JP2011018787A - 部品搭載基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Sn系Pbフリー半田材料において、多段階実装で実装される形態のプリント回路基板(特に部品内蔵基板)の一次実装に使用できる半田で、セルフアライメント性と二次実装時の再加熱時の半田再溶融抑制効果とを両立できるものがなかった。
【解決手段】本発明は、一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111と、プリント回路基板101に一次実装接合部110を介して一次実装する際に、一次実装接合部110を、Sn系半田からなる半田部126と、Cu粉120と、Cu−Sn合金層125で構成し、更にこの一次実装接合部110にCu含有濃度が5重量%未満のCu低濃度層128を設けることで、セルフアライメント性と、部品搭載基板115をマザーボード基板116等に二次実装する際の再溶融抑制効果とを両立する部品搭載基板115を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半田を用いて電子部品や半導体部品を第1のプリント回路基板上に実装してなる部品搭載基板を、第2のプリント回路基板(例えばマザーボード基板)上に半田実装され、携帯電話等を作成する際に使われる、部品搭載基板及びその製造方法に関するものである。
従来より、半田を用いて電子部品や半導体部品を第1のプリント回路基板上に実装(以下、一次実装と呼ぶ)してなる部品搭載基板を、更に半田を用いてマザーボード基板等の第2のプリント回路基板上に実装(以下、二次実装と呼ぶ)することが、携帯電話等の作成において利用されている。
ここで、一次実装に使われた半田が、二次実装時の加熱時に再溶融し、隣接部分のショート(例えば、半田フラッシュ)が発生することが知られている。
半田フラッシュについて図18を用いて説明する。図18(a)〜(c)は、それぞれ従来の半田実装において発生した半田フラッシュについて説明する断面図である。
図18(a)は、マザーボード基板に実装した部品搭載基板の内部に発生した半田フラッシュについて説明する断面図である。
図18(b)は、チップ部品に発生した半田フラッシュの一例を示す断面図であり、図18(a)の点線18aで示した外部電極9付近の拡大図に相当する。
図18(c)は、半導体部品に発生した半田フラッシュの一例を示す断面図であり、図18(a)の点線18bで示したBGA13付近の拡大図に相当する。
図18において、チップ部品8aや半導体部品11は、プリント回路基板1(例えば、プリント回路基板1を第1のプリント回路基板として)に一次実装接合部10(例えば、一次実装接合部10に半田を使う)を用いて一次実装によって形成され、部品搭載基板15を構成する。
また部品搭載基板15やチップ部品8bは、更に二次実装接合部17(例えば、二次実装接合部17に半田を使う)を用いて、マザーボード基板16(例えば、マザーボード基板16を第2のプリント回路基板として)に二次実装される。
なお部品搭載基板15を構成するプリント回路基板1は、少なくとも、基材2aに一次実装用の外部導体3と二次実装用の外部導体4と内部導体5とビア導体6とからなる電気回路が形成されている。そして外部導体3、4の保護コートとして、PSR(ソルダーレジスト)7が形成されている。また前記チップ部品8aや半導体部品11とプリント回路基板1との電気的な信頼性向上の為に、封止樹脂14で封止されている。
なおチップ部品8aは、部品内に2箇所以上の外部電極9を有する。また半導体部品11は、外部電極12とBGA13(ボールグリッドアレイ)を有する。
図18において、半田からなる一次実装接合部10を用いて、チップ部品8aや半導体部品11をプリント回路基板1に一次実装してなる部品搭載基板15は、モジュール基板として、半田を用いてマザーボード基板16(あるいはマザーボード基板を第2のプリント回路基板として)に二次実装を行う。
このように実装を繰り返す場合において、一次実装接合部10と二次実装接合部17に、共に同一材料の半田を使用すると、二次実装時の半田加熱工程により、一次実装に用いた、半田が再溶融して、部品(例えばチップ部品8aや半導体部品11)とプリント回路基板1との一次実装接合部10の接着性が低下する。
この結果、部品(例えばチップ部品8aや半導体部品11)が脱落し、あるいは移動し、隣接部品との接触ショート(例えば、図18(b)に示す半田フラッシュ19aや図18(c)の半田フラッシュ19b)が生じる。
