JP2011023403A - 遮光装置、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

遮光装置、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮光部によって遮光する場合に、遮光部に入射する放射ビームの反射を抑制できる。
【解決手段】スリット装置40は、露光光の一部を遮光するための第3遮光部44を備えている。第3遮光部44は、露光光の進行方向における光源側に位置し、当該露光光が入射可能な入射部51と、該入射部51を介した露光光(即ち、遮光光SL)が導かれる光導波路50と、該光導波路50内に入射した遮光光SLの一部を反射可能な内側面49とを有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射ビームの一部を遮光するための遮光部を備える遮光装置、該遮光装置を備える露光装置及び該露光装置を用いるデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体集積回路などのマイクロデバイスを製造するための露光装置は、所定のパターン(回路パターンなど)が形成されたレチクルなどのマスクを照明するための照明光学系と、マスクを介した露光光で基板を照射するための投影光学系とを備えている。照明光学系には、オプティカルインテグレータなどの各種光学部材と、遮光装置の一種としてスリット装置とが設けられている。このスリット装置は、走査露光時に発生する基板に対する照射むらを抑制するための装置である(特許文献1参照)。
すなわち、スリット装置は、マスクと光学的に共役な位置又はその近傍に配置されている。また、スリット装置は、基板及びマスクの走査方向と略直交する非走査方向に沿って配置される複数のブレードを備え、該各ブレードによってスリット(即ち、開口)が囲み形成されている。そして、スリットを通過した露光光がマスクに向けて射出される。また、スリット装置には、各ブレードの走査方向における位置を個別に調整するための複数の調整機構が設けられており、各ブレードは、それらに個別対応する各調整機構の駆動によって個別に走査方向に沿ってそれぞれ進退移動可能である。すなわち、各ブレードの走査方向における位置をそれぞれ調整することにより、スリットの形状が調整され、結果として、基板を走査露光する際に生じる照射むらが抑制されていた。
特開2005−167232号公報
ところで、近年では、半導体集積回路の高集積化及び該高集積化に伴うパターン像の微細化を図るために、投影光学系の更なる高解像度化が要望されている。そのため、露光装置に用いる露光光の短波長化が進み、EUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光として用いるEUV露光装置の開発が行われている。
EUV露光装置に露光光を供給する光源装置は、レーザ励起型プラズマ光源や放電型プラズマ光源が用いられる。そのため、光源装置から供給される露光光は、光源の特性上、単一波長で構成されるのではなく、複数の波長の光から構成される。こうした露光光が上記スリット装置に入射する場合、各ブレードによって遮光される露光光(「遮光光」ともいう。)のうち一部の遮光光は、その波長とブレードを構成する材料との関係上、各ブレードによって吸入される。ところが、各ブレードに吸収されない残りの遮光光は、その波長とブレードを構成する材料との関係上、各ブレードから反射される。そして、各ブレードによって反射された光(「反射光」ともいう。)は、露光装置内の複数箇所で反射を繰り返し、マスクの照明領域内や基板の照射領域に入射する可能性がある。この場合、マスクや基板には、本来露光処理時に不必要な光が入射することになり、基板へのパターン形成時に不具合が発生するおそれがあった。
13.5nm程度の波長を有する光に対するミラーなどの反射率は、一般的に、斜入射以外の場合(即ち、入射角が0(零)°に近い場合)には低くなる。しかし、連続した複数の波長を有する光を露光光として用いる場合、回折格子で露光光を反射させたとしても、高次光成分がレチクルに入射する可能性がある。また、レチクルブラインドに光源装置側で発生したデブリ(錫や炭素など)が付着した場合、付着したデブリが鏡として機能し、該鏡で反射した光が迷光となって投影光学系内に入射する可能性がある。
また、経時的に発生した照射むらや照明条件の変更に伴って発生した照射むらを補正するために、ブレードを移動させた場合に、該ブレードに付着していたデブリが剥離する可能性がある。また、ブレードで露光光の一部を遮光する際に、遮光する光によってブレードや該ブレードに付着するデブリが発熱し、該デブリがブレードから剥離する可能性もある。このようにブレードから剥離したデブリによって、レチクルや露光装置内が汚染されることもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光部によって遮光する場合に、遮光部に入射する放射ビームの反射を抑制できる遮光装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図13に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の遮光装置は、放射ビーム(EL)の一部を遮光可能な遮光部(41,41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)を備えた遮光装置(40,40A,40B,40C,40D,40E)において、前記遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)は、前記放射ビーム(EL)の進行方向における光源(12)側に位置し、当該放射ビーム(EL)が入射可能な入射部(51,61a,62a)と、該入射部(51,61a,62a)を介した前記放射ビーム(EL)が導かれる誘導部(50,63,113)と、該誘導部(50,63,113)内に入射した放射ビーム(EL)の一部を反射可能な反射面(49,64,112)と、を有することを要旨とする。
上記構成によれば、遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)によって遮光される光(「遮光光」ともいう。)は、入射部(51,61a,62a)を介して誘導部(50,63,113)内に進入する。このとき、遮光光のうち遮光部で反射する光の光量は、従来の場合に比して少なくなる。また、遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)によって、放射ビームの光路外からマスクに入射しようとする迷光の遮光にも貢献可能である。
また、遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)内には、光源装置側で発生したデブリが流入することがある。こうしたデブリは、遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)内に付着したり、該遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)内を介して外部に排出されたりする。そのため、デブリが鏡として機能する可能性が低減され、露光装置内での迷光の発生が抑制される。また、遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)内に流入したデブリが遮光部(41A,43,43A,43B,44,44A,44B,44C)外に流出してマスクなどに付着する可能性が低減される。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、遮光部によって遮光する場合に、遮光部に入射する放射ビームの反射を抑制できる。
