JP2011021481A - 通電制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電制御方法決定時期判定手段S101と制御用回転速度算出手段S102と発電山数決定手段S103と優先順位判定手段S104と発電許可手段S105と発電停止手段S106とからなる発電制御方法決定手段S100によって発電制御S107を実施し、噴射通電開始時期決定手段S111と噴射終了通電時期決定手段S112と噴射通電終了時期補正手段S113とからなる噴射通電時間決定手段S110によって、噴射通電制御S130を実施し、点火通電終了時期決定手段S121と点火開始時期決定手段S122と点火開始時期補正手段S123とからなる点火通電時期決定手段S120によって点火通電制御S131を実施する。
【選択図】図10
Description
特許文献1にあるような従来の発電制御装置では、回転変動を抑制すべく、エンジントルクの高い燃焼行程に合わせて発電トルクを増加させるべく発電が許可され、エンジントルクの低い行程に合わせて発電トルクを低減させるべく発電が停止されている。
このため、一定周期で発電の許可と停止が行われている限りにおいては、バッテリ電圧の変動は一定周期で現れ、燃料噴射装置の無効噴射時間に対する影響や点火装置の点火通電時間に与える影響を比較的容易に補正できると考えられる。
上記クランク軸のクランク角を検出するクランク角検出手段と、該クランク角検出手段によって検出した所定のクランク角における上記クランク軸の回転速度から、上記発電機からの発電の許可と停止とを決定する発電制御方法決定手段と、
上記燃料噴射装置の噴射時期を決定する噴射決定時における上記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、
該バッテリ電圧検出手段によって検出されたバッテリ電圧と上記発電制御方法決定手段によって定められた発電パターンとから、上記バッテリの上記燃料噴射装置を駆動する時期におけるバッテリ電圧を予測し、上記バッテリから上記燃料噴射装置への通電開始時期と通電終了時期とを決定する噴射通電時間決定手段と、
上記バッテリ電圧検出手段によって検出されたバッテリ電圧と上記電制御方法決定手段によって定められた発電パターンとから、上記バッテリの上記点火装置を駆動する時期におけるバッテリ電圧を予測し、上記バッテリから上記点火装置への通電開始時期と通電終了時期とを決定する点火通電時間決定手段とを具備する(請求項1)。
したがって、発電トルクの制御による回転変動の抑制効果に加え、バッテリ電圧の変動に伴う無効噴射時間の変動による燃料噴射量の変動を少なくすると共に、上記点火装置の放電終了時期及び放電時間の変動によって発生する着火性の変動を少なくしてさらに上記内燃機関の回転速度の安定化を図ることができる。
上記回転速度算出手段によって算出された所定のクランク角における回転速度と上記目標回転速度算出手段によって算出された目標回転速度との偏差を算出する目標偏差算出手段と、
上記目標偏差算出手段によって算出された目標偏差と上記所定のクランク角におけるバッテリ電圧とから、上記発電機の発電山数を決定する発電山数決定手段と、
上記発電山数決定手段によって決定された発電山数と予め設定された該当するクランク角における発電優先順位との比較によって発電優先順位を判定する発電優先順位判定手段とを具備する(請求項2)。
従来の発電制御装置のように特定のクランク角に対して一律に発電のオンオフを決定するのではなく、所定のクランク角における回転速度と目標回転速度との偏差によって、検出された回転速度に応じた発電の制御方法が決定されるので、過剰に発電が抑制されることなく、必要な発電量を確保した上で、実際の回転速度と目標回転速度との偏差に応じて最適な発電制御を行いつつ、バッテリ電圧の変動による燃料噴射条件と点火条件との変動を精度よく補正して上記内燃機関の回転速度の安定化を図ることができる。
