JP5271349B2 - 発光装置、照明装置および車両用前照灯 - Google Patents

発光装置、照明装置および車両用前照灯 Download PDF

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Description

本発明は、高輝度光源として機能する発光装置並びに、当該発光装置を備えた照明装置および車両用前照灯、ならびに、発光装置の製造方法に関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。
このような発光装置に関する技術の例として特許文献1に開示された灯具がある。この灯具では、高輝度光源を実現するために、励起光源として半導体レーザを用いている。半導体レーザから発振されるレーザ光は、コヒーレントな光であるため、指向性が強く、当該レーザ光を励起光として無駄なく集光し、利用することができる。このような半導体レーザを励起光源として用いた発光装置(LD発光装置と称する)を車両用ヘッドランプに好適に適用することができる。励起光源として半導体レーザを用いることにより、LEDでは実現し得なかった高輝度の光源を実現できる。
このようなレーザ光を励起光として用いた場合、微小な発光部、すなわち微小な体積の発光部において、発光部に照射されて吸収される励起光のうちの、蛍光体により蛍光に変換されること無く熱に変換されてしまう成分が、発光部の温度を容易に上昇させ、その結果、発光部の特性低下や熱による損傷を引き起こしてしまう。
この問題を解決するために特許文献2の発明では、波長変換部材(発光部に相当)の周囲(外表面)を覆うように配置されるなどして、波長変換部材に熱的に接続された透光性で膜状の熱伝導部材を設け、この熱伝導部材により波長変換部材の発熱を軽減している。更に、例えば凸レンズや凹レンズといった所望の形状のガラスや樹脂等の周囲に高熱伝導物質を被覆させることにより、熱伝導部材を比較的容易に所望の形状とする方法も開示されている。
また、特許文献3の発明では、波長変換部材を円筒形状のフェルールで保持し、このフェルールにワイヤ状の熱伝導部材を熱的に接続することにより波長変換部材の発熱を軽減している。
また、特許文献4の発明では、光変換部材(発光部に相当)の、半導体発光素子が位置する側に、冷媒が流れる流路を有する放熱部材を設け、光変換部材を冷却している。
なお、光源としての高出力LEDチップの表面に透光性のヒートシンクを熱的に接続し、高出力LEDチップを冷却する構成が特許文献5に開示されている。
特開2005−150041号公報(2005年6月9日公開) 特開2007−27688号公報(2007年2月1日公開) 特開2007−335514号公報(2007年12月27日公開) 特開2005−294185号公報(2005年10月20日公開) 特表2009−513003号公報(2009年3月26日公表)
熱伝導部材を用いずに発光部に高出力、高光密度の励起光を照射すると、照射されている部分の温度が局所的に上昇してしまう。それに対して、発光部と透光性の熱伝導部材とを接触させ、透光性の熱伝導部材を介して励起光を発光部に照射することによって、発光部のうち一番温度が上昇する個所、すなわち、励起光照射面近傍の温度上昇を抑制することができる。
しかし、この熱伝導部材の配置によって、発光部内の放熱効率に大きな差が生じてしまう。そこに更に強い励起光を照射すると、発光部内では透光性の熱伝導部材から遠くなればなるほど温度が上昇し、場合によっては発光部の大幅な発光効率の低下や、寿命の低下が引き起こされてしまうという問題が見つかった。
特に、特許文献2の発明では、膜状や層状といった熱伝導部材に波長変換部材を密着されている。このような熱伝導部材に波長変換部材を固定し、支持させることは困難であった。なぜなら、膜状や層状といった外力に脆い形状であり、波長変換部材を支持するには脆弱すぎるからである。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、発光部の熱を吸収する熱伝導部材の熱吸収効率を熱伝導部材の配置によって高め、発光部の温度上昇を抑制することができる発光装置、照明装置および車両用前照灯、ならびに、発光装置の製造方法を提供することにある。
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光により発光する蛍光体を含む発光部と、上記発光部における上記励起光が照射される面である励起光照射面の側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第一の熱伝導部材と、上記発光部における上記励起光照射面と対向する面の側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第二の熱伝導部材とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、励起光源から出射された励起光を受けて発光部が発光するが、このときに励起光の一部が熱となり、発光部が発熱する。温度上昇する箇所である発光部の励起光照射面側から第一の熱伝導部材により熱を受け取る。
また、発光部において励起光照射面側から離れれば離れるほど、第一の熱伝導部材による放熱効率が悪くなる。第一の熱伝導部材による放熱効率が一番悪くなる箇所である、発光部の励起光照射面と対向する面側から、第二の熱伝導部材によって熱を受け取る。
それゆえ、発光部において生じた熱を、熱伝導部材を用いて効率良く逃がすこと(すなわち、熱伝導部材の熱吸収効率を高めること)ができるので、発光部の温度上昇を抑制することができる。
ここで、「励起光照射面」および「励起光照射面と対向する面」の各々の「面」は、例えば発光部が直方体や立方体であれば、平面を意味することになる。もちろん、発光部は直方体や立方体といった形状に限られるものではなく、3次元の空間的ひろがりを持つ立体形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、発光部が球であれば、上記の各々の「面」は球面を意味することになる。このように、上記の各々の「面」は発光部の形状に応じ、その意味する面が異なっている。
上記発光部における、上記励起光照射面の側および上記励起光照射面と対向する面の側のいずれとも異なる側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第三の熱伝導部材をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、発光部における、発光部の励起光照射面の側および上記励起光照射面と対向する面の側のいずれとも異なる側からも放熱できるため、更に効果的に発光部の温度上昇を抑制することができる。
上記第一の熱伝導部材、上記第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材は、上記発光部よりも高い熱伝導率を有していることが好ましい。
上記構成によれば、発光部よりも高い熱伝導率を有しているため、発光部の温度上昇を抑制することができる。
上記第二の熱伝導部材と上記第三の熱伝導部材とは、互いに結合されて一体化されていることが好ましい。
上記構成によれば、第二の熱伝導部材と第三の熱伝導部材とが互いに結合されて一体化されているので、第二の熱伝導部材と第三の熱伝導部材との相対位置関係が固定される。
それゆえ、第二の熱伝導部材と第三の熱伝導部材の相互位置ずれや、それらの一部の落下といった問題を低減することができる。
上記第一の熱伝導部材と上記第三の熱伝導部材とは、互いに結合されて一体化されていることが好ましい。
上記構成によれば、第一の熱伝導部材と第三の熱伝導部材とが互いに結合されて一体化されているので、第一の熱伝導部材と第三の熱伝導部材との相対位置関係が固定される。
それゆえ、第一の熱伝導部材と第三の熱伝導部材の相互位置ずれや、それらの一部の落下といった問題を低減することができる。
上記第三の熱伝導部材は、上記第一の熱伝導部材と上記第二の熱伝導部材との相対位置関係を固定することが好ましい。
上記構成によれば、第三の熱伝導部材を用いて、第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材との相対位置関係が固定される。
例えば、第二の熱伝導部材と第三の熱伝導部材とが互いに結合されて一体化されている場合において、第三の熱伝導部材をさらに第一の熱伝導部材に接合させればよい。また、第一の熱伝導部材と第三の熱伝導部材とが互いに結合されて一体化されている場合においては、第三の熱伝導部材をさらに第二の熱伝導部材に接合させればよい。
このような接合により、第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材との相対位置関係が固定される。
