JP3655425B2 - 生体磁場計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体近傍に被検体から発生する磁場を生体磁場として測定する複数の生体磁場測定センサを配置し、これらの各生体磁場測定センサにて測定される磁場に基づいて被検体の表面の磁場分布を生体磁場分布として解析する生体磁場計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療診断装置の開発が進められる中で、SQUID( 超伝導量子干渉素子 )磁束計を使用した生体磁場計測装置が実用化されつつある。
脳波図、心磁図、肺磁図、筋磁図に代表される生体磁場は一般に非常に微弱である。SQUID磁束計は非常に高感度で、感度的にはこれらの測定が可能な程度の感度を実現することが可能である。しかし、脳磁図、心磁図等の測定対象は、それ以外の要因で発生する環境磁場に比較して非常に小さいため、生体磁場の計測のためには環境磁場の除去を行う必要がある。
環境磁場の除去には、測定システムを磁気シールドルーム中に設置する方法、磁場の1次勾配、2次勾配などを測定する方法があり、通常はこれらを組合わせて環境磁場の除去を行っている。
【0003】
環境磁場には、生体磁場構造体や測定システムの振動によって発生する雑音磁場が含まれており、この振動によって発生する雑音磁場の除去を考慮しなければならない。その方法としては、その振動によって発生する雑音磁場を予め測定し、その間の関係を予め求めておき、実際の測定のとき、振動によって混入する雑音磁場をその関係を用いて除去する。
この方法は、特願平6−251953号に記載されている。この特願平6−251953号に記載されている方法では、レーザ変位計、圧電式加速度ピックアップ、歪みゲージ等の振動センサをシールドルーム床、壁、天井、ガントリ、プローブ、デュワー等の数箇所に設置し、振動センサの出力は2階積分を行って、信号収集部に入力して振動センサを設置した各部位の変位を計測する。
環境磁場測定用ピックアップコイルで計測された磁場や振動計測点での変位と生体磁場測定用ピックアップコイルで入力される環境磁場との間の関係が線形であると仮定して、前もってそれらの関係を計測しておき、環境磁場の推定の際はその関係に基づいて環境磁場測定用ピックアップコイルでの環境磁場の測定値からピックアップコイルに混入する環境雑音磁場を推定し除去する。
【0004】
例えば、図13に示すように、生体磁場計測装置の数箇所に設置された振動センサ101は、検出データとしてベクトルYを出力する。環境磁場センサ102は、後述する生体磁場センサ103の外側にこの生体磁場センサ103の検出に影響せず、しかも生体磁場センサ103に影響する関連を持つ環境磁場を検出できる位置に複数個配置され、検出データとしてベクトルVF を出力する。生体磁場センサ103は、計測する対象の表面形状に対応するように、複数個配置され、検出データとしてベクトルVP を出力する。
【0005】
振動センサ101、環境磁場センサ102及び生体磁場センサ103からそれぞれ出力されるベクトルY、VF 、VP は係数決定手段104に入力され、この係数決定手段104は、係数Aを次の( 式1 )により算出する。
【0006】
【数1】
【0007】
この算出された係数Aは、環境磁場推定手段105へ入力される。
また、振動センサ101及び環境磁場センサ102からそれぞれ出力されるベクトルY、VF は環境磁場推定手段105に入力され、この環境磁場推定手段105は、係数決定手段104からの係数Aにより、入力されたベクトルY、VF から推定される環境磁場を表現するベクトルVQ を、次の( 式2 )により算出する。
【0008】
【数2】
【0009】
この算出されたベクトルVQ は、環境磁場除去手段106に入力される。
この環境磁場除去手段106は、生体磁場センサ103から出力されたベクトルVP からベクトルVQ を使用して環境磁場の影響を受けた成分を除去して、解析・表示手段107へ出力する。
この解析・表示手段107は、ベクトルVP から環境磁場の影響を受けた成分を除去したものを解析して、生体磁場の状態を表示するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の方法では、振動と雑音磁場との関係を線形関係にあると仮定している。そのため、静磁場の下で振動センサあるいはその周囲の物体が振動するために発生する雑音磁場は振動と線形関係にあるが、静磁場に加えて変動磁場も存在する環境下では振動センサあるいはその周囲の物体が振動するために発生する雑音磁場は振動と単純な線形関係にはないので、静磁場に加えて変動磁場も存在する環境下で振動センサあるいはその周囲の物体が振動するために発生する雑音磁場を完全には除去することができないという問題があった。
特に、地磁気を効率良く除去できるような環境( 磁気シールドルーム中 )下で生体磁場の測定を行う場合、変動磁場の下で振動によって発生する雑音磁場が大きく変動してより無視することができなくなり、従って、静磁場及び変動磁場の下で振動によって発生する全体の雑音磁場を上述した従来の方法では完全に除去できないという問題があった。
【0011】
そこでこの発明は、静磁場に加えて変動磁場も存在する環境下で振動センサあるいはその周囲の物体が振動するために発生する雑音磁場を完全に除去できる生体磁場計測装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1対応の発明は、被検体近傍に被検体から発生する磁場を生体磁場として測定する複数の生体磁場測定手段を配置し、これらの各生体磁場測定手段にて測定される磁場に基づいて被検体の表面の磁場分布を生体磁場分布として解析する生体磁場計測装置において、生体磁場測定手段の被検体の磁場測定に影響する被検体からの磁場を除く他の全ての磁場を環境磁場として測定する複数の環境磁場測定手段と、生体磁場測定手段の被検体の磁場計測に影響する磁場を振動により誘起する部材の振動を測定する振動測定手段と、予め静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場と環境磁場測定手段及び振動測定手段により測定される測定データとの関係を求めておき、実際の被検体の磁場分布の測定時に、環境磁場測定手段及び振動測定手段により測定される測定データに基づいて、静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場を推定して、この推定した環境磁場成分を生体磁場測定手段からの測定データから除去する振動雑音磁場除去手段と、外来から混入する磁場成分を生体磁場測定手段からの測定データから除去する外来雑音磁場除去手段とを設けたものである。
