JP2011021343A - サイフォン排水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】サイフォン排水システムにおける貯留槽内の正圧状態を緩和し、水廻り器具から貯留槽への排水性を向上させる。
【解決手段】貯留槽50の上部には、拡縮室部材60が接続されている。拡縮室部材60は袋状とされ、内部に密閉された拡縮室62が構成されている。拡縮室部材60には開口60Aが形成されており、この開口60Aに連通管34が接続され、連通管34介して、貯留槽50に接続されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、サイフォン力を利用して排水するサイフォン排水システムに関する。
近年、従来の勾配排水システムに替わって、サイフォン排水システムが提案されている。サイフォン排水システムは、水廻り器具とサイフォン排水管とを含んで構成されている。
サイフォン排水管は、床スラブに沿って無勾配で配管された横引き管と、垂下部をなす竪管とを有している。サイフォン排水システムによれば、竪管にて発生するサイフォン力(負圧力)を利用して、水廻り器具からの排水効率の向上を図ることができる。
そして、更に、サイフォン排水システムにおいて、排水システム中に、水廻り器具からの排水を一時的に貯留する貯留槽を配置するサイフォン排水システムも提案されている(特許文献1)。
サイフォン排水システムでは、排水の開始からサイフォン起動までにタイムラグがあるため、排水量が多い場合、水廻り器具に排水が溢れるということが起こりうるが、このタイムラグ時の排水の溢れを、貯留槽への排水により解消することができる。すなわち、貯留槽が満水になるまでは、水廻り器具からの排水を貯留槽に溜めることにより、水廻り器具からの排水を行わせることができる。
このような貯留槽の機能を発揮させるためには、貯留槽内のエアの通気を行うことが必要となる。貯留槽内の通気が行われないと、サイフォン起動前には、貯留槽内が正圧(大気圧よりも高い圧力)になり、水廻り器具から貯留槽への排水性が低下し、水廻り器具から排水が溢れてしまうことが起こりうる。また、サイフォン起動時には、貯留槽内が負圧(大気圧よりも低い圧力)となり、トラップから空気が吸われて排水騒音を出しながら排水したり、排水完了時(まだサイフォンは効いているが、器具からの排水の供給が無くなったとき)には、トラップより封水を引っ張ってしまうので破封を生じさせたりするという不都合が生じる。そのため、貯留槽に通気管を設置して、貯留槽内の圧力を大気圧(いわゆる無圧)に維持することが行われる(特許文献2)。
しかしながら、通常、通気管は臭気を外部に出さないようにするために、排水立て管等に接続するため、設置に手間がかかると共に、床下スペースの関係で、設置が難しい場合もある。
特開平6−42019号公報 特開2008−184776号公報
本発明は、上記事実を考慮し、サイフォン排水システムにおいて、貯留槽内が過度の正圧状態となることを抑制し、水廻り器具から貯留槽への排水性を向上させることの可能な貯留槽、及び、この貯留槽を備えたサイフォン排水システム、を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る貯留槽は、サイフォン排水システムに用いられ、水廻り器具から排出された排水を貯留空間に一時貯留すると共に、排水を流出させるサイフォン排水管が接続された貯留槽であって、前記貯留空間が正圧となったときに、拡張により前記正圧を吸収可能な正圧吸収手段、を備えている。
請求項1の貯留槽では、水廻り器具からの排水が貯留槽へ流入し、貯留空間が正圧となると、正圧吸収手段が拡張して正圧が吸収される。ここで、正圧とは、大気圧よりも高圧であることをいい、負圧とは、大気圧よりも低圧であることをいう。本発明によれば、貯留空間が正圧となるのが抑制され、貯留槽への排水の流入がスムーズに行われる。これにより、水廻り器具からの排水性を向上させることができる。
本発明の請求項2に係る貯留槽は、前記正圧吸収手段が、拡縮可能であるとともに密閉され前記貯留空間と連通する拡縮室を構成する拡縮室部材、を含んで構成されていること、を特徴とする。
上記構成の貯留槽では、貯留空間と連通した拡縮室が拡張することにより、貯留空間の正圧を吸収することができる。また、排水完了後には、拡張した拡縮室を縮小させて、拡縮室を元の状態に戻すことができる。
本発明の請求項3に係る貯留槽は、一端部が前記貯留空間と連通し他端部が前記拡縮室と連通する連通管を有するものである。
このように、連通管を介して、貯留空間と拡縮室とを連通させることができる。
