JP2011027201A - エンジンのコネクティングロッド及びその製造方法 - Google Patents

エンジンのコネクティングロッド及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存のコネクティングロッドと加工設備を共用化し、製造コストの低減化・生産性の向上を図る。
【解決手段】ロッド本体14,キャップ15のそれぞれに対し、大端部12R,12Cの幅方向両側の張出部20R,20Cを所定の治具21により保持した状態で、前加工を行う(S1)。次に、ロッド本体側の大端部12Rの張出部20Rを切削する(S2)。次に、ボルト17により両者14,15を仮固定し、キャップ側の張出部20Cを治具21により保持した状態で、大端部12の軸受面の仕上げ加工を行う(S3)。組立工程S4では、ロッド本体14を大端部側よりシリンダブロックのシリンダボア内に通した上で、クランクピンを挟んでロッド本体14とキャップ15とをボルト17により締結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのコネクティングロッド及びその製造方法に関する。
エンジンのピストンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッドは、周知のように、ピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられる大端部と、がロッド部により接続され、上記の大端部で、キャップと、上記小端部及びロッド部が形成されたロッド本体と、に分割構成されている。エンジン組立の際には、先ず、ロッド本体の小端部にピストンピンを介してピストンを組み付けた状態で、ロッド本体を大端部側よりシリンダブロックの上方よりシリンダボア内に挿入し、シリンダブロック下方に配置されたクランクシャフトのクランクピンを挟んで、ロッド本体側の大端部とキャップ側の大端部とがボルトにより締結される。
ロッド本体とキャップとの分割手法としては、大端部の合わせ面(割り面)が、小端部の中心と大端部の中心とを通るコネクティングロッドのリンク中心線に対して直交する基準水平面に沿う水平割りタイプの他、特許文献1に記載のように、大端部の合わせ面(割り面)が基準水平面に対して斜めに傾斜する斜め割りタイプのものが知られている。
特開平11−62944号公報
環境問題に対する燃費向上の目的で、一部のエンジンに対し、ピストンとシリンダのピストンストローク/ボアの比を大きくする、いわゆるロングストローク化を本出願人は検討している。このようなロングストローク化により、燃焼室がコンパクトになり、燃焼を速くスムーズに行うことが可能となり、燃費に有利であるとともに、シリンダボアが小さくなる分、ピストンにかかる圧力も小さくなるために、振動や騒音を抑制することができる。
但し、ロングストローク化によりシリンダボアの内径を小さくすると、エンジン組立時にロッド本体をシリンダブロックに挿入する際に、ロッド本体側の大端部がシリンダボアと干渉することのないように、ロッド本体側の大端部の幅方向(コネクティングロッドの小端部中心と大端部中心とを結ぶリンク中心線に沿う方向と、クランクピン軸方向と、の双方に直交する方向)の寸法を小さくする必要がある。このため、一部のエンジンのみをロングストローク化してコネクティングロッドの大端部の幅方向寸法を小さくすると、ボーリング加工やホーニング加工などの加工を行う際に、ロングストローク化を行わない既存のコネクティングロッドに対して、クランプ用の治具により大端部の幅方向両側部を保持・クランプする基準位置が異なるものとなるために、既存の加工設備を使用することができない。このため、新たな加工設備を追加する必要があり、また、既存のコネクティングロッドと同一の製造ラインで製造することができなくなり、コストが嵩むとともに生産性が低下する、という問題がある。
また、大端部の幅方向寸法を小さくすることに伴う剛性の低下が懸念される。上記特許文献1に記載のような斜め割りタイプのものでは、水平割りタイプに比して、合わせ面のボルト周辺の肉厚を厚くすることができ、剛性は向上する反面、大端部での油膜厚さを適切に確保することが困難となり、潤滑性能や耐焼付性能が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明に係るエンジンのコネクティングロッドは、ピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられる大端部と、これら小端部と大端部とを接続するロッド部と、を有するとともに、この大端部で、キャップと、上記小端部及びロッド部が形成されたロッド本体と、に分割構成されている。
そして、本発明に係るコネクティングロッドの製造方法は、
