JP2011023219A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光結合損失の低減、小型化および低コスト化が可能であり、且つ、発光効率が高く、点光源とみなせる発光装置を提供する。
【解決手段】コア31に希土類元素を添加した直線状の光ファイバ3がLEDチップ1に光軸が一致する形でパッケージ2に保持され、パッケージ2には、LEDチップ1から放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部たる枠体部23が設けられているので、光学レンズを用いてスポットサイズを変換することなくLEDチップ1と光ファイバ3とを光結合することができ、LEDチップ1と光ファイバ3との間の光結合損失を低減できるとともに小型化および低コスト化が可能となる。また、直線状の光ファイバ3の長さがLEDチップ1側とは反対側の端面31bから増幅自然放出光が出射される長さに形成されているので、発光効率が高くなるとともに点光源とみなすことが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】コア31に希土類元素を添加した直線状の光ファイバ3がLEDチップ1に光軸が一致する形でパッケージ2に保持され、パッケージ2には、LEDチップ1から放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部たる枠体部23が設けられているので、光学レンズを用いてスポットサイズを変換することなくLEDチップ1と光ファイバ3とを光結合することができ、LEDチップ1と光ファイバ3との間の光結合損失を低減できるとともに小型化および低コスト化が可能となる。また、直線状の光ファイバ3の長さがLEDチップ1側とは反対側の端面31bから増幅自然放出光が出射される長さに形成されているので、発光効率が高くなるとともに点光源とみなすことが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、LEDチップと光ファイバとを用いた発光装置に関するものである。
従来から、LEDチップと光ファイバとを用いた発光装置として、図9に示すように、青色光を放射するLEDチップをCANパッケージに収納した青色発光ダイオード101と、青色発光ダイオード101から放射された光によって励起されてLEDチップよりも長波長の光を放射する希土類元素がコアに添加された光ファイバ103と、青色発光ダイオード101と光ファイバ103との間に配置され青色発光ダイオード101から放射された光を光ファイバ103のコアの端面に集光する両凸レンズからなる光学レンズ102とを備え、一部を環状に曲げた光ファイバ103のクラッドの外周面から青色光と希土類元素の放射する光との混色光よりなる白色光を放射させるようにした発光装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、図9に示した構成の発光装置では、青色発光ダイオード101から放射された光を集光してスポットサイズを変換する手段として、両凸レンズからなる光学レンズ102を用いているので、部品点数が増加するとともに小型化が難しく、その上、LEDチップと光ファイバ103との間の光結合損失が大きくなって発光効率が低下してしまう。また、図9に示した構成の発光装置では、青色発光ダイオード101のLEDチップと光学レンズ102と光ファイバ103のコアとの光軸合わせを行うためにアクティブアライメントを行わなければならず、生産効率が低下してコストが高くなってしまう。
また、一般的に、LEDチップを利用した発光装置を、配光制御用部材(例えば、レンズ、反射鏡など)を有する照明器具に組み込んで使用する場合、光利用効率および配光制御用部材での配光制御性を向上させるためには、発光装置を点光源と見なせるように発光装置の光出射面の面積を小さくすることが要求される。
しかしながら、図9に示した構成の発光装置は、光ファイバ103のクラッドの外周面から白色光を放射させるものであるから、点光源とみなすことはできない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、光結合損失の低減、小型化および低コスト化が可能であり、且つ、発光効率が高く、点光源とみなせる発光装置を提供することにある。
