JP2011026468A - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コークス炉における乾留の際に生じる膨張圧を、従来よりもさらに低減可能とする高炉用コークスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、高膨張圧炭を含む配合炭をコークス炉に装入する高炉用コークスの製造方法において、高膨張圧炭に対して粘結材を添加、混練し、当該粘結材が添加、混練された高膨張圧炭を成形することにより成形炭とし、当該成形炭を、前記成形炭とは異なる他の原料炭と配合することにより配合炭を構成することを特徴とする。粘結材が添加、混練された高膨張圧炭に対して成形処理を行って成形炭とすることにより、高膨張圧炭からの粘結材の脱落を抑制することができるため、乾留の際において生じる膨張圧を従来よりもさらに低減させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉用コークスの製造方法に関し、特に高膨張圧炭を含む配合炭をコークス炉において乾留することによりコークスを製造する高炉用コークスの製造方法に関する。
コークス炉の炭化室で石炭を乾留して高炉用コークス(以下、単にコークスともいう)を製造する過程で、石炭は加熱により軟化溶融、膨張し、コークス炉の炉壁に圧力を及ぼす。この圧力のことを一般に膨張圧と呼んでいる。この膨張圧は石炭の軟化溶融する際に石炭粒子内に生成する熱分解ガスによりもたらされる。この膨張圧が高いと、コークスを炭化室から炉外へ排出するとき(押し出し時)の抵抗(押出負荷)が増大し、炉壁に過大な負荷が作用して、炉壁が損傷することがある。さらに、膨張圧が異常に高くなると、コークス炉の炉壁が直接損傷して操業不能となることもある。このため、コークス炉の操業において膨張圧をコークス炉損傷の許容限界値以下に管理することは、重要な課題である。特に、近年コークス炉の老朽化が進み、炉体強度が低下し、炉壁耐力が低下することにより上記許容限界値が低下するとともに、近年の調湿炭法などの石炭事前処理技術の導入によりコークス炉炭化室内の石炭装入嵩密度が上昇し、膨張圧は増加傾向にある。このため、コークス炉の延命のために膨張圧管理はますます重要な課題となっている。
一方、高炉用コークスの強度が低いと、高炉に装入された際にコークスから粉コークスが発生し、この粉コークスにより高炉内の通気が乱され、高炉の安定的な操業が阻害される。したがって、高炉用コークスには、所定値以上の強度が求められる。
ここで、高炉用コークスのコークス強度を高める方法として、高炉用コークスの配合炭中に主として低揮発分の強粘結炭からなる高膨張圧炭を配合する方法が知られている。しかしながら、高膨張圧炭を配合炭に配合すると、乾留時の膨張圧が高くなり、その結果、炭化室の炉壁に加わる負荷が大きくなることが当業者に知られている。
特許文献1は、高膨張圧炭に対して粘結材を添加、混練し、当該粘結材が添加、混練された高膨張圧炭が配合された配合炭をコークス炉において乾留するコークスの製造方法を開示する。粘結材を配合炭に添加することにより、石炭の膨張率の低下を抑制しながら膨張圧の上昇を抑制することができる。
特開2008−156661号公報
しかしながら、今後、コークス炉の老朽化がさらに進み、乾留時における一層の膨張圧低減が求められている。
本発明はこのような事情に基づきなされたものであり、コークス炉において高膨張圧炭を含む配合炭を乾留する際に生じる膨張圧を、従来以上に低減可能な高炉用コークスの製造方法を提供することを目的とする。
上述のとおり、コークスの製造において、一層の膨張圧低減が求められている。ここで、以上の課題を解決するために、配合炭における高膨張圧炭の配合割合を制限して膨張圧を低減することも、取り得る対策の1つとして考えられる。しかしながら、高膨張圧炭は粘結性が高く、コークス強度を維持するために必要な石炭であるため、高膨張圧炭の配合割合を制限し過ぎるとコークス強度が低下する問題がある。従って、コークス強度の低下を防止する観点からは、高膨張圧炭の配合割合を小さくすることなく膨張圧を低減できることが好ましい。
また、高膨張圧炭に添加される粘結材の添加量を増やすことにより膨張圧を抑制することができる。これは、粘結材の添加により、軟化溶融時の石炭の粘性を低下させ、生成した熱分解ガスの粒外への排出を促進するためと考えられる。しかしながら、粘結材は非常に高価であるため、コークスの製造コストが増大する。
本発明者等は、高膨張圧炭及び粘結材を含む従来の配合炭について詳細な検討を行った。その結果、膨張圧を低下させるために添加、混練されていた添加材が、搬送・貯留過程やコークス炉への装入過程において、配合炭に含まれる高膨張圧炭以外の他の原料炭と接触等することにより、高膨張圧炭の表面から脱落するという課題を発見した。