特に部品搭載基板15の保護、あるいはシールド目的(なお電磁界シールド用の金属膜等は図示していない)で、封止樹脂14にて部品搭載基板15の一次実装接合部10を含む表層回路を密閉すると、二次実装時に再溶融した半田が低粘度流動性を有すると同時に、加熱により前記半田自体の体積が膨張する。そして封止樹脂14とプリント回路基板1との界面接合部へ半田(例えば、一次実装接合部10を構成していた半田)が浸透する力が働く。そしてこれら界面の接合部の密着強度以上の半田の浸透圧が加わった場合に、前記界面接合部にて剥がれが生じると同時に、接合部界面の前記剥がれ部へ溶融した半田が浸透し、半田フラッシュ(例えば、半田フラッシュ19a、19b)を発生させる。そしてこの半田フラッシュ19a、19bが、部品搭載基板15内での配線間等の電気的ショートの発生源となる可能性がある。
また半田フラッシュ19a、19bは、図18(b)(c)に示すように、PSR7と封止樹脂14の界面で発生しやすく、他に異種材料間の接合部や材料内部破壊を起こす場合もある。
以上のように、半田の材料選定により、二次実装時に半田再溶融が起こり、場合によっては、一次実装接合部10で半田フラッシュ19a、19bが発生しやすくなる場合がある。
こうした半田フラッシュの発生を防止するためには、一次実装で使った半田が、二次実装時に再溶融しないように、溶融温度等を高めることが望まれるが、再溶融温度を高めた従来の半田は、セルフアライメント性に欠けると言う課題がある。
次に、従来の半田実装におけるセルフアライメント課題について、図19を用いて説明する。
図19(a)(b)は、それぞれ従来の部品搭載基板におけるセルフアライメント課題の一例を説明する側面図と上面図である。
図19(a)は、Pbフリー半田にCu粉を添加して、耐半田フラッシュを改善した場合におけるセルフアライメント課題について説明する側面図であり、特にリフロー加熱後に、一定寸法だけずれた状態(すなわちセルフアライメントされていない状態)で実装された様子を模式的に示すものである。
図19(b)は、Pbフリー半田にCu粉を添加して、耐半田フラッシュ性を改善した場合におけるセルフアライメント課題について説明する上面図であり、特にリフロー加熱後に、一定角度だけずれた状態で(すなわちセルフアライメントされていない状態)を模式的に示すものである。
なおPdフリー半田にCu粉(すなわちCu粉)を添加して、耐半田フラッシュ性を改善した結果の詳細については、後述する図16(a)(b)や図17等を用いて説明する。
図19(a)(b)において、プリント回路基板20の上には、外部導体21が形成されている。またチップ部品24の端部に設けられた外部電極12は、半田ペースト22によって外部導体21に接続される。点線26はプリント回路基板20上のチップ実装設計位置を示す。また点線27は実際に実装したチップ部品24の中心を示す。
なお図19(a)における矢印28は、点線26と点線27との位置ずれ量を示す。また図19(b)における矢印29は、チップ部品24のずれ角度を示す。
従来のCu粉添加半田では、図19(a)(b)に示すように、半田溶融時の溶融状態を抑制する効果があるが、セルフアライメント性に欠けるため、図19(a)(b)に示したように、一次実装で搭載する部品のマウント時の一定以上の位置ずれ量(例えば矢印28)やずれ角度(例えば矢印29)が発生しやすかった。
例えば、特許文献1では、Cu粉添加半田が提案されている。また特許文献2では、Cu電極上の接着性付与剤が提案されているが、半田フラッシュ19a、19bの解決、さらには矢印28で示した位置ズレや矢印29で示した角度ズレ等に対応することはできなかった。
特許第3414388号公報 特許第2681738号公報
従来のPbフリー半田を用いた、一次実装や二次実装からなる多段階実装を用いた部品搭載基板において、半田再溶融抑制が得られず半田フラッシュを発生させる可能性があった。また耐半田フラッシュ性を高めるため、半田の再溶融抑制を行なった場合、リフロー時におけるセルフアライメント性が低下した。
このように、従来の部品搭載基板において、耐半田フラッシュ性とセルフアライメント性とを、同時に両立させることは困難であった。
そこで本発明は、一次実装や二次実装からなる多段階実装工程において、半田再溶融抑制効果とセルフアライメント性とを両立させることができる部品搭載基板及びその製造方法を提案することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の部品搭載基板およびその製造方法は、半導体部品もしくは電子部品のどちらか一つ以上の部品と、プリント回路基板とからなる部品搭載基板であって、前記部品と前記プリント回路基板との半田接合部は、Sn系半田とCu粉とCu−Sn合金とで構成されており、前記接合部にCu含有濃度が5重量%未満の部分を設けた部品搭載基板とする。
この構成により、一次実装や二次実装からなる多段階実装工程において、一次実装に用いる半田は、一次実装時に充分なセルフアライメント性を有すると共に、二次実装時には半田再溶融抑制効果を有するため、セルフアライメント性と半田再溶融抑制という二つの課題を解決することができ、部品搭載基板の信頼性を高めることができ、各種電子機器の小型化、高性能化に貢献する。
