JP2829375B2 - 微弱磁界測定装置及び測定方法 - Google Patents

微弱磁界測定装置及び測定方法

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JP2829375B2
JP2829375B2 JP7052668A JP5266895A JP2829375B2 JP 2829375 B2 JP2829375 B2 JP 2829375B2 JP 7052668 A JP7052668 A JP 7052668A JP 5266895 A JP5266895 A JP 5266895A JP 2829375 B2 JP2829375 B2 JP 2829375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大きな背景磁界中で微
弱磁界を分離測定するために、マグネトメータのピック
アップ部が背景磁界中で振動して生じる非定常ノイズ成
分を適宜低減・除去し、微弱磁界を高い精度で計測可能
とする微弱磁界測定装置を提供するものである。本発明
の産業上の利用分野は、生体磁気計測、脳磁界計測等の
生体磁気利用医療診断、脳磁界計測装置及び位置センサ
による精密測定装置、非破壊検査装置、位置トラッキン
グ装置等である。
【0002】
【従来の技術】けた違いに大きい直流あるいは直流に近
い低周波磁界の存在する環境で、微弱な交流磁界を計測
しようとする時、検出感度が方向によって異なるマグネ
トメータのピックアップ部が背景をなす磁界中でわずか
でも振動すると、たとえ背景磁界が直流であっても、振
動と同じ周波数の交流出力が現れこれがノイズ又は測定
誤差の原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】振動周波数が、被測定
磁界周波数帯とオーバラップしていると測定を妨げるノ
イズとなる。特に振動が非定常であると、振動性ノイズ
のフィルタリングは困難となる。このような問題は、実
際、磁気シールドルーム内での脳磁界(pTオーダ)計
測において問題となっている。すなわち、磁気シールド
内残留磁界中でSQUIDマグネトメータのピックアッ
プ部の振動周波数は脳磁界周波数帯(0.1ヘルツ〜30ヘ
ルツ)にオーバラップすることが多く、また振動は人の
活動に起因する非定常であるのでフィルタでノイズ成分
を分離除去することができない。この振動に対する問題
は、装置全体の剛性を増す建築設計で回避する方法があ
るが、(例えば、阿部他:第7回日本生体磁気学会大会
論文集B2−12,1992)十分な効果を上げていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、大きな背景磁
界中で微弱交流磁界を分離測定するために、マグネトメ
ータピックアップ部が背景磁界中で振動して生じる非定
常ノイズ成分に応答して適宜低減・除去し、微弱交流磁
界を高い精度で計測可能とする微弱磁界測定装置を提供
することを目的とするものである。
【0005】本発明は、x,y,zの空間座標のうち
x,y軸方向の微小な回転を妨げない支点に支持された
地磁気等の背景磁界に対する磁界センサとしてのマグネ
トメータと、その先端に位置しz軸方向の指向性をもっ
たピックアップ部分の振動を検出するセンサ部分と、マ
グネトメータの支持部に前記ピックアップ部の位置検出
のための参照信号を求めるための前記x軸及びy軸にそ
れぞれ勾配の方向が平行で互に直交する交流線形勾配磁
界とを設けたものにおいて、前記交流線形勾配磁界の周
波数は被測定磁界である前記背景磁界の周波数より高く
設定し、前記x軸及びy軸に勾配の方向が平行で互に直
交する1対の交流線形勾配磁界に対して互に直交する2
対の平行線状導体に流れる交流電流(ix,iy)を前
記マグネトメータのピックアップ部近傍の導体に流すこ
