JP2011021139A - ポリカーボネート樹脂およびフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、負の複屈折性を有し、光弾性定数が低く、流動性の良好なポリカーボネート樹脂を提供することである。
【解決手段】下記式[式中、R1、R、R、R、R、Rは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。mおよびnは同一または異なる1〜4の整数を示す。]で表される繰り返し単位(A)を含み、20℃の塩化メチレン溶液で測定された比粘度が0.20〜1.50であることを特徴とするポリカーボネート樹脂。
【化1】
Figure 2011021139

【選択図】なし

Description

本発明は、負の複屈折性を有し、光弾性定数が低く、流動性の良好なポリカーボネート樹脂およびフィルムに関するものである。
従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)にカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂(以下、PC−Aという)は透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性が優れているがゆえにエンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されてきた。さらに近年その透明性を生かして光ディスク、フィルム、レンズ等の分野への光学用材料としての利用が展開されている。
しかしながら、PC−Aを用いた場合、正の複屈折が高く、光弾性定数が高いことから、光学用途として用いる時に、光学歪みが起こり、様々な問題が起きている。例えば、光学レンズに用いた場合、成形品の複屈折が大きくなるという欠点がある。また、位相差フィルムとして用いた場合、応力による複屈折の変化が大きく、光抜けが起こるという問題があった。
そこで、上記課題に関する対策として様々な手法が検討されている。その一つとして、樹脂自体の光弾性定数をモノマー構造を変えることにより低減させる手法が知られている。特定構造のビスフェノールモノマーを用いた芳香族ポリカーボネート共重合体が開示されている(例えば特許文献1〜3参照)。
また、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとビスフェノールAとカーボネート前駆物質を反応させると光弾性係数が低く、負の複屈折を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が得られ、負の位相差フィルムとして用いることができることが知られている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、光弾性低減化は十分ではなく更なる低減下が求められている。また、正と負の複屈折モノマーの共重合体であるために、負の複屈折率発現性は十分ではなく、更なる負の複屈折率発現性も求められている。そこで、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンの割合を高めてホモポリマーに近づけていくことで光弾性係数低減化と負の複屈折率発現向上が考えられるが、通常の界面重合法では溶剤に不溶のゲルが大量に発生するため反応が進められず、炭酸ジエステルを用いた溶融重合法でも重合生成物のガラス転移温度が非常に高く流動性が悪いため、やはり高分子体は重合できなかった。その為、低い光弾性係数と高い負の複屈折とを高度に具備する高分子体は未だ提供されていなかった。
特開平02−099521号公報 特開平02−128336号公報 特開平02−208840号公報 特開2001−194530号公報
本発明の目的は、負の複屈折性を有し、光弾性定数が低く、流動性の良好なポリカーボネート樹脂を提供することである。
上述のように、従来の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンからなるポリカーボネート樹脂の界面重合法においては、オリゴマーが溶剤に不溶のため、析出し重合が進行しないことが分かっている。また、本発明者らの研究によれば、炭酸ジエステルを用いた溶融重合法では生成物のホモポリマーの溶融粘度が高いため、高分子量体を得ることができないことが判明した。そこで、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、立体障害の大きいアルキル基を有する特定構造のジオールを重合することによって、オリゴマーの溶解性が向上し、高分子量体のホモポリマーが得られることを見出した。また、炭酸ジエステルを用いた溶融重合法によっても重合が可能であることが判明した。さらに、該ホモポリマーは従来の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンを含むポリカーボネートと比べ、驚くべきことに高い負の複屈折性を有しており、光弾性定数が低く、流動性が良好であった。且つ該ポリカーボネート樹脂を用いた光学フィルムは良好な光学特性を示すことを見出した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.下記式
Figure 2011021139
[式中、R1、R、R、R、R、Rは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。mおよびnは同一または異なる1〜4の整数を示す。]
で表される繰り返し単位(A)を含む、20℃の塩化メチレン溶液で測定された比粘度が0.20〜1.50であることを特徴とするポリカーボネート樹脂。
2.繰り返し単位(A)が下記式
Figure 2011021139
[式中、R1、R、R、R、R、Rは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。]
で表される繰り返し単位(A1)である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
3.繰り返し単位(A1)が下記式で表される繰り返し単位(A2)または(A3)または(A4)である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
Figure 2011021139
4.光弾性係数が40×10−12Pa−1以下である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
5.ガラス転移温度が130℃〜220℃である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
6.繰り返し単位(A)の割合は、全繰り返し単位中90モル%以上である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
7.上記1記載のポリカーボネート樹脂を素材とする光学成形品。
8.上記1記載のポリカーボネート樹脂を素材とする光学フィルム。
9.下記式(1)で表される複屈折率(Δn)が−3.0×10−3以下である上記8記載の光学フィルム。
Δn= R(550)/ d (1)
dは、フィルムの厚み、R(550)は波長550nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。
本発明のポリカーボネート樹脂は、これまでにない驚くべき高い負の複屈折率を有し、光弾性定数が低く、流動性も良好であるため、その奏する工業的効果は格別である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
(構成単位)
