JP2011025451A - 印刷物の評価方法、画像形成方法、画像形成装置および印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】官能評価結果と対応するカックリングの定量的な指標を用いた評価方法およびこれを用いた画像形成方法、画像形成装置、印刷物を提供することを目的とする。
【解決手段】印刷物の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、位置の差△x、および、高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、単位長さあたりの前記アスペクト比の和を求め、前記単位長さあたりのアスペクト比△z/△xの和の大小によりカックリングの評価を行うことを特徴とする印刷物の評価方法、およびこれを用いた画像形成方法、画像形成装置、印刷物である。
【選択図】図7
【解決手段】印刷物の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、位置の差△x、および、高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、単位長さあたりの前記アスペクト比の和を求め、前記単位長さあたりのアスペクト比△z/△xの和の大小によりカックリングの評価を行うことを特徴とする印刷物の評価方法、およびこれを用いた画像形成方法、画像形成装置、印刷物である。
【選択図】図7
Description
本発明は印刷物の評価方法、画像形成方法、画像形成装置および印刷物に係り、特に、目視評価と整合する定量的な評価方法、この評価方法を用いた画像形成方法、画像形成装置、および、形成された印刷物に関する。
記録媒体の記録面にインク滴を着弾することにより記録を行うインクジェット記録装置が、プリンタ、ファクシミリ、複写装置などの画像記録装置あるいは画像形成装置として一般的に広く普及している。水性インクを用いるインクジェット記録方法では、記録媒体にインク滴を吐出して着弾させるため、インク水分により紙などの記録媒体中のセルロースの水素結合の切断、乾燥による水素結合の再結合により、記録媒体にカックル(記録媒体の吸収により、記録媒体が膨張変形する)と呼ばれる現象が生じていた。表面印刷後に印刷用紙がカックルしてしまうと、裏面印刷時に通紙ができなくなってしまったり、通紙ができても、インクジェットヘッドに当たってしまったり、塗布ムラや描画ムラが発生していた。
このようなコックリングの評価方法としては、例えば、下記の特許文献1から4には、官能評価によりランク付けを行うことが記載されている。また、特許文献5から8には、皺の数や高さからランク付けを行うことが記載されている。また、特許文献9には、印字後の紙の実長と見かけ長から紙の伸縮率をしわ指数として求め、しわ指数によりランク付けを行うことが記載されている。
しかしながら、皺の数のみ、皺の高さのみでは、人間が目視で判定した評価結果と異なることが確認された。また、紙の種類が異なると、紙の伸縮率だけでも目視による判定と対応しないことも確認された。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、官能評価結果と対応するコックリングの定量的な指標を用いた評価方法を提案するとともに、この指標が所定の範囲内に入る条件で画像を形成することにより、コックリングの良好な印刷物を得ることができる画像形成方法、画像形成装置、および、形成された印刷物を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、印刷物の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、前記位置の差△x、および、前記高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、単位長さあたりの前記アスペクト比の和を求め、前記単位長さあたりのアスペクト比△z/△xの和の大小によりコックリングの評価を行うことを特徴とする印刷物の評価方法を提供する。
請求項1によれば、印刷物の波打ち形状からプロファイルデータを作成し、隣り合った2つの極値点の位置の差および高さの差からアスペクト比を求め、このアスペクト比からコックリングの評価を行うことで、コックリングを数値化することができ、再現性と客観性を有するコックリングの評価を行うことができる。
請求項2は請求項1において、前記閾値は、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上であることを特徴とする。
請求項2によれば、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上の差を有する隣り合った2つの極値点を用いてコックリングの性能評価を行っているため、アスペクト比の和が小さい波によるノイズの影響を受けることなく、より正確に評価を行うことができる。
本発明の請求項3は、前記目的を達成するために、記録後の記録媒体の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、前記位置の差△x、および、前記高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、求めた単位長さあたりの前記アスペクト比の和に対応するコックリングの性能評価と、前記記録媒体の、浸透を示す指標である超音波減衰率と変形の度合いを示す指標である剛性との比と、の間でインクの最大付与量の関係を調べ、使用する記録媒体の超音波減衰率と剛性との比、および、コックリングの性能評価から、インクの最大付与量を算出し、前記最大付与量の範囲内でインクの付与量を制御する制御工程と、前記制御工程で制御された付与量で、前記記録媒体上にインクを付与し、画像を形成する画像形成工程と、を有することを特徴とする画像形成方法を提供する。
請求項3によれば、アスペクト比により客観性と再現性のあるコックリングの評価を行ったデータと、記録媒体の超音波減衰率と剛性の比との間で、インクの最大付与量の関係を、画像の形成前に調べておき、使用する記録媒体の超音波減衰率と剛性の比を読み込むことで、所望のコックリングの条件となるようにインクの付与量を制御している。そして、この付与量でインクを付与し、画像を形成することができるので、コックリングの良好な印刷物を製造することができる。
なお、超音波減衰率を測定することで、記録媒体への溶媒の浸透しやすさを判断することができる。コックリングは溶媒が紙にしみ込むことで発生するので、数値が小さいほどコックリングが発生しやすくなる。また、カックルは浸透だけでは決まらず、紙が硬ければ浸透してもコックリングは発生しにくくなる。つまり、剛性が高いほどコックリングは発生しにくくなる。
請求項4は請求項3において、前記閾値は、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上であることを特徴とする。