とにより、人為的に参照磁界として発生させた交流勾配
線形磁界をもちいて、マグネトメータピックアップ部分
の振動を非接触に検出することを特徴とする微弱磁界測
定方法にある。本発明の更に他の目的とする所は、磁界
センサとしてのマグネトメータの直交するx及びy軸方
向に勾配を持つ互いに異なる周波数(f1 Hz,f2
z)の交流線形勾配磁界成分と被検出磁界成分及び背景
磁界に対する磁界センサのピックアップ部の振動を検出
した振動ノイズ成分とを磁界センサで検出し、この出力
からローパスフィルタを通じて被検出磁界成分と振動ノ
イズ成分を取り出す工程と、磁界センサの出力を同期検
波器でそれぞれの周波数成分(f1 Hz成分及びf2
z成分)を同期検波し、その2つの検波出力からそのピ
ックアップコイルの面の法線ベクトルの成分を求めて背
景磁界の鎖交磁束変化分を求めそれに感度係数をかけて
振動ノイズ成分の推定値を求める工程と、前記被検出磁
界成分と振動ノイズ成分より振動ノイズ成分の推定値を
差引し、被検出磁界成分を求める工程とより成り、前記
被検出磁界成分と振動ノイズ成分から同期検波器より得
られた振動ノイズ成分の推定値を差引して、磁界センサ
の振動に対応して磁界センサの出力に含まれる振動ノイ
ズを適宜低減、除去することを特徴とする微弱磁界測定
方法にある。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図1,図2に示す。本発明
は、大きく分けて2つの構成要素からなる。図1は、測
定対象磁界(低周波微弱磁界)及び背景磁界(地磁気)
に対するマグネトメータ(磁界センサ)のピックアップ
部の振動を検出する部分である。図2は得られた振動モ
ードの情報と、背景磁界分布の情報から振動によって発
生する低周波磁気ノイズを予測生成し、生の計測結果か
らその影響を信号処理によって除去する部分である。図
1のマグネトメータ1はx,y軸まわりの微小な回転を
妨げない支点によって支持されており、振動ノイズが発
生しやすい構造となっているが、これは、本発明の振動
ノイズ低減効果を示すために取った構造である。ここ
で、マグネトメータ1のピックアップ部は、マグネトメ
ータ1の下端に位置しておりz軸方向の指向性を持って
いる。ピックアップ部の振動モードは、ピックアップ部
の位置と簡単な振り子運動を仮定して同定される。ピッ
クアップ部の位置検出のための参照信号として交流線形
勾配磁界3を使用する。この周波数は、被測定磁界に干
渉しないよう被測定磁界の周波数より十分高いところに
設定する。本例では、2次元振り子的に振動する場合を
仮定して、勾配の方向が互いに直交する1対の交流線形
勾配磁界3A,3Bを、互いに直交する2対の線状導体
5A,5Bにながれる交流電流によって与えている。こ
の場合、交流線形勾配磁界3A,3Bの周波数は異なら
せる。たとえば、ix はf1 z ,iy はf2 z (f
1 ≠f2 )の交流電流とする。x方向,y方向の位置
は、それぞれ、f1 z に同調した同期検波器とf2
z に同調した同期検波器によって独立に検出される。
【0007】図2は、本発明の原理説明用のブロック線
図である。センサ(マグネトメータ)7の入力端6に
は、被検出磁界、センサの振動を検出するのに使うf1
Hzとf2 Hzの線形勾配磁界、及び振動ノイズの発生
要因で不可避的に存在する背景磁界が重畳したものが入
力として入る。センサ7はこの入力に比例した電圧を出
力する。センサがわずかでも振動すると、背景磁界の一
部がセンサの振動周波数と同じ変動磁界として観測さ
れ、これがセンサ出力に振動ノイズを引き起こす。交流
線形勾配磁界、被検出磁界に対応する出力と振動ノイズ
が混合された出力をローパスフィルタ8に通して、交流
線形勾配磁界に対する出力成分を落とし、求めたい被検
出磁界に対する出力成分とそれに混入している振動ノイ
