JP2011027445A - 過減衰型加速度計及び地震計 - Google Patents

過減衰型加速度計及び地震計 Download PDF

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【課題】高分解能であり、交流成分のみを出力可能な過減衰型加速度計及び地震計を提供する。
【解決手段】過減衰型加速度計100において、ケースと、ケース内にバネ部材で支持される可動部と、ケース内に磁界を形成するマグネットと、マグネットにより形成された磁界内に設けられ、可動部の振動時に発生する起電力を発生する検出コイル7と、を有し、磁界内に設けられ、電流を流すことで可動部に駆動力を付与するフィードバックコイル8と、起電力検出部20より発生する起電力を、ビット列のデジタル信号に変換する1ビットAD変換器45と、1ビットAD変換器45より出力されるビット列信号を所定の電流値に変換して、フィードバックコイル8に帰還させる1ビットDA変換器70と、を備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、過減衰型加速度計及び地震計に関する。
従来、地震動の観測や各種振動実験等の計測においては、加速度計を用いて振動計測がなされる。
この加速度計には、例えば、サーボ型と過減衰型の加速度計がある。サーボ型の加速度計とは、ケース内に配置された振り子の外力による変位量を検出して、振り子を静止状態に保つために、振り子を駆動させるコイルに上記変位量に比例した電流を流す際の電流量を測定することで加速度を計測する加速度計である。一方、過減衰型の加速度計とは、ケース内に配置されバネ部材で支持された可動部が振動することでコイルより発生する誘導起電力を検出し、速度フィードバック回路により検出される速度を帰還させて過減衰状態を形成し、その過減衰状態におけるケースの加速度を計測する加速度計である。
そして、上記加速度計は、精確で広域な周波数範囲における振動(加速度)を計測するために高分解能(低雑音)であることが望まれる。
そこで、サーボ型の加速度計として、振り子系と、該振り子系の変位を検出する変位変換手段と、該変位変換手段の出力をデジタル信号に変換して再度アナログ信号に変換するデジタル処理手段と、該デジタル処理手段により変換したアナログ信号を帰還する帰還手段と、該帰還手段の帰還電流により振り子系を静止状態に保つ駆動手段とを備え、デジタル処理手段よりデジタル信号を取り出し、外乱ノイズ等の影響が少ない高分解能、広ダイナミックレンジのデジタル出力を取り出すことができるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
つまり、特許文献1記載の発明によって、高分解能なサーボ型の加速度計が実現できる。
特許第3650778号
しかしながら、上記特許文献1記載の発明はサーボ型であるため、振り子を設置するケースが僅かでも傾斜していると、振り子に重力の分力が作用し、当該分力を打ち消すように電流が流れて直流成分の信号までも出力される。この直流成分の信号は、地震動等を計測する上では不必要とされるものなので(本来計測対象となる振動とは相違するので)、計測に際しては、フィルタを配置してこの直流成分を計測の都度除去し、必要な交流成分のみを取得するという手間が生じている。
本発明の課題は、高分解能であり、交流成分のみを出力可能な過減衰型加速度計及び地震計を提供することにある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ケースと、前記ケース内にバネ部材で支持される可動部と、前記ケース内に磁界を形成する磁界形成部と、前記磁界形成部により形成された磁界内の前記可動部に巻回されて設けられ、前記可動部の振動時に起電力を発生する検出コイルと、を有し、過減衰状態で前記検出コイルより発生する起電力に基づいて、前記ケースに与えられる外部振動の加速度を示すアナログ加速度信号を計測し、1ビットのビット列のデジタル信号で出力する過減衰型加速度計において、前記磁界内の前記可動部に巻回されて設けられ、電流を流すことで前記可動部に駆動力を付与するフィードバックコイルと、前記アナログ加速度信号を、1ビットAD変換器によりビット列信号に変換するAD変換手段と、前記AD変換手段により出力されるビット列信号に対して、1ビットDA変換器により所定の電流値に変換して前記フィードバックコイルに帰還させる帰還手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の過減衰型加速度計において、前記アナログ加速度信号を所定の周波数帯域のみで積分する積分器を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の過減衰型加速度計において、前記AD変換手段により出力されるビット列信号に対して、高周波数成分を減衰させるローパスフィルタリング処理を行うことによりマルチビット化し、更に、デシメーション処理を行うデジタルフィルタを備える。