第1の実施形態における露光装置を示す概略構成図。 光源装置を示す概略構成図。 第1の実施形態におけるスリット装置を模式的に示す単面図。 図3の4−4線矢視断面図。 第2の実施形態におけるスリット装置を模式的に示す単面図。 (a)はスリット装置の第3遮光部、冷却機構及び光量検出装置を示す概略構成図、(b)は光量検出装置を模式的に示す側断面図。 第3の実施形態におけるスリット装置を示す概略構成図。 (a)は第4の実施形態におけるスリット装置の要部を示す概略構成図、(b)は分岐部を模式的に示す側断面図。 第5の実施形態におけるスリット装置を模式的に示す単面図。 照射むら計測処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)は別の実施形態におけるスリット装置を示す概略構成図、(b)は図11(a)のB−B線矢視断面図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図4に基づき説明する。なお、本実施形態では、投影光学系の光軸に平行な方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向をY軸方向とし、その走査方向に直交する非走査方向をX軸方向として説明する。また、X軸、Y軸、Z軸の周りの回転方向をθx方向、θy方向、θz方向ともいう。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、光源装置12から射出される、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光ELとして用いるEUV露光装置である。こうした露光装置11は、内部が大気よりも低圧の真空雰囲気に設定される第1チャンバ13(図1では二点鎖線で囲まれた部分)を備え、該第1チャンバ13は、連結部14を介して光源装置12が接続されている。また、第1チャンバ13内には、光源装置12から第1チャンバ13内に供給された露光光ELで所定のパターンが形成された反射型のレチクルRを照明する照明光学系15と、パターンの形成された被照射面Raが−Z方向側(図1では下側)に位置するようにレチクルRを保持するレチクルステージ16とが設けられている。また、第1チャンバ13内には、レチクルRを介した露光光ELでレジストなどの感光性材料が塗布されたウエハWを照射する投影光学系17と、被照射面Waが+Z方向側(図1では上側)に位置するようにウエハWを保持するウエハステージ18とが設けられている。
光源装置12は、波長が「5〜50nm(例えば13.5nm)」となるEUV光を露光光ELとして射出するレーザ励起型プラズマ光源装置である。具体的には、図2に示すように、光源装置12は、内部が大気よりも低圧の真空雰囲気に設定された第2チャンバ19(図1及び図2では二点鎖線で示す。)を備えている。
この第2チャンバ19内には、露光光ELを出力する光源部20が設けられている。この光源部20は、プラズマPLを発生させるプラズマ発生部21と、プラズマPLから放射される露光光ELを集光させるための筒状の集光ミラー22とを備えている。プラズマ発生部21は、EUV光発生物質(ターゲット)として高密度の錫化合物(例えば、酸化錫(SnO))を高速で噴出するノズル23と、例えば半導体レーザ励起を利用したYAGレーザやエキシマレーザなどの高出力レーザ24とを備えている。そして、高出力レーザ24から射出されたレーザ光LRがノズル23から高速で噴出される高密度のEUV光発生物質を照射することによりプラズマPLが発生し、該プラズマPLからは、EUV光が露光光ELとして放射される。こうした露光光ELは、集光ミラー22の入射側(図2では左側)の開口から集光ミラー22内に入射する。
この集光ミラー22は、Y軸方向(図1及び図2では左右方向)における各位置の断面形状が円環状をなすように筒状に形成されており、集光ミラー22の内周面には、露光光ELを反射可能な反射層が形成されている。この集光ミラー22の反射層は、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜から構成されている。そして、集光ミラー22で反射した露光光ELは、照明光学系15に入射する前に一旦集光した後、照明光学系15を構成する各反射ミラーのうち最も光源装置12側に位置する反射ミラーに入射する。なお、集光ミラー22から射出された露光光ELにおいて一旦集光する集光点のことを、「中間集光点IF」というものとする。
照明光学系15は、図1に示すように、第1チャンバ13の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定される筐体25(図1では実線で囲まれた部分)を備えている。この筐体25内には、光源装置12から筐体25内に入射された露光光ELを反射可能な複数枚の図示しない反射ミラーが設けられている。そして、各反射ミラーによって順に反射された露光光ELは、後述する鏡筒29内に設置された折り返し用の反射ミラー26に入射し、該反射ミラー26で反射した露光光ELがレチクルステージ16に保持されるレチクルRに導かれる。なお、照明光学系15を構成する各反射ミラー(折り返し用の反射ミラー26も含む。)の反射面には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜である反射層がそれぞれ形成されている。
レチクルステージ16は、投影光学系17の物体面側に配置されており、レチクルRを静電吸着するための第1静電吸着保持装置27を備えている。この第1静電吸着保持装置27は、誘電性材料から構成され且つ吸着面28aを有する基体28と、該基体28内に配置される図示しない複数の電極部とから構成されている。そして、図示しない電圧印加部から電圧が各電極部にそれぞれ印加された場合、基体28から発生されるクーロン力により、吸着面28aにレチクルRが静電吸着される。
また、レチクルステージ16は、図示しないレチクルステージ駆動部の駆動によって、Y軸方向に移動可能である。すなわち、レチクルステージ駆動部は、第1静電吸着保持装置27に保持されるレチクルRをY軸方向に所定ストロークで移動させる。また、レチクルステージ駆動部は、レチクルRをX軸方向(図1において紙面と直交する方向)及びθz方向にも移動させることが可能である。なお、レチクルRの被照射面Raに露光光ELが照明される場合、該被照射面Raの一部には、X軸方向に延びる略円弧状の照明領域が形成される。
投影光学系17は、露光光ELでレチクルRの被照射面Raを照明することにより形成されたパターンの像を所定の縮小倍率(例えば1/4倍)に縮小させる光学系であって、第1チャンバ13の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定される鏡筒29を備えている。この鏡筒29内には、複数枚(一例としては6枚であって、図1では1枚のみ図示)の反射型のミラー30が収容されている。そして、物体面側であるレチクルR側から導かれた露光光ELは、各ミラー30に順に反射され、ウエハステージ18に保持されるウエハWに導かれる。なお、各ミラー30の反射面には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜である反射層がそれぞれ形成されている。
ウエハステージ18は、ウエハWを静電吸着するための第2静電吸着保持装置31を備え、該第2静電吸着保持装置31は、誘電性材料から構成され且つ吸着面32aを有する基体32と、該基体32内に配置される図示しない複数の電極部とから構成されている。そして、図示しない電圧印加部から電圧が各電極部にそれぞれ印加された場合、基体32から発生されるクーロン力により、吸着面32aにウエハWが静電吸着される。また、ウエハステージ18には、第2静電吸着保持装置31を保持する図示しないウエハホルダと、該ウエハホルダのZ軸方向における位置及びX軸周り、Y軸周りの傾斜角を調整する図示しないZレベリング機構とが組み込まれている。
こうしたウエハステージ18は、図示しないウエハステージ駆動部によって、Y軸方向に移動可能である。すなわち、ウエハステージ駆動部は、第2静電吸着保持装置31に保持されるウエハWをY軸方向に所定ストロークで移動させる。また、ウエハステージ駆動部は、第2静電吸着保持装置31に保持されるウエハWをX軸方向及びZ軸方向にも移動可能に構成されている。
そして、ウエハWの一つのショット領域にレチクルRのパターンを形成する場合、照明光学系15によって照明領域をレチクルRに形成した状態で、レチクルステージ駆動部の駆動によって、レチクルRをY軸方向(例えば、+Y方向側から−Y方向側)に所定ストローク毎に移動させるとともに、ウエハステージ駆動部の駆動によって、ウエハWをレチクルRのY軸方向に沿った移動に対して投影光学系17の縮小倍率に応じた速度比でY軸方向(例えば、−Y方向側から+Y方向側)に同期して移動させる。そして、一つのショット領域へのパターンの形成が終了した場合、ウエハWの他のショット領域に対するパターンの形成が連続して行われる。
本実施形態の露光装置11において、レチクルステージ16と投影光学系17の鏡筒29との間には、折り返し用の反射ミラー26からレチクルRに向けて射出された露光光ELの一部を遮光し、露光処理時におけるウエハWでの照射むらを調整するスリット装置40(「レチクルブラインド」ともいう。)が設けられている。なお、図3は、スリット装置40を鏡筒29側(即ち、下側)から見た場合の単面図である。
