JP2015164813A - 改竄防止媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー光による追記が不可能であり、改竄を防止できる媒体と、その製造方法を提供することにより、高い偽造防止効果を実現すること。【解決手段】レーザー光を透過する表面基材とレーザー光により炭化するコア基材と裏面基材の少なくとも3層からなる積層基材と特定の強度以上の光照射で、発色するか変色する層を持つOVD転写体からなり、レーザー光を照射し、表面基材に影響を与えずに、コア基材に画像情報や文字情報を記録し、前記転写体をコア基材に画像情報や文字情報を記録された前記積層基材の表面に設けた。【選択図】図1
Description
本発明は、セキュリティ性を必要とするID情報を含む媒体とホログラムに代表されるOVD(Optical Variable Device)を有する転写箔とからなる改竄防止媒体に関する。
旅券や運転免許証など、セキュリティ性を必要とするID情報を含む媒体には、しばしば印刷技術や転写技術、又はそれ以外の加工技術を用いて偽造及び改竄並びに変造の防止が行われる。その中で光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾画像を表現し得る、ホログラムや回折格子、光学特性の異なる薄膜を重ねることにより、見る角度により色の変化を生じる多層薄膜の様なOVDの加工が施されることが多い。
また、偽造及び改竄並びに変造を防止するための技術として、基材の表面を透過して内側にレーザー光を照射し、基材内部を炭化させることで、肖像などの固有の像を基材内部に形成する技術がある。これは主にポリカーボネートやPETなどのプラスチック基材に対して施され、近年個人を特定し認証するID情報を含む運転免許証や旅券などのセキュリティが求められる媒体に広く用いられている。
カード積層体の内部のカードコアにレーザー光線照射発色層を設け、カード表面を傷つけることなく、カード内部に印字をおこなうことで、カード表面からの改竄をおこなうことを防止することが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、近年印刷技術やホログラムの偽造手法だけでなく、レーザー光を用いた改竄手法も多岐に渡って提案されている。基材の内部を炭化させ、炭化による色変化により像を形成する偽造防止手法があるが、基材を表面から切削し、像を物理的に破壊するといった偽造が可能であり、さらには、レーザー光で発色する顔料が使われているため、追加のレーザー光を照射して像を改竄することが行われてしまうため、偽造防止効果が十分でないとされている。
本発明は、かかる従来技術における上記偽造及び改竄、並びに変造の問題を解決するものであり、その課題とするところは、レーザー光による追記が不可能であり、改竄を防止できる媒体と、その製造方法を提供することにより、高い偽造防止効果を実現することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材がレーザー光を透過する表面基材とレーザー光により炭化するコア基材と裏面基材の少なくとも3層からなる積層基材であり、
レーザー光を照射し、前記表面基材に影響を与えずに、前記コア基材に画像情報や文字情報を記録した画像形成部を形成し、
発色層を前記画像形成部上の前記表面基材に設けたことを特徴とする改竄防止媒体である
。
レーザー光を照射し、前記表面基材に影響を与えずに、前記コア基材に画像情報や文字情報を記録した画像形成部を形成し、
発色層を前記画像形成部上の前記表面基材に設けたことを特徴とする改竄防止媒体である
。
また、請求項2に記載の発明は、基材がレーザー光を透過する表面基材とレーザー光により炭化するコア基材と裏面基材の少なくとも3層からなる積層基材であり、
レーザー光を照射し、前記表面基材に影響を与えずに、前記コア基材に画像情報や文字情報を記録した画像形成部を形成し、
発色層、OVD層、反射層、接着層からなるOVD転写箔を前記画像形成部上に転写したことを特徴とする改竄防止媒体である。
レーザー光を照射し、前記表面基材に影響を与えずに、前記コア基材に画像情報や文字情報を記録した画像形成部を形成し、
発色層、OVD層、反射層、接着層からなるOVD転写箔を前記画像形成部上に転写したことを特徴とする改竄防止媒体である。