本発明の請求項4に係る貯留槽は、前記連通管の前記他端部が上方に延出されていること、を特徴とする。
このように、連通管の他端部を上方に延出させることにより、貯留槽内の排水が連通管に流入することを抑制することができる。
本発明の請求項5に係る貯留槽は、前記連通管の前記他端部側が、鉛直方向に配置されていること、を特徴とする。
このように、連通管の他端部側、すなわち、連通管の拡縮室との接続側を、鉛直方向に配置することにより、貯留空間の正圧を効果的に吸収することができる。
本発明の請求項6に係る貯留槽は、前記連通管の前記一端部が、前記貯留空間の上部と連通していること、を特徴とする。
このように、連通管の一端部を貯留空間の上部と連通させることにより、連通管への排水の流入を抑制することができる。
本発明の請求項7に係る貯留槽は、前記貯留空間は仕切部材によって上方で互いに連通される複数の個別貯留部に区画され、前記複数の個別貯留部のうち少なくとも1つは水廻り器具から排出された排水の流入がない非流入個別貯留部とされ、前記拡縮室は前記非流入個別貯留部に対応する部分へ連通されていること、を特徴とする。
このように、拡縮室を非流入個別貯留部に対応する部分に連通させることにより、拡縮室への排水の流入を抑制することができる。
本発明の請求項8に係る貯留槽は、前記正圧吸収手段が、前記貯留空間を構成する壁部の少なくとも一部が拡縮可能である拡縮壁、を含んで構成されていること、を特徴とする。
上記構成の貯留槽では、貯留空間を構成する壁部の少なくとも一部が拡縮可能である拡縮壁を有しているので、貯留空間が正圧となった場合には、この拡縮壁が拡張することにより、貯留空間の正圧を吸収することができる。また、排水完了後には、拡張した拡縮壁を縮小させて、拡縮室を元の状態に戻すことができる。
本発明の請求項9に係る貯留槽は、前記貯留空間が負圧となったときに、前記貯留空間へ空気を流入させる通気弁を備えている。
このように、負圧用の通気弁を備えることにより、貯留空間が負圧となることに起因する、排水異音や、封水切れなどを防止することができる。
本発明の請求項10に係るサイフォン排水システムは、請求項1〜8のいずれか1項に記載の貯留槽を備えたものである。
本発明のサイフォン排水システムによれば、貯留槽が正圧吸収手段を備えているので、貯留空間への排水の流入がスムーズに行われ、水廻り器具からの排水性を向上させることができる。
本発明は、上記構成としたので、簡易な構成で貯留槽内の正圧状態を緩和し、水廻り器具からの排水性を向上させることができる。
第1実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る貯留槽の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る貯留槽に設置された拡縮室部材の概略図である。 第1実施形態に係る貯留槽に設置された拡縮室部材の変形例の概略図である。 第1実施形態に係る貯留槽に設置された拡縮室部材の他の変形例の概略図である。 第1実施形態に係る貯留槽への排水の流入と拡縮室部材、通気弁の動作を説明する概略図である。 サイフォン排水システムにおける排水量と貯留槽内の圧力を経時的に示すグラフである。 第1実施形態に係る貯留槽に設置された拡縮室部材の他の変形例の概略図である。 第1実施形態に係る貯留槽及び拡縮室部材の変形例の斜視図である。 第1実施形態に係る貯留槽及び拡縮室部材の他の変形例の斜視図である。 第1実施形態に係る貯留槽及び拡縮室部材の他の変形例の斜視図である。 第2実施形態に係る貯留槽の概略図である。 第2実施形態に係る貯留槽の変形例の概略図である。 第2実施形態に係る貯留槽の他の変形例の概略図である。 水廻り器具側に通気弁が設置されている例を示す概略図である。
[第1実施形態]
以下に、本発明に係るサイフォン排水システム、貯留槽の、第1実施形態を図面に基づき説明する。
まず、本実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成を説明する。図1には、本実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成が概略図にて示されている。
本実施形態に係るサイフォン排水システム10は、サイフォン力を利用して水廻り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。
本実施形態のサイフォン排水システム10は、主に複数階で構成された集合住宅などに用いられる。図1に示すように、サイフォン排水システム10は、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。この排水立て管12は、集合住宅の上下方向(縦方向)に延設され、集合住宅の各階の床スラブ14を貫いている。
