JP2015110308A - 識別コード付き印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーダーで容易に読み取ることができ、コピー機による複製も防止でき、目視での複製が容易ではなく、暗い印象を与えず、かつ製造が容易である、識別コード付き印刷物を与える。
【解決手段】基材、前記基材に印刷されている余白部及びコード部を含む識別コード、及び前記識別コード上の一部及び前記基材上に印刷されている隠蔽部を有する印刷物であって、
前記識別コードのコード部は、赤外光吸収性でかつ可視光吸収性であり;かつ
前記隠蔽部は、赤外透過性でかつ可視光吸収性である、
印刷物。
【選択図】図1

Description

本発明は、コピー機による識別コードの複製を防ぐとともに、識別コードリーダーによる読み取り精度が高い識別コード付き印刷物に関する。
識別コード付き印刷物としては、QRコード(登録商標)等の2次元コードが付された印刷物が広く知られている。このQRコードが付された印刷物は、QRコードのシンボルを、紙等の基材上に、トナー印字、サーマル印字、インキによる印刷等の方法により形成されている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
ところが、このような方法で形成されたQRコードは、コピー機で複写することで容易に複製することができ、このため、コピー機を利用すれば正規のQRコードが付された印刷物と同じものを簡単に複製することができるという問題があった。そのため、このようなQRコードは、電車の乗車券等の複製が許容されない分野では利用が難しかった。
その対策として、特許文献2では、2次元コードを印刷するサーマル紙上に2次元コードを隠蔽する黒い隠蔽ベタ層を設け、さらにその上に保護層を設けている。2次元コードを含むこの印刷物をコピー機で複製しようとすると、2次元コードはコピーされず、隠蔽ベタ層がコピーされて真っ黒のベタが印刷される。また、隠蔽ベタ層は、赤外光を透過する混色系の黒インキで形成しているためリーダーで用いる赤外光に対しては透過し、リーダーは隠蔽ベタ層が存在していても2次元コードを読み取ることができるとしている。
また、特許文献3では、2次元コードを形成するサーマル紙上に2次元コードを隠蔽する黒い隠蔽ベタ層を設け、さらにその上に、黒色の第1のカモフラージュ層と透明な第2のカモフラージュ層とから構成されたカモフラージュ層を設けている。この印刷物もコピー機による複製はできず、また隠蔽ベタ層及び第1のカモフラージュ層は、混色系の黒インキで形成しているため、リーダーで用いる赤外光に対しては透過する。
特開2001−307154号公報 特開2013−1077号公報 特開2013−1078号公報
しかしながら、特許文献2に記載の印刷物は、2次元コードを印字するためのサーマル層の上に、隠蔽ベタ層、及び保護層の少なくとも2層が形成されているために、サーマル層に熱をかけて2次元コードを印刷する際、サーマル層に熱が伝わりにくいという問題がある。また、特許文献3に記載の印刷物も、サーマル層上に隠蔽ベタ層、及びカモフラージュ層の少なくとも2層が形成されているために、サーマル層に熱が伝わりにくい。このような場合、例えば自動発券機のようなその場で2次元コードをサーマルプリントする用途においては、2次元コードのプリントが不十分となってしまい、2次元コードとして不適合となる場合があることが分かった。
また、特許文献2に記載の印刷物では、コピー機では読み取ることができないものの、ベタ層の上から2次元コードを感熱印刷しているため、2次元コードが印刷されている部分のみ光沢が変化する。保護層は、その光沢の変化を低くするためにも与えられているが、それでもなお目視では2次元コードをある程度読み取ることができてしまうために、手書きで複製できるという問題がある。
特許文献3に記載の印刷物では、黒の隠蔽ベタ層の上にカモフラージュ層を形成することで、目視での識別性を低下させているが、1つの態様では、第1のカモフラージュ層と第2のカモフラージュ層とが重なって形成しているために、サーマル層の上に3層が形成されていることになり、熱がさらに伝わりにくい。その他の態様では、第1のカモフラージュ層の隙間を埋める印刷によって、第2のカモフラージュ層が形成されるために、製造が容易ではないという問題がある。
さらに、これらの印刷物では、2次元コードを含む箇所が全面的に黒色となるため、印刷物が暗い印象を与えるという問題もあった。
そこで本発明では、識別コードリーダーで容易に読み取ることができ、コピー機による複製も防止でき、目視での複製が容易ではなく、暗い印象を与えず、かつ製造が容易な識別コード付き印刷物を与えることを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の通りである:
[1] 基材、前記基材に印刷されている余白部及びコード部を含む識別コード、及び前記識別コード上の一部及び前記基材上に印刷されている隠蔽部を有する印刷物であって、
前記識別コードのコード部は、赤外光吸収性でかつ可視光吸収性であり;かつ
前記隠蔽部は、赤外透過性でかつ可視光吸収性である、
印刷物。
