JP2011025503A - セキュリティ媒体及びこれの真贋判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】標準パターンを必要とせず、真贋判定器の器差による標準パターンと被検パターンとの類似度がばらつくことによる影響を受けず、FMR及びFNMRを小さくしながらも、複製が困難でセキュリティ性の高いセキュリティ媒体を提供する。
【解決手段】赤外光を反射する基材2上に、赤外光を吸収する磁気インキをパターン印刷してなる磁気インキ層4を形成し、この磁気インキ層を覆うように近赤外光を透過する隠蔽層5を形成したことにより、磁気センサと赤外光読み取りという2種類の測定結果を比較することで真贋判定が可能となり、特定の標準パターンを準備しておく必要がなく、セキュリティ媒体1毎に可変の情報部3を形成することも可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真贋判定の技術の中でもマシンリーダブルの技術分野に関するものである。
近年、ブランドプロテクション等の目的のために、化粧品、ブランド品、医薬品、ゲームソフト、電子機器、食品、酒類、美術品等に、また偽造防止等の目的のために、証券印刷物等に関しても、真贋判定用の印刷若しくはラベルを貼付したものが増加しており、且つ常に新たな真贋判定技術が求められている状況にある。その真贋判定の技術の1つとして、機械読み取りにて真贋判定が可能な、マシンリーダブルの技術がある。
従来のマシンリーダブルの技術としては、例えば、磁気インキで印刷したパターンを読み取り、標準パターンと比較し真贋判定する方法がある。また、不可視インキで印刷したパターンを近赤外光で照射し赤外線カメラで撮像し、標準パターンと比較し真贋判定する方法もある。
また別のマシンリーダブルの技術として、個々の商品に貼付されるID等、セキュリティ性を求められるIDとして、RFIDチップを活用したRFIDラベル等が用いられている。
特開平6−62691 特開2004−90387
しかし、上述した従来の印刷を用いた技術は、いずれも標準パターンを準備しておく必要が有り、複数真贋判定器に標準パターンを配布する困難性があり、セキュリティアップの為に頻繁に標準パターンを変更しようとしても実運用上困難であった。また、標準パターンと検出パターンの類似度を計算し真贋判定する際に、真贋判定器毎の器差を考慮し、閾値を緩めに設定する必要があった。このため贋物を本物と認識してしまうFMR(誤受理率)及び本物を贋物としてしまうFNMR(誤拒否率)が上がるという弊害があった。
また、磁気インキ単体でパターン印刷する場合、或いは磁気インキで印刷したパターンを通常の墨インキで隠蔽する場合、不可視インキ単体でパターン印刷する場合、特殊墨インキ単体でパターン印刷する場合は1種類のセキュリティインキで印刷しているので耐クローン性が高いとはいえないものである。
RFIDチップを利用した場合には、固有IDをデータベースに問い合わせる手間がかかり、通信費用などがかかるだけでなく、通信中に情報を盗まれる若しくは改ざんされる危険性がある。また、RFID自体を不正に入手されてしまうという危険性もある。また、RFIDチップに搭載されたメモリがR/Wメモリであれば容易にIDを書き換えることが可能で、改ざんが容易であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、標準パターンを必要とせず、真贋判定器の器差による標準パターンと被検パターンとの類似度がばらつくことによる影響を受けず、FMR及びFNMRを小さくしながらも、複製が困難でセキュリティ性の高いセキュリティ媒体を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、基材上に、機械読み取り可能な情報部を有するセキュリティ媒体であって、該情報部は、磁気インキ層と隠蔽層とを有し、該磁気インキ層は、少なくとも赤外光を吸収する性質を有する磁気インキをパターン印刷してなり、該隠蔽層は、赤外光の一部を透過する性質を有し、該磁気インキ層を覆うように該情報部の全面に形成され、該基材は少なくとも赤外光を反射する性質を有することを特徴とするセキュリティ媒体としたものである。
また本発明は、前記磁気インキ層は、少なくともカーボンブラックを含有し、前記隠蔽層は、カーボンブラックを含有しないことを特徴とする前記セキュリティ媒体としたものである。
また本発明は、前記磁気インキ層は、前記情報部を碁盤目状に区切った単位ビットで構成されるパターンで印刷されてなることを特徴とする前記セキュリティ媒体としたものである。