【0013】
請求項2対応の発明は、請求項1対応の発明において、振動雑音磁場除去手段は、振動によって誘起される環境磁場と環境磁場測定手段及び振動測定手段の測定データとの間が線形関係にあると仮定して、線形代数学的な手法を使用して、静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場を、環境磁場測定手段及び振動測定手段の各測定データ及びそれらの測定データの積からなるベクトルから推定するための推定行列を求め、実際の被検体の磁場分布の測定時に、推定行列と環境磁場測定手段及び振動測定手段により測定される測定データ及びそれらの測定データの積からなるベクトルとの積により、静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場を推定するものである。
【0014】
請求項3対応の発明は、請求項1及び請求項2のいずれか1項対応の発明において、振動測定手段は、レーザ変位計、超音波変位計、歪みゲージ、圧電型加速度計サーボ型加速度計のうち1種類により、あるいは複数種類を組合わせて使用するものである。
請求項4対応の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項対応の発明において、振動測定手段を電磁場遮蔽ケース内に設置するものである。
【0015】
請求項5対応の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項対応の発明において、振動測定手段を構成する部材中の慣性体は非磁性材料からなるものである。 請求項6対応の発明は、振動測定手段は、特定の棒形状部材の振動箇所に対して4個の歪みゲージを使用し、そのうち2個の歪みゲージの歪み検出方向を、棒形状部材の長手方向に平行に配置し、他の2個の歪みゲージの歪み検出方向を、棒形状部材の長手方向に直交する方向に平行に配置し、これら4個の歪みゲージをブリッジ回路に配線して、温度補償調整を行うものである。
請求項7対応の発明は、請求項3及び請求項6のいずれか1項対応の発明において、振動測定手段は、歪みゲージを含み、この歪みゲージに対して電磁気シールドを施し、歪みゲージのリード線として撚り線又はシールド線を使用するものである。
【0016】
請求項8対応の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項対応の発明において、振動雑音磁場除去手段は、概知の変動環境磁場を発生させて測定した環境雑音磁場とこの概知の変動環境磁場を発生させると共に概知の振動を発生させて測定した環境雑音磁場との差から、変動環境磁場における振動によって誘起される振動雑音磁場を推定するための推定データを作成するものである。
請求項9対応の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項対応の発明において、振動雑音磁場除去手段は、変動環境磁場の発生及びその時の環境雑音磁場の測定を複数回行い、これら複数回の測定により得た測定データを統計処理を行って、振動雑音磁場を推定するための推定データとするものである。
【0017】
請求項10対応の発明は、請求項2乃至請求項9のいずれか1項対応の発明において、振動雑音磁場除去手段は、予め設定された推定の安定化と測定精度とのバランスがとれるように、環境磁場測定手段及び振動測定手段の測定データに含まれる測定上の雑音成分を考慮して、推定行列を求めるものである。
請求項11対応の発明は、請求項2乃至請求項10のいずれか1項対応の発明において、振動雑音磁場除去手段は、推定行列を特異値分解の技術を使用して求めるものである。
【0018】
請求項12対応の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1項対応の発明において、振動測定手段は、生体磁場測定手段が冷触媒体を使用する場合には少なくとも、生体磁場測定手段と、冷触媒体を再生する又は補充する冷触媒体再生補充装置と、この冷触媒体再生補充装置から生体磁場測定手段へ冷触媒体を供給する供給路と、供給路と冷触媒体再生補充装置との接続部と、生体磁場測定手段と供給路との接続部とにそれぞれ振動センサを配置したものである。
【0019】
請求項13対応の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1項対応の発明において、冷却装置を備え、この冷却装置と生体磁場計測手段は熱伝導部材で連結されており、少なくとも、冷却装置と、熱伝導部材と、生体磁場測定手段と、冷却装置と熱伝導部材との接続部と、生体磁場計測手段と熱伝導部材との接続部との全部、あるいはいずれかにそれぞれ振動センサを配置したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施の形態を図1乃至図8を参照して説明する。
図1は、この発明を適用して生体磁場計測装置の要部機能構成を示すブロック図である。
この生体磁場計測装置は、被検体としての生体( 心臓、脳等 )から発生する磁場を計測する生体磁場センサ1と、生体以外の電磁場源から侵入した外来雑音磁場やこの生体磁場計測装置の各部( 導電体・磁性体 )の振動によって誘起される振動雑音磁場を計測する環境磁場センサ2と、この生体磁場計測装置の前記各部に対応する数箇所に設置された振動を計測する振動センサ3と、前記生体磁場センサ1、前記環境磁場センサ2及び前記生体磁場センサ3からそれぞれ検出データとして出力されるベクトルに基づいて振動雑音磁場を推定するための第1の係数を算出して出力する第1の係数決定手段4と、前記生体磁場センサ1及び前記環境磁場センサ2からそれぞれ出力されるベクトルに基づいて外来雑音磁場を推定するための第2の係数を算出して出力する第2の係数決定手段5と、前記環境磁場センサ2及び前記振動センサ3からそれぞれ出力されるベクトル及び前記第1の係数決定手段4からの第1の係数に基づいて振動雑音磁場を推定する振動磁場推定手段6と、前記環境磁場センサ2から出力されるベクトル及び前記第2の係数決定手段5からの第2の係数に基づいて外来雑音磁場を推定する外来磁場推定手段7と、前記生体磁場センサ1からのベクトルに対して前記振動磁場推定手段6で推定された振動雑音磁場成分を除去する振動磁場除去手段8と、前記生体磁場センサ1から前記振動磁場除去手段8を通して振動雑音磁場成分を除去されたベクトルに対して前記外来磁場推定手段7で推定された外来雑音磁場成分を除去する外来磁場除去手段9と、前記生体磁場センサ1から前記振動磁場除去手段8及び前記外来磁場除去手段9を通して振動雑音磁場成分及び外来雑音磁場成分を除去されたベクトル( 生体磁場の検出データ )を解析して電位・磁場分布として表示する解析表示手段10とを備えている。