請求項4によれば、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上の差を有する隣り合った2つの極値点を用いてコックリングの性能評価を行っているため、アスペクト比の和が小さい波によるノイズの影響を受けることなく、より正確に評価を行うことができる。
請求項5は、請求項3または4において、前記記録媒体上に付与された前記インクを乾燥する乾燥工程を有し、前記乾燥工程後の前記記録媒体の残水量が3g/m2以下であることを特徴とする。
請求項5によれば、乾燥工程を有し、乾燥工程後の記録媒体の残水量を3g/m2以下と少なくしているので、さらに、コックリングの抑制を行うことができる。
本発明の請求項6は、前記目的を達成するために、記録後の記録媒体の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、前記位置の差△x、および、前記高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、求めた単位長さあたりの前記アスペクト比の和に対応するコックリングの性能評価と、前記記録媒体の、浸透を示す指標である超音波減衰率と変形の度合いを示す指標である剛性との比と、の間でインクの最大付与量の関係を有するデータテーブルと、記録媒体上にインクを描画し、画像を形成する画像形成手段と、画像形成に用いられる前記記録媒体の超音波減衰率と剛性の比を読み取る手段と、前記データテーブルから、前記画像形成に用いられる記録媒体の超音波減衰率と剛性の比に対応してインクの最大付与量を算出し、前記最大付与量の範囲内でインクの付与量を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
請求項7は請求項6において、前記閾値は、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上であることを特徴とする。
請求項8は請求項6または7において、前記記録媒体上に付与された前記インクを乾燥する乾燥手段を備え、乾燥後の前記記録媒体の残水量が3g/m2以下であることを特徴とする。
請求項6から8は、上記画像形成方法を画像形成装置として展開したものであり、請求項6から8によれば、画像形成方法と同様の効果を得ることができる。
請求項9は請求項6から8いずれか1項において、前記記録媒体の超音波減衰率の測定は、画像形成に用いられるインクの溶媒を使用して行うことを特徴とする。
請求項9によれば、超音波減衰率の測定を実際に付与するインクの溶媒を用いて行うことにより、コックリングの官能性評価と、画像形成に用いる記録媒体の超音波減衰率と剛性の比と、の関係をより正確に相関させることができるので、最適な付与量で画像の形成を行うことができる。
請求項10は請求項6から9いずれか1項において、前記記録媒体の単位長さあたりのアスペクト比の和が0.013未満であることを特徴とする。
請求項10は、単位長さあたりのアスペクト比の和を規定したものであり、上記範囲とすることにより、コックリングの抑制された良好な印刷物を得ることができる。
請求項11は請求項6から10いずれか1項において、前記画像形成手段がインクジェットヘッドであることを特徴とする。
本発明は、画像の形成にインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置において、特に、好適に行うことができる。
請求項12は請求項6から11いずれか1項において、前記インクが熱可塑性樹脂微粒子を含むことを特徴とする。
請求項12によれば、乾燥により加熱を行うことで、画像強度を向上させることができる。
請求項13は請求項6から11いずれか1項において、前記インクがUV硬化性モノマーを含み、UV照射により画像の定着を行うことを特徴とする。
請求項13によれば、インク中にUV硬化性モノマーを含み、UV照射により画像を定着させることができるので、画像強度を向上させることができるとともに、消費エネルギーを減らすことができる。
請求項14は請求項6から13いずれか1項において、前記インク中の成分を凝集または増粘させる機能を有する処理液を前記記録媒体上に付与する処理液付与手段を備えることを特徴とする。
請求項14によれば、インク中の成分を凝集または増粘させる機能を有する処理液を記録媒体上に付与しているため、インク溶媒が記録媒体に浸透することを遅くすることができる。したがって、乾燥手段による乾燥性能を向上させることができるので、コックリングをより効果的に抑制することができる。
本発明の請求項15は、前記目的を達成するために、請求項6から14いずれか1項に記載の画像記録装置により形成された印刷物を提供する。
本発明によれば、記録媒体の特性およびコックリングの条件に対応した最適なインクの付与量で画像形成を行うことができるので、コックリングの抑制された良好な印刷物を製造することができる。
本発明の印刷物の評価方法、画像形成方法、画像形成装置および印刷物によれば、単位長さあたりのアスペクト比の和によりコックリングの評価を行うことにより、官能性評価に一致する判定を数値化することができる。そして、この単位長さあたりのアスペクト比の和に基づいた官能性評価と、画像形成する記録媒体の特性からインクの最大付与量を求め、付与量を制御することで、コックリングの抑制された印刷物を製造することができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る印刷物の評価方法、画像形成方法、画像形成装置および印刷物について説明する。
[印刷物の評価方法]
本発明においては、コックリングの評価を、単位長さあたりのアスペクト比の和により行っている。従来は、コックリングは目視による官能性評価、皺の数や高さにより行っていたが、目視では、客観的な評価が得られず、皺の数や高さでは、目視により官能性評価との整合性が取れていなかった。本発明においては、印刷物(記録媒体)の波打ち形状の単位長さあたりのアスペクト比により評価を行うことで官能性評価と整合性のとれた数値でコックリングを評価することができる。
本発明においては、コックリングの評価を、単位長さあたりのアスペクト比の和により行っている。従来は、コックリングは目視による官能性評価、皺の数や高さにより行っていたが、目視では、客観的な評価が得られず、皺の数や高さでは、目視により官能性評価との整合性が取れていなかった。本発明においては、印刷物(記録媒体)の波打ち形状の単位長さあたりのアスペクト比により評価を行うことで官能性評価と整合性のとれた数値でコックリングを評価することができる。
図1に印刷物の波打ち形状のプロファイルデータを示す概略図、図2にアスペクト比の和を計算するフローチャート図を示す。
まず、印刷物の表面にあらわれる波打ち形状の断面プロファイルを取得し、図1に示すようなプロファイルデータを作成する。なお、断面は、波打ち形状の高さ方向に切断した場合の断面である。また、波打ち形状の極値点がプロファイルデータにプロットされるように、断面プロファイルは、細かい範囲で取得することが好ましい。
