JP2015006748A - 偽造防止媒体用シートおよび偽造防止媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バーコード等のコードシンボルを隠蔽可能に形成した券類等の媒体を迅速に発行することを可能とする偽造防止媒体用シートおよび偽造防止媒体を提供する。【解決手段】 基材1と、基材1の一方の面に形成され、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層2と、可視光を遮蔽する特性を有し、感熱層2と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層3と、を有し、感熱層2の隠蔽層3と重なる部分には、赤外線により読み取り可能なコードシンボルが、感熱形成されていることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄道の乗車券や遊園地の入園チケット等、価値ある券類の偽造を防止するための技術に関する。
従来、チケット、金券、有価証券等の価値ある印刷物の偽造を防止するため、様々な偽造防止技術が施されている。これらの印刷物には、その表面に所定の情報を記録したバーコード等が印刷され、このバーコード等を光学的に読み取ることにより真偽を判定可能とするものもある。このバーコード等が視覚にて認識可能に形成されていると、このバーコード等を複製して偽造することができてしまう。そのため、バーコード等を視覚にて認識できないようにする技術も開発されている(特許文献1参照)。
特許第3223730号公報
上記特許文献1に記載の技術は、有価証券の表面に赤外線吸収インキでバーコード等の読取りマークを形成し、この読取りマークに重ねてプロセスインキを印刷することにより、赤外光と可視光の両方で真偽を判断するものである。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、二種類のインキを異なるタイミングで印刷しなければならず、自動発券機等において、迅速に発券することには向いていない。
そこで、本発明は、バーコード等のコードシンボルを隠蔽可能に形成した券類等の媒体を迅速に発行することを可能とする偽造防止媒体用シートおよび偽造防止媒体を提供することを課題とする。
本発明に係る偽造防止媒体用シートは、基材と、基材の一方の面に形成され、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層と、可視光を遮蔽する特性を有し、前記感熱層と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層と、を有することを特徴とする。
本発明の偽造防止媒体用シートによれば、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層を有し、この感熱層と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層を有するので、隠蔽層と重なる感熱層に作用するように感熱を行い、コードシンボルを形成することにより、真偽判定用の情報を記録した偽造防止媒体を迅速に発行することが可能となる。
また、本発明に係る偽造防止媒体は、基材と、基材の一方の面に形成され、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層と、可視光を遮蔽する特性を有し、前記感熱層と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層と、を有し、前記感熱層の前記隠蔽層と重なる部分には、赤外線により読み取り可能なコードシンボルが、感熱形成されていることを特徴とする。
本発明の偽造防止媒体によれば、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層を有し、この感熱層と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層を有し、感熱層の隠蔽層と重なる部分には、赤外線により読み取り可能なコードシンボルが、感熱形成されているので、コードシンボルの視覚による認識を防ぐ券類が迅速に発行されることになる。
本発明によれば、バーコード等のコードシンボルを隠蔽可能に形成した券類等の媒体を迅速に発行することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体用シートを示す図である。 本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体を示す図である。 本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体を用いて入場するための入場ゲート装置の外観斜視図である。 図3に示した入場ゲート装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体の赤外線照射時における平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<1.偽造防止媒体用シート>
