JP2011023046A - 抵抗変化型メモリデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】可変抵抗素子の抵抗値が製造過程や使用中に大きなばらつきをもっても、簡易で速やかな制御でこのばらつきの影響を排除する。
【解決手段】センサ線SL1がSL駆動トランジスタSLDTを介して接地された状態で、駆動回路がビット線BL1を駆動することで、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗変化が生じる。駆動回路は、第1駆動トランジスタDT1と、リファレンス回路6Rを有する。リファレンス回路6Rに、トンネル磁気抵抗素子TMRを模して形成された抵抗素子部60が設けられ、それを電流駆動して基準電圧Vrefを発生制御し、この基準電圧Vrefで第1駆動トランジスタDT1を制御する。このため、一定電圧VWをノードND1に印加し駆動する場合に比べると、TRM変動やその他のセル電流経路トランジスタの影響が排除される。
【選択図】図5

Description

本発明は、抵抗値が可逆変化する可変抵抗素子とアクセストランジスタとが第1配線と第2配線との間に直列接続されているメモリセルを有する抵抗変化型メモリデバイスに関する。
不揮発性半導体メモリの一種である抵抗変化型メモリデバイスは、十分な抵抗変化が得られ、現在主流のFG(フローティングゲート)型メモリデバイスと比べ書き込み速度が高いという利点がある。
抵抗変化型メモリデバイスは、高抵抗と低抵抗との可逆的状態遷移に際し、印加電圧の極性を一定とする、いわゆる単極電圧印加方式のメモリデバイスと、印加電圧の極性を双方向に切り替える、いわゆる双極電圧印加方式のメモリデバイスとに大別される。
代表的な単極電圧印加方式メモリとしては、印加磁界の向きに応じて素子内をトンネル電流が流れるときの抵抗値の違いが生じるように磁性多層膜内で各層の磁化の向きが設定されたMRAM(Magnetic Random Access Memory)が知られている。MRAMは、いわゆるトンネル磁気抵抗効果を利用して抵抗変化を発生する。
これとは異なる物理現象を利用するメモリとして、相変化メモリが知られている。相変化メモリも異なる大きさの電圧を同じ向きで印加して抵抗変化を得ることから、単極性電圧印加方式の抵抗変化型メモリデバイスの一種である。
一方、双極性電圧印加方式の抵抗変化型メモリとしては、MRAMよりも小さい電流で磁化反転が可能な、スピントランスファによる磁化反転を利用するメモリ(以下、スピン注入メモリと呼ぶ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
スピン注入メモリも、電流の向きで磁化反転を制御することから、双極性電圧印加方式で駆動される。
他の双極性電圧印加方式の抵抗変化型メモリとして、記憶素子内の絶縁層に導電性イオンを可逆的に出し入れすることにより大きな抵抗変化を得る、いわゆるReRAMが知られる。例えば銅イオンなどの導電性イオンが絶縁層内に十分に注入されると、導電性イオンによるリーク電流パス(イオンストリング)が発生するため絶縁層が導電性をもつようになる。導電性イオン注入時と逆向きの電界印加によって導電性イオンが抜き取られ、元の絶縁層に戻される。ReRAMは、抵抗変化を可逆的に行うときの電圧印加の向きが異なるため、双極電圧印加方式で駆動される。
ただし、ReRAMは書き換え回数に応じて書き込み状態または消去状態の抵抗値がばらつくことが課題として残されている。
これらの抵抗変化型メモリは、基本的に電流制御であるため、データの書き込み、消去および読み出し時に、記憶素子(可変抵抗素子)に一定の駆動電圧を印加する制御が重要となる。
例えば、特許文献1には、データの読み出し時に可変抵抗素子を含むメモリセルの共通線に一定電圧を印加するための駆動回路として、当該共通線にソースが接続されたトランジスタのゲートを、ソース電位に応じてフィードバック制御する回路が記載されている。読み出し時には、一定電圧の印加時に可変抵抗素子の抵抗状態に応じた大きさの電流が流れ、その電流値を電圧値に変換してセンスアンプで参照電圧と比較する構成も、特許文献1に記載されている。
データの読み出し時に印加電圧を一定とするのは、印加電圧がばらつくと電流を電圧変換した後の電圧に誤差が生じ、参照電圧とのマージン確保が困難になるからである。
一方、データの書き込みや消去について、特許文献1には、遮断と接続の制御の機能をもつバッファ回路を介して一定の書き込み電圧や消去電圧を印加する構成が記載されている。
特開2008−192274号公報
しかしながら、データの記憶状態遷移のためには、読み出し時より大きな電圧を印加する必要があり、このときメモリセルに流す電流も比較的大きい。そのため、メモリセルを含む電流経路に抵抗としてばらつく要素があると、メモリセルの記憶状態遷移が十分に行われない、あるいは、遷移後の可変抵抗素子の抵抗値もばらつきやすくなるという不具合が生じる。電流経路内で抵抗としてばらつく要素としては、まず可変抵抗素子自身が挙げられる。さらに、メモリセルごとに設けたアクセストランジスタ、ビット線やソース線(あるいはプレート線)といったメモリセルに電流を流す配線の経路に挿入されたカラム選択スイッチ等のばらつきの影響も無視できない。
特に、スピン注入メモリでは、流す電流がMRAM等より小さくてすむため、より低消費での駆動が可能であるが、その一方で電流経路の抵抗ばらつきの影響を受けやすいというマイナス面を有している。
他の抵抗変化型メモリデバイスでも、多少なりとも、電流経路の抵抗ばらつきの影響を受ける。
例えば、相変化型メモリでは、異なる波高値のパルス印加によりデータ記憶状態を遷移させるが、電流経路の抵抗ばらつきが大きいと、所望の波高値のパルス印加ができない。
また、ReRAMは、小さい電流で桁違いの抵抗変化が得られるが、何度もデータを書き換えているうちに可変抵抗素子自体の抵抗値ばらつきが大きくなる。そのため、ReRAMでは、データ記憶状態遷移のための電気的ストレスを少しずつ与えて、その都度、データ変化を読み出しにより検証する手法がとられる。この手法では、例えばデータの書き込み動作で、抵抗値ばらつきに起因して早くデータ遷移が終わる記憶素子から書き込み禁止を設定する。
しかし、この手法は、印加電圧の細かな制御や書き込み禁止のための制御化回路が大規模になり、また、データ書き換え時間が長い不利益を有する。
本発明は、可変抵抗素子の抵抗値が製造過程や使用中に大きなばらつきをもっても、簡易で速やかな制御でこのばらつきの影響を排除する、データ記憶状態遷移(抵抗値変化)のための駆動が可能な抵抗変化型メモリデバイスを提供するものである。
本発明の第1の観点に関わる可変抵抗型メモリデバイスは、第1配線および第2配線と、メモリセルと、駆動回路と、スイッチとを有する。
前記メモリセルは、抵抗値が可逆変化する可変抵抗素子とセレクトトランジスタとが前記第1配線と前記第2配線との間に直列接続されている。
前記駆動回路は、抵抗値を変化させるための駆動電圧を前記第1配線と前記第2配線の一方の側に印加する回路である。
前記スイッチは、前記第1配線と前記第2配線の他方の側に対し、前記駆動電圧より低いコモン電圧への接続を制御するスイッチである。
さらに前記駆動回路は、駆動電圧発生制御部と、駆動電圧発生制御部と、模擬電流経路と、基準電圧発生制御部と、を有する。
前記駆動電圧発生部は、前記第1配線と前記第2配線の一方に接続され、当該接続された箇所の配線電圧である前記駆動電圧を、入力される基準電圧に制御する。
前記模擬電流経路は、消去状態の前記可変抵抗素子と等価な抵抗値をもつ抵抗素子部を含むことで前記メモリセルを介するセル電流経路を模した経路である。
前記基準電圧発生制御部は、入力される一定電圧に基づいて前記模擬電流経路を介して前記コモン電圧に模擬電流を流し、このとき前記抵抗素子部の模擬電流供給側に出現する経路電圧に応じて前記基準電圧を発生させ、かつ制御する。
本発明では好適に、前記抵抗素子部は、前記メモリセルの可変抵抗素子と同じ可変抵抗素子を複数有する。この抵抗素子部は、消去状態の前記抵抗値と等価な総抵抗値が得られ、かつ、個々の可変抵抗素子において印加電圧が前記メモリセルへの印加電圧より低いことで抵抗値変化が起こらないように複数の可変抵抗素子をマトリクス配置したものである。
