JP5560334B2 - 磁場計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁場計測装置に係り、例えば、磁気微粒子を含んだ測定試料に交流磁場を印加して、抗原抗体反応を磁気的方法により検出する免疫検査技術に関する。
免疫反応は、食品中の病原菌やガン細胞の検出からアレルギーなどの原因となる環境有害物質の検出といった様々な分野で広く利用されている。当該免疫反応は測定対象物質(抗原)と抗原に選択的に結合する検査試薬(抗体)との結合によるものであり、この結合から抗原の種類や量を測定する。このような免疫反応を利用した検査では抗原と抗体の結合反応(抗原抗体反応)を利用するため、抗体にはマーカーが付加される。当該マーカーは光学マーカーを用いることが一般的であり、抗原抗体反応の検出は光計測で行われる。
近年、極微な抗原抗体反応を高感度・高速に検出するニーズが高まっているにも関わらず、BF(Bound/Free)分離と呼ばれる洗浄工程として固相法を用いているため限界が生じている。固相法では抗体(固定抗体)を付加した基板が入った検査容器にマーカーで標識された抗体(検出抗体)を入れると、マーカーの一部は固定抗体と検出抗体で抗原を挟んだ結合状態(結合マーカー)になり、残りのマーカーは未結合状態(未結合マーカー)のままとなる。この未結合マーカーが検査容器内に存在すると、光計測による免疫検査では結合した抗原を識別できない。そのため、検査容器内の未結合マーカーをBF分離によって洗い流すことが必要となる。このBF分離は手間と時間がかかるため、検査の迅速化を妨げる大きな要因となっている。
一方、BF分離がない免疫検査として、磁性微粒子(以下、磁気マーカーという)を用いて抗原−抗体反応を磁気的に検出する新しい手法(磁気的免疫検査)が行われている(非特許文献1−9を参照)。また、この磁気的免疫検査は磁気センサに超電導体SQUID磁束計を用いることで、従来の光学的手法に比べて10倍以上の高感度な免疫検査を達成することも報告されている。
磁気的免疫検査では、(1)磁化率測定、(2)磁気緩和測定、そして(3)残留磁気測定による計測方法がある。以下に、各測定方法について説明する。
(1)磁化率測定について
直流磁界で磁化した磁気マーカーが入った検査試料が超電導体SQUID磁束計を通過する際に、当該検査試料からの磁気信号を当該超電導体SQUID磁束計で検出する(例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照)。その際に、当該直流磁界の印可方向と当該超電導体SQUID磁束計の検出方向は直交する配置である。また、検査試料を磁化するために交流磁界を使用する場合もある(例えば、特許文献2、非特許文献4を参照)。
(2)磁気緩和測定について
磁気マーカーが入った検査試料を超電導体SQUID磁束計の検出位置に固定し、当該検査試料に1mTのパルス磁界を印可する。その際に、当該直流磁界の印可方向と当該超電導体SQUID磁束計の検出方向は直交する配置である。パルス磁界印可直後から1秒間の当該試料からの磁気信号の緩和を当該超電導体SQUID磁束計で検出する。パルス磁界印可によって当該磁気マーカーが磁化し、磁界印可直後に当該磁気マーカーに残留磁気が生じる。当該残留磁気は熱雑音によって時間とともに減少する。磁気緩和測定では、当該試料中の抗原に結合した磁気マーカー(結合マーカー)と未結合の磁気マーカー(未結合マーカー)の緩和時間の違いを利用し、結合マーカーからの残留磁気の緩和によって免疫検査を行う(例えば、非特許文献1、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7を参照)。
(3)残留磁気測定
磁気マーカーのサイズが大きくなると、当該磁気マーカーを磁化した場合の残留磁気は緩和しなくなる。残留磁気測定では、超電導体SQUID磁束計から離れた位置で磁気マーカーが入った検査試料を0.1T程度の磁界を印可することで、当該磁気マーカーに残留磁気を生じさせる。その後で、当該検査試料が入った検査容器を移動させ、残留磁気を当該超電導体SQUID磁束計で検出する(例えば、非特許文献1、非特許文献8、非特許文献9)。
特開2001-33455号公報 特開2001-133458号公報
円福敬二:応用物理学会誌 第73号、第1号、p.28 (2004) K. Enpuku et al.: IEEE Trans. Appl. Supercond. 11、 p.661 (2001) K. Enpuku et al.: Jpn. J. Appl. Phys. 38、 p.L1102 (1999) S. Tanaka et al.: IEEE Trans. Appl. Supercond. 11、 p.665 (2001) Y. R. Chemla et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97、 p.14268 (2000) A. Haller et al.: IEEE Trans. Appl. Supercond. 11、 p.1371 (2001) S. K. Lee et al. Appl. Phys. Lett. 81、 3094 (2002) R. Kotitz et al.: IEEE Trans. Appl. Supercond. 7、 p.3678 (1997) K. Enpuku et al.: Jpn. J. Appl. Phys. 42、 p.L1436 (2003)