上記点火通電時間決定手段が、点火進角マップとに基づいて点火通電終了時期を決定する点火通電終了時期決定手段と、先に決定された点火通電終了時期と必要な点火エネルギ印加量に応じて決定される点火通電時間とから点火開始時期を決定する点火開始時期決定手段と、噴射決定時期において検出されたバッテリ電圧を基に点火時予測バッテリ電圧を算出する点火時予測バッテリ電圧算出手段と、該点火時予測バッテリ電圧に基づいて点火開始時期を補正する点火開始時期補正手段とを具備する(請求項3)。
内燃機関80は、略筒状のシリンダ82と、シリンダ82の上面を覆うシリンダヘッド81と、シリンダ82内を昇降するピストン83とによって区画された燃焼室800内に導入された圧縮空気と燃料との混合気への点火によって燃焼エネルギを発生させ、得られた燃焼エネルギをピストン83とコンロッド832とを介してクランク軸831の回転力に変換している。
また、クランク軸831は、クランクアーム833、カウンタウェイト834等のピストン83の昇降運動をクランク軸831の回転運動に変換すると共にカウンタウェイト834の慣性を利用してピストン83の昇降を補助する機構として通常用いられるものを含む。
吸気バルブ811の開弁とピストン83の下降とによる燃焼室800内への吸気行程と、燃料噴射装置60による燃料噴射とピストン83の上昇による圧縮行程と、点火装置61を用いた混合気への点火による爆発行程と、排気バルブ821の開弁による排気行程との燃焼サイクルが繰り返され、ピストン83の昇降運動がコンロッド832等を介してクランク軸831に伝達されクランク軸831が回転運動する。
ステータ11は、複数のステータコア110にステータコイル111が巻回されたものが直列に接続され、さらに略放射状に配設されており、ステータ11の外側にマグネット12が回転方向に並べられ、N極とS極が交互にステータ11に対向するように配設されている。マグネット12には永久磁石が用いられている。
クランク軸831に連結されたフライホール14の回転と共に、マグネット12及びロータ13がステータ11に対して相対回転することによって、ステータコイル111内の磁界が変化し、ACG10に交流が発生する。
さらに、ECU30は、ACG10をオンオフしてACG10に発生する発電トルクを制御すべく、ECU30に入力されたクランク角信号SCAに基づき、所定のクランク角CASにおける回転速度VRTを検出し、後述する発電制御方法にしたがって、適切な発電山数NPを決定し、ACG10を回転速度VRTに応じた発電パターンに制御する発電指令SGEを発信する。
なお、本実施形態においては、ステータ11は8極配設されており、全期間に渡って発電された場合には、1回転あたり4サイクルの発電山が発生し、1回の燃焼サイクルに対してクランク軸831が2回転するので、8サイクルの発電山が発生する。
また、第2のスイッチング手段SCR2の開閉により、ACG10に発生する発電トルクTQGEが調整され、エンジン回転速度VRTを目標回転速度VTRGに速やかに収束すると共に、回転変動の抑制を図っている。
発電制御方法決定時期判定手段であるステップS101において、クランク角センサ71によって検出されたクランク角CAが発電制御方法を決定する発電制御方法決定時期としての所定のクランク角CASであるか否かが判定され、発電制御条件を決定すべき所定のクランク角CASである場合にはYesに進み、その他のクランク角CAである場合にはNoに進む。具体的には、燃焼行程の爆発直後であることを示す行程番号(例えば、NNUM=12)か否かが判定される。
より具体的な、回転速度算出手段としてクランク角センサ71からECU30に入力されたクランク角信号SCAによって検知された所定のリフラクタ710の通過時間から内燃機関80の回転速度VRTを算出することができる。
また、内燃機関80の運転状況に応じた目標回転速度VTRGは、目標回転速度算出手段として、スロットル開度SL、エンジン温度TW等に基づくマッピング処理や、安定した状態における回転速度の平均値等により別途算出される。
次いで、発電優先順位判定手段であるステップS104では、ステップS103において決定された発電山数NPと該当するクランク角CAにおける発電優先順位NPRとを比較し、発電山数NPが該当する発電優先順位NPR以上であればYesに進み、発電を実施すべく発電指令SGEがONとなり、ステップS105へ進み、発電電流IGEが流れる。