実施例1の部品搭載基板の断面図 実施例1の部品搭載基板を、マザーボードに実装した様子を説明する断面図 部品搭載基板115における一次実装接合部の拡大断面図 (a)〜(d)は、共にプリント回路基板の上にセルフアライメント性と耐半田フラッシュ性とを兼ね備えた一次実装接合部を有する部品搭載基板を製造する様子を説明する断面図 (a)(b)は、共に一次実装用チップ部品を半田ペーストの上にセットする様子を示す断面図 (a)(b)は、それぞれ一次実装終了後のサンプルの一次実装部の拡大断面図と、一次実装部のCu(すなわち銅)の濃度分布を示す説明図 (a)〜(d)は、共にセルフアライメントによる位置修正について説明する側面図 (a)〜(d)は、共にセルフアライメントによる角度修正について説明する上面図 (a)(b)は、共にCu系の外部電極を、半田ペーストの上にセットする様子を説明する断面図 (a)(b)は、それぞれCu系外部電極を用いた場合の一次実装接合部の断面図と、一次実装接合部のCu濃度分布を示す模式図 実施例4における一次実装用半導体部品のBGAの一次実装について説明する断面図 (a)(b)は、それぞれ実施例4における一次実装用半導体部品のBGAの一次実装接合部について説明する断面図と、一次実装接合部のCu濃度分布について説明する模式図 (a)(b)は、共に比較例1として作成したサンプルの一次実装部分の製造工程を説明する断面図 (a)(b)は、それぞれ比較例1における半田リフロー前後の様子を説明する断面図 図14(b)のサンプルの断面におけるCu濃度分布の測定結果の一例を示す模式図 (a)(b)は、共に比較例2について説明する断面図 図16(b)のサンプル断面のXMA分析結果の一例を示す模式図 (a)〜(c)は、従来の半田実装において発生したある半田フラッシュについて説明する断面図 (a)(b)は、それぞれ従来の部品搭載基板におけるセルフアライメント課題の一例を説明する側面図と上面図
(実施例1)
実施例1では、本発明の部品搭載基板の構造について説明する。実施例1で説明する部品搭載基板は、一次実装されるプリント配線に鉛フリー半田によって一次実装されるチップ部品や半導体部品は、一次実装時の半田リフロー時に充分なセルフアライメント性を有すると共に、二次実装時に課題となる半田フラッシュに対して、充分な耐半田フラッシュ性を有している。
図1は、実施例1の部品搭載基板の断面図である。
図1において、100a、100bは点線、101はプリント回路基板(例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させてなる、ガラスエポキシ基板と呼ばれるものが使える)、102は基材である。
103は一次実装用外部導体、104は二次実装用外部導体、105は内部電極であり、プリント回路基板101の、それぞれ異なる面に形成されている。例えば、プリント回路基板101の上面側が一次実装用外部導体103、裏面側が二次実装用外部導体104となるが、この構成に限定する必要はない。
106はビア導体、107はソルダーレジストである。プリント回路基板101は、複数の内部電極105と、この内部電極105間を接続するビア導体106と、これらを絶縁する基材102と、表層に設けた一次実装用外部導体103や二次実装用外部導体104から構成されている。
108は一次実装用チップ部品であり、例えば角チップ抵抗器や積層セラミックコンデンサ、チップコイル等の電子部品であるが、必ずしもチップ形状に限定する必要は無い。109は外部電極であり、外部電極109は、一次実装用チップ部品108の端部等に形成されている。110は一次実装接合部であり、一次接合部は、例えば後述する図6等で説明する構造であり、この構造によって一次実装時に充分なセルフアライメント性を有すると共に、二次実装時には半田再溶融抑制効果を有することができ、セルフアライメント性と半田再溶融抑制という二つの課題を解決する。
111は一次実装用半導体部品、112は外部電極であり、外部電極112は一次実装用半導体部品111の実装面等に設けられている。113はBGA(ボールグリッドアレイとも呼ばれる)、114は封止樹脂である。
一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111は、外部電極109やBGA113等に接続された一次実装接合部110を介して、プリント回路基板101の一次実装用外部導体103に接続される。
なお封止樹脂114の表面に、スパッタ等による金属薄膜(図示していない)や、印刷等による導電ペースト膜(図示していない)によるシールド膜(図示していない)を形成することで、部品搭載基板115のシールド特性を高められる。
なおシールド膜を形成した場合、プリント回路基板101の側面等(なお全側面とすることで、接続安定性を高められる)に表出させた内部導体105の一部をGND電極(グランド電極)とし、ここに電気的に接続することが望ましい。