集合住宅の各階の各戸には、複数の水回り器具16が設けられており、この水廻り器具16には、水廻り器具16から排出される排水を流す排水導入管18の一端がそれぞれ接続されている。排水導入管18の他端は、貯留槽50と接続されている。排水導入管18は、貯留槽50側が低くなるように勾配をもって配設されている。
なお、排水導入管18は必須ではなく、水廻り器具16は、直接貯留槽50に接続されていてもよい。
図2(A)に示すように、貯留槽50は箱状とされており、水廻り器具16からの排水を一時貯留するために設置されている。貯留槽50の内部には、図2(B)に示すように、貯留空間52が構成されている。貯留槽50には、サイフォン排水管22が接続されている。サイフォン排水管22は、図1に示すように、床スラブ14に沿って配設される横引き管24と、この横引き管24と連通する竪管26とを備えて構成されている。横引き管24は、貯留槽50と連通され、床スラブ14上で水平方向に無勾配で配設されている。横引き管24と連通する竪管26は、排水立て管12に沿って、上下方向(鉛直方向)に配設されている。この竪管26は、合流部継手40を介して排水立て管12と連結されている。合流部継手40は、竪管26からの排水を排水立て管12へ合流させる。
横引き管24及び竪管26は、1本の排水管(複数の管を連結した場合にも分岐部分のない管)で構成され、合流部継手40までは他の排水管と途中で合流することなく、排水立て管12へ排水を導くようになっている。また、横引き管24及び竪管26は、排水が満流で流れるように管の内径が設定されている。横引き管24内の排水には、排水が落下するときに生じるエネルギーにより、排水方向へ向かうサイフォン力が作用される。
図2(A)に示すように、貯留槽50の上部には、拡縮室部材60、及び、通気弁32が接続されている。通気弁32は、外部から貯留槽50内への空気の流入が可能とされていると共に、貯留槽50内から外部へは空気及び排水を通過させない、逆止弁機能をもって構成されている。通気弁32としては、メンブレンバルブなどのように弾性体を用いたものや、ボール式逆止弁など、種々の機械要素により構成された逆止弁を用いることが可能である。本実施形態では、図3(A)に示すように、通常時には、閉鎖され、貯留空間52が負圧になることにより、貯留槽50側へ移動して開放される逆止弁32Aを備えた通気弁32として説明する。
なお、本実施形態では、通気弁が貯留槽50に設置されているが、通気弁は必ずしも貯留槽に設置する必要はなく、貯留槽50に接続されている水廻り器具16の少なくとも1つに設置されていればよい(図15参照)。この場合、水廻り器具16のトラップを、メンブレントラップ(自封式トラップ)とすることにより、トラップとしての機能だけでなく、通気弁としての機能を発揮させることができ、通気弁を別に設置する必要がない。
拡縮室部材60は、連通管34介して、貯留槽50に接続されている。連通管34は、管軸が鉛直方向に配置され、一端が貯留槽50の上部に、他端が拡縮室部材60の後述する開口60Aに接続されている。なお、連通管34がない構成であってもよく、拡縮室部材60が、直接貯留空間52に連通している構成であってもよい。
図3にも示すように、拡縮室部材60は袋状とされ、内部に密閉された拡縮室62が構成されている。拡縮室部材60には開口60Aが形成されており、この開口60Aに連通管34が接続されている。拡縮室部材60としては、伸縮自在な弾性材料で形成されたものなどを用いることができ、材質としては、例えば、ゴム、ビニル、エラストマーなどを用いることができる。
拡縮室部材60は、内部の拡縮室62に空気が流入することにより、図3(B)に示すように、膨出した膨出状態となり拡縮室62が拡張する。また、内部の拡縮室62から空気が流出することにより、図3(A)に示すように、拡縮室62が縮小して扁平となった扁平状態となる。このように、拡縮室62は、拡縮可能となっている。
なお、拡縮室部材としては、種々の部材、構成のものを用いることが可能である。例えば、図4に示すように、ピストン64がシリンダ65内で往復移動可能に設けられたシリンダ状部材63で構成してもよい。この構成では、ピストン64が往復移動することにより、シリンダ65の内部に形成される拡縮室が拡縮する。すなわち、シリンダ65内に空気が流入することにより、図4(B)に示すように、ピストン64が押し上げられて拡縮室62が拡張され、シリンダ65内から貯留槽50へ空気が流出することにより、図4(A)に示すように、ピストン64が下がって拡縮室62が縮小する。