また本発明は、少なくとも前記情報部上の一部に、前記磁気インキ層と重ならないようにホログラムを設けたことを特徴とする前記セキュリティ媒体としたものである。
また本発明は、上記セキュリティ媒体を、赤外光で読み取りを行った結果と、磁気センサを用いて読み取った出力波形とを比較することにより真贋判定を行うことを特徴とするセキュリティ媒体の真贋判定方法としたものである。
また本発明は、上記セキュリティ媒体を、赤外光で読み取った結果から、黒色の単位ビットをX軸投影した黒ビットX軸投影パターン(a)と、該黒ビットX軸投影パターンを1ビット位相シフトした1ビット位相シフトパターン(b)とを作成し、(b)−(a)を行った結果と、該セキュリティ媒体を磁気センサで読み取った出力波形とを用いて真贋判定を行うことを特徴とするセキュリティ媒体の真贋判定方法としたものである。
本発明は、以上説明したような構成であるから、以下に示す如き効果がある。
即ち、本発明におけるセキュリティ媒体は、赤外光を反射する基材上に、赤外光を吸収する磁気インキをパターン印刷してなる磁気インキ層を形成し、この磁気インキ層を覆うように近赤外光を透過する隠蔽層を形成したことにより、磁気センサと赤外光読み取りという2種類の測定結果を比較することで真贋判定が可能となり、特定の標準パターンを準備しておく必要がなく、セキュリティ媒体毎に可変の情報部を形成することが可能となる。
(a)は本発明におけるセキュリティ媒体の概観図であり、(b)は(a)からパターン印刷された磁気インキ層のみを抜き出した図であり、(c)は(a)のX−X´における断面図である。 本発明におけるセキュリティ媒体にホログラムを付加した一実施例を示す図である。 隠蔽層に用いる特殊墨インキ及び混色墨インキの光学特性を示す図である。 図1に示したセキュリティ媒体を磁気センサで読み取った際の出力波形を示す概要図である。 本発明におけるセキュリティ媒体に近赤外光を照射した際の光の進路を表す概念図である。 図1に示したセキュリティ媒体に近赤外光を照射し機械読み取りした結果を示す概念図である。 (a)は図6に示した概念図の黒ビットをx軸投影したパターンであり、(b)は(a)をx軸方向に1ビット位相シフトさせたパターン、(c)は(b)−(a)のパターンである。 本発明におけるセキュリティ媒体に番号情報を持たせる方法を説明するための図である。
以下、本発明におけるセキュリティ媒体の実施形態を、図面を参照にして詳細に説明する。
本発明におけるセキュリティ媒体は、磁気インキ層をパターン印刷した上に、隠蔽層を全面に印刷した情報部を有する。図1は、本発明におけるセキュリティ媒体の一実施形態例を示す図であり、図1(a)はセキュリティ媒体を正面から観察した際の平面図であり、図1(b)は、図1(a)からパターン印刷された磁気インキ層のみをとりだした図であり、図1(c)は図1(a)のX−X´における断面図である。
図1においては、情報部は基材上に略正方形に形成され、その中に磁気インキ層が図1(b)に示した如くパターン印刷されている。また、磁気インキ層を覆うように情報部の全面に隠蔽層が設けられている。
情報部は、図1に示した如くセキュリティ媒体の基材上の全面に設けられていても良いし、一部に設けられていても良い。また、1つのセキュリティ媒体に対して設けられる情報部は1つのみでも良いし、複数であっても良い。さらに、図1に示した情報部は、正方形の形状をしているが、数字、文字、記号、画像等、任意の形状に形成して良い。
また、図1(b)においては、隠蔽層側から、磁気インキ層が透けて見える構造になっているが、これは説明のためであり、セキュリティ性を高める為には磁気インキ層が隠蔽され、隠蔽層側から見て視認不可能であることが好ましい。この為、磁気インキ層と隠蔽層とは同様の色味を呈することが望ましい。若しくは、磁気インキ層と基材とが同様の色味を呈するものであっても良い。
さらに、情報部を保護するために表面に保護層を設けても良い。また、基材の情報部を設けた側とは反対の側に、接着性を有する粘着層若しくは接着層等を設けることによりステッカータイプのセキュリティ媒体にしても良いし、基材と情報部との間に、基材と情報部との剥離を可能とする剥離層若しくは剥離保護層等を積層し、情報部の表面に接着層を有する粘着層若しくは接着層等を設けて、転写箔タイプのセキュリティ媒体としても良く、その構成は問わない。