図3に示すように、本実施形態のスリット装置40は、露光光ELの光路のX軸方向における両側に移動不能な状態で配置される一対の第1遮光部41を備えている。この一対の第1遮光部41には、Y軸方向に延びる第1遮光部材42がそれぞれ設けられている。これら各第1遮光部材42によって、レチクルRに形成される照明領域のX軸方向における幅が規定される。
また、スリット装置40は、露光光ELの光路の+Y方向側(図3では右側)に配置される複数(図3では21個)の第2遮光部43を備え、該各第2遮光部43は、レチクルRの照明領域の形状と対応し、且つX軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。すなわち、各第2遮光部43のうちX軸方向における中央に位置する第2遮光部43は、他の第2遮光部43よりも−Y方向側(図3では左側)に配置されている。そして、他の第2遮光部43の各々は、Y軸方向における中央から離間するほど+Y方向側にずれてそれぞれ配置されている。
また、スリット装置40は、露光光ELの光路の−Y方向側に配置される複数(図3では21個)の第3遮光部44を備え、該各第3遮光部44は、X軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。また、各第3遮光部44の−Y方向側には、該各第3遮光部44のY軸方向における位置を調整するための複数(図3では21個)の調整機構45がそれぞれ設けられている。そして、各第3遮光部44は、それらに個別対応する各調整機構45の駆動源(例えば、リニアアクチュエータ)がそれぞれ駆動することにより、Y軸方向に沿ってそれぞれ進退移動する。このように各第3遮光部44(詳しくは、後述する光導波管48)のY軸方向における位置を個別に調整することにより、スリット装置40のスリット(開口部)47の形状が規定され、ひいてはレチクルRに形成される照明領域の形状が規定される。
各第2遮光部43及び各第3遮光部44は、図4に示すように、折り返し用の反射ミラー26からレチクルR側に射出される露光光ELの光路の延びる方向と略平行な所定方向に沿って延びる光導波管48をそれぞれ備えている。各光導波管48は、それらの長手方向(即ち、所定方向)における一端(図4では下端)が折り返し用の反射ミラー26を指向する一方、それらの長手方向における他端(図4では上端)がレチクルR側を指向するようにそれぞれ配置されている。また、各光導波管48は、Y軸方向における長さのほうがX軸方向における長さよりも長くなるようにそれぞれ形成されている。
こうした各光導波管48は、EUV光が通過できるように中空状にそれぞれ形成されている。すなわち、各光導波管48内には、それらの内側面49に囲まれ、且つ所定方向に延びる光導波路50がそれぞれ形成されている。これら各光導波路50内には、光導波管48の一端48a側に形成された入射部51から入射した光(以下、「遮光光SL」という。)がそれぞれ導かれる。また、各光導波管48の内側面49には、遮光光SLの少なくとも一部を反射可能な反射膜がそれぞれ製膜されている。
ここで、EUV光を含む遮光光SLは、光導波管48の内側面49に入射する際の入射角が所定角度よりも小さい場合には内側面49にほとんど吸収される、即ち内側面49で反射しない。一方、遮光光SLの少なくとも一部は、光導波管48の内側面49に入射する際の入射角が所定角度よりも大きい場合には内側面49で反射される。本実施形態では、各光導波路50の延びる所定方向は、露光光ELの光路の進行方向とほぼ一致している。そのため、光導波管48内に入射する大部分の遮光光SLの内側面49に対する入射角は、所定角度以下になる。したがって、遮光光SLは、光導波管48内で反射を繰り返しつつ光導波管48の他端48b側に導かれる。このとき、遮光光SLの光量は、光導波管48の内側面49で反射する毎に次第に減衰される。
また、各第2遮光部43及び各第3遮光部44のレチクルR側の各位置には、それらの各光導波管48の他端48bに接続されるトラップ装置52がそれぞれ設けられている。これら各トラップ装置52は、直方体状をなす中空のトラップ部材53をそれぞれ有しており、該各トラップ部材53には、光導波管48の他端48bと連通する連通孔54がそれぞれ形成されている。
さらに、各トラップ装置52には、それらのトラップ部材53の内壁55を冷却するための冷却機構56がそれぞれ設けられている。これら各冷却機構56内は、第1チャンバ13外に配置される図示しない冷媒供給装置から図示しない冷却用配管を介して供給される冷媒がそれぞれ循環している。
次に、本実施形態の露光装置11の作用のうち、スリット装置40の作用を中心に説明する。
さて、図示しない光量検出装置によってレチクルRの照明領域におけるX軸方向における各位置の光量(即ち、ウエハWでの照射むら)が検出されると、ウエハWで発生し得る照射むらを補正すべく各第3遮光部44のY軸方向における位置がそれぞれ設定される。すると、各第3遮光部44(即ち、各光導波管48)は、個別対応する各調整機構45の駆動によって、設定された位置にそれぞれ移動する。この状態でウエハWへの露光処理が開始される。
すなわち、ウエハWへの露光に必要な露光光ELは、スリット装置40によって遮光されず、スリット47を介してレチクルRに入射する。一方、ウエハWへの露光に不必要な露光光EL(即ち、遮光光SL)は、入射部51を介して各第3遮光部44(即ち、各光導波管48の光導波路50)内に導かれる。すると、各光導波路50において、遮光光SLは、各光導波管48の内側面49にそれぞれ入射する。このとき、遮光光SLの一部は、内側面49によって吸収される一方、残りの遮光光SLは、内側面49によって反射される。このように遮光光SLが光導波管48の内側面49で反射する毎に、遮光光SLが減衰される。そのため、光導波路50内に導かれた遮光光SLは、各光導波管48の他端48bに到達するまでに十分に減衰されている。また、たとえ各光導波管48の他端48bから連通孔54を介して各トラップ部材53内に遮光光SLがそれぞれ入射したとしても、当該各トラップ部材53内で遮光光SLの反射が繰り返される。すなわち、各トラップ部材53内でも、遮光光SLが減衰される。
また、本実施形態の露光光ELがEUV光を多く含むため、各光導波管48の内側面49のうち遮光光SLを吸収した部分では、吸収した光量に応じた熱エネルギーがそれぞれ発生する。しかし、本実施形態では、一つの光導波管48には、遮光光SLを吸収する部分が複数箇所に分散して位置する。そのため、熱エネルギーの増大に伴う各光導波管48の一部の熱変形や光導波管48を構成する材料の液状化又は気化が抑制される。また、各光導波管48に接続される各トラップ部材53は、冷却機構56によって冷却されているため、各光導波管48で発生した熱エネルギーは、当該各光導波管48に接続される各トラップ部材53にそれぞれ移動する。
また、本実施形態の光源装置12では、プラズマPLを発生される際に高密度の錫化合物が使用される。こうした錫化合物は、プラズマPLの発生時に加熱される。そのため、光源装置12からは、錫化合物が加熱されてなる粒子(以下、「デブリD」という。)が第1チャンバ13内に流入して飛散するおそれがある(図4参照)。こうしたデブリDは、スリット装置40に向けて飛散することがある。
ここで、従来のスリット装置を搭載した露光装置11では、従来のスリット装置を構成するブレードにデブリDが付着する可能性がある。ブレードにデブリDが付着したとすると、該デブリDは鏡として機能する。このとき、ブレードのうちデブリDが付着した部分に露光光EL(即ち、遮光光SL)が入射すると、ブレードからは予期せぬ反射が発生するおそれがある。こうした予期せぬ反射光(以下、「迷光」という。)は、第1チャンバ13内で反射を繰り返し、レチクルRやウエハWなどに入射するおそれもある。
また、従来のスリット装置のブレードに衝突したデブリDは、ブレードに跳ね返され、第1チャンバ13内において露光装置11を構成する他の部材に付着するおそれがある。この場合、デブリDが付着した部分には、露光光ELとして用いない迷光が入射し、該迷光がレチクルRやウエハW側に反射するおそれもある。