上記ロッド本体側の大端部の幅方向両側部を所定の治具により保持した状態で、このロッド本体の前加工を行うとともに、上記キャップ側の大端部の幅方向両側部を所定の治具により保持した状態で、このキャップの前加工を行う前加工工程と、
上記ロッド本体側の大端部の幅方向両側部を切削する切削工程と、
上記ロッド本体を大端部側よりシリンダブロックのシリンダボア内に通した上で、クランクピンを挟んでロッド本体とキャップとをボルトにより締結する組立工程と、
を有することを特徴としている。
このように、前加工工程を切削加工よりも前に行うことで、大端部の大きい既存のコネクティングロッドと同様の治具を用い、ロッド本体・キャップの切削前の大端部の幅方向両側部を保持した状態で、荒ボーリング加工,ボルト孔加工や油孔加工等の前加工を行うことができる。また、組立工程よりも前の切削工程において、少なくともロッド本体側の大端部の幅方向両側部を切削しているために、続く組立工程において、ロッド本体をシリンダボアに干渉させることなく挿入することが可能となる。つまり、上記の切削工程を追加するのみで、既存のコネクティングロッドと同様の加工設備を用いて、シリンダボア径の小さいロングストロークエンジン用のコネクティングロッドを製造することができる。
更に、少なくともロッド本体側の大端部の幅方向両側部が削り落とされているために、軽量化・小型化を図ることができ、かつ、キャップ側の幅方向両側部を切削することなく残存させることで、大端部における剛性の低下を抑制することができる。
このようにして製造されるコネクティングロッドの特徴の一つとして、上記キャップ側の大端部とロッド側の大端部のうち、上記キャップ側の大端部の幅方向両側部にのみ、上記キャップとロッド本体との合わせ面で両者が互いに面接触する部分よりも幅方向両側に張り出した張出部が形成されている。このため、張出部のないロッド本体側の大端部がキャップ側の大端部に比して幅方向寸法が短くなり、上記の組立工程においてロッド本体をシリンダボアに干渉させることなく挿入することができる。また、キャップ側の大端部に幅方向両側へ張り出した張出部を設けているために、大端部の大きい既存のコネクティングロッドと同様のクランプ用の治具を用いて、キャップの幅方向両側の張出部を保持した状態で、キャップ側の前加工処理や、大端部のクランクピン軸受面に対する仕上げ加工処理を行うことができる。
本発明によれば、例えば、既存のコネクティングロッドに比してシリンダボアが小さいロングストローク用のエンジンに適用されるコネクティングロッドを製造する際に、組立工程においては、ロッド本体をシリンダボアに挿入可能なように、ロッド本体側の大端部の幅方向寸法を既存のコネクティングロッドよりも小さくしつつ、前加工工程などにおいては、既存のコネクティングロッドと同等の大端部の幅方向寸法を確保することで、加工工程において大端部の幅方向両側部を保持する治具として、既存のコネクティングロッドと同じ治具を用い、同じ製造ラインで製造することが可能となり、加工設備の追加に伴う製造コストの増加を抑えるとともに、生産性を向上することができる。更に、最終製品としてのコネクティングロッドにあっては、少なくともロッド本体側の大端部の幅方向両側部が切削工程により削り落とされている分、軽量化・小型化がなされ、かつ、切削深さを調整し、あるいはキャップ側の幅方向両側部を切削することなく残存させることで、大端部における剛性の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施例に係るエンジンのコネクティングロッドの製造工程を示す説明図。 上記コネクティングロッドを示す正面図。 上記コネクティングロッドの組立工程を示す説明図。 本発明の第2実施例に係るエンジンのコネクティングロッドの製造工程を示す説明図。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、参照符号の末尾に付記した「R」はロッド本体14側の構成要素、「C」はキャップ15側の構成要素であることを表している。
図2及び図3を参照して、コネクティングロッド10は、エンジンのピストン1にピストンピン(図示省略)を介して連結される小端部11と、クランクシャフト3のクランクピン4に回転可能に取り付けられる大端部12と、これら小端部11と大端部12とを接続するロッド部13と、を有している。このコネクティングロッド10は、大端部12において、小端部11及びロッド部13が形成されたロッド本体14と、半割形状のキャップ15と、に分割構成されている。キャップ15とロッド本体14とは、合わせ面(割り面)16で互いに突き合わされた状態で、大端部12の両側2箇所で2本のボルト17により締結・固定され、ロッド本体14側とキャップ15側のそれぞれに、合わせ面16で分割された半割形状のロッド本体側の大端部12R,キャップ側の大端部12Cが形成されている。合わせ面16は、小端部11中心と大端部12中心とを通るリンク中心線L1に直交する基準水平面に沿う水平割りのタイプとなっている。