本発明のポリカーボネート樹脂は前記式で表される単位(A)を含む。単位(A)中、R1、R、R、R、R、Rは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。mおよびnは同一または異なる1〜4の整数を示す。炭化水素基として炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは、(A)が前記式(A1)で表される。具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソペンチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロペンチルフェニル)フルオレンなどから誘導されるポリカーボネート樹脂である。特に、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンから誘導される前記式(A2)、(A3)、(A4)で表される単位は立体障害の大きいアルキル基がフェニル基の回転を抑制することで光弾性が低くなるため好ましく、また、ポリマーの溶解性が上がり重合性が良好であるため好ましい。これらの中でも(A2)は大きく流動性が上がり、成形加工性にも優れるためさらに好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂の(A)を含む割合は目標の光学特性をより発現しやすいことから、前記繰り返し単位が90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましい。
(製造方法)
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えば芳香族ジヒドロキシ成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
カーボネート前駆物質として、例えばホスゲンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。本発明のポリカーボネート樹脂は、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を使用することができる。殊にカーボネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られた芳香族ポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。
かかる単官能フェノール類としては、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端停止剤として使用されるものであればよい。
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また、必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましは1.00〜1.06モルである。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が挙げられる。
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が挙げられる。金属化合物としては亜鉛アルミニウム化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。これらの化合物は1種または2種以上併用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。その中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
また、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
(比粘度:ηSP
本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)としては、0.20未満であると強度等が低下し1.50を超えると成形加工特性が低下するようになるので、0.20〜1.50の範囲が好ましく、0.23〜1.20の範囲がより好ましく、0.25〜1.00の範囲がさらに好ましい。また、成形性等が維持される範囲内で、比粘度が上記範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合することも可能である。例えば、比粘度が1.50を超える高分子量のポリカーボネート樹脂成分を少量配合することも可能である。この場合、比粘度の異なるポリカーボネート樹脂を混合したポリカーボネート樹脂混合物の比粘度が上記範囲であればよい。
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
なお、本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度を測定する場合は、次の要領で行うことができる。すなわち、ポリカーボネート樹脂をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度をオストワルド粘度計を用いて求める。
(ガラス転移温度:Tg)
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140〜210℃の範囲である。ガラス転移温度(Tg)が130℃より低いと、耐熱安定性に劣る。また位相差フィルムとして使用する場合、耐熱テスト時の位相差変化が大きくなり問題である。またガラス転移温度(Tg)が220℃より高いと粘度が高すぎて成形が困難となる。ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
<光学成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法など任意の方法により成形される。本発明のポリカーボネート樹脂は、成形性および熱安定性に優れているので種々の成形品として利用することができる。殊に光学ディスク、光学レンズ、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレイなどの光学部品の構造材料または機能材料用途に適した光学用成形品として有利に使用することができる。これらのうち、光学フィルム、光ディスク基板として特に有利に使用することができる。
<光学フィルム>
本発明の光学フィルムについて説明する。この光学フィルムとは、光学用途に使用されるフィルムである。具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等が挙げられる。特に、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
光学フィルムの製造方法としては、例えば、溶液キャスト法、溶融押し出し法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法を挙げることが出来る。本発明の光学フィルムの製造法としては、溶液キャスト法、溶融押し出し法が好ましく、特に生産性の点から溶融押出法が好ましい。
溶融押し出し法においては、Tダイを用いて樹脂を押し出し冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。このときの温度はポリカーボネート重合体の分子量、Tg、溶融流動特性等から決められるが、180〜350℃の範囲であり、200℃〜320℃の範囲がより好ましい。180℃より低いと粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすく好ましくない。また、350℃より高いと熱劣化、着色、Tダイからのダイライン(筋)等の問題が起きやすい。
また本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が良好なので、溶液キャスト法も適用することが出来る。溶液キャスト法の場合は、溶媒としては塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジオキソラン、ジオキサン等が好適に用いられる。溶液キャスト法で用いられるフィルム中の残留溶媒量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。2重量%を超えると残留溶媒が多いとフィルムのガラス転移温度の低下が著しくなり耐熱性の点で好ましくない。
本発明の未延伸光学フィルムの厚みとしては、30〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜300μmの範囲である。かかるフィルムをさらに延伸して位相差フィルムとする場合には、光学フィルムの所望の位相差値、厚みを勘案して上記範囲内で適宜決めればよい。