ズとを次の引算器10に送る。また一方、位置情報を含む
1 Hzとf2 Hzの交流線形勾配磁界に対するセンサ
の出力成分は2つの同期検波器12,13で分離検波され、
1Hz成分はGxΔxに比例する出力を、f2 Hz成
分はGyΔyに比例する出力を与える。ここで、Gx
y は線状導体5A,5Bの間隔及び電流値によって決
まる定数で事前に求められるので、各同期検波器出力か
ら、センサの基準点からの振動変位Δx,Δyを求める
ことができる。計数回路16では、マグネトメータのピッ
クアップコイル部の位置情報Δx,Δyからピックアッ
プコイルの法線ベクトルのx,y成分αx ,αy を計算
し、それから更に振動によってピックアップコイルに鎖
交する磁束のx成分Δφx ,y成分Δφy の値を予測的
に固定する回路である。Δφx ,Δφy を次の計数回路
17に送り、ここでセンサに含まれるであろう振動ノイズ
成分ΔV=k(Δφx +Δφy )(但し、kは感度係
数)を求める。計数回路17は、振動ノイズの推定値ΔV
を次の引算回路10に送り、被検出磁界に対する出力と振
動ノイズとの混合値より振動ノイズを引算し、被検出磁
界のみを求めるのである。上記一連の計算は以下のよう
にする。
【0008】図5のようにピックアップコイル5の面の
法線ベクトル(ループ面の下向き法線方向を正とする)
の成分を(αx,αy,αz)とすると、振動が小さい
範囲で(振り子の腕の長さL≫Δx,Δy)で
【数1】 αx=Δx/L αy=Δy/L αz≒1 --------- (1) となる。地磁気のベクトル成分を(Hx、Hy、H
z)、真空の透磁率μo 、ピックアップコイル面積をS
とすれば、マグネトメータ出力Vは、感度をkとして、
【数2】 V=k・μo・S・(Hx・αx+Hy・αy+Hz・αz) =k(Δφx +Δφy +φz ) ---------- (2) ここに、Δφx =μo SHx αx ,Δφy =μo SHy αy , φz =μo SHz αz ≒μo SHz である。第3項は振
動はなく、静止した基準状態での出力とみなせるので、
振動による出力成分ΔVは、ΔV=k(Δφx +Δ
φy )と書ける。以上の原理説明では、被検出磁界を検
出するセンサ自体に振動を知るための交流線形勾配磁界
を分離検出する機能を組み込んだ場合であるが、多チャ
ネルセンサシステムでは各センサが相互に固定されるの
で、必ずしも全てのセンサについて前記機能を組み込む
必要はない。複数あるセンサの内のいくつかに対し本発
明の機能を組み込むか、あるいは、特定少数のセンサを
振動検出のみに特定し、振動を精度よく検出すれば、こ
れを用いて振動ノイズを推定し、打ち消すことができ
る。
【0009】図3は、振動モード検出原理について示
す。図3(A)はx軸方向に線形勾配を持つz軸方向交
流磁界を、図3(B)はy軸方向に線形勾配を持つz軸
方向交流磁界を示す。ここで、周波数は前者はf1 ヘル
ツ、後者がf2 ヘルツでf1 ≠f2 である。図3(C)
はz軸方向に線形勾配をもつ線形勾配磁界(f1 ≠f
2,f2 ≠f3 ,f3 ≠f1 )を示す。
【0010】ここで、各勾配磁界は背景磁界を記述する
空間座標系に固定されており、例えば、各勾配方向は空
間座標系x,y,zのx,y各軸に平行方向である。例
として、背景磁界が地磁気の場合には、線形勾配磁界の
勾配方向はたとえば東西南北及び鉛直の各方向からなる
座標系に対し固定すればよい。図1の構成では、磁界は
全てz成分としているがこれに限定するものではない。
しかし、このように参照勾配磁界の成分を同一方向に揃
えられる場合は、1個のマグネトメータにて各成分を同
時に検出することができる。磁界信号源からの磁界のz
成分も同時にこのマグネトメータで測定することができ
る。いま、図1のような配置で、マグネトメータのピッ
クアップコイルがx−y面で振動すると、マグネトメー