【0021】
前記生体磁場センサ1及び前記環境磁場センサ2は、それぞれほとんど同一の構成になっており、詳細には図示しないが、ピックアップコイル、SQUIDセンサ及びSQUID駆動回路から構成される。
図2は、ピックアップコイルの配置の一例を示す図である。生体磁場測定用ピックアップコイル1-1は生体から発生する磁場を計測するため、生体のなるべく近傍に配置し、環境磁場測定用ピックアップコイル2-1は生体から発生する磁場が混入せず環境磁場のみを計測するため、生体から少し離れた位置に配置する。
【0022】
この図2では、1次微分スカラー型( 1成分 )の生体磁場測定用ピックアップコイル1-1と1次微分ベクトル型( 2成分又は3成分 )の環境磁場測定用ピックアップコイル2-1を使用する一例を示しているが、生体磁場測定用ピックアップコイルにマグネットメータや2次微分など他の形式のピックアップコイルを使用することができる。また、環境磁場測定用ピックアップコイルも同様に他の形式のものを使用することができる。
【0023】
前記振動センサ3は、例えば図3に示すように、シールドルーム基礎11、天井12、壁13、ガントリ14、デュワー( 冷却媒体容器 )15、インサート( 冷却媒体収納空間 )16などの数箇所に設置する。振動センサとしては、レーザ変位計、圧電式加速度計、静電容量式変位センサ、歪みゲージ、サーボ式加速度計などが使用できる。
この図3の例では、シールドルーム基礎11に、地震や建築物の常微動の振動計測に使用される高感度圧電式加速度センサ3-1を設置する。代表的には0.001[m/s2 ]程度の加速度の常微動を精度良く測定するために、使用する加速度センサの分解能としては、およそ10-5〜10-6[m/s2 ]の高分解能のものを使用するのが望ましい。
また、シールドルームの天井12、壁13及びガントリ14の底部には、サーボ型加速度計3-2〜3-5をその計測軸が壁や天井に直交するように設置する。これらのサーボ型加速度計の分解能としては、10-5[m/s2 ]程度の高分解能のものを使用するのが望ましい。特に、ガントリ14の底部に設置する振動センサは、ガントリ14が駆動体であり、デュワー15内の生体磁場測定用ピックアップコイル1-1に近いため、非磁性タイプのものを使用するかあるいはパーマロイなどの高透磁率磁性体のケース内に封入して、ガントリ14の駆動によるサーボ型加速度計の振動による余計な雑音磁場の発生を防ぐ配慮が必要である。
【0024】
また、デュワー15の外壁には、圧電型加速度計3-6,3-7を設置する。この圧電型加速度計の分解能としては10-4[m/s2 ]以下のものを使用するのが望ましい。使用する部品は全て非磁性体とし、特にこの圧電型加速度計3-6,3-7の慣性体は、非磁性体を使用すると共に分解能を高くするためにサイズが大きいものを使用する。また、電流による雑音磁場の発生を抑制するため、アンプなどが内蔵されていない電荷出力型の振動センサを使用する。
【0025】
インサート16には、極低温用圧電型加速度センサ3-8を設置する。この極低温用圧電型加速度センサ3-8も使用する部品としては、全て非磁性体とし、特にこの極低温用圧電型加速度センサ3-8の慣性体は非磁性体を使用すると共に分解能を高くするためにサイズの大きいものを使用する。また、電流による雑音磁場の発生を抑制するため、アンプなどが内蔵されていない電荷出力型の振動センサを使用する。
【0026】
インサート16の支持体17には歪みゲージ3-9,3-10 を設置する。歪みゲージ3-9,3-10 は、その流れる電流を小さくして電流による雑音磁場の発生を小さくするため、各歪みゲージ3-9,3-10 の抵抗値は1kΩ〜10kΩ程度の高抵抗タイプのものを使用する。
【0027】
図4は、前記各歪みゲージ3-9,3-10 の取付け方法を示す図であり、図5は、前記各歪みゲージ3-9,3-10 の構成を示す回路図である。
この各歪みゲージ3-9,3-10 は、図4に示すように、それぞれ4個の歪み検出素子H1〜H4から構成されており、この歪み検出素子H1〜H4は、歪みの検出の指向性があり、インサート16の円柱状の支持体17の側表面に軸方向及び軸に直交する方向に歪みを検出するように縦・横に配置すると共に、その反対側表面に同じく軸方向及び軸に直交する方向に歪みを検出するように縦・横に配置している。
【0028】
各歪み検出素子H1〜H4はそれぞれ歪み( 伸び応力、縮み応力 )を受けるとその歪みの変化に対応して抵抗値が変化する。従って、図5に示すように、歪み検出素子H1〜H4でブリッジ回路を構成して、このブリッジ回路に所定のブリッジ電圧を印加すると、インサート16の支持体17の曲げ歪みを示す出力電圧が出力される。
【0029】
また、このブリッジ回路では温度補償を行うことができ、各歪みゲージ3-9,3-10 の温度特性による影響を小さくすることができる。ブリッジ回路の出力電圧の計測には低雑音アンプを使用し、各歪みゲージ3-9,3-10 には低温環境用のものを使用する。また、各歪みゲージ3-9,3-10 は銅箔やアルミ箔などでシールドを施し、リード線は撚り線かシールド線を使用して雑音の重畳を防止する。このように構成することで、インサート支持体の10-6程度の曲げ歪みをデュワー内部の低温環境下にて測定することができるようになる。
【0030】
以上、振動センサ3の選択配置の一例を説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、各種種類方式の振動を直接又は間接的に検出できるセンサを電磁気的要素を考慮しながら適切に選択して配置すれば良い。
【0031】
図6は、各種振動センサ3からの出力を処理する構成を示すブロック図である。 レーザ変位計や静電容量式変位センサ等の変位センサ21、歪みゲージ等の歪み型センサ22の出力は、センサ駆動装置23により変位や歪みに比例したアナログ信号として電圧信号又は電流信号の形式で信号収集部24へ入力する。 速度型センサ25及び圧電式加速度センサ等の加速度型センサ26は、センサ駆動装置23により検出した速度及び加速度に比例したアナログ信号として電圧信号又は電流信号の形式で出力し、積分器27及び積分器28、29を使用して1階積分及び2階積分を行い信号収集部24へ入力する。
【0032】
この信号収集部24では、入力された各電圧信号又は各電流信号を例えば、最大で±10 [V] 程度の振幅になるような電圧信号に変換し、さらにアナログ−デジタル変換を行ってデジタル信号に変換する。
【0033】
ここで、環境磁場、すなわち振動雑音磁場及び外来雑音磁場について考察する。
磁場測定点の番号( チャンネルの番号 ):i