従来の磁気的免疫検査装置は、磁気センサに冷媒系(液体窒素)や真空系(真空ポンプ)を必要とする超電導体SQUID磁束計を用いるため、装置の大型化やコスト面で臨床検査装置への実用化には大きな課題がある。これまでの磁気的免疫検査は、微量な磁気マーカーによる抗原抗体反応を高感度に検出することに着目し、検査システムとして実用化するための具体的な提案はなされていない。
従来の磁気的免疫検査装置は、磁気マーカーが入った検査試料を磁化し、磁化された当該検査試料からの磁気信号を検出するため、センサ部である超電導体SQUID磁束計もしくは装置全体を磁気シールドで覆う必要があった。磁気シールドは磁気センサに入る環境磁気雑音を低減するため効果的であるが、磁気シールドの材質がレアメタルであるため特に装置全体を覆うサイズでは非常に高価である。また、磁気シールドは機械的衝撃によって磁気遮蔽特性が変化するため、取扱に注意を要する。
従来の磁気的免疫検査装置は、検査試料を移動させて計測を行う場合に、移動装置(例えば、駆動モータ等)が生じる磁気が磁気雑音として計測に影響与える。そのため、移動装置に磁気を発生しない超音波モータを使用する対策が行われる。超音波モータは一般的なモータと異なり駆動部に磁性体を用いていないため、磁気雑音を放出しない優れた特徴がある。しかしながら、一般的なモータに比べて非常に高価であるだけでなく、動作条件(短時間のみ連続運転・短寿命)が繊細である。
磁気的免疫検査装置を実用化するために、コスト・品質管理の観点から先述の課題を解決した装置構成が必要不可欠である。
そこで、本発明の目的は磁気シールドレスで高感度かつ安定な動作を実現する免疫検査技術を提供することにある。
本発明は、上記目的を実現するために、図1に示すような以下の装置構成を有する。
本発明の磁気的免疫検査装置は、磁気マーカーが入った検査試料を磁化するための励磁コイル101と当該励磁コイル101の信号源となる交流信号発生器107を有し、当該励磁コイル101からは交流磁気を発生する。当該検査試料は、円盤型の非磁性プレート103の円周上に設置される。当該非磁性プレート103は、DCモータ105から構成される駆動部によって回転移動する。なお、当該非磁性プレート103の回転速度を自由に変えられるように、当該駆動部のモータドライバ110には回転速度の調整機能を有する。
本発明の磁気的免疫検査装置は磁気抵抗効果素子104(MRセンサ)を有し、当該駆動部によって当該励磁コイル101近傍を通過する際に当該励磁コイル101からの交流磁気で磁化された当該検査試料からの磁気信号を当該MRセンサ104で検出する。MRセンサ104には、当該MRセンサ104に入る交流磁気をキャンセルする信号を発生するための小型コイルを具備する。また、キャンセル磁気信号と励磁磁気信号の同期が必要なため、当該小型コイルの信号源は先述の交流信号発生器107とする。なお、当該交流信号発生器107の出力は信号強度と位相を調整する振幅位相調整器108を介して、小型コイルへ入力される。
本発明の磁気的免疫検査装置はロックインアンプ109を有し、MRセンサ104の出力と励磁コイル101の信号源出力をそれぞれ当該ロックインアンプ109の入力信号と参照信号とし、当該励磁コイル101で磁化した検査試料からの磁気信号の位相変化を当該ロックインアンプ109で検出する。また、ロックインアンプ109の出力をAD変換するためのAD変換器112を具備し、当該AD変換器112から出力される信号を収集するためのデータ収集器113を有する。なお、ロックインアンプ109には先述の非磁性プレート103の回転速度に応じて検査試料から磁気信号の最適な検出帯域に調整できる機能を有する。
免疫検査を行う際に、検査対象となる抗原の濃度や使用する磁気マーカーの量によって、検査試料から検出される磁気信号は微少となる。そのため、リアルタイムな検出信号波形がクリアでない場合がある。そこで、本発明の磁気的免疫検査装置は先述の非磁性プレート103における1回転毎の回転タイミングをモニタし、複数回回転させて得られた磁気信号を先述のデータ収集器内でソフトウェア的に加算処理する機能を有し、当該機能を用いて高精度の免疫検査を行う際に適用する。
先述の非磁性プレートにおける製造時の僅かな歪みや、当該非磁性プレート103の回転時の撓みによって、計測時に各検査試料とMRセンサ104との距離が均一でなくなる場合がある。そこで、本発明の磁気的免疫検査装置は回転時の非磁性プレート103において各検査試料が設置された位置の変位変化をモニタし、計測で得られた当該各検査試料からの磁気信号を先述のデータ収集器内でソフトウェア的に変位情報を用いて補正する機能を有する。
本発明の磁気的免疫検査装置は、先述の非磁性プレート103の接線方向と同方向の磁気信号を計測するように先述のMRセンサを配置する。MRセンサ104で計測された検査試料からの磁気信号を先述のロックインアンプ109で検出することで、極小値と極大値を持つ分散型波形が得られる。当該分散型波形における当該極大値と当該極小値の差(ピーク間強度)を、当該検査試料における評価のための磁気信号強度とする。当該ピーク間強度の変化量から検査対象となる抗原濃度を定量的に評価する。