それゆえ、第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材との相互位置ずれや、それらの一部の落下といった問題を低減することができる。
上記発光部は、蛍光体保持物質と、当該蛍光体保持物質に分散されており、レーザ光が照射されることにより発光する蛍光体と、を混合し焼結させた焼結体であり、上記焼結体は、上記第一の熱伝導部材、上記第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材の少なくとも1つに密着していることが好ましい。
上記構成によれば、焼結体である発光部が、第一の熱伝導部材、第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材の少なくとも1つに密着している。このため、密着面での放熱効率が上がり、更に効果的に発光部を冷却することができる。
また、発光部の蛍光体は脆いため、発光部単体では取り扱いに気を配る必要があったが、発光部が第一、第二および第三の熱伝導部材の少なくとも1つと密着し、一体となっていれば、製造上での取り扱いが容易になる。また、発光部の位置ずれや落下といった問題を低減することができる。
上記第一の熱伝導部材は、上記励起光を拡散する拡散剤を含んでいることが好ましい。
励起光はコヒーレントな光であり、発光部において蛍光に変換または拡散されずにそのまま外部に放射されると人体に害を及ぼす可能性がある。
上記構成によれば、この拡散剤によって励起光が拡散される。それゆえ、発光部において励起光が全て蛍光に変換または拡散されない場合でも、予め励起光を第一の熱伝導部材で拡散しておくことで、コヒーレントな光が外部に漏れる可能性を低減できる。
上記第二の熱伝導部材は、上記励起光を拡散する拡散剤を含んでいることが好ましい。
励起光はコヒーレントな光であり、発光部において蛍光に変換または拡散されずにそのまま外部に放射されると人体に害を及ぼす可能性がある。
上記構成によれば、この拡散剤によって、蛍光に変換または拡散されずに発光部を通過した励起光が拡散されることによって、コヒーレントな光が外部に漏れる可能性を低減できる。
上記発光部における、上記励起光照射面と当該励起光照射面と対向する面との間の厚みは、上記蛍光体の粒径の10倍以上、2mm以下であることが好ましい。
発光部を薄くすれば、厚い場合に比べて発光部の熱を第一の熱伝導部材や第二の熱伝導部材へ効率良く伝えることができるが、発光部を薄くし過ぎると励起光が蛍光に変換されず外部に放射される恐れがある。逆に、発光部を厚くし過ぎると、第一の熱伝導部材や第二の熱伝導部材による発光部の放熱効率が低下するとともに、発光装置の配光パターンがぼけてしまう可能性がある。
それゆえ、発光部の厚みは、蛍光体の粒径の10倍以上、2mm以下であることが好ましい。発光部の厚みが蛍光体の粒径の10倍あれば、ほぼ全ての励起光が蛍光に変換されることがシミュレーションにより明らかになっている。
上記第一の熱伝導部材、上記第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材の各々における、上記発光部との接触面からの厚みは、0.3mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。
第一、第二および第三の熱伝導部材の厚みが0.3mmよりも薄いと発光部の放熱を十分にできず、発光部が劣化してしまう可能性がある。また、3.0mmを超える厚みにすると、発光部に向けて照射された励起光や発光部で生じた蛍光が、第一、第二および第三の熱伝導部材において吸収される率が大きくなり、励起光の利用効率が顕著に下がる。
それゆえ、熱伝導部材の厚みは、0.3mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。
本発明に係る発光装置の製造方法は、上記の課題を解決するために、熱伝導部材をカップ形状に成型する成型ステップと、発光部を形成するため、蛍光体と共に、上記熱伝導部材より融点の低い蛍光体保持物質を、上記カップ形状の熱伝導部材の中で焼結させる焼結ステップと、上記カップ形状の熱伝導部材の開口面側が平坦面となるように、当該開口面側から上記発光部および上記熱伝導部材を研磨する研磨ステップと、上記カップ形状の熱伝導部材と、少なくとも一部に平坦面を有する別の熱伝導部材とを、それらの平坦面同士が対向するように、接合させる接合ステップとを含むことを特徴としている。
上記方法によれば、成型ステップにより熱伝導部材のカップ形状を所望のものとしておけば、焼結ステップにより自動的にカップ内に密着する発光部を形成できる。そのため、カップ形状の熱伝導部材への熱的結合をよくしつつ、製造プロセスの簡略化を図ることができる。その結果、製造歩留まりが大幅に向上するという効果を奏することができる。
また、研磨ステップと接合ステップとを経て、カップ形状の熱伝導部材の開口面側での発光部と別の熱伝導部材との接合が強固となり、発光部と別の熱伝導部材との放熱効率も上がる。
さらに、熱伝導部材同士の接合も強固となり、熱伝導部材の位置ずれや、それらの一部の落下といった問題を低減することができる。
また、上記発光装置を備えている照明装置および車両用前照灯も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る発光装置は、以上のように、励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光により発光する蛍光体を含む発光部と、上記発光部における上記励起光が照射される面である励起光照射面の側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第一の熱伝導部材と、上記発光部における上記励起光照射面と対向する面の側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第二の熱伝導部材とを備える構成である。
それゆえ、発光部の熱を吸収する熱伝導部材の熱吸収効率を熱伝導部材の配置によって高め、発光部の温度上昇を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプが備える発光部と熱伝導部材とが中空部材によって接着されている構造を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその斜視図である。 上記中空部材の変形例を示す断面図である。 (a)は、半導体レーザの回路図を模式的に示したものであり、(b)は、半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。 上記中空部材の変形例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、上記中空部材の変形例を示す斜視図である。 上記ヘッドランプの製造方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るレーザダウンライトが備える発光ユニットおよび従来のLEDダウンライトの外観を示す概略図である。 上記レーザダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトの断面図である。 上記レーザダウンライトの設置方法の変更例を示す断面図である。 上記LEDダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトおよび上記LEDダウンライトのスペックを比較するための図である。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、本発明の照明装置の一例として、自動車用のヘッドランプ(発光装置、照明装置、車両用前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具を挙げることができる。
また、ヘッドランプ1は、走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たしていてもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たしていてもよい。
(ヘッドランプ1の構成)