本発明によれば、可変抵抗素子の抵抗値が製造過程や使用中に大きなばらつきをもっても、このばらつきの影響を排除する。このとき簡易で速やかな制御でデータ記憶状態遷移(抵抗値変化)のための駆動が可能な抵抗変化型メモリデバイスを提供することができる。
TMRを有するスピン注入メモリのメモリセルMCの等価回路図である。 TMRの基本構造を模式的に示す図である。 TMRの電流−電圧特性(ヒステリシス特性)を示す図である。 第1の実施の形態に関わる半導体メモリデバイスのブロック図である。 第2の実施の形態に関わるカラム駆動回路の回路図である。 図5の一部を抜き出して示す回路図である。 メモリセルの構造例を示す平面図、断面図、4セル分のセル間接続を示す平面図である。 TMR印加電圧(VMTJ)の温度依存性の一例を示す図である。 メモリセルを、図6とは異なる向きでメモリドライバに接続したときの回路図である。 第3の実施の形態に関わるメモリドライバの一部を示す回路図である。 第4の実施の形態において、図5のリファレンス回路の構成を、より制御応答性がよい構成に変更したときの回路図である。 図11の一部を抜き出して示す回路図である。 SL駆動書き込みの場合の回路図である。 TMRへの書き込み時のタイミングチャートである。 第5の実施の形態に関わり、抵抗素子部をアレイ構成としたときの等価回路である。 書き込み時に模擬TMRの各々に印加される電圧の温度依存性を示す図である。 抵抗素子部の構成の一例を示す平面図と、個々の模擬TMRの平面図と断面図である。 別の抵抗素子部の構成例を示す平面図と、個々の模擬TMRの平面図と断面図である。 第6の実施の形態に関わり、環境温度に追従して補正のために変化する動作電圧を発生する回路の構成図である。 温度選択スイッチ回路の出力と、動作電圧の温度依存特性を示す図である。
本発明の実施形態を、主にスピン注入型の抵抗変化メモリを例として、図面を参照して以下の順で説明する。
1.第1の実施の形態:セル電流経路を直接制御する駆動電圧制御部を制御する駆動回路の部分が、模擬電流経路と、その経路電圧(駆動電圧)を制御する基準電圧を発生制御する基準電圧発生制御部からなる実施の形態。
2.第2の実施の形態:上記第1の実施の形態において、上記駆動電圧制御部が、単一のトランジスタから構成されている例を示す実施の形態である。
3.第3の実施の形態:上記基準電圧発生制御部が、第1の実施の形態の駆動電圧制御部は、第1駆動トランジスタと、第1フィードバックアンプを有する。
4.第4の実施の形態:さらに制御電流経路を有し、制御電流経路の経路電圧を上記駆動電圧制御部と同様な構成により制御することで、基準電圧の発生制御の応答性を高めた実施の形態。
5.第5の実施の形態:抵抗素子部をTMRアレイ構成とした実施の形態。
6.第6の実施の形態:基準電圧発生制御部に与える一定電圧(書き込み電圧や消去電圧)の温特補正の機能をもつ基準電圧発生回路をさらに有する実施の形態。
7.他の変形例
<1.第1の実施の形態>
[メモリセルの構成と動作]
図1に、本発明の“可変抵抗素子”としてのトンネル磁気抵抗素子TMRを有するスピン注入メモリのメモリセルMCの等価回路図を示す。また、図2に、トンネル磁気抵抗素子TMRの基本構造を模式的に示す。
図1に図解するメモリセルMCは、1つのトンネル磁気抵抗素子TMRと、1つのセレクトトランジスタSTとを有する。トンネル磁気抵抗素子TMRの一端がソース線SLに接続され、他端がセレクトトランジスタSTのソースに接続され、セレクトトランジスタSTのドレインがビット線BLに、ゲートがワード線WLにそれぞれ接続されている。
ここでビット線BLは、データ(ビット)の入出力線としての機能名称であり、センサ線SLは、データ(ビット)の入出力時に、もう片側を例えば接地電圧GNDに接続する配線の機能名称である。
例えばデータの書き込み時には、図1に示すように、トンネル磁気抵抗素子TMR側がビット線BLとなり、セレクトトランジスタSTがソース線となる。
一方、当該メモリセルはスピン注入メモリ等を前提とする場合、その駆動が双極性電圧印加方式である。そのため、データの消去時には、図1とは逆にトンネル磁気抵抗素子TMR側の配線がビット線BLとなり、セレクトトランジスタSTの配線がソース線SLとなる。
本発明では、このように動作に応じて機能が変わる2つの配線を、第1配線および第2配線と一般化した名称で呼ぶ。
したがって、メモリセルMCは、(抵抗値が可逆変化する)可変抵抗素子(トンネル磁気抵抗素子TMR)とセレクトトランジスタSTとが第1配線と第2配線との間に直列接続している。
トンネル磁気抵抗素子TMRは、図2に示すように、トンネルバリア層101で隔たれた2枚の磁性体層からなる積層体が基本構造である。磁性体層は、磁化状態が変化しないように設計された磁化固定層102、および、磁化固定層102の磁化方向に対して平行もしくは非平行が安定な磁化状態となるように設計された自由層103を含む。
2枚の磁性体層(磁化固定層102および自由層103)を持つ積層膜は、それらの磁化のなす角度によって導電率が変化する磁気抵抗効果(MR効果)を示す。メモリデータの読み出しは、この積層体の両端子に電圧を印加し、MR効果によって自由層103の磁化方向に応じて変化した抵抗に依存する電流を出力することで行われる。このときトンネル磁気抵抗素子TMR内で流れるトンネル電流によるMR効果をTMR効果と言う。
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気的特性について説明する。トンネル磁気抵抗素子TMRは、トンネル電流が流れることにより磁化反転(スピン注入磁化反転という)が生じ、これにより電気的メモリ特性、即ち抵抗値のヒステリシス特性が変化する。
図3に、トンネル磁気抵抗素子TMRの電流−電圧特性(ヒステリシス特性)を示す。
図2を参照すると、磁化固定層102から自由層103に電流を流す方向が図3のセル電流の正方向である。自由層103の電位を基準に磁化固定層102に正または負の電圧を与えたのが図3の横軸に示すセル印加電圧である。
図示する電気的特性は、ゼロクロスして傾きが相対的に大きな低抵抗状態と、ゼロクロスして傾きが相対的に小さい高抵抗状態とが存在する。低抵抗状態にあるときに、セル印加電圧を増加すると、例えばセル印加電圧が+0.5〜+1[V]の間のある電圧で、図3に示す矢印Ahのように状態変化(高抵抗遷移)が生じる。
また、高抵抗状態にあるとき、セル印加電圧を減らすと、例えばセル電圧が−0.5〜−1.0[V]の間のある電圧で、図3に示す矢印Alのようにもう一つの状態変化(低抵抗遷移)が生じる。セル動作では、セル印加電圧を+1.0[V]にすることで高抵抗遷移、−1[V]にすることで低抵抗遷移を制御する。
以上の電気的特性から、2つの状態を2値データに対応させると、データ反転が可能であるため、メモリデータの書き込み動作が可能なことが分かる。具体的には、例えばセル印加電圧を+1.0[V]にすることにより“0”データの書き込み(Write0)が可能であり、逆に、セル印加電圧を−1.0[V]にすることにより“1”データの書き込み(Write1)が可能である。データの論理を問わない書き込みを“プログラム(記録)”と呼ぶが、一般には、プログラムの初期状態を消去状態(またはリセット状態)、プログラム後の状態を書き込み状態(セット状態)と呼ぶ。
書き込み動作と消去動作は、高抵抗遷移を起こす動作と低抵抗遷移を起こす動作のいずれとするかは定義により決まり、任意である。ここでは、トンネル磁気抵抗素子TMRが接続された側の配線(図1ではビット線BL)にプラスのセル電圧を印加する動作を書き込みと呼ぶ。また、セレクトトランジスタST側の配線(図1ではソース線SL)にプラスのセル電圧を印加する動作を消去と呼ぶ。
記憶データの読み出し動作では、磁気抵抗比(MR比)がある程度大きな電位状態、例えば0.3[V]程度をメモリセルに印加する。そして、このとき、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値が書き込み状態によって違いがあるため、この抵抗値を読み出すことにより、高抵抗状態(“0”データの書き込み状態)か、低抵抗状態(“1”データの書き込み状態)かの判別が可能である。
