情報)を算出(計測)する。実施形態2においては、撮像された画像から特徴点の検出は行なわず、基準とする撮像装置190が撮像する画像の全画素について距離算出を行なう。距離の算出に際しては、各撮像装置190で撮像された画像間で各画素の対応付けが必要となる。距離計測用の領域においては、構造化光(例えば、マルチスリット光)の投影像を時系列に追跡し、画像間における各画素の対応付けを行なう。照明が照射されない領域については、例えば、エピポーラ拘束により決定されるエピポーラ線上の点に対して画素値のブロックマッチングを実施し、画像間における各画素を対応付ければ良い。なお、画像間における各画素の対応付けは、これに限られない。例えば、「E. Tola, V. Lepetit, and P. Fua, “A fast local descriptor for dense matching," Proc. CVPR'08, 2008」に開示されるような局所的な記述子を用いて対応付けを行なっても良い。また、構造化光として、マルチスリット光ではなく、例えば、ランダムドットパターンを用いるようにしても良い。この場合、時系列に追跡せずに、画像間における各画素の対応付けを行なえる。
3次元計測装置1は、位置姿勢算出部180において、計測対象物体に係わる3次元情報(3次元計測装置1に対する計測対象物体の位置及び姿勢)を算出(計測)する。ここでは、S2050で算出された距離情報を3次元座標値を持つ点群データに変換し、点群データに3次元形状モデルをあてはめるべく、計測対象物体の位置及び姿勢を算出する。この処理では、まず、点群データの各点に対して、3次元形状モデル中の最も近接する面を選択し、それぞれを対応付ける。そして、各点と対応する面との距離の総和が最小化するように、計測対象物体の位置及び姿勢の概略値に対して補正を繰り返し行なう。これにより、計測対象物体の位置及び姿勢を算出する。なお、S2060における位置姿勢算出処理は、基本的には、実施形態1を説明した図3のS1070の処理と同様となる。相違点としては、画像特徴に関する処理を行なわない点である。そのため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、実施形態3について説明する。上述した実施形態1及び2においては、距離計測用の領域に対して局所的に照明を行なう場合(照明制御)について説明した。これに対して、実施形態3においては、照明制御を行なわずに、上述した実施形態1及び2と同等の処理を行なう場合について説明する。
3次元計測装置1は、概略値入力部120において、計測対象物体に係わる3次元情報の概略値(すなわち、3次元計測装置1に対する物体の位置及び姿勢の概略値)を入力する。本実施形態においては、物体の位置及び姿勢の概略値として、3次元計測装置1が当該物体から過去(例えば、直前)に計測した計測値を用いる。
3次元計測装置1は、領域決定部230において、撮像部150が撮像する画像の各領域に対して距離情報に用いるか、画像特徴に用いるかを決定する。なお、この領域は、3次元形状モデル保持部110に保持された計測対象物体の3次元形状モデルと、概略値入力部120により入力された計測対象物体の位置及び姿勢の概略値とに基づいて決められる。領域の決定方法は、実施形態1を説明した図3のS1020と同様であるのでその詳細な説明については省略する。
3次元計測装置1は、撮像部150において、計測対象物体の画像を撮像する。
3次元計測装置1は、画像特徴検出部160において、撮像部150により撮像された画像に基づいて画像特徴の検出を行なう。ここでは、実施形態1と同様に、画像特徴としてエッジを検出する。実施形態1においては、距離計測を行なうと決定された領域(画素)に対してはエッジの検出を行なわなかったが、実施形態3においては、画像全体からエッジの検出を行なう。その点を除いては、実施形態1を説明した図3のS1050と同様であるのでその詳細な説明については省略する。なお、上述した通り、画像全体からエッジ検出を行なった後、領域決定部230の決定結果に基づいてその検出されたエッジの取捨選択が行なわれる。エッジの取捨選択では、各制御点の画像を1画素単位で量子化した座標が、S3020で距離計測を行なうと決定された領域(画素)に相当する場合、該当する画素のエッジの検出結果を削除する。
3次元計測装置1は、距離算出部170において、計測対象物体における点の距離の算出(計測)を行なう。上述したように、マルチスリット光を物体に照射した画像を撮像し、その撮像された画像におけるスリットの投影像と、照明部140及び撮像部150の幾何学的関係とを用いてスリット光が照射された領域の距離を三角測量により算出する。距離の算出は、対象となる領域を特に限定せずに行なう。上述した通り、画像全体から距離の算出が行なわれた後、領域決定部230の決定結果に基づいてその検出された距離情報の取捨選択が行なわれる。距離情報の取捨選択では、まず、計測された距離を距離算出部170の座標系における3次元座標に変換した後、更に、その座標値を撮像部150の座標系に変換し、その結果を画像へ投影する。そして、投影された画像座標を1画素単位で量子化した座標が、S3020で距離情報を用いると決定された領域(画素)の座標以外の領域であれば、該当する距離計測の結果を削除する。
3次元計測装置1は、位置姿勢算出部180において、計測対象物体に係わる3次元情報(3次元計測装置1に対する計測対象物体の位置及び姿勢)を算出(計測)する。この算出は、S3040で検出された画像特徴と、S3050で算出された距離情報とに基づいて行なわれる。なお、計測対象物体の位置姿勢算出処理は、実施形態1を説明した図3のS1070と同様であるのでその詳細な説明については省略する。
次に、実施形態4について説明する。上述した実施形態1〜3においては、計測対象物体の三次元形状モデルを用いて距離計測用の領域を決定する場合について説明した。これに対して、実施形態4においては、計測対象物体の三次元形状モデルを用いずに、距離計測用の領域を決定する場合について説明する。