[2] 前記識別コードのコード部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合に、880nm〜930nmの波長の光に対する平均反射率が20%以下である、請求項1に記載の印刷物。
[3] 前記隠蔽部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合に、880nm〜930nmの波長の光に対する平均反射率が65%以上である、請求項1又は2に記載の印刷物。
[4] 前記隠蔽部及び前記識別コードのコード部は、それぞれその下に白色基材のみを配置して測定した場合に、460nm〜650nmの波長の光に対する平均反射率が30%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷物。
[5] それぞれその下に白色基材のみを配置して測定した場合に、460nm〜650nmの波長の光に対する前記隠蔽部の平均反射率と、前記識別コードのコード部の平均反射率との差が10%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷物。
[6] 前記基材が感熱紙であり、かつ前記識別コードが、前記感熱紙にサーマルプリントされている、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の印刷物。
[7] 前記識別コードの余白率と、前記隠蔽部の不存在率との差が、0.4以下である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の印刷物。
[8] 前記隠蔽部が、不規則な線状である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の印刷物。
[9] 前記識別コードが2次元コードであり、前記隠蔽部の線又は点の径の、前記2次元コードの1セルの辺長に対する比が、0.5以上2.0以下の範囲である、[8]に記載の印刷物。
[10] さらに保護層をその表面上に有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の印刷物。
本発明の識別コード付き印刷物は、リーダーで容易に読み取ることができ、コピー機による複製も防止でき、目視での複製が容易ではなく、暗い印象を与えず、かつ製造が容易である。このような識別コード付き印刷物は、従来識別コード付き印刷物が使われていなかった乗車券等に用いることができるため極めて有用である。また、サーマル紙を用いる本発明の好ましい態様の識別コード付き印刷物は、識別コードのサーマルプリントが容易であるため、さらに有用である。
本発明の印刷物を目視で見た場合(可視光)とリーダーで読み取る場合(赤外光)の見え方の概略図である。 本発明の印刷物の1つの実施態様の層構造を示す概略図である。 従来技術(特許文献3)の印刷物の層構造を示す概略図である。 実施例1の印刷物の写真である。 実施例3及び4の印刷物の写真である。
<印刷物>
本発明の印刷物は、基材、基材に印刷されている余白部及びコード部を含む識別コード、及び識別コード上の一部に隠蔽部を有する。識別コードのコード部及び隠蔽部はいずれも可視光を吸収するため、目視ではいずれも同色であり、隠蔽部の存在により、識別コードのコピー機による複製及び目視での複製を防止することができる。これに対して、識別コードリーダーが主に用いる850nm付近の赤外光では、識別コードのコード部は光を吸収する一方で、隠蔽部は光を透過するため、隠蔽部があっても識別コードリーダーはコードを読み取ることができる。
図1は、(a)目視で見た場合(可視光)と(b)リーダーで読み取る場合(赤外光)の印刷物10の見え方の概略図であり、目視の場合には隠蔽部3が識別コード(QRコード)2を隠蔽しているが、リーダーが読み取る場合には隠蔽部3は赤外光を透過して識別コード2を隠蔽していない。
図2(a)は、本発明の印刷物の1つの実施態様の層構造を示しており、ここでは本発明の印刷物10は、基材1に識別コード2がサーマルプリントされており、その上に隠蔽部3が印刷されている。図2(b)は、特許文献3の印刷物10の層構造を示しており、基材1に識別コード2がサーマルプリントされており、隠蔽ベタ層4がその上に形成されている。さらにその上に黒色の第1のカモフラージュ層5及び透明の第2のカモフラージュ層6が形成されている。
(基材)
基材は、識別コードリーダーが用いる波長の赤外光を反射する。基材のみで880nm〜930nmの波長の光を用いて測定した場合に、その平均反射率は、60%以上、70%以上、又は80%以上であることが好ましい。
基材は、白色であってもよく、又は他の色を有していてもよいが、460nm〜650nmの波長の光を用いて測定した場合、その平均反射率は、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上であることが好ましい。ここで本明細書においては、880nm〜930nmの波長間での平均反射率は、光学濃度計であるサカタインクスエンジニアリング株式会社製のプリントコントラストメーターMR−12で、Dフィルターを用いて測定した値をいう。また、460nm〜650nmの波長間での平均反射率は、同機種でAフィルターを用いて測定した値である。