タ1の出力には、f1 ,f2 ヘルツの各成分をキャリア
波形とする振幅変調波形が現れる。振幅変調の大きさが
基準点(支点を通る鉛直線がx−y平面と交わる点)か
らの相対変位に対応する。ここで、各成分の周波数を互
いに異ならせているので、狭帯域の同期検波器(例えば
ロックインアンプ)によって各成分を分離検出できる。
このとき、各成分の検波出力は相対変位の各成分に比例
する。すなわち、x軸方向を例にとれば、相対変位Δx
は、センサ出力をΔV〔ボルト〕その感度をk〔ボルト
/ガウス〕、磁界振幅勾配をGx〔ガウス/cm〕とする
と、
【数3】 Δx=ΔV/(kGx) --------- (3) と表される。Δxが負であれば、振幅変調の位相が反転
するので、ΔVも負になる。位置分解能は磁界振幅勾配
Gxとマグネトメータの分解能Bn に依存し、x軸方向
の分解能はΔxn =Bn /Gxで表される。yに対して
も同様である。この例では、2次元的に振動する場合を
示したが、マグネトメータの感度軸方向(図1でz軸方
向)に振動する場合は、更に図3(c)に示すz軸方向
に線形勾配を持つ交流磁界(f3 ヘルツ,f3 ≠f2 ,
f3 ≠f1 )を重畳すればよい。
【0011】ixをf1 =400 ヘルツ、iyをf2 =10
00ヘルツ、各117 mAとしたときのマグネトメータ1の
ピックアップ部2の振動軌跡を図4に示す。直交した線
形勾配磁界3A,3Bとz軸方向に指向性を有するマグ
ネトメータ1によって位置が正確に測定できることがわ
かる。ここで、振り子運動する腕の長さL(マグネトメ
ータ1の下端部から支点までの長さ)は約100cm であ
る。
【0012】図6の実線の波形は、ピックアップ部2の
わずかな振動により生じた振動ノイズ成分である。地磁
気の鉛直成分が約320 mGあるために、わずかな振動で
も振動ノイズ成分が±1.5 mG発生しており、これより
小さな磁界の測定は困難となる。これに対し、図6の破
線が(1) ,(2) 式から計算された振動ノイズ成分の推定
値で、振動ノイズ成分の実測値からこの推定値を差し引
いたものが図7である。実験ではアクティブフィルタの
ノイズが混入しているが、系統的な誤差は見られない。
ちなみに、このとき誤差は1/10程度に低減されてお
り、本発明になる装置の振動ノイズ低減効果は顕著であ
る。受動素子によるフィルタを使用すれば回路のノイズ
は問題なくなる。
【0013】本発明を図8(A)の円筒型の磁気シール
ド内に構築する場合は、図8(B),(C),(D)の
ような線形勾配磁界発生コイルを使用する。図8
(B),(C),(D)には各勾配磁界の分布を合わせ
て示している。図8(A)のこれらのコイルは筒内側に
固定され、3つの異なった周波数によって駆動される。
この場合、各周波数は脳磁界のような測定対象とする磁
界の周波数より1桁程度あるいはそれ以上に高くする。
図8のコイルにつけられた矢印は電流の極性を示したも
ので、矢印が2個あるところは2倍の電流を流すところ
であることを示す。
【0014】剛体運動は6つの自由度を持つので、基本
的にはこれら全てを検出できる方法が好ましいが、この
ためには検出コイルをただ1個のみでなくx軸方向及び
y軸方向に指向性を持つ各ピックアップ部をさらに追加
し、参照磁界もx,yの各方向に成分を有する線形勾配
磁界を組み合わせればよい。また、一様な磁界もピック
アップ部の局所的回転を検出するのに使用することがで
きる。もちろん、これらの場合には、各磁界の周波数を
互いに異ならせる必要がある。
【0015】
【発明の効果】本発明は、地磁気等の大きな背景磁界中
で低周波、微弱交流磁界例えば脳磁界等を分離測定する
ために、マグネトメータピックアップ部が前記背景磁界
中で振動して生ずる非定常ノイズ成分を適応的に低減除
去できる微弱磁界を高精度で計測可能とした微弱磁界計
測装置を提供できる工業上大なる効果がある。