また、図2に示す如く、セキュリティ媒体にOVD(Optically Variable Device)を積層することで、セキュリティ性、意匠性等を向上させることも可能である。OVDとは、薄膜、多層フィルム、回折格子及びホログラム等における光の干渉、回折により虹彩性を有する媒体のことであり、本発明においてはその具体的な構成は特に限定しない。ただし、機械読み取りを妨げないために、少なくとも認証に使用する部分の磁気インキ層とOVDとは重ならないことが望ましい。
以下、図1に示したセキュリティ媒体の構成要素について詳細に説明する。
基材としては、赤外光を反射する性質を有する材料が使用可能であり、具体的には、アート紙、コート紙、上質紙等の用紙、コートボール、コートマニア等の板紙、特殊証券用紙、白色のポリエステル樹脂シート、白色の塩化ビニルシート等が使用可能であり、特に上質紙が好ましい。また、基材の印刷適性が低い場合には、直接印刷をせずに、接着層、受像層等を適宜設けても良い。
磁気インキ層には、磁気インキと、少なくとも赤外光を吸収する特性を有する物質とを含有させたインキを用いる。磁気インキ層は、このインキをスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等の公知の印刷法を用いて印刷することによって形成することが可能である。一般的に、磁気インキとしては、高分子材料中に磁性材料を分散させたものが用いられ、これにより磁気センサを用いた機械読み取りが可能となる。また、磁性材料の他に、有機溶媒、界面活性剤を含有させたものが多く用いられるが、磁気センサによる機械読み取りが可能であれば良く、その組成については特に限定しない。
磁性インキ内の高分子材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリエチレン、アクリル樹脂等が単独あるいは混合して使用され、環境適性等を考慮すると、好ましくはポリエステル樹脂、アクリル樹脂が用いられる。また、紙媒体に印刷する際にはアクリル樹脂がより好ましい。
また、高分子中に分散させる磁性材料としては、Fe、Ni、Zn、Co、パーマロイ、センダスト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mnフェライト、Znフェライト、FeS、マグネタイト、γ−酸化鉄、Co被着γ−酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、二酸化クロム等の金属・合金及び金属化合物の粉末が使用可能であり特にその組成は限定しない。
また、赤外光を吸収する特性を有する物質としては、赤外光及び可視光を吸収する性質を有するカーボンブラック等が好適に用いられる。カーボンブラックは、代表的な黒色顔料であり、印刷インキ、塗料、トナー等の色材として広く使用されている。
なお、ここでいう可視光とは、一般的に、電磁波のうち人間が見ることができる光を指し、その波長域としては380〜780nmを指すことが多い。しかし、波長の境界は文献により多少異なり、おおよそ短波長側が380〜400nm、長波長側が760〜830nmというばらつきがある。
また、赤外光波長とは700nm〜100μm付近を言うことが多いが、この境界についても文献により多少異なり、およそ短波長側が700〜800nm、長波長側が、100〜1000μmというばらつきがある。なお、赤外線は波長によって、近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分けられている。近赤外線の波長は、およそ700nm〜3μmであり、可視光に近い。中赤外線の波長はおよそ3〜15μm、遠赤外線の波長はおよそ15〜100μmであると定義されているが、近赤外線、中赤外線、遠赤外線の境界についても、文献により多少異なるため、これに限定されるものではない。
一般的に、最も多く使用される黒色の印刷インキはカーボンブラックを用いたものであるが、カーボンブラックは、可視光線から近赤外線の高い吸収を示す。その他の黒色インキでも、通常、目視で黒色に見せるためには、可視光線の全波長領域に高い吸収性を持っている。
磁気インキ層を印刷するパターンは、機械読み取りしたデータを用いて真贋判定すること等を考慮すると、図1に示したごとく、情報部を碁盤目状に区切り、その単位ドット毎にパターン配置することが望ましいが、機械読み取りしたデータを用いて真贋判定が可能であれば、適宜自由にデザインして良く、これに限定されるものではない。
隠蔽層は、特殊インキを印刷することによって形成される層であり、特殊インキとしては、少なくとも赤外線の一部を透過する性質を有するインキを用いる。また、磁気インキ層を隠蔽するために望ましくは、分光特性上可視光は吸収するが近赤外光は透過する特性を持つ墨インキを用いる。
