JP5496705B2 - 排水トラップ及びユニットバスの排水構造 - Google Patents
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Description
例えば、流入側管の断面積と流出側管の断面積の比率(脚断面積比)を大きくする、すなわち、トラップの流入側管の断面積を流出側管の断面積より大きくすることによって、封水強度を高めることができる。
封水部への正圧の作用を抑制すれば、封水が流入部から拭き出す現象も生じなくなり、もって排水トラップの封水強度を高めることが可能となる。
また、流出部が正圧状態から負圧状態に変化したときには、拡縮室内の空気が流出部内に流入して、拡張した拡縮室が縮小し元の状態に戻る。これにより、負圧となった後に再び正圧となった場合でも、流出部内の空気を拡縮室内に流すことができる。
このように、空気抜き管を介して、流出部と拡縮室とを連通させることができる。
このように、空気抜き管の他端部を上方に延出させることにより、流出部内の排水が空気抜き管に流入することを抑制することができる。
この構成によれば、空気抜き管の他端部側、すなわち、空気抜き管の拡縮室との接続側を、鉛直方向に配置することにより、流出部の正圧を効果的に吸収することができる。
このように、空気抜き管の一端部を流出部の上部と連通させることにより、空気抜き管への排水の流入を抑制することができる。
この構成によれば、流出部が負圧となることに起因する、破封や、それに伴う排水騒音等を防止することができる。
このように、拡縮室を袋体で構成することにより、拡縮室を小さいスペースで簡易な構成によって形成できる。
この構成によれば、排水トラップの封水強度は、拡縮室を設けることによって高めることができるため、封水深を浅くしても支障がない。したがって、ユニットバスの床面と床スラブとの間にある排水トラップの封水深を浅くして、床スラブ面からユニットバスの床面までの高さ方向の寸法(以下、床下の寸法という)を小さくすることができる。
従来排水では封水深を浅くしても、排水トラップ以降の配管が長いと、あえてユニットバスを嵩上げしなければいけないのに対して、第9態様のようなサイフォン排水構造であれば嵩上げの必要がないので、封水深を浅くする意義が出てくる。
−ユニットバスの排水構造−
以下に、本発明のユニットバスの排水構造の第1実施形態を図面に基づき説明する。
浴室用防水パン30の上部には、一方の側に入浴用の湯水を溜める容器としての浴槽32が配置され、浴室用防水パン30の浴槽32以外の部位は、体を洗うための洗い場34となっている。なお、浴室用防水パン30の上部に浴槽32を配置した構造のユニットバスを、フルパン構造のユニットバスと呼ぶことがある。
浴室用防水パン30には、排水口36の下側に、排水口36からの湯水等を排出するための排水口40が設けられている。この排水口40には、目皿42が取り付けられている。
排水トラップ46は、排水口40に接続された浴槽用排水配管44を備えている。この浴槽用排水配管44の下流側の端部には、排水トラップ本体50が接続されている。
図3は、本発明の第1実施形態に係る排水トラップの本体部を概略的に示す断面図である。
排水トラップ本体50は、浴室用防水パン30の下に配置された外筒54を備えている。外筒54の外周壁54Aには、流入部として浴槽用排水配管44が接続される流入側接続管56が形成されている。流入側接続管56の排水口58の上方は外周壁54Aで仕切られており、浴槽側の封水深を確保している。
流出側接続管66には、通気弁68が形成されている。通気弁68は、外部から流出部64内への空気の流入が可能とされていると共に、流出部64内から外部へは空気及び排水を通過させない、逆止弁機能をもって構成されている。通気弁68としては、メンブレンバルブなどのように弾性体を用いたものや、ボール式逆止弁など、種々の機械要素により構成された逆止弁を用いることが可能である。本実施形態では、通常時には、閉鎖され、流出部64が負圧になることにより開放される不図示の逆止弁を備えた通気弁68として説明する。
袋体72は、伸縮自在に弾性材料で形成されたもの等を用いることができ、材質としては、例えば、ゴム、ビニル又はゴム以外のエラストマー等を用いることができる。また、袋体72の内部には、拡縮室74が構成されている。
次に、本発明の第1実施形態に係るユニットバス10の排水構造12及び排水トラップ46の作用を説明する。
また、流出部64内が正圧から負圧に変化したときには、拡縮室74内の空気が流出部64に流入して、図4(A)に示すように、拡張した拡縮室74が縮小し元の状態に戻る。これにより、負圧となった後に再び正圧となった場合でも、流出部64内の空気を拡縮室74内に流すことができる。
ここで、排水トラップ本体50の封水深は、内筒76の下端から外筒54の上端までの高さhであるが(図3参照)、拡縮室74を設けることで、従来の排水トラップと同じ封水強度を保ちながら当該排水トラップの封水深よりも浅く、例えば従来の封水深が50mmであったところを、50mm未満に設定できる。