図2は、実施例1の部品搭載基板115を、マザーボード基板116に実装した様子を説明する断面図である。
実施例1の部品搭載基板115は、プリント回路基板101に、一次実装用チップ部品108や、一次実装用半導体部品111を、実装する際(例えば、一次実装する際)に、優れたセルフアライメント性を有している。またこの一次実装した後に、封止樹脂114で封止し、マザーボード等に、二次実装する場合においても、優れた耐半田フラッシュ性を有しているため半田フラッシュが発生しない。
図2において、116はマザーボード基板、117は二次実装接合部、118は二次実装部品である。二次実装部品118は、マザーボード基板116に二次実装接合部117を介して実装される(あるいは二次実装される)チップ部品や半導体部品である。
図2に示すように、マザーボード基板116は、複数の内部電極105と、この内部電極105間を接続するビア導体106と、これらを絶縁する基材102と、表層に設けた部品搭載基板115や、二次実装部品118や部品搭載基板115を実装するための二次実装用外部導体104から構成されている。
また図2に示すように、マザーボード基板116に部品搭載基板115は、二次実装接合部117を介して実装される(すなわち二次実装される)ことになるが、本願発明の場合、部品搭載基板115に内蔵される一次実装接合部110は、前述の図18(b)(c)で説明した半田フラッシュ19a、19bが発生しない(詳細は、後述する実施例2で説明する)。
図2において、部品搭載基板115は、図1に示したものであり、プリント回路基板101の上に、一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111が一次実装接合部110を介して一次実装用外部導体103に接続され、封止樹脂114で封止されたものである。
次に、図3を用いて、部品搭載基板115における一次実装接合部110の細部について説明する。
図3は、部品搭載基板115における一次実装接合部110の拡大断面図であり、例えば図1の点線100aで示した部分に相当する。
図3において、一次実装用チップ部品108の端部には外部電極109が形成され、プリント回路基板101の表層に設けられた一次実装用外部導体103に、一次実装接合部110を介して実装されている。なお図3において、一次実装用チップ部品108の直下のプリント回路基板101上に形成された、ソルダーレジスト107は、無くても良い。一次実装用チップ部品108の両端に設けられた外部電極109(あるいはこの外部電極109に設けられた一次実装接合部110)の間のソルダーレジスト107を省くことで、一次実装用チップ部品108とプリント回路基板101(あるいは基材102)との間の隙間の高さを大きくできるため、封止樹脂114の、この隙間への充填性を高められる。
このように、実施例1で説明した部品搭載基板115は、二次実装部品118等と共に、マザーボード基板116上に二次実装された(あるいは二次実装接合部117を介して実装された)場合であっても、部品搭載基板115中の一次実装接合部110は、前述の図18(b)(c)で説明した半田フラッシュ19a、19bの発生を防止する。
次に、実施例2を用いて、実施例1で説明した部品搭載基板115の製造方法の一例を説明する。
また実施例2では、前述の図18(b)(c)で説明した半田フラッシュ19a、19bが、実施例1の部品搭載基板115において解決できるメカニズムについても説明する。
(実施例2)
実施例2では実施例1で説明した部品搭載基板115の製造方法の一例について、図4〜図6を用いて説明する。
実施例2における部品搭載基板115における一次実装接合部110は、プリント回路基板101上で、優れたセルフアライメント性(セルフアライメント性については、後述する図7(b)(c)や図8(c)(d)で説明する)と耐半田フラッシュ性(耐半田フラッシュ性については、後述する(表1)や(表2)で説明する)とを兼ね備えている。
図4(a)〜(d)は、共にプリント回路基板101の上にセルフアライメント性と耐半田フラッシュ性とを兼ね備えた一次実装接合部110を有する部品搭載基板115を製造する様子を説明する断面図である。
図4において、119は接着層、120はCu粉(あるいは銅粉)、121はCu粉層、122は半田粉、123はフラックス等、124は半田ペーストを示す。
図4(a)は、一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111(共に図示していない)を実装するためのプリント回路基板101の一部を示す断面図である。図4(a)より部品搭載基板115を構成するプリント回路基板101は、少なくとも、基材102と、その上に形成された一次実装用外部導体103(この部分が、半田実装用のランド部も兼ねる)とからなることを示す。