このような基材としては、識別コードを印刷することができれば特に制限されないが、例えば上質紙、再生紙、サーマル紙、熱転写用コート紙、ラベルなどの紙類や、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを使用することができる。ただし、サーマル紙を用いる場合、隠蔽部を形成した後に識別コードを券売機等で印刷することができるため、好ましい。サーマル紙としては、サーマルプリントされた情報が赤外光を吸収する特性があれば特に限定されないが、例えば、識別コード2がサーマルプリントされる基材1のサーマル層としては、赤外発色するロイコ染料(電子供与体)と酸性物質(電子受容体)を樹脂バインダ中に固体微粒子として分散させたものが使用できる。そして、このサーマル層が用紙の少なくとも片面に形成された基材1をサーマルヘッドで加熱すると、ロイコ染料と酸性物質の量成分が互いに反応して赤外発色し、特定波長域光を吸収する特性を有するようになる。
(識別コード)
識別コードは、余白部及びコード部を含み、そのコード部は識別コードのリーダーが用いる波長の赤外光を吸収し、僅かしか反射しない。具体的には、識別コードのコード部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合に、880nm〜930nmの波長間での平均反射率が、20%以下、15%以下、10%以下、又は8%以下となる。ここで、その白色基材とは、460nm〜650nmの波長間での平均反射率が50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上であり、880nm〜930nmの波長間での平均反射率が50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上である白色の基材をいう。
880nm〜930nmの波長間での識別コードのコード部のPCS値は、好ましくは0.75以上、0.80以上、0.85以上、又は0.90以上である。ここで、本明細書においては、880nm〜930nmの波長間でのPCS値とは、上記の白色基材上に配置している測定対象を、光学濃度計であるサカタインクスエンジニアリング株式会社製のプリントコントラストメーターMR−12で、Dフィルターを用いて測定したPCS値をいう。またこの測定は、基材の厚みに測定値が影響を受けないようにして行われ、例えばJIS−X9004に規定されている十分な裏当て法に準拠して測定が行われる。
さらに、識別コードのコード部は、可視光を吸収し、好ましくは目視で黒色である。具体的には、識別コードのコード部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合に、460nm〜650nmの波長の光に対する平均反射率は、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、又は8%以下となる。
460nm〜650nmの波長間での識別コードのコード部のPCS値は、好ましくは0.75以上、0.80以上、0.85以上、又は0.90以上である。ここで、本明細書においては、460nm〜650nmの波長間でのPCS値とは、上記の白色基材上に配置している測定対象を、光学濃度計であるサカタインクスエンジニアリング株式会社製のプリントコントラストメーターMR−12で、Aフィルターを用いて測定したPCS値をいう。
識別コードのコード部を印刷するプリンタについては、例えばインクジェットプリンタ、レーザープリンタ、サーマルプリンタ、熱転写プリンタ等、各種印字方式のプリンタを挙げることができる。ただし、サーマルプリンタを用いる場合、隠蔽部を形成した後に識別コードを券売機等で印刷することができるため、好ましい。
識別コードとしては1次元コード及び2次元コードが挙げられる。さらに1次元コードとしては、具体的には、CODE39、CODE128、JAN、ITF等のバーコードが挙げられ、2次元コードとしては、具体的には、QRコード、PDF417、データマトリックス、CPコード、MaxiCode等が挙げられる。なお、本発明に適用できる識別コードは、余白部及びコード部を含むものであるが、識別コードを基材に印刷、印字等で形成する際は、コード部のみを形成すればよい。つまり、この場合は、基材自体が余白部となる。
(隠蔽部)
隠蔽部は、例えば混色黒インキによって印刷され、識別コードのリーダーが用いる波長の赤外光を透過する。混色黒インキは、通常、シアン、マゼンタ、及びイエローの三色の染料又は顔料を混合することによって調製される。これらの各色の染料又は顔料は、識別コードリーダーが用いる波長域の赤外光は吸収しないため、混合しても赤外光は吸収しない一方で可視光域では黒色を呈する。具体的には、隠蔽部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合、880nm〜930nmの波長間での平均反射率は、65%以上、70%以上、80%以上、85%以上である。
