JP2021056096A - センサシステム、および該センサシステムを備える除振装置 - Google Patents

センサシステム、および該センサシステムを備える除振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固有振動数を含んだ範囲内で、導電型速度センサの出力信号を特定の物理量に変換する。【解決手段】センサシステム100は、ケース21、このケース21に対し相対変位する質量体22、ならびに、この質量体22をケース21に支持するダンパ23およびバネ24を有する力学系としてモデル化され、ケース21と質量体22との間の相対速度に比例した信号を出力する受振器2と、受振器2の検出信号を変換することで、ケース21の加速度を示す信号を出力する信号処理部31と、を備える。信号処理部31は、ディジタルフィルタとして構成された加速度変換フィルタ31cを有し、加速度変換フィルタ31cの伝達関数F(s)は、ラプラス演算子をsとし、力学系の固有振動数をω0とし、力学系の減衰比をζとすると、F(s)∝(s2+2ζω0s+ω02)/s …(A)により表される。【選択図】図3

Description

本開示は、センサシステム、および該センサシステムを備える除振装置に関する。
特許文献1に開示されているように、いわゆる導電型速度センサ(振動センサ)は、その検出用コイルの固有振動数よりも振動数が低い場合は加加速度を示す信号を出力し、固有振動数付近では加速度を示す信号を出力し、固有振動数よりも振動数が高い場合は速度を示す信号を出力するようになっている。
特開2003−66063号公報
前記特許文献1に記載されているような導電型速度センサは、固有振動数と振動数との大小関係に応じて、加加速度を示す信号を出力したり、加速度を示す信号を出力したり、速度を示す信号を出力したりする。そのため、固有振動数を含んだ広い範囲内で、加速度等、特定の物理量に特化したセンサとして用いることはできない。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、固有振動数を含んだ範囲内で、導電型速度センサの出力信号を特定の物理量に変換することにある。
本開示は、加速度を検出するためのセンサシステムに係る。このセンサシステムは、ケースと、該ケースに収容されかつ該ケースに対し相対変位する質量体と、該質量体を前記ケースに支持するダンパおよびバネと、を有する力学系としてモデル化され、前記ケースと前記質量体との間の相対速度に比例した信号を出力する導電型速度センサと、前記導電型速度センサから出力される信号を変換することで、前記ケースの加速度を示す信号を出力する信号処理部と、を備える。
前記信号処理部は、ディジタルフィルタとして構成された加速度変換フィルタを有し、前記加速度変換フィルタの伝達関数F(s)は、ラプラス演算子をsとし、前記力学系の固有振動数をωとし、前記力学系の減衰比をζとすると、
F(s)∝(s+2ζωs+ω )/s …(A)
により表される。
本願発明者らが鋭意検討した結果、得られた知見によれば、式(A)で表される伝達関数を用いることで、固有振動数を含んだ比較的広い範囲(特に、導電型センサを加速度用のセンサとして用いる上で実用的な範囲)内で、導電型速度センサの出力信号をケースの加速度に変換することができる。そのケースを所定の検出対象(例えば、除振対象物)に取り付けておくことにより、ケースを介して検出対象の加速度を検出することができるようになる。
また、前記信号処理部は、前記加速度変換フィルタと、前記固有振動数よりも高い帯域でのゲインを抑制するロウパスフィルタと、前記固有振動数よりも低い帯域でのゲインを抑制するハイパスフィルタと、を直列に接続してなる、としてもよい。
また、前記ロウパスフィルタの伝達関数F(s)は、時定数をTとすると、
(s)=1/(1+Ts) …(B)
により表され、前記ハイパスフィルタの伝達関数F(s)は、時定数をTとすると、
(s)=Ts/(1+Ts) …(C)
により表され、前記時定数T、Tは、
(1/T)<ω<(1/T) …(D)
の関係を満足する、としてもよい。
上記式(A)によれば、振動数が固有振動数から離れるにつれて、信号処理部のゲインは増大し続けることになる。このことは、ノイズの抑制という観点からは不都合である。
一方、前記の構成によれば、固有振動数から離れた帯域(特に、加速度用のセンサには使用されない帯域)にて、信号処理部のゲインを意図的に低下させることができる。そのことで、固有振動数から離れた帯域におけるノイズを抑制することが可能となる。
本開示は、絶対速度を検出するためのセンサシステムにも係る。このセンサシステムは、ケースと、該ケースに収容されかつ該ケースに対し相対変位する質量体と、該質量体を前記ケースに支持するダンパおよびバネと、を有する力学系としてモデル化され、前記ケースと前記質量体との間の相対速度に比例した信号を出力する導電型速度センサと、
前記導電型速度センサから出力される信号を変換することで、前記ケースの絶対速度を示す信号を出力する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、ディジタルフィルタとして構成された速度変換フィルタを有し、
前記速度変換フィルタの伝達関数F’(s)は、ラプラス演算子をsとし、前記力学系の固有振動数をωとし、前記力学系の減衰比をζとすると、
F’(s)∝(s+2ζωs+ω )/s …(A’)
により表される。
本願発明者らが鋭意検討した結果、得られた知見によれば、式(A’)で表される伝達関数を用いることで、固有振動数を含んだ比較的広い範囲(特に、導電型センサを速度用のセンサとして用いる上で実用的な範囲)内で、導電型速度センサの出力信号をケースの速度に変換することができる。そのケースを所定の検出対象(例えば、除振対象物)に取り付けておくことにより、ケースを介して検出対象の速度を検出することができるようになる。
また、前記信号処理部は、前記速度変換フィルタと、前記固有振動数よりも低い帯域でのゲインを抑制するハイパスフィルタと、を直列に接続してなる、としてもよい。
また、前記ハイパスフィルタの伝達関数F’(s)は、Q値をQとし、カットオフ周波数をΩとすると、
’(s)=s/(s+Q−1Ωs+Ω ) …(C’)
により表され、
前記カットオフ周波数Ωは、
Ω<ω …(D’)
の関係を満足する、としてもよい。
また、前記導電型速度センサにおける正負の端子の間には、抵抗器が接続される、としてもよい。
本開示は、前記センサシステムを備えた除振装置にも関する。この除振装置は、前記センサシステムと、前記ケースが取り付けられ、前記ケースと一体的に振動する除振対象物と、前記除振対象物に制御力または変位を付与するアクチュエータと、前記センサシステムから出力される信号に基づいて、前記除振対象物の振動を抑制するように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備える。