請求項4に記載の発明は、地震計において、請求項1〜3の何れか1項に記載の過減衰型加速度計を用いて構成したことを特徴とする。
本発明は、過減衰型の加速度計であるため(検出コイルとケースとの相対速度を検出する機構であるため)、サーボ型と異なり直流成分の信号は出力されない(交流成分のみ出力される)。また、本発明によると、いわゆるΔΣ変調がなされている。つまり、1ビットAD変換器から出力される信号に含まれる、量子化雑音の振動スペクトルは、低周波数領域において減少し、高周波数領域において増加するため、地震動の計測等において必要とされる低周波数領域における分解能が向上する。また、AD変換手段により加速度をビット列のデジタル信号として出力することができるので、当該加速度計から地震計等の計測機器への信号伝送時に、雑音の混入や信号の減衰を好適に回避することが出来る。さらに、出力が1ビットのビット列であることから、上記信号伝送時に多ビットのように複数の信号伝送路を必要としないため、信号伝送が簡易である。
したがって、本発明は、高分解能であり、交流成分のみを出力可能な過減衰型加速度計及び地震計であるといえる。
本発明に係る地震計の概略構成図である。 本発明に係る過減衰型加速度計の振動系の概略構成図である。 本発明に係る過減衰型加速度計の加速度検出構造を説明するための模式図である。 本発明に係る過減衰型加速度計の加速度検出構造を説明するための制御ブロック図である。 本発明に係る信号伝達関数及び雑音伝達関数の振動数特性(絶対値出力[V])と偏角(角度)を表す図であり、(A)は信号伝達関数を、(B)は雑音伝達関数を示す。 本発明に係る過減衰型加速度計を用いた振動検出の数値シミュレーション結果を表す図であり、(A)が正弦波信号入力時の出力信号の大きさを示し、(B)がFFT演算の結果を示す。
以下、図を参照して、本発明に係る過減衰型加速度計及び地震計について、詳細に説明する。
本実施形態における地震計1000は、例えば、図1に示すように、地震動を検出する検出部150と、検出部150より検出された地震動に所定の処理を施して地震波形として表示出力する波形処理部250と、を含んで構成される。
検出部150は、例えば、XYZ軸方向各々に配置された過減衰型加速度計100と、当該過減衰型加速度計100より検出される地震動を波形処理部250に出力するためのインターフェース110と、を含んで構成される。
過減衰型加速度計100は、例えば、図2〜図3に示すように、振動系1と、起電力検出部20と、積分器30と、1ビットAD変換器45(AD変換手段)と、制御部60と、1ビットDA変換器70(帰還手段)と、を含む。そして、この過減衰型加速度計100は、地震動等の外部振動に応じて振動系1に生ずる誘導起電力を検出し、当該起電力に比例した量を振動系1にフィードバックさせて過減衰状態とし、この過減衰型加速度計100に与えられる外部振動の加速度を計測する加速度計である。
振動系1は、例えば、図2に示すように、ケース2と、可動部3と、検出コイル7と、フィードバックコイル8と、バネ部材4と、減衰器5と、マグネット6及びマグネット9(磁界形成部)と、を含んで構成される。
ケース2は、過減衰型加速度計100の筐体部分である。
可動部3は、例えば、ケース2内部に設けられ、左端部に検出コイル7と、右端部にフィードバックコイル8と、をそれぞれ巻回するコイルボビンであり、バネ部材4と減衰器5によって支持され、外部振動に応じて左右方向に振動する。
検出コイル7は、可動部3の左端部に巻回されたコイルであり、可動部3の振動時にマグネット6及びマグネット9の形成する磁界により、外部振動による起電力を発生する。そして、当該起電力は、検出コイル7に接続された出力端子(図示省略)を介して後述の起電力検出部20にて検出される。
フィードバックコイル8は、可動部3の右端部に巻回されたコイルであり、後述の1ビットDA変換器70を介して電流が流れると、その電流に応じた駆動力(電磁気力)を可動部3に付与することが出来る。
なお、検出コイル7とフィードバックコイル8とは、互いに可動部3の端部に設けられているため、可動部3の振動により一体的に振動するが、電気回路的には互いに絶縁状態となるように配置されている。
バネ部材4は、例えば、一端がケース2の壁面に固定され、他端が可動部3に接続され、減衰器5とともに可動部3を支持する板バネ等である。そして、バネ部材4は、可動部3の振動に応じて、所定のバネ定数と変位より導出される復元力を可動部3に付与する。
減衰器5は、一端がケース2の壁面に固定され、他端が可動部3に接続され、バネ部材4とともに可動部3を支持する吸振器である。そして、減衰器5は、可動部3の振動に応じて、所定の減衰定数と速度の積より導出される減衰力を可動部3に付与する。