この点、本実施形態のスリット装置40は、ブレードの代りに、中空の光導波管48が用いられる。そのため、光導波管48に向けて飛散してきたデブリDは、入射部51を介して光導波路50内に導かれる。そして、光導波管48の内側面49に衝突する毎に、デブリDの持つ運動エネルギーが徐々に失われ、その後、光導波管48に連通するトラップ部材53内に流入する。このトラップ部材53は、冷却機構56によって冷却されるため、デブリDは、トラップ部材53の内壁に衝突すると、冷却されて捕捉される。したがって、こうしたデブリDがレチクルRに付着する可能性が抑制される。また、デブリDは、遮光光SLがほとんど到達しないトラップ部材53内で捕捉されるため、トラップ部材53に付着したデブリD(即ち、鏡)による遮光光SLの反射が抑制される。すなわち、第1チャンバ13内での迷光の発生が抑制される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各第2遮光部43及び各第3遮光部44によって遮光される遮光光SLは、入射部51を介して光導波路50内に導かれる。このとき、遮光光SLのうち各第2遮光部43及び各第3遮光部44の入射部51で反射する光はほとんどない。そして、光導波路50内において遮光光SLは、光導波管48の内側面49で反射される毎に減衰される。したがって、各第2遮光部43及び各第3遮光部44によって遮光光SLを遮光する場合に、各第2遮光部43及び各第3遮光部44に入射した遮光光SLがスリット装置40外に反射して迷光が発生することを抑制できる。すなわち、迷光の発生に起因したウエハWへのパターンの形成不良の発生を抑制できる。
(2)光導波管48の一端48aに形成された入射部51を介して光導波路50内に導かれた遮光光SLは、光導波管48の他端48bに進む際にその内側面49で反射する。こうした内側面49で反射する毎に遮光光SLが十分に減衰される。そのため、光導波管48の他端48bから当該光導波管48外に射出された遮光光SLによる影響を低減できる。
(3)また、光導波管48の内側面49における複数箇所で、遮光光SLの反射が行なわれる。すなわち、光導波管48の内側面49には、遮光光SLを吸収する位置が複数箇所形成される。そのため、一箇所で遮光光SLを吸収する構成の場合に比して、遮光光SLの吸収に基づき発生する熱エネルギーを分散できる。したがって、光導波管48の熱変形や光導波管48を構成する部材の液状化や気化を抑制できる。
(4)各第3遮光部44(即ち、各光導波管48)のY軸方向における位置を個別に調整することにより、ウエハWでの照射むらを好適に調整できる。したがって、ウエハWの各ショット領域には、パターンを好適に形成することができる。
(5)各光導波管48内に入射部51を介して流入したデブリDは、トラップ装置52によって捕捉される。そのため、第1チャンバ13内を飛散するデブリDの飛散量を低減できる。
(6)各光導波管48内に入射部51を介して流入したデブリDは、各光導波管48の他端48bに連通するトラップ部材53の内壁55に付着して捕捉される。すなわち、光導波管48の入射部51から離間した位置でデブリDを捕捉できる。しかも、トラップ部材53内には、光導波路50内に導かれた遮光光SLがほとんど入射しない。そのため、デブリDが捕捉された部分(即ち、デブリDによって生成された鏡)での反射光の発生を抑制できる。したがって、各光導波管48の一端48a側から第1チャンバ13内に射出される迷光の発生を抑制できる。
(7)また、デブリDを光導波管48内で捕捉される場合とは異なり、光導波管48内の光導波路50が内側面49に付着するデブリDによって詰まってしまうことを抑制できる。すなわち、光導波管48における遮光光SLの減衰作用を好適に維持できる。
(8)さらに、光導波管48は、冷却機構56によって冷却されるトラップ部材53に接触している。そのため、光導波路50内に導かれた遮光光SLの吸収によって発生した熱エネルギーは、トラップ部材53側に移動することになる。したがって、光導波管48で発生した熱エネルギーを外部に好適に放熱できるため、光導波管48の熱変形を抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図6に従って説明する。なお、第2の実施形態は、各遮光部の構成及び遮光光SLの光量を検出可能な点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図5及び図6(a)に示すように、本実施形態のスリット装置40Aは、折り返し用の反射ミラー26からレチクルR側に射出された露光光ELの光路の+X方向側に配置される複数(図5では4つ)の第1遮光部41Aを備え、該各第1遮光部41Aは、Y軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。また、スリット装置40Aは、露光光ELの光路の−X方向側に配置される複数(図5では4つ)の第1遮光部41Aを備え、該各第1遮光部41Aは、Y軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。これら各第1遮光部41Aは、露光光ELの光路と略平行な所定方向に延びる光ファイバ60をそれぞれ有している。また、露光光ELの光路の+Y方向側に配置される複数(図5では18個)の第2遮光部43Aは、所定方向に延びる光ファイバ61をそれぞれ有している。各光ファイバ60,61は、それらの長手方向における一端が折り返し用の反射ミラー26側を指向すると共に、それらの長手方向における他端がレチクルRやウエハWなどの被照射面(Ra,Wa)の配置位置とは異なる他の位置を指向するようにそれぞれ配置されている。なお、各光ファイバ60,61はEUV光用のファイバであって、各光ファイバ60,61のコアの部分は、それぞれ中空状である。
また、スリット装置40Aには、露光光ELの光路の−Y方向側に配置される複数(図5では9個)の遮光ユニット144(図5では一点鎖線で囲まれた部分)が設けられており、該各遮光ユニット144は、X軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。また、各遮光ユニット144には、複数の第3遮光部44Aと、該各第3遮光部44Aを束ねるための図示しない拘束部材とがそれぞれ設けられており、各第3遮光部44Aは、光ファイバ62をそれぞれ有している。こうした各遮光ユニット144は、それらに個別対応する各調整機構45の駆動によって、Y軸方向に沿ってそれぞれ進退移動可能である。すなわち、各遮光ユニット144のY軸方向における位置をそれぞれ調整することにより、スリット47の形状、ひいてはレチクルRの照明領域の形状が規定される。
各光ファイバ62は、第1遮光部41A及び第2遮光部43Aを構成する各光ファイバ60,61と同様に、EUV光用のファイバである。すなわち、光ファイバ62内の空間であるコアが光導波路63として機能し、コアとクラッドとの境界面が反射面64として機能する(図6(b)参照)。そして、各光ファイバ62の長手方向における一端62aは、図6(a)に示すように、折り返し用の反射ミラー26側をそれぞれ指向している。そして、各光ファイバ62の一端62a側となる部分は、それぞれ所定方向に沿って延びている。また、各光ファイバ62の長手方向における他端62bは、第1チャンバ13の側壁に設けられる後述する光量検出装置70にそれぞれ接続されている。すなわち、各光ファイバ62の他端62bは、レチクルRやウエハWなどの被照射面(Ra,Wa)の配置位置及び各種反射ミラーの反射面とは異なる他の位置をそれぞれ指向している。なお、図6(a)では、明細書の説明理解の便宜上、一つの遮光ユニット144のみを図示している。
また、各遮光ユニット144を構成する各光ファイバ62の長手方向における中途位置近傍には、当該光ファイバ62の中途位置を冷却するための冷却機構65が設けられている。この冷却機構65は、各光ファイバ62を包囲する筒状の輻射冷却部材66と、該輻射冷却部材66を冷却する冷却部67とを備え、該冷却部67内は、第1チャンバ13外に配置される図示しない冷媒供給装置から供給管路68を介して供給される冷媒が循環している。そして、輻射冷却部材66は、内包する各光ファイバ62を輻射冷却する。
第1チャンバ13の側壁には、各遮光ユニット144を構成する各光ファイバ62の他端62bが接続される光量検出装置70が遮光ユニット144毎に設けられている。これら各光量検出装置70は、図6(b)に示すように、直方体状をなす中空の装置本体71をそれぞれ備え、該各装置本体71の側壁には、連通孔72がそれぞれ形成されている。そして、各装置本体71内には、各光ファイバ62の他端62bから射出される遮光光SLが連通孔72を介してそれぞれ入射する。また、各装置本体71内には、各光ファイバ62の他端62bから射出される遮光光SLが入射する回折格子(「グレーティング」ともいう。)73がそれぞれ設けられている。これら各回折格子73は、駆動源74の駆動によって、入射する遮光光SLの進行方向と略直交する軸線方向(図6(b)では紙面と直交する方向)に延びる軸線73aを中心にそれぞれ回転する。