領域決定処理では、まず、3次元計測装置1は、3次元形状情報取得部200において、距離センサ300から距離画像を取得する。なお、距離センサ300における距離画像の取得は、3次元計測装置1からの指示に基づいて行なわれても良いし、距離センサ300側で独立して行なっておき、最新の距離画像を3次元形状情報取得部200側に渡すようにしても良い。
次に、3次元計測装置1は、照明領域決定部130において、距離画像を領域分割する。領域分割では、隣り合う画素を比較し、距離が大きく変化しない画素群を一つの領域としてまとめる。これにより、距離画像を複数の領域に分割する。領域分割は、例えば、「X. Jiang and H. Bunke, "Range Image Segmentation: Adaptive Grouping of Edges into Regions," Proc. ACCV '98, pp.299-306, 1998.」に開示された技術を用いて行なえば良い。なお、距離計測の対象となる領域は、一定以上(所定値以上)の面積を持つ領域が対象となる。
次に、3次元計測装置1は、照明領域決定部130において、S4020で距離計測の対象となった領域を、距離センサ300と撮像部150との間の相対的な位置及び姿勢を示す値を用いて撮像部150の画像と同サイズのマスク画像に投影する。ここでは、実施形態1で説明した通り、マスク画像の各画素は0で初期化しておき、領域が投影された画素の値を1に変更する。全ての対象領域の投影が終われば、マスク画像上で値が1となっている画素の座標を、当該座標及び距離情報に基づいて撮像部150を基準とした3次元座標に変換する。具体的には、距離センサ300と撮像部150との間の相対的な位置及び姿勢を示す値を用いて、距離センサ300により取得された距離画像を撮像部150の座標系における距離画像に変換する。そして、当該変換後の距離画像内の各画素における座標及び距離情報に基づいて3次元座標を生成(変換)する。その後、撮像部150と照明部140との間の相対的な位置及び姿勢を示す値と、照明部140の内部パラメータとに基づいて、当該求めた3次元座標を照明パターンの座標(距離計測用の領域を示す座標)に変換する。
次に、実施形態5について説明する。上述した実施形態1〜4においては、距離計測を行なう領域を計算により自動的に算出する場合について説明した。これに対して、実施形態5においては、ユーザによるマニュアル操作に基づいて決定する場合について説明する。なお、実施形態5に係わる3次元計測装置1の構成は、実施形態4を説明した図13と同様の構成となるため、ここでは、その図示については省略し、実施形態4と相違する点について簡単に説明する。
また、上述した実施形態1〜5では、マルチスリット光を物体に照射し、スリット光が照射された領域の距離を三角測量により算出する場合について説明したが、距離の算出方法は、この方法に限定されない。例えば、マルチスリット光以外の照明パターン(例えば、単一や複数のスポット光、単一のスリット光、ランダムドットパターン、局所的な平面パターン、空間コード化パターン)を物体に照射し、三角測量により距離を算出するようにしてもよい。また、距離の算出は、三角測量以外にも、例えば、例えば、照明光を物体に照射してから戻ってくるまでの飛行時間を用いて距離を計測する「Time−of−Flight」方式を用いてもよい。また、例えば、人為的に光を投影して距離計測を行なうアクティブ計測ではなく、複数のカメラによって計測対象物体を撮像し、ステレオ法によって距離の算出を行なうパッシブな計測を行なってもよい。その他、計測対象物体の位置及び姿勢の算出に用いるのに足る精度で距離の算出が行なえるのであれば、特にその方法は問わない。
また、上述した実施形態1〜5では、撮像部(例えば、カメラ)150の画像面において、マスク画像を作成し、撮像部150と照明部140との間の相対的な位置及び姿勢を示す値を用いて照明パターン(距離計測用の領域)を決めていた。しかし、距離計測用の領域の決定の仕方(照明パターンの作成方法)は、これに限られない。例えば、撮像部150に対する計測対象物体の位置及び姿勢の概略値を照明部140に対する位置及び姿勢に変換し、照明パターンに相当する画像上に3次元形状モデルや領域分割結果を直接投影することによって照明パターンを作成しても良い。この場合、予め校正済みの撮像部150と照明部140との間の相対的な位置及び姿勢と、照明部140の内部パラメータとを用いて3次元形状モデルや領域分割結果を画像上に投影すれば良い。
上述した実施形態1〜3では、計測対象物体の位置及び姿勢の概略値に基づいて3次元形状モデルを画像上に投影し、その投影結果に基づいて距離計測用の領域や、距離計測結果を用いるべき領域を決定していたが、この処理を変形して実施しても良い。これらの領域の決定に際して、計測対象物体の位置及び姿勢の計測精度や、計測対象物体の運動を鑑みても良い。例えば、カルマンフィルタに計測された物体の位置及び姿勢を時系列データとして入力することにより得られる物体の位置及び姿勢の共分散行列を精度の指標として利用しても良い。すなわち、3次元形状モデルを構成する線分の端点を投影する際に、共分散行列の一定の範囲(例えば3σ)に相当する画像上での領域(楕円領域)を算出し、線分ごとに両端点の楕円領域を包含するような領域を設定する。そして、その包含領域では距離の計測は行なわない、又は、距離計測結果を用いないようにする。また、同様にカルマンフィルタを利用し、物体の速度・角速度を推定することにより、物体の位置及び姿勢の概略値が得られた時刻と現在の時刻の差をもとに現在の物体の位置及び姿勢を予測し、その結果に基づいて上述した領域の決定処理を行なっても良い。
