JP2011020158A - 成形ワークの製造方法、バリ取り装置、金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】型によりワーク1を成形する工程と、少なくとも一つの加工ツールを有する自動加工機によるバリ除去とバリ発生想定部位の処理とを行う工程とを有し、前記バリ発生想定部位は、前記ワーク1のバリ発生が予測される部位に設定されるリブ5からなり、前記リブ5の処理は、バリ除去後に一部残存を許容する。
【選択図】図6
Description
作業者が手作業でバリ除去を行う場合、作業に慣れていないと時間がかかるし、ワークが重量物であったり複雑な構造であったりすると、作業自体及び作業環境が厳しくなることがある。
したがって、従来から、自動かつ機械的にバリ除去ができる加工機の開発が進められている(例えば、特許文献1,2参照。)。前者のものは、グラインダに移動可能な構造を設け、該グラインダに加わる負荷により加工機の制御を行うものであり、後者のものは、ウォータジェット機構により樹脂製ワークのバリ取りを行うものである。
請求項2に記載した発明は、前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される部位に設定されるリブ(例えば実施例のリブ5,5’,5”)、不要端部(例えば実施例の頂部6a)、設定角度追い込み代部(例えば実施例の追い込みリブ7)の少なくとも一つからなることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される部位に設定されるリブ(例えば実施例のリブ5,5’,5”)からなり、前記リブの処理は、バリ除去後に一部残存を許容することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される不要端部(例えば実施例の頂部6a)からなり、前記不要端部の処理は、バリ除去時にバリと共に除去されることを許容することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される設定角度追い込み代部(例えば実施例の追い込みリブ7)からなり、前記設定角度追い込み代部の処理は、バリ除去後にコーナーR部(例えば実施例のコーナーR部9)が残存することを許容することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記バリ除去とバリ発生想定部位の処理とを行う工程に、前記ワークの本体加工を追加することを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の成形ワークの製造方法に用いる自動加工機としてのバリ取り装置(例えば実施例のバリ取り装置15)において、前記ワークの加工刃具としてフラットエンドミル(例えば実施例のフラットエンドミル21)とボールエンドミル(例えば実施例のボールエンドミル22,23)とを有することを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、互いに直径の異なる複数のボールエンドミル(例えば実施例のボールエンドミル22,23)を有することを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の成形ワークの製造方法に用いる金型(例えば実施例の金型11)において、キャビティ(例えば実施例のキャビティ11c)を形成する分割型(例えば実施例の固定型11a、可動型11b)の少なくとも一方の型合わせ面(例えば実施例の型合わせ面B)に、前記ワークの本体部分(例えば実施例の本体部分1a)から突出するバリ発生想定部位(例えば実施例のリブ5,5’,5”、頂部6a、追い込みリブ7)を成形するための凹部(例えば実施例の凹部14,14’,14”)を設けたことを特徴とする。
ここで、自動加工機では取り代分が確実に除去されるはずであるが、金型のへたり等で寸法がずれたりする。本発明ではそれらを考慮した管理幅を、リブを設ける等して大きく設定可能であり、自動加工機の再ティーチング無しで、前記管理幅でバリを確実に除去し、かつ必要以上にワークを削り込むことが無いようにできる。
このように、バリの発生を無くしたり抑制するのではなく、バリの発生を許容した上でこれを凸状のバリ発生想定部位と共に除去することで、既存の鋳造工程でワークを成形しつつ、自動加工機でバリを完全に除去でき、かつワークの本体部分を削ってしまうことを防止できる。
請求項4に記載した発明によれば、機能上及びデザイン上問題ない範囲で、ワークの例えばエッジ部分等の不要端部をバリ発生想定部としてここにバリを発生させると共に、該不要端部ごとバリを除去してもよしとすることで、自動加工機でバリを完全に除去でき、かつワークの本体部分を必要以上に削り込んでしまうことを防止できる。
請求項5に記載した発明によれば、機能上及びデザイン上問題ない範囲で、ワークに設けた設定角度追い込み代部をバリ発生想定部としてここにバリを発生させると共に、該設定角度追い込み代部ごとバリを除去してもよしとし、かつ設定角度追い込み代部はコーナーR部を残存させてもよしとすることで、自動加工機でバリを完全に除去でき、かつワークの本体部分を削り込んでしまうことを防止できる。
請求項6に記載した発明によれば、一つの工程でバリ取りに係る加工とワークの本体加工とを同時に行うことができ、複数回実施する必要があるワークの移載及び位置決め等の工程を削減して加工時間の短縮を図ることができる。
請求項7に記載した発明によれば、例えばフラットエンドミルでは面研削や厚さ2mm以上のバリ部分の切削等を行い、ボールエンドミルでは見切り部や塞がっている孔部のエッジ処理等を行う等、ワーク全体のバリ除去のみならず本体加工をも同時に行うことができる。
請求項8に記載した発明によれば、細いボールエンドミルは極小部や塞がっている孔部の処理に、太いボールエンドミルは見切り部やその他の部分の処理にそれぞれ用いることで、ワーク全体の加工を効率よく行うことができる。