880nm〜930nmの波長間での隠蔽部のPCS値は、好ましくは0.20以下、0.15以下、0.10以下、又は0.05以下である。
各隠蔽部は、目視で好ましくは黒色である。具体的には、本発明の印刷物を識別コードがその下に存在しない隠蔽部上において460nm〜650nmの波長の光を用いて測定した場合、平均反射率は、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、又は8%以下となる。
460nm〜650nmの波長間での隠蔽部のPCS値は、好ましくは0.75以上、0.80以上、0.85以上、又は0.90以上である。
識別コードの黒色と、混色インキによって形成される隠蔽部の黒色の明度の差は、大きいと目視で容易に識別できてしまうために、小さい方が好ましい。具体的には、隠蔽部と、隠蔽部がその上に存在しない識別コードのコード部上との間で、460nm〜650nmの波長の光に対する平均反射率の差は10%以下、8%以下、5%以下、3%以下、又は1%以下であることが好ましい。また、460nm〜650nmの波長間での、識別コードのコード部のPCS値と、隠蔽部のPCS値との差は、好ましくは0.12以下、0.10以下、0.08以下、0.05以下、0.03以下、又は0.02以下である。
このような隠蔽部を得るために、隠蔽部を一度印刷した後に、2回又は3回以上重ねて印刷したり、インクの着色剤の濃度を高めたりすることができる。
隠蔽部を印刷するためのインキには、印刷後の光沢を低下させるためのマット剤を含有させることが好ましい。マット剤を含むインキによって印刷された隠蔽部では、識別コードをサーマルプリントする前後で、光沢の変化が小さくなり、識別コードの目視での識別性を低下させることができる。
隠蔽部は、識別コード及び基材の一部上に存在する。基材がサーマル紙である場合には、識別コードの全部を隠蔽するためにベタ層とすると、サーマルプリントする際に下の層に熱が伝わりにくくなる。また、熱が伝わった後でも、熱が伝わった部分(すなわち、識別コードの形状部分)で表面に凹凸ができて光沢が変化してしまい、識別コードを目視で識別できてしまう。
識別コードの余白部の面積の、識別コード全体の面積に対する比(識別コードの余白部の面積/識別コードの面積:識別コードの余白率)と、上記識別コード上に隠蔽部が存在しない部分の、識別コード全体の面積に対する比(識別コード上に隠蔽部が存在しない部分の面積/識別コードの面積:隠蔽部の不存在率)との差は、同程度であることが好ましい。具体的には、この差(識別コードの余白率−隠蔽部の不存在率)は、0.4以下、0.3以下、0.2以下、又は0.1以下であることが好ましい。
隠蔽部は、規則的又は不規則な線若しくは点で描かれた、多角形、円若しくは楕円、文字、模様等、識別コードを目視で読み取りにくくする印刷であれば特に制限されない。
2次元コードのコード部の1セルの辺長と、隠蔽部を構成する線の径又は点の最小径とは同程度であることが、目視で読み取りにくくするために好ましい。具体的には、隠蔽部を構成する線の径又は点の最小径の、2次元コードのコード部の1セルの辺長に対する比(隠蔽部の径/2次元コードの辺長)は、0.5以上、0.7以上、又は0.9以上であることが好ましく、かつ2.0以下、1.5以下、又は1.2以下であることが好ましい。
(他の層)
基材と隠蔽部との間には他の層を含んでもよいが、好ましくは、隠蔽部は基材に接している。また、他の層を含む場合であっても、好ましくは混色黒インキで形成されるベタ層は含まない。さらに印刷部の表面には、擦過等から印刷物を保護するためのかつ/又はサーマルプリントした際の印字跡を目立たなくするための保護層を形成することが好ましい。
<サンプル作製>
基材として、発色させると赤外光吸収がある黒色を呈する白色のサーマル紙(王子イメージングメディア株式会社製;460nm〜650nmの波長間での平均反射率が50%以上であり、880nm〜930nmの波長間での平均反射率が50%以上である白色の基材)を用いた。この基材に、フレキソテスト印刷機(フレキシプルーフ100UV、英国RKプリントコートインスツルメント社製)を用いて以下の表1の組成のインキで、隠蔽部を印刷した。
実施例1〜9で、異なるパターンの隠蔽部を印刷した。各例のパターンの詳細を表2に示す。また、実施例1、3、及び4のサンプルの写真を図3及び4に示す。比較例1及び2では、隠蔽部の代わりに、隠蔽ベタ層を形成したが、比較例2では、表1のインク組成にさらにマット剤として、架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子(テクポリマーMBX−5、積水化成品工業株式会社製)を4重量部添加したインクを用いた。これらのサンプルでは2回刷りで隠蔽部を形成した。
これらに対して、サーマルプリンタ(PX430、フェニックス株式会社製)を用いて、印字エネルギー20で、識別コードとしてQRコード(データ:56789、バージョン1、訂正レベル:標準のM、6ドット/セル、300dpi)をサーマル印字した。
<評価方法>