まず、図1を参照しながら、ヘッドランプ1の構成について説明する。図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。同図に示すように、ヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ2と、非球面レンズ4と、光ファイバー5と、フェルール6と、発光部7と、反射鏡8と、透明板9と、ハウジング10と、エクステンション11と、レンズ12と、熱伝導部材(第一の熱伝導部材)13と、中空部材(第二の熱伝導部材)14と、冷却部15と、を備えている。図2は、熱伝導部材13と中空部材14とが接続(接着または溶接)されている構造を示す図であり、(a)がその断面図、(b)がその斜視図である。
(半導体レーザアレイ2/半導体レーザ3)
半導体レーザアレイ2は、励起光を出射する励起光源として機能し、複数の半導体レーザ(励起光源)3を基板上に備えるものである。半導体レーザ3のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。なお、励起光源として複数の半導体レーザ3を用いる必要は必ずしもなく、半導体レーザ3を1つのみ用いてもよいが、高出力のレーザ光を得るためには、複数の半導体レーザ3を用いる方が容易である。
半導体レーザ3は、1チップに1つの発光点を有するものであり、例えば、405nm(青紫色)のレーザ光を発振し、出力1.0W、動作電圧5V、電流0.6Aのものであり、直径5.6mmのパッケージに封入されているものである。半導体レーザ3が発振するレーザ光は、405nmに限定されず、380nm以上470nm以下の波長範囲にピーク波長を有するレーザ光であればよい。
なお、380nmより小さい波長のレーザ光を発振する良質な短波長用の半導体レーザを作製することが可能であれば、本実施の形態の半導体レーザ3として、380nmより小さい波長のレーザ光を発振するように設計された半導体レーザを用いることも可能である。
また、本実施形態では、励起光源として半導体レーザを用いたが、半導体レーザの代わりに、発光ダイオードを用いることも可能である。
(非球面レンズ4)
非球面レンズ4は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光(励起光)を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bに入射させるためのレンズである。例えば、非球面レンズ4として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ4の形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
(光ファイバー5)
(光ファイバー5の配置)
光ファイバー5は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、上記レーザ光を受け取る複数の入射端部5bと、入射端部5bから入射したレーザ光を出射する複数の出射端部5aとを有している。複数の出射端部5aは、発光部7のレーザ光照射面(励起光照射面)7aにおける互いに異なる領域に対してレーザ光を出射する。
ここで、レーザ光照射面7aは、図1および図2に示すように、発光部7が直方体あるいは立方体である場合、平面となる。もちろん、発光部7は直方体や立方体といった形状に限られるものではなく、3次元の空間的ひろがりを持つ立体形状であれば、どのような形状であってもよい。したがって、例えば、発光部7が球であれば、レーザ光照射面7aは当然のことながら球面となる。
また、図2(a)中に示したレーザ光照射面7aは、レーザ光が発光部7の中心部にのみ照射される場合を図示したものである。レーザ光が発光部7の光ファイバー5側の全面に照射される場合は、当然ながら、レーザ光照射面7aは発光部7の光ファイバー5側の全面となる。
例えば、複数の光ファイバー5の出射端部5aは、レーザ光照射面7aに対して平行な平面において並んで配置されている。このような配置により、出射端部5aから出射されるレーザ光の光強度分布における最も光強度が大きいところ(各レーザ光がレーザ光照射面7aに形成する照射領域の中央部分(最大光強度部分))が、発光部7のレーザ光照射面7aの互いに異なる部分に対して出射されるため、発光部7のレーザ光照射面7aに対してレーザ光を2次元平面的に分散して照射することができる。
それゆえ、発光部7にレーザ光が局所的に照射されることにより、発光部7の一部が著しく劣化することを防止できる。
なお、光ファイバー5は複数の光ファイバーの束(すなわち複数の出射端部5aを備えた構成)である必要は必ずしもなく、出射端部5aは1つであってもよい。
また、出射端部5aは、レーザ光照射面7aに接触していてもよいし、僅かに間隔をおいて配置されてもよい。特に、出射端部5aがレーザ光照射面7aと間隔をおいて配置される場合、その間隔は、出射端部5aから出射され円錐状に拡がるレーザ光が、レーザ光照射面7aに全て照射されるように定められることが好ましい。
(光ファイバー5の材質および構造)
光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造を有している。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。例えば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材質は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であってもよい。
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、出射端部5aの、発光部7のレーザ光照射面7aに対する配置を容易に変えることができる。それゆえ、発光部7のレーザ光照射面7aの形状に沿って出射端部5aを配置することができ、レーザ光を発光部7のレーザ光照射面7aの全面にわたってマイルドに照射することができる。
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、半導体レーザ3と発光部7との相対位置関係を容易に変更できる。また、光ファイバー5の長さを調整することにより、半導体レーザ3を発光部7から離れた位置に設置することができる。
それゆえ、半導体レーザ3を、冷却しやすい位置または交換しやすい位置に設置できるなど、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。すなわち、入射端部5bと出射端部5aとの位置関係を容易に変更することができ、半導体レーザ3と発光部7との位置関係を容易に変更することができるので、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
なお、導光部材として光ファイバー以外の部材、または光ファイバーと他の部材とを組み合わせたものを用いてもよい。例えば、レーザ光の入射端部と出射端部とを有する円錐台形状(または角錐台形状)の導光部材を1つまたは複数用いてもよい。
(フェルール6)
フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部5aを発光部7のレーザ光照射面に対して所定のパターンで保持する。このフェルール6は、出射端部5aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでもよいし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部5aを挟み込むものでもよい。
このフェルール6は、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材などによって反射鏡8に対して固定されていてもよいし、熱伝導部材13に対して固定されていてもよい。フェルール6の材質は、特に限定されず、例えばステンレススチールである。また、1つの発光部7に対して、複数のフェルール6を配置してもよい。
なお、光ファイバー5の出射端部5aが1つの場合には、フェルール6を省略することも可能である。ただし、出射端部5aのレーザ光照射面7aに対する相対位置を正確に固定するために、フェルール6を設けることが好ましい。
(発光部7)
(発光部7の組成)
発光部7は、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部7は、蛍光体保持物質(封止材)としてのシリコーン樹脂の内部に蛍光体が分散されているものである。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、10:1程度である。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであってもよい。蛍光体保持物質は、シリコーン樹脂等の樹脂材料に限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスや無機ガラスであってもよい。