図4においてプリント回路基板101の上には、一次実装用外部導体103が形成されている。なお一次実装用外部導体103は、例えば、Cu箔をウエットエッチングしたものである。なおCu箔の厚みは、8〜20μmのものを使用した。
また一次実装用外部導体103を構成するCu箔の半田接合側の平均表面粗さRaは0.1μm以上3.0μm以下のものを使用することが望ましい。平均表面粗さRaを0.1μm未満に小さくすると、ソルダーレジスト107は封止樹脂114との接合性が悪くなる場合がある。また平均表面粗さRaが3.0μmを超えると、Cu箔のフォトリソ工程で、パターンの寸法精度が低下する場合がある。
図4(b)は、プリント回路基板101の一次実装用外部導体103の上に接着層119を形成する様子を示す。なお接着層119の形成には、印刷や塗布、スプレー、転写、インクジェット等を使うことができる。
図4(b)において、接着層119は、Cu粉120を、一次実装用外部導体103の表面に接着するために設けられている。
またCu粉120は、粒径5〜35μmのものを使用することが望ましい。Cu粉120として、例えばめっきや蒸着でその表面にAgコート膜を形成することで、半田接合時の加熱温度による流動性が向上し、ボイドや空隙(共に図示していない)を低下する効果が得られる。なおCu粉120に形成するAgコートの量は、Agコート済みCu粉重量に対して、Agは1重量%以上20重量%以下が望ましい。
なお図4(c)において、Cu粉120は、単層で形成する必要はなく、接着層119の厚みや、Cu粉120の粒径の違い(例えば、大小異なる粒径のCu粉120の混合粉とする。なお図4(c)においては略同じ大きさのCu粉120の場合だけを図示している)等によって、その厚みを増減できる。例えば、Cu粉120の粒径を、例えば、5〜10μm程度と、30〜35μm程度のように、異なる粒径のCu粉120をブレンドすることで、有用である。
なおAgコートが1重量%未満では、一次実装接合部110中のボイド削減効果が見られない場合がある。また20重量%以上では、Cu粉120と半田部126(例えば後述する図6)とで形成されるCu−Sn合金層125(例えば後述する図6)による半田再溶融効果に影響を与える可能性がある。
次に接着層119に粘着性付与化合物を使用した場合について述べる。粘着性付与化合物とは、粘着剤付与物の溶液中にプリント回路基板101を浸漬した際に、化学反応によってプリント回路基板101の金属露出部である一次実装用外部導体103の表面に、粘着性を有した有機性の皮膜を形成できるものである。
粘着性付与化合物について、詳しく述べる。粘着性付与化合物は、イミダゾール系誘導体、ナフトトリアゾール系誘導体、メルカプトベンゾチアゾール系誘導体、ベンゾイミダゾール系誘導体、ベンゾトリアゾール系誘導体及びベンゾチアゾールチオ脂肪酸等の中から、1つ以上の材料を選ぶことができる。
次に、前述の図4(c)に示すように、粘着性付与化合物を用いた方法により、Cu粉120を一次実装用外部導体103に形成する方法について、説明する。
まずプリント回路基板101において、半田実装を行う一次実装用外部導体103以外の金属露出部には、粘着性付与化合物の溶液に接触しないように、マスキングを行う。
次に少なくとも1種類以上の粘着性付与化合物の水溶液を作り、無機酸や有機酸を用いて、pHを3〜4に調整する。なお粘着性付与化合物の水溶液の濃度は、0.5重量%〜20重量%の範囲内が好ましい。この濃度が、0.5重量%未満の場合、粘着性が低下する場合がある。また20重量%を超えると、接着層119の厚みにバラツキが発生する場合がある。
その後、この粘着性付与化合物を溶融した溶液中にプリント回路基板101を浸漬する。浸漬温度は、30〜60℃の範囲内が望ましい。また浸漬時間は、5秒〜5分間の範囲内が適当である。
なお粘着性付与化合物の水溶液のpH調整用酸として、塩酸、硫酸や燐酸等の無機酸または、有機酸として、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸の中から一つ以上を選択することが望ましい。こうした部材は、プリント回路基板101の信頼性等に影響を与えにくい。
以上の粘着性付与化合物を用いることでCu粉120を一次実装用外部導体103上に付着させることが望ましいが、この方法はフラックスを印刷塗布して、これを接着層119とし、あるいはCu粉120とフラックスを混合したペーストを印刷塗布した場合に比べて、微細なパターンにも対応できるからである。
なお接着と、粘着は区別する必要は無い。粘着であっても接着であっても、実質的に一次的にCu粉120を保持できれば良いためである。
図4(c)は、一次実装用外部導体103の上に形成された接着層119を利用して、Cu粉120を接着し、Cu粉層121を形成した様子を示す断面図である。