以上説明したように、前記センサシステムおよび除振装置によれば、固有振動数を含んだ範囲内で、導電型速度センサの出力信号を特定の物理量に変換することができる。
図1は、第1実施形態に係る除振装置の構成を例示する概略図である。 図2は、第1実施形態に係るセンサシステムの構成を例示する概略図である。 図3は、受振器の周波数特性を例示する図である。 図4は、加速度変換フィルタから出力される信号を例示する図である。 図5は、加速度変換フィルタからロウパスフィルタおよびハイパスフィルタを介して出力される信号を例示する図である。 図6は、第2実施形態に係る除振装置の構成を例示する図1対応図である。 図7は、第2実施形態に係るセンサシステムの構成を例示する概略図である。 図8は、速度変換フィルタから出力される信号を例示する図である。 図9は、速度変換フィルタからハイパスフィルタを介して出力される信号を例示する図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は例示である。
本明細書では、加速度を検出するためのセンサシステム100に係る第1実施形態と、絶対速度を検出するためのセンサシステム100’に係る第2実施形態と、について順番に説明をする。
〈第1実施形態〉
まず、第1実施形態について説明する。以下の説明において、「第1実施形態」を単に「本実施形態」と呼称する場合がある。
(除振装置の全体構成)
図1は、第1実施形態に係る除振装置Aの構成を例示する図である。この除振装置Aは、半導体検査装置、電子顕微鏡および光学式計測装置等からなるデバイスDを搭載し、そのデバイスDを振動から絶縁するためのものである。
具体的に、除振装置Aは、デバイスDを搭載して振動から絶縁する除振台1と、除振台1における振動を検知する受振器2と、受振器2の検知信号に基づいて除振台1を制御するコントローラ3と、を備えている。受振器2と、コントローラ3における一部の要素(信号処理部31)と、が後述のセンサシステム100を構成している。
詳しくは、除振台1は、デバイスDが搭載される支持台10と、床面等からなる設置面Fに対して支持台10を支持する弾性体11およびダンパ12と、支持台10に制御力または変位を付与するアクチュエータ13と、を備えている。図1では省略したが、弾性体11、ダンパ12およびアクチュエータ13と、設置面Fと、の間に板状の基礎を設けてもよい。
このうち、支持台10は、矩形状の厚板として形成されており、いわゆる定盤をなす。支持台10の上面には、前述したデバイスDが載置される。これにより、支持台10とデバイスDとが実質的に一体的に振動することになる。よって、支持台10に生じる揺れを減衰または相殺することで、その支持台10に載置されるデバイスDを振動から絶縁することができる。支持台10は、本実施形態における「除振対象物」の例示である。
また、除振対象物としての支持台10には、後述のセンサシステム100をなす受振器2、具体的には、その受振器2のケース21が取り付けられる。これにより、本実施形態に係る支持台10は、ケース21とも一体的に振動することになる。
弾性体11は、設置面F上に配置されており、支持台10を下方から支持するように構成されている。本実施形態に係る弾性体11は、上下方向に弾性変形するバネ要素からなる。バネ要素からなる弾性体11は、支持台10上に載置されたデバイスDと、支持台10自身と、から荷重を受けて、そのバネ定数に応じて弾性変形する。
なお、図1では弾性体11を1つのみ図示したが、弾性体11を複数設けてもよい。弾性体11を複数設ける場合、例えば、支持台10の四隅を下方から支持するように配置することができる。
ダンパ12は、設置面F上に配置されており、支持台10に対し下方から接続されるように構成されている。本実施形態に係るダンパ12は、上下方向に摺動しつつ伸縮する摺動部材からなる。摺動部材からなるダンパ12は、支持台10上に載置されたデバイスDと、支持台10自身と、が実質的に一体となって振動するときに、その減衰比に応じて振動を減衰させる。なお、ダンパ12として摺動部材を用いる構成は例示にすぎない。例えば、弾性体11として空気バネを用いた場合は、その空気バネに設けたオリフィスがダンパ12として機能することになる。
なお、図1ではダンパ12を1つのみ図示したが、弾性体11と同様に、ダンパ12を複数設けてもよい。ダンパ12を複数設ける場合、例えば、支持台10の四隅を下方から支持するように配置することができる。
アクチュエータ13は、設置面F上に配置されており、支持台10に対して下方から接続されるように構成されている。本実施形態に係るアクチュエータ13は、除振対象物としての支持台10に制御力を付与するリニアモータからなる。リニアモータからなるアクチュエータ13は、コントローラ3から出力される信号に基づいて、支持台10に対して制御力を与える。
(制御系に関連した構成)
以下、除振装置Aの全体構成に続いて、センサシステム100に関連した構成について説明する。図2は、第1実施形態に係るセンサシステム100の構成を例示する概略図であり、図3は、受振器2の周波数特性を例示する図である。本実施形態に係るセンサシステム100は、前述の受振器2と、コントローラ3の機能ブロックを信号処理部31およびアクチュエータ制御部32に2分したときの信号処理部31と、によって構成されている。
具体的に、センサシステム100は、所定の検出対象(本実施形態では、支持台10)に取り付けられる受振器2と、受振器2の検出信号を変換するように構成された信号処理部31と、を有しており、検出対象の加速度を検出するように構成されている。
受振器2は、いわゆるジオフォンであり、導電型速度センサからなる。この受振器2は、検出対象の動きを検出し、その動きを電圧に変換して出力することができる。
より詳細には、受振器2は、ケース21と、このケース21に収容されかつ該ケース21に対し相対変位する質量体22と、該質量体22をケース21に支持する(特に、相対変位可能に支持する)ダンパ23およびバネ24と、を有する力学系としてモデル化される。ダンパ23およびバネ24は、例えば、質量体22をケースに支持するための板バネを用いて構成することができる。そうしてモデル化される受振器2は、後述のように、ケース21と質量体22との間の相対速度に比例した信号を出力する。
すなわち、導電型速度センサとして構成される受振器2は、通常、ケース21および質量体22のうちの一方に設けられるコイル25と、ケース21および質量体22のうちの他方に設けられる磁石26と、をさらに備えることになる。
