JP2011023969A - 周波数補正装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の周波数補正装置は、FSK変調された受信信号を復調する受信機に設けられるキャリアオフセットを、同期ワードの各シンボルにより検出し、搬送波周波数のキャリアオフセットを補正する回路であり、シンボルの受信レベルと、シンボルの予め設定されたレベル閾値による判定結果に対応する受信レベルとのレベル差を求め、相関器のシンボル数分蓄積するオフセット量検出部と、相関器からのピーク信号で、レベル差が正の値と負の値とのシンボルの数の差分を求める計数部と、オフセット量検出部におけるレベル差の同期ワードの積分値を求めるオフセット量計算部と、差分に応じて積分値から受信信号のキャリアオフセット量を求め、受信信号の受信レベルを補正するオフセット補正部とを有している。
【選択図】図1
Description
この受信信号の復調を行う際、受信信号にキャリアオフセットがある場合、受信信号の検出において、誤検出を起こして実際と異なるシンボルの値が得られることになる。
そのため、復調時には、キャリアオフセットを検出し、検出したキャリアオフセットにより受信信号の補正を行っている。
このため、受信信号の受信を開始する時点においては、それ以前の受信信号の入力がないため、上記長時定数のフィルタリング処理により、キャリアオフセットを得ることができない。
上述した理由のため、受信処理を開始する時点において、既知シンボルである同期ワードを用いて、キャリアオフセットの推定を行うことが、一般的に行われている。
このため、ノイズ成分を含んだ誤ったオフセットキャリアにより、入力される受信信号の補正を行うため、シンボルを誤って復調してしまう復調エラー率を増加させる問題がある。
この結果、本発明によれば、差分の大小により、算出したキャリアオフセット量の確からしさを判定し、確からしさに対応したキャリアオフセット量により受信信号の信号レベルを補正するので、誤ったキャリアオフセット量による復調エラー率の増加を低減することができる。
図1の受信機は、アンテナA、周波数変換部1、FM検波部2、加算器3、シンボルデータ判定部4、相関部5、復調部6及び周波数補正部7を有している。
アンテナAは、FSK変調された受信信号、例えば、4値FSK(Frequency Shift Keying)であるAPCO/P25のC4FM(Constant Envelope 4-Level Frequency Modulation)のRF信号を受信する。
周波数変換部1は、入力されるRF信号をダウンコンバートして受信信号とし、同相成分D_Iと、直交成分D_Qとに分解する。
加算器3は、後述する周波数補正部7の出力するキャリアオフセット量を、受信信号のデジタルベースバンド信号に加算し、デジタルベースバンド信号の示す周波数の制御を行う。
例えば、デジタルベースバンド信号の周波数偏差をfRとした場合、以下の範囲にて、各シンボルが−f、−f/3、+f/3、+fであるかが、シンボルデータ判定部4において判定される。
+fとされる第1の閾値範囲 fR≧f/2
+f/3とされる第2の閾値範囲 0≦fR<f/2
−f/3とされる第3の閾値範囲 −f/2<fR<0
−fとされる第4の閾値範囲 −f/2≦fR
ここで、相関部5は、シンボルデータが入力される毎に、相関値を求め、予め設定している設定値を超えた場合、その時点に入力されているシンボルデータが、同期ワードに設定された既知のシンボルデータと高い相関を持つ配列であり、フレーム同期が取得されたことを示すピーク信号を出力する。
また、同期ワードのシンボルのパターンは、既知のシンボルデータとして、図2に示すように、+fと−fとの2値の組み合わせにより構成されている。図2は、予め設定されている同期ワードの既知のシンボルのパターンを示す図であり、同期ワードのシンボル数が24個であり、横軸が24個のシンボルをそれぞれ示し、縦軸が周波数偏差を示している。図2において、「3」がfに対応し、「1」がf/3に対応し、「−1」が−f/3に対応し、「−3」が−fに対応している。
復調部6は、フレーム同期が取得された後、すなわち上記ピーク信号が入力されると、同期ワード以降のデータのシンボルを順次入力し、入力する各シンボルを、周波数偏差に対応してビットデータに復調する。