また、図5に示すように、蛇腹状にされた側壁66Aを有する筒状の蛇腹状部材66であってもよい。蛇腹状部材66は、一端部(図5における上端部)が閉鎖され、他端部(図5における下端部)が開放され、この開放端部が連通管34と連通している。蛇腹状部材66は、蛇腹状の側壁66Aが伸縮可能とされており、図5(B)に示すように側壁66Aが伸長することにより、拡縮室62が拡大され、図5(A)に示すように側壁66Aが縮むことにより、拡縮室62が縮小される。
なお、拡縮室部材60は、拡張後に貯留槽50内の貯留空間52が負圧となったり、大気圧へ戻ったりした際に、拡縮室62内の空気が貯留空間52へ戻るように構成されていることが好ましい。例えば、拡縮室62から貯留槽側50へ流入する空気の流入抵抗を、通気弁32から貯留槽50側へ流入する空気の流入抵抗よりも小さくすることにより、拡縮室62内の空気を貯留空間52へ流入しやくすることができる。すなわち、貯留槽50へは、通気弁32からよりも拡縮室62からの方が、空気を流入しやすくすることができる。この空気の流入しやすさは、例えば、拡縮室62を形成する拡縮室部材60の柔軟性を高くして、拡縮室62が拡縮しやすくすることにより調整できる。
また、拡縮室部材60に、内容積を縮小させる方向へ力を作用させることで、貯留空間52が大気圧、負圧になった際に、拡縮室62から貯留槽50へ空気を流入しやすくすることができる。例えば、拡縮室部材60として、ゴムなどの弾性変形可能なものを用いて、拡大した拡縮室62を縮小させる復元力を発揮させたり、弾性を有さない材料を用いた場合でも、拡縮室62を縮小させる形状に復元するように「くせ付け」を行っておいたりすることにより、拡縮室62から貯留槽50へ空気を戻すことができる。また、図4に示すシリンダ部材63や、図5に示す蛇腹状部材66を用いる場合には、ピストン64、蛇腹状部材66の上部に質量体を取り付けて、いわゆる重石とすることにより、拡縮室62の縮小を行うことができる。
次に、本実施形態のサイフォン排水システム10での排水について説明する。
水廻り器具16(図6ではユニットバスの浴槽、及び、排水パンを例示している)からの排水は、図6(A)に示すように、排水導入管18を経て貯留槽50へ流入する。貯留空間52へ流入した排水は、サイフォン排水管22から排出される。サイフォン力の起動前に、排水導入管18からの流入量が、サイフォン排水管22での排水量を上回ると、貯留空間52の貯留水位が上がり、貯留槽50に排水が貯留される。
ここで、貯留槽50内に排水が流入すると、貯留槽50内の貯留空間52が正圧となり、貯留空間52の空気は、図6(B)にも示すように、拡縮室部材60を拡張させつつ、拡縮室62へ流入する。これにより、貯留空間52内の圧力上昇が抑制され、排水導入管18から貯留槽50への排水をスムーズに行うことができ、排水トラップTRから排水が溢れる等の不都合を抑制することができる。このとき、拡縮室62から外部へ空気は流出しないため、外部への臭気漏れなく、正圧を吸収することができる。
続いて、サイフォン力が起動して、サイフォン排水管22を流れる排水にサイフォン力が作用すると、サイフォン排水管22による排水量が増加し、貯留槽50内の水位が下がると共に、貯留空間52が負圧になる。このとき、図6(C)に示すように、拡縮室62から貯留空間52へ空気が移動して、拡縮室62が膨出前の偏平状態に縮小する。そして、図6(D)に示すように、通気弁32から貯留空間52へ空気が流入する。これにより、貯留槽50内が過度に負圧になることが抑制され、貯留槽50内の排水が吸引される際の排水異音を抑制することができる。また、水廻り器具16の排水トラップTRにおける封水切れを抑制することができる。
図7には、サイフォン排水システムにおける排水量の変化と、貯留槽50内の圧力変化との関係が示されている。上段のグラフは、一般的な貯留槽を有するサイフォン排水システムにおける、排水量を経時的に示すものであり、破線Aは、水廻り器具16から貯留槽50への排水の流入量を示し、実線Bは、貯留槽50からの排水の流出量を示している。実線Bで示されるように、排水開始当初は、排水量が少ないが、サイフォン力が起動すると排水量は急激に増加し(B−1)、サイフォン力が切れると排水量は急激に減少する(B−2)。