本発明では、磁気シールドレス、かつ、簡易的装置構成で抗原抗体反応を安定に計測できる免疫検査システムを実現する。
本発明の交流磁化計測法を用いた磁気的免疫検査装置を示す図。 磁性粒子、ポリマー、抗体から構成される磁気マーカーを示す図。 検査試料容器底部に抗体を付加した場合の当該検査試料容器中における結合マーカーと未結合マーカーを示す図。 結合マーカーと未結合マーカーにおける磁化率の周波数依存性を示す図。 高分子ビーズに抗体を付加した場合の当該検査試料容器中における結合マーカーと未結合マーカーを示す図。 磁気的免疫検査装置における励磁コイルとMRセンサが分離した場合の各検査容器からノイズ強度を示す図。 磁気的免疫検査装置における励磁コイルとMRセンサを一体型にした場合の各検査容器からノイズ強度を示す図。 本発明の2つのMRセンサによる差分を用いた磁気的免疫検査装置を示す図。 検査試料容器からの磁気信号と各MRセンサの測定方向の模式図を示す図。 検査試料容器の上側と下側に配置したMRセンサの出力波形と各MRセンサの差分による波形を示す図。 検査試料用の上側配置のMRセンサで検出した磁気マーカーからの信号を示す図。 検査試料用の下側配置のMRセンサで検出した磁気マーカーからの信号を示す図。 下側配置のMRセンサで検出した磁気マーカーからの信号を上側配置のMRセンサで検出した磁気マーカーで差分した波形を示す図。 モータ非回転時における試料容器の上側配置のMRセンサ出力(a)と下側配置のMRセンサ出力(c)と各センサの差分出力の観測結果(b)を示す図。 モータ回転時における試料容器の上側配置のMRセンサ出力(a)と下側配置のMRセンサ出力(c)と各センサの差分出力の観測結果(b)を示す図。 検査試料とMRセンサ間距離を測定するための変位センサを有する磁気的免疫検査装置を示す図。 MRセンサと試料間の距離に対する磁気マーカーからの磁気信号変化を示す図。 変位センサで得られた距離情報による未補正時(▲プロット)及び補正時(●プロット)の各磁気マーカーからの磁気信号強度を示す図。 検査試料容器におけるMRセンサと試料間の距離を示す図。 回転速度8rpm、ロックインアンプ検出帯域幅53Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度8rpm、ロックインアンプ検出帯域幅17Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度8rpm、ロックインアンプ検出帯域幅5.3Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度13rpm、ロックインアンプ検出帯域幅53Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度13rpm、ロックインアンプ検出帯域幅17Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度13rpm、ロックインアンプ検出帯域幅5.3Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度26rpm、ロックインアンプ検出帯域幅53Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度26rpm、ロックインアンプ検出帯域幅17Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 回転速度26rpm、ロックインアンプ検出帯域幅5.3Hzの設定条件における磁気マーカーからの磁気信号を示す図。 モータの回転速度とロックインアンプの検出帯域幅における磁気マーカーからの磁気信号強度におけるSN比の変化を示す図。 励磁コイルを横置きにした場合の測定配置を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明では、図2に示すような磁性粒子201、高分子202、検出用抗体203から成る磁気マーカーを用いて、図3に示すような交流磁気を用いた磁気的免疫検査方法を行う。
抗体304を検査試料容器301の底部303に固定し、抗原305が入った当該検査試料容器301に磁気マーカーを投与する。その際に、検査溶液302には当該抗原305の濃度によって、検査試料容器中には抗原抗体反応によって当該抗体304と結合した結合マーカー306と未結合マーカー307がそれぞれ存在する。磁気マーカーのサイズは100nmのオーダーであるので、熱雑音によって検査試料容器301の溶液中でランダムに移動かつ回転運動している。磁気マーカーは磁性粒子から構成されるため、磁気モーメントを持っている。検査試料容器中の磁気マーカーの集合体は磁気モーメントによってトータルの磁化があり、当該磁化は時間とともに指数関数的に減衰する。この緩和現象はブラウン緩和と呼ばれ、磁気マーカーの体積に比例する。当該ブラウン緩和による緩和時間τは、τ = 3ηV / kBTで表されることが文献(B. Payet et al.:J. Magn. Magn. Mater. Vol. 186 (1998) ,p.168.)で示されている。ここで、ηは検査溶液の粘度、Vは磁気マーカーの体積、kBはボルツマン定数、Tは検査溶液の温度である。また、体積Vは磁気マーカーの直径dによって、V = (π/6)d3で表される。先述の文献では、磁気マーカーの交流磁化率は実部成分χ’(ω) = [χ1 / {1+(ωτ)2}]+χ∞、虚部成分χ’’(ω) = {(ωτχ1)/1+(ωτ)2}となることが示されている。ここで、交流磁気で磁気マーカーを磁化した際に当該マーカーに生じた交流磁化率において、当該交流磁気と同位相の磁化率成分が実部成分である。
