JP5285688B2 - 発光装置、照明装置および車両用前照灯 - Google Patents
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本発明の実施の一形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、本発明の照明装置の一例として、自動車用のヘッドランプ(発光装置、照明装置、車両用前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、自動車以外の車両・移動物体(たとえば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケット等)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、たとえば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具を挙げることができる。
まず、図1を参照しながら、ヘッドランプ1の構成について説明する。図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。同図に示すように、ヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ2と、非球面レンズ4と、光ファイバー5と、フェルール6と、発光部7と、反射鏡8と、透明板(落下防止機構、圧力印加機構、対向部材)9と、ハウジング10と、エクステンション11と、レンズ12と、支持部材13と、ネジ14(落下防止機構、圧力印加機構)と、間隙層15とを備えている。
半導体レーザアレイ2は、励起光を出射する励起光源として機能し、複数の半導体レーザ(励起光源)3を基板上に備えるものである。半導体レーザ3のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。なお、励起光源として複数の半導体レーザ3を用いる必要は必ずしもなく、半導体レーザ3を1つのみ用いてもよいが、高出力のレーザ光を得るためには、複数の半導体レーザ3を用いる方が容易である。
非球面レンズ4は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光(励起光)を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bに入射させるためのレンズである。たとえば、非球面レンズ4として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ4の形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
(光ファイバー5の配置)
光ファイバー5は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、上記レーザ光を受け取る複数の入射端部5bと、入射端部5bから入射したレーザ光を出射する複数の出射端部5aとを有している。複数の出射端部5aは、発光部7のレーザ光照射面7aにおける互いに異なる領域に対してレーザ光を出射する。
光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造をしている。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。たとえば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材質は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であってもよい。
フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部5aを発光部7のレーザ光照射面に対して所定のパターンで保持する。このフェルール6は、出射端部5aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでもよいし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部5aを挟み込むものでもよい。
(発光部7の組成)
発光部7は、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部7は、蛍光体保持物質(封止材)としてのシリコーン樹脂の内部に蛍光体が分散されているものである。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、10:1程度である。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであってもよい。蛍光体保持物質は、シリコーン樹脂等の樹脂材料に限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスや無機ガラスであってもよい。
発光部7は、酸窒化物系蛍光体またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいることが好ましい。これらの材料は、半導体レーザ3から発せられた極めて強いレーザ光(出力および光密度)に対しての耐性が高く、レーザ照明光源に最適である。
発光部7の形状および大きさは、たとえば、直径2mmおよび厚さ0.5mmの円柱形状であり、出射端部5aから出射されたレーザ光を、当該円柱の底面であるレーザ光照射面7aにおいて受光する。
反射鏡8は、発光部7から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7からの光を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、たとえば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ形状)の部材である。
透明板9は、反射鏡8の開口部を覆う透明な樹脂板である。この透明板9を、半導体レーザ3からのレーザ光を遮断するとともに、発光部7においてレーザ光を変換することにより生成された白色光(インコヒーレントな光)を透過する材質で形成することが好ましい。発光部7によってコヒーレントなレーザ光は、そのほとんどがインコヒーレントな白色光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、透明板9によってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8等を収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、半導体レーザアレイ2は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザアレイ2は、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することにより半導体レーザアレイ2を効率良く冷却することが可能となる。したがって、半導体レーザアレイ2から発生する熱による、発光部7の特性劣化や熱的損傷等が防止される。
エクステンション11は、反射鏡8の前方の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して、ヘッドランプ1の見栄えを良くするとともに、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11も反射鏡8と同様に金属薄膜がその表面に形成された部材である。