所定のクランク角CASにおいて測定された回転速度VRTは、フリクションによって、一定の割合で低下するため、所定のクランク角CASにおける回転速度VRTを測定するだけで、燃焼サイクルに応じた回転速度の変化を予測することが可能である。
以上の工程をクランク信号SCA毎に実施し、必要な発電量を確保しつつ、内燃機関80の行程に応じて、発電トルクTQGEの最適化を図ることができる。
本発明では、従来の発電制御装置のように特定のクランク角CAに対して一律に発電のオンオフを決定するのではなく、所定のクランク角CASにおける回転速度VRTと目標回転速度VTRGとの目標偏差ΔHによって、検出された回転速度VRTに応じて発電の制御方法が決定されるので、過剰に発電が抑制されることなく、必要な発電量を確保した上で、実際の回転速度VRTと目標回転速度VTRGとの偏差に応じて最適な発電制御が行われる。
電力の安定供給の要求されるランプ系負荷50に対して負電圧半波を振り分けて、バッテリ40の充電及び燃料噴射装置60、点火装置61、その他のパワートレイン系負荷LD62に対して正電圧半波を振り分けるようにしてある。
図4(a)に示すように、1サイクルの燃焼行程において、爆発行程直後のクランク角CAを所定のクランク角CASとし、発電条件を決定する。具体的には、燃焼行程1サイクルに発信されるクランク角信号SCAに対して0〜8、12〜20の行程番号(NNUM)が振り分けられており、NNUM=12におけるクランク角CAを所定のクランク角CASとして、その時の瞬間的な回転速度VRTを算出し、これを基に発電のオンオフする発電山数NPと発電優先順位NPRに基づいた発電山の位置が決定され発電パターンが決定される。
なお、NNUM=9、10、11に対応するクランク角CAのリフラクタ710が間引かれており、この間はクランク角信号SCAが発信されないので内燃機関80の運転状況に応じて回転速度VRTが変化しても検出ズレを起こすことなく、常に所定のクランク角CAsを認識することができる。
加えて、クランク軸831にACG10が連結されているため、発電時には発電トルクが発生し、クランク軸831の回転を抑制する制動力として作用する。
本発明の通電制御システムに用いられる発電制御方法によらず、全行程で発電が行われた場合には、本図中に比較例として点線で示すように、吸気行程及び圧縮行程における回転速度VRTがさらに低下する。
ACG20により、ECU30から発信された発電指令SGEにしたがって、低トルク行程での発電が停止され、発電トルクTQGEが下がると、その分回転速度VRTの低下が抑制され、本図中に実施例として実線で示すように目標回転速度VTRGに近づく。
このとき、図4(b)に示すような、予め目標偏差ΔHと発電山数NPとの関係を設定したテーブルにしたがって、発電山数NPが5山に決定される。
また、1サイクルの燃焼行程中に8山発生し得る発電山の各発電山に対して、燃焼サイクルに応じて、1位から8位までの発電優先順位NPRが設定されており、クランク角CAに対応する各発電山の発電優先順位NPRと目標偏差ΔHに対応する発電山数NPとの大小を比較がなされる。
発電優先順位NPRが発電山数NPよりも小さい値の場合には、発電指令SGEはONとなり、発電が許可され、発電優先順位NPRが発電山数NPよりも大きい値の場合には、発電指令SGEはOFFとなり、発電が禁止される。
なお、発電優先順位NPRは、発電優先順位の高い方が小さい値で発電優先順位の低い方が大きい値に設定してある。
なお、所定のクランク角CAS以外では、クランク角信号SCAは、回転速度VRTの算出に用いられることなく、発電山数NPと発電優先順位NPRとの比較にのみ用いられるのでECU30の演算負荷を小さくできる。
表1に示すように、バッテリ電圧+Bが低下し、発電電力の増加が必要な場合には、発電量を増加すべく発電山数NPを増加する補正がなされ、バッテリ電圧+Bが高く、過充電を抑制する場合には、発電山数NPを削減する補正がなされる。