請求項1の発明は、LEDチップと、LEDチップが実装されたパッケージと、LEDチップから放射された光によって励起されてLEDチップよりも長波長の光を放射する希土類元素がコアに添加されてなりLEDチップに光結合する直線状の光ファイバとを備え、光ファイバがLEDチップに光軸が一致する形でパッケージに保持されるとともに、パッケージには、LEDチップから放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部が設けられ、且つ、光ファイバは、LEDチップ側とは反対側の端面から増幅自然放出光が出射される長さに形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、直線状の光ファイバがLEDチップに光軸が一致する形でパッケージに保持されるとともに、パッケージには、LEDチップから放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部が設けられているので、従来のような光学レンズを用いてスポットサイズを変換することなくLEDチップと光ファイバとを光結合することができるから、LEDチップと光ファイバとの間の光結合損失を低減できるとともに小型化および低コスト化が可能となり、しかも、直線状の光ファイバの長さがLEDチップ側とは反対側の端面から増幅自然放出光が出射される長さに形成されているので、発光効率が高くなるとともに点光源とみなすことが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記光ファイバは、前記LEDチップに近い端面側に、前記LEDチップから放射される光を透過し前記希土類元素から放射される光を反射する反射構造部が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、反射構造部により、前記コアから前記LEDチップ側への戻り光を防止することができ、発光効率の向上を図れる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記光ファイバは、ダブルクラッド光ファイバであることを特徴とする。
この発明によれば、前記光ファイバがダブルクラッド光ファイバなので、前記LEDチップからの光を内側のクラッドで伝搬させ、前記希土類元素からの光を前記コアで伝搬させることが可能となり、前記LEDチップと前記光ファイバとの光結合損失のより一層の低減を図れるとともに、前記コアの発熱を抑制でき、発光効率の向上を図れる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記光ファイバにおける前記LEDチップ側とは反対側の端面に、前記コアを伝搬してきた光と前記コアに近い側のクラッドを伝搬してきた光とを混色させる配光レンズ部が設けられてなることを特徴とする。
この発明によれば、配光レンズ部が設けられていることにより、前記LEDチップとして可視光LEDチップを用いることができ、紫外LEDチップを用いる場合に比べて光出力の高出力化を図れる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記光ファイバは、フォトニック結晶光ファイバであることを特徴とする。
この発明によれば、前記光ファイバがフォトニック結晶光ファイバなので、光閉じ込め効果を高めることができて前記コアの断面積を大きくすることができ、前記LEDチップと前記光ファイバとの光結合損失を低減できる。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記光ファイバは、前記LEDチップに近い端面側に、前記LEDチップと前記光ファイバとの光結合用のフォトニック結晶が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、光結合用のフォトニック結晶により、前記LEDチップからの光を効率良く前記光ファイバに導入することができる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記光ファイバにおける前記LEDチップ側とは反対側の端面に、前記光ファイバのコアと同じ材料からなる端面保護用のエンドキャップが被着されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記光ファイバにおける前記LEDチップ側とは反対側の端面に、光エネルギなどに起因した損傷が発生するのを防止することができる。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7の発明において、前記パッケージは、前記LEDチップを囲み外周形状が円形状である枠体部を有し、前記光ファイバは、前記LEDチップ側の端面に枠体部に嵌合する嵌合穴が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記パッケージの枠体部に前記光ファイバの嵌合穴を嵌合させることにより前記パッケージに対する前記光ファイバの位置決めがなされるので、前記パッケージに対する前記光ファイバの位置決めが容易になり、前記LEDチップの光軸と前記光ファイバの光軸とのアライメント精度を向上できる。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記パッケージは、前記LEDチップを封止し且つ前記LEDチップから放射される光の前記光ファイバへの入射角を前記光ファイバの最大受光角以下とするレンズ状封止部を有することを特徴とする。