図4(c)において、半田粉122の組成は、Sn系Pbフリー半田であるSn−3Ag−0.5Cuを用いた。これは半田接合部のSnの含有量が多い場合により効果的であり、Snを主成分とする半田であれば同様な効果が期待できるためである。なお半田粉122には、粒径5〜35μmのものを使用することが、コスト的にも取り扱い的にも望ましい。
フラックス等123とは、例えばフラックスや溶剤等の混練物であり、半田粉122を、ペースト化する際に使用されるものである。なおフラックス等123には、樹脂成分やチクソ剤や活性剤を含むことが望ましい。
図4(d)は、Cu粉層121の上に、半田ペースト124を形成した様子を示す断面図である。図4(d)より、半田ペースト124は、少なくとも、半田粉122と、半田粉122を分散する、フラックスや溶剤等からなる流動成分であるフラックス等123から形成されていることが判る。
次に、図5を用いて、一次実装用チップ部品108(図示していない)をセットする様子を説明する。
図5(a)(b)は、共に一次実装用チップ部品108を半田ペースト124上にセットする様子を示す断面図であり、セルフアライメントする前の状態である。なお図5(a)(b)は、共に本発明の半田実装の半田リフロー炉等による加熱処理前の断面構造に相当する。
図5(a)における矢印は、一次実装用チップ部品108(図示していない)の一部である外部電極109を半田ペースト124にセットする様子を示す。
図5(a)において外部電極109は、Cu電極やAg電極にNiめっきとSnめっきをしたものを用いることが望ましい。これは半田濡れ性を高められる。
図5(b)は、一次実装用チップ部品108(図示していない)の一部である外部電極109を半田ペースト124の上にセットした後の様子を示す断面図である。そして図5(b)のサンプルを半田リフロー等の加熱工程を用いた一次実装を行なう。この加熱工程によって、図5(b)に示した半田粉122等は溶融し、後述する図6(a)に示す一次実装接合部110を形成する。
次に、図6を用いて、半田ペースト124を溶融した後の状態について説明する。なおこの半田ペースト124を、リフロー炉等で溶融する際に、セルフアライメント効果が得られる。なおセルフアライメント効果の詳細は、後述する(表1)や図7(b)(c)等で説明する。
図6(a)(b)は、それぞれ一次実装終了後のサンプルの一次実装部の拡大断面図と、一次実装部のCu(すなわち銅)の濃度分布を示す説明図である。なお図6(a)(b)は、セルフアライメントされた後の状態であり、半田リフロー炉等による加熱処理後の断面構造に相当する。
図6において、125はCu−Sn合金層、126は半田部、127はCu高濃度層を、128はCu低濃度層を示す。半田部126は、前述の図5(b)の半田粉122が溶融してなる部分である。
そして図6(a)における一次実装接合部110は、図5(b)に示した半田粉122が、Cu粉120を内在した状態で溶融し、冷えて固化した部分に相当する。
図6(a)は、例えば一次実装部の断面の細部を説明する断面図であり、例えば一次実装部の顕微鏡写真(あるいは電子顕微鏡写真)を模式的に示すものである。
図6(a)より、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109と、プリント回路基板101の表層に設けられた一次実装用外部導体103との間には、一次実装接合部110が形成されていることが判る。
図6(a)に示すように、一次実装接合部110は、銅箔等からなる一次実装用外部導体103の表面に形成されたCu−Sn合金層125と、Cu粉120の表面に形成されたCu−Sn合金層125と、半田粉122が溶融、一体化してなる半田部126とからなる。ここで一次実装用外部導体103の表面に形成されたCu−Sn合金層125とは、銅箔(すなわち一次実装用外部導体103)と半田部126との界面に発生した合金層である。
またCu粉120の表面に形成されたCu−Sn合金層125とは、図4(b)(c)や図5(a)(b)で説明した、接着層119で接着したCu粉120が、半田粉122の溶融と共に、半田部126の中に分散し、あるいは浮遊し、あるいは点在、あるいは凝集したものであり、Cu粉120の表面には半田部126との接触によって発生したCu−Sn合金層125が形成されている。
図6(a)に示すように、一次実装接合部110を、プリント回路基板101側に設けたCu高濃度層127と、一次実装用チップ部品108側に設けたCu低濃度層128と、から構成することで、セルフアライメント性と耐半田フラッシュ性とを両立することができる。
これはCu低濃度層128がセルフアライメント性を発現させ、半田部126の中のCu粉120と、このCu粉120の表面に形成されたCu−Sn合金層125が耐半田フラッシュ性を発現させるためである(詳細は、後述する(表1)等で説明する)。