i番目の環境磁場センサ2( 磁場測定点 )の位置:ri
i番目の環境磁場測定点における振動による環境磁場センサ2の変位量:xi
i番目の環境磁場測定点における環境雑音磁場又はその勾配:fi ( ri )
i番目の環境磁場センサ2の測定値:vi
[振動がなければvi =fi ( ri ) ]
環境磁場センサ2の測定値を縦に並べたベクトル:Vf
生体磁場センサ1の測定値に含まれる
環境磁場成分を縦に並べたベクトル:Vp
ベクトルVf とベクトルVp を縦に並べたベクトル:V
fi ( ri ) のうち時間的に変動しない直流成分:si ( ri )
fi ( ri ) のうち時間的に変動する交流成分( 変動成分 ):ti ( ri )
従って、fi ( ri ) =si ( ri ) +ti ( ri )
i番目の振動センサ3のある時刻での振動によるその位置の変位量:xi
振動センサ( 変位、歪み、速度、加速度 )3の
測定値を縦に並べたベクトル:Y
とする。
【0034】
まず、i番目の環境磁場センサの測定値vi について考察する。
i番目の測定点に振動により混入する振動雑音磁場qi は、直流環境磁場si ( ri ) に起因する成分と変動環境磁場ti ( ri ) に起因する成分との和で、
と表現される。
上式では、si ( ri ) 、ti ( ri ) は、簡単にsi 、ti と省略して記載している。
磁場センサの測定値vi は、外来の環境雑音磁場を無視すると、振動がない場合の測定値fi と振動により混入する振動雑音磁場qi の和であるから、
vi =fi +qi =fi +▽si ・xi +▽ti ・xi …( 式4 )
と表現される。
【0035】
次に、振動センサ3の測定値と振動により混入する振動雑音磁場との関係について考察する。
振動センサ3の測定値を縦に並べたベクトルYは、位置変位量xi と同じ時刻の測定値のみで構成されても良く、相対的に異なる時刻の測定値で構成されても良い。また、同じ振動センサ3の異なる時刻の測定値が含まれても良い。例えば、i番目のサンプルでの振動センサ3の計測値を全て縦に並べたベクトルをyi として、
Y=( yi-L T …yi T …yi+M T )T
とベクトルYを構成する。ここで、Lは推定する時刻より前のサンプル数、Mは推定する時刻より後のサンプル数である。
【0036】
ここでは、振動センサ3の測定値と磁場センサの振動は線形関係にあると近似する。
すなわち、xi =Wi Y …( 式5 )
ここで、Wi はxi とYの関係を記述する行列である。従って、振動により混入する振動雑音磁場qi は、
さらに、変動環境磁場成分の勾配▽ti と環境磁場センサとしてのリファレンスコイルでの測定値Vf が線形関係にあると仮定する。すなわち、
▽ti =Ai Vf …( 式7 )
Ai は係数行列である。これを( 式6 )へ代入すると2番目の項▽ti ・Wi Yは、
と表される。
【0037】
ここで、di は行列Ai T Wi の全ての要素を縦にならべたベクトル、uは行列Vf YT の全ての要素を縦に並べたベクトルである。両ベクトルを構成するとき、各要素の並び順は同一とする。
【0038】
( 式6 )の1番目の項▽si ・Wi Yはci T =( ▽si )T Wi なるベクトルci を導入すれば、
▽si ・Wi Y=ci T Y …( 式9 )
と表される。従って、( 式4 )から
vi =fi +qi =fi +ci T Y+di T u …( 式10 )
行列形式で表現すると、V=F+CT Y+DT u …( 式11 )
あるいは、 Q=CT Y+DT u …( 式12 )
ここで、Vは各測定点の測定値vi を縦に並べたベクトル、Fは各測定点出測定しようとする物理量fi を縦に並べたベクトル、Qは各測定点での振動により混入する振動雑音磁場の値qi を縦に並べたベクトル、Cは各測定点のベクトルci を横に並べた行列、Dは各測定点のベクトルdi を横に並べた行列である。
【0039】
以上の考察をまとめて図示したのが図7である。
( 式12 )に基づいて、振動に起因する振動雑音磁場Qの推定値Q′、すなわち振動雑音磁場推定手段が算出する推定値Q′を次の( 式13 )により算出する。
【0040】
【数3】
【0041】
ここで、Yは振動センサ3の測定値を縦に並べたベクトル、uは行列Vf YT の全ての要素を縦に並べたベクトル、Vf は環境磁場センサ2のリファレンスコイルでの測定値を縦に並べたベクトルである。G1 はYとuとからQ′を推定する推定行列であり、この推定行列G1 は、振動磁場推定手段6が振動雑音磁場を算出するための第1の係数決定手段4により決定される係数である。
【0042】
この第1の係数決定手段4により決定される推定行列G1 の算出方法について説明する。
ここでは、図8に示すように、図1で説明した構成の他に変動磁場印加手段31及び振動印加手段32を使用する。なお、中央制御手段33は、変動磁場印加手段31及び振動印加手段32を制御すると共に、図1で説明した各センサ1〜3及び各手段4〜10を制御するようになっている。
【0043】
磁束計に被検者( 被検体 )を設置しない状態で、( 好ましくは交通量や工事が少なくなる深夜など外部からの環境雑音磁場や振動がなるべく少ない環境下で )変動磁場印加手段31を使用して変動環境磁場を人工的に加えて、環境磁場センサ2による環境雑音磁場の測定を行う。磁場は空間パターンを変えて( 磁場発生用コイルを制御して空間の磁場パターンを変える )N回印加し、環境磁場センサ2のそれぞれの磁場の測定値をHi とする。
このとき、変動環境磁場の印加は複数回行い、測定した磁場を加算平均すると、外部からの環境磁場や磁束計のノイズの影響を少なくすることができる。
【0044】
次に、変動環境磁場を印加した上、振動印加手段32を使用して振動も印加して測定を行い、環境磁場センサ2による環境雑音磁場の測定値V、振動センサ3による振動の測定値Yの組をN回測定し、Vi 、Yi 、( i=1,…,N )を得て、Qi =Vi −Hi によりQi を得る。環境雑音磁場の測定値Vi のうち、環境磁場センサ2の測定値あるいはそのうち数チャンネル抜き出して構成したベクトルをVfiとする。また、行列VfiYi T の全ての要素を縦に並べてベクトルui を構成する。これらの値及び2重平均推定( 鏡分散行列、相関行列 )の手法を使用して推定行列G1 を次式の( 式14 )により求める。
【0045】
【数4】
【0046】
振動磁場除去手段8は、生体磁場センサ1からのベクトル( 検出データ )に対して振動磁場推定手段6により推定された振動雑音磁場Qの推定値Q′に基づいて振動雑音磁場成分を除去する。
【0047】