特に、本実施形態に係る受振器2は、略筒状のケース21の内底面に固定され、該ケース21の長手方向に沿ってN極とS極が並んで配置された磁石26と、質量体22の外周面に巻き付けられ、該質量体22と一体的に変位するコイル25と、を備えた構成とされており、ケース21に対して質量体22が相対変位したときに、磁石26におけるN極とS極との並び方向に沿って、コイル25が往復移動するようになっている。そうしてコイル25が往復移動すると、コイル25の内周側を磁石26が相対的に変位することとなり、電磁誘導によって誘導起電力が生じることになる。受振器2は、その誘導起電力に対応した電圧を検出信号として出力する。
ここで、受振器2が検出信号を出力するための端子は、例えば、図2に示すように正負2つの端子としてもよい。その場合、2つの端子のうちの一方を接地し、他方をコントローラ3に接続してもよいし、2つの端子を両方ともコントローラ3に接続し、いわゆる差動入力としもよい。
また、図2に例示するように、受振器2に設けた正負の端子の間には、抵抗器27を接続することができる。この場合、受振器2から出力される検出信号が抵抗器27を流れることによって、電磁力が発生する。この電磁力によって、ケース21に対する質量体22の相対変位を減衰させることができる。通常、受振器2をモデル化したときの減衰比ζは、ダンパ23を構成する板バネ等の物理的な特性から決定されるものの、実際には、コイル25を流れる電流による減衰も影響する。
本実施形態のように、受振器2に抵抗器27を設けることで、コイル25の内部抵抗に、抵抗器27の影響を加味することができる。そのことで、減衰比ζを所望の値に調整することができる。なお、抵抗器27を設けること自体は、必須ではない。
なお、受振器2に抵抗器27を接続した場合、このコイル25の内部抵抗と、抵抗器27と、の間で分圧されるため、検出信号を示す電圧は減少することになる。
ここで、誘導起電力をεとし、磁石26による磁束密度をBとし、コイル25のコイル長をlとし、コイル25の相対速度をvとすると、以下の式が成立する。
ε=Blv …(1)
このように、受振器2は、磁石26に対するコイル25の相対速度、すなわち、ケース21と質量体22との間の相対速度に比例した検出信号を出力することになる。
一方、受振器2を力学系としてモデル化することで、ケース21と質量体22との間の相対速度と、ケース21自身の加速度と、を関連付けることができる。よって、コイル25の相対速度を介することで、受振器2において生成される誘導起電力と、ケース21自身の加速度と、の関係を得ることができる。そうして得られる関係を用いることで、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の加速度が得られるようになる。
具体的に、質量体22の質量をmとし、ダンパ23の減衰係数をcとし、バネ24のバネ定数をkとし、ケース21の変位をxとし、質量体22の変位をxとし、ケース21に対する質量体22の相対変位をx(=x−x)とすると、質量体22の運動方程式として、下式(2)が成立する。
mx”+cx’+kx=0 …(2)
式(2)において、ダブルプライムは時間についての2階微分を示し、シングルプライムは時間についての1階微分を示す。
式(2)においてx=x+xを代入し、ラプラス変換して整理すると、下式(3)が得られる。
=[(cs+k)・(ms+cs+k)−1−1]・X
=−ms・(ms+cs+k)−1・X …(3)
式(3)において、sはラプラス演算子であり、Xはxのラプラス変換であり、Xはxのラプラス変換である。さらに、力学系の固有振動数をωとし、減衰比をζとすると、上式(3)から下式(4)−(6)が得られる。
=−s・(s+2ζωs+ω −1・X …(4)
ω=(k/m)0.5 …(5)
ζ=c/[2・(mk)0.5] …(6)
なお、前述のように、減衰比を示すζは、ダンパ23を構成する板バネ等の力学的な特性に、抵抗器27に起因した電気的な特性を加味した大きさとなる。抵抗器27を設けたことで、減衰比は、大きくなっている。
ここで、磁石26に対するコイル25の相対速度は、ケース21に対する質量体22の相対速度に等しいことから、式(1)におけるvは、式(2)におけるxの時間微分に等しいといえる。よって、vのラプラス変換をVとし、誘導起電力を示すεのラプラス変換をEとすると、式(1)と式(4)から、下式(7)が得られる。
E=BlV
=−Bls・(s+2ζωs+w −1・X …(7)
ここで、s空間におけるケース21自身の絶対速度をAとし、加速度をAとし、加加速度をAとすると、式(7)から下式(8)−(10)が得られる。
E=−Bls・(s+2ζωs+ω −1 …(8)
=−Bls・(s+2ζωs+ω −1 …(9)
=−Bl(s+2ζωs+ω −1 …(10)
力学系の振動数をω(=−is)とすると、式(8)−(10)の各々に基づいて、下式(11)−(13)が得られる。
E/A=−Bl ω≫ω …(11)
E/A=−Bl/(2ζω) ω〜ω …(12)
E/A=−Bl/ω ω≪ω …(13)
例えば式(11)は、振動数が固有振動数よりも十分に大きい場合に、ケース21自身の絶対速度に対する、検出信号(誘導起電力)の比の値が一定になることを意味している(図3の上図を参照)。この場合、その比率を予め算出しておくことで、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の絶対速度を検出することができる。
また、式(12)は、振動数が固有振動数付近の場合に、ケース21自身の加速度に対する、検出信号の比の値が一定になることを意味している(図3の中央図を参照)。この場合、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の加速度を検出することができる。また、式(12)から明らかなように、固有振動数におけるゲインの大きさは、減衰比の大きさに反比例する。よって、前述のように受振器2に抵抗器27を設けたことで、減衰比を増幅することができ、ひいては固有振動数におけるゲインの大きさを抑制することができる。また、単にゲインの大きさを抑制するばかりでなく、固有振動数付近でのゲインの傾きを緩やかに変化させることもできる。
また、式(13)は、振動数が固有振動数よりも十分に小さい場合に、ケース21自身の加加速度に対する、検出信号の比の値が一定になることを意味している(図3の下図を参照)。この場合、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の加加速度を検出することができる。
このように、導電型速度センサとして構成される受振器2は、力学系の振動数と固有振動数との大小関係に応じて、ケース21自身の絶対速度を検出したり、加速度を検出したり、加加速度を検出したりすることができる。