この発明によれば、前記パッケージが前記LEDチップから放射される光の前記光ファイバへの入射角を前記光ファイバの最大受光角以下とするレンズ状封止部を有することにより、前記LEDチップからの光を前記光ファイバへより効率良く導入することができる。
請求項1の発明では、LEDチップと光ファイバとの間の光結合損失を低減できるとともに小型化および低コスト化が可能となり、しかも、直線状の光ファイバの長さがLEDチップ側とは反対側の端面から増幅自然放出光が出射される長さに形成されているので、発光効率が高くなるとともに点光源とみなすことが可能となるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の発光装置は、図1に示すように、LEDチップ1と、LEDチップ1が実装されたパッケージ2と、LEDチップ1から放射された光によって励起されてLEDチップ1よりも長波長の光を放射する希土類元素がコア31に添加されてなりLEDチップ1に光結合する直線状の光ファイバ3とを備えている。なお、図1では、光ファイバ3のクラッド32の外周面を覆っている被覆の図示を省略してある。
本実施形態の発光装置は、図1に示すように、LEDチップ1と、LEDチップ1が実装されたパッケージ2と、LEDチップ1から放射された光によって励起されてLEDチップ1よりも長波長の光を放射する希土類元素がコア31に添加されてなりLEDチップ1に光結合する直線状の光ファイバ3とを備えている。なお、図1では、光ファイバ3のクラッド32の外周面を覆っている被覆の図示を省略してある。
上述のLEDチップ1は、青色の光を放射するGaN系の青色LEDチップであって、厚み方向の一表面側に、図示しない各電極(アノード電極、カソード電極)が形成されており、パッケージ2の一部を構成する矩形板状のベース基板21にフリップチップ実装してある。なお、LEDチップ1は、青色LEDチップに限定するものではなく、例えば、紫色の光を放射する紫色LEDチップや、紫外光を放射する紫外LEDチップや、緑色の光を放射する緑色LEDチップなどでもよい。また、本実施形態では、LEDチップ1としてチップサイズが0.3mm□のものを用いているが、LEDチップ1のチップサイズは特に限定するものではなく、例えば、1mm□のものを用いてもよい。また、ベース基板21の外周形状は矩形状に限定するものではなく、例えば、六角形状、八角形状、円形状などでもよい。
ベース基板21は、LEDチップ1への給電用の一対の配線パターン22,22を有しており、厚み方向の一表面側においてLEDチップ1の各電極それぞれが配線パターン22,22とバンプ25,25を介して接合され電気的に接続されている。なお、各バンプ25は、Auバンプにより構成してあるが、各バンプ25の材料は特に限定するものではない。また、各電極に接合するバンプ25の数は特に限定するものではなく、各電極の面積に応じて適宜設定すればよく、バンプ25の数を多くしたほうがLEDチップ1で発生する熱を効率良くベース基板21へ放熱させることが可能となる。
本実施形態の発光装置は、LEDチップ1がベース基板1にフリップチップ実装されているが、LEDチップ1の各電極をボンディングワイヤを介して配線パターン22,22と電気的に接続する実装構造を採用してもよい。なお、LEDチップ1は、厚み方向の上記一表面側に各電極が形成されているが、厚み方向の上記一表面側に一方の電極が形成され、他表面側に他方の電極が形成されたものを用いてもよく、この場合には、2つの電極のうちの一方の電極を一方の配線パターン22に例えばAuSn層からなる導電性接合層を介して電気的に接続し、他方の電極を他方の配線パターン22にボンディングワイヤを介して電気的に接続すればよい。
また、パッケージ2は、LEDチップ1を封止し且つLEDチップ1から放射される光の光ファイバ3への入射角を光ファイバ3の最大受光角以下(本実施形態では、コア31におけるLEDチップ1側の端面31aの最大受光角以下)とする凸レンズ状のレンズ状封止部24を有している。ここで、レンズ状封止部24の材料としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなどの透光性材料を採用すればよい。