例えば、蛍光体保持物質に無機ガラスを用いた場合であれば、その無機ガラスと蛍光体とを混合させ、その混合物を所定の温度で焼結させることにより、その焼結体である発光部7を得ることができる。焼結温度は、蛍光体保持物質となる無機ガラスの融点以上であれば、無機ガラスを一旦融解させ、蛍光体を無機ガラス中に均一性良く分散させることができる。
なお、このような無機ガラスの材料としては、例えば、一般的には低融点ガラスと称され、その融点が600℃以下のものを用いることができる。但し、無機ガラスと蛍光体との混合物の焼結は、焼結体である発光部7の形状を成型するための金型を用いて行われるのが通常である。金型の内部に無機ガラスと蛍光体との混合物が充填され、その充填された状態で混合物の焼結が行われる。発光部7となる焼結体は、金型の内部形状に沿った形状に成型される。当然のことながら、無機ガラスの融点は、金型の融点よりも低いことが好ましい。
上記蛍光体は、例えば、酸窒化物系のものであり、青色、緑色および赤色に発光する蛍光体のいずれか1つ以上がシリコーン樹脂に分散されている。半導体レーザ3は、405nm(青紫色)のレーザ光を発振するため、発光部7に当該レーザ光が照射されると複数の色が混合され白色光が発生する。それゆえ、発光部7は、波長変換材料であるといえる。
なお、半導体レーザ3は、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる「青色」近傍のレーザ光)を発振するものでもよく、この場合には、上記蛍光体は、黄色の蛍光体、または緑色の蛍光体と赤色の蛍光体との混合物である。黄色の蛍光体とは、560nm以上590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。緑色の蛍光体とは、510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。赤色の蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。
(蛍光体の種類)
発光部7は、酸窒化物系蛍光体またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいることが好ましい。これらの材料は、半導体レーザ3から発せられた極めて強いレーザ光(出力および光密度)に対しての耐性が高く、レーザ照明光源に最適である。
代表的な酸窒化物系蛍光体として、サイアロン蛍光体と通称されるものがある。サイアロン蛍光体とは、窒化ケイ素のシリコン原子の一部がアルミニウム原子に、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。窒化ケイ素(Si)にアルミナ(Al)、シリカ(SiO)および希土類元素などを固溶させて作ることができる。
一方、半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒子径をナノメータサイズに変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。例えば、InPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する(ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した)。
また、この半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、この半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、レーザ光の吸収と蛍光体の発光とを素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
よって、発光部7が熱により劣化(変色や変形)するのを、より抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、発光装置の寿命が短くなるのをより抑制することができる。
(発光部7の形状・サイズ)
発光部7の形状および大きさは、例えば、直径3.2mmおよび厚さ1mmの円柱形状であり、出射端部5aから出射されたレーザ光を、当該円柱の底面であるレーザ光照射面7aにおいて受光する。
また、発光部7は、円柱形状でなく、直方体であってもよい。例えば、3mm×1mm×1mmの直方体である。この場合、半導体レーザ3からのレーザ光を受けるレーザ光照射面の面積は、3mmである。日本国内で法的に規定されている車両用ヘッドランプの配光パターン(配光分布)は、鉛直方向に狭く、水平方向に広いため、発光部7の形状を、水平方向に対して横長(断面略長方形形状)にすることにより、上記配光パターンを実現しやすくなる。
ここで必要とされる発光部7の厚みは、発光部7における蛍光体保持物質と蛍光体との割合に従って変化する。発光部7における蛍光体の含有量が多くなれば、レーザ光が白色光に変換される効率が高まるため発光部7の厚みを薄くできる。発光部7を薄くすれば熱伝導部材13への放熱効果も高まる効果があるが、あまり薄くするとレーザ光が蛍光に変換されず外部に放射される恐れがあり、蛍光体での励起光の吸収の観点からすると発光部の厚みは蛍光体の粒径の少なくとも10倍以上あることが好ましい。この観点からするとナノ粒子蛍光体を用いた場合の発光部の厚みは0.01μm以上であればよいことになるが、封止材中への分散等、製造プロセスの容易性を考慮すると10μm以上、すなわち0.01mm以上が好ましい。逆に厚くしすぎると反射鏡8の焦点からのずれが大きくなり配光パターンがぼけてしまう。
このため酸窒化物蛍光体を用いた発光部7の厚みとしては、0.2mm以上、2mm以下が好ましい。ただし、蛍光体の含有量を極端に多くした場合(典型的には蛍光体が100%)、厚みの下限はこの限りではない。
さらに、発光部7のレーザ光照射面7aは、平面である必要は必ずしもなく、曲面であってもよい。ただし、レーザ光照射面7aで反射したレーザ光を制御しやすくするためには、レーザ光照射面7aは平面であることが好ましい。
もちろん、上述したように、発光部7は直方体や立方体といった形状に限られるものではなく、3次元の空間的ひろがりを持つ立体形状であれば、どのような形状であってもよい。
(反射鏡8)
反射鏡8は、発光部7から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7からの光を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ形状)の部材である。
(透明板9)
透明板9は、反射鏡8の開口部を覆う透明な樹脂板である。この透明板9を、半導体レーザ3からのレーザ光を遮断するとともに、発光部7においてレーザ光を変換することにより生成された白色光(インコヒーレントな光)を透過する材質で形成することが好ましい。発光部7によってコヒーレントなレーザ光は、そのほとんどがインコヒーレントな白色光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、透明板9によってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。
(ハウジング10)
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8等を収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、半導体レーザアレイ2は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザアレイ2は、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することにより半導体レーザアレイ2を効率良く冷却することが可能となる。したがって、半導体レーザアレイ2から発生する熱による、発光部7の特性劣化や熱的損傷等が防止される。
また、半導体レーザ3は、万一故障した時のことを考慮して、交換しやすい位置に設置することが好ましい。これらの点を考慮しなければ、半導体レーザアレイ2をハウジング10の内部に収納してもよい。
(エクステンション11)
エクステンション11は、反射鏡8の前方の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して、ヘッドランプ1の見栄えを良くするとともに、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11も反射鏡8と同様に金属薄膜がその表面に形成された部材である。
(レンズ12)