目標回転速度VTRGは、安定した運転状態において、所定クランク角CASにおいて、複数回の回転速度VRT(i)を測定し、下記式1に示すようにこれらを平均化処理することによって求めることができる。
VTRG=ΣVRT(i)/(n+1)、(i=0,1,2,・・・n)・・・式1
ここで、
VRTA=ΣVTRG(i)/(n+1)、(i=0,1,2,・・・n)・・・式2
図5に示すように、予め用意されたギア比に応じた検索マップを選択し、平均処理回転速度VRTAに対して、等高線状に示した等回転速度線とスロットル開度SLとの交点によって目標回転速度VTRGが決定され、上述の目標偏差ΔHの値が補正され、発電山数NPが決定される。
平均処理回転速度VRTAに対して、スロットル開度SLが開き気味に設定されている場合には、運転者の意思を反映し、高め側に目標回転速度VTRGが修正され、スロットル開度SLが閉じ気味みに設定されている場合には、低め側に目標回転速度VTRGが修正される。
図6(a)〜(d)に示すように、爆発直後の所定クランク角CAS(NNUM=12)に対応する発電制御方法決定時期において、発電パターンが決定され、次のクランク角信号SCAが入力された噴射決定時期(NNUM=13)において、インジェクタ600を駆動し吸気筒810内に燃料噴射を行う燃料噴射時期TMINJ及び燃料噴射通電時間PRINJ並びに点火プラグ610を駆動し燃焼室800内の混合気に点火する点火時期TMIG及び点火通電時間PRIGが決定される。
先の燃焼行程において、爆発後の排気が完了し、排気バルブ821が閉じられ、吸気バルブ811が開かれると、ピストン83の下降に伴って吸気筒810内に噴射された燃料と空気との混合気が燃焼室800内に導入される。
さらに、吸気バルブ811が閉じられ、ピストン83の上昇によって燃焼室800内の混合気が圧縮される。
このとき、図6(i)に示すように、本発明の実施例1では、所定クランク角CASにおける回転速度VRTに応じた発電トルクの制御により、発電トルク制御をしない比較例にくらべ1サイクル内での回転変動が小さくなっている。
このため、噴射決定時期(NNUM=13)におけるバッテリ電圧+Bを基準として一律に無効噴射時間に対する補正を行ってしまうと、全発電がなされている場合には、バッテリ電圧+Bが上昇を続けるので、燃料噴射量が増加し、目標よりも高い筒内圧PCYLに達し、発電トルク制御によって一部の発電山がカットされた場合にはバッテリ電圧+Bが低下し、無効噴射時間が長くなるのでその分燃料噴射量が低下し、目標よりも低い筒内圧PCYLにしか到達しなくなる虞がある。
したがって、図6(i)、(j)に示すように、燃焼サイクル内での回転変動は小さくなるが、複数の燃焼サイクル間では、到達する回転速度VRT及び筒内圧力PCYLにバラツキが発生し、これが新たな振動の原因となる虞がある。
一方、ACG10の発電が許可されていても、負の発電山が発生している場合には、負の電流成分はLMP系負荷50へ供給され、バッテリ40へは供給されず、バッテリ40の充電がなされない。このため、ECU30等による電力消費のみとなるため、放電によりバッテリ電圧+Bが下降する。
したがって、バッテリ電圧+Bは、発電制御がなされていない場合であっても、充電と放電とを繰り返しながら変動する。
このため、初期のバッテリ電圧+Bが図7に示すように同じ初期値VST0であっても、発電制御方法決定時期(NNUM=12)において決定された発電山数NPと発電優先順位NPRとによって決定された発電の許可と停止の違いによって、噴射決定時期(NNUM=13)におけるバッテリ電圧+Bにも高低差が生じる。
さらに、燃料噴射時期(NNUM=14〜23)においては、発電の状況によって、噴射時高電圧値VINH、噴射時中電圧値VINM、噴射時低電圧値VINLとして示すように3段階の電圧に分かれる。
この時のバッテリ電圧+Bは、燃料噴射装置60への通電時間によって電圧の下降する量が予測可能で図7中に、噴射時高電圧値VINH、噴射時中電圧値VINM、噴射時低電圧値VINLとして示した電圧から、噴射終了時には、それぞれ、噴射後予測高電圧値VPRH、噴射後予測中電圧値VPRM、噴射後予測低電圧値VPRLとして示した値となる。