ここで、本願発明者らは、前述の如き特性を有する受振器2を用いながらも、固有振動数を含んだ広い範囲内で加速度を検出するような構成を模索した。しかし、式(9)の関数形から明らかなように、加速度に対する誘電起電力の比の値は、振動数が固有振動数から離れた場合は一定にならない。
すなわち、加速度に対する誘電起電力の比の値は、固有振動数を極大値とした曲線を描くため、振動数が固有振動数よりも小さい場合は振動数の増加に従って単調に増加する一方、振動数が固有振動数よりも大きい場合は振動数の増加に従って単調に減少することになる。
よって、単に比の値を求めるだけでは、加速度を得るには不都合である。
そこで、固有振動数よりも低い振動数については受振器2の検出信号を積分し、固有振動数よりも高い振動数については受振器2の検出信号を微分することが考えられる。
しかしながら、前述のように、受振器2は、固有振動数付近では加速度を示す信号を出力することになる。そうした信号に対して微分または積分処理を施してしまっては、受振器2に固有の周波数特性を反映した変換が行われないため、その固有振動数付近で誤差が生じてしまい不都合である。すなわち、微分処理と積分処理だけでは、両処理の境界となる固有振動数付近で加速度を得ることができない。
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、固有振動数を含んだ範囲内でケース21の加速度が得られる信号処理部31を新たに創作するに至った。
具体的に、信号処理部31は、受振器2から出力される検出信号を変換することで、ケース21の加速度を示す信号を出力する。この信号処理部31は、ディジタルフィルタとして構成された加速度変換フィルタ31cを有する。その加速度変換フィルタ31cの伝達関数F(s)は、下式(14)によって表される。
F(s)∝(s+2ζωs+ω )/s …(14)
すなわち、式(9)で表される誘電起電力(検出信号のゲイン)は、式(14)で表される伝達関数F(s)を乗算することで、固有振動数を含んだ広い範囲内で、加速度に対する誘電起電力の比率が一定となる。その結果、振動数が固有振動数から離れていてもなお、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の加速度を検出することが可能になる。
なお、式(14)では、直感的な理解の助けとするべく、連続時間系であるラプラス演算子を用いた表記を示しているが、加速度変換フィルタ31cは、ディジタル信号に対して信号処理を実行することになるため、実際には、z演算子等を用いた表記となる。
より具体的に、本実施形態に係る伝達関数F(s)は、下式(15)によって表される。
F(s)=(s+2ζωs+ω )/(−Bls) …(15)
したがって、式(9)で表される信号に対して式(15)で表される伝達関数F(s)を乗算することで、下式(16)に示すように、ケース21自身の加速度が得られることになる。これにより、受振器2を加速度センサとして用いることができるようになる。
E・F(s)=A …(16)
以下、コントローラ3の具体的な構成について、順番に説明をする。
図2に示すように、本実施形態に係るコントローラ3は、受振器2の検出信号が入力されてケース21の加速度を示す信号を出力する信号処理部31と、そうして出力される信号に基づいて、除振装置Aにおけるアクチュエータ13を制御するアクチュエータ制御部32と、を有している。
このうち、信号処理部31は、受振器2の検出信号を増幅する増幅器31aと、増幅器31aによって増幅された検出信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ31bと、前述の伝達関数F(s)で表される加速度変換フィルタ31cと、加速度変換フィルタ31cによって処理されたディジタル信号が入力されるロウパスフィルタ31dと、ロウパスフィルタ31dによって処理されたディジタル信号が入力されるハイパスフィルタ31eと、を有している。
本実施形態に係る信号処理部31は、少なくとも、加速度変換フィルタ31cと、固有振動数よりも高い帯域でのゲインを抑制するロウパスフィルタ31dと、固有振動数よりも低い帯域でのゲインを抑制するハイパスフィルタ31eと、を直列に接続してなる。
詳しくは、A/Dコンバータ31bは、いわゆるアナログディジタル変換器であって、増幅器31aによって増幅された検出信号に対してサンプリング処理を実行することにより、その検出信号をディジタル信号に変換する。
加速度変換フィルタ31cは、ディジタル信号に変換された検出信号を処理することで、式(16)で表されるように、その検出信号を、ケース21、ひいては支持台10の加速度Aを示す信号に変換する。加速度変換フィルタ31cの伝達関数F(s)は、式(15)で表される通りである。
ロウパスフィルタ31dは、加速度変換フィルタ31cによってフィルタリングされた検出信号を処理することで、その検出信号に含まれる振動数成分のうち、所定のカットオフ振動数よりも低域側の振動数成分を通過させるように構成されている。
ロウパスフィルタ31dの伝達関数F(s)は、時定数をTとすると、
(s)=1/(1+Ts) …(17)
により表される。すなわち、ロウパスフィルタ31dは、振動数が(1/T)よりも小さい検出信号については、そのゲインを実質的に低下させない。一方、ロウパスフィルタ31dは、振動数が(1/T)以上の検出信号については、振動数が大きくなるに従って、そのゲインがより小さくなるように検出信号を処理する。
ハイパスフィルタ31eは、ロウパスフィルタ31dによってフィルタリングされた検出信号を処理することで、その検出信号に含まれる振動数成分のうち、所定のカットオフ振動数よりも高域側の振動数成分を通過させるように構成されている。
ハイパスフィルタ31eの伝達関数F(s)は、時定数をTとすると、下式(18)によって表される。
(s)=Ts/(1+Ts) …(18)
すなわち、ハイパスフィルタ31eは、振動数が(1/T)よりも大きい検出信号については、そのゲインを実質的に低下させない。一方、ハイパスフィルタ31eは、振動数が(1/T)以下の検出信号については、振動数が小さくなるに従って、そのゲインがより小さくなるように検出信号を処理する。
なお、本実施形態では、説明の都合上、加速度変換フィルタ31cと、ロウパスフィルタ31dと、ハイパスフィルタ31eと、を独立したディジタルフィルタとみなして説明したが、そうした構成には限定されない。
例えば、加速度変換フィルタ31cと、ロウパスフィルタ31dと、ハイパスフィルタ31eと、が一体化されたディジタルフィルタを用いてもよい。その場合、3つのフィルタのうち、少なくとも、加速度変換フィルタ31cと、ロウパスフィルタ31dと、を一体にすることが好ましい。
ここで、ロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eにおける時定数T、Tは、それぞれ、下式(19)で表される関係を満足する。