第2の係数決定手段5及び外来磁場推定手段7は、従来の技術の応用( 振動センサからのデータを考慮しない方法 )で外来雑音磁場を算出するための係数を求め、外来雑音磁場の推定値を算出して、外来磁場除去手段9は、生体磁場センサ1から振動磁場除去手段8を通して振動雑音磁場を除去したベクトルに対して外来磁場推定手段7により推定された外来雑音磁場成分を除去して、環境雑音磁場を除去したベクトルを解析表示手段10へ出力する。
【0048】
このようにこの第1の実施の形態によれば、静磁場に加えて変動磁場も存在する環境下で振動センサあるいはその周囲の物体が振動するために発生する振動雑音磁場を完全に除去できる。
従って、生体磁場センサ1からの検出信号のS/N比を向上させることができ、生体磁場源推定の分解能及び精度の向上を図ることができる。
【0049】
この発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態と前述の第1の実施の形態との相違点は、第1の係数決定手段4及び振動磁場推定手段6による振動雑音磁場の推定方法だけである。 すなわち、振動により起因する振動雑音磁場Qの推定値Q′を前述の第1の実施の形態の( 式13 )ではなく、次の( 式15 )により算出する。
Q′=G2 Y+G3 u …( 式15 )
G2 はQ′のうち直流環境磁場に起因する成分をYから推定する推定行列であり、G3 はQ′のうち変動環境磁場に起因する成分をuから推定する推定行列である。
【0050】
この第1の係数決定手段4により決定される推定行列G2 、G3 の算出方法について説明する。なお、前述の第1の実施の形態の推定行列G1 が求められている場合には、この推定行列G1 の部分行列としてG1 =( G2 G3 )の関係から各推定行列G2 、G3 をそれぞれ求めることができるが、この第2の実施の形態では推定行列G2 、G3 を直接求める方法を説明する。
【0051】
第1の実施の形態と同様に測定環境に配慮して、まず、変動磁場印加手段31及び振動印加手段32を使用して、振動印加手段32により振動のみを印加して、環境磁場センサ2による環境雑音磁場の測定値Vi 及び振動センサ3による振動の測定値Yi をN回測定する。このとき、Hi は0と仮定してQi =Vi とする。 これらの値から次の( 式16 )より推定行列G2 を構成する。
【0052】
【数5】
【0053】
次に、変動環境磁場印加手段31を使用して変動環境磁場だけを印加し、前述の第1の実施の形態のG1 の算出のときと同様に、M個のHi を測定する。
次に、変動環境磁場に加えて振動も印加して、Vj 、Yj のM個の組を測定する。Qj =Vj −Fj −G2 Yj によりQj を求め、また行列Vj Yj T の全ての要素を縦に並べてベクトルuj を構成して、次式の( 式17 )により推定行列G3 を算出する。
【0054】
【数6】
【0055】
このような構成の第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
この発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態と前述の第1の実施の形態との相違点は、前述の第2の実施の形態と同様に、第1の係数決定手段4及び振動磁場推定手段6による振動雑音磁場の推定方法だけである。
すなわち、振動により起因する磁場Qの推定値Q′を次式の( 式18 )により得る。
【0056】
Q′=G4 u…( 式18 )
G4 は直流環境磁場成分と変動環境磁場成分との双方に起因する振動雑音磁場Qの推定値Q′をuから推定する推定行列、uは行列Vf ・YT の全ての要素を縦に並べたベクトル、Vf は環境磁場センサ2のリファレンスコイルの測定値を縦に並べたベクトルである。Vf はある値からの相対値ではなく磁場0からの絶対値を測定する環境磁場センサ2の測定値を含むことが望ましい。
【0057】
この第1の係数決定手段4により決定される推定行列G4 の算出方法について説明する。
前述の第1の実施の形態G1 の算出のときと同様に、変動磁場印加手段31を使用して変動環境磁場を人工的に加えてHi をN回測定し、次に、変動磁場及び振動を加えてVi 、Yi を測定する。Qi =Vi −Hi によりQi を得る。磁場の測定値Vi のうち、環境磁場センサ2の測定値で構成したベクトルをVfiはある値からの相対値のみではなく、磁場0からの絶対値を含むことが望ましい。
行列VfiYi T の全ての要素を縦に並べてベクトルui を構成する。これらの値を使用して次式の( 式19 )により推定行列G4 を求める。
【0058】
【数7】
【0059】
Vf と、Vi のうちのVfiを構成するチャンネルは、ある値からの相対値ではなく磁場0からの絶対値として測定することが望ましい。
このように第3の実施の形態によれば、前述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0060】
この発明の第4の実施の形態を図9を参照して説明する。なお、この第4の実施の形態は、環境磁場センサ2により測定した磁場検出信号に対する信号処理について説明するものである。
推定行列の構成の際及び振動雑音磁場を実際に推定する際、環境磁場センサ2のリファレンスコイルでの測定値を縦に並べたベクトルVf は、前述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態の場合は、交流成分( 変動磁場成分 )のみで良い。従って、測定した磁場に直流成分や低い周波数成分が重畳する場合、図9に示すように、フィルタ34を設ける等により除去するのが良い。このフィルタ34は振動により混入する雑音磁場を含む周波数帯域を通過し、それ以外の周波数を阻止するような特性を備えたフィルタを使用する。このようなフィルタ34を使用することにより、環境磁場センサ2の1/f雑音や温度ドリフト、高い周波数成分のセンサ固有雑音などの雑音の影響を少なくすることができる。これらの影響を最小にするためにマッチドフィルタによってフィルタ34の周波数特性を設計するのも良い。
【0061】
前述の第3の実施の形態の場合、Vf あるいはVi のうちVfiを構成する測定値は少なくともその一部が直流成分まで含んだ磁場の絶対値であることが望ましい。絶対磁場を測定するにはフラックスゲート磁束計を使用する方法やピックアップコイルが回転するように構成したSQUID磁束計を使用する方法、その他の磁気抵抗素子を使用する方法等がある。
絶対磁場を測定するSQUID磁束計を使用する場合は低い周波数成分しか測定することができないので、他の通常のSQUID磁束計を併設し変動磁場まで測定できるようにすることが必要である。
【0062】