オフセット量検出部71は、各シンボル毎に、入力されたデジタルベースバンド信号の周波数偏差と、シンボルデータ判定部4において判定された各シンボルの判定された周波数偏差との差を示すレベル差を検出して内部の記憶部に記憶する。
例えば、図3に示すようにf/4のキャリアオフセットがある場合、シンボル#0において、実際のシンボルの周波数偏差のレベルが5f/4であり、相関部5に設定されている既知のシンボルの周波数偏差のレベルがfであると、レベル差はf/4となり、またシンボル#5において、実際のシンボルの周波数偏差のレベルが−3f/4であり、相関部5に設定されている周波数偏差のレベルが−fであると、レベル差は同様にf/4となる。
また、オフセット量検出部71の記憶部は、相関部5と同様にシフトレジスタ構成となっており、相関部5に記憶されているシンボルの順番に対応して、シンボル毎のレベル差を記憶している。
オフセット量計算部73は、相関部5からピーク信号が入力されると、オフセット量検出部71の記憶部に記憶されている各シンボルのレベル差を加算し(レベル差を積分し)、この加算値(積分値)をシンボル数により除算して、レベル差の平均値であるキャリアオフセット量を求め、オフセット補正部74に出力する。
例えば、オフセット補正部74は、差分の絶対値が12以下であれば、キャリアオフセット量に係数として1/2を乗じて補正キャリアオフセット量とし、差分の絶対値が12を超えればキャリアオフセット量に係数として1を乗じて、すなわちキャリアオフセット量を補正キャリアオフセット量として出力する。また、|差分|/(同期ワードのシンボル数)を係数αとしても良い。
受信信号にキャリアオフセットがあり、かつノイズが重畳した際、ノイズ量が少ない場合、図4に示すように、キャリアオフセットはシンボル毎にばらつくだけで、図3のノイズが重畳しておらずキャリアオフセットのみの場合と同様に、キャリアオフセットの極性(レベル差が負か正か)については一致した結果が得られる。ここで、同期ワードにおけるレベルの判定は、すでに記載したように、0以上であれば周波数偏差がf(図における3)であり、0未満であれば周波数偏差が−f(図における−3)としている。
上記図4は、予め設定されている同期ワードの既知のシンボルのパターンを示す図であり、同期ワードのシンボル数が24個であり、横軸が24個のシンボルをそれぞれ示し、縦軸が周波数偏差を示している。この図4において、実線の丸が相関部5におけるシンボルのレベルの設定値であり、実線が入力される受信信号のシンボルの周波数偏差を示している。
上記図5は、予め設定されている同期ワードの既知のシンボルのパターンを示す図であり、同期ワードのシンボル数が24個であり、横軸が24個のシンボルをそれぞれ示し、縦軸が周波数偏差を示している。この図5において、実線の丸は相関部5に設定された周波数偏差のレベルの位置にあるシンボルであり、実線が入力される受信信号のシンボルの周波数偏差を示しており、破線の丸はノイズにより相関部5に設定されたシンボルのレベルと異なる周波数偏差のレベルとして判定されたシンボルを示している。また、オフセットの方向として、レベル差が正(+)のシンボルと負(−)のシンボルとの差分が−2となり、図4の+24と比較すると、レベル差の信頼性、すなわちキャリアオフセット量の信頼性が低いことが判る。
フレームの受信を開始した際、オフセット補正部74は補正キャリアオフセット量の初期値は「0」とする。
シンボルデータ判定部4は、加算器3から順次入力される受信信号のシンボルを、周波数偏差が0以上か、0未満かにより判定し、判定した結果の周波数偏差を相関部5及びオフセット量検出部71に時系列に出力する(ステップS1)。
周波数偏差が入力されると、オフセット量検出部71は、判定された結果の周波数偏差と、入力された状態の周波数偏差との差分をレベル差として算出し(ステップS2)、シフトレジスタ構成の記憶部に順次格納していく。
上記ピーク信号が入力されると、計数部72は、オフセット量検出部71の記憶部を参照し、レベル差が正のシンボル数と、レベル差が負のシンボル数との差分を算出し(ステップS4)、算出した差分をオフセット補正部74へ出力するとともに、処理をステップS5へ進める。
上記差分及びキャリアオフセット量が入力されると、オフセット補正部74は、シンボル数の差分に対応してキャリアオフセット量を補正し(ステップS6)、補正キャリアオフセット量として加算器3へ出力するとともに、処理をステップS7へ進める。