(1/T)<ω<(1/T) …(19)
好ましくは、ロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eにおける時定数T、Tは、それぞれ、下式(20),(21)で表される関係を満足する。
(100・ω)<(1/T) …(20)
(1/T)<(ω/100) …(21)
すなわち、ロウパスフィルタ31dは、検出信号のうち、固有振動数よりも高域側の振動数成分のゲインを低下させ、ハイパスフィルタ31eは、検出信号のうち、固有振動数よりも低域側の振動数成分のゲインを低下させる。
ハイパスフィルタ31eによってフィルタリングされた検出信号は、センサシステム100から出力されてアクチュエータ制御部32に入力される。アクチュエータ制御部32は、センサシステム100から出力される検出信号に基づいて、除振対象物としての支持台10の振動を抑制するように、アクチュエータ13を制御する。
具体的に、本実施形態に係るアクチュエータ制御部32は、ハイパスフィルタ31eによってフィルタリングされた検出信号が入力される積分器32aと、積分器32aにより処理された検出信号に基づいてアクチュエータ13のフィードバック操作量を決定するゲイン乗算器32bと、ディジタル信号として決定されたフィードバック操作量をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ32cと、D/Aコンバータ32cによって変換されたフィードバック操作量を増幅する増幅器32dと、を有している。
このうち、積分器32aとゲイン乗算器32bは、支持台10の加速度を示す検出信号を積分した上でゲインGcを乗じることで、フィードバック操作量を示すディジタル信号を生成する。
D/Aコンバータ32cは、いわゆるディジタルアナログ変換器であって、積分器32aとゲイン乗算器32bにより生成されたフィードバック操作量を処理することで、これをアナログ信号に変換する。
アクチュエータ制御部32は、そうしてアナログ信号に変換されたフィードバック操作量をアクチュエータ13に入力し、アクチュエータ13を作動させる。これにより、アクチュエータ13は、フィードバック操作量に見合う制御力を支持台10に付与することになる。そうして付与される制御力は、支持台10の絶対速度に比例したものとなり、除振装置Aにおけるスカイフックダンパとして機能することになる。これにより、支持台10の振動を抑制することができる。
(センサシステムの具体例)
図4は、加速度変換フィルタ31cから出力される信号を例示する図であり、図5は、加速度変換フィルタ31cからロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eを介して出力される信号を例示する図である。ここで、図4および図5におけるωは、受振器2の固有振動数を指す。
図4は、受振器2の検出信号に対し、加速度変換フィルタ31cが与える影響を例示している。具体的に、図4における2点鎖線に示すように、フィルタリング前の検出信号(加速度変換フィルタ31cを通過させる前の検出信号)の周波数特性は、図3の中央図と同様に、固有振動数ωで極大となる山なりのカーブを描く。一方、図4における1点鎖線に示すように、加速度変換フィルタ31cの周波数特性は、伝達関数F(s)の関数形から明らかなように、固有振動数ωで極小となる谷状のカーブを描く。
よって、受振器2の検出信号は、加速度変換フィルタ31cを通過することで、図4の実線に示すように、振動数の増減に対し略一定の直線となる。これにより、加速度変換フィルタ31cから出力される検出信号と、受振器2におけるケース21、ひいては、そのケース21が取り付けられる支持台10の加速度と、の比率が一定となり、受振器2を加速度センサとして用いることができるようになる。
図5は、受振器2の検出信号に対し、加速度変換フィルタ31c、ロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eが与える影響を例示している。具体的に、図5における1点鎖線に示すように、加速度変換フィルタ31c、ロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eを直列に接続してなるフィルタ(以下、「合成フィルタ」という)の周波数特性は、固有振動数付近の帯域では、加速度変換フィルタ31c単体の周波数特性と一致している。しかしながら、その合成フィルタの周波数特性は、固有振動数から離れた帯域では、加速度変換フィルタ31c単体の周波数特性から相違するようになっている。
すなわち、合成フィルタのゲインは、固有振動数よりも振動数が大きくなるに従い単調に増加するものの、固有振動数に対して振動数が、例えば約100倍以上となる帯域においては、加速度変換フィルタ31c単体のゲインよりも小さくなっている。同様に、合成フィルタのゲインは、固有振動数よりも振動数が小さくなるに従い単調に増加するものの、固有振動数に対して振動数が約100分の1以下となる帯域においては、加速度変換フィルタ31c単体のゲインよりも小さくなっている。
受振器2の検出信号は、加速度変換フィルタ31c、ロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eを通過することで、図5の実線に示すように、固有振動数を含んだ比較的広い帯域においては振動数の増減に対して略一定の直線となり、固有振動数から十分に離れた帯域においては振動数が固有振動数から離れるにつれて減少するようになっている。
(第1実施形態に係るセンサシステムの効果)
以上説明したように、式(14)−(15)で表される伝達関数を用いることで、図4および図5に示すように、固有振動数を含んだ比較的広い範囲内で、受振器2の出力信号を加速度に変換することができる。
ここで、式(14)−(15)によれば、振動数が固有振動数から離れるにつれて、信号処理部31のゲインは増大し続けることになる。このことは、ノイズの抑制という観点からは不都合である。
一方、本実施形態によれば、図5に示すように、固有振動数から離れた帯域において、信号処理部31のゲインを意図的に低下させる。これにより、固有振動数から離れた帯域におけるノイズを抑制することが可能となる。また、式(14)−(15)は、分母に比して分子の次数が高いため、これをプロパーにする(すなわち、分子の次数を低くする)効果がある。
また、本実施形態では、受振器2に抵抗器27を設けることで、固有振動数におけるゲインの大きさを抑制するとともに、固有振動数付近でのゲインの傾きを緩やかに変化させるように構成されている。このように構成することで、質量体22の運動に減衰を加えることができ、比較的大きな振動が生じたときに質量体22とケース21との衝突を抑制することができる。