請求項9に記載した発明によれば、ワークにおける型合わせ面に接する部位(パーティングライン)にはバリが生じ易く、この部位に凸状のバリ発生想定部位を成形し、逆に金型側にはワークの本体部分から突出するバリ発生想定部位を成形するための凹部を設け、前記バリ発生想定部位の先端部にバリを発生させることで、自動加工機によるバリ除去時、ワークの本体部分を削ることなくバリを完全に除去することができる。
このように、バリの発生を無くしたり抑制するのではなく、バリの発生を許容した上でこれを捨てリブ5,5’,5”と共に除去することで、既存の鋳造工程でワーク1を成形しつつ、自動加工機でバリ3を完全に除去でき、かつワーク1の本体部分1aを削ってしまうことを防止できる。
この実施例は、前記第一実施例に対して、ワーク1における外方に凸の角部6の頂部6aを型合わせ面Bに接するように設け、パーティングラインに発生するバリ3を前記角部6の頂部6a(不要端部)に発生させると共に、該バリ3を角部6の頂部6aごと除去する点を主に異なり、前記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この構成によれば、機能上及びデザイン上問題ない範囲で、ワーク1の例えばエッジ部分等の不要端部をバリ発生想定部としてここにバリ3を発生させると共に、該不要端部ごとバリ3を除去してもよしとすることで、自動加工機でバリ3を完全に除去でき、かつワーク1の本体部分1aを必要以上に削り込んでしまうことを防止できる。
この実施例は、前記各実施例に対して、ワーク1の凹部4をパーティングラインが横断するような場合、該凹部4の内側にパーティングラインに沿う追い込みリブ7(設定角度追い込み代部、以下、単にリブ7ということがある)を設け、パーティングラインに発生するバリ3を前記リブ7の突出頂部7aに発生させ、該バリ3をリブ7の突出頂部7aごと除去すると共に、バリ除去後に凹部4の隅部8に加工刃具(例えば小径のボールエンドミル23)の先端外径以上の内径を有するコーナーR部9を残存させる点を主に異なり、前記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この構成によれば、機能上及びデザイン上問題ない範囲で、ワーク1に設けた設定角度追い込み代部(追い込みリブ7)をバリ発生想定部としてここにバリ3を発生させると共に、該設定角度追い込み代部ごとバリ3を除去してもよしとし、かつ設定角度追い込み代部はコーナーR部9を残存させてもよしとすることで、自動加工機でバリ3を完全に除去でき、かつワーク1の本体部分1aを削り込んでしまうことを防止できる。
また、ワーク1は金型11に限らず樹脂型や砂型等により成形されるものであってもよい。
さらに、バリ取り装置15(自動加工機)は、各エンドミル21,22,23に限らず、ドリルやリュータさらにはレーザやガス等を用いた加工ツールを有するものであってもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1a 本体部分
5,5’,5” リブ(バリ発生想定部位)
6a 頂部(不要端部、バリ発生想定部位)
7 追い込みリブ(設定角度追い込み代部、バリ発生想定部位)
11 金型
11a 固定型11a(分割型)
11b 可動型11b(分割型)
11c キャビティ11c
B 型合わせ面
14,14’,14” 凹部
15 バリ取り装置(自動加工機)
21 フラットエンドミル(加工ツール)
22,23 ボールエンドミル(加工ツール)
Claims (9)
- 型によりワークを成形する工程と、少なくとも一つの加工ツールを有する自動加工機によるバリ除去とバリ発生想定部位の処理とを行う工程と、を有することを特徴とする成形ワークの製造方法。
- 前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される部位に設定されるリブ、不要端部、設定角度追い込み代部の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1に記載の成形ワークの製造方法。
- 前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される部位に設定されるリブからなり、前記リブの処理は、バリ除去後に一部残存を許容することを特徴とする請求項1に記載の成形ワークの製造方法。
- 前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される不要端部からなり、前記不要端部の処理は、バリ除去時にバリと共に除去されることを許容することを特徴とする請求項1に記載の成形ワークの製造方法。
- 前記バリ発生想定部位は、前記ワークのバリ発生が予測される設定角度追い込み代部からなり、前記設定角度追い込み代部の処理は、バリ除去後にコーナーR部が残存することを許容することを特徴とする請求項1に記載の成形ワークの製造方法。
- 前記バリ除去とバリ発生想定部位の処理とを行う工程に、前記ワークの本体加工を追加することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の成形ワークの製造方法。
- 請求項1から6の何れか1項に記載の成形ワークの製造方法に用いる自動加工機としてのバリ取り装置において、
前記ワークの加工刃具としてフラットエンドミルとボールエンドミルとを有することを特徴とするバリ取り装置。 - 互いに直径の異なる複数のボールエンドミルを有することを特徴とする請求項7に記載のバリ取り装置。
- 請求項1から6の何れか1項に記載の成形ワークの製造方法に用いる金型において、
キャビティを形成する分割型の少なくとも一方の型合わせ面に、前記ワークの本体部分から突出するバリ発生想定部位を成形するための凹部を設けたことを特徴とする金型。
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