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられており、ヘッドランプ1を密封している。発光部7が発生し、反射鏡8によって反射された光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ出射される。
(熱伝導部材13)
熱伝導部材13は、発光部7における励起光が照射される面であるレーザ光照射面(励起光照射面)7aの側に配置され、発光部7の熱を受け取る透光性の部材であり、発光部7と熱的に(すなわち、熱エネルギーの授受が可能なように)接続されている。具体的には、発光部7と熱伝導部材13とは、図2(a)に示すように、中空部材14によって接着されている。発光部7は、中空部材14の内部に嵌め込まれており、上述したとおり、熱伝導部材13と中空部材14とが接続(接着または溶接)することにより、発光部7が熱伝導部材13に接着されている。
熱伝導部材13は、板状の部材であり、その一方の端部が発光部7のレーザ光照射面7aに熱的に接触しており、他方の端部が冷却部15に熱的に接続されている。
熱伝導部材13は、このような形状および接続形態を有することで、微小な発光部7を発光部固定位置で保持しつつ、発光部7から発生する熱をヘッドランプ1の外部に放熱する。
発光部7の熱を効率良く逃がすために、熱伝導部材13の熱伝導率は、20W/mK以上であることが好ましい。また、半導体レーザ3から出射されたレーザ光は、熱伝導部材13を透過して発光部7に到達する。そのため、熱伝導部材13は、透光性の優れた材質からなるものであることが好ましい。
これらの点を考慮して、熱伝導部材13の材質としては、サファイア(Al)やマグネシア(MgO)、窒化ガリウム(GaN)、スピネル(MgAl)が好ましい。これらの材料を用いることにより、熱伝導率20W/mK以上を実現できる。
また、図2(a)において符号13cで示す熱伝導部材13の厚み(熱伝導部材13における、レーザ光照射面7aの側に位置する第1面13aと、当該第1面13aに対向する第2面13bとの間の厚み)は、0.3mm以上、3.0mm以下が好ましい。0.3mmよりも薄いと発光部7の放熱を十分にできず、発光部7が劣化してしまう可能性がある。また、3.0mmを超えるような厚みにすると、照射されたレーザ光の熱伝導部材13における吸収が大きくなり、励起光の利用効率が顕著に下がる。
熱伝導部材13を適切な厚みで発光部7に当接させることにより、特に発光部7での発熱が1Wを超えるような極めて強いレーザ光を照射しても、その発熱が迅速且つ効率的に放熱され、発光部7が損傷(劣化)してしまうことを防止できる。
なお、熱伝導部材13は、折れ曲がりのない板状のものであってもよいし、折れ曲がった部分や湾曲した部分を有していてもよい。ただし、発光部7が接着される部分は、接着の安定性の観点から平面(板状)である方が好ましい。
また、熱伝導部材13は、透光性の部材であることが好ましいが、レーザ光が通過する開口部があれば、透光性のない物質(例えば、金属)で熱伝導部材13を形成してもよい。
(中空部材14)
中空部材14は、発光部7における励起光が照射される面であるレーザ光照射面7aと対向する対向面7bの側に配置され、発光部7の熱を受け取る透光性の部材であり、発光部7と熱的に(すなわち、熱エネルギーの授受が可能なように)接続されている。具体的には、図2(a)に示すように、中空部材14の内部に発光部7が嵌め込まれている。上述したとおり、中空部材14は熱伝導部材13に接続(接着または溶接)されており、これにより、中空部材14の内部の発光部7が熱伝導部材13に接着されている。
ここで、レーザ光照射面7aと対向する対向面7bは、図1および図2に示すように、発光部7が直方体あるいは立方体である場合、レーザ光照射面7aと同様、平面となる。もちろん、発光部7は直方体や立方体といった形状に限られるものではなく、3次元の空間的ひろがりを持つ立体形状であれば、どのような形状であってもよい。したがって、例えば、発光部7が球であれば、対向面7bは当然のことながら球面となる。
なお、対向面7bでは、図2(a)に示すように、その中心付近が最も発熱量が多く、中心付近から離れるにしたがって少なくなっている。これは、発光部7の出射端部5a側面の中心付近(レーザ光照射面7a)に照射され、励起光の多くは対向面7bの中心付近に向かうことになるからである。
中空部材14は、発光部7が直方体または立方体である場合であれば、図2(b)に示すように、直方体または立方体の中空部材を用いることができる。この中空部材14は、熱伝導部材13に接続される側の面は開口しており、中空部材14の内部に嵌め込まれた発光部7のレーザ光照射面7aが熱伝導部材13に接着されている。
言い換えると、中空部材14は、発光部7を覆いつつ、発光部7のレーザ光照射面7aと熱伝導部材13とを接着させている。同時に、中空部材14は、その内壁と、発光部7のレーザ光照射面7aと対向する対向面7bおよび、レーザ光照射面7aに垂直な4つの垂直面7cの各々とを接着させている。
中空部材14は、このような形状および接続形態を有することで、発光部7から発生する熱をヘッドランプ1の外部に放熱する。具体的には、発光部7から中空部材14に逃げる熱は、中空部材14の内部を伝導し、熱伝導部材13と中空部材14との接続箇所に到達する。その接続箇所において、中空部材14から熱伝導部材13への熱の受け渡しが行われる。
発光部7の熱を効率良く逃がすために、中空部材14の熱伝導率は、20W/mK以上であることが好ましい。また、発光部7から出射された蛍光は、中空部材14を透過してレンズ12側に進行する。そのため、中空部材14は、透光性の優れた材質からなるものであることが好ましい。
これらの点を考慮して、中空部材14の材質としては、サファイア(Al)やマグネシア(MgO)、窒化ガリウム(GaN)、スピネル(MgAl)が好ましい。これらの材料を用いることにより、熱伝導率20W/mK以上を実現できる。
また、図2(a)において符号14cで示す中空部材14の厚み(中空部材14における、発光部7の側に位置する第1面14aと、当該第1面14aに対向する第2面14bとの間の厚み)は、0.3mm以上、3.0mm以下が好ましい。0.3mmよりも薄いと発光部7の放熱を十分にできず、発光部7が劣化してしまう可能性がある。また、3.0mmを超えるような厚みにすると、発光部7から出射された蛍光の中空部材14における吸収が大きくなり、その結果、励起光の利用効率が顕著に下がる。
中空部材14を適切な厚みで発光部7に当接させることにより、特に発光部7での発熱が1Wを超えるような極めて強いレーザ光を照射しても、その発熱が迅速且つ効率的に放熱され、発光部7が損傷(劣化)してしまうことを防止できる。
特に、レーザ光が強くなると、発光部7での発熱量が熱伝導部材13からの放熱量を大きく上回り、その結果、熱伝導部材13と接着するレーザ光照射面7aから離れれば離れるほど、熱伝導部材13による放熱効率は低下する。その放熱効率が最も低い箇所が、熱伝導部材13側のレーザ光照射面7aから最も離れた箇所にある、対向面7bの近傍の箇所である。中空部材14は、その内壁をこの対向面7bに密着させている。これにより、中空部材14は、対向面7bから熱を受け取ることができる。
もちろん、中空部材14は、その内壁をレーザ光照射面7aに垂直な4つの面7cの各々とも接着させている。中空部材14は、発光部7からの発熱を、これら4つの面7cからも受け取ることができる。
なお、中空部材14は、例えば、以下のような場合に、その効果を発揮する。例えば、発光部7に含まれる蛍光体の変換効率のうち、最も高いものが90%、発光部7のレーザ光照射面7aの大きさが2mmのとき、レーザ光強度が1W以上であれば、中空部材14の効果が表れる。すなわち、発光部7での発熱量が0.1W以上の場合であれば、熱伝導部材13に加え、中空部材14を配置することにより、発光部7の温度上昇を効果的に抑制することができる。
(中空部材14が透明板9に接続する変形例)
図3に示すように、透明板9は、中空部材14を冷却するために用いられてもよい。すなわち、中空部材14を透明板9に熱的に(すなわち、熱エネルギーの授受が可能なように)接続してもよい。発光部7から中空部材14に逃げる熱を透明板9から放熱させることができる。中空部材14と比較し、透明板9の体積は大きいことから、その熱容量も中空部材14より大きなものとなる。このため、中空部材14が透明板9に接続されると、その接続箇所において、熱勾配が生じ、その勾配により、中空部材14から透明板9に熱が流れ込む。なお、透明板9は、図示しないが、ハウジング10等に固定されるのが通常である。したがって、中空部材14から透明板9に流れ込む熱は、ハウジング10等を介し、ヘッドランプ1から放熱される。
(拡散剤)