また、ゲインの傾きを緩やかに変化させたことで、受振器2における出力の大きさを抑制することができる。これにより、固有振動数付近の振動が入力されたときに、出力が過度に大きくならない。そのことで、電気回路を保護する上で有利になる。
〈第2実施形態〉
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、「第2実施形態」を単に「本実施形態」と呼称する場合がある。なお、第1実施形態と共通の構成については、適宜、説明を省略する。
(除振装置の全体構成)
図6は、第2実施形態に係る除振装置A’の構成を例示する図である。この除振装置A’は、第1実施形態と同様に、デバイスDを振動から絶縁するためのものである。
除振台1は、デバイスDが搭載される支持台10と、支持台10を支持する弾性体11およびダンパ12と、支持台10に制御力または変位力を付与するアクチュエータ13と、を備えている。
このうち、除振対象物としての支持台10には、第2実施形態におけるセンサシステム100’をなす受振器2、具体的には、その受振器2のケース21が取り付けられる。これにより、本実施形態に係る支持台10は、デバイスDおよびケース21と一体的に振動することになる。
また、第2実施形態に係るアクチュエータ13は、第1実施形態と同様に、支持台10に制御力を付与するリニアモータからなる。リニアモータからなるアクチュエータ13は、コントローラ3’から出力される信号に基づいて、支持台10に対して制御力を与える。
(制御系に関連した構成)
除振装置A’の全体構成に続いて、センサシステム100’に関連した構成について説明する。図7は、第2実施形態に係るセンサシステム100’の構成を例示する概略図である。第2実施形態に係るセンサシステム100’は、前述の受振器2と、コントローラ3’の機能ブロックを信号処理部31’およびアクチュエータ制御部32’に2分したときの信号処理部31’と、によって構成されている。
具体的に、センサシステム100’は、所定の検出対象(本実施形態では、支持台10)に取り付けられる受振器2と、受振器2の検出信号を変換するように構成された信号処理部31’と、を有しており、検出対象の絶対速度を検出するように構成されている。
受信器2の構成は、第1実施形態と同様である。例えば、前述の式(11)に示すように、振動数が固有振動数よりも十分に大きい場合には、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の絶対速度を検出することができる。また、第1実施形態と同様に、受振器2に設けた正負の端子の間には、抵抗器27を接続することができる
ここで、本願発明者らは、前述の如き特性を有する受振器2を用いながらも、固有振動数を含んだ広い範囲内で絶対速度を検出するような構成を模索した。しかし、式(8)の関数形から明らかなように、絶対速度に対する誘電起電力の比の値は、振動数が固有振動数よりも小さい場合は一定にならない。
すなわち、絶対速度に対する誘電起電力の比の値は、振動数が固有振動数よりも大きい場合は振動数の増加に従って略一定になるものの、振動数が固有振動数よりも小さい場合は振動数の増加に従って単調に増加することになる。
よって、単に比の値を求めるだけでは、速度を得るには不都合である。
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、固有振動数を含んだ範囲内でケース21の絶対速度が得られる信号処理部31’を新たに創作するに至った。
具体的に、信号処理部31’は、受振器2から出力される検出信号を変換することで、ケース21の絶対速度を示す信号を出力する。この信号処理部31’は、ディジタルフィルタとして構成された速度変換フィルタ31c’を有する。その速度変換フィルタ31c’の伝達関数F’(s)は、下式(22)によって表される。
F’(s)∝(s+2ζωs+ω )/s …(22)
すなわち、式(8)で表される誘電起電力(検出信号のゲイン)は、式(22)で表される伝達関数F’(s)を乗算することで、固有振動数を含んだ広い範囲内で、絶対速度に対する誘電起電力の比率が一定となる。その結果、振動数が固有振動数から離れていてもなお、受振器2から出力される検出信号に基づいて、ケース21自身の絶対速度を検出することが可能になる。
なお、速度変換フィルタ31c’は、ディジタル信号に対して信号処理を実行することになるため、実際には、z演算子等を用いた表記となる。
より具体的に、本実施形態に係る伝達関数F’(s)は、下式(23)によって表される。
F’(s)=(s+2ζωs+ω )/(−Bls) …(23)
したがって、式(8)で表される信号に対して式(23)で表される伝達関数F’(s)を乗算することで、下式(24)に示すように、ケース21自身の絶対速度を示すゲインが得られることになる。これにより、受振器2を速度センサとして用いることができるようになる。
E・F’(s)=A …(24)
以下、コントローラ3’における具体的な回路構成について、順番に説明をする。
図7に示すように、本実施形態に係るコントローラ3’は、受振器2の検出信号が入力されてケース21の絶対速度を示す信号を出力する信号処理部31’と、そうして出力される信号に基づいて、除振装置A’におけるアクチュエータ13を制御するアクチュエータ制御部32’と、を有している。
このうち、信号処理部31’は、受振器2の検出信号を増幅する増幅器31a’と、増幅器31a’によって増幅された検出信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ31b’と、前述の伝達関数F’(s)で表される速度変換フィルタ31c’と、速度変換フィルタ31c’によって処理されたディジタル信号が入力されるハイパスフィルタ31e’と、を有している。
本実施形態に係る信号処理部31’は、少なくとも、速度変換フィルタ31c’と、固有振動数よりも低い帯域でのゲインを抑制するハイパスフィルタ31e’と、を直列に接続してなる。
このうち、速度変換フィルタ31c’は、A/Dコンバータ31b’によってディジタル信号に変換された検出信号を処理することで、式(24)で表されるように、その検出信号を、ケース21、ひいては支持台10の絶対速度Aを示す信号に変換する。速度変換フィルタ31c’の伝達関数F’(s)は、式(23)で表される通りである。
ハイパスフィルタ31e’は、速度変換フィルタ31c’によってフィルタリングされた検出信号を処理することで、その検出信号に含まれる振動数成分のうち、所定のカットオフ振動数よりも高域側の振動数成分を通過させるように構成されている。
ハイパスフィルタ31e’の伝達関数F’(s)は、Q値をQとし、カットオフ周波数をΩとすると、下式(25)によって表される。
’(s)=s/(s+Q−1Ωs+Ω ) …(25)