下段のグラフは、貯留槽50内の圧力変化を経時的に示すものである。通気を全く行わない場合には、実線Cで示されるように、排水の開始後から貯留槽50内の圧力が上昇し(C−1)、一定の正圧状態を維持する。サイフォン力が起動すると、貯留槽50内の圧力は下がり(C−2)、負圧になる。その後、一定の負圧状態を維持した後(C−3)、サイフォン力が切れると、徐々に大気圧へと戻る(C−4)。通気弁32のみを設けた場合には、一点鎖線Dで示されるように、排水の開始後からサイフォン力の起動前までは、通気なしの場合(実線C)と同様の圧力変化を示し、貯留槽50内は正圧になる(D−1)。続いて、サイフォン力の起動により、貯留槽50内の圧力は下がる。貯留槽50内の圧力負圧になると、通気弁32からの空気の流入により、貯留槽50内は、排水完了まで、わずかな負圧となるのみで(D−2)、安定した状態が維持される。
一方、通気管(排水立て管に接続)を設けた場合には、破線Eで示されるように、貯留槽50内の圧力は、排水の開始後からサイフォン力の起動までわずかに正圧となり(E−1)、サイフォン力の起動後から排水の完了までわずかに負圧となる(E−2)が、貯留槽50内の圧力変化は、ほとんど生じない。
本実施形態では、拡縮室部材60によって、図7の下段のグラフに斜線で示す部分の正圧を吸収することで、貯留空間52内が正圧となることを抑制している。本実施形態のように、通気弁32と拡縮室部材60の双方を設けることにより、排水の開始後からサイフォン力の起動までの正圧を、拡縮室62で吸収することができるため、破線Eと同様の圧力変化となる。すなわち、通気管を設けた場合と同様の効果を得ることができる。また、拡縮室部材60及び通気弁32は、通気管のように排水立て管に接続させる必要がないので、簡易に設置することができる。
なお、本実施形態では、貯留槽50の上面に拡縮室部材60を接続した例について説明したが、拡縮室部材60は、図8(A)〜(D)に示すように、貯留槽50の側面上部に接続されていてもよい。この場合の連通管34は、図8(A)に示すように、水平方向に設置した連通管34Aとしてもよいし、図8(B)に示すように、貯留槽50側の端部を水平方向に向けると共に、拡縮室部材60側を上方へ屈曲させた、L字状の連通管34Bとしてもよい。また、図8(C)に示すように、斜め上方へ延出した連通管34Cとすることもできる。さらに、図8(D)に示すように、連通管の貯留槽50側を斜め上方へ向け、拡縮室部材60側を鉛直方向に向けた連通管34Dとすることもできる。
また、本実施形態では、貯留槽50内に仕切が設けられていない例について説明したが、図9に示すように、貯留槽内が仕切板54により複数区画に52A、52B、52Cに仕切られ、各々の区画52A、52B、52Cに排水導入管18、及び、サイフォン排水管22A、22B、22Cが接続されている貯留槽70にも、本発明は適用することができる。
また、図10に示すように、貯留槽内が複数区画に52A、52B、52Cに仕切られていて、排水導入管18が接続されていない区画がある場合には(図10では区画52B)、当該区画に対応する位置の上部(天面)に、通気弁32、拡縮室部材60を接続することが好ましい。このような位置に設けることにより、排水導入管18が接続されていない区画は、貯留水位が比較的低く満水状態になることが少ないため、通気弁32、拡縮室部材60へ排水が流入することを抑制することができる。
また、貯留槽内が複数区画に52A、52B、52Cに仕切られている場合には、図11に示すように、各区画52A〜52Cを跨ぐように、貯留槽50の上面に凸状の通気部31を形成し、各区画52A〜52Cと連通させる構成としてもよい。この場合には、各区画52A〜52Cにおける排水の貯留水位が仕切板54を超えた場合でも、通気部31は閉鎖されることがなく、適切に通気を確保することができると共に、通気弁32、拡縮室部材60への排水の流入も抑制することができる。
なお、本実施形態では、貯留槽50に通気弁32を設置したが、通気弁32は必ずしも必要ではない。通気弁32が設置されない場合には、拡縮室62から貯留空間52へ流入する空気により、貯留槽50内の負圧を抑制することができる。特に、本実施形態では、通気弁32を設置したので、拡縮室62内の空気がなくなった後にも、貯留空間52への給気を行うことができる。
また、本実施形態に係るサイフォン排水システム10は、水回り器具からの排水を効率よく排出するものとして説明したが、雨水など水回り器具16以外からの排水を効率よく排出するために用いられるものや、工場における冷却水などに用いられるサイフォン排水システムに適用することもできる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態については、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
本実施形態のサイフォン排水システム10の貯留槽80は、図12に示すように、上面が弾性膜82で構成されている。弾性膜82は、ゴム膜などの伸縮自在な材料で構成することができる。弾性膜82には、通気弁32が設置されており、貯留空間52内が負圧になった時に、外部からの空気を貯留空間52へ流入可能となっている。