一方、交流磁気に対して90°位相がずれた磁化率成分が虚部成分となる。以上のことを踏まえると、結合マーカー306と未結合マーカー307では直径dのサイズが大きく異なるため、各マーカーの緩和時間には大きな差が生じる。この緩和時間の違いは、先述の交流磁化率における実部成分χ’(ω)と虚部成分χ’’(ω)において図4に示すように磁化率の周波数依存性に違いが表れる。すなわち、結合マーカーは低周波の交流磁気で大きな磁化率を示し、高周波で十分な磁化率を得られなくなる。一方、未結合マーカーは高周波でも十分な磁化率を示す。図4に示す磁化率の虚部成分χ’’(ω)がピークを示す交流磁気の周波数fは、f = 1/(2πτ)で表される。したがって、結合マーカーと未結合マーカーにおける交流磁化率の周波数依存性の違いを利用することで、免疫検査へ適用することが可能となる。
数十Hz以上の交流磁気を検査試料に印加することで、効率良く得られる未結合マーカーのみの情報から免疫検査を行う。免疫検査の際に、抗原305が入っていない検査試料から得られる交流磁化率信号を参照信号B0とする。そして、抗原が入った場合の検査試料からの交流磁化率信号B’は抗原投与前に比べて未結合マーカー307が減少することで、検査試料からの交流磁化率信号B’は先述の参照信号B0よりも減少する。この変化量α(α = {(B0 − B’)/B0} × 100 [%])の大きさで、抗原濃度を定量的に評価する。
先述の結合マーカー306は検査試料容器の底部に抗体を固定することで得られたが、当該底部への固定抗体の代わりに抗体を付加した高分子ビーズを用いることも可能である(図5)。この場合には、検査溶液302には抗原抗体反応で高分子ビーズ401と結合した結合マーカー306と未結合の未結合マーカー307がそれぞれ存在する。
なお、図5の場合は、高分子ビーズ401に付着する磁気マーカーの数が、図3で示す底部に付着する磁気マーカーの数より多くすることができる。
図1を用いて、本発明の実施例1を説明する。図1に示すように、非磁性プレート103に具備する検査容器102に検査試料を収める。当該非磁性プレート103はDCモータ105から構成される駆動系によって回転移動する。回転の際に非磁性プレート103が励磁コイル101を通過することで、検査試料は当該励磁コイル101からの交流磁気で磁化される。図1のように励磁コイル101はヘルムホルツコイル型であり、検査試料はコイル間の中心付近を横切るように通過する。検査試料からの磁気信号を計測するMRセンサ104は励磁コイル101と一体型の構造である。このように、励磁コイル101とMRセンサ104を一体型にすることで振動に起因したシステムノイズを低減できる。なお、本実施例では、非磁性プレート103は円盤状の形状をなし、その円盤上に検査容器102が円盤の中心から一定の距離で12個が配列され、かつ互いに一定の間隔を保って隣接するように配列されている。円盤上に配列された検査容器は、順番に1から12までの番号が付されている。以下の説明において用いる図面において、付されている容器番号は、それに対応している。なお、番号は、右回りでも左回りでも構わないが、順に付されているものとする。
検査試料を入れていない12個の検査容器102からのノイズ強度を図6Aおよび図6Bに示す。図6A、Bの上段の目盛は、検査容器番号を示し、下段は計測時間(上記円盤の回転により、MRセンサ104を通過する際に計測を行った時間)を示す。すなわち、図6A、B中の縦の点線で示す箇所に、上記検査容器番号に対応して各検査容器102が存在する。
図6Aは励磁コイル101とMRセンサ104が分離した構成の場合を、図6Bは励磁コイル101とMRセンサ104が一体型になった本発明の構成の場合をそれぞれ表す。本発明による一体型の構造により、ノイズ強度の変動が約1/6低減でき、各検査容器におけるノイズ強度が同程度に安定化できる。免疫計測を行う際に、検査試料を磁化するための交流磁気はMRセンサに入るため、当該MRセンサに入る交流磁気の漏洩成分をキャンセルする必要がある。
本発明では、MRセンサに内蔵された小型コイルに交流磁気の漏洩成分の逆位相磁気を出力させることで当該漏洩成分をキャンセルする。キャンセル時に駆動系や免疫検査装置周囲の振動によって励磁コイルもしくはMRセンサの位置が僅かでも変動すると、小型コイルでキャンセルしていた漏洩成分がMRセンサに入る。そのため、図6Aに示すように各検査試料容器からのノイズ強度は顕著な変動を生じる。一方、図6Bに示すように、一体型の構造にすることで、励磁コイルの位置が変動してもMRセンサも同様に変動するため、小型コイルでキャンセルしていた漏洩成分はキャンセル時と変わらず、各検査試料容器からのノイズ強度の変動を抑えることができる。