なお、Write1(低抵抗遷移)でも同様に、例えば−0.3[V]のセル印加電圧で読み出しが可能である。その際、読み出す抵抗値の差が大きければ、それだけデータ判別の容易性が高いため、読み出し時のセル印加電圧(読み出し電圧)が絶対値で大きいほど好ましい。
[全体の回路ブロック構成]
図4に、N×M(N,Mは任意の数)のアレイ構成をもつ半導体メモリデバイスのブロック図を示す。
図4では、簡略化のため行方向、列方向にそれぞれ4つのメモリセルのみ示す。
図解する半導体メモリデバイスは、メモリセルMCをマトリクス状に配置しているメモリセルアレイ1と、その周辺回路とを有する。以下、周辺回路の配置と機能を説明する。
半導体メモリデバイスは、Xデコーダ(カラムデコーダとも呼ばれる)と全体の制御回路の機能をもつカラム線選択制御回路(XDEC&CONT)2を有する。また、Yデコーダ(ロウデコーダとも呼ばれる)の機能をもちメモリセルアレイ1のワード線WLを選択し駆動するワード線選択駆動回路(YDEC&WL.DRV)4が、ワード線WLと接続されている。
ここでカラム線とは第1および第2配線(ビット線およびソース線)の総称である。
一方、図1のビット線BLとソース線SLの駆動のための回路として、メモリセルアレイ1の列方向両側に、同様な構成の2つのカラム駆動回路6が配置されている。
ここで、メモリセルアレイ1は、一般のメモリと同様に、消去はメモリセルアレイ全体で、あるいは、その一部のブロック等で一括して行われることでプログラムの初期状態を整える。その場合、書き込みでは、任意数のメモリセルを選択して、例えばワード単位で書き込むことが多い。したがって、書き込み動作中に、動作対象の選択メモリセルと同じカラム方向の配線で共通接続される他の非選択のメモリセルは、電圧変化が大きいビット線BLを介して書き込み最中にストレスが印加されることになる。トンネル磁気抵抗素子TMRに直接ストレスが加わらないように、オフ状態のセレクトトランジスタSTが存在することが望ましい。よって、書き込み動作では図1のようにセレクトトランジスタST側の配線をビット線BLとし、トンネル磁気抵抗素子TMR側の配線をソース線SLとすることが望ましい。ただし、このようなストレスの影響がない場合は、その逆でも構わない。
図4において、符号3により示す回路は、2つのカラム駆動回路6に与える書き込み電圧VWまたは消去電圧VEを発生する回路である。以下、書き込み電圧VWまたは消去電圧VEの総称を“動作電圧”とよび、その発生回路を動作電圧発生回路3と呼ぶ。動作電圧発生回路3は、カラム線選択制御回路2内にその機能をもっていてもよいし、外部から与えられる電圧で動作電圧を代用することもできる。さらに、後述する他の実施形態のように温度補正機能を有するものとしてもよい。
2つのカラム駆動回路6は、一方のカラム駆動回路6に書き込み電圧VWが与えられているときは、他方のカラム駆動回路6はGND電圧等に接続するソース線駆動がなされる。また、他方のカラム駆動回路6に消去電圧VEが与えられているときは、一方のカラム駆動回路6にソース線駆動がなされる。
図4において、符号7により示す回路は入出力回路(I/O)である。また、一方のカラム駆動回路6側には読み出し回路(READ_C)5が設けられている。読み出し回路5は、カラム駆動回路6の一部機能(カラムスイッチ)により選択されて出力されるデータをセンスアンプ等で検出して増幅し、入出力回路7に送る。このとき入出力回路7から出力データ信号DOUTが排出され、外部出力される。
なお、入力データ信号DINは入出力回路7に入力され、入出力回路7内で必要に応じてパラレル信号に変換された後、カラム駆動回路6を介して電圧制御された後、駆動電圧としてメモリセルアレイ1のビット線に入力される。このデータ入力のためのカラム駆動回路6の構成は後述する。
2つのカラム駆動回路6の各々は、駆動電圧発生制御部6D(後述)の機能とカラムスイッチを含むメモリドライバ6A、2つのリファレンス回路6R、および、SLドライバ6Lを有する。
メモリドライバ6Aは、メモリセル列の両端に接続される2本のカラム線(第1配線と第2配線)の一方の側に、トンネル磁気抵抗素子TMR(図1)のデータ記憶状態遷移を起こすために抵抗値を変化させる駆動電圧(VDRV)を印加する回路である。そのため、メモリドライバ6Aには本発明の“駆動電圧発生制御部”(参照符号:6D)を含んでいる。このときメモリドライバ6Aは、これが接続された箇所のカラム線の配線電圧である駆動電圧(VDRV)を、入力される基準電圧(Vref)に制御する。
リファレンス回路6Rは、メモリドライバ6Aに与える基準電圧(Vref)を発生し制御する回路である。リファレンス回路6Rは、図4では特に図示しないが、その内部に模擬電流経路をもっている。模擬電流経路とは、消去状態の可変抵抗素子(トンネル磁気抵抗素子TMR)と等価な抵抗値をもつ抵抗素子部を含むことでメモリセルMCを介するセル電流経路を模したものである。また、リファレンス回路6Rは、この模擬電流経路を制御する部分として、基準電圧発生制御部を有する。図4の例では、基準電圧発生制御部は、一定の動作電圧(書き込み電圧VWまたは消去電圧VE)を発生する動作電圧発生回路3から動作電圧の供給を受ける。
なお、図4では、カラム駆動回路6ごとにSLドライバ6Lを2つ図示しているが、SLドライバ6Lとリファレンス回路6Rの何れかが選択されて動作することを示すためであり、その動作が保障されればSLドライバ6Lは1つでもよい。
また、後述の実施の形態のように、メモリドライバ6A内にSLドライバ6Lの機能をもたせてもよい。
[データ読み出し、データ書き込みの基本動作]
図4の構成における、基本的な動作を説明する。
以下、カラム線や第1配線、第2配線の一般化した名称は用いないで、ビット線BLとソース線SLを用いる。よってソース線SL側を高電位として、そのときセレクトトランジスタSTのソースにビット線BLが接続されることになっても、分かりやすいため、その名称はソース線SL、ビット線BLのまま呼ぶ。
また、書き込みと消去の区別も煩雑であるため、ビット線BL側を相対的に高い電位とする書き込みを“BL駆動書き込み”、反対にソース線SL側を相対的に高い電位とする書き込みを“SL駆動書き込み”と呼ぶ。実際には、例えば、BL駆動書き込みがデータの書き込み動作に対応し、SL駆動書き込みがデータの消去動作に対応するが、その区別はつけない。
書き込み、読み出しのタイミングは、カラム線選択制御回路2が、制御信号(例えば、チップイネーブル信号CE、書き込みイネーブル信号WE、読み出しイネーブル信号RE等)と、とアドレス信号ADRに基づいて制御する。
データ読み出しでは、カラム線選択制御回路2がアドレス信号ADRから抽出したロウアドレス信号R_ADRと制御信号を受けて、ワード線選択駆動回路4がワード線WLの駆動を行う。また、カラム線選択制御回路2は、アドレス信号ADRから抽出したカラムアドレス信号C_ADRを、2つのカラム駆動回路6に送る。カラム駆動回路6内のメモリドライバ6Aに有するカラムスイッチは、このカラムアドレス信号C_ADRに基づいて、任意本数の選択されたカラム線対(ビット線BLとソース線SLの対)を選択する。選択状態のカラム線対のビット線BLは、読み出し回路5に接続される。また、選択状態のカラム線対のソース線SLは、読み出し回路5が設けられていない側の他のカラム駆動回路6内でSLドライバ6Lにより駆動されてGND電圧に接続される。
読み出し回路5は、その内部の電源供給機能でビット線BLの電位をプルアップし、メモリセルMCに読み出しセル電流を流し、このときのメモリセルMCの抵抗値に応じたビット線BLの電位降下を内部のセンスアンプで検出する。これにより発生した出力データ信号DOUTは、入出力回路7で必要に応じて蓄積され、外部に出力される。
データの書き込み(BL駆動書き込み、又は、SL駆動書き込み)では、読み出しと同様に、カラム線選択制御回路2の制御を受けて、ワード線選択駆動回路4がワード線WLの駆動を行う。また、カラム線選択制御回路2はカラムアドレス信号C_ADRを、2つのカラム駆動回路6に送る。