本発明により、レーザー光の照射により積層基材内に形成された像を改竄しようとする場合、OVD転写体の発色層がレーザー光により発色や変色するために、改竄の痕跡となって残ってしまう。よってOVD転写体の発色層を含まない転写箔を有する基材と比較して、偽造及び改竄、並びに変造が困難な改竄防止媒体を得ることができる。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の改竄防止媒体1の一実施形態を示す断面概念図である。図1に示す様に、本発明の改竄防止媒体1は、少なくとも表面基材2と、コア基材3と、裏面基材4の3層からなり、コア基材3は、表面基材2を通過するレーザー光を照射することにより、表面が炭化し、画像形成部5が印字される。情報が印字された後に、追記を不可能とする発色層9、OVD層8、反射層7、接着層6からなるOVD転写箔10を転写する構成である。
表面基材2はレーザー光を透過するため、レーザー照射による影響はなく、コア基材3はレーザー光により炭化し、像形成部5を形成でき、画像情報や文字情報を記録することができる。
画像情報や文字情報を記録し、画像形成部5を形成した後に、画像形成部5上の表面基材2に接着層6、反射層7、回折格子層8、発色層9からなる転写箔10を設けて、改竄防止媒体1が形成される。
表面基材2は透明で、レーザー光を透過するカードやパスポート製造に用いられるプラスチック素材(PET、ポリカーボネート、ポリプロピレン等)を基材として用いることができる。裏面基材4は表面基材2やコア基材3と同じでも別の材料でもかまわない。
この時、裏面基材4に表面基材2と同じ材料を用いると、裏面からもレーザー光を用いてコア基材3に画像形成部5を設けることができる。
コア基材3には白色のプラスチック素材(PET、ポリカーボネート、ポリプロピレン等)を用いることができる。この時光発色層を設けても良く、設けることにより低エネルギーのレーザー光での印字が可能となるが、白色剤が混練された白色のプラスチック素材は、レーザー照射により炭化し、黒、黒褐色になり、発色層がなくても良い。
転写箔10については、ホログラム製造に一般的に用いられる接着層6、反射層7、OVD層8の形成に用いられる樹脂類及び金属類等を用いることができる。
接着層6は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル酢酸共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。膜厚は1〜20μmが好ましい。
リ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル酢酸共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。膜厚は1〜20μmが好ましい。
反射層7にはアルミニウム、金、銀、銅及びこれらの金属を含む合金や、TiO2、Si2O3、SiO、Fe2O3、ZnS等の金属酸化物や硫化物を使用することができ、厚みとしては100Å〜1000Åが好ましい。
OVD層は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、熱可塑性樹脂では、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。
また、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等が使用できる。また、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等が使用でき、その厚さとしては0.5〜5.0μmが好ましい。
OVD層の一例としては、回折格子が用いられる。回折格子は回折格子パターン記録した金属版を用い、ウレタン系樹脂を用い、PET基材上に溶剤にウレタン系樹脂を溶解させて調製した回折格子層形成塗液をコーテイングにより塗工し、乾燥を行って得られた回折格子形成層に加熱エンボスにより回折格子パターンを転写して形成される。
多層薄膜方式のOVDとしては、屈折率の異なるTiO2、Si2O3、SiO、Fe2O3、ZnS、などの低高屈折率材を組合せ多層化したものであり、蒸着等の真空薄膜形成法のより作製され、見る角度によって反射色相が変化する。
本発明に係る改竄防止媒体1を製造するために、表面基材2と、コア基材3と、裏面基材4の3層からなる積層基材にレーザー光を照射し、コア基材2を炭化させて画像情報や文字情報である画像形成部5を記録し、発色層を含むホログラムからなるOVD転写箔10を転写したカード状の改竄防止媒体1を用意した。