漏洩成分のキャンセルは、振幅位相調整で小型コイルに入力する信号の振幅と位相を最適に調整することで行う。その際に、MRセンサ104の出力をロックインアンプの入力信号として接続した際に、ロックインアンプ109の入力部が飽和しない程度まで漏洩成分をキャンセルする。ロックインアンプ109の参照信号に交流磁気の信号源である交流信号発生器の出力を用いることで、検査試料からの磁気信号の位相変化を当該ロックインアンプ109で検出する。使用するロックインアンプ109は位相調整を行わずに、検出した信号の実部成分と虚部成分を同時に出力できる2位相ロックインアンプを用いると便利である。図4に示したように、結合マーカーと未結合マーカーにおける交流磁化率の周波数依存性は異なる。
そこで、本発明の免疫検査装置は未結合マーカーを利用するため、交流磁気の周波数帯域は約10Hz〜1kHzの範囲内で用い、周囲の環境磁気雑音やMRセンサの1/fノイズ特性・ホワイトノイズレベルそして未結合マーカーからの磁気信号強度を考慮し、約100〜500Hzの交流磁気の周波数帯域がより最適である。
図7を用いて、本発明の実施例2を説明する。図7に示すように、MRセンサ114を2つ用い、当該各MRセンサ114で検査試料容器を挟む構成である。実施例1と同様に、DCモータ105から構成される駆動系を用いて、非磁性プレート103を回転させることで励磁コイル101を検査試料容器102が通過する。その際に、励磁コイル101からの交流磁気によって検査試料容器102内の検査試料は磁化される(図8A)。磁化した検査試料からの磁気信号は、検査試料容器102の上部に配置されたMRセンサ104と下部に配置されたMRセンサ104でそれぞれ反転した分散型の波形(極小値と極大値を持つ波形)となる(図8B)。したがって、各MRセンサ104の出力信号の差分した磁気信号の位相変化をロックインアンプ109で検出することで、差分前よりも磁気信号強度が増加するといえる(図8B)。なお、各MRセンサ104の磁気測定方向は同方向であり、非磁性プレート103の接線方向に平行である。検査試料容器102に同じ磁気マーカーを入れた非磁性プレート103に備えた12個の検査試料容器102からの磁気信号を検査試料容器102の上部配置されたMRセンサ(入力信号B)104使用した場合と、下部配置されたMRセンサ(入力信号A)104を使用した場合、そして各MRセンサ104で差分した場合(入力信号A−入力信号B)における磁気信号波形と磁気信号強度の結果を図9示す。各MRセンサ104で得られる磁気信号波形は図8Bで述べたように、反転することが分かる(図9A、B)。また、各MRセンサ104を用いて差分(平均磁気信号強度:291nT)を行うことで、磁気信号強度が差分前(平均磁気信号強度:187nT)よりも約1.7倍増加した。さらに、差分処理は検査試料からの磁気信号強度を増加させるだけなく、MRセンサ104に同位相で入る環境磁気雑音を低減できる(図10A、B)。図10A、Bは、検査試料が無い状態で計測した各MRセンサ104の出力と差分による出力をオシロスコープでモニタした結果である。DCモータ非回転時の場合、環境雑音であるラインノイズ(50Hz成分とその高調波成分)が同位相で各MRセンサに入り、差分を行うことで当該ラインノイズをキャンセルできることが分かる(図10A)。また、DCモータ回転時には当該DCモータから顕著に磁気雑音が各MRセンサ104に入るが、差分によって当該磁気雑音を低減できる(図10B)。
すなわち、本発明による免疫検査装置において2つのMRセンサを用いて検査試料からの磁気信号の差分を行う構成によって、当該検査試料からの磁気信号を高SN比かつクリアな計測を提供できる。
本発明の実施例1乃至2何れか記載の免疫検査装置において、本発明の実施例3はMRセンサと検査試料容器間における変位をモニタするための光学式変位センサ有する。図11に示すように、非磁性プレート103に備えた検査試料容器102の真下に当該光学式変位センサ115を配置する。MRセンサ104で検査試料からの磁気信号の磁気計測を行い、同時に非磁性プレートの回転時の撓みによる検査試料容器の変位変化を光学式変位センサで同時計測する。なお、同時計測ではあるが、MRセンサと光学式変位センサは配置関係上それぞれ別々の検査試料の磁気信号と変位情報を検知している。検査試料容器の変位変化が磁気計測に及ぼす影響として、MRセンサと検査試料容器間の距離変化による磁気信号強度変化がある。
図12は、非磁性プレートに備えた12個の検査試料容器に磁気マーカーを投与し、0から2.56mmの範囲でMRセンサと当該検査試料容器間の距離を0.23mmずつ変化させた際の磁気信号強度の変化を表したものである。なお、図12のプロットは12試料の平均値を示す。ここで、距離0はMRセンサと検査試料容器を最も近づけており、1mm離れた位置である。計測条件として、励磁磁場強度0.4mT、励磁磁場周波数150Hzである。図12より、距離が離れると磁気信号強度は減少し、距離が2.63mm離れると使用した磁気マーカーからの磁気信号強度は約88%低下することが分かる。図12中の実線は、指数関数でフィッテングさせた磁気信号強度の距離変化に対する減衰曲線を表す。なお、フィッテング・パラメータは、図中の右上に表中に示している。また、図の横軸はXと置き、縦軸はYと置いている。本測定では、減衰曲線の時定数M1は約0.8程度であった。以上のことから、安定した磁気計測を実現するためには、MRセンサと試料間距離が一定である必要がある。