カラム駆動回路6内のカラムスイッチ(メモリドライバ6Aに含む)は、このカラムアドレス信号C_ADRに基づいて、任意本数の選択されたカラム線対(ビット線BLとソース線SLの対)を選択する。選択状態のカラム線対のビット線BLは、その一方端に、メモリドライバ6Aとリファレンス回路6Rにより制御されて発生した駆動電圧(VDRV)が出現する。駆動電圧(VDRV)の発生・制御については後述する。
駆動電圧(VDRV)が発生した側と反対側のカラム駆動回路6では、内部のカラムスイッチがビット線BL端を開放し、そのSLドライバ6Lがソース線SLをGND電圧に接続する。なお、2つのカラム駆動回路6でソース線SLをGND電圧に制御する構成も採りうる。
回路の基本的な動作に基づいて、図1のメモリセルMCへのデータの書き込みが以下のようにして行われる。
スタンバイ状態では、ワード線WL、ビット線BL、ソース線SLの印加電圧はそれぞれGND(0V)である。
トンネル磁気抵抗素子TMRにデータをBL線駆動で書き込むには、対応するワード線WLの電位を立ち上げて、ソース線SLをGND電圧に接続した状態で、対応するビット線BLに駆動電圧(VDRV)を印加する。駆動電圧(VDRV)は、メモリドライバ6Aとリファレンス回路6Rによりビット線BLの一方端で発生し制御される電圧である。駆動電圧(VDRV)の発生時に、リファレンス回路6Rには、動作電圧発生回路3から書き込み電圧VWが与えられる。
これにより、トンネル磁気抵抗素子TMRにビット線BLからソース線SLへの向きに磁化反転に十分な書き込みセル電流が流れる。これによりトンネル磁気抵抗素子TMRの状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化する(BL駆動書き込み)。
ソース線SL側を駆動してデータを書き込むSL駆動書き込みでは、ワード線活性化後、トンネル磁気抵抗素子TMRに逆のデータを書き込むために、BL電位はGND電圧としたままソース線SLに駆動電圧(VDRV)を印加する。SL駆動書き込みにおける駆動電圧(VDRV)の発生時に、リファレンス回路6Rには、動作電圧発生回路3から書き込み電圧VWが与えられる。
トンネル磁気抵抗素子TMRにソース線SLからビット線BLへ向かって磁化反転に十分な消去セル電流が流れる。これによりトンネル磁気抵抗素子TMRの状態が低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。
なお、その他の非選択のトンネル磁気抵抗素子TMRには書き込みは行われない。具体的には、ワード線WLがGND電圧のメモリセルMCには電流が流れず状態は変化しない。また、ワード線WLが選択されてもビット線とソース線が共にGND電圧のメモリセルMCにも電流が流れず状態は変化しない。
トンネル磁気抵抗素子TMRのデータの読み出しは、ワード線WLの電位を立ち上げて、ソース線SLもしくはビット線BLに、磁化反転に必要な電流値以下の、すなわち書き込み動作を行わない微小電圧、例えば0.1[V]といった微小電圧を印加する。このときトンネル磁気抵抗素子TMRに流れる電流を、読み出し回路5内のセンスアンプで観測することにより、抵抗値の状態を判別する。
このようにして、スピン注入メモリの書き込みには、ビット線とソース線の双方向に、磁化反転に必要な電流値以上の電流を流すことで、記憶層の磁化の向きを変化させて実現する。
<2.第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、メモリドライバ6Aとリファレンス回路6Rの動作を機能的な記載にとどめたが、そのような機能を実現する回路は種々考えられる。本実施の形態では、より具体的な回路例を提案する。
図5に、第2の実施の形態に関わるカラム駆動回路6の回路図を、メモリセルアレイ1等とともに示す。以下、ビット線BLに接続されたカラム駆動回路と、ソース線SLに接続されたカラム駆動回路は同じ構成をもつので、ビット線BLに接続されたカラム駆動回路において、その回路構成を代表して説明する。
図5に図解するカラム駆動回路6は、メモリドライバ6Aの内部に、駆動電圧発生制御部6Dと、図4のSLドライバ6Lおよびカラムスイッチの機能をもつ。
具体的に、トランスファーゲート構成のカラムスイッチCSWが、ビット線BL1〜BL3の各々に接続さている。カラムスイッチCSWのNMOSとPMOSのゲートは、図4のカラム線選択制御回路2から出力されるカラムアドレス信号C_ADRを入力して、これをデコードするCSWドライバ6Sに接続されている。
CSWドライバ6Sからは、所定のカラムスイッチCSWをオンするために所定数のカラムスイッチCSWを同時駆動するYスイッチ信号YSWとその反転信号(反転Yスイッチ信号)YSWxが出力される。Yスイッチ信号YSWは、各カラムスイッチCSWのNMOSゲートに接続され、反転Yスイッチ信号YSWxは、そのPMOSゲートに接続されている。
反転Yスイッチ信号YSWxは、ハイレベルでカラムスイッチCSWをオフさせるため、そのオフ時に導通するSL駆動トランジスタSLDTが、カラムスイッチCSWのメモリセル側のノードとGND電圧との間に接続されている。よって、当該メモリドライバ6Aが駆動電圧(VDRV)をドライブしないとき(SL駆動書き込みのとき)は、ビット線BLが接地電圧GNDに固定される。
一方、メモリドライバ6Aの駆動電圧発生制御部6Dが駆動電圧(VDRV)をドライブするBL駆動書き込みのときは、CSWドライバ6Sの制御により各カラムスイッチCSWがオンするため、SL駆動トランジスタSLDTはオフする。
所定数(ここでは3本)のビット線BLは、カラムスイッチCSWの反メモリセル側で共通化されている。この共通ビット線BLCと、電源電圧の供給側との間に、第1駆動トランジスタDT1(駆動電圧発生制御部6Dの具体例)とデータ入力を実質制御するPMOSトランジスタ(以下、ロジックトランジスタP1という)とが直列接続されている。第1駆動トランジスタDT1やロジックトランジスタP1は、いわゆるVt落ちがない(電圧降下が小さい)PMOS構成が望ましいが、NMOS構成も可能である。
第1駆動トランジスタDT1(駆動電圧発生制御部6D)のゲートには、本例では、第1駆動トランジスタDT1に対する主要制御部分であるリファレンス回路6Rが接続されている。
リファレンス回路6Rは、本実施の形態の特徴である、抵抗素子部60を含む模擬電流経路61と、基準電圧発生制御部6Cとを有する。
模擬電流経路61において、その抵抗素子部60の一方端側ノード(ノードND2)が、セル電流経路に模した模擬電流経路61を流れる模擬電流(IREF)に応じて経路電圧が発生するノードである。
ノードND2と電源電圧の供給側もメモリドライバ6A側に模して形成されている。つまり、第1駆動トランジスタDT1に模した第2駆動トランジスタDT2と、ロジックトランジスタP1に模したトランジスタP2とが直列接続されている。ここで「模して形成」とは、同一サイズの同一導電型のトランジスタを同一プロセスで同時に形成することを意味する。したがって2つの素子を模して形成した場合は、同一特性とは限らないが、同一とみなしてよいほど近似した特性が得られる。ただし、この言葉は、多少のサイズ調整を行うことを排除する意味ではない。
基準電圧発生制御部6Cは、これらトランジスタP2と第2駆動トランジスタDT2、ならびに、フィードバックアンプFAref1を有する。
フィードバックアンプFAref1は、第2駆動トランジスタDT2を制御する回路であり、その非反転入力「+」がノードND2に接続され、反転入力「−」に図4の動作電圧発生回路3で発生した書き込み電圧VW(一定電圧)が与えられる。
フィードバックアンプFAref1の出力は、第1駆動トランジスタDT1および第2駆動トランジスタDT2の各ゲートに接続されている。
なお、トランジスタP2のゲートには、ロジックトランジスタP1と同様に入力データ信号DINが与えられ、そのレベルが“L”のときにメモリドライバ6Aとリファレンス回路6Rが連動して動作するようになっている。
ソース線SL側のメモリドライバ6Aおよびリファレンス回路6Rも上記と同様な構成であるが、そのカラムスイッチCSWがソース線SL側のものとは差動的に動作する(一方がオンの時に他方がオフし、一方がオフの時に他方がオンする)。