他の方法も信号対雑音比を向上させるため、複数のセンサを設置し重み付き加算を行うか、フィルタでそれぞれ異なる特定の周波数のみを抽出した後に加算するなどの方法を使用して、信号対雑音比を向上させるのが望ましい。
例えば、0から0.1[Hz]の磁場をフラックスゲート磁束計で測定し、 0.1から40[Hz]までをSQUID磁束計で測定し、それぞれを加算( フラックスゲート磁束計とSQUID磁束計の位置が離れている場合は重み付き加算 )する方法で絶対磁場を精度良く測定することが可能になる。ただし、フラックスゲート磁束計の測定値とSQUID磁束計の測定値を合成せず、そのまま別々にVf を構成しても良い。同様に他の組合わせのセンサを使用してVf を合成して、合成せず別々にVf を構成しても良い。
【0063】
このように第4の実施の形態によれば、第1、第2及び第3の実施の形態と併用して実施すれば、第1、第2及び第3の実施の形態の効果を得ることができると共に、推定行列の構成及び振動雑音磁場の推定において精度の向上を図ることができる。
【0064】
この発明の第5の実施の形態を図10を参照して説明する。前述の第1乃至第4の実施の形態では、環境雑音磁場について振動雑音磁場と外来雑音磁場とを別々に推定して除去する例で説明したが、第5の実施の形態では、振動雑音磁場と外来雑音磁場とを1つの環境雑音磁場としてまとめて推定して除去する方法を説明する。なお、図10は従来の技術で説明した図13と同じようなブロック構成になっているが、係数決定手段及び環境磁場推定手段の内部の詳細な構成が図示しないが大きく異なっている。また、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0065】
各生体磁場センサ1に振動によって混入する振動雑音及び外来雑音の双方を含む環境磁場を縦に並べたベクトルFp の推定値Fp ′を環境磁場推定手段42は次式の( 式20 )により推定する。
【0066】
【数8】
【0067】
ここで、G5 は、環境磁場センサ2の測定値Vf と、振動センサ3の測定値Yと、それらの積Vf YT から得られるuとから、Fp の推定値Fp ′を得る推定行列である。
【0068】
G5 を求めるためには、望ましくは環境磁場の除去を行う生体磁場の計測の直前、又は直後、あるいは同日中の任意の時期、あるいはあまり望ましくないが装置据付時やその後の適当な時期に、生体磁場計測装置に被検者を設置しない状態で生体磁場センサ1の測定値に含まれる環境磁場成分を縦に並べたベクトルVp 、Vf 、YのN個の組を測定し、Vpi、Vfi、Yi とする。
また、行列VfiYi T の全ての要素を縦に並べてベクトルui を構成する。これらの値を使用して係数決定手段41は次式の( 式21 )によりG5 を計算する。
【0069】
【数9】
【0070】
上記の計算には振動により混入する環境雑音磁場の推定が含まれており、変動環境磁場及び静磁場の環境下で振動により誘起される環境雑音の除去が行えると共に、さらに環境磁場測定センサ2の測定値をもとに混入する外来磁場を同時に除去できる。
従って、環境磁場除去手段43は、前記環境磁場推定手段42により計算された各生体磁場センサ1に振動によって誘起される振動雑音及び外来雑音の双方を含む環境磁場を縦に並べたベクトルFp の推定値Fp ′に基づいて、各生体磁場センサ1からの検出データとしてのベクトルから振動雑音磁場成分及び外来雑音磁場成分を同時に除去する。
【0071】
このように第5の実施の形態によれば、振動により混入する環境雑音磁場を同時に除去することにより、振動により混入する環境雑音磁場と振動の関係を予め直接求めておく必要がなくなるので、環境雑音磁場( 変動磁場 )や振動を人工的に印加しなくても、振動と外来雑音磁場により混入する環境雑音磁場を除去することが可能になるという特別な効果がある。
しかし、この第5の実施の形態により推定行列G5 を求め、それを使用して生体磁場センサ1に混入する環境雑音磁場を推定する場合においても、第1、第2及び第3の実施の形態と同様に環境磁場や振動を意図的に印加した時の磁場センサや振動センサの測定値を使用して推定行列G5 を求めても良い。この場合、振動と環境磁場を両方印加しても良く、また、いずれか一方のみ印加しても良い。
【0072】
この発明の第6の実施の形態を図11を参照して説明する。
第1の実施の形態では速度センサ25の出力は1回積分を行い、加速度センサ26の出力は2回積分を行って変位に比例する出力を得て、これらの出力を縦に並べて振動の計測値Yを構成したが、この第6の実施の形態では、速度センサ25の出力や加速度センサ25の出力に、図11に示すように、増幅及びフィルタ処理を行う増幅及びフィルタ回路51,52を設けて積分器27,28,29を省略し、積分は行わないで計測し、これらの出力を縦に並べて振動の計測値Yを構成する。
この場合も計測値Yは推定する時刻の計測値の他に推定する時刻より前の計測値や後の計測値も使用して振動の計測値Yを構成するのが良い。例えばi番目のサンプルでの振動センサの計測値を全て縦に並べたベクトルyi とし、
Y=( yi-L T …yi T …yi+M T )T
によりYを構成する。
ここでLは推定する時刻より前のサンプル数、Mは推定する時刻より後のサンプル数である。
その他の構成は、前述の第1乃至第5の実施の形態のいずれでも良いものである。
【0073】
このように第6の実施の形態によれば、前述の第1乃至第5の実施の形態と同様な効果を得ることができ、さらに積分器27,28,29を省略することができるので、回路が単純になり、測定精度の向上を図ることができる。
【0074】
この発明の第7の実施の形態を説明する。この第7の実施の形態では、上述した実施の形態における係数決定手段4,41の構成の改善を図る例を説明するものである。
前述の実施の形態において( 式14 )、( 式16 )、( 式17 )、( 式19 )、( 式21 )について、G=AB-1の形式で推定行列の計算を行っている。
ここで、A及びBは( 式14 )、( 式16 )、( 式17 )、( 式19 )、( 式21 )において、右側及び左側から乗じている行列である。
【0075】
この第7の実施の形態では推定行列をG=A( B+C )-1の形式で推定行列の計算を行う。
ここで、Cは振動センサ3の雑音レベルσY に定数αを乗算した数値ασY と生体磁場センサ1及び環境磁場センサ2の雑音レベルσV に定数βを乗じた数値βσV と、その両者の積αβσY σV を対角要素とする行列である。対角要素の並び順は行列Bの元になるベクトルの並び順と対応させる。