コア基材3には白色のポリカーボネート樹脂シートを用い、表面基材2と裏面基材4には無色のポリカーボネート樹脂シートを用い、2枚の透明なポリカーボネート樹脂シートの間に挟む構成とした。
作製した積層基材にレーザー光を照射し、白色のポリカーボネートからなるコア基材3が炭化して黒色画像からなる画像形成部5を形成した。この時透明な表面基材2に着色や変形は生じない。
印字された画像形成部5上にはホログラムからなるOVD転写箔10を転写した。ホログラムからなるOVD転写箔10はウレタン系樹脂を用い回折格子を加熱エンボスにより形成しOVD層8を得た。反射層7にはZnSからなる薄膜を真空蒸着により設け、接着層6には塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合系樹脂を用いた。さらに発色層9を積層して作製した。発色層9にはレーザー発色インキ(東洋インキ製Elbima-Z117)を用い、転写箔上にコーテイングにより塗布した。この時、発色層9を予め転写箔構成に含めることも可能であり、含めておく方がスポット転写後に加刷するより、発色層9を予め転写箔構成に含め一体にする方が歩留まり効率等が良い。
引き続き作製した発色層9を持つ改竄防止媒体1の改竄検証をおこなった。ホログラム
からなるOVD転写箔10を転写した後、OVD転写箔10の上からレーザー光を照射して基材中の像に追記改竄を施した。その結果、レーザー発色インキからなる発色層10が変色した部分が生じ、改竄したことが分かる。
からなるOVD転写箔10を転写した後、OVD転写箔10の上からレーザー光を照射して基材中の像に追記改竄を施した。その結果、レーザー発色インキからなる発色層10が変色した部分が生じ、改竄したことが分かる。
本発明に係る改竄防止媒体1と比較するために、実施形態にて示した積層媒体を用意し、レーザー光を照射し、白色のポリカーボネートからなるコア基材3が炭化し、黒色画像からなる画像形成部5を形成した。その上に発色層を含まないホログラム転写箔を転写したカードを用意した。
発色層を含まないホログラム転写箔を転写したカードに、ホログラム転写箔上からレーザー光を照射してコア基材3に追加印字を施した。発色層9を含まないホログラム転写箔には、発色や変色がなく、印字情報に追加が可能で改竄をおこなうことが可能であることがわかった。
本発明の改竄防止媒体1は、ID情報を印字記録した媒体に、発色層9を持つOVD転写箔10を転写することにより、その後の追加印字を不可能とすることができ、改竄を防止するものであり、旅券や運転免許証などのセキュリティが必要で、偽造及び改竄並びに変造防止求められる用途への使用が可能である。
1・・・改竄防止媒体
2・・・表面基材
3・・・コア基材
4・・・裏面基材
5・・・像形成部
6・・・接着層
7・・・反射層
8・・・OVD層
9・・・発色層
10・・・OVD転写箔
2・・・表面基材
3・・・コア基材
4・・・裏面基材
5・・・像形成部
6・・・接着層
7・・・反射層
8・・・OVD層
9・・・発色層
10・・・OVD転写箔
Claims (2)
- 基材がレーザー光を透過する表面基材とレーザー光により炭化するコア基材と裏面基材の少なくとも3層からなる積層基材であり、
レーザー光を照射し、前記表面基材に影響を与えずに、前記コア基材に画像情報や文字情報を記録した画像形成部を形成し、
発色層を前記画像形成部上の前記表面基材に設けたことを特徴とする改竄防止媒体。 - 基材がレーザー光を透過する表面基材とレーザー光により炭化するコア基材と裏面基材の少なくとも3層からなる積層基材であり、
レーザー光を照射し、前記表面基材に影響を与えずに、前記コア基材に画像情報や文字情報を記録した画像形成部を形成し、
発色層、OVD層、反射層、接着層からなるOVD転写箔を前記画像形成部上に転写したことを特徴とする改竄防止媒体。
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CN114179549A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-03-15 | 公安部交通管理科学研究所 | 具备防伪标识的防伪证卡及其制作方法 |
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2015
- 2015-06-10 JP JP2015117411A patent/JP2015164813A/ja active Pending
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