また、パッケージ2は、上述のベース基板21の上記一表面側に、LEDチップ1およびレンズ状封止部24を囲み外周形状が円形状である枠体部23を有している。ここにおいて、枠体部23は、円形状に開口した枠状の形状であって、ベース基板21から突出高さ寸法をレンズ状封止部24の高さ寸法よりもやや大きく設定してある。枠体部23の材料としては、例えば、LEDチップ1から放射される光の反射率が高い金属(例えば、Alなど)などを採用すればよく、本実施形態では、Alを採用している。なお、枠体部23の材料は金属に限らず、高耐熱の樹脂(例えば、PBTなど)などを採用してもよく、この場合は、枠体部23の内側面に、例えば、AlやAgなどを蒸着すればよい。
上述の枠体部23は、LEDチップ1から放射されパッケージ2から出射する光の広がり角を制御して光ファイバ3への入射角を制御する機能を有している。要するに、本実施形態では、枠体部23が、LEDチップ1から放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部を構成している。
上述の枠体部23の形状は、図1の形状に限らず、例えば、図2(a)に示すように、先端部から内方へ延出する庇部23aを設けた形状でもよいし、図2(b)に示すように、ベース基板21から離れるにつれて開口面積が徐々に大きくなる形状に形成してもよい。また、枠体部23は、内側面を放物面状の形状としてもよい。
上述のベース基板21は、電気絶縁性を有し且つ熱伝導性の高いAlN基板からなるセラミック基板を用いて形成してあるが、セラミック基板に限らず、例えば、シリコン基板を用いて形成してもよく、この場合には、シリコン基板の厚み方向の一表面側のみに配線パターン22,22を設けるか、あるいは、配線パターン22,22の一部をシリコン基板の厚み方向に貫通する貫通孔配線により構成するようにすれば、1枚のシリコンウェハに多数のベース基板21を形成した後で個々のベース基板21にダイシングすることが可能となる。
また、上述の枠体部23もシリコン基板を用いて形成してもよく、ベース基板21と枠体部23とを1枚のシリコン基板を用いて形成してもよいし、2枚のシリコン基板を用いて形成してもよく、いずれにしても、1枚のシリコンウェハあるいは2枚のシリコンウェハを用いて多数のパッケージ2を形成した後で、各パッケージ2それぞれに光ファイバ3を機械的且つ光学的に結合してから、個々のパッケージ2にダイシングすることが可能となる。
光ファイバ3は、上述のように希土類元素がコア31に添加されているが、上述のようにLEDチップ1の発光色が青色の場合、希土類元素としては、例えば、Pr(緑色〜赤色の光を放射する)、Sm(橙色〜赤色の光を放射する)、Eu(赤色の光を放射する)、Er(緑色〜赤色の光を放射する)、Ho(緑色〜赤色の光を放射する)、Dy(黄色の光を放射する)、Tb(緑色の光を放射する)などから適宜採用すればよい。
また、光ファイバ3としては、シングルモードファイバを採用しているが、シングルモードファイバに限らず、ステップインデックス型(SI型)マルチモードファイバや、グレーデッドインデックス型(GI型)マルチモードファイバなどを採用してもよい。
上述の光ファイバ3は、LEDチップ1に光軸が一致する形でパッケージ2に保持されている。光ファイバ3は、LEDチップ1側の端面に、パッケージ2の枠体部23に嵌合する嵌合穴33が形成されている。ここで、光ファイバ3の嵌合穴33は、コア31におけるLEDチップ1側の端面(光入射面)31aを光ファイバ3の光軸方向において他の部位(クラッド32および被覆)よりも後退させる(コア31の一部を除去する)ことにより形成されている。また、嵌合穴33の深さ寸法は、枠体部23の突出高さ寸法と同じ寸法に設定してある。したがって、LEDチップ1の光軸方向においてLEDチップ1とコア31との相対的な位置精度を高めることができる。
ところで、光ファイバ3は、LEDチップ1に光軸が一致する形でパッケージ2に保持され、且つ、LEDチップ1側とは反対側の端面(光出射面)31bから増幅自然放出光(Amplified Spontaneous Emission)が出射される長さに形成されている。なお、光ファイバ3の長さは、コア31の直径にもよるが、コア31の直径が0.5mmの場合には、例えば、コア31の全長(両端面31a,31b間の距離)が40mm〜100mm程度の範囲内となるように適宜設定すればよい。
以上説明した本実施形態の発光装置では、コア31に希土類元素を添加した直線状の光ファイバ3がLEDチップ1に光軸が一致する形でパッケージ2に保持されるとともに、パッケージ2には、LEDチップ1から放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部たる枠体部23が設けられているので、従来のような両凸レンズよりなる光学レンズ102(図9参照)を用いてスポットサイズを変換することなくLEDチップ1と光ファイバ3とを光結合することができるから、LEDチップ1と光ファイバ3との間の光結合損失を低減できるとともに小型化および低コスト化が可能となり、しかも、直線状の光ファイバ3の長さがLEDチップ1側とは反対側の端面31bから増幅自然放出光が出射される長さに形成されているので、発光効率が高くなるとともに点光源とみなすことが可能となる。しかして、本実施形態の発光装置は、指向性が強いので、レンズや反射鏡などの配光制御部材による配光制御の自由度が高く、しかも、光出力も大きいので、例えば、照明用途(照明器具など)の光源や、自動車のヘッドライト用の光源などとしても適用可能である。