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられており、ヘッドランプ1を密封している。発光部7が発生し、反射鏡8によって反射された光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ出射される。
支持部材13は、発光部7における励起光が照射される面であるレーザ光照射面7aの側に配置され、発光部7の熱を受け取る透光性の部材であり、発光部7と熱的に(すなわち、熱エネルギーの授受が可能なように)接続されている。具体的には、発光部7と支持部材13とは、図2に示すように、間隙層15によって密着されている。
支持部材13は、透光性を有する部分(透光部)と透光性を有さない部分(遮光部)とを有していてもよい。この構成の場合、透光部は発光部7のレーザ光照射面7aを覆うように配置され、遮光部はその外側に配置される。
次に、半導体レーザ3の基本構造について説明する。図3(a)は、半導体レーザ3の回路図を模式的に示したものであり、図3(b)は、半導体レーザ3の基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、半導体レーザ3は、カソード電極23、基板22、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極21がこの順に積層された構成である。
次に、半導体レーザ3から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
発光部7はレーザ光を受けて発光するが、その発光の際、レーザ光の照射によって発熱する。レーザ光の照射が繰り返されると、発光部7からの発熱量は大きくなり、その結果、支持部材13と発光部7とのそれぞれの熱膨張率の違いにより、互いの熱膨張に差が生じてしまう。
図4に、上記の一実施形態に係るヘッドランプ1の変形例1の概略構成を示す。図4に示すように、この変形例1では、透明板9に貫通穴を設け、この透明板9にピン31(圧力印加機構)を掛着している。円盤形の頭を有するピン31の首を透明板9の貫通穴に嵌合し、ピン31を透明板9に嵌着している。
図5に、上記の一実施形態に係るヘッドランプ1の変形例2の概略構成を示す。図5に示すように、この変形例2では、支持部材13に貫通穴を設け、この支持部材13にピン31a(圧力印加機構)を掛着している。円盤形の頭を有するピン31aの首を支持部材13の貫通穴に嵌合し、ピン31aを支持部材13に嵌着している。
図6に、上記の一実施形態に係るヘッドランプ1の変形例3の概略構成を示す。図6に示すように、この変形例3では、支持部材13に形成した貫通穴35と、透明板9に形成した貫通穴36とを共に遊貫したバネ34(圧力印加機構)によって、発光部7を支持部材13に押しつけて固定することで、発光部7と支持部材13との間に圧力を印加する構造となっている。
本発明の他の実施形態について図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について図8〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
発光ユニット210は、図10に示すように、筐体211と、光ファイバー5と、発光部7と、支持部材13と、対向部材41と、ピン、バネおよびナット42(以下、ピン、バネおよびナットを総称してピンと呼ぶ)と、透光板213とを備えている。発光部7は、間隙層15によって支持部材13に密着されている。
LD光源ユニット220は、半導体レーザ3、非球面レンズ4および光ファイバー5を備えている。
図11は、レーザダウンライト200の設置方法の変更例を示す断面図である。図11に示すように、レーザダウンライト200の設置方法の変形例として、天板400には光ファイバー5を通す小さな穴402だけを開け、薄型・軽量の特長を活かしてレーザダウンライト本体(発光ユニット210)を天板400に貼り付けるということもできる。この場合、レーザダウンライト200の設置に係る制約が小さくなり、また工事費用が大幅に削減できるというメリットがある。
従来のLEDダウンライト300は、図8に示すように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
2 半導体レーザアレイ(励起光源)
3 半導体レーザ(励起光源)
7 発光部
7a レーザ光照射面
9、18 透明板(落下防止機構、圧力印加機構、対向部材、透過部材)
13 支持部材
14、83 ネジ(落下防止機構、圧力印加機構)
15 間隙層
19 金属リング(収納部材)
30 ヘッドランプ
51 金属リング(落下防止機構)
52 落下防止板(落下防止機構)
53 支持部材(落下防止機構)
81 反射鏡(反射部材)
82 基板
200 レーザダウンライト(発光装置、照明装置)
Claims (8)
- 励起光源から出射された励起光により発光し、照明光を放射する発光部と、
前記励起光が照射される位置に前記発光部を支持する支持部材と、
前記支持部材が前記発光部を支持できなくなったとき、前記発光部の外面の少なくとも一部の面と接触し、前記発光部が前記支持部材から落下することを防止する落下防止機構と
を備え、
前記落下防止機構は、前記発光部の外面の少なくとも一部の面と接触すると共に、当該少なくとも一部の面と前記支持部材との間に圧力を与え、前記発光部を前記支持部材側に押しつける圧力印加機構であることを特徴とする発光装置。 - 前記圧力印加機構は、前記発光部を挟みこむように前記支持部材と対向し、前記発光部の外面のうち前記支持部材側とは反対側の少なくとも一部の面と接触する対向部材を有し、前記支持部材と前記対向部材との間に圧力を印加することによって、前記支持部材と前記対向部材との間に前記発光部を固定することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 底部が開口し、前記底部を通して前記励起光源から前記発光部に向かう前記励起光を通過させる凹部を有し、前記凹部に前記発光部を収納する収納部材をさらに備え、
前記収納部材は、前記支持部材と前記対向部材との間に挟みこまれており、前記支持部材と前記対向部材との間隔を維持していることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。 - 前記凹部は、前記底部から離れるに従って開口面積が広がるすり鉢状の傾斜側壁面に囲まれており、前記傾斜側壁面は前記照明光を反射することを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
- 前記対向部材を挟むようにして前記発光部と対向し、前記対向部材を透過した前記照明光を反射する反射部材をさらに備え、
前記反射部材は、前記対向部材を介して前記傾斜側壁面と連続し、且つ、前記対向部材から離れるに従って開口面積が広がる、すり鉢状の反射面を有することを特徴とする請求項4に記載の発光装置。 - 前記支持部材を挟むようにして前記発光部と対向し、前記励起光源から前記発光部に向かう前記励起光を通過させる透過部材をさらに備え、
前記圧力印加機構は、前記反射部材および前記透過部材のいずれか一方を貫通し、他方に埋め込まれたネジをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の発光装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする照明装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする車両用前照灯。
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