このような特性を有するインキとしては、特殊顔料を含有させたインキ、例えば、硫化ビスマス顔料を用いた特殊墨インキ等が使用可能である。硫化ビスマス微粉末は、顔料として、可視領域の光を吸収し、このため隠蔽層の下層に位置する磁気インキ層を隠蔽し、赤外領域の光は透過する特性を示す。さらに、化学的に非常に安定性を有し、耐光性、耐熱性、耐溶剤性等の耐性に優れるものである。
また、カーボンブラックを含有しない墨インキ、つまりイエロー、マゼンダ、シアンを混合した混色墨インキも使用可能である。ただし、混色墨インキは汎用のプロセスインキを混合することにより容易に得られてしまう為、前述した特殊墨インキを用いた方が高いセキュリティ性が得られる。
また、隠蔽層に用いられるインキとしては、近赤外光を透過し且つ磁気インキ層を隠蔽可能であれば、可視光を吸収する必要はなく、可視光の一部を透過する、即ち、目視でなんらかの色味を呈するインキを用いても良い。
なお隠蔽層は、3〜5μm程度の厚さに設けることが好ましい。これより薄いと、磁気インキ層を完全には隠蔽しきれず、視認されてしまうおそれがあり、また、厚すぎると、近赤外光の透過率が低下し、赤外読み取りを行った際のコントラストに欠けるおそれがある。ただし、これは隠蔽層及び磁気インキ層の色味、及び隠蔽層に含まれるインキの濃度の関係等により変化するものであり、これより薄くても磁気インキ層を隠蔽するのであれば良く、また厚くても赤外読み取りを行った際に充分なコントラストが得られるのであれば良い。
次に、本発明におけるセキュリティ媒体を用いて、真贋判定を行う方法について説明する。まず図4は、図1に示したセキュリティ媒体を差動型の磁気センサで読み取った際の出力波形の概略を示す図である。差動型の磁気センサとは、銀行のATM等で紙幣の真贋判定等に用いられている磁気センサであり、並行に並んだ2つのセンサが移動しながら各々が読み取った磁気出力の差を波形で示すものである。図4に示した出力波形は、図1に示したセキュリティ媒体の縦方向の全てを読み取ることが可能な大きさの差動型磁気センサを用い、このセンサを横方向にスライドさせて読取を行った結果である。
また、本発明におけるセキュリティ媒体に、赤外光を照射した場合には、赤外光は図5に示した様な経路をたどる。つまり、赤外光は隠蔽層を透過するため、磁気インキ層がパターン印刷されていない部分においては、基材で反射され、さらに隠蔽層を透過して戻っていく。一方。磁気インキ層がパターン印刷されている部分では、隠蔽層を透過してきた赤外光が、磁気インキ層にて吸収される。
つまり、図1に示したセキュリティ媒体を、近赤外光を用いて機械読み取りすると、図6に示した如く、磁気インキ層がパターン印刷されている部分は黒色に、磁気インキ層が設けられていない部分は白色に認識されることとなる。
さらに、図6に示した、セキュリティ媒体を赤外線で機械読み取りした結果を、データ加工していく。まず、黒色の単位ビット(以下、黒ビットと称する)を、x軸に投影させたパターンを、図7(a)に示す。このパターンは、図4に示した読み取り結果を、左から単位列毎に区切り、単位列の順序をX軸に、単位列が有する黒ビットの個数をy軸にとったものである。また、図7(a)を、x軸方向に1ビット位相シフトしたものは、図7(b)である。さらに、y軸値について、(図7(b)−図7(a))を行った結果が図7(c)である。以上の工程は、真贋判定器若しくは真贋判定器に接続されたサーバにこのようなプログラムを組み込むことによって自動で行うことも可能である。
以上の工程で得られた図7(c)に示したパターンと、図4に示した磁気センサでの出力波形の形状とを比較してみると、これらが概ね一致する形状となることが分かる。これは、図7(c)に至る工程が、差動型の磁気センサが対象物を読み取るシステムを、簡略的に再現した工程となっている故である。
以上のように、セキュリティ媒体を近赤外光読み取りした結果から、黒ビットをx軸投影させたパターンを、データ処理することにより得られたパターンと、セキュリティ媒体を磁気センサにて読み取った出力波形とが略一致するか否かを検査することにより、簡易なデータ処理でのセキュリティ媒体の真贋判定を行うことが可能となるのである。磁気センサの出力波形と、赤外光読取で得られた結果との比較は、目視で行っても良いし、真贋判定器にプログラムを組み込んで行っても良いし、真贋判定器に接続されたサーバで行っても良く、その実施形態は問わない。