図1は、本発明の第1実施例に係るコネクティングロッド10の製造工程の流れを示している。なお、図1(及び後述する図4)では、ロッド本体14の小端部11側の構成を省略して描いている。
鍛造直後(加工前)のロッド本体14及びキャップ15には、小端部11と大端部12とを結ぶリンク中心線L1とクランクピン軸方向の双方に直交する幅方向L2(図1の左右方向)の両側部18に、合わせ面16に沿って幅方向L2外方へ張り出した張出部20が一体的に形成されている。すなわち、加工前のロッド本体14及びキャップ15における大端部12の幅方向両側部18は、合わせ面16の近傍における張出部20の部分で、幅方向寸法が他の一般部(18)に比して局所的に大きなものとなっている。つまり、このコネクティングロッド10はロングストロークエンジン用のものであり、既存のコネクティングロッドの大端部と幅方向寸法が等しくなるように、上記の張出部20が付加されたものとなっている。
先ず、前加工工程S1においては、個々のロッド本体14及びキャップ15に対し、個別に前加工処理が実施される。具体的には、ロッド本体14に対し、適宜なクランプ用の治具21を用いて基準座面となる幅方向両側の張出部20Rを保持・クランプした状態で、大端部12Rのクランクピン軸受面(孔)の荒ボーリング加工を行う他、小端部11の孔加工,油孔22及びボルト孔23等の加工を行う。同様に、キャップ15に対して、クランプ用の治具21を用いて基準座面となる幅方向両側の張出部20Cを保持・クランプした状態で、大端部12Cのクランクピン軸受面(孔)の荒ボーリング加工や、ボルト貫通孔24の加工等を行う。
次いで、切削工程S2では、図中の破線で示すように、上記の前加工工程S1において治具21により保持・クランプされていたロッド本体14の張出部20Rのみを切削する。このときの切削深さは重量や剛性を勘案して設定される。よって、切削後のロッド本体14の大端部12では、張出部20Rの残部25が他の一般部(18)よりも幅方向両側にわずかに張り出したものとなっている。一方、キャップ15側の張出部20Cは、切削することなくそのまま残存させる。
次に、仕上げ加工工程S3では、ロッド本体14とキャップ15とを2本のボルト17により組付状態と同じ規定軸力により締結すなわち仮固定した上で、キャップ15側に残存する幅方向両側の張出部20を治具21により保持・クランプした状態で、大端部12のクランクピン軸受面の内径仕上げ加工として、ファインボーリング加工とホーニング加工とを実施する。その後、適宜な洗浄工程等を経てエンジン組立工場へ出荷される。
エンジン組立工場における組立工程S4においては、図3に示すように、ピストンピンを介してピストン1をロッド本体14の小端部11に連結した状態で、矢印Y1に示すように、このロッド本体14を大端部12R側よりシリンダブロックCBのシリンダボア2に上方より挿入し、ロッド本体14の大端部12RをシリンダブロックCBの下方に配置されたクランクシャフト3のクランクピン4に上側から被せる一方、下方側よりキャップ15をクランクピン4に下側から被せた上で、両者14,15を2本のボルト17により所定の規定軸力で締め付けることで、エンジンに組み付けられる。
以上のように本実施例では、ロングストロークエンジン用のコネクティングロッド10の製造に際し、前加工工程S1においては、既存のコネクティングロッドと同等の大端部12の幅方向寸法となるように、大端部12に幅方向両側へ張り出した張出部20がロッド本体14及びキャップ15の双方に残存しているために、治具21によって大端部12の幅方向両側部をクランプする基準位置が、既存のコネクティングロッドと同等のものとなり、同じ治具21・加工設備を用いて加工処理を行うことができる。
また、仮に仕上げ加工工程の後に張出部20を削り取ると、この切削による軸力変化の影響によりエンジン組立工程S4における真円度の再現性に悪影響を与えることとなるものの、本実施例においては、仕上げ加工工程S3よりも前の切削工程S2において、ロッド本体14の張出部20を切削しているために、仕上げ加工工程S3でのファインボーリング加工やホーニング加工を、切削による影響を受けることなく規定軸力で正確に行うことができ、エンジン組立工程S4における真円度の再現性に悪影響を与えることがない。
仕上げ加工工程S3においては、ロッド本体14とキャップ15とをボルト17により締結した状態での加工となることから、ロッド本体14側の張出部20Rは既に削り落とされているにもかかわらず、キャップ15側にクランプ用の張出部20Cが残存しているために、やはり既存のコネクティングロッドと同じ治具21を用いて仕上げ加工を実施することができる。しかも、最終的なエンジン組立工程S4においては、ロッド本体14側の張出部20Rが既に削り落とされているために、ロングストローク化に伴いボア径を小さくしているにもかかわらず、このシリンダボア2にロッド本体14を挿入することが可能となる。