すなわち、ハイパスフィルタ31e’は、振動数がΩよりも大きい検出信号については、そのゲインを実質的に低下させない。一方、ハイパスフィルタ31e’は、振動数がΩよりも小さい検出信号については、振動数が小さくなるに従って、そのゲインがより小さくなるように検出信号を処理する。また、Ω付近におけるゲインの鋭さは、Q値の大きさに応じて調整される。例えば、Q=(1/2)0.5とすることで、ハイパスフィルタ31e’は、いわゆるバタワースフィルタ(Butterworth filter)となる。
なお、本実施形態では、説明の都合上、速度変換フィルタ31c’と、ハイパスフィルタ31e’と、を独立したディジタルフィルタとみなして説明したが、そうした構成には限定されない。例えば、速度変換フィルタ31c’と、ハイパスフィルタ31e’とが一体化されたディジタルフィルタを用いてもよい。
ここで、ハイパスフィルタ31e’におけるカットオフ周波数Ωは、下式(26)で表される関係を満足する。
Ω<ω …(26)
好ましくは、ハイパスフィルタ31e’におけるカットオフ周波数Ωは、下式(27)で表される関係を満足する。
Ω<(ω/100) …(27)
すなわち、ハイパスフィルタ31e’は、検出信号のうち、固有振動数よりも低域側の振動数成分のゲインを低下させる。
ハイパスフィルタ31e’によってフィルタリングされた検出信号は、センサシステム100’から出力されてアクチュエータ制御部32’に入力される。アクチュエータ制御部32’は、センサシステム100’から出力される検出信号に基づいて、除振対象物としての支持台10の振動を抑制するように、アクチュエータ13を制御する。
具体的に、本実施形態に係るアクチュエータ制御部32’は、ハイパスフィルタ31e’によってフィルタリングされた検出信号に基づいてアクチュエータ13のフィードバック操作量を決定するゲイン乗算器32b’と、ディジタル信号として決定されたフィードバック操作量をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ32c’と、D/Aコンバータ32c’によって変換されたフィードバック操作量を増幅する増幅器32d’と、を有している。
このうち、ゲイン乗算器32bは、支持台10の絶対速度を示す検出信号にゲインGcを乗じることで、フィードバック操作量を示すディジタル信号を生成する。
アクチュエータ制御部32’は、D/Aコンバータ32c’によってアナログ信号に変換されたフィードバック操作量をアクチュエータ13に入力し、アクチュエータ13を作動させる。これにより、アクチュエータ13は、フィードバック操作量に見合う制御力を支持台10に付与することになる。そうして付与される制御力は、支持台10の絶対速度に比例したものとなり、除振装置A’におけるスカイフックダンパとして機能することになる。これにより、支持台10の振動を抑制することができる。
(センサシステムの具体例)
図8は、速度変換フィルタ31c’から出力される信号を例示する図であり、図9は、速度変換フィルタ31c’からハイパスフィルタ31e’を介して出力される信号を例示する図である。ここで、図8および図9におけるωは、受振器2の固有振動数を指す。
図8は、受振器2の検出信号に対し、速度変換フィルタ31c’が与える影響を例示している。具体的に、図8における2点鎖線に示すように、フィルタリング前の検出信号(速度変換フィルタ31c’を通過させる前の検出信号)の周波数特性は、図3の上図と同様に、固有振動数ωよりも振動数が小さくなるに従い単調に減少し、かつ、固有振動数ωよりも振動数が大きい場合は略一定となる。一方、図8における1点鎖線に示すように、速度変換フィルタ31c’の周波数特性は、伝達関数F’(s)の関数形から明らかなように、固有振動数ωよりも振動数が小さくなるに従い単調に増加し、かつ、固有振動数ωよりも振動数が大きい場合は略一定となる。
よって、受振器2の検出信号は、速度変換フィルタ31c’を通過することで、図8の実線に示すように、振動数の増減に対し略一定の直線となる。これにより、速度変換フィルタ31c’から出力される検出信号と、受振器2におけるケース21、ひいては、そのケース21が取り付けられる支持台10の絶対速度と、の比率が一定となり、受振器2を速度センサとして用いることができるようになる。
図9は、受振器2の検出信号に対し、速度変換フィルタ31c’およびハイパスフィルタ31e’が与える影響を例示している。具体的に、図9における1点鎖線に示すように、速度変換フィルタ31c’およびハイパスフィルタ31e’を直列に接続してなるフィルタ(以下、「合成フィルタ」という)の周波数特性は、固有振動数以上の帯域では、速度変換フィルタ31c’単体の周波数特性と一致している。しかしながら、その合成フィルタの周波数特性は、固有振動数に対して低域側に離れた帯域では、速度変換フィルタ31c’単体の周波数特性から相違するようになっている。
すなわち、合成フィルタのゲインは、固有振動数よりも振動数が小さくなるに従い単調に増加するものの、固有振動数に対して振動数が約100分の1以下となる帯域においては、速度変換フィルタ31c’単体のゲインよりも小さくなっている。
受振器2の検出信号は、速度変換フィルタ31c’およびハイパスフィルタ31e’を通過することで、図9の実線に示すように、固有振動数を含んだ比較的広い帯域においては振動数の増減に対して略一定の直線となり、固有振動数に対して十分に低い帯域においては振動数が固有振動数に比して小さくなるにつれて減少するようになっている。
(第2実施形態に係るセンサシステムの効果)
以上説明したように、式(22)−(23)で表される伝達関数を用いることで、図8および図9に示すように、固有振動数を含んだ比較的広い範囲内で、受振器2の出力信号を絶対速度に変換することができる。
ここで、式(22)−(23)によれば、振動数が固有振動数よりも小さくなるにつれて、信号処理部31のゲインは増大し続けることになる。このことは、ノイズの抑制という観点からは不都合である。
一方、本実施形態によれば、図9に示すように、固有振動数に対して低域側に離れた帯域において、信号処理部31’のゲインを意図的に低下させる。これにより、固有振動数に対して低域側に離れた帯域におけるノイズを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、受振器2に抵抗器27を設けることで、固有振動数におけるゲインの大きさを抑制するとともに、固有振動数付近でのゲインの傾きを緩やかに変化させるように構成されている。このように構成することで、質量体22の運動に減衰を加えることができ、比較的大きな振動が生じたときに質量体22とケース21との衝突を抑制することができる。
また、ゲインの傾きを緩やかに変化させたことで、受振器2における出力の大きさを抑制することができる。これにより、固有振動数付近の振動が入力されたときに、出力が過度に大きくならない。そのことで、電気回路を保護する上で有利になる。