オフセット補正部74は、加算器3に対する補正キャリアオフセット量の出力回数が2回目か否かの判定を行い(ステップS7)、1回目であれば処理をステップS1へ進め、2回目であれば処理をステップS8へ進める。
図示しないデータオフセット量生成部が、同期ワード部におけるキャリアオフセット量の算出の1回目から、同期ワード部以降のデータのシンボルにおけるレベル差を求め、このレベル差を積分(積算)しており、上記2回目以降はこの積分値をキャリアオフセット量として加算器3に対して供給する。
すなわち、上記データオフセット量生成部は、レベル差の差分としてキャリアオフセット量を用い(加算器3に供給し)、長時定数のフィルタリング処理(判定値と入力値との差分の積分値をキャリアオフセットとして求める処理)として、キャリアオフセットの補正処理を行う。
このため、ノイズの影響によるキャリアオフセット量の信頼性を判定し、信頼性に対応したキャリアオフセットの補正を行うため、信頼性が低くかつ誤ったキャリアオフセット量による補正の影響を抑制することができ、誤ったシンボルの周波数変調に基づく復調エラーを低減させることができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
2…FM検波部
3…加算器
4…シンボルデータ判定部
5…相関部
6…復調部
7…周波数補正部
71…オフセット量検出部
72…計数部
73…オフセット量計算部
74…オフセット補正部
A…アンテナ
Claims (4)
- FSK(Frequency Shift Keying)変調された受信信号を復調する受信機におけるキャリアオフセットを、相関器によりフレーム同期を取得する際に用いる同期ワードの各シンボルにより検出し、検出結果に基づいて、前記受信機と送信機との間の搬送波周波数の前記キャリアオフセットを補正するキャリアオフセット補正回路であり、
入力される前記シンボルの受信レベルと、当該シンボルの予め設定されたレベル閾値による判定結果に対応する受信レベルとのレベル差を求め、相関器のシンボル数分蓄積するオフセット量検出部と、
前記シンボルが入力される前記相関器からのピーク信号により、前記レベル差が正の値及び0と負の値とのシンボルの数の差分を求める計数部と、
前記ピーク信号により、前記オフセット量検出部における前記レベル差の前記同期ワードにおける積分値を求めるオフセット量計算部と、
前記差分に応じて、前記積分値から前記受信信号のキャリアオフセット量を求め、受信信号の受信レベルを補正するオフセット補正部と
を有していることを特徴とする周波数補正装置。 - 前記オフセット補正部が、前記差分と予め設定された閾値とを比較し、当該差分が前記閾値より低い場合、前記キャリアオフセット量に前記閾値に対応した係数を乗じ、受信信号の受信レベルを補正することを特徴とする請求項1に記載の周波数補正装置。
- 前記オフセット補正部が、前記同期ワードにおけるシンボル毎の差分を積算して積分値を算出し、積分値をシンボル数にて除算して前記キャリアオフセット量を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周波数補正装置。
- FSK(Frequency Shift Keying)変調された受信信号を復調する受信機におけるキャリアオフセットを、相関器によりフレーム同期を取得する際に用いる同期ワードの各シンボルにより検出し、検出結果に基づいて、前記受信機と送信機との間の搬送波周波数の前記キャリアオフセットを補正するキャリアオフセット補正方法であり、
オフセット量検出部が、入力される前記シンボルの受信レベルと、当該シンボルの予め設定されたレベル閾値による判定結果に対応する受信レベルとのレベル差を求め、相関器のシンボル数分蓄積するオフセット量検出過程と、
計数部が、前記シンボルが入力される前記相関器からのピーク信号により、前記レベル差が正の値及び0と負の値とのシンボルの数の差分を求める計数過程と、
オフセット量計算部が、前記ピーク信号により、前記オフセット量検出部における前記レベル差の前記同期ワードにおける積分値を求めるオフセット量計算過程と、
オフセット補正部が、前記差分に応じて、前記積分値から前記受信信号のキャリアオフセット量を求め、受信信号の受信レベルを補正するオフセット補正過程と
を有していることを特徴とする周波数補正制御方法。
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