次に、ある測定長さLに設けられた各波の極値点(山あるいは谷)の座標In(xn、zn)および波の個数Nを求める。なお、本発明において波の個数とは、山または谷の極値点から次の谷または山の極値点までを1個の波として数えて波の個数Nを求める。
次に、図1に示すように1個目の波の極値点(谷)の座標I1(x1、z1)を取得し、2個目の波の極値点(山)の座標I2(x2、z2)を取得する。そして、1個目の波の極値点と2個目の波の極値点の座標差、位置の差△x1および高さの差△z1を以下の計算式で求める。
△x1=x2−x1、△z1=|z2−z1|
それぞれの座標差△x、△zに閾値α、βを設定し、この閾値より△xおよび△zが大きい場合にはアスペクト比r1=|△z1/△x1|の計算を行う。座標差△x、△zのいずれかが閾値未満である場合はアスペクト比rn=0として、次のステップに進む。
それぞれの座標差△x、△zに閾値α、βを設定し、この閾値より△xおよび△zが大きい場合にはアスペクト比r1=|△z1/△x1|の計算を行う。座標差△x、△zのいずれかが閾値未満である場合はアスペクト比rn=0として、次のステップに進む。
このようにして、波の個数N−1回、座標差の測定を繰返し、アスペクト比の和R=Σrnを求め、測定長さLで割ることにより単位長さあたりのアスペクト比の和Rを求める。
また、上記評価画像の形成は以下の方法により行った。
装置は後述する図10のインクジェット記録装置を用いて行った。また、オフセット印刷においても行った。記録媒体はA2グロス、A2マット紙で坪量104gsm、127gsm、157gsmの紙種を用いて31種類の記録媒体について、菊半用紙に、画像部50mm幅、非画像部50mm幅のストライプ画像を描画し、単位長さあたりのアスペクト比の和Rを測定した。
アスペクト比の計算においては、△xの閾値αを0.3mm、△zの閾値βを0.05mmとして行い、MITSUTOYO Quick Vision PROにて浮き高さを測定長さ250mmで計測した。
図3および表1に、上記方法で測定した単位長さあたりのアスペクト比の和とコックリングの官能性評価の結果を示す。
図3に示すように、単位長さあたりのアスペクト比の和が小さいほど、良好なコックリングの官能性評価が得られており、単位長さあたりのアスペクト比の和と官能性評価との間に相関性があることが確認できる。また、表1に上記条件で行った場合の、コックリングの官能性評価とアスペクト比の和Rの数値を示す。アスペクト比の和Rを0.013未満となるように、印刷物を製造することでコックリングの良好な印刷物を製造することができる。なお、アスペクト比の和Rの数値は、閾値α、βによって異なってくるため、客観的に評価を行う場合は、測定するすべてのサンプルにおいて同じ閾値α、βを用いて評価を行う必要がある。
また、比較として、従来の評価方法によるコックリングの評価を行った。図4は、記録媒体上に形成された皺の本数とコックリングの官能性評価の結果、図5は、皺の最大高さとコックリングの官能性評価の結果、図6は画像部伸び率とコックリングの官能性評価の結果である。なお官能性評価は、表1の基準に基づいて行った。
図4に示すように、皺の本数が同じであっても官能性評価の結果が異なったり、皺の本数が少なくても評価が×(記録媒体32)、逆に、多くても△であったり(記録媒体33)、皺の本数とコックリングの官能性評価が一致していないことがわかる。同様に、図5に示すように、皺の最大高さにおいて、高さが異なっていても官能性評価は同じであったり(記録媒体13、18)、高さが低くても評価が×(記録媒体32)、高くても○(記録媒体8)と一致していないことが確認できる。画像部の伸び率で評価を行った図6においても、画像部が伸びていてもカックルが良かったり(記録媒体11)、画像部の伸びは小さいがコックリングが悪かったり(記録媒体26)、伸び率においも官能性評価とは一致していなかった。
したがって、単位長さあたりのアスペクト比の和Rを用いてコックリングの評価を行うことで、数値化することができ客観性のある評価を行うことができる。
[画像形成方法]
次に、上記コックリングの評価方法を用いた画像形成方法について説明する。コックリングの発生には、記録媒体の特性およびインクの付与量も関係してくる。本発明においては、記録媒体の超音波減衰率(D)および剛性(E)と所望のコックリングの条件となるように打滴率を制御することで、コックリングの良好な印刷物を形成する。なお、本実施形態においては、画像形成方法をインクジェットにより打滴する方法で説明するため、インクの付与量はインクの打滴量として説明する。
次に、上記コックリングの評価方法を用いた画像形成方法について説明する。コックリングの発生には、記録媒体の特性およびインクの付与量も関係してくる。本発明においては、記録媒体の超音波減衰率(D)および剛性(E)と所望のコックリングの条件となるように打滴率を制御することで、コックリングの良好な印刷物を形成する。なお、本実施形態においては、画像形成方法をインクジェットにより打滴する方法で説明するため、インクの付与量はインクの打滴量として説明する。
まず、記録媒体の特性について説明する。超音波減衰率(D)は、溶媒の浸透の速さを示す。超音波減衰率(D)が小さければ記録媒体への溶媒の浸透が少ないことを示す。コックリングは溶媒が記録媒体中にしみ込むことで発生するので、超音波減衰率(D)が小さいほどコックリングが発生しにくくなる。
超音波減衰率の測定は、例えば、emtec製 EST12を用いて行うことができる。記録媒体(紙)を溶液に漬けて超音波をあて、この超音波の透過率(減衰率)を測定する。測定は、インクジェットにより画像を形成することを想定し、描画を開始してから定着完了(乾燥完了)までの時間浸漬を行い、その後のサンプルを測定する。今回の測定では、記録媒体を溶液への浸漬を開始してから5秒後のサンプルを用いた。
一方、コックリングは浸透だけでは決まらず、紙が硬ければ、溶剤が浸透してもコックリングは発生しにくい。つまり、剛性(E)が高いほどコックリングは発生しにくい。剛性の測定は、記録媒体のたわみ(自重)から曲げこわさ[mN・m]を測定することで得られる。
そして、記録媒体の超音波減衰率(D)と剛性(E)の比(超音波減衰率(D)/剛性(E))により、記録媒体の特性を表す。上述したように、超音波減衰率(D)は溶媒の浸透性を示す指標となるため、数値が小さいほどコックリングを抑制することができる。また、剛性(E)は、記録媒体の変形の度合いを示す指標となるので、数値が大きいほどコックリングを抑制することができる。したがって、記録媒体の超音波減衰率(D)/剛性(E)の数値が小さいほど、コックリングの発生を抑制することができ、高いほどコックリングが発生しやすい記録媒体であるといえる。
さらに、インクの打滴率により、記録媒体に付与する水分量が異なってくるため、打滴率が高いほど、コックリングが発生しやすくなる。