さらに、各装置本体71内には、回折格子73で反射した遮光光SLの一部が入射する受光部75がそれぞれ設けられており、該各受光部75には、回折格子73の回転位置に対応した波長を有する光がそれぞれ入射する。こうした各受光部75からは、受光量に応じた電気信号が制御装置76に向けてそれぞれ出力される。そして、制御装置76は、回折格子73の回転位置を制御しつつ、受光部75から受光量に応じた電気信号を入力することにより、遮光光SLに含まれる各波長の光量を遮光ユニット144毎に算出する。また、制御装置76は、各遮光ユニット144の遮光光SLの光量を算出することも可能である。
なお、各光ファイバ62を介して光量検出装置70に導かれる遮光光SLは、各光ファイバ62の反射面64との間で反射しつつ装置本体71内に射出される。すなわち、各光ファイバ62内において、遮光光SLは、反射面64で反射する毎に減衰される。そのため、各光ファイバ62の他端62bから射出される時点の遮光光SLの光量は、各光ファイバ62の一端62aに入射した時点の遮光光SLの光量よりも少ない。そこで、本実施形態では、制御装置76は、各光ファイバ62内での遮光光SLの減衰度合いを補償して遮光光SLに含まれる各波長の光量を遮光ユニット144毎に算出する。
次に、本実施形態のスリット装置40Aの作用のうち、各遮光ユニット144の作用を説明する。
さて、折り返し用の反射ミラー26からレチクルR側に射出された露光光ELの一部は、露光に不要な遮光光SLとして、各遮光ユニット144の各光ファイバ62内にそれらの一端62aを介して入射する。そして、各光ファイバ62の光導波路63内に導かれた遮光光SLは、反射面64で反射しながら各光ファイバ62の他端62bまでそれぞれ導かれる。そして、各光量検出装置70の回折格子73には、各光ファイバ62の他端62bから射出された遮光光SLがそれぞれ入射し、各回折格子73からは、それらの回転位置に応じた波長を有する光が各受光部75側にそれぞれ射出される。すると、各受光部75から出力される各電気信号に基づき、各回折格子73の回転位置に応じた光の光量が制御装置76によってそれぞれ検出される。そして、各駆動源74の駆動によって、各回折格子73が軸線73aを中心にそれぞれ回転することにより、各波長の光の光量が遮光ユニット144毎にそれぞれ検出される。
また、各遮光ユニット144の各光ファイバ62内には、第1チャンバ13内を飛散するデブリDが流入することがある。こうしたデブリDは、光ファイバ62の反射面64に衝突しつつ光ファイバ62の他端62b側に向けて流動する。しかし、本実施形態の光ファイバ62の長手方向における中途位置は、冷却機構65によって冷却されている。そのため、デブリDは、光ファイバ62内において冷却機構65によって冷却される中途位置に達すると、反射面64に衝突した際に冷却されて運動エネルギーが奪われる。その結果、デブリDは、光ファイバ62の中途位置における反射面64に付着する。すなわち、本実施形態では、デブリDは、光ファイバ62において冷却機構65によって冷却される部分で捕捉される。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態における効果(1)〜(4)と同等の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(9)本実施形態では、光ファイバ62が冷却機構65によって冷却される。そのため、光ファイバ62内にデブリDが流入した場合に、当該光ファイバ62内でデブリDを好適に捕捉できる。
(10)もし仮に光ファイバ62の一端62a側が冷却される場合、光ファイバ62の一端62a近傍が光ファイバ62内に流入したデブリDで詰まるおそれがある。この場合、光ファイバ62の一端62a近傍に付着したデブリD(即ち、鏡)が、せっかく一端62aを介して光ファイバ62内に導かれた遮光光SLを光ファイバ62外に向けて反射するおそれがある。こうした反射光は、第1チャンバ13内に射出され、迷光として第1チャンバ13内で反射を繰り返す。そして、こうした迷光がレチクルRの照明領域やウエハWの照射領域内に不必要に入射するおそれがある。この点、本実施形態では、光ファイバ62の長手方向における中途位置が冷却機構65によって冷却される。そのため、光ファイバ62の中途位置でデブリDを捕捉したとしても、上記の場合に比して、該捕捉したデブリDによって光ファイバ62内に導かれた遮光光SLが反射され、該反射光(即ち、迷光)が光ファイバ62の一端62aから第1チャンバ13内に射出される可能性を低減できる。また、たとえ反射が発生したとしても、光ファイバ62の一端62aから射出される迷光の光量を上記の場合に比して少なくできるため、迷光による露光処理時の悪影響を抑制できる。
(11)また、光ファイバ62内に流入したデブリDは、光ファイバ62の長手方向における中途位置で捕捉される。そのため、デブリDが光量検出装置70の装置本体71内に流入することを抑制できる結果、装置本体71内の回折格子73や受光部75にデブリDが付着することを抑制できる。したがって、光量検出装置70による遮光光SLの光量検出精度の低下、及び回折格子73による分光精度の低下を抑制できる。
(12)また、本実施形態では、各遮光ユニット144で遮光する遮光光SLの光量を検出できる。こうした光量に基づき各遮光ユニット144のY軸方向における各位置をそれぞれ調整することにより、露光処理時におけるウエハWに対する照射むらを好適に補正できる。
(13)遮光光SLの一部は、互いに隣接する光ファイバ62同士の間の隙間に進入することがある。こうした遮光光SLは、光ファイバ62の外側面で反射すると、その一部が光ファイバ62の外側面で吸収される。したがって、互いに隣り合う光ファイバ62の間に隙間が介在したとしても、遮光光SLを各光ファイバ62によって好適に吸収できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図7に従って説明する。なお、第3の実施形態は、デブリDを捕捉する方法が第2の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図7に示すように、本実施形態のスリット装置40Bは、折り返し用の反射ミラー26からレチクルR側に射出される露光光ELの光路の+Y方向側に配置される複数の第1遮光ユニット143と、露光光ELの光路の−Y方向側に配置される第2遮光ユニット144Aとを備えている。また、スリット装置40Bは、図7では図示が省略されているが、露光光ELの光路の+X方向側に配置される複数の第1遮光部41Aと、露光光ELの光路の−X方向側に配置される複数の第1遮光部41Aとをさらに備えている。
各第1遮光ユニット143は、X軸方向に沿ってそれぞれ配置されると共に、各第2遮光ユニット144Aは、X軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。また、各第1遮光ユニット143は、複数(図7では3つのみ図示)の第2遮光部43Bと、該各第2遮光部43Bを束ねるための図示しない拘束部材とをそれぞれ備えている。同様に、各第2遮光ユニット144Aは、複数(図7では3つのみ図示)の第3遮光部44Bと、該各第3遮光部44Bを束ねるための図示しない拘束部材とをそれぞれ備えている。
各第2遮光部43Bは、光ファイバ61をそれぞれ有すると共に、各第3遮光部44Bは、光ファイバ62をそれぞれ有している。これら各光ファイバ61,62は、折り返し用の反射ミラー26からレチクルR側に射出される露光光ELの光路と略平行な所定方向に沿ってそれぞれ延びている。すなわち、各光ファイバ61,62の長手方向における一端61a,62aは、折り返し用の反射ミラー26をそれぞれ指向すると共に、各光ファイバ61,62の長手方向における他端61b,61bは、レチクルステージ16をそれぞれ指向している。
また、各第1遮光ユニット143及び各第2遮光ユニット144Aの+Z方向側には、内部が各光ファイバ61,62の他端61b,62bと連通する連通ボックス80A,80Bが設けられている。連通ボックス80Aは、各第1遮光ユニット143を構成する全ての光ファイバ61の他端61bと連通すると共に、連通ボックス80Bは、各第2遮光ユニット144Aを構成する全ての光ファイバ62の他端62bと連通している。こうした各連通ボックス80A,80Bは、連通管81A,81Bを介してトラップ装置82A,82Bとそれぞれ接続されている。これら各トラップ装置82A,82Bは、内部が中空をなすトラップ部材83A,83Bと、該トラップ部材83A,83Bの内壁を冷却する冷却機構84A,84Bとをそれぞれ備えている。また、各トラップ装置82A,82Bには、各トラップ部材83A,83B、各連通管81A,81B及び各連通ボックス80A,80Bを介して各光ファイバ61,62内を真空排気するための真空排気装置85A,85Bがそれぞれ設けられている。