ここで、本実施形態の発光装置では、光ファイバ3におけるLEDチップ1側とは反対側の端面31bからLEDチップ1からの光と希土類元素からの光の混色光として白色光が放射される(出射される)が、希土類元素の波長変換効率が高く、且つ、当該端面31bから増幅自然放出光が出射されることから、光出力の高出力化を図れるので、図3に示すように、光ファイバ3におけるLEDチップ1側とは反対側の端面31bに、光ファイバ3のコア31と同じ材料からなる端面保護用のエンドキャップ4を被着してもよく、このようなエンドキャップ4を被着しておくことにより、光ファイバ3におけるLEDチップ1側とは反対側の端面31bに、光エネルギなどに起因した損傷が発生するのを防止することができる。なお、光ファイバ3の光軸方向におけるエンドキャップ4の長さは、例えば、数100μm〜数mm程度とすればよい。ここで、エンドキャップ4は、少なくともコア31の端面31bに被着されていればよく、コア31の当該端面31bから離れるにつれて断面積が徐々に大きくなる形状とすることが好ましい。なお、エンドキャップ4は、コア31とクラッド32との両方に跨るように被着してもよい。
また、本実施形態の発光装置では、パッケージ2の枠体部23に光ファイバ3の嵌合穴33を嵌合させることによりパッケージ2に対する光ファイバ3の位置決めがなされるので、パッケージ2に対する光ファイバ3の位置決めが容易になり、アクティブアライメントを行うことなくLEDチップ1の光軸と光ファイバ3の光軸とのアライメント精度を向上できる。
また、本実施形態の発光装置では、パッケージ2がLEDチップ1から放射される光の光ファイバ3への入射角を光ファイバ3の最大受光角以下とするレンズ状封止部24を有しているので、LEDチップ1からの光を光ファイバ3へより効率良く導入することができる。また、本実施形態の発光装置において、光ファイバ3におけるLEDチップ1に近い端面側に、LEDチップ1と光ファイバ3との光結合用のフォトニック結晶を形成してもよく、このような光結合用のフォトニック結晶を形成しておけば、LEDチップ1からの光を更に効率良く光ファイバ3に導入することができる。
(実施形態2)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図4に示すように、光ファイバ3において、LEDチップ1に近い端面31a側に、LEDチップ1から放射される光を透過しコア31の希土類元素から放射される光を反射する反射構造部34が形成されている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を省略する。
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図4に示すように、光ファイバ3において、LEDチップ1に近い端面31a側に、LEDチップ1から放射される光を透過しコア31の希土類元素から放射される光を反射する反射構造部34が形成されている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符合を付して説明を省略する。
反射構造部34は、LEDチップ1から放射される光を透過しコア31の希土類元素から放射される光を反射するように設計したDBR(Distributed Bragg Reflector)により構成されている。
しかして、本実施形態の発光装置では、光ファイバ3に上述の反射構造部34が形成されていることにより、コア31からLEDチップ1側への戻り光を防止することができ、発光効率の向上を図れる。
(実施形態3)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態2と同じであり、図5に示すように、光ファイバ3の反射構造部34がフォトニック結晶により構成されている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態2と同じであり、図5に示すように、光ファイバ3の反射構造部34がフォトニック結晶により構成されている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ここにおいて、反射構造部34を構成するフォトニック結晶は、コア31の材料(例えば、ガラス、石英、プラスチックなど)からなる第1の媒質34aとコア31の材料とは屈折率の異なる第2の媒質34bとで構成されて、3次元の屈折率周期構造を有している。なお、反射構造部34を構成するフォトニック結晶の構造は特に限定するものではない。