このように、組立工程S4においては、ロッド本体14をシリンダボア2に挿入可能なように、ロッド本体14側の大端部12Rの幅方向寸法を既存のコネクティングロッドよりも小さくしつつ、前加工工程S1及び仕上げ加工工程S3においては、大端部12の幅方向両側へ張り出した張出部20を利用して、既存のコネクティングロッドと同じ治具21を用いて設備を共用化し、同じ製造ラインで製造することが可能となり、加工設備の追加に伴う製造コストの増加を抑えるとともに、生産性を向上することができる。
加えて、最終製品としてのコネクティングロッド10にあっては、ロッド本体14の張出部20Rが削り落とされているために軽量化・小型化が図られており、かつ、キャップ15側の張出部20C,更にはロッド本体14側にも適宜な残部25を残存させることで、大端部12における剛性の低下を抑制することができる。
図4は、本発明の第2実施例に係るコネクティングロッドの製造工程の流れを示している。なお、第1実施例と重複する内容については適宜説明を省略し、第1実施例と異なる部分について主に説明する。
加工前のロッド本体14及びキャップ15の大端部12における幅方向L2の両側部18には、合わせ面16に沿って幅方向L2外方へ張り出した張出部20がそれぞれ一体的に形成されている。ここで、ロッド本体14側の張出部20Rは、第1実施例と同様、合わせ面16の一部を構成するように、その下面が合わせ面16に沿って形成されているが、キャップ15側の張出部20C’は、合わせ面16の一部を構成しておらず、その上面が合わせ面16からリンク中心線L1に沿う方向に所定量ΔDだけ離間して配置されている。すなわち、キャップ15側の張出部20C’は、キャップ合わせ面16でロッド本体14とキャップ15とが面接触する部分から外れた位置に設けられ、この面接触部分よりも幅方向両側へ張り出したものとなっている。
前加工工程S1においては、上記第1実施例と同様、個々のロッド本体14及びキャップ15に対し、個別に前加工処理が実施される。具体的には、ロッド本体14に対し、クランプ用の治具21を用いて基準座面となる幅方向両側の張出部20Rを保持・クランプした状態で、大端部12Rのクランクピン軸受面の荒ボーリング加工を行う他、小端部11の孔加工,油孔22及びボルト孔23等の加工を行う。同様に、キャップ15に対して、治具21を用いて基準座面となる幅方向両側の張出部20C’を保持・クランプした状態で、大端部12Cのクランクピン軸受面の荒ボーリング加工や、ボルト貫通孔24の加工等を行う。
次いで、仕上げ加工工程S2Aにおいて、ロッド本体14とキャップ15とを2本のボルト17により最終的な組付状態と同じ規定軸力により締結・仮固定した上で、大端部12の幅方向両側の張出部20を治具21により保持・クランプした状態で、大端部12のクランクピン軸受面に対する内径の仕上げ加工として、ファインボーリング加工とホーニング加工とを実施する。
その後、切削工程S3Aにおいて、(A)に示すように、ロッド本体14の張出部20Rとキャップ15の張出部20Cの双方を切削し、あるいは、(B)に示すように、ロッド本体14の張出部20Rのみを切削する。削り取る量は、重量や剛性を勘案して設定される。その後、適宜な洗浄工程等を経てエンジン組立工場へ出荷される。
エンジン組立工場における組立工程S4においては、上記第1実施例と同様、図3に示すように、ピストンピンを介してピストン1をロッド本体14の小端部11に連結した状態で、矢印Y1に示すように、このロッド本体14を大端部12R側よりシリンダブロックのシリンダボア2に上方より挿入し、ロッド本体14の大端部12RをシリンダブロックCBの下方に配置されたクランクシャフト3のクランクピン4に上側から被せる一方、下方側よりキャップ15をクランクピン4の下側に被せた上で、両者14,15を2本のボルト17により所定の規定軸力で締め付けることで、エンジンに組み付けられる。
このような第2実施例においては、前加工工程S1及び仕上げ加工S2Aにおいては、既存のコネクティングロッドと同等の大端部12の幅方向寸法となるように、大端部12に幅方向外方へ張り出した張出部20がロッド本体14及びキャップ15の双方に残存しているために、治具21によって大端部12の幅方向両側部をクランプする基準位置が、既存のコネクティングロッドと同等のものとなり、同じ治具21・加工設備を用いて加工処理を行うことができる。