したがって、異なる記録媒体の特性を有するそれぞれの記録媒体に対して、異なる打滴率で打滴を行いアスペクト比の和Rとの関係を調べデータテーブル化しておく。アスペクト比の和Rと、記録媒体の特性である超音波減衰率(D)/剛性(E)の数値、および、打滴率の関係を表したグラフの一例を図7に示す。図7に示すように、超音波減衰率(D)/剛性(E)の数値が大きい方がアスペクト比の和Rが大きく、また、打滴率が大きい方が、アスペクト比の和Rが大きく官能性評価が悪くなっている。
図7に示す相関図では、アスペクト比の和Rが、0.013以内に入るように、記録媒体の特性、打滴率を制御することで、コックリングが許容内の印刷物を製造することができる。
なお、超音波減衰率は、測定時の記録媒体の溶液が異なれば数値が異なってくるため、画像の形成に用いられるインクの溶媒を用いて行うことが好ましい。同じ溶媒を用いて行うことで、より相関性の高いデータを作成することができる。ただし、異なる溶媒を用いた場合は、超音波減衰率を補正することで対応することが可能である。また、アスペクト比の和Rも△xの閾値α、△zの閾値βを変更することで数値が異なってくる。図7は、各数値の相関図を示す一例であり、画像形成に用いるインク条件、アスペクト比を求める条件により、異なる複数のデータテーブルを作成し、それぞれの条件にあったデータテーブルを用いて打滴率を決定することが好ましい。
次に図8を用いて打滴率決定フローを説明する。
まず、記録媒体の種類を装置に入力する。この記録媒体の種類から、装置にすでに備えられているデータテーブルから記録媒体の超音波減衰率(D)[%]と剛性(E)[mN・m]を判定する。なお、記録媒体の超音波減衰率(D)および剛性(E)は、記録媒体の種類を入力することで、判定してもよく、直接数値を入力することで判定することも可能である。
次に、図7に示すような相関図から、超音波減衰率(D)/剛性(E)−打滴率−アスペクト比の和Rの関係から、所望のアスペクト比の和R以下となる範囲の最大打滴率を決定する。そして、この決定した最大打滴率以下の打滴率で描画することにより、所望のコックリング性能を有する印刷物を形成することができる。本発明においては、アスペクト比の和Rとコックリングの官能性評価との間に客観性と再現性を有するため、所望のアスペクト比の和R以下とすることで、コックリング性能の良好な印刷物を製造することができる。
なお、図7は縦軸にアスペクト比の和R、横軸に記録媒体の超音波減衰率(D)/剛性(E)の値をとったが、図9に示すように、縦軸にアスペクト比の和、横軸に打滴率の値をとり、複数の記録媒体の特性をプロットすることで、相関図を作成し、打滴率を決定することも可能である。
なお、画像形成方法については、インクジェットにより画像を形成する方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、オフセット印刷など、他の画像形成方法においても行うことができる。
[インクジェット記録装置の全体構成]
次に、本発明の画像形成方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置の実施の形態について説明する。なお、本発明はインクジェット記録装置に限定されず他の画像形成装置でも行うことができる。
次に、本発明の画像形成方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置の実施の形態について説明する。なお、本発明はインクジェット記録装置に限定されず他の画像形成装置でも行うことができる。
図10は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図である。このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排出部122を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。
本例のインクジェット記録装置100では、記録媒体124として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体124を使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(不図示)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図10に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体124を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸着穴を設けるとともに、吸着穴から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。
本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム(第2の搬送体)170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
描画部116は、描画ドラム(第2の搬送体)170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)とすることが好ましい。インク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図10に示すように、乾燥ドラム(搬送体)176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図10に示すように、乾燥ドラム(搬送体)176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、IRヒータ182と、IRヒータ182の間に配置された温風噴出しノズル180とで構成される。
温風噴出しノズル180から記録媒体124に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各IRヒータ182の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
乾燥ドラム176は、その外周面に記録媒体124を保持して回転搬送させるドラムであり、モータドライバ(図示せず)によってその回転が駆動制御される。記録媒体124は、保持手段によって先端が保持された状態で、乾燥ドラム176を回転させることによって回転搬送される。その際、記録媒体124の記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して温風噴出しノズル180、IRヒータ182による乾燥処理が行われる。