また、各光ファイバ61の一端61a近傍には、該各一端61aよりも+Y方向側に配置されるガス供給部86Aのノズル87Aが設けられると共に、各光ファイバ62の一端62a近傍には、該各一端62aよりも−Y方向側に配置されるガス供給部86Bのノズル87Bが設けられている。これら各ガス供給部86A,86Bのノズル87A,87Bからは、窒素などの不活性ガスが第1チャンバ13内にそれぞれ供給される。
なお、図7では図示されていないが、スリット装置40Bには、各第2遮光ユニット144Aに個別対応する複数の調整機構45が設けられている。そして、各第2遮光ユニット144Aは、それらに個別対応する各調整機構45の駆動によってそれぞれY軸方向に沿って進退移動可能である。
次に、本実施形態のスリット装置40Bの作用を説明する。
さて、一端61a,62aから各光ファイバ61,62内に導かれた遮光光SLは、該各光ファイバ61,62の内側面(即ち、反射面)で反射を繰り返しながら各光ファイバ61,62の他端61b,62bに向けて進む。このとき、遮光光SLは、各光ファイバ61,62内で反射する毎に徐々に減衰される。そして、連通ボックス80A,80B内に各光ファイバ61,62から射出された遮光光SLは、連通ボックス80A,80B内で反射を繰り返し、反射が繰り返される毎に遮光光SLが減衰される。
また、本実施形態では、ウエハWへの露光処理時に、各ガス供給部86A,86Bのノズル87A,87Bからは不活性ガスが第1チャンバ13内にそれぞれ供給される。こうした不活性ガスは、各真空排気装置85A,85Bの駆動によって、各光ファイバ61,62を介して回収される。すなわち、各光ファイバ61,62の一端61a,62a近傍では、該一端61a,62aに向かう気流が発生する。そのため、各光ファイバ61,62の一端61a,62aに浮遊するデブリDは、不活性ガスの供給がない場合に比して、不活性ガスと共に光ファイバ61,62内に流入しやすくなる。なお、以降の記載では、明細書の説明理解の便宜上、一本の光ファイバ62内に導かれたデブリDについて説明する。
すると、デブリDは、光ファイバ62内を不活性ガスと共に該光ファイバ62の他端62bに向けて進む。そして、光ファイバ62の他端62bから連通ボックス80B内に流入したデブリDは、真空排気装置85Bの駆動によって、連通管81Bを介してトラップ部材83B内に不活性ガスと共に流入する。すると、トラップ部材83Bの内壁は、冷却機構84Bによって冷却されているため、デブリDは、トラップ部材83Bの内壁に接触すると、その運動エネルギーがトラップ部材83Bによって奪われて捕捉される。また、連通ボックス80B内に流入したデブリDは、連通ボックス80Bの内壁に衝突した際に運動エネルギーが奪われ、当該内壁に付着することもある。
したがって、本実施形態では、上記第1及び第2の各実施形態における効果(1)〜(8)(13)と同等の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(14)本実施形態では、ガス供給部86A,86Bによって第1チャンバ13内に供給される不活性ガスが、真空排気装置85A,85Bの駆動によって、各光ファイバ61,62を介して回収される。すなわち、各光ファイバ61,62の一端61a,62a近傍には、気流が発生する。その結果、上記各実施形態に比して、第1チャンバ13内を浮遊するデブリDを各光ファイバ61,62内に流入させやすい。したがって、第1チャンバ13内を浮遊するデブリDをトラップ装置82A,82Bによって効率良く捕捉できる。
(15)また、各ガス供給部86A,86Bのノズル87A,87Bは、各光ファイバ61,62よりもY軸方向において露光光ELの光路から離間した位置に配置されている。そのため、各ノズル87A,87Bから供給された不活性ガスは、各光ファイバ61,62を介して各真空排気装置85A,85Bによって回収される。したがって、不活性ガスが露光光ELの光路に収入することを規制でき、レチクルRを照明する露光光の光量不足の発生を抑制できる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図8に従って説明する。なお、第4の実施形態は、遮光光SLの光量を検出可能な点が第3の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1〜第3の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1〜第3の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図8(a)に示すように、本実施形態のスリット装置40Cは、X軸方向に沿って配置される複数の第2遮光ユニット144Aを備えている。また、スリット装置40Cは、図8(a)では図示が省略されているが、複数の第1遮光部41A及び複数の第1遮光ユニット143をさらに備えている。
また、スリット装置40Cには、各第3遮光部44Bの+Z方向側に配置される分岐部90が第2遮光ユニット144A毎に設けられている。また、スリット装置40Cは、第2遮光ユニット144A毎に設けられた光量検出装置70と、一つのトラップ装置82Bとを備えている。各分岐部90は、各第2遮光ユニット144A(即ち、各光ファイバ62)を介して導かれた遮光光SLを各第2遮光ユニット144Aに個別対応する各光量検出装置70側に導くと共に、各第2遮光ユニット144Aを介して流入したデブリDをトラップ装置82B側に導くための装置である。すなわち、図8(b)に示すように、各分岐部90は、略直方体状をなす中空のケース部材91をそれぞれ備えている。これらケース部材91には、各光ファイバ62の他端62bと連通する第1連通孔92と、対応する光量検出装置70に接続される第1連通管93と連通する第2連通孔94と、トラップ装置82Bに接続される第2連通管95と連通する第3連通孔96とがそれぞれ形成されている。
また、各ケース部材91内には、各光ファイバ62の他端62bからケース部材91内に射出された遮光光SLを第2連通孔94側に反射する反射ミラー97がそれぞれ設けられ、該各反射ミラー97は、それらに入射する遮光光SLの入射角が上記所定角度未満となるようにそれぞれ配置されている。「所定角度」とは、EUV光を含む遮光光SLを反射できる入射角の最低値に近い角度に相当する。そのため、各光ファイバ62を介して各ケース部材91内に射出された遮光光SLは、反射ミラー97でそれぞれ反射した後、第2連通孔94及び第1連通管93を介して光量検出装置70にそれぞれ導かれる。そして、各光量検出装置70からの電気信号に基づき、制御装置76は、遮光光SLに含まれる各波長の光量を第2遮光ユニット144A毎に算出する。なお、各光ファイバ62内に導かれた遮光光SLは、光ファイバ62の反射面64で反射する毎に減衰されるだけではなく、光ファイバ62内に介在する不活性ガスによって吸収されることにより減衰される。そこで、本実施形態において制御装置76は、各光ファイバ62内で発生する遮光光SLの反射に基づく減衰、及び各光ファイバ62内における不活性ガスによる遮光光SLの吸収を補償し、遮光光SLに含まれる各波長の光量を遮光ユニット144A毎に算出する。
また、各光ファイバ62を介して各ケース部材91内に流入したデブリDは、真空排気装置85Bの駆動によって、各ケース部材91内に介在する不活性ガスと共に第3連通孔96及び第2連通管95を介してトラップ装置82Bにそれぞれ回収される。
したがって、本実施形態では、上記第1〜第3の各実施形態における効果(1)〜(8)(13)〜(15)と同等の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(16)本実施形態では、各光ファイバ62内に導かれた遮光光SLを、分岐部90を介して光量検出装置70側に案内することにより、当該遮光光SLの光量を検出できる。また、各光ファイバ62内に流入したデブリDを、分岐部90を介してトラップ装置82B側に案内することにより、当該デブリDをトラップ装置82Bで捕捉できる。すなわち、本実施形態では、分岐部90を設けることにより、遮光光SLの光量検出及びデブリDの捕捉を共に行なうことができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図9及び図10に従って説明する。なお、第5の実施形態は、各第3遮光部を同時にY軸方向に沿って移動させることが可能である点が第2の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1〜第4の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1〜第4の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図9に示すように、本実施形態のスリット装置40Dは、X軸方向に沿って配置される各調整機構45を支持する略矩形板状の支持部材100と、該支持部材100をY軸方向に沿って進退移動させるための移動機構101とを備えている。そして、各遮光ユニット144は、制御装置76からの制御指令に基づき露光光ELの光路内の計測位置(図9に示す位置)に配置される。本実施形態のスリット装置40Dでは、各遮光ユニット144を露光光ELの光路内の計測位置に配置することにより、レチクルRを照明する露光光ELの光量や、ウエハWに形成される照射領域での照射むらを計測することが可能である。