また、この第2実施例においては、キャップ15側の張出部20C’が合わせ面16から離間しているために、切削工程S3Aにおいて張出部20C’を削り落としても、合わせ面16でロッド本体14とキャップ15とが面接触する範囲が減少することはなく、つまり合わせ面16の面接触範囲が切削工程S3Aの前後で変化することがない。従って、切削工程S3Aでの切削によるボルト軸力の変化が実質的に無視できる程度に抑制され、仕上げ加工工程S2Aの後に切削工程S3Aを設けているにもかかわらず、その後のエンジン組立工程S4における真円度の変化を十分に抑制することができる。
しかも、最終的なエンジン組立工程S4においては、ロッド本体14の張出部20Rが既に削り落とされているために、ロングストローク化に伴いボア径を小さくしているにもかかわらず、このシリンダボア2にロッド本体14の大端部12Rを通すことが可能となる。
このような第2実施例によれば、切削工程S3Aを追加するのみで、第1実施例と同様、既存のコネクティングロッドに対し、少なくともロッド本体14側の大端部12Rの幅方向寸法を短くしつつ、加工設備を共用化することができ、設備の追加に伴うコストの増加を招くことがなく、同じ製造ラインで容易に製造することができる。
加えて、最終製品としてのコネクティングロッドに関し、図4(A)の加工例では、ロッド本体14とキャップ15の双方の張出部20R,20C’が削り落とされているために、大幅な軽量化・小型化が図られており、かつ、図4(B)の加工例では、キャップ15側の張出部20C’をそのまま残存させることで、第1実施例と同様、大端部12における剛性の低下を抑制することができる。但し、図4(A)の加工例においても、張出部20の切削深さを調整し、適宜な残部25を残すことで、大端部12における剛性の低下をある程度抑制することが可能である。
1…ピストン
2…シリンダボア
3…クランクシャフト
4…クランクピン
5…シリンダブロック
10…コネクティングロッド
11…小端部
12(12R,12C)…大端部
13…ロッド部
14…ロッド本体
15…キャップ
16…合わせ面
17…ボルト
20(20R,20C)…張出部

Claims (5)

  1. エンジンのピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられる大端部と、これら小端部と大端部とを接続するロッド部と、を有するとともに、この大端部で、キャップと、上記小端部及びロッド部が形成されたロッド本体と、に分割構成されたエンジンのコネクティングロッドの製造方法において、
    上記ロッド本体側の大端部の幅方向両側部を所定の治具により保持した状態で、このロッド本体の前加工を行うとともに、上記キャップ側の大端部の幅方向両側部を所定の治具により保持した状態で、このキャップの前加工を行う前加工工程と、
    上記ロッド本体側の大端部の幅方向両側部を切削する切削工程と、
    上記ロッド本体を大端部側よりシリンダブロックのシリンダボア内に通した上で、クランクピンを挟んでロッド本体とキャップとをボルトにより締結する組立工程と、
    を有することを特徴とするエンジンのコネクティングロッドの製造方法。
  2. 上記切削工程では、上記ロッド本体側の大端部の幅方向両側部のみを切削し、
    かつ、上記切削工程後かつ組立工程前に、上記ロッド本体とキャップとをボルトにより規定軸力にて仮固定し、上記キャップ側の大端部の幅方向両側部を所定の治具により保持した状態で、上記大端部のクランクピン軸受面に対する仕上げ加工を行う仕上げ加工工程を有することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのコネクティングロッドの製造方法。
  3. 上記キャップの幅方向両側部に、上記キャップとロッド本体との合わせ面から離間した位置で、幅方向両側へ張り出した張出部が設けられ、
    上記前加工工程後かつ切削工程前に、上記ロッド本体とキャップとをボルトにより規定軸力にて仮固定し、上記張出部を所定の治具により保持した状態で、上記大端部のクランクピン軸受面に対する仕上げ加工処理を行う仕上げ加工工程を有することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのコネクティングロッドの製造方法
  4. 上記請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とするエンジンのコネクティングロッド。
  5. 上記キャップ側の大端部の幅方向両側部に、上記キャップとロッド本体とが合わせ面で互いに面接触する部分よりも幅方向両側へ張り出した張出部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエンジンのコネクティングロッド。
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