なお、ビット線BL側のCSWドライバ6Sとソース線SL側のCSWドライバ6Sとを同じ信号を出力することとして、カラムスイッチCSWは同期して動作する場合もある。その場合、ソース線SL側のメモリドライバ6Aに入力される入力データ信号DINと、ビット線BL側のメモリドライバ6Aに入力される入力データ信号DINとを論理が反転した信号とする。
図5のソース線SL側のメモリドライバ6AはCSWドライバ6Sとその制御出力線を省略しているが、実際に、これらはビット線BL側のメモリドライバ6Aと同様に設けられている。
以上の構成により、図示のように同時に複数の書き込み回路に共通な第1駆動トランジスタDT1を駆動し、対応する複数のメモリセル列(メモリカラム)の同時駆動を行うが、メモリカラムごとに第1駆動トランジスタDT1を設ける構成でも構わない。
[駆動電圧制御の詳細]
図6は、図5の一部を抜き出して示す回路図である。
SL駆動書き込み(またはBL駆動書き込み)動作時に、トンネル磁気抵抗素子TMRのプロセスばらつきの影響を相殺または低減する。これを達成することが、リファレンス回路6R(基準電圧発生制御部6Cと抵抗素子部60)と、第1駆動トランジスタDT1(駆動電圧発生制御部6D)を設けた目的である。
なお、図6はSL駆動書き込みの場合で、ソース線SLに駆動電圧(VDRV)を発生させ制御する例を示す。BL駆動書き込みの場合も同様であるため、以下、SL駆動書き込みの例で、制御の詳細を述べる。
ここで一般に、トンネル磁気抵抗素子TMRのばらつき量は、その他のばらつき要因について、その能力がプロセスばらつき、駆動電圧、温度の変動によって変動する量に比べて大きい。その他のばらつき要因として、セレクトトランジスタST、カラムスイッチCSWおよびSL駆動トランジスタSLDTが挙げられる。
したがって、トンネル磁気抵抗素子TMRのばらつきを無視して、常に図5のノードND1に発生する駆動電圧(VDRV)を一定とすると、それらの他の素子の僅かなばらつきが書き込みセル電流のばらつき要因として拡大されて、その影響が大きくなる。つまり、セル電流が安定していると上記トランジスタ等に僅かなばらつきがあっても、その影響が小さいが、電流ばらつき量が大きくなると、トランジスタ等まで、その電流駆動能力の変動幅が拡大してしまう。
本実施の形態では、トンネル磁気抵抗素子TMRのばらつきが生じないように、駆動電圧(VDRV)を自動調整し、その結果、メモリセルMCに安定した電流が流れる。そのため、トンネル磁気抵抗素子TMR自身のばらつきだけでなく、他の素子によるばらつきを抑制することができる。
そのためのリファレンス回路6Rは、トンネル磁気抵抗素子TMRと同一の特性(同一のプロセス変動を受ける)となる抵抗素子部60を含む模擬電流経路61を有する。模擬電流経路61には、その他のトランジスタとしては、比較的サイズが大きいPMOS構成の第2駆動トランジスタDT2を、第1駆動トランジスタDT1に模して形成している。なお、NMOSトランジスタ(ST,CSW,STDT)も同様に模して模擬電流経路61に設けてもよい。
この模擬電流経路61のGND接続されていない側のノードND2に出現する経路電圧を、フィードバックアンプFAref1の制御を受けた第2駆動トランジスタDT2により制御する。これにより、抵抗素子部60の両端には、所望のメモリセルMCのTMR印加電圧とほぼ等しい模擬印加電圧(VMTJ_REF)が発生し、その電圧に応じた抵抗素子部60の電流値(模擬電流(IREF))を発生する。
ここで、抵抗素子部60の抵抗値を(RMTJ_REF)、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値を(RMTJ)とする。第2駆動トランジスタDT2、第1駆動トランジスタDT1は飽和領域で動作させる。
模擬印加電圧(VMTJ_REF)が所望の印加電圧であるとすると、
(VMTJ_REF)=(IREF)×(RMTJ_REF)となる。
また、(IREF)=(IMEM)より、(RMTJ_REF)=(RMTJ)ならば、(VMTJ_REF)=(VMTJ)となる。
これにより、所望の電圧と等価なTMR印加電圧(VMTJ)の特性が得られる。
第1駆動トランジスタDT1のチャネル長変調が無視できるほど、ドレインコンダクタンスを高くすると(具体的にゲート長Lgを大きくする)、セレクトトランジスタST、カラムスイッチCSWおよびSL駆動トランジスタSLDTの抵抗値の影響は見えなくなる。その結果、書き込み特性が、セレクトトランジスタST、カラムスイッチCSWおよびSL駆動トランジスタSLDTのプロセスばらつき、駆動電圧、温度の変動による能力変動を受けにくくなる。
また、抵抗素子部60は、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRは同じ構造の素子を使用する。プロセスのばらつきで半導体チップ内のトンネル磁気抵抗素子TMRの平均的な抵抗値が全体的に増加し、あるいは減少する場合がある。この場合でも、(RMTJ_REF)=(RMTJ)が崩れなければ、所望の印加電圧がTMR印加電圧(VMTJ)と等価となる特性が得られ、結果として、書き込み特性が素子変動の影響を受けなくなる。
[メモリセルMCの平面および断面の構造]
図7に、トンネル磁気抵抗素子TMRとセレクトトランジスタSTを集積化したメモリセルMCの構造例を示す。図7(A)は平面図、図7(B)は図7(A)のA−A線に沿った断面図、図7(C)は4セル分のセル間接続を示す平面図である。
シリコンからなる半導体基板160(実際には、例えばウェル)には、各メモリセルを選択するセレクトトランジスタSTが形成されている。すなわち、半導体基板160上にゲート絶縁膜(図示せず)を介してゲート電極151(ワード線WL)が形成され、そのゲート電極151の一方側の半導体基板160にドレイン領域157が形成され、他方側にソース領域158が形成されている。
ソース領域158は、コンタクト154aを介してソース線SLとしての導電層159aに接続されている。ドレイン領域157はコンタクト154aを介して、ソース線SLとしての導電層159aと同層の導電層159bに接続され、さらにコンタクト154bを介してトンネル磁気抵抗素子TMRに接続される。トンネル磁気抵抗素子TMRの上層にはビット線BLが配線され、トンネル磁気抵抗素子TMRはコンタクト154cによってビット線BLに接続されている。
この構成を図7(C)のようにアレイ配置したものがメモリセルアレイ1の基本構成である。
なお、図7(C)の符号160Aは、半導体基板160の一部(活性領域)であり、その周囲の表面部が素子分離層によりセル分離されている。
図7(C)ではワード線WL1とWL2が平行配置されているが、ビット線BLについては、その図示を省略している。
[TMR印加電圧の温度特性]
図8に、TMR印加電圧(VMTJ)の温度依存性の一例を示す。
図6に示すカラムスイッチCSW、セレクトトランジスタSTおよびSL駆動トランジスタSLDTの能力が下がると、書き込みに十分なTMR印加電圧(VMTJ)が得られない場合がある。また、カラムスイッチCSW、セレクトトランジスタSTおよびSL駆動トランジスタSLDTの能力が上がると、過大なTMR印加電圧(VMTJ)により、トンネル磁気抵抗素子TMRを破壊してしまう場合がある。トンネル磁気抵抗素子TMRに書き込みを行う際は、駆動電圧(VDRV)、プロセスばらつき、温度の変動がある場合にTMR印加電圧(VMTJ)をコントロールする必要がある。このコントロールでは、図8に示すように、TMR印加電圧(VMTJ)が、書き込みに十分なTMR印加電圧(下限電圧値VL)と、トンネル磁気抵抗素子TMRを破壊しないTMR印加電圧(素子破壊電圧VH)との間に収まるようにする。
本実施の形態では、図6に示し既に説明したように、トンネル磁気抵抗素子TMRを模して形成した抵抗素子部60に流れる模擬電流(IREF)に基いて基準電圧(Vref)がフィードバックアンプFAref1の出力に発生する。この基準電圧(Vref)により第2駆動トランジスタDT2と第1駆動トランジスタDT1を同様に駆動する。その結果、メモリセルMCにおけるTMR印加電圧(VMTJ)が、抵抗素子部60の模擬印加電圧(VMTJ_REF)とほぼ等しくなる。よって、トンネル磁気抵抗素子TMRのばらつきがあっても、その他の要因の影響を抑制し、書き込み特性が安定化する。