弾性膜82は、貯留空間52が大気圧の状態では、図12(A)に示すように、貯留空間52内に下がって凹状となるように設置されており、貯留空間52が正圧になると、図12(B)に示すように、外側へ膨出して貯留空間52の内容積を拡大するように変形可能とされている。
上記構成の貯留槽80へ、排水が流入すると、貯留槽80内の貯留空間52が正圧となり、貯留空間52の空気は、図12(B)に示すように、弾性膜82を膨出させて貯留空間52を拡大する。これにより、貯留空間52内の圧力上昇が抑制され、排水導入管18から貯留槽80への排水をスムーズに行うことができる。このとき、貯留槽80から外部へ空気は流出しないため、外部への臭気漏れなく、正圧を吸収することができる。
また、サイフォン力の起動により、貯留槽80内が負圧になると、弾性膜82が貯留空間52を縮小するように変形移動し、続いて通気弁32から貯留空間52へ空気が流入する。これにより、貯留槽80内が過度に負圧になることが抑制され、貯留槽80内の排水が吸引される際の排水異音を抑制することができる。
なお、上記では、貯留槽の上面全体が弾性膜82で構成されている例について説明したが、図13に示すように、貯留槽の上面の一部のみに弾性膜82を形成する構成とすることもできる。この場合にも、弾性膜82は、貯留空間52が大気圧の場合には、図13(A)に示すように、貯留空間52内に下がって凹状となるように配置され、貯留空間52が正圧になると、図13(B)に示すように、外側へ膨出して貯留空間52の容積を拡大する。
さらに、貯留槽は、図14に示すように、全体が弾性膜82で構成されていてもよい。この場合には、弾性膜82は、貯留空間52が大気圧の場合には、図14(A)に示すように縮んだ状態となり、貯留空間52が正圧になると、図14(B)に示すように、外側へ膨出して貯留空間52の容積を拡大する。
10 サイフォン排水システム
18 排水導入管
22 サイフォン排水管
32 通気弁
34 連通管
50 貯留槽
52 貯留空間
60 拡縮室部材
62 拡縮室
70 貯留槽
80 貯留槽
82 弾性膜

Claims (10)

  1. サイフォン排水システムに用いられ、水廻り器具から排出された排水を貯留空間に一時貯留すると共に、排水を流出させるサイフォン排水管が接続された貯留槽であって、
    前記貯留空間が正圧となったときに、拡張により前記正圧を吸収可能な正圧吸収手段、を備えた貯留槽。
  2. 前記正圧吸収手段は、拡縮可能であるとともに密閉され前記貯留空間と連通する拡縮室を構成する拡縮室部材、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の貯留槽。
  3. 一端部が前記貯留空間と連通し他端部が前記拡縮室と連通する連通管を有する、請求項2に記載の貯留槽。
  4. 前記連通管の前記他端部は上方に延出されていること、を特徴とする請求項3に記載の貯留槽。
  5. 前記連通管の前記他端部側は、鉛直方向に配置されていること、を特徴とする請求項2または請求項3に記載の貯留槽。
  6. 前記連通管は、前記一端部が前記貯留空間の上部と連通していること、を特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の貯留槽。
  7. 前記貯留空間は仕切部材によって上方で互いに連通される複数の個別貯留部に区画され、前記複数の個別貯留部のうち少なくとも1つは水廻り器具から排出された排水の流入がない非流入個別貯留部とされ、前記拡縮室は前記非流入個別貯留部に対応する部分へ連通されていること、を特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の貯留槽。
  8. 前記正圧吸収手段は、前記貯留空間を構成する壁部の少なくとも一部が拡縮可能である拡縮壁、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の貯留槽。
  9. 前記貯留空間が負圧となったときに、前記貯留空間へ空気を流入させる通気弁を備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の貯留槽。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の貯留槽を備えた、サイフォン排水システム。
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