なお図6(a)における一次実装用外部導体103は、プリント回路基板101に設けられたCu箔である。外部電極109は、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極である。図6に示す外部電極109は、半田部126の一成分であるSnと合金層(例えば、Cu−Sn合金層125)を作らない材料であり、Cuを含んでいない。
なお外部電極109が多層構造で、Cu系の材料で内部層を形成し、このCu系の内部層を覆うめっき層を外部層とした場合、更にはCu系の内部層と半田中のSnが相互拡散を防止するバリアになるめっき層(例えば、NiやPd)がある場合は、外部電極109として使用可能である。こうしためっき層としては、内部層側にNiめっき、外部層側にSnめっきとしたものが使える。また内部層側にNiめっき、外部層側にAuめっきとすることも有用である。また内部層側にPdめっきと内部層側にPdめっきと、外部層の外部電極109側にAuめっきの組合せとすることも有用である。
また図6(a)において、一次実装接合部110は、Sn系Pbフリー半田であり、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag系やSn−Cu系半田である。前記Sn−Ag−Cu系Pbフリー半田としては、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点217〜220℃)やSn−3.8Ag−0.7(融点218〜219℃)などを選べる。前記Sn−Ag系半田として、Sn−3.5Ag(融点221℃)を選べる。前記Sn−Cu系半田には、Sn−0.7Cu(融点227℃)を選べる。本発明では、Sn−Ag−Cu系半田を使用したが、Snを主成分とする半田では、同様な効果が得られることは言うまでもない。
またCu粉120の主成分はCuである。なおCu粉120の80wt%以上、望ましくは90wt%以上をCuとすることが望ましい。Cuの割合が80wt%未満の場合、電気抵抗が増加する場合がある。Cu−Sn合金層125(Cu3Sn、Cu6Sn5)である。なおCu粉120は、粒径5〜35μmの範囲のものを使用した。
次に図6(b)を用いて、図6(a)の一次実装接合部110のCu濃度分布を説明する。図6(b)は、図6(a)の一次実装接合部110の厚み方向のCu濃度分布を示す模式図である。なおCu分布濃度は、蛍光X線分析(XMA:X線マイクロアナリシスと呼ばれることもある)を用いた。
なお図6(a)において、異なる粒径のCu粉120をブレンドした場合、半田粉122の溶融に伴い、小さな粒径のCu粉120(図6(a)には図示していないが)が優先的に溶融した半田層の中に、対流等で浮き上がらせることができる。そのため、Cu粉120の添加量、表面処理、粒径等を調整することで、Cu低濃度層128の厚み制御やその再現性を高められる。
なおCu粉120は、球状が望ましいが、球状に拘る必要は無い。これは球状とすることで、半田部126とのCu−Sn合金層125の形成の反応性を調整できるためである。
なおCu粉120の表面を有機的に処理することで、同様にCu−Sn合金層125の形成を遅らせる、あるいはその反応開始温度を調整することができる。例えば、200℃以上、望ましくは半田付け温度前後で分解、あるいは消失するような有機成分(例えば、樹脂や有機化合物等)を、Cu粉120の表面に付着させておけば良い。
このようにCu粉120の表面を処理した場合、Cu粉120の形状は、球状以外の、リンペン状、あるいはフレーク状、あるいは凝集体の塊等としても良い。
図6(b)において、X軸はCu濃度(単位は任意)、Y軸は一次実装接合部110の厚みを示す。
図6(b)において、外部電極109(例えば図6(a)に図示)の領域部分や、一次実装用外部導体103(例えば図6(a)に図示)の領域部分は、共に図示していない。
図6(b)より、一次実装接合部110は、プリント回路基板101側に設けたCu高濃度層127と、一次実装用チップ部品108側に設けたCu低濃度層128と、から構成されることが判る。
なおCu高濃度層127とは、Cu濃度が5重量%以上70重量%以下の領域を示す。
またCu低濃度層128とは、Cuの濃度が0重量%以上5重量%未満の領域をCu低濃度層128とした。なおこれらCu濃度は、蛍光X線(例えば、XMAやEPMA、EDAX等で知られる分析手法を使えば良い)を使うことが望ましい。なおCu濃度は、重量%で示しているが、正確には検量線等を用いた補正が必要となるが、実質的にはXMA装置に内蔵された検量線をそのまま流用すればよい。なおXMAの装置によっては、重量%と記載されていない場合(例えば%だけ)があるが、その場合は、そのXMA装置による単位(例えば%)を用いれば良い。
なおCu箔部分では、Cuが100%あるいはCuが100重量%となることは言うまでもない。