しかして、本実施形態の発光装置は、実施形態2と同様、光ファイバ3に上述の反射構造部34が形成されていることにより、コア31からLEDチップ1側への戻り光を防止することができ、発光効率の向上を図れる。
なお、本実施形態や実施形態2においても、実施形態1で説明したエンドキャップ4を設けてもよいことは勿論である。
また、実施形態1〜3において、光ファイバ3として例えば図6に示すような断面構造のフォトニック結晶光ファイバを用いてもよく、この場合には、光閉じ込め効果を高めることができてコア31の断面積を大きくすることができ、LEDチップ1と光ファイバ3との光結合損失をより低減できる。
(実施形態4)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図7に示すように、光ファイバ3としてダブルクラッド光ファイバを用いている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図7に示すように、光ファイバ3としてダブルクラッド光ファイバを用いている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態における光ファイバ3は、実施形態1で説明したクラッド(以下、第1のクラッドと称する)32の外側にクラッド(以下、第2のクラッドと称する)35が形成されており、LEDチップ1からの光を両クラッド32,35の界面で全反射させコア31に近い側の第1のクラッド32を伝搬させるようにしてある。ここにおいて、光ファイバ3の嵌合穴33は、コア31および第1のクラッド32それぞれにおけるLEDチップ1側の端面(光入射面)31a,32aを光ファイバ3の光軸方向において他の部位(第2のクラッド35および被覆)よりも後退させる(コア31および第1のクラッド32それぞれの一部を除去する)ことにより形成されている。また、パッケージ2の枠体部23は、円形状に開口されており、開口径がコア31の内径よりも大きく且つ第2のクラッド32の外径よりも小さく設定してある。
また、本実施形態の発光装置では、LEDチップ1として主波長が405nmの紫外光を放射するInGaN系の紫外LEDチップを用い、コア31におけるLEDチップ1側とは反対側の端面31bから混色光として白色光が出射されるように、コア31に互いに発光色の異なる複数種の希土類元素を添加してある。なお、LEDチップ1の主波長や端面31bから出射される混色光の色は特に限定するものではない。
しかして、本実施形態の発光装置によれば、光ファイバ3がダブルクラッド光ファイバなので、LEDチップ1からの光を内側のクラッド31で伝搬させ、コア31の希土類元素からの光をコア31で伝搬させることが可能となり、LEDチップ1と光ファイバ3との光結合損失のより一層の低減を図れるとともに、コア31の発熱を抑制でき、発光効率の向上を図れる。
ところで、本実施形態の発光装置において、LEDチップ1として青色LEDチップなどの可視光LEDチップを用いる場合には、図8に示すように、光ファイバ3におけるLEDチップ1側とは反対側の端面の形状を、コア31を伝搬してきた光とコア31に近い側のクラッド32を伝搬してきた光とを混色させるレンズ状に形成すればよい。ここで、図8に示した例では、コア31の端面31bを負の屈折力を有する凹形状とするとともに第1のクラッド32の端面32bを正の屈折力を有する凸形状とし、コア31の端面31bと第1のクラッド32の端面32bとを滑らかに連続させてある。なお、図8では、コア31の端面31bから出射される光の広がり範囲を一点鎖線で示し、第1のクラッド32の端面32bから出射される光の広がり範囲を二点鎖線で示してある。
しかして、本実施形態の発光装置によれば、光ファイバ3におけるLEDチップ1側とは反対側の端面が、コア31を伝搬してきた光とコア31に近い側のクラッド32を伝搬してきた光とを混色させる配光レンズ部を構成しているので、LEDチップ1として可視光LEDチップを用いることができ、紫外LEDチップを用いる場合に比べて光出力の高出力化を図れる。
1 LEDチップ
2 パッケージ
3 光ファイバ
4 エンドキャップ
21 ベース基板
23 枠体部(広がり角制御部)
24 レンズ状封止部
31 コア
31a 端面(光入射面)
31b 端面(光出射面)
32 クラッド
32a 端面
32b 端面
33 嵌合穴
34 反射構造部
35 クラッド
2 パッケージ
3 光ファイバ
4 エンドキャップ
21 ベース基板
23 枠体部(広がり角制御部)
24 レンズ状封止部
31 コア
31a 端面(光入射面)
31b 端面(光出射面)
32 クラッド
32a 端面
32b 端面
33 嵌合穴
34 反射構造部