すなわち、本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その要旨とするところは
(1)高膨張圧炭に対して粘結材を添加、混練し、この混練物を成形することにより成形炭とし、前記成形炭と、前記成形炭とは異なる他の原料炭とを配合した配合炭をコークス炉に装入することにより高炉用コークスを製造することを特徴とする高炉用コークスの製造方法である。
(2)(1)の構成において、前記高膨張圧炭として、全体の約80質量%が3mm以下の石炭粒子からなり、炉幅400mm前後の可動壁型試験コークス炉を用いて装入密度0.85t/m3、炉温1250℃の条件で乾留したときに、最大膨張圧が15kPa以上となる石炭を用いることができる。
(3)(1)又は(2)の構成において、前記他の原料炭に粘結材を含ませることができる。
(4)(1)〜(3)の何れかの構成において、前記他の原料炭には粘結炭及び非微粘結炭を含ませることができる。
本発明によれば、コークス炉において高膨張圧炭を含む配合炭を乾留する際に生じる膨張圧を従来以上に低減することができる。
本実施形態のコークスの製造方法の概要を示したフローチャートである。 成形処理に使用可能である成形機の一例であるダブルロール型成形機の部分断面図である。 膨張圧と押出負荷の相関を表すグラフである。 高膨張圧炭と粘結材の混練物をその他の原料炭に配合した場合(点線)、および、高膨張圧炭と粘結材の成形物をその他の原料炭に配合した場合(実線)の粘結材添加率と、膨張圧比の関係を示した関係図である。
本実施形態は、高膨張圧炭を含む配合炭をコークス炉に装入して乾留することにより高炉用コークスを製造する高炉用コークスの製造方法である。高膨張圧炭には、粘結材を添加し、混練する。そして、当該粘結材が添加、混練された高膨張圧炭を成形機により成形して成形炭とし、該成形炭を他の原料炭と配合して配合炭としている。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態においては、高膨張圧炭と、当該高膨張圧炭とは異なる他の原料炭(例えば、粘結炭および非微粘結炭)とを配合して配合炭とし、コークス炉に装入している。本明細書において、高膨張圧炭とは、全体の約80%前後を−3mmの粒度に調整し、炉幅400mm前後の可動壁型試験コークス炉を用いて装入密度0.85t/m3、炉温1250℃の条件で乾留したときに、最大膨張圧が15kPa以上となる石炭をいう。また、非微粘結炭とは、平均最大反射率(JIS M8816の石炭の微細組織成分及び反射率測定方法記載の方法で測定されるビトリニットの平均最大反射率、以下Roと略称する)が0.8以下の石炭、あるいは流動度(JIS M8801の流動性試験方法(ギーセラープラストメーター法)により測定される最高流動度、以下MFと略称する)が10ddpm以下の石炭のことである。そして、粘結炭とは、高膨張圧炭にも非微粘結炭にも該当しないコークス製造用原料炭を指す。
次に、図1を参照して、コークスの製造方法について詳細に説明する。図1はコークスの製造工程を示した工程図である。S101において、高膨張圧炭を粉砕機に投入して粉砕処理を行う。
S102において、粉砕された高膨張圧炭を混練機に投入して粘結材を添加し、S103において、これらを混練する。混練機には、例えば、従来公知のモルタルミキサー、パドルミキサー、ピンミキサー、アイリッヒミキサー、2軸ニーダー、レーデイゲミキサー等を用いることができる。また、粘結材には、例えば、コールタール、アスファルトおよびタールやアスファルトを蒸留または重質化したピッチなどの瀝青物を用いることができる。
粘結材の添加率は、高すぎるとコスト増を招き、低すぎると高膨張圧炭の膨張圧抑制効果が不十分となる。本実施形態においては、後述の成形処理により高膨張圧炭からの粘結材の脱落が抑制されるため、高膨張圧炭に対する粘結材の添加率を従来より低くしても、従来と同等またはそれ以上の膨張圧低減効果を得ることができる。
図4に高膨張圧炭と粘結材の混練物をその他の原料炭に配合した場合(点線)、および、高膨張圧炭と粘結材の成形物をその他の原料炭に配合した場合(実線)の粘結材添加率と、膨張圧比の関係を示す。なお、図4の粘結材添加率(横軸)は、高膨張圧炭の配合比率、その他の原料炭の配合比率、高膨張圧炭に対する粘結材添加率、その他の原料炭に対する粘結材添加率から下記式で求められる配合炭全体に対する粘結材添加率を意味する。
配合炭全体に対する粘結材添加率=(高膨張圧炭配合比率×高膨張圧炭に対する粘結材の添加率+その他の原料炭配合比率×その他の原料炭に対する粘結材の添加率)/100また、図4の膨張圧比(縦軸)は、粘結材を添加しない場合の膨張圧を1としたときの相対的な膨張圧比の関係を示す。