上記のようにして得た印刷物の、隠蔽部が上にない箇所のQRコードのコード部、及びQRコードのコード部が下にない隠蔽部の、平均反射率及びPCS値を、光学濃度計(MR−12、サカタインクスエンジニアリング株式会社製)でAフィルター(波長域460〜650nm)及びDフィルター(波長域880〜930nm)を用いて測定した。ここで、PCS値については、JIS−X9004に規定された十分な裏当て法に準拠して測定した。また、Aフィルターを用いた測定した平均反射率及びPCS値について、隠蔽部が上にない箇所のQRコードのコード部の測定値と、QRコードのコード部が下にない隠蔽部の測定値との差を求めた。これらの差が小さい場合には、コード部と隠蔽部との明度の差が小さく、目視での識別性が高くなる。
余白部面積の測定には、MYKA研究所のArea Measure(Ver.2.00、リリース日2001年12月14日、ファイル名AM20000.exe)を使用した。ここではまず、隠蔽部のない基材に2次元コードを印刷して、QRコードの余白部面積を測定し、QRコードと同じ面積でQRコードを印刷する前の各サンプルの隠蔽部の不存在部分の面積を測定した。これにより、QRコードの余白率と、隠蔽部の不存在率との余白率を計算し、その差を求めた。
隠蔽部の線の径又はチェック柄の正方形の径、及び2次元コードの1セルの辺長を、フィルムゲージで測定して、それらの比(径/セル辺長)を求めた。
2次元コードの目視での視認性を隠蔽性として評価した。2次元コードが極めて見えにくい場合には隠蔽性を○、2次元コードが見えにくい場合を△、明らかに見えてしまう場合を×として評価した。
コピー機による複写が可能かどうかを、コピー防止性として評価したところ、全てのサンプルで複写物から2次元コードを読み取ることができなかった。
<評価結果>
評価結果を以下の表2に示す。
なお、全てのサンプルの2次元コードを、読取機(BHT−845QW、株式会社デンソーウェーブ製)で読み取れることができた。
本発明の識別コード付き印刷物は、リーダーで容易に読み取ることができ、コピー機による複製も防止でき、目視での複製が容易ではなく、暗い印象を与えず、かつ製造が容易であるため、乗車券等に有用である。また、乗車券を本発明の識別コード付き印刷物で読み込む場合には、現在用いられているような大型の接触式自動改札機は不要となるため極めて有用である。
1 基材
2 識別コード
3 隠蔽部
4 隠蔽ベタ層
5 第1のカモフラージュ層
6 第2のカモフラージュ層
10 印刷物

Claims (10)

  1. 基材、前記基材に印刷されている余白部及びコード部を含む識別コード、及び前記識別コード上の一部及び前記基材上に印刷されている隠蔽部を有する印刷物であって、
    前記識別コードのコード部は、赤外光吸収性でかつ可視光吸収性であり;かつ
    前記隠蔽部は、赤外透過性でかつ可視光吸収性である、
    印刷物。
  2. 前記識別コードのコード部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合に、880nm〜930nmの波長の光に対する平均反射率が20%以下である、請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記隠蔽部は、その下に白色基材のみを配置して測定した場合に、880nm〜930nmの波長の光に対する平均反射率が65%以上である、請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 前記隠蔽部及び前記識別コードのコード部は、それぞれその下に白色基材のみを配置して測定した場合に、460nm〜650nmの波長の光に対する平均反射率が30%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷物。
  5. それぞれその下に白色基材のみを配置して測定した場合に、460nm〜650nmの波長の光に対する前記隠蔽部の平均反射率と、前記識別コードのコード部の平均反射率との差が10%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷物。
  6. 前記基材が感熱紙であり、かつ前記識別コードが、前記感熱紙にサーマルプリントされている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の印刷物。
  7. 前記識別コードの余白率と、前記隠蔽部の不存在率との差が、0.4以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の印刷物。
  8. 前記隠蔽部が、不規則な線状である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷物。
  9. 前記識別コードが2次元コードであり、前記隠蔽部の線又は点の径の、前記2次元コードの1セルの辺長に対する比が、0.5以上2.0以下の範囲である、請求項8に記載の印刷物。
  10. さらに保護層を上に有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の印刷物。
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