さらに、その後の発電パターンによって、放電時間と充電時間とが異なり、また、イグナイタ61で消費される電力の違いによって、バッテリ電圧+Bは、図7に示すように点火後高高電圧値VIGHHから点火後低低電圧値VIGLLまでの様々な値に変化する。
一方、噴射信号INJの停止により燃料噴射が停止する時期は、インジェクタ600への通電完了によりインジェクタ600へ供給される燃料の圧力により閉弁され燃料噴射が停止されるので、バッテリ電圧+Bの影響を受けることなく、いずれの電圧においても噴射信号INJの停止とほぼ同時に終了する。
このため、バッテリ電圧+Bの変化によって無効噴射時間が変化し同一の噴射信号INJに対する燃料噴射量に差が生じる。
そこで、燃料噴射量を一定とするためには、いずれの電圧においても有効燃料噴射通電時間tACが一定となるように、図8(c)に、噴射終了時期tEを高電圧時噴射終了時間tEH、中電圧時噴射終了時間tEM、低電圧時噴射終了時間tELとして示すように、燃料噴射時期における実際のバッテリ電圧+Bの高低に応じて噴射終了時期tEを補正する必要がある。
このため、燃料噴射時期に先んじて噴射決定時期(NNUM=13)におけるバッテリ電圧+Bを実測し、その値を基準として、その後の燃料噴射時期(NNUM=14〜23)及び点火時期(NNUM=5〜7)におけるバッテリ電圧+Bの変化を予測する必要がある。
VPRIN=VS+ΔVU−ΔVD
=VS+K1(ΔNP×EGE)−K2(WC×Δt1)・・・式3
VPRIG=VS+ΔVU−ΔVD
=VS+K1(ΔNP×EGE)−K2(WC×Δt1)
−K3(WC+WINJ)×Δt2・・・式4
なお、K1、K2、K3、EGE、WC、WINJは、実際のACG10の発電能力、ECU30、燃料噴射装置60の消費電力等から試験的に算出することができる。
例えば、発電制御方法決定時期(NNUM=12)において決定された総発電山数NPが6山で、燃料噴射開始時期がNNUM=14に決定された場合、燃料噴射決定時期(NNUM=13)において、実際のバッテリ電圧+Bが測定された後、燃料噴射開始までには、発電山数が1山となり、これを基に噴射時予測バッテリ電圧VPRINJを算出する。
一方、燃料噴射決定時期(NNUM=13)から点火開始までに発生する発電山数NP1は発電制御方法決定時期(NNUM=12)において、所定クランク角CASにおける回転速度VRTに基づいて決定した総発電山数NPと発電優先順位NPRとから、図9(b)に示すような値となり、図9(b)に示したテーブルと上記式4を基に、点火時予測バッテリ電圧VPRIGを算出できる。
燃焼サイクルの爆発行程直後の所定のクランク角CASの発電制御方法決定時期(NNUM=12)において、上述のステップS100〜S107の発電制御方法にしたがって、所定のクランク角CASにおける瞬間的な回転速度VRTから、発電山数NP及び発電優先順位NPRによって発電山の位置が決定され、噴射決定時期(NNUM=13)において、ステップS110の噴射通電時間決定手段により、燃料噴射時期と噴射終了時期とを決定する。同持に、ステップS120の点火通電時間決定手段により、点火時期と点火通電終了時期とを決定する。
さらに、ステップS130の噴射通電手段により、先の噴射通電時間決定手段により決定された条件で燃料噴射が実行され、ステップS131の点火通電手段により、先の点火通電時間決定手段により決定された条件で点火が実行される。
ステップS111の噴射通電開始時期決定手段では、S100〜S107に示した所定のクランク角CASの回転速度測定時期(NNUM=12)で検出された回転速度VRTとスロットル開度とのマップによって、燃料噴射装置60への通電を開始するNNUMが決定される。
次いで、ステップS112の噴射通電終了時期決定手段により、通電終了時期と必要な燃料噴射量に応じて決定される噴射通電時間とから噴射通電を終了するNNUMが決定される。