図4に示すように、高膨張圧炭と粘結材の成形物をその他の原料炭に配合した場合(実線)は、高膨張圧炭と粘結材の混練物をその他の原料炭に配合した場合(点線)に比べて、配合炭全体に対して少ない粘結材の添加率で膨張圧比を低減することができる。
本発明では高膨張圧炭に対する粘結材の添加率は特に限定する必要はなく、予め実験的に高膨張圧炭に対する粘結材の添加率を変えた場合の図4の関係図を作成し、この図を用いて目標とする膨張圧比を得るための高膨張圧炭に対する粘結材の添加率を決定することができる。
S104において、粘結材が添加、混練された高膨張圧炭を、例えば豆炭状または平板状に成形処理(塊成化)して成形炭とする。成形処理は、成形機により行うことができる。成形機には、ダブルロール型、打ち抜き型、押し出し型、ペレタイザー等を用いることができる。
ここで、図2を参照して、S104における成形処理について具体的に説明する。図2は、ダブルロール型の成形機の概略図である。混練機から送出された高膨張圧炭及び粘結材の混練物は、搬送部6により成形機1に搬送される。成形機1には、搬送部6から落下供給される混練物を一時的に貯留するホッパー5が設けられている。ホッパー5に供給された混練物は、駆動モータ7により回転駆動される押込みスクリュー4によって、略水平方向に対向配置された一対のロール3間に押込まれる。一対のロール3は、スクリュー4の押し込み動作に応じてそれぞれ矢印方向に回転する。これら一対のロール3の間に押込まれた混練物は、一対のロール3に挟圧されることにより、平板状に成形化される。これにより、高膨張圧炭及び粘結材を含む成形炭を生成することができる。
一方、高膨張圧炭以外の他の原料炭(ここでは、粘結炭及び非微粘結炭とする)については、まず、S105において、粉砕処理が行われる。この粉砕処理については、公知の方法を用いることができる。S106において粉砕したこれら粘結炭および非微粘結炭を混練機に投入し、粘結材を添加して、S107においてこれらを混練する。
なお、本発明において高膨張圧炭を含む配合炭をコークス炉炭化室で乾留する際に発生する膨張圧を抑制する効果を得るためには、高膨張圧炭のみに粘結材を添加することで十分である。
ここで当該他の原料炭にも粘結材を添加する理由を説明する。高膨張圧炭のみに粘結材を添加して、他の原料炭に粘結材を添加していない場合には、相対的に他の原料炭の膨張率が低くなり、コークス構造が不均一になる。これに対して、本実施形態のように、粘結材を高膨張圧炭及び他の原料炭の双方に添加した場合には、高膨張圧炭及び他の原料炭の膨張率の差が縮小して、結果的にコークス強度が向上する。したがって、高膨張圧炭を含む配合炭の乾留時に発生する膨張圧を抑制するとともにコークス強度を向上するためには、高膨張圧炭とともにその他の原料炭にも粘結材を添加することが好ましい。
S108では、S104で得られた成形炭と、S107で得られた粘結炭、非微粘結炭および粘結材の混練物とを配合し、配合炭を構成する。本実施形態において、所定のコークス強度を満足するように、乾留前に測定された各石炭の性状に基づき配合比率を設定するのが好ましい。
S109では、S108で得られた配合炭をコークス炉に装入し、これを乾留することによりコークスを生成する。本実施形態において、乾留条件は特に制限されるものではなく、通常のコークス炉において用いられる乾留条件とすることができる。
従来技術においては、高膨張圧炭について添加された粘結材が、S108における配合過程、S109の乾留前における貯留過程、およびS109の乾留のためのコークス炉への装入過程において高膨張圧炭の表面から脱落していた。このため、粘結材の添加量に応じた膨張圧低減効果を十分に得ることができなかった。これに対し、本実施形態によれば、配合過程、貯留過程、および装入過程において高膨張圧炭からの粘結材の脱落が抑制されることにより、相対的により多くの粘結材を高膨張圧炭に含有させることができる。これにより、粘結材の添加量を減少させながら、従来と同様の膨張圧低減効果を得ることができる。その結果、生成された赤熱コークスをコークス炉から押し出す際の押出負荷が軽減され、コークス炉の寿命を延ばすことができる。
また、本実施形態のコークスの製造方法によれば、配合炭における高膨張圧炭の配合割合を軽減することなく膨張圧を低減することが可能である。すなわち、配合炭に使用できる石炭の種類を広げることができ、石炭資源選択の自由度が高まる。
さらに、本実施形態のコークスの製造方法によれば、粘結材が添加、混練された高膨張圧炭を成形処理して成形炭とすることにより、高膨張圧炭からの粘結材の脱落を抑制することができる。よって、非常に高価である粘結材の使用量を増加させなくとも膨張圧を低減させることができる。言い換えれば、粘結材の使用量を少なくしてコストを下げつつ、従来と同等の膨張圧低減効果を得ることが可能となる。