マグネット6及びマグネット9は、例えば、ケース2の内部に配置された永久磁石で形成され、ケース2内に磁界を形成している。
起電力検出部20は、例えば、図3に示すように、電圧増幅器や電圧検出回路等を含んで構成されており、検出コイル7に発生する起電力が電圧信号として検出されるようになっている。そして、起電力検出部20にて検出された電圧信号は積分器30へ出力される。
積分器30は、例えば、アナログ信号の積分を行う積分回路等で構成され、起電力検出部20より出力される電圧信号を所定の周波数帯域のみで積分する。
ここで、所定の周波数帯域とは、過減衰型加速度計100で計測すべき範囲に応じて適宜調整が可能な帯域である。例えば、0.05Hzから100Hzまで計測が可能なように調整することや、0.01Hzから1000Hzまで計測が可能なように調整すること等、ユーザの必要性に応じて広い周波数帯域での調整を行うことが出来る。
そして、当該帯域にて積分することでノイズシェーピング効果が生じ、出力値の雑音の更なる低減が期待できる。
なお、過減衰型加速度計100は、積分器30を設けなくとも(ノイズシェーピング効果は期待できないが、)加速度計として機能するため、起電力検出部20より出力される電圧信号を、直接コンパレータ40に入力する構成にしても勿論よい。
1ビットAD変換器45は、例えば、コンパレータ40と、ラッチ部50と、を備えて構成され、アナログ信号の入力をビット列のデジタル信号に変換して出力する。
コンパレータ40は、例えば、入力値と予め定められた値の大小関係を比較して、入力値が大きい場合に1を、小さい場合に0を出力する回路である。
ラッチ部50は、例えば、制御部60より入力されるクロック信号Sに同期して動作し、入力された情報を1ビット単位で記憶することのできる回路である。
そして、ラッチ部50によりラッチした0又は1の値からなる1ビットデジタル信号は、フィードバック用に1ビットDA変換器70に入力され、加速度計測用に制御部60に入力される。
制御部60は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)によるデジタルフィルタ62を含んで構成され、所定の動作を行うための予め設定された動作条件に基づく各部の動作制御や、ラッチ部50にてラッチした1ビットデジタル信号に基づく加速度計測を行う機能を有する。また、制御部60は、ラッチ部50にクロック信号(サンプリングクロック)Sを出力して、ラッチ部50をクロック信号Sに同期して動作させる。
デジタルフィルタ62は、ラッチ部50より入力された1ビットデジタル信号を、高域ノイズを削除しマルチビット化するローパスフィルタ機能と、設定したサンプリングレートに応じてデシメーション処理を行うことで低サンプリングレート化する機能と、を備えたフィルタである。
1ビットDA変換器70は、ラッチ部50によりラッチした0又は1の値からなる1ビットデジタル信号を所定の電流値からなるアナログ信号に変換する。そして、上記アナログ信号に基づく電流がフィードバックコイル8に出力され、フィードバックコイル8が駆動される。ここで、上記所定の電流値は、可動部3とケース2との相対速度に比例して発生した誘導起電力の電圧に応じて、可動部3がケース2に対して過減衰状態となるように設定される値であり、過減衰型加速度計100の大きさや消費電流とのバランス等を考慮して、±数mAから100mAの範囲で設定されるのが好ましい。
インターフェース110は、例えば、所定の通信ケーブル等を介して波形処理部250のインターフェース210と接続され、過減衰型加速度計100より出力される地震動(デジタル信号)を、波形処理部250に出力する。
波形処理部250は、例えば、制御部200と、インターフェース210と、波形記録部220と、時刻管理部230と、表示部240と、を含んで構成される。
制御部200は、 例えば、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、ROMに記憶された所定のプログラムをCPUが実行されることにより、波形処理部250の各構成の動作全般を制御する。ここで、制御部200の行う処理として、例えば、検出部150より出力される地震動を表示部240にて地震波形として表示する所定の形式に変換する処理がある。
波形記録部220は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等のデータ記録装置で構成され、上記制御部200にて変換処理された地震波形を時刻管理部230で管理される時刻とともに記録する。
時刻管理部230は、例えば、検出部150にて検出される地震動の検出時刻等を計時し管理する。
表示部240は、例えば、モニタ装置等で構成され、波形記録部220にて記録される地震波形を表示画面上に表示させる。