[変形例1]
図9に、メモリセルMCを、図6とは異なる向きでメモリドライバ6Aに接続したときの回路図を示す。
図9に図解するリファレンス回路6Rおよび第1駆動トランジスタDT1から駆動されるメモリセルMCにおいて、トンネル磁気抵抗素子TMRとセレクトトランジスタSTの接続関係を図6の場合と入れ替えている。この場合でも、同様に模擬電流(IREF)をTMR電流値(IMEM)にカレントコピーして発生させる。このため、トンネル磁気抵抗素子TMR両端の電圧(TMR印加電圧(VMTJ))が所望の印加電圧と等しくなる。
<3.第3の実施の形態>
図10に、第3の実施の形態に関わるメモリドライバ6Aの一部を示す。
図5のメモリドライバ6Aは、その駆動電圧発生制御部6Dが1つの第1駆動トランジスタDT1であったが、図10では、さらにフィードバックアンプFA1が追加されている。
フィードバックアンプFA1の非反転入力「+」が、駆動電圧(VDRV)を発生し制御するノードND1に接続されている。フィードバックアンプFA1の反転入力「−」に、図5と同様なリファレンス回路6R(図10では不図示)から基準電圧(Vref)が印加される。フィードバックアンプFA1の出力は、第1駆動トランジスタDT1のゲートに接続されている。
本実施の形態におけるメモリドライバ6Aは、フィードバックアンプFA1を有することから、より速やかで確実な制御が行えるという利点がある。
<4.第4の実施の形態>
図11に、図5のリファレンス回路6Rの構成を、より制御応答性がよい構成に変更した回路図を示す。
図11に図解するリファレンス回路6Rは、その基準電圧発生制御部6Cが、フィードバックアンプFAref1、第2駆動トランジスタDT2およびトランジスタP2といった既存の構成に、第3駆動トランジスタDT3、制御抵抗素子部62および(PMOS)トランジスタP3を付加している。制御抵抗素子部62は、抵抗素子部60と同様にトンネル磁気抵抗素子TMRを模して形成されている。制御抵抗素子部62は、制御電流経路63に接続され、制御電流経路63の一方端は接地されている。制御電流経路63の他方端と、電源電圧の供給線側との間に第3駆動トランジスタDT3とトランジスタP3とが直列接続されている。
本例のフィードバックアンプFAref1は、この第3駆動トランジスタDT3のドレイン(ノードND3)に制御電流の供給電圧を発生せる。フィードバックアンプFAref1の非反転入力「+」がノードND3に接続され、反転入力「−」に動作電圧(書き込み電圧VWまたは消去電圧VE)が動作電圧発生回路3(図4)から与えられる。フィードバックアンプFAref1の出力によって、第3駆動トランジスタDT3と第2駆動トランジスタDT2のゲートが制御される。
なお、模擬電流経路61には、抵抗素子部60以外に、各種トランジスタスイッチを模して形成された3つのトランジスタが接続されている。すなわち、カラムスイッチCSWを模して形成されたスイッチCSWr、セレクトトランジスタSTとSL駆動トランジスタSLDTをそれぞれ模して形成された2つのトランジスタSTr,SLDTrが、対応する素子の接続位置と同じ位置に形成されている。
図12は、図11の一部を抜き出して示す回路図である。
この回路は、TMR印加電圧(VMTJ)の立ち上がりを高速化するための回路実施例となる。
第2駆動トランジスタDT2の出力が(模擬カラム)スイッチCSWr、(模擬)セレクトトランジスタSTr、抵抗素子部60を介し、さらにGND電圧放電の(模擬)ソース線駆動スイッチSLDTrを介して接地される。制御抵抗素子部62の電流値(制御電流(IREF1))をカレントコピーして、抵抗素子部60の電流値(模擬電流(IREF2))が発生する。さらに、模擬電流(IREF2)がカレントコピーされて、メモリセルMCにTMR電流値(IMEM)が発生する。このため、トンネル磁気抵抗素子TMR両端の電圧が所望のメモリセル印加電圧となる。第2駆動トランジスタDT2と(模擬カラム)スイッチCSWrとの間のノードND2の電圧(V1)が、基準電圧(Vref)としてフィードバックアンプFA1の反転入力「−」に出力される。
図12のリファレンス回路6Rの出力から駆動される駆動電圧発生制御部6Dは、図11と同じであり、ここでの説明は省略する。
(模擬カラム)スイッチCSWrとカラムスイッチCSW、第2駆動トランジスタDT2と第1駆動トランジスタDT1のサイズは同じとなる。また、トランジスタSTrとセレクトトランジスタST、トランジスタSLDTrとSL駆動トランジスタSLDTのサイズも同じである。
本実施の形態では、駆動電圧発生制御部6DのフィードバックアンプFA1の入力電圧(基準電圧(Vref))が駆動電圧(VDRV)に等しくなる制御が働く。このため、トンネル磁気抵抗素子TMR両端の電圧が、抵抗素子部60の両端の電圧と等しくなり、トンネル磁気抵抗素子TMR両端の電圧が所望の電圧となる。
図13は、SL駆動書き込みの場合であり、ソース線SL側がカラムスイッチCSWを介して、調整された駆動電圧(VDRV)の制御を受ける。
制御抵抗素子部62の抵抗値を(RMTJ_REF1)、抵抗素子部60の抵抗値を(MTJ_REF2)、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値を(RMTJ)とする。第1〜第3駆動トランジスタDT1〜DT3はすべて飽和領域で動作させる。
図6での説明から、制御電流(IREF1)=(IREF2)となることは容易類推できる。
駆動電圧発生制御部6DのフィードバックアンプFA1により、V1(Vref)=VDRVとなる。ゆえに、(IREF2)=(IMEM)となる。
ここで(RMTJ_REF1)=(RMTJ_REF2)=(RMTJ)ならば、(VMTJ_REF1)=(VMTJ_REF2)=(VMTJ)となる。
以上より、所望の電圧がTMR印加電圧(VMTJ)となる特性を得られる。
図14に、トンネル磁気抵抗素子TMRへの書き込み時のタイミングチャートの一例を示す。図14(A)に、セレクトトランジスタSTをオンさせるワード線WLの電位の立ち上がりタイミングを示し、それより遅れてカラムスイッチCSWをオンする(図14(B))。すると、図14(C)に示すようにTMR印加電圧(VMTJ)が上昇し始める。
図14(C)には、図6の回路構成のTMR印加電圧(VMTJ)の立ち上がり時間と、図13の回路構成のTMR印加電圧(VMTJ)の立ち上がり時間との比較を示す。
セレクトトランジスタSTが0VからVWLに立ち上がり、その後、カラムスイッチCSWが0VからVDDに立ち上がる。図6の回路構成の場合、TMR電流値(IMEM)が一定なのでTMR印加電圧(VMTJ)の立ち上がりはTMR電流値(IMEM)の電流値に追従する。
一方、図13の回路構成の場合、駆動電圧発生制御部6D内のフィードバックアンプFA1により、V1(VREF)>V2(VDRV)の期間はドライバMOSの能力を上げる。また、TMR電流値(IMEM)は模擬電流(IREF2)以上の電流を一時的に供給し、高速にV1(VREF)=V2(VDRV)とする制御が働く。その結果、TMR印加電圧(VMTJ)も高速に所望の電圧まで上昇し、高速なTMR印加電圧(VMTJ)の立ち上がりを得ることができ、高速書き込みが可能となる。
<5.第5の実施の形態>
第5の実施の形態では、上述した他の実施の形態で説明した抵抗素子部60および制御抵抗素子部62の、より望ましい具体的構成を述べる。
図15に、抵抗素子部60で代表させて、抵抗素子部60または62の等価回路を示す。
図15に図解する抵抗素子部60は、トンネル磁気抵抗素子TMRと同じもの(以下、模擬TMR60Aと呼ぶ)をアレイ構成にして使用する。例では、模擬TMR60Aをn行、m列でマトリクス配置させて抵抗素子部60を構成している。抵抗素子部60とトンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値を合わせるために、基本的にはn=mとするが、トンネル磁気抵抗素子TMRの特性と模擬TMR60Aの特性が一致しない場合は、NとMを異なる値として能力を調整してもよい。