しかしながら、現実的に精密な機械精度で非磁性プレートを安定に回転させたとしても、当該非磁性プレートを0.1mm以下の変位変動を無くすことは困難である。また、非磁性プレートに製作時に生じる個体差による撓みも変位変動を大きくする要因もある。したがって、先述のように磁気計測と同時に変位計測を行うことで、変位情報で磁気信号を補正することで変位変動による磁気信号強度の変化を解決することが可能である。非磁性プレートに備えた12個の検査試料容器に磁気マーカーを投与し、各検査試料からの磁気信号強度と各検査試料容器の変位変化を計測した結果を図13に示す。同じ磁気マーカーを使用しているにも関わらず、当該検査試料からの磁気信号強度が検査試料容器間でバラツキがあり最大で約40%以上の差が生じている(図13A中の●プロット)。また、MRセンサと検査試料間の距離は検査試料容器間で異なり、最大で約0.7mm以上の差がある(図13B)。さらに、検査試料容器間における磁気信号強度のバラツキと距離のバラツキは、各物理量(磁気信号強度・距離)の変化が最大である検査試料容器(容器11)と最小である検査試料容器(容器5)が同じだけでなく、検査試料容器間における当該各物力の変化パターンが類似していることが分かる(図13A中に●プロット、図13B)。
図12で得られた減衰曲線を用いて、MRセンサと試料間の距離における変化量から各検査試料容器からの磁気信号強度を補正した結果を図13A中の▲プロットで示す。補正では、磁気信号強度が最大であった容器11を基準にしている図13Aより、最大40%以上あった検査試料容器間の磁気信号強度のバラツキが約6%まで改善することが分かる。
以上のことから、本発明によるMRセンサと試料間の距離補正を免疫検査装置内に取り入れることで、距離変化に起因したシステムノイズによる磁気信号強度のバラツキを大幅に低減することを提供する。
本発明の実施例1乃至3何れか記載の免疫検査装置において、本発明の実施例4は、非磁性プレートの回転速度とロックインアンプの帯域幅における条件より、磁気シールドレス下において安定した磁気計測を実現する。本発明による交流磁化計測法はノイズに埋もれた検査試料からの微弱な磁気信号を得るためにロックインアンプを使用する。そのため、ロックインアンプでロックイン検出する帯域幅を適切に設定すれば、磁気信号に混入するノイズを顕著に低減できると考えられる。しかしながら、帯域幅を狭めることでノイズは低減するが、検査試料が入った非磁性プレートの速度によっては磁気信号が低下する。このため、トータルバランスで考えると単純にロックインアンプの帯域幅を狭めるだけでは、磁気信号のSN比を改善することはできない。
そこで、本発明では、ロックインアンプの帯域幅を狭めた状態でも検査試料からの磁気信号強度が低下しないように非磁性プレートを低速で回転できる仕様とした。容易に1rpm程度までの低速に回転できるようにモータ内部に小型ギアを搭載したギャードDCモータを用いる。また、モータからの磁気ノイズがMRセンサに入る影響を小さくするためにモータと非磁性プレートを直接接続せずにベルト駆動とし、モータとMRセンサを離して配置する構成とする。非磁性プレートに備えた12個の計測試料用容器に磁気マーカーを6試料入れて残りの容器は空とし、各検査試料容器からの磁気信号を計測した結果を図14〜22に示す。なお、ロックインアンプの帯域幅と非磁性プレートの回転速度が磁気信号に与える影響を調べるために、当該帯域幅を5.3Hz、17Hz、53Hzに、当該回転速度を8rpm、13rpm、26rpmにそれぞれ設定している。
図面と計測条件とを対応させると、図14から16においては、回転速度はいずれも8rpmであり、帯域幅は、図14から順に53Hz、17Hz、5.3Hzである。次に、図17から19においては、回転速度はいずれも13rpmであり、帯域幅は、図17から順に53Hz、17Hz、5.3Hzである。さらに、図20から22においては、回転速度はいずれも26rpmであり、帯域幅は、図20から順に53Hz、17Hz、5.3Hzである。
また、励磁磁場条件(励磁磁場周波数・励磁磁場強度)は120Hz、1mTとし、図1に示す免疫検査装置構成で計測を行っている。非磁性プレートの回転速度が8rpm、13rpm、26rpmであったため、プレートが一周する時間はそれぞれ7.5sec、4.6sec、2.3secである。図14〜22は25周分の磁気信号を加算処理した結果であり、グラフ中の縦方向の点線箇所に各検査試料容器が位置する。図14〜22より、全ての回転速度において帯域幅が大きくなると、ノイズ強度(空容器7〜12)の変動が小さくなる。回転速度が8rpmの場合、全ての帯域幅で試料からの磁気信号波形がクリアな分散型形状(極小値と極大値を持つ形状)で得られる(図14〜16)。
一方、回転速度が13rpmの場合では帯域幅が53Hzで検査試料からの磁気信号波形の形状変化が観測される(図19)。さらに、回転速度が26rpmの場合では帯域幅が17Hzで試料からの磁気信号の形状変化が生じ(図21)、帯域幅5.3Hzで顕著な形状変化を示している(図22)。図14〜22の計測データを用いて、各帯域幅と各回転速度の条件時における磁気信号のSN比を図23に示す。ここで、SN比を得るために、磁気マーカーが入った検査試料からの磁気信号強度と、空容器からのノイズ強度をそれぞれ用いた。