熱伝導部材13および中空部材14には拡散剤(図示省略)が含まれていてもよい。レーザ光はコヒーレントな光であり、発光部7において蛍光に変換または拡散されずにそのまま外部に放射されると人体に害を及ぼす可能性がある。熱伝導部材13および中空部材14に拡散剤を含めることにより、光ファイバー5から出射されたレーザ光が拡散される。
それゆえ、発光部7においてレーザ光が全て蛍光に変換または拡散されない事態が生じても、予めレーザ光を拡散剤によって拡散しておくことで、コヒーレントな光が外部にもれる可能性を低減できる。
拡散剤の好ましい材質として、SiOビーズ(真球形状、粒径:数nm〜数μm、0.1%〜数%熱伝導部材13および中空部材14に混合させる)、Alビーズ、ダイヤモンドビーズ等を挙げることができる。拡散剤が多すぎると発光部7に到達するレーザ光が低減してしまうため、拡散剤の量は、熱伝導部材13および中空部材14の1gあたり1mg〜30mg程度が好ましい。
なお、このような無機物の透明体を混合させることにより、熱伝導部材13および中空部材14の熱伝導率を向上させる効果も得られる。SiOは、アクリル系樹脂よりも高い1.38W/mKであり、ダイヤモンド粒子を用いれば熱伝導率は800〜2000W/mKと非常に高いため、結果的に熱伝導部材13および中空部材14の熱伝導率を大幅に向上させることができる。
(冷却部15)
冷却部15は、熱伝導部材13を冷却する部材であり、例えば、アルミや銅などの金属からなる熱伝導性の高い放熱ブロックである。なお、反射鏡8が金属で形成されるのであれば、反射鏡8が冷却部15を兼ねていてもよい。または、冷却部15は、冷却液をその内部に循環させることによって熱伝導部材13を冷却する冷却装置であってもよいし、風冷によって熱伝導部材13を冷却する冷却装置(ファン)であってもよい。
冷却部15を金属塊として実現する場合には、当該金属塊の上面に複数の放熱用のフィンを設けてもよい。この構成により、金属塊の表面積を増加させ、金属塊からの放熱をより効率良く行うことができる。
なお、この冷却部15はヘッドランプ1にとって必須なものではなく、熱伝導部材13が発光部7から受け取った熱を熱伝導部材13から自然に放熱させてもよい。冷却部15を設けることで、熱伝導部材13からの放熱を効率良く行うことができ、特に、発光部7からの発熱量が3W以上の場合に、冷却部15の設置が有効となる。
また、熱伝導部材13の長さを調整することにより、冷却部15を発光部7から離れた位置に設置することができる。この場合、図1に示すような、冷却部15がハウジング10に収納される構成に限らず、熱伝導部材13がハウジング10を貫くことにより、冷却部15がハウジング10の外部に設置することも可能となる。
それゆえ、冷却部15が故障した場合に修理または交換しやすい位置に設置することができ、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
(半導体レーザ3の構造)
次に、半導体レーザ3の基本構造について説明する。図4(a)は、半導体レーザ3の回路図を模式的に示したものであり、図4(b)は、半導体レーザ3の基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、半導体レーザ3は、カソード電極23、基板22、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極21がこの順に積層された構成である。
基板22は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、半導体レーザ用の基板の他の例として、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeO等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
アノード電極21は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
カソード電極23は、基板22の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極21・カソード電極23に順方向バイアスをかけて行う。
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般に半導体レーザの活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、及びAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極21及びカソード電極23に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
(発光部7の発光原理)
次に、半導体レーザ3から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
まず、半導体レーザ3から発振されたレーザ光が発光部7に含まれる蛍光体に照射されることにより、蛍光体内に存在する電子が低エネルギー状態から高エネルギー状態(励起状態)に励起される。
その後、この励起状態は不安定であるため、蛍光体内の電子のエネルギー状態は、一定時間後にもとの低エネルギー状態(基底準位のエネルギー状態または励起準位と基底準位との間の準安定準位のエネルギー状態)に遷移する。
このように、高エネルギー状態に励起された電子が、低エネルギー状態に遷移することによって蛍光体が発光する。
白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成でき、この原理・関係に基づき、半導体レーザから発振されたレーザ光の色と蛍光体が発する光の色とを、上述のように組み合わせることにより白色光を発生させることができる。
(中空部材14の変更例)
図5は、中空部材14の変更例を示す断面図である。図5に示すように、中空部材14は、大別して、発光部7のレーザ光照射面7aに対向する対向面7bと密着する対向面密着部(第二の熱伝導部材)141と、レーザ光照射面7aに垂直な垂直面7cの一部と密着する垂直面密着部(第三の熱伝導部材)142と、分けることができる。
図1および図2に示した中空部材14においては、図5に示す垂直面密着部142に対応する部分が、レーザ光照射面7aに垂直な垂直面7cの全てと密着すると共に、熱伝導部材13と接続する例であった。この接続により、発光部7は熱伝導部材13に密着させられていた。
これに対し、図5に示す変形例では、垂直面密着部142は、レーザ光照射面7aに垂直な垂直面7cの一部と密着する、言い換えれば、レーザ光照射面7aに垂直な垂直面7cの一部は、中空部材14に覆われることなく、露出している。
そして、垂直面密着部142は、発光部7と熱伝導部材13とが密着するレーザ光照射面7aの周囲の一部において、熱伝導部材13と接続している。この場合、発光部7が鉛直方向に向かって落下することがないよう、発光部7の鉛直下側において垂直面密着部142と熱伝導部材13とが接続するようにすればよい。これにより、熱伝導部材13と中空部材14との相対位置関係が固定されることになる、
図5に示す変形例では、中空部材14を構成する材料を、図1および図2に示した中空部材14と比較し、少なくすることができるので、中空部材14の材料費が抑えられ、延いては、ヘッドランプ1の製造コストを低減することができる。
図6(a)〜(c)は、中空部材14の他の変更例を示す斜視図である。
例えば、図6(a)に示すように、発光部7が円柱形状の場合には、発光部7の蛍光出射面と接する面を有し、熱伝導部材13に接続(接着または溶接)されている円筒形状の中空部材30aを用いてもよい。中空部材30aにおいて、熱伝導部材13に接続される側の面は開口している。
また、図6(b)に示すように、中空部材30bの、蛍光出射面と接する面の一部(特に中央部)が開口していてもよい。この構成により、発光部7から出射される蛍光が中空部材30bに吸収されることで当該蛍光をロスすることを防止できる。中空部材30bは、透光性の部材であることが好ましいが、上記中央部が開口していれば、透光性のない物質(例えば、金属)で中空部材30bを形成してもよい。
さらに、図6(c)に示すように、図2(b)の熱伝導部材13に相当する第1の部分32と、図2(b)の中空部材14に相当する第2の部分33と、を有する発光部固定部材31を用いてもよい。すなわち、この発光部固定部材31は、図2(b)の熱伝導部材13と図2(b)の中空部材14とが一体化されたものであり、例えば、金型等を用いて一体成型されたものである。
この場合、図6(c)に示すように、第2の部分33の内部に発光部7が嵌め込まれるようになっており、その嵌め込みは、第2の部分33の開口33aを通して行われる。もちろん、図6(c)の変形例であっても、発光部7の材料である蛍光体と蛍光体保持物質とを第2の部分33に充填し、焼結させることにより、第2の部分33の内部に発光部7を配置するようにしても構わない。