例えば、第1の実施の形態の場合は行列Cの対角要素として左上隅から順にベクトルYの次数だけασY を並べ、続いてベクトルuの次数だけαβσY σV をを並べて、行列Cを構成する。定数αはほとんど振動を印加したとき振動センサ3で観測される振動レベルの値を通常観測される雑音レベルで除算した値とする。また、定数βはほとんど環境磁場雑音を意図的に印加したとき磁場センサ1,2で観測される磁場レベルの値を通常観測される雑音レベルで除算した値とする。
【0076】
ただし、α、βには正確な値でなくおおよその値を与えれば良く、意図的に大きな値を与えても良い。大きな値を使用すると推定を安定化させる働きがある代わりに推定精度の劣化が発生する。従って、推定安定化と推定精度とのバランスを考慮してα、βを決定すれば良い。特に、意図的に環境磁場や振動を与えない場合にα、βに0以外の値を使用することは推定を安定化させるのに役立つことがある。
【0077】
このようにこの第7の実施の形態によれば、前述の実施の形態の効果に加えて、振動センサ3、生体磁場センサ1及び環境磁場センサ2の測定の雑音レベルに応じて、推定の安定化及び推定精度を調整することができるという効果を得ることができる。
【0078】
この発明の第8の実施の形態を説明する。この第8の実施の形態では、上述した実施の形態における係数決定手段4,41の構成の改善を図る例を説明するものである。
【0079】
前述の実施の形態において、行列B又はB+Cを次の形式
B=LDRT 又はB+C=LDRT
のように特異値分解し、推定行列Gを次のような形式として求める。
G=ARD′LT
ここで、Lは特異値分解をしたときの左側行列、Rは右側行列、Dは特異値を対角要素として持つ行列である。D′はDの対角要素の逆数を対角要素とする行列である。ただし、Dの対角要素が0に近いとき対応するD′の対角要素は0に置換える。
【0080】
このように第8の実施の形態によれば、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができ、さらに特異値分解における数学的技術を利用して環境雑音磁場の推定をより効率的に行うことができる。
【0081】
この発明の第9の実施の形態を図12を参照して説明する。この第9の実施の形態では、生体磁場計測装置に接続して使用する冷凍機( 又はHe再凝縮機 )の振動により発生する雑音磁場を除去する例を説明する。
図12に示すように、シールドルーム基礎11、天井12、壁13( 床 )等から構成された磁気シールドルーム内のデュワー15の中に収容されている冷却媒体( 液体ヘリウム )を常に一定温度に保つために、冷凍機( 又はHe再凝縮機 )61はデュワー15内の液体ヘリウムを常に一定量を維持するように補充している。
【0082】
冷凍機61は、磁気シールドルームの外部の安定した据付部62上に設置されており、磁気シールドルームの内部と外部とを結ぶトランスファーチューブ63によりデュワー15と接続されている。冷凍機61からトランスファーチューブ63を通して液体ヘリウムがデュワー15へ供給され、デュワー15で気化したヘリウムがトランスファーチューブ63を通して冷凍機61へ送り出される。冷凍機61は、送り込まれた気化したヘリウムを液化して液体ヘリウムをデュワー15へ戻すものである。このようにしてデュワー15はデュワー15内のSQUIDを常に超電導状態にしている。
【0083】
冷凍機61は、例えばコンプレッサやシリンダ等から構成されているので振動が大きい。そこで、この冷凍機( 又はヘリウム凝縮機 )61の振動により誘起される振動雑音磁場を除去するために、振動センサ64〜67を、冷凍機61本体、据付部62、冷凍機61とデュワーとの間を接続するトランスファーチューブ63、トランスファーチューブ63と冷凍機61との接続部、トランスファーチューブ63とデュワー15との取付け部に設置する。なお、これらの振動センサ64〜67としては、質量の小さい加速度センサを使用するのが望ましい。
【0084】
このように第9の実施の形態によれば、変動環境磁場の環境下で振動により混入する環境雑音磁場を除去することが可能であるので、冷凍機( 又はHe再凝縮機 )61自体が大きな変動環境磁場の発生源であり、この冷凍機61が発生する変動環境磁場が磁場センサに伝わることにより生じる環境雑音磁場( 振動により誘起される振動雑音磁場及び外来雑音磁場 )を除去することが可能である。
従って、冷凍機( 又はHe再凝縮機 )61を運転しながら生体磁場を測定することができる。
【0085】
なお、この第9の実施の形態では、液体ヘリウムを冷媒として使用し、液体He再凝縮機を使用して生体磁場計測手段を冷却する場合を例として説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、能動的冷却装置を使用して、生体磁場計測手段を冷却する場合等の冷却システム全般について適用可能であり、例えば、液体窒素を冷媒として使用することも可能である。また、冷媒を使用せずに、冷却装置と生体磁場計測手段とを熱伝導部材で接続することにより生体磁場計測手段を冷却する場合にも適用可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、静磁場に加えて変動磁場も存在する環境下で振動センサあるいはその周囲の物体が振動するために発生する雑音磁場を完全に除去できる生体磁場計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の生体磁場計測装置の要部機能構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態の生体磁場計測装置のピックアップコイルの配置の一例を示す図。
【図3】同実施の形態の生体磁場計測装置の振動センサの配置の一例を示す図。
【図4】同実施の形態の生体磁場計測装置の振動センサの歪みゲージの取り付け方法を示す図。
【図5】同実施の形態の生体磁場計測装置の図4に示す振動センサの歪みゲージの構成を示す回路図。
【図6】同実施の形態の生体磁場計測装置の各種振動センサからの出力を処理する構成を示すブロック図。
【図7】同実施の形態の生体磁場計測装置により検出されるデータを示す図。
【図8】同実施の形態の生体磁場計測装置の制御に関する要部構成を示すブロック図。
【図9】この発明の第4の実施の形態の生体磁場計測装置の環境磁場センサに関する要部構成を示すブロック図。
【図10】この発明の第5の実施の形態の生体磁場計測装置の要部機能構成を示すブロック図。
【図11】この発明の第6の実施の形態の生体磁場計測装置の各種振動センサからの出力を処理する構成を示すブロック図。
【図12】この発明の第9の実施の形態の生体磁場計測装置の振動センサの配置の一例を示す図。
【図13】従来の生体磁場計測装置の要部機能構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…生体磁場センサ、