35 クラッド
Claims (9)
- LEDチップと、LEDチップが実装されたパッケージと、LEDチップから放射された光によって励起されてLEDチップよりも長波長の光を放射する希土類元素がコアに添加されてなりLEDチップに光結合する直線状の光ファイバとを備え、光ファイバがLEDチップに光軸が一致する形でパッケージに保持されるとともに、パッケージには、LEDチップから放射される光の広がり角を制御する広がり角制御部が設けられ、且つ、光ファイバは、LEDチップ側とは反対側の端面から増幅自然放出光が出射される長さに形成されてなることを特徴とする発光装置。
- 前記光ファイバは、前記LEDチップに近い端面側に、前記LEDチップから放射される光を透過し前記希土類元素から放射される光を反射する反射構造部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記光ファイバは、ダブルクラッド光ファイバであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光装置。
- 前記光ファイバにおける前記LEDチップ側とは反対側の端面が、前記コアを伝搬してきた光と前記コアに近い側のクラッドを伝搬してきた光とを混色させるレンズ状に形成されてなることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
- 前記光ファイバは、フォトニック結晶光ファイバであることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記光ファイバは、前記LEDチップに近い端面側に、前記LEDチップと前記光ファイバとの光結合用のフォトニック結晶が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記光ファイバにおける前記LEDチップ側とは反対側の端面に、前記光ファイバのコアと同じ材料からなる端面保護用のエンドキャップが被着されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記パッケージは、前記LEDチップを囲み外周形状が円形状である枠体部を有し、前記光ファイバは、前記LEDチップ側の端面に枠体部に嵌合する嵌合穴が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記パッケージは、前記LEDチップを封止し且つ前記LEDチップから放射される光の前記光ファイバへの入射角を前記光ファイバの最大受光角以下とするレンズ状封止部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009167487A JP2011023219A (ja) | 2009-07-16 | 2009-07-16 | 発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009167487A JP2011023219A (ja) | 2009-07-16 | 2009-07-16 | 発光装置 |
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JP2011023219A true JP2011023219A (ja) | 2011-02-03 |
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JP2009167487A Withdrawn JP2011023219A (ja) | 2009-07-16 | 2009-07-16 | 発光装置 |
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JP (1) | JP2011023219A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114963050A (zh) * | 2022-04-29 | 2022-08-30 | 深圳市彩立德照明光电科技有限公司 | 光纤耦合led光源的通体发光照明系统 |
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2009
- 2009-07-16 JP JP2009167487A patent/JP2011023219A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114963050A (zh) * | 2022-04-29 | 2022-08-30 | 深圳市彩立德照明光电科技有限公司 | 光纤耦合led光源的通体发光照明系统 |
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