さらにまた、本実施形態のコークスの製造方法によれば、高膨張圧炭以外の粘結炭および非微粘結炭についても粘結材を添加、混練することにより、乾留の際における膨張圧を低減することができるとともに、製造されたコークスのコークス強度を向上させることができる。特に、本実施形態においては、粘結炭及び非微粘結炭に添加される粘結材を、高膨張圧炭に添加される粘結材の量が軽減された結果得られる余剰分から得ることもできる。これにより、粘結材をコークス強度の向上という観点から有効活用することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、高膨張圧炭以外の他の原料炭(粘結炭及び非微粘結炭)に粘結材を添加・混練したが、本発明はこれに限られるものではなく、粘結材を含む高膨張圧炭の成形炭に粘結材を添加しない他の原料炭をそのまま配合してもよい。この場合、高膨張圧炭の成形炭には粘結材が含まれているためその他の原料炭への粘結材の散逸は抑制され、従来に比べ高い膨張圧抑制効果を得ることができる。また、コークス強度を向上させる手段として粘結材を用いずに他の原料炭に含まれる粘結性の高い粘結炭の配合割合などを適宜調整することにより、一定のコークス強度を得ることもできる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。
表1〜4に示す配合炭を、水分3%に調整した後、装入密度0.85t/m3で可動壁型試験コークス炉(炉幅400mm、炉長1000mm、炉高1000mm)に装入し、炉温1250℃で18時間乾留した。このとき、乾留過程において可動壁に作用する膨張圧を測定した。また、乾留により製造されたコークスについて、コークス強度、具体的にはコークスのドラム強度(DI150 15)を測定した。本明細書において、コークスのドラム強度(DI150 15)とは、JIS K 2151に記載されているように、コークス10kgをドラム試験機(直径、長さとも1,500mm、羽根4枚)に装入し、150回転させた後、15mmの篩で篩分けし、篩上に留まった質量を百分率で表した値である。
表1の比較例1、実施例1〜3は、配合炭全体に対する粘結材の添加率がほぼ一定である。比較例1では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練処理のみを行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例1では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例2では、高膨張圧炭に粘結材Bを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例3では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材Aの添加率を0.3%に設定した。なお、比較例1、実施例1及び実施例2では、高膨張圧炭に対する粘結材の添加率を9%に設定し、実施例3では、高膨張圧炭に対する粘結材の添加率を8.5%に設定した。粘結材A及び粘結材Bの成分組成を表5に示すまた、高膨張圧炭には、Ro1.56%、MF200ddpm、最大膨張圧100kPaの強粘結炭を用いた。粘結炭には、Ro1.22%、MF900ddpmの粘結炭を用いた。非微粘結炭には、全膨張率35%の石炭を用いた。高膨張圧炭、粘結炭及び非微粘結炭は以下同様である。
Figure 2011026468
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実施例1〜3の膨張圧率(%)は、比較例1の膨張圧に対する膨張圧改善効果を定量的に示したものであり、実施例1では膨張圧が14%軽減され、実施例2では膨張圧が29%軽減され、実施例3では膨張圧が10%軽減された。つまり、高膨張圧炭に粘結材を添加した後、混練及び成形処理を行った実施例1〜3は、高膨張圧炭に粘結材を添加、混練しただけの比較例1に比べて、膨張圧を大きく軽減できることが証明された。さらに、実施例1〜3のコークス強度の比較から、高膨張圧炭に添加される粘結材の一部を他の配合炭(粘結炭及び非微粘結炭)に振りかえることにより、膨張圧の低減効果に加えてコークス強度が向上することが証明された。