図1は、本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体用シートを示す図である。そして、図1(a)は、本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体用シートの感熱層形成面から見た平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線に対応する断面図である。
図1において、1は基材、2は感熱層、3は隠蔽層である。本実施形態では、図1(a)(b)に示すように、感熱層2は、基材1の全面に塗布されている。感熱層2が、基材の全面に塗布されることにより感熱シートが得られる。なお、図1(b)においては、説明の便宜上、感熱シートのサイズ(図面左右方向)に比べて各層の厚みが大きく描かれているが、現実には、各層は、より薄く形成されていることは当然である。
このような感熱シートに対して、基材1の感熱層2が形成された側の所定の位置に隠蔽層3を形成する。感熱層2は、基材1の全面に形成されているため、どこに形成しても隠蔽層3と重なることになる。ただし、後述するように、感熱層2においては、後述するように、所定の情報を記録したコードシンボルが形成されるため、このコードシンボルの形成予定位置に対応する位置に、隠蔽層3を形成しておく必要がある。
基材1としては、有価証券や身分証明書等として利用するために充分な強度と印刷適性及び搬送適性を有するものであれば使用でき、例えば、上質紙、クラフト紙、複写用紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムによりラミネートされた紙等の紙や、セロファン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムが好適に用いられる。
感熱層2は、熱により赤外線吸収性を帯びる層であり、赤外線を吸収する赤外線吸収剤を含んでいる。本実施形態では、赤外線吸収剤として、熱により赤外線吸収性を帯びる物質が用いられる。赤外線吸収剤としては、キノン−ジインモニウムまたはアミニウム塩、ポリメチン(例えば、シアニン、スクアラン、クロコナイン)、フタロシアニンおよびナフタロシニン、ジチオレン、クオテリレンジイミド、六ホウ化ランタン、酸化インジウムスズ(ITO)、ナノ粒子形態の酸化アンチモンスズ(ATO)およびコーティングされたマイカ材等の公知の物質を用いることができる。
隠蔽層3は、可視光を透過せず、赤外線を透過する特性を有する層である。この隠蔽層3は、赤外線透過インクを印刷することにより形成される。赤外線透過インクとしては、可視光を透過せず、赤外線を透過する特性を有するものであれば、公知の様々なものを用いることができるが、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローの三色のインクを混ぜ合わせた混色墨インクを用いている。印刷方式としては、オフセット印刷、インクジェット印刷等、公知の印刷方式を用いることができる。ただし、感熱層2に熱を作用させないため、比較的低温で印刷できる方式を用いる。また、印刷態様としては、可視光の隠蔽性が確保されるものであれば、ベタ印刷であっても良いし、地紋等を印刷しても良い。
このように、感熱紙の感熱層2側に隠蔽層3を印刷により形成し、偽造防止媒体の用途に適した所定の大きさに断裁することにより、図1に示したような偽造防止媒体用シートが作成される。図1(a)(b)に示すように、隠蔽層3は、感熱層2の一部分に重ねて形成される。
<2.偽造防止媒体の発行>
次に、偽造防止媒体の発行について説明する。ここでは、偽造防止媒体の一例として、コンサート入場用のチケットの場合について説明する。偽造防止媒体の発行機であるチケット発券機は、金銭投入部、タッチパネル、偽造防止媒体用シート給紙部、感熱処理部、チケット発行口を有しており、利用者がチケットの代金を投入すると、チケットが発行されるようになっている。金銭投入部としては、現実の紙幣や硬貨に変えて、Felica(登録商標)等の技術を用いて、電子的に代金相当のデータの授受を行うものであっても良い。感熱処理部としては、感熱プリンタ等に用いられる公知のサーマルプリントヘッドを採用することができる。タッチパネルは、操作および表示部としての役割を果たす。