上述した実施形態1、3〜5では、画像特徴としてエッジ検出する場合について説明したが、画像特徴はエッジに限られない。例えば、非特許文献1に開示されるように、Harrisの検出器を用いて画像から特徴点を検出し、その特徴点に3次元形状モデルの点をあてはめることにより物体の位置及び姿勢を算出しても良い。この場合、距離計測用の(照明)領域の決定に際しては、特徴点の情報を用いる。具体的には、過去に撮像された画像から特徴点を検出し、その特徴点の検出結果に基づいて物体の位置及び姿勢を算出する。そして、その算出結果に基づいて3次元形状モデルを画像上に投影し、その投影像上にある特徴点を選択する。その選択された特徴点の画像座標から一定距離以内では、距離計測用の照明を照射しないように照明パターン(距離計測用の領域)を変更する。
上述した実施形態1〜5では、エッジ、特徴点などの画像特徴が検出され易い領域を判定し、それ以外の領域を距離計測用の領域として決めていたが、この照明領域の決定の仕方はこれに限られない。始めに、濃淡変化に乏しい領域を判定し、その領域を距離計測用の領域として決めても良い。すなわち、物体の位置及び姿勢の概略値に基づいて3次元形状モデルを構成する各面を描画し、これらの領域について距離計測用の照明を照射するよう決定しても良い。また、3次元形状モデルを構成する各面について、予め濃淡変化に乏しいか否かの情報を持たせても良い。この場合、物体の位置及び姿勢の概略値に基づいて3次元形状モデルを描画し、濃淡変化に乏しい面に相当する領域に距離計測用の照明を照射する旨の決定を行なう。以上が、変形実施形態についての説明である。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (16)
- 計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段と、
前記計測対象物体の3次元形状を示す情報に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段と、
前記計測対象物体に対して所定の照明パターンを照射する照明手段と、
前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出する距離算出手段と、
前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段と
を具備することを特徴とする3次元計測装置。 - 前記計測対象物体の位置及び姿勢を示す概略値を入力する入力手段
を更に具備し、
前記計測対象物体の3次元形状を示す情報は、前記計測対象物体の前記3次元形状モデルであり、
前記決定手段は、
前記入力手段により入力された概略値を用いて前記3次元形状モデルを投影し、該投影した投影像に基づいて前記距離計測用の領域を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。 - 前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域以外から画像特徴を検出する検出手段
を更に具備し、
前記位置姿勢算出手段は、
前記画像特徴及び前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。 - 前記検出手段は、
前記撮像された画像全体から画像特徴を検出した後、該検出した画像特徴のうち、前記距離計測用の領域に対応する領域以外から検出した画像特徴を出力し、
前記距離算出手段は、
前記撮像された画像全体から距離情報を算出した後、該算出した距離情報のうち、前記距離計測用の領域に対応する領域から算出した距離情報を出力する
ことを特徴とする請求項3記載の3次元計測装置。 - 前記検出手段及び前記距離算出手段は、
前記撮像手段により撮像された1枚の画像に基づいて、前記画像特徴の検出及び前記距離情報の算出をそれぞれ行なう
ことを特徴とする請求項4記載の3次元計測装置。 - 前記撮像手段は、
複数の撮像装置から構成され、
前記距離算出手段は、
前記複数の撮像装置により撮像された複数の画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域から前記距離情報をそれぞれ算出し、
前記位置姿勢算出手段は、
前記算出された前記距離情報のそれぞれと前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。 - 前記計測対象物体の3次元形状を示す情報は、距離センサにより取得された前記計測対象物体を含む距離画像であり、
前記決定手段は、
前記距離画像における各画素の距離情報に基づいて該距離画像を領域分割し、前記距離センサと前記撮像手段との間の相対的な位置及び姿勢を示す値を用いて当該分割された領域のいずれかを投影した投影像に基づいて前記距離計測用の領域を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。 - 前記決定手段は、
前記分割された領域の中から所定値以上の面積を持つ領域を投影した投影像に基づいて前記距離計測用の領域を決定する
ことを特徴とする請求項7記載の3次元計測装置。 - 前記決定手段は、
前記分割された領域の中からユーザにより指定された領域を投影した投影像に基づいて前記距離計測用の領域を決定する
ことを特徴とする請求項7記載の3次元計測装置。 - 前記決定手段は、
前記計測対象物体において濃淡変化が小さいと推定される領域を前記距離計測用の領域に決定する
ことを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。 - 計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段と、
前記計測対象物体の位置及び姿勢を示す概略値を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された概略値を用いて前記3次元形状モデルを投影し、その投影像に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された領域に対して所定の照明パターンを局所的に照射する照明手段と、