表2の比較例2、実施例4〜6は、配合炭全体に対する粘結材の添加率を全て1.8%に設定した点で共通している。比較例2では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練処理のみを行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例4では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例5では、高膨張圧炭に粘結材Bを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例6では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材Aの添加率を0.3%に設定した。
実施例4〜6の膨張圧率(%)は、比較例2の膨張圧に対する膨張圧改善効果を定量的に示したものであり、実施例4では膨張圧が17%軽減され、実施例5では膨張圧が33%軽減され、実施例6では膨張圧が12%軽減された。つまり、高膨張圧炭に粘結材を添加した後、混練及び成形処理を行った実施例4〜6は、高膨張圧炭に粘結材を添加、混練しただけの比較例2に比べて、膨張圧を大きく軽減できることが証明された。さらに、実施例4〜6のコークス強度の比較から、高膨張圧炭に添加される粘結材を他の配合炭(粘結炭及び非微粘結炭)に振りかえることにより、膨張圧の低減効果に加えてコークス強度が向上することが証明された。
表3の比較例3及び実施例7は、配合炭全体に対する粘結材の添加率を全て0.4%に設定した点で共通している。比較例3では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練処理のみを行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例7では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。
実施例7の膨張圧率(%)は、比較例3の膨張圧に対する膨張圧改善効果を定量的に示したものであり、実施例7では膨張圧が17%軽減された。つまり、高膨張圧炭に粘結材を添加した後に、混練及び成形処理を行った実施例7は、高膨張圧炭に粘結材を添加、混練しただけの比較例3に比べて、膨張圧を大きく軽減できることが証明された。
表4の比較例4及び実施例8は、配合炭全体に対する粘結材の添加率を全て3.6%に設定した点で共通している。比較例4では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練処理のみを行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。実施例8では、高膨張圧炭に粘結材Aを添加した後に混練及び成形化処理を行い、粘結炭及び非微粘結炭に対する粘結材の添加率を0%に設定した。
実施例8の膨張圧率(%)は、比較例4の膨張圧に対する膨張圧改善効果を定量的に示したものであり、実施例8では膨張圧が14%軽減された。つまり、高膨張圧炭に粘結材を添加した後に、混練及び成形処理を行った実施例8は、高膨張圧炭に粘結材を添加、混練しただけの比較例4に比べて、膨張圧を大きく軽減できることが証明された。
膨張圧と押出負荷の関係を図3に示す。本発明の適用により高膨張圧炭を含む配合炭をコークス炉の炭化室で乾留する際の膨張圧が低減できるため、図3に示すようにコークス押し出し時の負荷を軽減することが可能となる。
1:成形炭
2:ダブルロール型成形機
3:ロール
4:押込みスクリュー
5:ホッパー
6:搬送部
7:押込みスクリューの駆動モータ

Claims (4)

  1. 高膨張圧炭に対して粘結材を添加、混練し、
    この混練物を成形することにより成形炭とし、
    前記成形炭と、前記成形炭とは異なる他の原料炭とを配合した配合炭をコークス炉に装入することにより高炉用コークスを製造することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
  2. 前記高膨張圧炭として、全体の約80質量%が3mm以下の石炭粒子からなり、炉幅400mm前後の可動壁型試験コークス炉を用いて装入密度0.85t/m3、炉温1250℃の条件で乾留したときに、最大膨張圧が15kPa以上となる石炭を用いたことを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法。
  3. 前記他の原料炭には、粘結材が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉用コークスの製造方法。
  4. 前記他の原料炭には、粘結炭及び非微粘結炭が含まれることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の高炉用コークスの製造方法。
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