図23には、免疫検査装置を磁気シールドで覆い、駆動系に超音波モータを使用した時のSN比(S/N=10)を点線で示している。図23より、全ての回転速度において帯域幅53Hzの条件では、SN比が最も低く約4以下であった(図23中の●プロット)。また、SN比の回転速度に対する依存性は帯域幅53Hzと17Hzで同様な変化を(図23中の●プロット、▲プロット)を示している。
一方、帯域幅5.3Hzの条件では回転速度減少とともにSN比の増加が生じ、SN比は回転速度8rpmで約12と最大となった(図23中の■プロット)。以上のことから、本発明により免疫検査装置において、ロックインアンプの帯域幅と非磁性プレートの回転速度を最適に設定することで、磁気シールドかつ超音波モータを使用した条件と同レベル以上の性能を実現することを提供する。
本発明の実施例1乃至4何れか記載の免疫検査装置において、磁気計測で得られた磁気信号を容易に読み取れるために、MRセンサの磁気測定方向を以下のように設定する。非磁性プレートを回転移動させる際の円周における接線方向に対して、当該MRセンサの磁気測定方向が平行になるように当該MRセンサを設置する。例えば、非磁性プレートが円盤の場合には、当該非磁性プレートを机上において真上から見た位置において、当該円盤の接線方向における試料からの磁気信号をMRセンサで計測する。このように、MRセンサの磁気測定方向を設定することで、試料からの磁気信号は図9や図14〜22に示すように、分散型の形状(極小・極大を示す形状)で検出される。それゆえ、このような信号形状を得ることができれば、極小と極大の値がクリアなため、その極小値と極大値の総和を試料からの磁気信号強度とすることで、検査の際に正確な評価を行うことができる。一方、接線方向に対して直交方向における試料からの磁気信号をMRセンサで計測場合には、試料からの磁気信号は極小値もしくは極大値のみをもつ単一のピーク形状となる。その場合には、検査の際にはそのピーク値で評価を行うことになる。
本発明の実施例1乃至4何れか記載の免疫検査装置において、非磁性プレートは直線移動であってもよい。その場合には、MRセンサの磁気測定方向は非磁性プレートの移動方向と平行に設定する。このように、MRセンサの磁気測定方向を設定することで、実施例5と同様に試料からの磁気信号は図9や図14〜22に示すように、分散型の形状(極小・極大を示す形状)で検出される。また、リアルタイムな磁気計測のみ場合は、一回の直線移動でよいが、高精度な検査を行う場合には反復の直線移動を行うことで加算処理を行う。その際に、反復の直線移動によって、最初の移動(1回目の移動)に極小で次に極大を示す分散形状の磁気信号が得られた場合には、次の戻りの直線移動(2回目の移動)の際には極大で次に極小を示す分散形状の磁気信号となる。そのため、加算処理を行う場合には、例えば、奇数回目もしくは偶数回目の移動で得られた磁気信号のどちらかを反転させて加算を行う。
本発明の実施例1乃至6何れか記載の免疫検査装置において、非磁性プレートに設置する検査試料容器は深さがある場合には、励磁コイルを横置きにすることで対応できる(図24)。図24に示すように、検査試料容器を横置きに配置した励磁コイルに設置したMRセンサを用いて、当該検査試料容器の側面から当該MRセンサで磁気計測を行う。図24では2つのMRセンサを用いて、実施例2で述べたように各MRセンサの差分処理を同様に適用できる例を示している。
実施例1乃至7何れか記載の免疫検査装置において、試料に均一な交流磁場を印加するために使用する励磁コイルは図1、7、11、24記載のヘルムホルツコイル型を使用する。その際に、試料が通過するコイル間のギャップ以外はつながった構造を持つ励磁コイルの形状にし、励磁コイルの芯材は透磁率の高い金属を使用すると、励磁コイルが磁束の閉回路となる。それにより、励磁コイルから磁場の漏洩磁束を少なくできる。また、励磁コイルの形状の一例として、コの字型などが適用できる。コイルの芯材は磁性体を用いない仕様でも使用することはできる。励磁コイルはヘルムホルツコイル型ではなく、片側だけから成る簡易なコイルであってもよい。
実施例1乃至8何れか記載の免疫検査装置において、DCモータから発する磁気ノイズを低減させるために,当該モータの本体部分のみをパーマロイなどの高透磁率の磁性体で覆うと、さらに効果的である。また使用するDCモータが内部にブラシを備えている場合は、当該ブラシとコミュテータとの機械式接触によってモータが回転する。そのため、機械式接触の際に、スパーク電流が流れることで電気ノイズを発する場合がある。その場合には、モータの端子部分にコンデンサ、バリスタ、チョークコイルなどの電子部品を接続してスパーク電流に起因した電気ノイズの低減を行う。また、モータ内部にブラシがないブラシレスのDCモータを使用する場合には、スパーク電流に起因した電気ノイズの影響を避けることが可能である。