温風噴出しノズル180は、所定の温度(たとえば50℃〜70℃)に制御された温風を一定の風量(12m3/分)で記録媒体124に向けて吹き付けるように構成され、IRヒータ182はそれぞれ所定の温度(たとえば180℃)に制御される。これらの温風噴出しノズル180、IRヒータ182によって、乾燥ドラム176に保持された記録媒体124の印字面に含まれる水分が蒸発され、乾燥処理が行われる。その際、乾燥部118の乾燥ドラム176は、描画部116の描画ドラム170に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにおいて、熱乾燥によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの不吐出を低減することができる。また、乾燥部118の温度設定に自由度があり、最適な乾燥温度を設定することができる。
なお、蒸発した水分は不図示の排出手段によりエアとともに機外に排出するとよい。また、回収されたエアを冷却器(ラジエータ)などで冷却して、液体として回収してもよい。
なお、乾燥部118による乾燥により、記録媒体124の残水量を3g/m2以下とすることが好ましい。残水量を3g/m2以下とすることにより、より効果的にコックリングを抑制することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
ハロゲンヒータ186は、所定の温度(例えば、180℃)に制御される。これにより、記録媒体124の予備加熱が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性熱可塑性樹脂を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体124は、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ188は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(たとえば60〜80℃)に制御される。この加熱ローラで記録媒体124を加熱することによって、インクに含まれる熱可塑性樹脂微粒子のTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、熱可塑性樹脂微粒子が溶融される。これにより、記録媒体124の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図10の実施形態では、定着ローラ188を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みや熱可塑性樹脂微粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ190は、記録媒体124に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内の熱可塑性樹脂微粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体124に固定定着させることができる。また、定着ドラム184の表面温度を50℃以上に設定することで、定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体124を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
また、インク中にUV硬化性モノマーを含有させた場合は、乾燥部で水分を充分に揮発させた後に、UV照射ランプを備えた定着部で、画像にUVを照射することで、UV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
(排出部)
図10に示すように、定着部120に続いて排出部122が設けられている。排出部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。
図10に示すように、定着部120に続いて排出部122が設けられている。排出部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。
また、図には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
[制御系の説明]
図11は、本実施形態のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図11は、本実施形態のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置100は、システムコントローラ400、通信インターフェース402、画像メモリ404、給紙制御部406、処理液付与制御部410、描画制御部412、乾燥制御部414、定着制御部416、排出制御部418、操作部420、表示部422等を備えている。
システムコントローラ400は、インクジェット記録装置100の各部を制御する制御部であるとともに、各種の演算処理を行う演算処理部であり、CPU、ROM、RAM等を備えて構成されている。このシステムコントローラ400は、所定の制御プログラムに従ってインクジェット記録装置100の各部を制御する。ROMには、このシステムコントローラ400が実行する制御プログラムや制御に必要な各種データが格納されている。
通信インターフェース402は、ホストコンピュータ430から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。ホストコンピュータ430から送出された画像データは、この通信インターフェース402を介してインクジェット記録装置100に取り込まれる。
画像メモリ404は、画像データを一時的に記憶する記憶手段であり、システムコントローラ400を通じてデータの読み書きが行われる。通信インターフェース402を介してホストコンピュータ430から取り込まれた画像データは、この画像メモリ404に格納される。
給紙制御部406は、システムコントローラ400からの指令に応じて給紙部112を構成する各部(給紙胴152等)の駆動を制御する。
処理液付与制御部410は、システムコントローラ400からの指令に応じて処理液付与部114を構成する各部(処理液ドラム154、処理液塗布装置156等)の駆動を制御する。
描画制御部412は、システムコントローラ400からの指示に従って描画部116を構成する各部(描画ドラム170、インクヘッド172M、172K、172C、172Y等)の駆動を制御する。
乾燥制御部414は、システムコントローラ400からの指示に従って乾燥部118を構成する各部(乾燥ドラム176、溶媒乾燥装置178等)の駆動を制御する。また、乾燥ドラム176の温度を制御する。
定着制御部416は、システムコントローラ400からの指示に従って定着部120を構成する各部(定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188等)の駆動を制御する。
排出制御部418は、システムコントローラ400からの指示に従って排出部122を構成する各部(渡し胴194、搬送ベルト196等)の駆動を制御する。
操作部420は、所要の操作手段(操作ボタンやキーボード、タッチパネル等)を備え、その操作手段から入力された操作情報をシステムコントローラ400に出力する。