かくして得られた未延伸の光学フィルムは延伸配向され位相差フィルムとなる。なお、フィルムの製膜する機械軸方向を製膜方向または縦方向と称し、製膜方向とフィルムの厚み方向に直交する方向を横方向または幅方向と称する。延伸方法は、縦一軸延伸、テンター等を用いる横一軸延伸、あるいはそれらを組み合わせた同時二軸延伸、逐次二軸延伸等公知の方法を用いることが出来る。また連続で行うことが生産性の点で好ましいが、バッチ式で行っても良い。延伸温度は、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)に対して、好ましくは(Tg−20℃)〜(Tg+50℃)の範囲、より好ましくは(Tg−10℃)〜(Tg+30℃)の範囲である。延伸温度が低いと位相差が発現しやすくなる傾向がある。この温度範囲であれば、ポリマーの分子運動が適度であり、延伸による緩和が起こり難く、配向抑制容易になり所望する面内位相差が得られ易いため好ましい。
延伸倍率は目的とする位相差値により決められるが、縦、横、それぞれ、1.05〜5倍、より好ましくは1.1〜4倍である。この延伸は一段で行ってもよく、多段で行ってもよい。延伸方向の倍率を上げると位相差が発現しやすくなる傾向がある。なお、溶液キャスト法により得たフィルムを延伸する場合の上記Tgとは、該フィルム中の微量の溶媒を含むガラス転移温度を言う。
(光弾性定数)
ポリカーボネート樹脂の光弾性定数の絶対値は、40×10−12Pa−1以下、より好ましくは35×10−12Pa−1以下、さらに好ましくは30×10−12Pa−1以下である。絶対値が40×10−12Pa−1より大きいと、成形時の残留応力によって生じる複屈折が大きく、好ましくない。光弾性定数は未延伸フィルム中央部分から長さ50mm、幅10mmの試験片を切り出し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定する。
(位相差値)
面内の位相差値Rとは下記式で定義されるものであり、フィルムに垂直方向に透過する光のX方向とそれと垂直のY方向との位相の遅れを現す特性である。
R(550)=(n−n)×d (1−1)
但し、nはフィルム面内の主延伸方向の屈折率であり、nはフィルム面内の主延伸方向と垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚み、R(550)は波長550nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。ここで、主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度があがるように延伸した方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。位相差値は、未延伸フィルムをTg+10℃の延伸温度で2.0倍縦延伸し、得られたフィルム中央部分を日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定する。
(厚み等)
また本発明の光学フィルムの厚みは、好ましくは20〜200μm、より好ましくは20〜150μmの範囲である。この範囲であれば、延伸による所望する位相差値が得やすく、製膜も容易で好ましい。
本発明の光学フィルムは、これを構成するポリカーボネート樹脂の光弾性定数が低い。従って、応力に対する位相差の変化が少なく、かかる位相差フィルムを具備した液晶表示装置は表示安定性に優れたものとなる。
本発明の光学フィルムは透明性が高い。厚さ100μmの本発明の光学フィルムの全光線透過率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である。また本発明の光学フィルムのヘイズ値は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
本発明のフィルムは、位相差フィルムに用いることができる。
(複屈折率)
ポリカーボネート重合体の複屈折率(Δn)は下記式により求められる。
Δn= R(550)/d (1)
dは、フィルムの厚み、R(550)は波長550nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。
Δnの値は、−3.0×10−3以下、より好ましくは−4.0×10−3以下、さらに好ましくは−5.0×10−3以下である。−3.0×10−3より大きいと、位相差発現性が低すぎて位相差フィルムとして用いる場合、膜厚を厚くする必要があり、ディスプレイを薄膜化できないため問題である。Δnの下限値は、特に制限されないが、延伸の安定上の問題から−20×10−3以上が好ましい。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を意味する。実施例において使用した使用樹脂及び評価方法は以下のとおりである。
1.比粘度測定
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
2.ガラス転移温度測定
ポリカーボネート樹脂を用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
3.光弾性定数測定
未延伸フィルム中央部分から長さ50mm、幅10mmの試験片を切り出し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し光弾性定数を測定した。
4.位相差値測定
得られたフィルム中央部分を日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し、550nmにおける位相差を測定した。
また、下記式より複屈折率(Δn)を求めた。
Δn= R(550)/ d (1)
dは、フィルムの厚み、R(550)は波長550nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。
[実施例1]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21540部、48%水酸化ナトリウム水溶液4930部を入れ、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン(以下“BSBF”と略称することがある)7910部およびハイドロサルファイト15部を溶解した後、塩化メチレン14530部を加えた後撹拌下15〜25℃でホスゲン2200部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール181.2部および48%水酸化ナトリウム水溶液705部を加え、乳化後、トリエチルアミン5.9部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになったところで、ニーダーにて塩化メチレンを蒸発して、白色のポリマーを得た。得られたポリカーボネート樹脂の比粘度、Tgを測定した。結果を表1に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製して光弾性係数を測定した。また、Tg+10℃にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み51μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例2]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBF1881部、ジフェニルカーボネート893部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.8×10−2部と水酸化ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の4倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート共重合体をフィルム成形することにより透明な押出しフィルムを得た。得られたポリカーボネート樹脂をフィルム成形することにより透明な押出しフィルムを得た。得られたフィルムの中央部付近より切り出したサンプルを用いて、光弾性係数を測定した。また、フィルム中央部付近よりサンプルを切り出して、167℃(Tg+10℃)にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み52μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例3]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BSBFの代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン(以下“BTBF”と略称することがある)7910部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、芳香族ポリカーボネート重合体を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と同様にしてフィルム作成し光弾性係数を測定した。また、フィルム中央部付近よりサンプルを切り出して、Tg+10℃にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み52μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例4]