図6(c)に示した変形例では、発光部固定部材31を構成する第1の部分32および第2の部分33は一体化されているので、それらの間の接続は当然のことながら非常に強固なものとなる。
それゆえ、第1の部分32と第2の部分33との相互位置ずれや、それらの一部の落下といった問題を低減することができる。
(ヘッドランプ1の製造方法)
ヘッドランプ1の製造方法の一例について説明する。図7は、ヘッドランプ1の製造方法の処理手順を示すフローチャートである。
図7において、セラミック射出成型(CIM)の技術を使用して、サファイア(アルミナ)もしくは石英を用い、透明カップ形状の中空部材14を作製する(ステップS101)。
中空部材14の大きさは、外径3mm、高さ1mm、内側に直径2mm、深さ0.5mmのくり貫きが片側底面から設けられている。もちろん、上記透明カップ形状は、射出成型に代えて、削りだしにより作製してもよい。その場合、サファイア、石英に加え、マグネシアも好適に使用できる。
また、中空部材14に用いられる材料の材質としては、融点が高いことが必要とされる。少なくとも1000℃、より好ましくは、1500℃以上であればよい。なお、サファイア、石英、マグネシアの融点はそれぞれ、2050℃、1550℃、2850℃である。ただし、石英に関しては他の材料とは異なり、明確な融点・軟化点は無く、1550℃を超えると、温度の上昇とともに徐々に粘度が低下していく。
次に、CIMや削りだし等の方法を用いて作製した透明カップ形状の中空部材14中に、フリット状にした無機ガラス、つまり、封止材と、蛍光体を分散させた混合物を充填する(ステップS102)。
次に、無機ガラスの融点よりも少し高い温度にすることにより、中空部材14の中に、無機ガラス中に蛍光体が分散され、焼結された焼結体である発光部7を作製する(ステップS103)。
無機ガラス材料としては、一般的に低融点ガラスと称される融点が600℃以下のものが適当であるが、蛍光体が変質・劣化等しない限り、透明カップの融点よりも低い材料であればよい。
次に、中空部材14の中で焼結された発光部7を中空部材14と共に研磨し、平坦面を作製する(ステップS104)。中空部材14にサファイアを用いた場合には、研磨の際、ダイヤモンドスラリーを用いる。
最後に、平坦面を出した中空部材14と熱伝導部材13とを、それらの平坦面同士が対向するように、接合させる(ステップS105)。
以上のステップを経ることにより、ヘッドランプ1、特に、発光部7、熱伝導部材13および中空部材14を製造することができる。
(ヘッドランプ1の効果)
発光部7をハイパワーのレーザ光で励起すると、発光部7が激しく劣化することを本発明の発明者は見出した。発光部7の劣化は、発光部7に含まれる蛍光体そのものの劣化とともに、蛍光体を取り囲む封止材(例えば、シリコーン樹脂)の劣化によって主に引き起こされる。上述のサイアロン蛍光体は、レーザ光が照射されると60〜80%の効率で光を発生させるが、残りは熱となって放出される。この熱によって蛍光体を取り囲む物質が劣化すると考えられる。
ヘッドランプ1では、発光部7が発熱する際、最も温度上昇する箇所である発光部7のレーザ光照射面7aから熱伝導部材13により熱を受け取る。
また、ヘッドランプ1では、発光部7において熱伝導部材13側から離れれば離れるほど、熱伝導部材13による放熱効率が悪くなる。熱伝導部材13による放熱効率が一番悪くなる箇所である、発光部7のレーザ光照射面7aと対向する対向面7bから、中空部材14によって熱を受け取る。
それゆえ、発光部7において生じた熱を、熱伝導部材13および中空部材14を用いて効率良く逃がすこと(すなわち、熱伝導部材の熱吸収効率を高めること)ができるので、より効果的に発光部を冷却することができる。これにより、レーザ光を励起光源とした超高輝度な光源としてのヘッドランプの寿命を延ばし、その信頼性を高めることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図8〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
ここでは、本発明の照明装置の一例としてのレーザダウンライト200について説明する。レーザダウンライト200は、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置であり、半導体レーザ3から出射したレーザ光を発光部7に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いるものである。
なお、レーザダウンライト200と同様の構成を有する照明装置を、構造物の側壁または床に設置してもよく、上記照明装置の設置場所は特に限定されない。
図9は、発光ユニット210および従来のLEDダウンライト300の外観を示す概略図である。図10は、レーザダウンライト200が設置された天井の断面図である。図11は、レーザダウンライト200の断面図である。図9〜図11に示すように、レーザダウンライト200は、天板400に埋設され、照明光を出射する発光ユニット210と、光ファイバー5を介して発光ユニット210へレーザ光を供給するLD光源ユニット220とを含んでいる。LD光源ユニット220は、天井には設置されておらず、ユーザが容易に触れることができる位置(例えば、家屋の側壁)に設置されている。このようにLD光源ユニット220の位置を自由に決定できるのは、LD光源ユニット220と発光ユニット210とが光ファイバー5によって接続されているからである。この光ファイバー5は、天板400と断熱材401との間の隙間に配置されている。
(発光ユニット210の構成)
発光ユニット210は、図11に示すように、筐体211、光ファイバー5、発光部7、熱伝導部材13および透光板213を備えている。発光部7は、中空部材14によって熱伝導部材13に接着されている。上述の実施形態と同様に、発光部7の熱が熱伝導部材13および中空部材14に伝わることで発光部7が冷却される。
筐体211には、凹部212が形成されており、この凹部212の底面に発光部7が配置されている。凹部212の表面には、金属薄膜が形成されており、凹部212は反射鏡として機能する。
また、筐体211には、光ファイバー5を通すための通路214が形成されており、この通路214を通って光ファイバー5が熱伝導部材13まで延びている。光ファイバー5の出射端部5aから出射されたレーザ光は、熱伝導部材13を透過して発光部7に到達する。
透光板213は、凹部212の開口部をふさぐように配置された透明または半透明の板である。この透光板213は、透明板9と同様の機能を有するものであり、発光部7の蛍光は、透光板213を透して照明光として出射される。透光板213は、筐体211に対して取外し可能であってもよく、省略されてもよい。
図9では、発光ユニット210は、円形の外縁を有しているが、発光ユニット210の形状(より厳密には、筐体211の形状)は特に限定されない。
なお、ダウンライトでは、ヘッドランプの場合とは異なり、理想的な点光源は要求されず、発光点が1つというレベルで十分である。それゆえ、発光部7の形状、大きさおよび配置に関する制約は、ヘッドランプの場合よりも少ない。
(LD光源ユニット220の構成)
LD光源ユニット220は、半導体レーザ3、非球面レンズ4および光ファイバー5を備えている。
光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bは、LD光源ユニット220に接続されており、半導体レーザ3から発振されたレーザ光は、非球面レンズ4を介して光ファイバー5の入射端部5bに入射される。
図11に示すLD光源ユニット220の内部には、半導体レーザ3および非球面レンズ4が一対のみ示されているが、発光ユニット210が複数存在する場合には、発光ユニット210からそれぞれ延びる光ファイバー5の束を1つのLD光源ユニット220に導いてもよい。この場合、1つのLD光源ユニット220に複数の半導体レーザ3と非球面レンズ4との対が収納されることになり、LD光源ユニット220は集中電源ボックスとして機能する。
(レーザダウンライト200の設置方法の変更例)
図12は、レーザダウンライト200の設置方法の変更例を示す断面図である。同図に示すように、レーザダウンライト200の設置方法の変形例として、天板400には光ファイバー5を通す小さな穴402だけを開け、薄型・軽量の特長を活かしてレーザダウンライト本体(発光ユニット210)を天板400に貼り付けるということもできる。この場合、レーザダウンライト200の設置に係る制約が小さくなり、また工事費用が大幅に削減できるというメリットがある。