本発明においては、ROMにアスペクト比の和Rと記録媒体の特性と打滴率のデータテーブルを格納しておく。記録媒体に描画する際は、使用する記録媒体、または、記録媒体の超音波減衰率(D)および剛性(E)の値をホストコンピュータ430に入力し、読み込む。記録媒体の種類を入力する場合は、記録媒体の種類と超音波減衰率(D)/剛性(E)のデータテーブルも格納しておく必要がある。また、所望のコックリングとなるように、アスペクト比の和Rもしくは対応するコックリングの官能性評価の結果を入力する。
記録媒体の種類およびアスペクト比の和Rに基づいて、ROMに格納されたデータテーブルから最大打滴率が決定される。この最大打滴率に基づいて描画制御部412は、描画部116を構成する各部を制御し、最大打滴率以下で描画を行うように制御する。
表示部422は、所要の表示装置(LCDパネル等)を備え、システムコントローラ400からの指示に従って所要の情報を表示装置に表示させる。
上記のように、画像データは、ホストコンピュータ430から通信インターフェース402を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、画像メモリ404に格納される。システムコントローラ400は、この画像メモリ404に格納された画像データに所要の信号処理を施して、ドットデータを生成する。そして、生成したドットデータに従って描画部116のインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を記録媒体124に印刷する。
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。
色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(たとえば、RGB8ビットの画像データ)をインクジェットで使用するインクの各色の色データ(本例では、KCMYの色データ)に変換する処理である。
ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色の色データに対して誤差拡散等の処理で各色のドットデータ(本例では、KCMYのドットデータ)に変換する処理である。
システムコントローラ400は、画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行ってCMYKの各色のドットデータを生成する。そして、生成した各色のドットデータに従って、対応するインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を記録媒体124に印刷する。
[印刷物]
上記画像形成方法および画像形成装置により製造された印刷物は、所望のコックリング条件となるように、インクの付与量を制御しているため、コックリングの抑制された印刷物を製造することができる。
上記画像形成方法および画像形成装置により製造された印刷物は、所望のコックリング条件となるように、インクの付与量を制御しているため、コックリングの抑制された印刷物を製造することができる。
[記録媒体]
本発明では、記録媒体の特性に応じて、アスペクト比の和Rを基に記録媒体に付与する打滴率を決定しているので、記録媒体は特に限定されず使用することができる。
本発明では、記録媒体の特性に応じて、アスペクト比の和Rを基に記録媒体に付与する打滴率を決定しているので、記録媒体は特に限定されず使用することができる。
好ましい記録媒体としては、市販の板紙、キャストコート紙、アート紙、コート紙、微コート紙、上質紙、コピー用紙、再生紙、合成紙、中質紙、感圧紙、エンボス紙、等のグロスあるいはマット紙が好適に使用され、インクジェット専用紙も使用できる。また樹脂フィルムや金属蒸着フォルム等も使用可能である。記録媒体の例としては、OKエルカード+(王子製紙社製)、SA金藤+(王子製紙社製)、サテン金藤N(王子製紙社製)、OKトップコート+(王子製紙社製)、ニューエイジ(王子製紙社製)、特菱アート両面N(三菱製紙社製)、特菱アート片面N(三菱製紙社製)、ニューVマット(三菱製紙社製)、オーロラコート(日本製紙社製)、オーロラL(日本製紙社製)、ユーライト(日本製紙社製)、リサイクルコートT-6(日本製紙社製)、リサイクルマットT-6(日本製紙社製)、アイベストW(日本板紙社製)、インバーコートM(SPAN CORPORATION社製)、ハイマッキンレーアート(五條製紙社製)、キンマリHi-L(北越製紙社製)、Signature True(Newpage corporation社製)、Sterling Ultra(Newpage corporation社製)、Anthem(Newpage corporation社製)、Hanno Art Silk(Sappi社製)、Hanno Art gross(Sappi社製)、Consort Royal Semimatt(Scheufelen社製)、Consort Royal Gross(Scheufelen社製)、Zanders Ikono Silk(m-real社製)、Zanders Ikono Gross(m-real社製)、の坪量60〜350g/m2のものを挙げることができる。
[インク]
本発明の実施に用いられるインクは、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料や熱可塑性樹脂微粒子などを含有する水性顔料インクが用いられる。
本発明の実施に用いられるインクは、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料や熱可塑性樹脂微粒子などを含有する水性顔料インクが用いられる。
溶媒不溶性材料の濃度は、吐出に適切な粘度20mPa・s以下を考慮して1wt%以上20wt%以下であることが好ましい。より好ましくは画像の光学濃度を得るために4wt%以上の顔料濃度である。
インクの表面張力は、吐出安定性を考慮して20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。
インクに使用される色材は、顔料あるいは染料と顔料とを混合して用いることができる。処理液との接触時における凝集性の観点から、インク中で分散状態にある顔料の方がより効果的に凝集するため好ましい。顔料の中でも、分散剤により分散されている顔料、自己分散顔料、樹脂により顔料表面を被覆された顔料(マイクロカプセル顔料)、及び高分子グラフト顔料が特に好ましい。また、顔料凝集性の観点から、解離度の小さいカルボキシル基によって修飾されている形態がより好ましい。
本発明に用いる着色インク液には、処理液と反応する成分として、着色剤を含まない熱可塑性樹脂微粒子を添加することが好ましい。熱可塑性樹脂微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。特に、アニオン性の熱可塑性樹脂微粒子をインクに含有せしめることにより、安全性の高いインクが得られる。