利用者は、タッチパネルを用いて、表示内容に従って所定の操作を行い、目的とするチケットの購入指示を行った後、チケット代金の投入を行う。すると、偽造防止媒体用シート給紙部から給紙された偽造防止媒体用シート(チケット用紙)の隠蔽層3の形成位置に、感熱処理部が、コードシンボルの感熱形成を行う。この発券処理により、偽造防止媒体用シートの感熱層2には、コードシンボルが感熱形成され、正式なチケットとして発券される。コードシンボルとは、記録情報を光学的に読み取るためのパターンである。コードシンボルとしては、光学的読取手段により読み取り可能であって、記録された情報を取得することが可能なものであれば、一次元のバーコードや二次元コード等の公知のコードシンボルを用いることができる。コードシンボルが感熱形成されたチケットは、チケット発行口から排出される。このように、本実施形態に係るチケットは、隠蔽層3が形成された偽造防止媒体用シートに対して、後から隠蔽層3により隠蔽されるコードシンボルを、形成することが可能になる。
<3.偽造防止媒体>
図2は、本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体を示す図である。そして、図2(a)は、本発明の一実施形態に係る偽造防止媒体の感熱層2の形成面に対して可視光を照射した状態の平面図、図2(b)は、図2(a)のB−B線に対応する断面図である。図2において、図1と同様、1は基材、2は感熱層、3は隠蔽層である。また、4は感熱層2においてコードシンボルが形成された領域であるコード形成領域である。
図2に示した偽造防止媒体であるチケットは、上述のように、図1に示した偽造防止媒体用シートに発券機により、コードシンボルを感熱形成することにより作成される。図2(a)に示すように、可視光を照射した状態では、隠蔽層3が可視光を透過させないため、感熱層2の隠蔽層3と重なる部分に形成されたコードシンボルを、人が認識することはできない。
図2(b)に示すように、コードシンボルは、感熱層2の隠蔽層3と重なる部分であるコード形成領域4に、所定のパターンで形成されている。感熱層2において、斜線で示した部分は、チケット発券機の感熱処理部により感熱が行われた部分である。感熱発色される部分を、コードシンボルを表現する所定のパターンとすることにより、コード形成領域4にコードシンボルが形成されることになる。
チケット発券の際、隠蔽層3と重ならない部分に、感熱発色を行うようにしても良い。図2の例では、「〜コンサートチケット」という文字を感熱発色させている。このように、人が認識できる文字等を発色させる場合は、感熱層2の赤外線吸収剤は、可視光に対しても吸収性を有するものである必要がある。
<4.偽造防止媒体の利用>
次に、偽造防止媒体であるチケットの利用について説明する。発券機により発券された図2に示したようなチケットは、無人の入場ゲート装置で利用することができる。図3は、入場ゲート装置の一例を示す外観斜視図である。図3において、10は入場ゲート装置、20は光学的読取部の読取面、30は開閉ゲートである。図中の斜め上向きの矢印は、入場の際の利用者の進行方向を示している。利用者がチケットを読取面20に翳し、入場ゲート装置10が、翳されたチケットを正当なものであると判断した場合に、開閉ゲート30が開くようになっている。
図4は、入場ゲート装置10の機能ブロック図である。図4において、20は読取面、21は赤外線発光部、22は赤外線受光部、23は認証手段、24は認証用情報記憶手段、25はゲート開閉制御手段である。赤外線発光部21は、赤外線を発光するものであり、所定の波長(700nm〜1000nm)の赤外線を発光するダイオード等により実現される。赤外線受光部22は、赤外線を感知可能なCCD等により実現される。認証手段23は、赤外線受光部22より得られたコードシンボル画像を解析して、記録情報を取得し、認証用情報記憶手段24に記憶されている認証用情報と照合して認証を行う。認証手段23は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)を備え、所定のプログラムをCPUが実行することにより実現される。認証用情報記憶手段24は、コードシンボルの記録情報と比較するための認証用情報を記憶したものであり、フラッシュメモリ等の公知の記憶手段により実現される。ゲート開閉制御手段25は、認証手段23からの信号に従って、開閉ゲート30の開閉を制御する手段である。