さらに、ステップS113の噴射通電終了時期補正手段では、噴射決定時期(NNUM=13)において実測されたバッテリ電圧+Bの実測電圧VSと図9(a)に示したテーブルから、上記式3によって算出された噴射時予測バッテリ電圧VPRINJが算出され、噴射時予測バッテリ電圧VPRINJに基づいて、噴射終了時期の補正がなされ、燃料噴射信号INJが発信される。
ステップS121の点火通電終了時期決定手段では、点火進角マップから点火装置61への通電が完了する時期を示すNNUMが決定される。
次いで、ステップS122の点火開始時期決定手段により、先に決定された通電終了時期と必要な点火エネルギ印加量に応じて決定される点火通電時間とから点火通電を開始するNNUMが決定される。
さらに、ステップS123の点火開始時期補正手段では、噴射決定時期(NNUM=13)において実測されたバッテリ電圧+Bの実測電圧VSと図9(b)に示したテーブルから、上記式4によって算出された点火時予測バッテリ電圧VPRIGが算出され、点火時予測バッテリ電圧VPRIGに基づいて、点火開始時期の補正がなされ、点火信号IGtが発信される。
本図において、図6に示した本発明の発電制御方法を用いた結果を実施例1として点線で示し、本発明のバッテリ電圧変動に対する補正を行った結果を実施例2として実線で示してある。
本図(k)に示すように、噴射決定時期(NNUM=12)におけるバッテリ電圧+Bの実測値VS(1)に対して噴射時予測電圧VPRINJ(1)が予測され、これに対して、有効燃料噴射時間tACを短くするような補正がなされ、さらに、点火時予測電圧VPRIG(1)が予測され、これに対し、点火開始時期を遅角させる補正がなされる。
同様に、噴射決定時期(NNUM=12)におけるバッテリ電圧+Bの実測値VS(2)に対して噴射時予測電圧VPRINJ(2)が予測され、これに対して、有効燃料噴射時間tACを長くするような補正がなされ、さらに、点火時予測電圧VPRIG(2)が予測され、これに対し、点火開始時期を進角させる補正がなされる。
その結果、本図(i)、(j)に示すように、実施例2では、実施例1と同様に、発電トルク制御を行わない場合にくらべ燃焼行程1サイクル内における回転変動を抑制しつつ、さらに、実施例1にくらべ、複数の燃焼行程間に渡って到達する筒内圧力PCYLのバラツキを少なくし、複数の燃焼行程に渡って安定した回転速度を維持することができる。
この場合、界磁電流のオンオフ制御により、発電の許可と停止とを切り換えて、発電トルクを制御して、回転変動の抑制に利用しつつ、上記実施形態と同様の発電の有無によるバッテリ電圧の変動に対する補正項に加え、界磁電流の有無により、発電機が消費する電力を考慮して変動の補正項を算出することにより、バッテリ電圧の変動予測が可能となると推察される。
10 交流発電機(ACG)
20 発電制御装置(REG)
30 電子制御装置(ECU)
40 バッテリ
50 ランプ系負荷
60 燃料噴射装置
61 点火装置(イグナイタ)
62 パワートレイン系負荷LD
70 センサ類(運転状況検出手段)
71 クランク角センサ(クランク角検出手段)
710 クランク角検出子(リフラクタ)
80 内燃機関
83 クランクシャフト
831 クランク軸
CA クランク角
CAS 所定クランク角
NP 発電山数
NPR 発電優先順位
NNUM 行程番号
VRT 回転速度
VTRG 目標回転速度
ΔH 目標偏差
IGE 発電電流
TQGE 発電トルク
+B バッテリ電圧
VS バッテリ電圧実測値
VPRINJ 噴射時予測バッテリ電圧
VPRIG 点火時予測バッテリ電圧
S100 発電制御方法決定手段
S101 発電制御方法決定時期判定手段
S102 制御用回転速度算出手段
S103 発電山数決定手段
S104 優先順位判定手段
S105 発電許可手段
S106 発電停止手段
S107 発電制御
S110 噴射通電時間決定手段
S111 噴射通電開始時期決定手段
S112 噴射終了通電時期決定手段
S113 噴射通電終了時期補正手段
S120 点火通電時期決定手段
S121 点火通電終了時期決定手段
S122 点火開始時期決定手段
S123 点火開始時期補正手段
S130 噴射通電制御
S131 点火通電制御
Claims (3)