したがって、ユニットバス10の浴室用防水パン30と床スラブ14との間にある排水トラップ本体50の封水深を浅くして、ユニットバス10の床下の寸法を小さくすることができる。
さらにまた、空気抜き管70の一端部が、流出部64の上部と連通しているため、空気抜き管70への排水の流入を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る排水トラップについて、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る排水トラップの本体部を示す概略図である。
即ち、第2実施形態に係る排水トラップ100の空気抜き管102は、中間部が屈曲してL字状に形成されており、流出部から横方向に延びる横管102Aと、横管102Aから上方に延びる縦管102Bとで構成されている。空気抜き管102は、一端部が流出部64と連通し他端部が拡縮室74と連通しており、第2実施形態の構成では、他端部側が鉛直方向に配置されている。
次に、本発明の第3実施形態に係る排水トラップについて、図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る排水トラップの本体部を示す概略図である。
即ち、第3実施形態に係る排水トラップ110の袋体112は、空気抜き管を介さず直接流出部64に接続されている。
次に、本発明の第4実施形態に係る排水トラップについて、図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第4実施形態に係る排水トラップの本体部を示す概略図である。
即ち、第4実施形態に係る排水トラップ120の袋体122は、流出部64と直接連通し、排水トラップ120のトラップ本体を覆うようにトラップ本体に取り付けられている。この袋体122は、排水トラップ120のハウジングとみなすこともできる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
図8(A)は、Pトラップの部分断面図であり、図8(B)は、Sトラップの部分断面図である。また、図8(C)は、Uトラップの部分断面図であり、図8(D)は、碗トラップの部分断面図である。さらに、図8(E)は、ボトルトラップの部分断面図であり、図8(F)は、ドラムトラップの部分断面図である。
第2〜第4実施形態も同様に、他のトラップを用いることができる。
このサイフォン排水管206は、水廻り器具204に接続される横引き管208と、この横引き管208と連通する竪管210とを備えて構成されている。
この横引き管208と連通する竪管210は、排水立て管202に沿って、上下方向(縦方向)に延設されている。この竪管210は、横引き管208から竪管210へ流入した排水を下方へ流下させることによりサイフォン力を発生させる。
12 排水構造
14 床スラブ
30 浴室用防水パン(ユニットバスの床面)
40 排水口
44 浴槽用排水配管(流入部)
46、100、110、120 排水トラップ
64 流出部
68 通気弁
75 貯留空間(封水部)
76、102 空気抜き管
74 拡縮室
72、112、122 袋体
208 横引き管(排水管)
210 竪管
Claims (9)
- 排水が流入する流入部と、
前記排水が流出する流出部と、
前記流入部と前記流出部の間に設けられる水封式の封水部と、
前記流出部と連通し、空気圧により拡縮する拡縮室と、
を備える排水トラップ。 - 一端部が前記流出部と連通し他端部が前記拡縮室と連通する空気抜き管を有する、請求項1に記載の排水トラップ。
- 前記空気抜き管の前記他端部は上方に延出されている、請求項2に記載の排水トラップ。
- 前記空気抜き管の前記他端部側は、鉛直方向に配置されている、請求項2又は請求項3に記載の排水トラップ。
- 前記空気抜き管は、前記一端部が前記流出部の上部と連通していること、を特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の排水トラップ。
- 前記流出部に設けられ、外部からの空気を前記流出部へ流入させる通気弁を備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の排水トラップ。
- 前記拡縮室が袋体で構成される、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の排水トラップ。
- ユニットバスに設けられる排水口と、
前記排水口に連通し、前記ユニットバスの床面と床スラブとの間に設けられる請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の排水トラップと、
を有するユニットバスの排水構造。 - 前記排水トラップの流出部と連通して横方向へ延び、前記排水トラップからの排水を横方向へ流す横引き管と、
前記横引き管と連通して下方へ延び、前記横引き管からの排水を流下させることによりサイフォン力を発生させる竪管と、
を備える請求項8に記載のユニットバスの排水構造。
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