図16に、書き込み時に模擬TMR60Aの各々に印加される電圧の温度依存性を示す。
抵抗素子部60には、所望の電圧が印加されるが、n行×m列に模擬TMR60Aを配置した構成では、模擬TMR60Aの各々には所望の電圧の1/nの電圧しか印加されない。このため、その1/nの電圧(V60A)は、書き込み下限電圧VLを大きく下回り、平均的なTMR印加電圧より遥かに小さい値をとる。その結果、抵抗素子部60に誤書き込みは行われない。
また、アレイ構成とすることで、抵抗素子部60全体の抵抗値のばらつきも小さくなる。これは単体で構成される模擬TMR60Aに対して、製造によるばらつきの幅が1/√(n×m)倍にすることができるためである。
以上より、何度でも使用でき、かつ高精度なリファレンス回路6Rを実現できる。
図17に、抵抗素子部60の構成の一例を示す。図17(A)はm=2、n=3の模擬TMR60Aを配置した抵抗素子部60の平面図である。図17(B)と図17(C)に、1つの模擬TMR60A_5の平面図と断面図を示す。なお、図17(C)は、図17(B)のB−B線に沿った断面図であり、図17(A)には等価回路図を付している。参照符号は回路図、断面図およびレイアウト図(平面図)で一致する。
模擬TMR60A_1〜60A_6の各々は、トンネル磁気抵抗素子TMRと同一のものを使用する。模擬TMR60A_1〜60A_6のアレイ接続は図7に示した接続構成を変形することで容易に達成することができる。
リファレンス素子アレイを構成する上で大事なことはメモリセルアレイ1で使用している素子と同一の形状を形成するために、トンネル磁気抵抗素子TMR間のスペース、上下の構造を同一とすることである。
シリコン基板からなる半導体基板160には各メモリセルを選択するセレクトトランジスタSTが形成されているが、図7で使用したコンタクト154aを取り除き、抵抗素子部60では電気的に接続しない。
ソース線SLを形成していた導電層159aを延長し、これをコンタクト154bを介してトンネル磁気抵抗素子TMRに接続する。
トンネル磁気抵抗素子TMRの最上の構成層はコンタクト154cによってビット線BLに接続される。また、導電層159aはコンタクト154dを介してビット線BLと同相の導電層156にまで接続されている。
図17(A)に示すように、6個の模擬TMR60Aをアレイ配置したときに、隣接するメモリセルMCのビット線BLやワード線WLと共通に接続できる構成となる。メモリセルMCのビット線BLやワード線WLと接続でき、その制御を受けないと実際のメモリセルMC内の抵抗特性と厳密に一致しないため、そのような駆動が必要となる。
このような構成でTMRアレイ(メモリセルアレイ1)と抵抗素子部60の模擬TMR60A同士のスペース、上下の構造を同一とすることが可能となる。
図18に、別の抵抗素子部60の構成例を示す。
図18に示すように、図17のコンタクト154dを模擬TMR素子アレイの外に配置し、隣接するセルのビット線BLとの接続をアレイ外で行ってもよい。
<6.第6の実施の形態>
図8に示すTMR印加電圧(VMTJ)は、VH(素子破壊電圧)、VL(書き込みの下限電圧)は高温になると若干低下する特性を持っている。
言い換えると、負の温度特性を持っている。VH(素子破壊電圧)とVL(書き込みの下限電圧)の差(ウインドウ)が十分である場合、動作電圧(VW、VE)は常に一定の値で問題ない。
しかしながら、ウインドウが十分でない場合は、動作電圧(VW、VE)をVH(素子破壊電圧)とVL(書き込みの下限電圧)の中点に調整することで、広範囲の温度で書き込み動作を保証することができ、記憶装置の信頼性を向上させることが可能となる。
図19に、環境温度に追従して補正のために変化する動作電圧を発生する回路の一例を示す。図19の回路は、図4において動作電圧発生回路3として半導体メモリデバイス内に設けられる。
図19の回路は、負の温度特性をもつ動作電圧を発生するために、バンドギャップリファレンス回路31と、温度選択スイッチ回路32と、温特微調整回路33を有する。
温度選択スイッチ回路32は、バンドギャップリファレンス回路31の多段抵抗R20〜R2nのタップ選択を行い、異なる電圧V0〜Vnをスイッチで選択する回路である。
温特微調整回路33は、負帰還アンプの出力負荷を多段抵抗m0〜mnの何れかにより変化させることで、温特微調整を行う回路である。
温度選択スイッチ回路32および温特微調整回路33のスイッチの制御信号は、後段回路の温度特性を調べた結果等に応じて適正値をレジスタ回路等に保持するか、その都度、温度検出を不図示の制御回路が行って制御信号として与える構成が可能である。レジスタ回路を設けず、フューズメモリ(e−FUSE)、EEPROM、スピン注入メモリで温度特性を調べた結果を保持し、これを読み出して制御信号として用いることもできる。また、これらのメモリから保持データをレジスタに転送して制御信号として用いてもよい。
バンドギャップリファレンスの原理は公知なので説明を省略する。
バンドギャップリファレンス回路31は、温度、電源電圧によらず一定の基準電圧を生成する回路である。バンドギャップリファレンス回路31の出力を(VBGR)とする。出力段はPMOSの第1駆動トランジスタDT1を想定したPMOSトランジスタP13と、抵抗段(R20〜R2n)とバイポーラトランジスタQ3で構成される。
バンドギャップリファレンス回路31の出力(VBGR)は以下の式で求められる。
[数1]
VBGR=VBE3+Vt+Ln(n)×(R2total/R1)
ここで“VBE3”は、バイポーラトランジスタQ3のベース・エミッタ間電圧、“Vt”は(Kt/q)で表される温度係数の一種を示す。また、“n”はバイポーラトランジスタQ2のエミッタ面積を、バイポーラトランジスタQ1のエミッタ面積で割った比率であり、その比率はバイポーラトランジスタQ2とバイポーラトランジスタQ3で同一とする。
バンドギャップリファレンス回路31の出力(VBGR)が温度、電源電圧によらずほぼ一定に設計を行うと、抵抗段(R20〜R2n)から引き出した出力(V0〜Vn)の温度特性は、図20のような特性をとる。
温度選択スイッチ回路32により、望ましい温度特性を取り出す。取り出した特性を温特微調整回路33により、所望の動作電圧(VW、VE)を取り出す。
図20(A)と図20(B)には、温度選択スイッチ回路32の出力電圧(V32)の温度依存特性と、動作電圧(VW,VE)の温度依存特性を示す。
図19の温特微調整回路33から出力される電圧を、書き込み電圧VWと消去電圧VEに用いることで、図4の回路は、環境温度等によっても左右されない、さらに精密な所望の書き込み特性を実現することができる。
以上のような第1〜第6の実施の形態によれば、書き込み動作時、トンネル磁気抵抗素子TMRのプロセスばらつきの影響を吸収して、所望の書き込み特性が得られる。このとき、書き込み特性は、セレクトトランジスタST、カラムスイッチCSWおよびSL駆動トランジスタSLDTのプロセスばらつき、駆動電圧、温度の変動による能力変動を受にくい。そのため、トンネル磁気抵抗素子TMR印加電圧(VMTJ)を所望の電圧に設定することができる。
また、所望の電圧を、書き込みに十分なTMR印加電圧(下限電圧値)と、トンネル磁気抵抗素子TMRを破壊しないTMR印加電圧(素子破壊電圧)との間に収まるように、TMR印加電圧(VMTJ)をコントロールすることができる。
さらに、書き込み電圧を調整するリファレンス素子にトンネル磁気抵抗素子TMRと同じものをn行×m列のアレイ構成で使用することが望ましい。この場合、リファレンス素子アレイには所望のメモリセル印加電圧が印加されるが、リファレンス素子単体には充分に引く電圧しか印加されず、リファレンス素子の誤書き込みを防ぐことができる。
書き込みに十分なTMR印加電圧(下限電圧値)、トンネル磁気抵抗素子TMRを破壊しないTMR印加電圧(素子破壊電圧)が温度特性を持つ場合、書き込み電圧を素子破壊電圧と書き込み下限電圧の中点に調整する。これにより、広範囲の温度で書き込み動作を保証することができ、メモリデバイスの信頼性を向上させることが可能となる。
<7.その他の変形例>