101・・・励磁コイル、102・・・検査試料容器、103・・・非磁性プレート、104・・・MRセンサ、105・・・DCモータ、106・・・位置調整用ステージ、107・・・交流信号発生器、108・・・振幅位相調整器、109・・・ロックインアンプ、110・・・モータドライバ、111・・・フィルタ回路、112・・・AD変換器、113・・・データ収集器、114・・・MRセンサアンプ、115・・・変位センサ、116・・・変位センサアンプ、201・・・磁性粒子、202、ポリマー、203・・・抗体、301・・・検査用容器、302・・・検査試料溶液、303・・・検査用容器底部に付加した固定基板、304・・・固定基板に付加した抗体、305・・・抗原、306・・・結合マーカー、307・・・未結合マーカー、401・・・高分子ビーズ、402・・・高分子ビーズに付加した抗体。

Claims (11)

  1. 磁性粒子から構成される標識としての磁気マーカーを用いて抗原抗体反応により検査試料中の抗原の状態を測定する磁場計測装置であって、
    前記磁気マーカーおよび前記検査試料を収納するための検査試料容器と、
    前記検査試料容器中に収納された検査試料に交流磁場を印加する励磁コイルと、
    交流磁場が印加された前記検査試料から放出される磁気信号を計測するための磁気センサと、
    前記磁気センサに内蔵された小型コイルと、を有し、
    前記小型コイルは、前記励磁コイルから前記磁気センサに漏洩して入力された交流磁場漏洩成分をキャンセルする逆位相磁場を出力し、
    前記磁気センサは、前記励磁コイルと一体の構造体からなり、装置振動に起因したシステムノイズを低減することを特徴とする磁場計測装置。
  2. 請求項1に記載の磁場計測装置において、
    前記励磁コイルは、対向する1対の励磁コイルから構成され、前記磁気センサは、該1対の励磁コイルの一方に対向して配置され、該磁気センサが少なくとも一方の該励磁コイルと一体となるように配置されていることを特徴とする磁場計測装置。
  3. 請求項1または2に記載の磁場計測装置において、
    前記検査試料容器を搭載した非磁性プレートと、
    該非磁性プレートを直線移動、もしくは回転移動させるためのモータを具備してなる駆動系と、をさらに有し、
    該非磁性プレートが回転させながら、前記励磁コイルを用いて前記検査試料に交流磁場を印加することを特徴とする磁場計測装置。
  4. 請求項3に記載の磁場計測装置において、
    前記磁気センサで検出した該検査試料からの磁気信号の位相変化を検出するためのロックインアンプを有することを特徴とする磁場計測装置。
  5. 請求項3に記載の磁場計測装置において、
    前記非磁性プレートを直線移動させる場合には、前記磁気センサの磁気測定方向は該非磁性プレートの移動方向と平行であり、
    前記非磁性プレートを回転移動させる場合には、回転円周における接線方向と前記磁気センサの磁気測定方向が平行であることを特徴とする磁場計測装置。
  6. 請求項3に記載の磁場計測装置において、
    前記励磁コイルの中心付近から発生する磁力線が、前記非磁性プレートの主表面に対して交わる方向になるように前記励磁コイルが配置されていることを特徴とする磁場計測装置。
  7. 請求項3に記載の磁場計測装置において、
    前記励磁コイルの中心付近から発生する磁力線が、前記非磁性プレートの主表面に対してほぼ平行になるように前記励磁コイルが配置されていることを特徴とする磁場計測装置。
  8. 請求項4に記載の磁場計測装置において、
    前記磁気センサを2つ有し、
    前記励磁コイルは、対向する1対の励磁コイルから構成され、
    前記磁気センサのそれぞれが、前記1対の励磁コイルのそれぞれに一体となるように配置され、
    前記2つの磁気センサ間に前記検査試料容器を通過させ、
    印加された前記交流磁場で磁化された前記検査試料から放出される磁気信号を前記2つの磁気センサで検出し、該2つの磁気センサ間の出力の差分信号を取り、該差分信号を前記ロックインアンプの入力部に入力することを特徴とする磁場計測装置。
  9. 請求項3に記載の磁場計測装置において、
    前記非磁性プレートに備えた前記検査試料容器と前記磁気センサ間の距離を計測する変位センサを有し、
    前記検査試料から放出される磁気信号と前記距離のそれぞれを同時に計測し、前記変位センサで得られた距離情報を用いて前記磁気信号の補正を行うことを特徴とする磁場計測装置。
  10. 請求項4に記載の磁場計測装置において、
    前記駆動系から発生する磁気シールドがなされない状態であって、磁気雑音を生じるモータを使用する際に、
    前記モータの回転速度を1〜10rpmの範囲に設定し、前記ロックインアンプの検出帯域幅を5〜15Hzの範囲に設定することで、安定した磁気計測を実現することを特徴とする磁場計測装置。
  11. 請求項4に記載の磁場計測装置において、
    磁気雑音を生じるモータを使用する際に、モータの本体のみを高透磁率の磁性体で覆い、
    前記モータの回転速度を1〜10rpmの範囲に設定し、前記ロックインアンプの検出帯域幅を5〜15Hzの範囲に設定することで、安定した磁気計測を実現することを特徴とする磁場計測装置。
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