チケットを利用する際には、チケットの所持者は、図3に示したような入場ゲート装置10において、読取面20に、チケットのコード形成領域が位置するようにして、チケットを翳す。すなわち、図4に示すように、隠蔽層3、コード形成領域4が読取面20に向くようにして、チケットを翳す。チケットが翳されると、赤外線発光部21から照射された赤外線が、隠蔽層3を透過して感熱層2のコード形成領域4に達する。コード形成領域4では、感熱処理された部分のみにおいて赤外線を吸収し、感熱処理されていない部分において赤外線を反射する。コード形成領域4で反射された赤外線は、赤外線受光部22により受光される。受光の際、反射率の差により、記録されたコードシンボルの像が得られることになる。
赤外線が照射された際のチケットの表面の状態を図5に示す。図5において、破線3aは、隠蔽層3の外縁に対応する位置を示している。赤外線が照射された場合、図5に示すように、隠蔽層3に対応する位置にコードシンボルの像が得られることになる。図5の例では、コードシンボルとしてQRコード(登録商標)を採用した場合を示している。赤外線受光部22では、この像を得ることにより、コードシンボル画像を取得する。コードシンボル画像が得られたら、認証手段23が、コードシンボル画像を解析して、コードシンボルに記録されていた記録情報を取得する。さらに、認証手段23は、この記録情報を用いて、認証用情報記憶手段24に記憶されている認証用情報と照合して認証を行う。
認証の結果、チケットが正当であると判断された場合には、認証手段23は、ゲートを開くべき旨の指示信号をゲート開閉制御手段25に送信する。ゲート開閉制御手段25は、認証手段23から指示信号を受信すると、開閉ゲート30を開く制御を行う。これにより、正当なチケットの所持者は入場ゲート装置10を通過することができる。ゲート開閉制御手段25は、所定時間経過後、開閉ゲート30を閉める制御を行う。一方、認証手段23による認証の結果、チケットが正当なものでないと判断された場合には、認証手段23は、ゲート開閉制御手段25に対して信号を送信しない。この場合、開閉ゲート30は閉じられたままとなる。このため、正当でないチケットの所持者は入場ゲート装置10を通過することができない。
<5.偽造の防止>
本実施形態に係る偽造防止媒体は、図2(a)に示すように、可視光を照射した状態では、隠蔽層3によりコード形成領域4が隠蔽されることになるため、人がコード形成領域4に形成されたコードシンボルを認識することはできない。コード形成領域4に形成されたコードシンボルが赤外領域だけでなく、可視領域においても吸収特性を有し、熱により発色してしまう場合であっても、隠蔽層3により隠蔽されているため、人がコード形成領域4に形成されたコードシンボルを認識することはできない。そのため、どのような情報が記録されているかがわからず、偽造することが困難になる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、偽造防止媒体として、入場用のチケットの場合について説明したが、迅速性が必要とされる鉄道の乗車券等に用いることも可能である。
また、上記実施形態では、偽造防止媒体を用いて入場用ゲート装置の開閉を制御するための真偽判定を行ったが、単純な真偽判定や偽物の場合の警告通知等様々な態様に用いることができる。
また、上記実施形態では、隠蔽層を感熱層の一部分と重なるように形成したが、感熱層と全く同じサイズで形成しても良い。また、感熱層を基材の一部分に形成し、隠蔽層を感熱層より大きいサイズで形成するようにしても良い。
本発明の偽造防止媒体は、入場券、乗車券等の金銭的価値を有する印刷物を扱う産業に利用できる。
1・・・基材
2・・・感熱層
3・・・隠蔽層
3a・・・隠蔽層外縁
4・・・コード形成領域
10・・・入場ゲート装置
20・・・読取面
21・・・赤外線発光部
22・・・赤外線受光部
23・・・認証手段
24・・・認証用情報記憶手段
25・・・ゲート開閉制御手段
30・・・開閉ゲート

Claims (2)

  1. 基材と、
    基材の一方の面に形成され、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層と、
    可視光を遮蔽する特性を有し、前記感熱層と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層と、
    を有することを特徴とする偽造防止媒体用シート。
  2. 基材と、
    基材の一方の面に形成され、熱により赤外線吸収性を帯びる赤外線吸収剤を含む感熱層と、
    可視光を遮蔽する特性を有し、前記感熱層と少なくとも一部が重なるように形成された隠蔽層と、を有し、
    前記感熱層の前記隠蔽層と重なる部分には、赤外線により読み取り可能なコードシンボルが、感熱形成されていることを特徴とする偽造防止媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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