《他の実施形態》
前記第1および第2実施形態では、リニアモータからなるアクチュエータ13が例示されていたが、アクチュエータ13の構成は、これに限定されない。例えば、圧電素子からなるアクチュエータを用いてもよい。この場合、圧電素子からなるアクチュエータは、除振対象物に変位を付与する(除振対象物を変位させる)ことで、その除振対象物の振動を抑制することができる。
また、第1実施形態においては、リニアモータに代えて、空気バネからなるアクチュエータ13を用いてもよい。その場合、コントローラ3は、空気バネのサーボ弁を制御することになり、その空気バネではフィードバック操作量が積分されることになる。そのため、空気バネからなるアクチュエータ13を用いた場合は、第1実施形態においても積分器32aは不要となる。
また、前記第1および第2実施形態では、導電型速度センサの一例として、ケース21に支持される磁石26と、質量体22と一体的に変位するコイル25と、を備えた受振器2を開示したが、受振器2の構成は、これに限定されない。例えば、ケース21にコイル25を固定するとともに、質量体22と一体的に磁石26が移動するように構成した受振器2を用いてもよい。
また、前記第1実施形態では、加速度変換フィルタ31c、ロウパスフィルタ31dおよびハイパスフィルタ31eの順番で接続された合成フィルタを例示したが、各フィルタを接続する順番は、自由に変更することができる。
A,A’ 除振装置
1 除振台
10 支持台(除振対象物)
13 アクチュエータ
2 受振器(導電型速度センサ)
21 ケース
22 質量体
23 ダンパ
24 バネ
25 コイル
26 磁石
3,3’ コントローラ
31,31’ 信号処理部
31c 加速度変換フィルタ
31c’ 速度変換フィルタ
31d ロウパスフィルタ
31e,31e’ ハイパスフィルタ
32,32’ アクチュエータ制御部
100,100’ センサシステム

Claims (8)

  1. 加速度を検出するためのセンサシステムであって、
    ケースと、該ケースに収容されかつ該ケースに対し相対変位する質量体と、該質量体を前記ケースに支持するダンパおよびバネと、を有する力学系としてモデル化され、前記ケースと前記質量体との間の相対速度に比例した信号を出力する導電型速度センサと、
    前記導電型速度センサから出力される信号を変換することで、前記ケースの加速度を示す信号を出力する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部は、ディジタルフィルタとして構成された加速度変換フィルタを有し、
    前記加速度変換フィルタの伝達関数F(s)は、ラプラス演算子をsとし、前記力学系の固有振動数をωとし、前記力学系の減衰比をζとすると、
    F(s)∝(s+2ζωs+ω )/s …(A)
    により表される
    ことを特徴とするセンサシステム。
  2. 請求項1に記載されたセンサシステムにおいて、
    前記信号処理部は、
    前記加速度変換フィルタと、
    前記固有振動数よりも高い帯域でのゲインを抑制するロウパスフィルタと、
    前記固有振動数よりも低い帯域でのゲインを抑制するハイパスフィルタと、
    を直列に接続してなる
    ことを特徴とするセンサシステム。
  3. 請求項2に記載されたセンサシステムにおいて、
    前記ロウパスフィルタの伝達関数F(s)は、時定数をTとすると、
    (s)=1/(1+Ts) …(B)
    により表され、
    前記ハイパスフィルタの伝達関数F(s)は、時定数をTとすると、
    (s)=Ts/(1+Ts) …(C)
    により表され、
    前記時定数T、Tは、
    (1/T)<ω<(1/T) …(D)
    の関係を満足する
    ことを特徴とするセンサシステム。
  4. 絶対速度を検出するためのセンサシステムであって、
    ケースと、該ケースに収容されかつ該ケースに対し相対変位する質量体と、該質量体を前記ケースに支持するダンパおよびバネと、を有する力学系としてモデル化され、前記ケースと前記質量体との間の相対速度に比例した信号を出力する導電型速度センサと、
    前記導電型速度センサから出力される信号を変換することで、前記ケースの絶対速度を示す信号を出力する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部は、ディジタルフィルタとして構成された速度変換フィルタを有し、
    前記速度変換フィルタの伝達関数F’(s)は、ラプラス演算子をsとし、前記力学系の固有振動数をωとし、前記力学系の減衰比をζとすると、
    F’(s)∝(s+2ζωs+ω )/s …(A’)
    により表される
    ことを特徴とするセンサシステム。
  5. 請求項4に記載されたセンサシステムにおいて、
    前記信号処理部は、
    前記速度変換フィルタと、
    前記固有振動数よりも低い帯域でのゲインを抑制するハイパスフィルタと、
    を直列に接続してなる
    ことを特徴とするセンサシステム。
  6. 請求項5に記載されたセンサシステムにおいて、
    前記ハイパスフィルタの伝達関数F’(s)は、Q値をQとし、カットオフ周波数をΩとすると、
    ’(s)=s/(s+Q−1Ωs+Ω ) …(C’)
    により表され、
    前記カットオフ周波数Ωは、
    Ω<ω …(D’)
    の関係を満足する
    ことを特徴とするセンサシステム。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載されたセンサシステムにおいて、
    前記導電型速度センサにおける正負の端子の間には、抵抗器が接続される
    ことを特徴とするセンサシステム。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載されたセンサシステムと、
    前記ケースが取り付けられ、該ケースと一体的に振動する除振対象物と、
    前記除振対象物に制御力または変位を付与するアクチュエータと、
    前記センサシステムから出力される信号に基づいて、前記除振対象物の振動を抑制するように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備える
    ことを特徴とする除振装置。
JP2019179296A 2019-09-30 2019-09-30 センサシステム、および該センサシステムを備える除振装置 Active JP7288831B2 (ja)

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