この構成では、熱伝導部材13は、筐体211の底部に、レーザ光入射側の面を全面的に当接させて配置されている。それゆえ、筐体211を熱伝導率の高い物質からなるものにすることによって熱伝導部材13の冷却部として機能させることができる。
(レーザダウンライト200と従来のLEDダウンライト300との比較)
従来のLEDダウンライト300は、図9に示すように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
これに対して、レーザダウンライト200は、高光束の照明装置であるため、発光点は1つでもよい。それゆえ、照明光による陰影がきれいに出るという効果が得られる。また、発光部7の蛍光体を高演色蛍光体(例えば、数種類の酸窒化物蛍光体の組み合わせ)にすることにより、照明光の演色性を高めることができる。
これにより、白熱電球ダウンライトに迫る高演色を実現することができる。例えば、平均演色評価数Raが90以上のみならず、特殊演色評価数R9も95以上というLEDダウンライトや蛍光灯ダウンライトでは実現が難しい高演色光も高演色蛍光体と半導体レーザ3の組み合わせにより実現可能である。
図13は、LEDダウンライト300が設置された天井の断面図である。同図に示すように、LEDダウンライト300では、LEDチップ、電源および冷却ユニットを収納した筐体302が天板400に埋設されている。筐体302は比較的大きなものであり、筐体302が配置されている部分の断熱材401には、筐体302の形状に沿った凹部が形成される。筐体302から電源ライン303が延びており、この電源ライン303はコンセント(不図示)につながっている。
このような構成では、次のような問題が生じる。まず、天板400と断熱材401との間に発熱源である光源(LEDチップ)および電源が存在しているため、LEDダウンライト300を使用することにより天井の温度が上がり、部屋の冷房効率が低下するという問題が生じる。
また、LEDダウンライト300では、光源ごとに電源および冷却ユニットが必要であり、トータルのコストが増大するという問題が生じる。
また、筐体302は比較的大きなものであるため、天板400と断熱材401との間の隙間にLEDダウンライト300を配置することが困難な場合が多いという問題が生じる。
これに対して、レーザダウンライト200では、発光ユニット210には、大きな発熱源は含まれていないため、部屋の冷房効率を低下させることはない。その結果、部屋の冷房コストの増大を避けることができる。
また、発光ユニット210ごとに電源および冷却ユニットを設ける必要がないため、レーザダウンライト200を小型および薄型にすることができる。その結果、レーザダウンライト200を設置するためのスペースの制約が小さくなり、既存の住宅への設置が容易になる。
また、レーザダウンライト200は、小型および薄型であるため、上述したように、発光ユニット210を天板400の表面に設置することができ、LEDダウンライト300よりも設置に係る制約を小さくすることができるとともに工事費用を大幅に削減できる。
図14は、レーザダウンライト200およびLEDダウンライト300のスペックを比較するための図である。同図に示すように、レーザダウンライト200は、その一例では、LEDダウンライト300に比べて体積は94%減少し、質量は86%減少する。
また、LD光源ユニット220をユーザの手が容易に届く所に設置できるため、半導体レーザ3が故障した場合でも、手軽に半導体レーザ3を交換できる。また、複数の発光ユニット210から延びる光ファイバー5を1つのLD光源ユニット220に導くことにより、複数の半導体レーザ3を一括管理できる。そのため、複数の半導体レーザ3を交換する場合でも、その交換が容易にできる。
なお、LEDダウンライト300において、高演色蛍光体を用いたタイプの場合、消費電力10Wで約500lmの光束が出射できるが、同じ明るさの光をレーザダウンライト200で実現するためには、3.3Wの光出力が必要である。この光出力は、LD効率が35%であれば、消費電力10Wに相当し、LEDダウンライト300の消費電力も10Wであるため、消費電力では、両者の間に顕著な差は見られない。それゆえ、レーザダウンライト200では、LEDダウンライト300と同じ消費電力で、上述の種々のメリットが得られることになる。
以上のように、レーザダウンライト200は、レーザ光を出射する半導体レーザ3を少なくとも1つ備えるLD光源ユニット220と、発光部7および反射鏡としての凹部212を備える少なくとも1つの発光ユニット210と、発光ユニット210のそれぞれへ上記レーザ光を導く光ファイバー5とを含んでいる。
(その他の変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、励起光源として高出力のLEDを用いてもよい。この場合には、450nmの波長の光(青色)を出射するLEDと、黄色の蛍光体、または緑色および赤色の蛍光体とを組み合わせることにより白色光を出射する発光装置を実現できる。
また、励起光源として、半導体レーザ以外の固体レーザを用いてもよい。ただし、半導体レーザを用いる方が、励起光源を小型化できるため好ましい。
本発明は、高輝度で長寿命な発光装置や照明装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができる。
1 ヘッドランプ(発光装置、車両用前照灯)
2 半導体レーザアレイ(励起光源)
3 半導体レーザ(励起光源)
7 発光部
7a レーザ光照射面(励起光照射面)
9 透明板
13 熱伝導部材(第一の熱伝導部材)
14 中空部材(第二の熱伝導部材)
141 対向面密着部(第二の熱伝導部材)
142 垂直面密着部(第三の熱伝導部材)

Claims (7)

  1. 励起光を出射する励起光源と、
    上記励起光源から出射された励起光により発光する蛍光体を含む発光部と、
    上記発光部における上記励起光が照射される面である励起光照射面の側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第一の熱伝導部材と、
    上記発光部における上記励起光照射面と対向する面の側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第二の熱伝導部材と
    上記発光部における、上記励起光照射面の側および上記励起光照射面と対向する面の側のいずれとも異なる側に配置され、上記発光部の熱を受け取る第三の熱伝導部材とを備え、
    上記第一の熱伝導部材は、上記励起光源から出射された励起光を透過させ、上記第二の熱伝導部材は上記発光部から発光された蛍光を透過させるものであり、
    上記第一の熱伝導部材、上記第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材は、上記発光部よりも高い熱伝導率を有しており、
    上記第二の熱伝導部材と上記第三の熱伝導部材とは、互いに結合されて一体化されており、
    上記第三の熱伝導部材は、上記第一の熱伝導部材と上記第二の熱伝導部材との相対位置関係を固定するものであり、
    上記発光部は、蛍光体保持物質と、当該蛍光体保持物質に分散されており、レーザ光が照射されることにより発光する蛍光体と、を混合し焼結させた焼結体であり、
    上記焼結体は、上記第一の熱伝導部材、上記第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材の少なくとも1つに密着していることを特徴とする発光装置。
  2. 上記第一の熱伝導部材は、上記励起光を拡散する拡散剤を含んでいることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
  3. 上記第二の熱伝導部材は、上記励起光を拡散する拡散剤を含んでいることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
  4. 上記発光部における、上記励起光照射面と当該励起光照射面と対向する面との間の厚みは、上記蛍光体の粒径の10倍以上、2mm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 上記第一の熱伝導部材、上記第二の熱伝導部材および上記第三の熱伝導部材の各々における、上記発光部との接触面からの厚みは、0.3mm以上、3.0mm以下であることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする車両用前照灯。
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