【0016】本発明は生体磁気利用医療診断及び精密測
定の分野で応用が可能であり、具体的に適用できる機器
としては、脳磁界計測装置、非破壊検査装置、位置トラ
ッキング装置等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は測定対象磁界(低周波微弱磁界)及び背
景直流磁界(地磁気)に対するマグネトメータ(磁界セ
ンサ)のピックアップ部の振動を検出する部分の関係位
置を示す本発明の磁界測定部及び線形勾配磁界発生方法
の原理説明用配置図である。
【図2】図2は交流線形勾配磁界成分、被検出磁界成
分、振動ノイズ成分をセンサで検出し、被検出成分より
振動ノイズ成分を除去し、被検出磁界成分を求める測定
原理のブロック線図である。
【図3】図3(A)は本発明による振動モード検出原理
を示すx軸方向に線形勾配を持つz軸方向の交流磁界を
示す図である。 図3(B)は同じく、y軸方向に線形勾配を持つz軸方
向の交流磁界を示す図である。 図3(C)はz軸方向に線形勾配を持つ交流磁界を示す
図である。
【図4】図4はixをf1 =400 ヘルツ,iyをf2
1000ヘルツ,各117 mAとしたときのマグネトメータピ
ックアップ部の振動軌跡を示す図である。
【図5】図5は本発明のピックアップコイル面の法線ベ
クトルの成分(αx ,αy ,αz )を示す図である。
【図6】図6の実線の波形は、ピックアップ部のわずか
な振動により生じた振動ノイズ成分、図6の波線は振動
ノイズ成分の推定値を示す図面である。
【図7】図7は図6において示した振動ノイズ成分の実
測値より推定値を差し引いた誤差を示す図面である。
【図8】図8(A)は円筒磁気シールド、図8(B)は
x成分コイル、図8(C)はy成分コイル、図8(D)
はz成分コイルをそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
1 マグネトメータ(磁界センサ) 2 ピックアップ部 3A,3B 交流線形勾配磁界 4 背景磁界の方向 5A,5B 線状導体 6 入力{f1 Hz,f2 Hz成分、被検出磁界成分、
振動ノイズ成分} 7 磁界センサ 8 ローパスフィルタ 9 ローパスフィルタ出力(被検出磁界成分,振動ノイ
ズ成分) 10 引算回路 11 混合器出力(被検出磁界成分) 12 同期検波器(f1 Hz) 13 同期検波器(f2 Hz) 14 同期検波器12の出力(GxΔx) 15 同期検波器13の出力(GyΔy) 16 計数回路(αx ,αy ,Δφx ,Δφy の予測計
数) 17 計数回路(ΔV=k(Δφx +Δφy の計数)、
但しk:感度計数) 18 計数回路17の出力(振動ノイズ成分の推定値)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背景磁界の存在する空間で微弱低周波交
    流磁界を検出する磁界センサと、背景磁界中で振動する
    磁界センサの振動を検知する振動検出器と、前記磁界セ
    ンサの振動によって前記磁界センサのピックアップコイ
    ルへの鎖交磁束が変化して生じる振動性ノイズを予測し
    打ち消すための信号処理手段を持つことを特徴とする微
    弱磁界測定装置。
  2. 【請求項2】 磁界センサの振動を検出する振動検出器
    が人為的に発生させた参照磁界を用いるものである請求
    項1記載の微弱磁界測定装置。
  3. 【請求項3】 磁界センサの振動を検出する機構が、勾
    配方向が互いに直交するよう重畳された2つ以上の交流
    勾配磁界において互いの周波数を異ならせたものからな
    る参照磁界と、前記勾配磁界を測定する磁界センサと、
    前記磁界センサが前記勾配磁界中で微小振動するとき出
    力に現れる前記各周波数をキャリアとする振幅変調波を