処理液と反応して、増粘・凝集作用を起こす熱可塑性樹脂微粒子をインクに用いることにより、画像の品位を高めることができると同時に、熱可塑性樹脂微粒子の種類によっては、熱可塑性樹脂微粒子が記録媒体で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
ポリマーインクでの分散方法はエマルジョンに限定するものではなく、溶解していても、コロイダルディスパージョン状態で存在していてもよい。
熱可塑性樹脂微粒子は、乳化剤を用いて熱可塑性樹脂微粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては、通常、低分子量の界面活性剤が用いられているが、高分子量の界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型の熱可塑性樹脂微粒子(粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプの熱可塑性樹脂微粒子)を用いることも好ましい。
インクに熱可塑性樹脂微粒子として添加する樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂微粒子への高速凝集性付与の観点から、解離度の小さいカルボン酸基を有するものがより好ましい。カルボン酸基はpH変化によって影響を受けやすいので、分散状態が変化しやすく、凝集性が高い。
熱可塑性樹脂微粒子のpH変化に対する分散状態の変化は、アクリル酸エステルなどのカルボン酸基を有する、熱可塑性樹脂微粒子中の構成成分の含有割合によって調整することができ、分散剤として用いるアニオン性の界面活性剤によっても調整可能である。
熱可塑性樹脂微粒子の樹脂成分は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。疎水性部分を有することで、熱可塑性樹脂微粒子の内側に疎水部分が配向し、外側に親水部分が効率よく外側に配向され、液体のpH変化に対する分散状態の変化がより大きくなる効果があり、凝集がより効率よく行われる。
また、熱可塑性樹脂微粒子を、インク内に2種以上混合して含有させて使用してもよい。
本発明のインクに添加するpH調整剤としては中和剤として、有機塩基、無機アルカリ塩基を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましい。
本発明のインクは、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
水溶性有機溶媒としては、処理液の場合と同様に、例えば、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。
その他必要に応じ、界面活性剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
また、インク中にUV硬化性モノマーを含有させることで、乾燥部で水分を充分に揮発させた後に、UV照射ランプを備えた定着部で、画像にUVを照射することで、UV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
UV硬化性モノマーは、重合開始剤などから発生するラジカルなどの開始種により重合または架橋反応を生起し、これらを含有する組成物を硬化させる機能を有するものである。
UV硬化性モノマーは、ラジカル重合反応、二量化反応など公知の重合又は架橋反応を生起する重合性又は架橋性材料を適用することができる。例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、マレイミド基を側鎖に有する高分子化合物、芳香核に隣接した光二量化可能な不飽和二重結合を有するシンナミル基、シンナミリデン基やカルコン基等を側鎖に有する高分子化合物などが挙げられる。中でも、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物がより好ましく、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する化合物(単官能又は多官能化合物)から選択されるものであることが特に好ましい。具体的には、本発明に係る産業分野において広く知られるものの中から適宜選択することができ、例えば、モノマー、プレポリマー(すなわち2量体、3量体及びオリゴマー)及びそれらの混合物、並びにそれらの共重合体などの化学的形態を持つものが含まれる。
UV硬化性モノマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いることができるUV硬化性モノマーとしては、特に、ラジカル開始剤から発生する開始種により重合反応を起こさせる各種公知のラジカル重合性のモノマーを用いることが好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、ビニルエーテル類及び内部二重結合を有する化合物(マレイン酸など)等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをさし、「(メタ)アクリル」は、「アクリル
」、「メタクリル」の双方又はいずれかをさす。
」、「メタクリル」の双方又はいずれかをさす。
[処理液]
本発明の実施に際して用いることができる処理液(凝集処理液)として、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料および熱可塑性樹脂微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液が好ましい。
本発明の実施に際して用いることができる処理液(凝集処理液)として、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料および熱可塑性樹脂微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液が好ましい。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
処理液はインクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
また、処理液は、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水、その他添加剤溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水、その他添加剤溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。これらの溶媒は、水,その他添加剤と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分を更に含有してもよい。樹脂成分は、処理液をインクジェット方式によって打滴する場合ヘッドからの吐出性を損なわないもの、保存安定性があるものであればよく、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンなどを自由に用いることができる。