- 内燃機関のクランク軸に連結されて駆動される発電機の発電を制御して上記発電機に発生する発電トルクを上記クランク軸の回転変動の抑制に利用する発電制御装置と上記発電機によって充電されるバッテリとを有し、上記内燃機関の運転状況に応じて該内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置と該内燃機関の燃焼室内に導入された混合気の点火を行う点火装置とへの上記バッテリからの通電を制御する通電制御システムにおいて、
上記クランク軸のクランク角を検出するクランク角検出手段と、該クランク角検出手段によって検出した所定のクランク角における上記クランク軸の回転速度から、上記発電機からの発電の許可と停止とを決定する発電制御方法決定手段と、
上記燃料噴射装置の噴射時期を決定する噴射決定時における上記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、
該バッテリ電圧検出手段によって検出されたバッテリ電圧と上記発電制御方法決定手段によって定められた発電パターンとから、上記バッテリの上記燃料噴射装置を駆動する時期におけるバッテリ電圧を予測し、
上記バッテリから上記燃料噴射装置への通電開始時期と通電終了時期とを決定する噴射通電時間決定手段と、
上記バッテリ電圧検出手段によって検出されたバッテリ電圧と上記発電制御方法決定手段によって定められた発電パターンとから、上記バッテリの上記点火装置を駆動する時期におけるバッテリ電圧を予測し、
上記バッテリから上記点火装置への通電開始時期と通電終了時期とを決定する点火通電時間決定手段とを具備することを特徴とする通電制御システム。 - 上記発電制御方法決定手段が、上記クランク角検出手段によって検出したクランク角から、発電制御方法を決定する所定のクランク角か否かによって発電制御方法決定時期を判定する発電制御方法決定時期判定手段と、制御用回転速度として所定のクランク角における瞬間的な回転速度を算出する回転速度算出手段と、上記内燃機関の運転状況に応じた目標回転速度を設定する目標回転速度算出手段と、
上記回転速度算出手段によって算出された所定のクランク角における回転速度と上記目標回転速度算出手段によって算出された目標回転速度との偏差を算出する目標偏差算出手段と、
上記目標偏差算出手段によって算出された目標偏差と上記所定のクランク角におけるバッテリ電圧とから、上記発電機の発電山数を決定する発電山数決定手段と、
上記発電山数決定手段によって決定された発電山数と予め設定された該当するクランク角における発電優先順位との比較によって発電優先順位を判定する発電優先順位判定手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の通電制御システム。 - 上記噴射通電時間決定手段が、上記回転速度測定時期で検出された上記回転速度とスロットル開度とのマップに基づいて上記燃料噴射装置への通電を開始する噴射通電開始時期を決定する噴射通電開始時期決定手段と、上記噴射通電開始時期と必要な燃料噴射量に応じて決定される噴射通電時間とから噴射通電を終了する噴射通電終了時期を決定する噴射通電終了時期決定手段と、噴射決定時期において検出されたバッテリ電圧を基に噴射時予測バッテリ電圧を算出する噴射時予測バッテリ電圧算出手段と、該噴射時予測バッテリ電圧に基づいて噴射通電終了時期を補正する噴射通電終了時期補正手段とを具備し、
上記点火通電時間決定手段が、点火進角マップとに基づいて点火通電終了時期を決定する点火通電終了時期決定手段と、先に決定された点火通電終了時期と必要な点火エネルギ印加量に応じて決定される点火通電時間とから点火開始時期を決定する点火開始時期決定手段と、噴射決定時期において検出されたバッテリ電圧を基に点火時予測バッテリ電圧を算出する点火時予測バッテリ電圧算出手段と、該点火時予測バッテリ電圧に基づいて点火開始時期を補正する点火開始時期補正手段とを具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の通電制御システム。
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