    各周波数毎に分離検波する同期検波器とからなる請求項
    1記載の微弱磁界測定装置。
  4. 【請求項4】 参照磁界が、勾配磁界と一様磁界とを組
    み合わせたものよりなる請求項2記載の微弱磁界測定装
    置。
  5. 【請求項5】 勾配磁界が線形勾配磁界である請求項3
    記載の微弱磁界測定装置。
  6. 【請求項6】 x,y,zの空間座標のうちx,y軸方
    向の微小な回転を妨げない支点に支持された地磁気等の
    背景磁界に対する磁界センサとしてのマグネトメータ
    (1) と、その先端に位置しz軸方向の指向性をもったピ
    ックアップ部分の振動を検出するセンサ部分(7) と、マ
    グネトメータ(1) の支持部に前記ピックアップ部(2) の
    位置検出のための参照信号を求めるための前記x軸及び
    y軸にそれぞれ勾配の方向が平行で互に直交する交流線
    形勾配磁界(3A,3B)とを設けたものにおいて、前
    記交流線形勾配磁界(3A,3B)の周波数は被測定磁
    界である前記背景磁界の周波数より高く設定し、前記x
    軸及びy軸に勾配の方向が平行で互に直交する1対の交
    流線形勾配磁界(3A,3B)に対して互に直交する2
    対の平行線状導体に流れる交流電流(ix,iy)を前
    記マグネトメータ(1) のピックアップ部(2) 近傍の導体
    (5A,5B)に流すことにより、人為的に参照磁界と
    して発生させた交流勾配線形磁界(3A,3B)をもち
    いて、マグネトメータピックアップ部分の振動を非接触
    に検出することを特徴とする微弱磁界測定方法。
  7. 【請求項7】 磁界センサとしてのマグネトメータ(1)
    の直交するx及びy軸方向に勾配を持つ互いに異なる周
    波数(f1 Hz,f2 Hz)の交流線形勾配磁界(3
    A,3B)成分と被検出磁界成分(6) 及び背景磁界に対
    する磁界センサ(7)のピックアップ部(2) の振動を検出
    した振動ノイズ成分とを磁界センサ(7) で検出し、この
    出力からローパスフィルタ(8) を通じて被検出磁界成分
    と振動ノイズ成分を取り出す工程と、磁界センサ(7) の
    出力を同期検波器(12,13) でそれぞれの周波数成分(f
    1 Hz成分及びf2 Hz成分)を同期検波し、その2つ
    の検波出力からそのピックアップコイルの面の法線ベク
    トルの成分を求めて背景磁界の鎖交磁束変化分を求めそ
    れに感度係数をかけて振動ノイズ成分の推定値(18)を求
    める工程と、前記被検出磁界成分と振動ノイズ成分(9)
    より振動ノイズ成分の推定値(18)を差引し、被検出磁界
    成分(11)を求める工程とより成り、前記被検出磁界成分
    と振動ノイズ成分(9) から同期検波器(12,13) より得ら
    れた振動ノイズ成分の推定値(18)を差引して、磁界セン
    サの振動に対応して磁界センサの出力に含まれる振動ノ
    イズを適宜低減、除去することを特徴とする請求項6記
    載の微弱磁界測定方法。
  8. 【請求項8】 人為的に発生させた参照磁界は周波数の
    互いに異なる2つの交流磁界から成り、その成分はいず
    れもz軸方向にあり、その勾配の方向はx軸方向及びy
    軸方向に設けた勾配磁界である請求項6記載の微弱磁界
    測定方法。
  9. 【請求項9】 参照磁界が、勾配磁界と一様磁界とを組
    み合せたものより成る請求項6記載の微弱磁界測定方
    法。
  10. 【請求項10】 勾配磁界が線形勾配磁界(3A,3
    B)である請求項6記載の微弱磁界測定方法。
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