その他必要に応じ、界面活性剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
100…インクジェット記録装置、112…給紙部、114…処理液付与部、116…描画部、118…乾燥部、120…定着部、122…排出部、124…記録媒体、154…処理液ドラム、156…処理液塗布装置、170…描画ドラム、172M、172K、172C、172Y…インクジェットヘッド、176…乾燥ドラム、180…温風噴出しノズル、182…IRヒータ、184…定着ドラム、186…ハロゲンヒータ、188…定着ローラ、192…排出トレイ、196…搬送ベルト
Claims (15)
- 印刷物の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、
隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、
前記位置の差△x、および、前記高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、単位長さあたりの前記アスペクト比の和を求め、
前記単位長さあたりのアスペクト比△z/△xの和の大小によりコックリングの評価を行うことを特徴とする印刷物の評価方法。 - 前記閾値は、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物の評価方法。
- 記録後の記録媒体の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、前記位置の差△x、および、前記高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、求めた単位長さあたりの前記アスペクト比の和に対応するコックリングの性能評価と、前記記録媒体の、浸透を示す指標である超音波減衰率と変形の度合いを示す指標である剛性との比と、の間でインクの最大付与量の関係を調べ、
使用する記録媒体の超音波減衰率と剛性との比、および、コックリングの性能評価から、インクの最大付与量を算出し、前記最大付与量の範囲内でインクの付与量を制御する制御工程と、
前記制御工程で制御された付与量で、前記記録媒体上にインクを付与し、画像を形成する画像形成工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。 - 前記閾値は、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体上に付与された前記インクを乾燥する乾燥工程を有し、
前記乾燥工程後の前記記録媒体の残水量が3g/m2以下であることを特徴とする請求項3また4に記載の画像形成方法。 - 記録後の記録媒体の波打ち形状の断面プロファイルを示すプロファイルデータから極値点を抽出し、隣り合った2つの極値点間で位置の差△x、高さの差△zを求め、前記位置の差△x、および、前記高さの差△zのそれぞれにおいて設定された所定の閾値以上を満たすもののアスペクト比△z/△xを計算し、求めた単位長さあたりの前記アスペクト比の和に対応するコックリングの性能評価と、前記記録媒体の、浸透を示す指標である超音波減衰率と変形の度合いを示す指標である剛性との比と、の間でインクの最大付与量の関係を有するデータテーブルと、
記録媒体上にインクを描画し、画像を形成する画像形成手段と、
画像形成に用いられる前記記録媒体の超音波減衰率と剛性の比を読み取る手段と、
前記データテーブルから、前記画像形成に用いられる記録媒体の超音波減衰率と剛性の比に対応してインクの最大付与量を算出し、前記最大付与量の範囲内でインクの付与量を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記閾値は、△xが0.3[mm]以上、△zが0.05[mm]以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体上に付与された前記インクを乾燥する乾燥手段を備え、
乾燥後の前記記録媒体の残水量が3g/m2以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。 - 前記記録媒体の超音波減衰率の測定は、画像形成に用いられるインクの溶媒を使用して行うことを特徴とする請求項6から8いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体の単位長さあたりのアスペクト比の和が0.013未満であることを特徴とする請求項6から9いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段がインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項6から10いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記インクが熱可塑性樹脂微粒子を含むことを特徴とする請求項6から11いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記インクがUV硬化性モノマーを含み、UV照射により画像の定着を行うことを特徴とする請求項6から11いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記インク中の成分を凝集または増粘させる機能を有する処理液を前記記録媒体上に付与する処理液付与手段を備えることを特徴とする請求項6から13いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 請求項6から14いずれか1項に記載の画像形成装置により形成された印刷物。
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JP2009171399A JP2011025451A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | 印刷物の評価方法、画像形成方法、画像形成装置および印刷物 |
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JP2019195940A (ja) * | 2018-05-10 | 2019-11-14 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置及び記録媒体の浮き上がりの検出方法 |
CN112707224A (zh) * | 2019-10-24 | 2021-04-27 | 精工爱普生株式会社 | 后处理装置及印刷系统 |
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