また、上記の如く真贋判定を行うことが可能である故、セキュリティ媒体毎に個別のパターンに磁気インキ層が設けられていても、磁気センサ及び赤外光読み取りの双方の結果を照合させるために真贋判定が可能であり、標準パターンが不要であり、これにより、セキュリティ媒体毎に可変の情報部を設けることも可能となる。また、標準パターンが不要であるが故、真贋判定器の器差による類似度のばらつきの影響を受けず、FNMRを小さくすることが可能である。また、真贋判定器を複数展開した場合でも標準パターンのデリバリの問題から来る変更困難性から開放され、セキュリティアップの為のパターン変更が容易に行える。
このように、本願発明におけるセキュリティ媒体は、近赤外光を吸収する磁気インキ層と赤外光を透過する隠蔽層という、2種類のインキからなる層を有し、隠蔽層で磁気インキ層を隠蔽することにより、磁気インキ層の存在を視認され難くすることにより、偽造を困難とした。また、磁気センサでの出力波形と、赤外光読み取りデータを簡単に加工したデータとを比較することにより、真贋判定が可能であり、この方法を知っていれば容易に真贋判定が行えるものであるが、これを知らなかった場合には容易に思いつく真贋判定方法ではない故、さらに偽造防止技術に気付かれ難くするという効果を奏し、セキュリティ性を高めることが可能となるものである。
また、本発明におけるセキュリティ媒体には、その磁気インキ層のパターンにより、各々のセキュリティ媒体に固有のID番号等の情報を持たせることが可能である。
このセキュリティ媒体に番号情報を持たせる方法は、様々であるが、例えば、図6に示した如く、図1に示したセキュリティ媒体を赤外光にて機械読み取りしたパターンを用いて行うことが可能である。まず、図6においては、セキュリティ媒体を単位ビット毎にa〜h列、1〜10行に分ける。一番右の列については、今回は使用しないこととする。そして、a〜d列の4ビットと、e〜hの4ビットに区切り、黒ビットを1、白ビットを0として、行ごとにヘキサデシマルを用いて番号化していく。その結果を図6に示した。
番号付与の方法はこれに限られず、例えばQRコードの読取等のように、上記の如く、セキュリティ媒体の情報部に番号情報を持たせることにより、この情報部の有する番号情報と、セキュリティ媒体に別途設けておいたID情報、又は読み取り機械若しくはサーバ等で管理するID情報とが一致するか否かで真偽判定を行うことも可能となる。
(実施例1)基材として上質紙を使用し、アクリル樹脂中にマグネタイトを分散させ、カーボンブラックを顔料として混合させた磁気インキを用いて、スクリーン印刷により磁気インキ層を図1に示したパターンに形成した。磁気インキには、この他、有機溶剤としてシクロヘキサノン及びキシレンと、界面活性剤として ガーファック(東邦化学工業(株)製)とを含有させた。その上に、アクリル樹脂中に粒子径0.2〜0.6μmの硫化ビスマスを10重量%を混合させ、他、有機溶剤としてシクロヘキサノン、および、キシレンとを混合させた特殊墨インキを用いて、スクリーン印刷にて全面に隠蔽層を形成し、セキュリティ媒体を得た。
こうして得られたセキュリティ媒体に対して、磁気センサを用いて機械読み取りを行ったところ、図4に示したような出力波形が得られた。さらに、このセキュリティ媒体に対して、赤外光にて機械読み取りを行ったところ、図6に示した如く認識された。この赤外光読み取りにて得られた画像データに対して、以下のようにデータ処理を行った。まず、黒ビットをX軸に投影したグラフ(a)を作成し、さらに、これをX軸方向に1ビット位相シフトさせたグラフ(b)を作成した。そして、Y値について、(b)−(a)を行ったグラフ(c)を作成したところ、得られたグラフ(c)の概形と、磁気センサの出力波形が略一致した。これにより、当該セキュリティ媒体は真正品であることが確認された。
(実施例2)基材として上質紙を使用し、アクリル樹脂中にマグネタイトを分散させ、カーボンブラックを顔料として混合させた磁気インキを用いて、スクリーン印刷により磁気インキ層を図1に示したパターンに形成した。磁気インキには、この他、有機溶剤としてシクロヘキサノン及びキシレンと、界面活性剤として ガーファック(東邦化学工業(株)製)とを含有させた。その上に、東洋インキ製造(株)のSSNSA 221黄 40部、SSNSA121紅 30部、SS NSA391藍 30部 を混合した墨インキを用いて、スクリーン印刷にて全面に隠蔽層を形成し、セキュリティ媒体を得た。