(フィードバック制御構造)
次に、図4の制御ブロック図を用いて、過減衰型加速度計100によるフィードバック制御について説明する。
まず、ケース2に与えられる外部振動による絶対変位をyとし、地震動等の外部振動によりケース2が絶対加速度yの振動を行ったものとする(ここで、yは絶対変位yの2階の時間微分を示し、以下、x,yの右下に添え字が付されたものは、当該添え字の階数におけるx,yの時間微分を指すものとする)。
この時、起電力検出部20により検出され、検出コイル7に誘起される誘導起電力E[V]は、磁束密度をB[T]、検出コイル7のコイル長をL[m]、可動部3のケース2に対する相対変位をx(相対速度x)とすると、E=BLxで表される。
また、相対変位x(相対加速度x)と、絶対変位y(絶対加速度y)との間には、可動部3に接続された減衰器5のダンピング係数をζ、可動部3の固有振動数をωとすると、次の式(1)の関係が成り立つ。
Figure 2011027445
そのため、図4に示すように、起電力検出部20を表す起電力検出ブロック20aの伝達関数H(s)を式(2)のように表現し、誘導起電力E[V]を検出することによってケース2に与えられる外部振動の絶対加速度yを導出することが出来る。
Figure 2011027445
次いで、積分器30を表す積分ブロック30a(G:ゲイン,τ:積分器30により積分する所定の周波数帯域によって定まる時定数)と、コンパレータ40を表すコンパレータブロック40aと、ラッチ部50を表すラッチブロック50aと、により上記導出された絶対加速度yをΔΣ変調して1ビットの量子化された速度uを出力し、1ビットDA変換器70を表す1ビットDA変換ブロック70a(A:フィードバックゲイン)により、当該出力に比例した値を点P1にフィードバックさせる。
以上より、速度uは、信号伝達関数をSignal(s,Z)、雑音伝達関数をNoise(s,Z)、量子化雑音をqとすると、u=Signal(s,Z)×y+Noise(s,Z)×qと表現される。つまり、速度uを検出することで絶対加速度yに比例した出力が取得できる。
(ΔΣ変調による出力特性)
次に、ΔΣ変調された速度uの出力が、高分解能特性を有している(雑音が従来よりも低減される)ことを示す。
ここで、ζ=0.707、ω=10π[rad/s]、B=0.35[T]、L=200[m]、G=1、A=7.07とした場合の、信号伝達関数Signal(s,Z)の振動数特性(絶対値出力[V])と偏角(角度)を図5(A)に、雑音伝達関数Noise(s,Z)の振動数特性(絶対値出力[V])と偏角(角度)を図5(B)に示す。
ここで、地震動等の振動計測において有用な周波数領域を100[Hz]以下の領域とすると、図5(A)に示されるように、当該領域における絶対値出力[V]は同じ値を示しており、加速度入力に対する応答が一定になっているため、当該領域において過減衰型加速度計100が加速度計として機能するといえる。
一方、図5(B)に示されるように、低周波数領域(5[Hz]以下の領域)においては、絶対値出力が2×10−6[V]となり、十分に雑音を抑えることが可能となっている。そして、高周波数領域(5[Hz]以上の領域)では、周波数の増加につれて絶対値出力が大きな値を示す。但し、上記有用な周波数領域(100[Hz]以下の領域)においては、100[Hz]の時点においても絶対値出力が8×10−4[V]であり、従来比1000分の1程度の十分小さな雑音に抑えることができる。そのため、上記有用な周波数領域において、式(4)のΔΣ変調された速度uの出力は、ノイズシェーピング効果により高分解能特性を有するといえる。
また、図6(A)に示す1[Hz]の正弦波信号の入力時の出力波形をシミュレーション計算した結果であり、この出力をFFT解析した結果(周波数[Hz]に対する出力信号(速度u)の絶対値[V])を図6(B)に示す。図6(B)に示されるように、ノイズシェーピング効果が十分に発揮された結果、量子化雑音の影響は数百Hz以上に現れ、本発明の過減衰型加速度計及び地震計の計測範囲である100Hz以下においては、量子化雑音の影響はほとんど現れないという極めて顕著な効果が得られる。そのため、本発明の過減衰型加速度計及び地震計は、その計測範囲において量子化雑音の影響をほとんど受けることなく、好適な高分解能を達成可能である。
以上のように、本発明に係る地震計1000は、過減衰型加速度計100を用いて構成されており、ケース2と、ケース2内にバネ部材4で支持される可動部3と、ケース2内に磁界を形成するマグネット6及びマグネット9と、マグネット6及びマグネット9により形成された磁界内の可動部3に巻回されて設けられ、可動部3の振動時に起電力を発生する検出コイル7と、を有し、磁界内の可動部3に巻回されて設けられ、電流を流すことで可動部3に駆動力を付与するフィードバックコイル8と、起電力検出部20より検出される誘導起電力を、1ビットのビット列信号に変換する1ビットAD変換器45(コンパレータ40及びラッチ部50)と、1ビットAD変換器45により出力されるビット列信号を所定の電流値に変換して、フィードバックコイル8に帰還させる1ビットDA変換器70と、を備える。