前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出する距離算出手段と、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域以外から画像特徴を検出する検出手段と
前記画像特徴及び前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段と
を具備することを特徴とする3次元計測装置。 - 計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段と、
前記計測対象物体の位置及び姿勢を示す概略値を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された概略値を用いて前記3次元形状モデルを投影し、その投影像に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された領域に対して所定の照明パターンを局所的に照射する照明手段と、
前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する複数の撮像手段と、
前記撮像された複数の画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報をそれぞれ算出する距離算出手段と、
前記複数の画像からそれぞれ算出された前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段と
を具備することを特徴とする3次元計測装置。 - 計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段と、
前記計測対象物体の位置及び姿勢を示す概略値を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された概略値を用いて前記3次元形状モデルを投影し、その投影像に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段と、
前記計測対象物体に向けて所定の照明パターンを局所的に照射する照明手段と、
前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出するとともに、前記決定手段による決定結果に基づいて当該算出した距離情報を出力する距離算出手段と、
前記撮像された画像に基づいて前記計測対象物体の画像特徴を検出するとともに、前記決定手段による決定結果に基づいて当該検出した画像特徴を出力する検出手段と、
前記画像特徴及び前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段と
を具備することを特徴とする3次元計測装置。 - 計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段と、
距離センサにより取得された前記計測対象物体を含む距離画像に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された領域に対して所定の照明パターンを局所的に照射する照明手段と、
前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出する距離算出手段と、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域以外から画像特徴を検出する検出手段と
前記画像特徴及び前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段と
を具備し、
前記決定手段は、
前記距離画像における各画素の距離情報に基づいて該距離画像を領域分割し、前記距離センサと前記撮像手段との間の相対的な位置及び姿勢を示す値を用いて当該分割された領域のいずれかを投影した投影像に基づいて前記距離計測用の領域を決定する
ことを特徴とする3次元計測装置。 - 計測対象物体の3次元形状モデルを用いて該計測対象物体の位置及び姿勢を計測する3次元計測装置の計測方法であって、
決定手段が、前記計測対象物体の3次元形状を示す情報に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する工程と、
照明手段が、前記計測対象物体に対して所定の照明パターンを照射する工程と、
撮像手段が、前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する工程と、
距離算出手段が、前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出する工程と、
位置姿勢算出手段が、前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する工程と
を含むことを特徴とする計測方法。 - コンピュータを、
計測対象物体の3次元形状モデルを保持するモデル保持手段、
前記計測対象物体の3次元形状を示す情報に基づいて前記計測対象物体における距離計測用の領域を決定する決定手段、
前記計測対象物体に対して所定の照明パターンを照射する照明手段、
前記照明手段による照射が行なわれている状態で前記計測対象物体の画像を撮像する撮像手段、
前記撮像された画像内における前記距離計測用の領域に対応する領域に基づいて前記撮像手段から前記計測対象物体までの距離を示す距離情報を算出する距離算出手段、
前記距離情報と前記3次元形状モデルとに基づいて前記計測対象物体の位置及び姿勢を算出する位置姿勢算出手段
として機能させるためのプログラム。
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