1-1…生体磁場測定用ピックアップコイル、
2…環境磁場センサ、
2-1…環境磁場測定用ピックアップコイル、
3…振動センサ、
4…第1の係数決定手段、
6…振動磁場推定手段、
8…振動磁場除去手段、
9…外来磁場除去手段、
27〜29…積分器、
31…変動磁場印加手段、
32…振動印加手段、
33…中央制御手段、
34…フィルタ、
41…係数決定手段、
42…環境磁場推定手段、
43…環境磁場除去手段、
51,52…増幅及びフィルタ回路、
61…冷凍機( 又はHe再凝縮機 )、
63…トランスファーチューブ。
Claims (13)
- 被検体近傍に被検体から発生する磁場を生体磁場として測定する複数の生体磁場測定手段を配置し、これらの各生体磁場測定手段にて測定される磁場に基づいて前記被検体の表面の磁場分布を生体磁場分布として解析する生体磁場計測装置において、
前記生体磁場測定手段の前記被検体の磁場測定に影響する前記被検体からの磁場を除く他の全ての磁場を環境磁場として測定する複数の環境磁場測定手段と、前記生体磁場測定手段の前記被検体の磁場計測に影響する磁場を振動により誘起する部材の振動を測定する振動測定手段と、
予め静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場と前記環境磁場測定手段及び前記振動測定手段により測定される測定データとの関係を求めておき、実際の前記被検体の磁場分布の測定時に、前記環境磁場測定手段及び前記振動測定手段により測定される測定データに基づいて、静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場を推定して、この推定した環境磁場成分を前記生体磁場測定手段からの測定データから除去する振動雑音磁場除去手段と、
外来から混入する磁場成分を前記生体磁場測定手段からの測定データから除去する外来雑音磁場除去手段と
を設けたことを特徴とする生体磁場計測装置。 - 前記振動雑音磁場除去手段は、振動によって誘起される環境磁場と前記環境磁場測定手段及び前記振動測定手段の測定データとの間が線形関係にあると仮定して、線形代数学的な手法を使用して、静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場を、前記環境磁場測定手段及び前記振動測定手段の各測定データ及びそれらの測定データの積からなるベクトルから推定するための推定行列を求め、実際の前記被検体の磁場分布の測定時に、前記推定行列と前記環境磁場測定手段及び前記振動測定手段により測定される測定データ及びそれらの測定データの積からなるベクトルとの積により、静磁場及び変動磁場における振動によって誘起される環境磁場を推定することを特徴とする請求項1記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動測定手段は、レーザ変位計、超音波変位計、歪みゲージ、圧電型加速度計サーボ型加速度計のうち1種類により、あるいは複数種類を組合わせて使用することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動測定手段を電磁場遮蔽ケース内に設置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動測定手段を構成する部材中の慣性体は非磁性材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動測定手段は、特定の棒形状部材の振動箇所に対して4個の歪みゲージを使用し、そのうち2個の歪みゲージの歪み検出方向を、前記棒形状部材の長手方向に平行に配置し、他の2個の歪みゲージの歪み検出方向を、前記棒形状部材の長手方向に直交する方向に平行に配置し、これら4個の歪みゲージをブリッジ回路に配線して、温度補償調整を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動測定手段は、歪みゲージを含み、この歪みゲージに対して電磁気シールドを施し、歪みゲージのリード線として撚り線又はシールド線を使用することを特徴とする請求項3及び請求項6のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動雑音磁場除去手段は、概知の変動環境磁場を発生させて測定した環境雑音磁場とこの概知の変動環境磁場を発生させると共に概知の振動を発生させて測定した環境雑音磁場との差から、変動環境磁場における振動によって誘起される振動雑音磁場を推定するための推定データを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動雑音磁場除去手段は、変動環境磁場の発生及びその時の環境雑音磁場の測定を複数回行い、これら複数回の測定により得た測定データを統計処理を行って、振動雑音磁場を推定するための推定データとすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動雑音磁場除去手段は、予め設定された推定の安定化と測定精度とのバランスがとれるように、前記環境磁場測定手段及び前記振動測定手段の測定データに含まれる測定上の雑音成分を考慮して、前記推定行列を求めることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動雑音磁場除去手段は、前記推定行列を特異値分解の技術を使用して求めることを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 前記振動測定手段は、前記生体磁場測定手段が冷触媒体を使用する場合には少なくとも、前記生体磁場測定手段と、冷触媒体を再生する又は補充する冷触媒体再生補充装置と、この冷触媒体再生補充装置から前記生体磁場測定手段へ冷触媒体を供給する供給路と、前記供給路と前記冷触媒体再生補充装置との接続部と、前記生体磁場測定手段と前記供給路との接続部との全部、あるいはいずれかにそれぞれ振動センサを配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
- 冷却装置を備え、この冷却装置と前記生体磁場計測手段は熱伝導部材で連結されており、少なくとも、前記冷却装置と、前記熱伝導部材と、前記生体磁場測定手段と、前記冷却装置と前記熱伝導部材との接続部と、前記生体磁場計測手段と前記熱伝導部材との接続部との全部、あるいはいずれかにそれぞれ振動センサを配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
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