以上は、スピン注入メモリにおける実施の形態であるが、本発明は、これに限らず、MRAM、ReRAMあるいは相変化メモリなど、種々の抵抗変化型メモリへの応用が可能である。単極性電圧駆動の場合、ビット線BLとソース線SLで電圧印加方向をきりかえる回路が不要であり、より小規模の回路で本発明の実施が可能となる。
1…メモリセルアレイ、3…動作電圧発生回路、6…カラム駆動回路、6A…メモリドライバ、6C…基準電圧発生制御部、6D…駆動電圧発生制御部、6L…SLドライバ、6R…リファレンス回路、60…抵抗素子部、60A…模擬TMR、61…模擬電流経路、62…制御抵抗素子部、63…制御電流経路、FA1,Fref1…フィードバックアンプ、DT1…第1駆動トランジスタ、DT2…第2駆動トランジスタ、DT3…第3駆動トランジスタ、CSW…カラムスイッチ、SLDT…SL駆動トランジスタ、MC…メモリセル、TMR…トンネル磁気抵抗素子、ST…セレクトトランジスタ、BL…ビット線、SL…ソース線、VDRV…駆動電圧、Vref…基準電圧

Claims (11)

  1. 第1配線および第2配線と、
    抵抗値が可逆変化する可変抵抗素子とセレクトトランジスタとが前記第1配線と前記第2配線との間に直列接続されているメモリセルと、
    前記抵抗値を変化させるための駆動電圧を前記第1配線と前記第2配線の一方の側に印加する駆動回路と、
    前記第1配線と前記第2配線の他方の側に対し、前記駆動電圧より低いコモン電圧への接続を制御するスイッチと、
    を有し、
    前記駆動回路は、
    前記第1配線と前記第2配線の一方に接続され、当該接続された箇所の配線電圧である前記駆動電圧を、入力される基準電圧に制御する駆動電圧発生制御部と、
    消去状態の前記可変抵抗素子と等価な抵抗値をもつ抵抗素子部を含むことで前記メモリセルを介するセル電流経路を模した模擬電流経路と、
    入力される一定電圧に基づいて前記模擬電流経路を介して前記コモン電圧に模擬電流を流し、このとき前記抵抗素子部の模擬電流供給側に出現する経路電圧に応じて前記基準電圧を発生させ、かつ制御する基準電圧発生制御部と、
    を有する抵抗変化型メモリデバイス。
  2. 前記抵抗素子部は、前記メモリセルの可変抵抗素子と同じ可変抵抗素子を複数有し、消去状態の前記抵抗値と等価な総抵抗値が得られ、かつ、個々の可変抵抗素子において印加電圧が前記メモリセルへの印加電圧より低いことで抵抗値変化が起こらないように複数の可変抵抗素子をマトリクス配置したものである
    請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  3. 前記駆動電圧発生制御部は、
    制御端子を除く2つの端子のうち、前記メモリセルと反対側の一方端子の側に電源電圧供給線が接続される第1駆動トランジスタと、
    前記2つの端子の他方端子に出現する前記駆動電圧をフィードバックして、当該フィードバックされた駆動電圧の値が前記入力される基準電圧と同じとなるように、前記セル経路駆動トランジスタの制御端子の電圧を制御する第1フィードバックアンプと、
    を有する請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  4. 前記基準電圧発生制御部は、
    制御端子を除く2つの端子のうち、前記抵抗素子部と反対側の一方端子の側に電源電圧供給線が接続される第2駆動トランジスタと、
    前記第2駆動トランジスタの2つの端子の他方端子に出現する模擬電流供給電圧をフィードバックして、当該フィードバックされた模擬電流供給電圧の値が前記入力される一定電圧と同じとなるように、前記第2駆動トランジスタの制御端子の電圧を制御する第2フィードバックアンプと、
    を有する請求項3に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  5. 前記基準電圧発生制御部は、
    前記セル電流経路の駆動トランジスタであって、制御端子を除く2つの端子のうち、前記抵抗素子部と反対側の一方端子の側に電源電圧供給線が接続される第2駆動トランジスタと、
    消去状態の前記可変抵抗素子と等価な抵抗値をもつ制御抵抗素子部を含む制御電流経路と、
    当該制御電流経路の駆動トランジスタであって、制御端子を除く2つの端子のうち、前記制御抵抗素子部と反対側の一方端子の側に電源電圧供給線が接続される第3駆動トランジスタと、
    前記第3駆動トランジスタの2つの端子の他方端子に出現する制御電流の供給電圧をフィードバックして、当該フィードバックされた制御電流の供給電圧の値が前記入力される一定電圧と同じとなるように、前記第2駆動トランジスタと前記第3トランジスタの2つの制御端子に与えられる2つの制御電圧を同時制御する第2フィードバックアンプと、
    を有する請求項3に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  6. 前記抵抗素子部および前記制御抵抗素子部の各々は、前記メモリセルの可変抵抗素子と同じ可変抵抗素子を複数有し、消去状態の前記抵抗値と等価な総抵抗値が得られ、かつ、個々の可変抵抗素子において印加電圧が前記メモリセルへの印加電圧より低いことで抵抗値変化が起こらないように複数の抵抗変化素子をマトリクス配置したものである
    請求項5に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  7. 前記駆動電圧発生制御部が、単一の駆動トランジスタから構成されている
    請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  8. 前記模擬電流経路に、
    前記メモリセルと前記アクセストランジスタの接続関係と同じ接続関係で前記抵抗素子部と接続された擬似アクセストランジスタと、
    前記メモリセルと前記スイッチの接続関係と同じ接続関係で、前記抵抗素子部または前記擬似アクセストランジスタと接続された擬似スイッチと、
    を有し、
    前記アクセストランジスタと前記擬似アクセストランジスタ、前記スイッチと前記擬似スイッチが、それぞれ同時制御される
    請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  9. 前記メモリセルがマトリクス配置されたメモリセルアレイを有し、
    前記メモリセルアレイ内で前記第1配線と前記第2配線の各々が、複数のメモリセルに共通に接続され、
    前記メモリセルを介するセル電流経路には、前記メモリセルの前記スイッチと反対の側に、前記第1配線または前記第2配線の供給電圧の前記メモリセルへの供給と遮断を制御するカラムスイッチが接続され、
    前記模擬電流経路に、前記メモリセルと前記カラムスイッチの接続関係と同じ接続関係で、前記抵抗素子部または前記擬似アクセストランジスタと接続された擬似カラムスイッチを有し、
    前記カラムスイッチと前記擬似カラムスイッチが同時制御される
    請求項8に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  10. 前記基準電圧発生制御部の、前記一定電圧が入力される電圧入力ノードに接続され、前記一定電圧を、環境温度変化に追従して補正のために変化させて前記電圧入力ノードに与える一定電圧発生回路を、
    有する請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  11. 前記駆動回路は、その構成要素のうち、少なくとも前記駆動電圧発生制御部と前記基準電圧発生制御部との制御回路部分が、前記第1配線と前記第2配線のそれぞれに対して設けられ、
    前記スイッチが、前記第1配線と前記第2配線のそれぞれに対して設けられ、
    第1配線側の前記制御回路部分を起動するときは、第2配線側の前記制御回路部分の動作を停止するとともに、前記第2配線側の前記スイッチをオンし、第1配線側の前記スイッチをオフする
    請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
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