つまり、過減衰型加速度計100は過減衰型の加速度計を用いているため、サーボ型の加速度計と異なり直流成分の信号は出力されない(交流成分のみ出力される)。また、本発明は、1ビットAD変換器45によるAD変換手段と、1ビットDA変換器70による帰還手段と、を含んで構成されるため、いわゆるΔΣ変調がなされている。つまり、1ビットAD変換器45から出力される信号に含まれる、量子化雑音の振動スペクトルは、いわゆるノイズシェーピング効果により、低周波数領域において減少し、高周波数領域において増加するため、地震動等の振動計測において有用な周波数領域(100[Hz]以下の領域)における分解能が向上するので、計測可能な周波数領域が広くなる。また、1ビットAD変換器45により加速度を1ビットのビット列のデジタル信号として出力することができるので、過減衰型加速度計100から波形処理部250への信号伝送時に、雑音の混入や信号の減衰を好適に回避することが出来る。さらに、出力が1ビットのビット列であることから、上記信号伝送時に多ビットのように複数の信号伝送路を必要としないため、信号伝送が簡易である。
したがって、本発明は、高分解能であり、交流成分のみを出力可能な過減衰型加速度計及び地震計であるといえる。
また、過減衰型加速度計100は、1ビットAD変換器45により出力されるビット列信号に対して、高周波数成分を減衰させるローパスフィルタリング処理を行うことによりマルチビット化し、更に、デシメーション処理を行うデジタルフィルタ62を備える。
つまり、デジタルフィルタ62により、1ビットAD変換器45により出力されるビット列信号を、高域ノイズを削除しマルチビット化するローパスフィルタ機能と、設定したサンプリングレートに応じてデシメーション処理を行うことで低サンプリングレート化する機能と、が実現される。
また、デジタルフィルタ62により、デシメーション処理を行い低サンプリングレート化する事で、その後の計算量を抑える事が出来るので、現在市販されているDSPでもリアルタイムに計算処理が可能となり、部品コストの低減に効果がある。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良く、例えば、更に高次のΔΣループを構成しても良い。
1 振動系
2 ケース
3 可動部
4 バネ部材
6,9 マグネット(磁界形成部)
7 検出コイル
8 フィードバックコイル
30 積分器
45 1ビットAD変換器(AD変換手段)
60 制御部
62 デジタルフィルタ
70 1ビットDA変換器(帰還手段)
100 過減衰型加速度計
1000 地震計

Claims (4)

  1. ケースと、前記ケース内にバネ部材で支持される可動部と、前記ケース内に磁界を形成する磁界形成部と、前記磁界形成部により形成された磁界内の前記可動部に巻回されて設けられ、前記可動部の振動時に起電力を発生する検出コイルと、を有し、過減衰状態で前記検出コイルより発生する起電力に基づいて、前記ケースに与えられる外部振動の加速度を示すアナログ加速度信号を計測し、1ビットのビット列のデジタル信号で出力する過減衰型加速度計において、
    前記磁界内の前記可動部に巻回されて設けられ、電流を流すことで前記可動部に駆動力を付与するフィードバックコイルと、
    前記アナログ加速度信号を、1ビットAD変換器によりビット列信号に変換するAD変換手段と、
    前記AD変換手段により出力されるビット列信号に対して、1ビットDA変換器により所定の電流値に変換して前記フィードバックコイルに帰還させる帰還手段と、
    を備えることを特徴とする過減衰型加速度計。
  2. 請求項1に記載の過減衰型加速度計において、
    前記アナログ加速度信号を所定の周波数帯域のみで積分する積分器を備えることを特徴とする過減衰型加速度計。
  3. 請求項1又は2に記載の過減衰型加速度計において、
    前記AD変換手段により出力されるビット列信号に対して、高周波数成分を減衰させるローパスフィルタリング処理を行うことによりマルチビット化し、更に、デシメーション処理を行うデジタルフィルタを備えることを特徴とする過減衰型加速度計。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の過減衰型加速度計を用いて構成したことを特徴とする地震計。
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