次に、本実施形態の制御装置76が実行する各種処理ルーチンのうち、ウエハWでの照射むらを計測する際に実行される照射むら計測処理ルーチンについて図10に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、照射むら計測処理ルーチンにおいて、制御装置76は、各第3遮光部44Aを計測位置に移動させるべく移動機構101の駆動を制御する(ステップS10)。続いて、制御装置76は、ウエハWに形成される照射領域内での照射むらの計測を行なう(ステップS11)。具体的には、制御装置76は、各遮光ユニット144に個別対応して設けられた各光量検出装置70からの電気信号に基づき、各遮光ユニット144の各光ファイバ62内に入射する露光光ELの光量をそれぞれ検出し、それら各検出結果を図示しない記憶装置に記憶させる。すなわち、制御装置76は、X軸方向における各位置における露光光ELの光量をそれぞれ算出し、該算出結果に基づきウエハWにおける照射の照射むらを計測する。その後、制御装置76は、全ての遮光ユニット144が計測位置よりも−Y方向側に配置されるように移動機構101の駆動を制御する。
続いて、制御装置76は、ステップS11での計測結果に基づき各遮光ユニット144による露光光ELの遮光度合いを算出し、ウエハWへの露光処理時における各遮光ユニット144のY軸方向における位置をそれぞれ設定する(ステップS12)。すなわち、照射領域内におけるX軸方向における各位置の光量が互いに異なると、ウエハWのショット領域内において、露光光ELの照射が不足する部分と照射が過多になる部分とが発生するおそれがある。そこで、ステップS12では、ウエハWの照明領域での照射むらがなくなる又は極力小さくなるように、各遮光ユニット144のY軸方向における位置がそれぞれ設定される。すなわち、制御装置76は、X軸方向において光量が多いと判断された位置に対応する遮光ユニット144の位置を、光量が少ないと判断された位置に対応する遮光ユニット144の位置よりも+Y方向側に設定する。
そして、制御装置76は、ステップS12における結果に基づき、各遮光ユニット144のY軸方向に沿って個別に移動させるべく各調整機構45の駆動を個別に制御する(ステップS13)。その後、制御装置76は、照射むら計測処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態における効果(1)〜(4)(9)〜(13)と同等の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(17)本実施形態では、各遮光ユニット144を露光光ELの光路内にそれぞれ配置することができる。そのため、レチクルRの照明領域のX軸方向における位置毎の光量を計測できる。すなわち、ウエハWへの露光処理時における照射むらを計測できる。そして、この計測結果に基づき各遮光ユニット144の位置を個別に調整できる。したがって、スリット装置40以外に照射むらを計測するための装置を別途設ける必要がない分、露光装置11全体の部品点数の低減に貢献できる。
(18)また、各遮光ユニット144の位置が自動的に設定されるため、各遮光ユニット144のY軸方向における位置を作業者が一々調整する手間を省くことができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第5の実施形態において、移動機構101を省略してもよい。この場合、各調整機構45のストローク量を、各遮光ユニット144を露光光ELの光路内に配置できる程度のストローク量に設定してもよい。このように構成しても、第5の実施形態と同等の効果を得ることができる。
・第2の実施形態において、光量検出装置70を省略してもよい。この場合、各遮光ユニット144を構成する各光ファイバ62の他端62bを、該各他端62bから射出される遮光光SLがレチクルRやウエハWに入射しない位置に配置してもよい。このように構成しても、各遮光ユニット144で遮光した遮光光SLの光量を検出することはできないものの、各遮光ユニット144で遮光した遮光光SLがレチクルRやウエハWに入射することを規制できる。
・また、第2の実施形態において、冷却機構65を、各遮光ユニット144を構成する各光ファイバ62の他端62b近傍を冷却可能な位置に配置してもよい。
・さらに、第2の実施形態において、冷却機構65を省略してもよい。このように構成しても、各遮光ユニット144で遮光した遮光光SLがレチクルRやウエハWに入射することを規制できる。
・第2、第4及び第5の各実施形態において、光量検出装置70は、回折格子73を省略した構成でもよい。この場合、受光部75を、各光ファイバ62の他端62bから射出される遮光光SLを直接受光可能な位置に配置してもよい。
・スリット装置は、光導波管48や光ファイバ62以外の他の部材を有する第3遮光部を備えた構成であってもよい。すなわち、図11(a)(b)に示すように、スリット装置40Eの各第3遮光部44Cは、直方体状をなす中空の遮光部本体110をそれぞれ備え、該各遮光部本体110に内外を連通する連通孔111を形成した構成でもよい。各連通孔111は、折り返し用の反射ミラー26に対向する位置にそれぞれ形成してもよい。また、各遮光部本体110の内側面112には、連通孔111を介して内部空間113内に導かれた遮光光SLの一部を反射可能な反射膜をそれぞれ製膜してもよい。このように構成しても、第3遮光部44Cで遮光する場合に、第3遮光部44Cに入射した遮光光SLがスリット装置40D外に反射することを抑制できる。
・第3及び第4の各実施形態において、複数本ある光ファイバのうち一部から不活性ガスを供給する構成にしてもよい。不活性ガスを供給可能な光ファイバは、他の光ファイバよりも露光光ELの光路から離間した位置に配置してもよい。
・各実施形態において、各第2遮光部43,43A,43Bを、Y軸方向に沿って個別に移動させる構成であってもよい。
・第1の実施形態において、光導波管48は、他の任意の形状をなす管であってもよい。例えば、光導波管48は、四角筒状や六角筒状をなす管であってもよいし、
・各実施形態において、スリット装置40〜40Eは、任意数の遮光部を備えた構成でもよい。
・各実施形態において、各第3遮光部44〜44Cは、Y軸方向に沿って移動不能な構成でもよい。
・照明光学系15には、一対のフライアイミラーから構成されるオプティカルインテグレータが設けられている。そこで、各フライアイミラーのうち入射側フライアイミラーに入射する露光光ELの一部を遮光するために、本発明の遮光装置を用いてもよい。すなわち、入射側フライアイミラーは、複数のミラー要素を備えた構成である。そこで、各ミラー要素に入射する露光光ELの光量を調整(即ち、減光)するために遮光装置を用いてもよい。このように構成すると、レチクルRに形成される照明領域において各位置での光強度の均一化に貢献できる。また、遮光した遮光光SLを遮光部内で吸収できる、若しくは露光に全く関係ない部分に誘導できるため、第1チャンバ13内での迷光の発生を抑制できる。
・各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・各実施形態において、光源装置12で用いられるEUV光発生物質は、気体状の錫(Sn)でもよいし、液体状又は固体状の錫でもよい。また、EUV光発生物質として、キセノン(Xe)を用いてもよい。
・各実施形態において、光源装置12は、放電型プラズマ光源を有する装置でもよい。
・各実施形態において、光源装置12は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を供給可能な光源でもよい。また、光源装置12は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を供給可能な光源でもよい。