<ポリカーボネート重合体の製造>
BSBFの代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン(以下“BCHF”と略称することがある)8355部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例1と同様にしてフィルム作成し光弾性係数を測定した。また、フィルム中央部付近よりサンプルを切り出して、Tg+10℃にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み49μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折を算出した。結果を表1に示す。
[実施例5]
<ポリカーボネート重合体の製造>
BSBF1787部、BPA46部を用いた他は、実施例2と全く同様の操作を行い、芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
<光学フィルムの製造>
次に、実施例2と同様にしてフィルム作成し光弾性係数を測定した。また、フィルム中央部付近よりサンプルを切り出して、Tg+10℃にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み50μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折を算出した。結果を表1に示す。
[比較例1]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、BPA1775部及びナトリウムハイドロサルファイト3.5部を溶解し、塩化メチレン7925部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール52.6部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。
<光学フィルムの製造>
得られたポリカーボネート樹脂を15φ二軸押し出し混練機によりペレット化した。次に実施例2と同様にしてフィルムを作成し、光弾性係数を測定した。また、フィルム中央部付近よりサンプルを切り出して、Tg+10℃にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み49μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折率を算出た。結果を表1に示す。本フィルムは光弾性定数が80×10−12Pa−1と高いため、応力がかかると複屈折が発生しやすい。
[比較例2]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)2936部およびナトリウムハイドロサルファイト4.5部を溶解し、塩化メチレン6604部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を吹き込んでいる途中で大量に不溶物が析出し、高分子量体は得られなかった。
[比較例3]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BPA266部とBCF2496部の二成分を用いた他は、比較例1と全く同様の操作を行い、芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度を測定し、表1に記載した。該ポリカーボネートはガラス転移温度が非常に高く、成形が困難であった。
<光学フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルム作成し、光弾性係数を測定した。また、フィルム中央部付近よりサンプルを切り出して、Tg+10℃にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み63μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差を測定して複屈折率を算出した。結果を表1に示す。本フィルムは光弾性定数が38×10−12Pa−1と高く、応力による複屈折が大きい。そのため、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。
Figure 2011021139
本発明のポリカーボネート樹脂は、光学成形品や液晶表示装置用、有機ELディスプレイ用などの光学フィルムとして有用である。

Claims (9)

  1. 下記式
    Figure 2011021139
    [式中、R1、R、R、R、R、Rは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。mおよびnは同一または異なる1〜4の整数を示す。]
    で表される繰り返し単位(A)を含む、20℃の塩化メチレン溶液で測定された比粘度が0.20〜1.50であることを特徴とするポリカーボネート樹脂。
  2. 繰り返し単位(A)が下記式
    Figure 2011021139
    [式中、R1、R、R、R、R、Rは夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R1、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。また、R、Rが結合して炭素環、もしくは複素環を形成しても良い。]
    で表される繰り返し単位(A1)である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  3. 繰り返し単位(A1)が下記式で表される繰り返し単位(A2)または(A3)または(A4)である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
    Figure 2011021139
  4. 光弾性係数が40×10−12Pa−1以下である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  5. ガラス転移温度が130℃〜220℃である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  6. 繰り返し単位(A)の割合は、全繰り返し単位中90モル%以上である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  7. 請求項1記載のポリカーボネート樹脂を素材とする光学成形品。
  8. 請求項1記載のポリカーボネート樹脂を素材とする光学フィルム。
  9. 下記式(1)で表される複屈折率(Δn)が−3.0×10−3以下である請求項8記載の光学フィルム。
    Δn= R(550)/ d (1)
    dは、フィルムの厚み、R(550)は波長550nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。
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