こうして得られたセキュリティ媒体に対して、磁気センサを用いて機械読み取りを行ったところ、図4に示したような出力波形が得られた。さらに、このセキュリティ媒体に対して、近赤外光にて機械読み取りを行ったところ、図6に示した如く認識された。さらに、近赤外光読み取りにて得られたデータに対して、以下のようにデータ処理を行った。まず、黒ビットをX軸に投影したグラフ(a)を作成し、さらに、これをX軸方向に1ビット位相シフトさせたグラフ(b)を作成した。そして、Y値について、(b)−(a)を行ったグラフ(c)を作成したところ、得られたグラフ(c)の概形と、磁気センサの出力波形が略一致した。これにより、当該セキュリティ媒体は真正品であることが確認された。
(比較例1)基材として上質紙を使用し、アクリル樹脂中にマグネタイトを分散させ、カーボンブラックを顔料として混合させた磁気インキを用いて、スクリーン印刷により磁気インキ層を図1に示したパターンに形成した。磁気インキには、この他、有機溶剤としてシクロヘキサノン及びキシレンと、界面活性剤として ガーファック(東邦化学工業(株)製)とを含有させた。その上に、カーボンブラックを含有する通常の墨インキを用いて、スクリーン印刷にて全面に隠蔽層を形成し、セキュリティ媒体を得た。
こうして得られたセキュリティ媒体に対して、磁気センサを用いて機械読み取りを行ったところ、実施例1及び2と同様、図4に示したような出力波形が得られた。しかし、このセキュリティ媒体に対して、近赤外光にて機械読み取りを行ったところ、全面が黒色に認識された。これにより、当該セキュリティ媒体は偽造品であることが確認された。
(比較例2)基材として上質紙を使用し、カーボンブラックを含有する通常の墨インキを用いて、全面にスクリーン印刷を行った。その上に、東洋インキ製造(株)の東洋インキ製造(株)のSSNSA 221黄 40部、SSNSA121紅 30部、SS NSA391藍 30部 を混合した混色墨インキを用いて、スクリーン印刷にて図1(b)の白色部分と同様のパターンで印刷を行い、セキュリティ媒体を得た。
こうして得られたセキュリティ媒体は、赤外光にて機械読み取りを行った結果、実施例1及び2と同様、図6のように認識された。しかし、磁気センサにて機械読み取りを行っても、磁気出力が検出されなかった。これにより、当該セキュリティ媒体は偽造品であることが確認された。
1・・・セキュリティ媒体
2・・・基材
3・・・情報部
4・・・磁気インキ層
5・・・隠蔽層
6・・・OVD

Claims (6)

  1. 基材上に、機械読み取り可能な情報部を有するセキュリティ媒体であって、
    該情報部は、磁気インキ層と隠蔽層とを有し、
    該磁気インキ層は、少なくとも赤外光を吸収する性質を有する磁気インキをパターン印刷してなり、
    該隠蔽層は、赤外光の一部を透過する性質を有し、該磁気インキ層を覆うように該情報部の全面に形成され、
    該基材は少なくとも赤外光を反射する性質を有することを特徴とするセキュリティ媒体。
  2. 前記磁気インキ層は、少なくともカーボンブラックを含有し、前記隠蔽層は、カーボンブラックを含有しないことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ媒体。
  3. 前記磁気インキ層は、前記情報部を碁盤目状に区切った単位ビットで構成されるパターンで印刷されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のセキュリティ媒体。
  4. 少なくとも前記情報部上の一部に、前記磁気インキ層と重ならないようにOVDを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセキュリティ媒体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセキュリティ媒体を、赤外光で読み取りを行った結果と、磁気センサを用いて読み取った出力波形とを比較することにより真贋判定を行うことを特徴とするセキュリティ媒体の真贋判定方法。
  6. 請求項3に記載のセキュリティ媒体を、赤外光で読み取った結果から、黒色の単位ビットをX軸投影した黒ビットX軸投影パターン(a)と、該黒ビットX軸投影パターンを1ビット位相シフトした1ビット位相シフトパターン(b)とを作成し、(b)−(a)を行った結果と、該セキュリティ媒体を磁気センサで読み取った出力波形とを用いて真贋判定を行うことを特徴とするセキュリティ媒体の真贋判定方法。
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