このような波長の光を露光光ELとして用いる場合、第1チャンバ13内を大気圧雰囲気にしてもよい。この場合、光導波管は、内部に遮光光SLを導くことが可能な構成であれば、中空状の管でなくてもよい。光導波管として光ファイバを用いる場合、該光ファイバのコアは、遮光光SLの波長に応じた適切な材料で構成してもよい。また、第3及び第4の各実施形態では、第1チャンバ13内に気体が存在するため、ガス供給部86A,86Bを省略してもよい。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図12は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図13は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)においては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
11…露光装置、12…光源としての光源装置、15…照明光学系、17…投影光学系、21…プラズマ発生部、26…光学部材としての反射ミラー、40,40A〜40E…遮光装置としてのスリット装置、41,41A,43,43A,43B,44,44A〜44C…遮光部、45…調整部を構成する調整機構、47…開口部としてのスリット、48…光導波路、48a…一端、48b…他端、49,112…反射面としての内側面、50,63…誘導部としての光導波路、51…入射部、52,82A,82B…トラップ装置、53,83A,83B…連通部としてのトラップ部材、55…内壁、56,86A,86B…冷却機構、60〜62…光導波路としての光ファイバ、61a,62a…入射部としての一端、61b,61b…他端、64…反射面、65…トラップ装置としての冷却機構、70…光量検出装置、73…分光ユニットを構成する回折格子、74…分光ユニットを構成する駆動源、76…調整部としての制御装置、85A,85B…真空排気装置、90…分岐部、101…移動機構、113…誘導部としての内部空間、143,144,144A…遮光ユニット、EL…放射ビームとしての露光光、PL…プラズマ、Ra…被照射面、W…基板としてのウエハ。

Claims (21)

  1. 放射ビームの一部を遮光可能な遮光部を備えた遮光装置において、
    前記遮光部は、前記放射ビームの進行方向における光源側に位置し、当該放射ビームが入射可能な入射部と、該入射部を介した前記放射ビームが導かれる誘導部と、該誘導部内に入射した放射ビームの一部を反射可能な反射面と、を有することを特徴とする遮光装置。
  2. 前記遮光部は、長手方向における一端が前記放射ビームの進行方向における光源側を指向するように配置される光導波管を有し、
    該光導波管の一端に前記入射部が形成されると共に、前記光導波管内に形成される光導波路が前記誘導部であり、さらに、前記光導波路を包囲する側面が前記反射面であることを特徴とする請求項1に記載の遮光装置。
  3. 前記遮光部を複数備え、該複数の遮光部は、前記放射ビームが通過する開口部の形状を特定可能な位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮光装置。
  4. 前記遮光部を少なくとも一つ有する複数の遮光ユニットを備え、
    該複数の遮光ユニットは、前記放射ビームが通過する開口部の形状を特定可能な位置にそれぞれ配置されると共に、前記開口部の形状を変更させるべくそれぞれ移動可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遮光装置。
  5. 前記遮光部は、中空状であり、
    前記遮光部の内側面が前記反射面であると共に、該反射面によって包囲される空間が前記誘導部であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遮光装置。
  6. 前記誘導部内に侵入した異物を捕捉するためのトラップ装置をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の遮光装置。
  7. 前記トラップ装置は、前記遮光部の前記反射面を冷却する冷却機構を有することを特徴とする請求項6に記載の遮光装置。
  8. 前記トラップ装置は、前記誘導部に連通する連通部と、該連通部の内壁を冷却する冷却機構とを有することを特徴とする請求項6に記載の遮光装置。
  9. 前記トラップ装置は、前記誘導部内を真空排気する真空排気装置を有することを特徴とする請求項6に記載の遮光装置。
  10. 前記誘導部内に入射する前記放射ビームの光量を検出する光量検出装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の遮光装置。
  11. 前記誘導部内に入射する前記放射ビームの光量を検出する光量検出装置と、
    前記誘導部内に侵入した異物を前記トラップ装置側に導く一方、前記誘導部内に入射した前記放射ビームを前記光量検出装置側に導くための分岐部と、をさらに備えることを特徴とする請求項6、請求項8及び請求項9のうち何れか一項に記載の遮光装置。
  12. 前記光量検出装置は、前記放射ビームの波長毎の光量を検出するための分光ユニットを有することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の遮光装置。
  13. 前記遮光部の前記入射部を、前記放射ビームの光量を計測可能な位置に移動させる移動機構をさらに備えることを特徴とする請求項10〜請求項12のうち何れか一項に記載の遮光装置。
  14. 前記光量検出装置による検出結果に基づき、前記遮光部の前記入射部の配置位置を調整する調整部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の遮光装置。
  15. 前記遮光部は、所定のパターンが形成される被照射面と、該被照射面側に前記放射ビームを射出する光学部材との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項14のうち何れか一項に記載の遮光装置。
  16. 前記光導波管の少なくとも一端側は、前記放射ビームの光路と略平行に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の遮光装置。
  17. 前記光導波管の長手方向における前記一端は、前記放射ビームが照射される被照射面と、該被照射面側に前記放射ビームを射出する光学部材との間に配置されており、
    前記光導波管の長手方向における他端は、前記被照射面の配置位置とは異なる他の位置を指向するように配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項16に記載の遮光装置。
  18. 光源から出力される放射ビームで所定のパターンを照明する照明光学系と、
    請求項1〜請求項17のうち何れか一項に記載の遮光装置と、を備え、
    前記照明光学系から射出される前記放射ビームで前記所定のパターンを照明することにより形成されたパターンの像を、感光性材料が塗布された基板に投影することを特徴とする露光装置。
  19. 前記パターンの像を前記基板に投影するための投影光学系をさらに備え、
    該投影光学系に対して前記パターン及び前記基板を走査方向に沿って相対移動させることにより、前記基板に前記パターンの像を投影することを特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記光源は、プラズマを発生する発生部を有し、該発生部にて発生したプラズマから放射される放射ビームを前記照明光学系に供給することを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の露光装置。
  21. 請求項18〜請求項20のうち何れか一項に記載の露光装置を用いて、前記パターンの像を前記基板に露光する露光ステップと、
    該露光ステップ後において、前記基板を現像して前記パターンの像に対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成する現像ステップと、
    該現像ステップ後において、前記マスク層を介して前記基板を加工する加工ステップと、を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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