またCu濃度は、場所によってバラツキがあるので、その平均値とすれば良い。なおCu濃度はCu粉120の有無で大きくばらつく場合は、Cu粉120の粒径の5倍の広さ(平面方向)を基準面積し、この基準面積に占めるCu粉120の断面積を百分率(%)とし、これをCuの重量%としても良い。
なおCu粉120の表面に形成されるCu−Sn合金層125の厚みは、0.1μm以上Cu粉120の粒径以下が望ましい。0.1μm未満の場合、効果が得られない場合がある。また粒径より大きくするには時間がかかる場合がある。
以上のように、一次実装接合部110に、Cu低濃度層128を設けることで、一次実装用チップ部品108の一次実装に用いる半田(あるいは一次実装接合部110)において、半田再溶融抑制効果とセルフアライメント性とを両立させることができ、部品搭載基板115の信頼性を高めることができる。
特に、Cu−Sn合金層125の融点は、二次実装における半田付け温度より、高くすることができるため、二次実装時に部品搭載基板115の耐半田フラッシュ性を向上させる効果が得られる。
次に、Cu−Sn合金層125を形成する様子について説明する。
部品搭載基板115の一次実装接合部110は、半田実装時に(すなわち一次実装時に)半田の融点以上の温度で熱処理を行っている。そして半田ペースト124が溶融状態に達して、溶融した半田の内部には、表面張力と熱対流によって流動状態が発生する。このとき、一次実装用外部導体103上の接着層119を用いて接着したCu粉120が溶融流動した半田部126中に分散する。そして半田部126の中に分散したCu粉120は、一次実装用チップ部品108の外部電極109側に分散し始める。更に溶融流動した半田部126に浮遊するCu粉120の表面には、前記Cu粉120のCu成分とSn系Pbフリー半田中のSn成分の相互拡散によって、耐熱性(更には溶融温度が上がった)Cu−Sn合金層125(例えば、Cu3Snや、Cu6Sn5)をCu粉120の表面に生成することとなる。
このCu−Sn合金層125は、半田部126の溶融時に経時的に成長するため、このCu−Sn合金層125が溶融状態の半田部126の流動を抑制し始める。
そして、このCu−Sn合金層125が形成された一次実装接合部110は、Cu−Sn合金層125の溶融温度が、二次実装接合部117の実装温度より高温であるため、二次実装時に一次実装接合部110が再溶融することがない。その結果、前述の図18(b)(c)で説明した半田フラッシュ19a、19bが発生しない(あるいは半田フラッシュの抑制効果、あるいは耐半田フラッシュ性が得られる)。以上、実施例2で説明するように、図5(b)の状態のものを、半田リフロー炉やヒーターブロックを用いて、半田粉122の融点以上に加熱し、セルフアライメントすると同時に図6(a)(b)に示す状態とする。
このように、実施例1、2の部品搭載基板115の一次実装は、図4、図5に示すように、Cu粉120からなる層と、セルフアライメントを有するSn系Pbフリーの半田ペースト124との2層構造を形成することに特長がある。
すなわち実施例2における一次実装接合部110は、この2層構造において、半田実装時の半田粉122の融点以上の温度で熱処理を行うことで、半田ペースト124が溶融状態に達して、溶融した半田は、表面張力と熱対流によって流動状態が発生する。その結果、一次実装用外部導体103上の接着層119に付着させたCu粉120が溶融流動した半田部126(例えば図6)中の、搭載部品の外部電極109側へ分散し始める。
そして、この溶融流動した半田部126に浮遊するCu粉120の表面において、Cu粉120のCu成分とSn系Pbフリー半田のSn成分とが、相互拡散してなる耐熱性を有するCu−Sn合金層125(例えば、Cu3Sn、Cu6Sn5)が、このCu粉120近傍に生成し、更に経時的に成長する。
そのため、溶融流動性を有していた半田部126は次第に流動性が抑制され始める。
以上の方法によって、半田部126の半田接合時の加熱処理において、加熱初期段階では、半田部126の良好な溶融流動状態を得ることができると、同時に、半田部126の溶融流動による、半田部126中に分散させたCu粉120とその近傍から成長したCu−Sn合金層125による耐熱性の構造を任意に作ることが可能となる。
なお半田部126の厚み方向のCu濃度が0重量%以上5重量%以下のCu低濃度層128の厚みを5〜25μmの範囲の中に抑えることにより、セルフアライメント性と半田再溶融抑制効果を両立できる半田接合部の構造が実現できる(詳細は、後述する(表1)等で説明する)。
以上のように本発明の製造方法を用いることにより、セルフアライメントによる高精度及び半田再溶融の抑制効果を有する部品搭載基板115を容易に製造できる。
(実施例3)
次に実施例3を用いて、実施例2におけるセルフアライメント効果について、図7、図8を用いて位置修正と角度修正の面から、説明する。
図7(a)〜(d)は、共にセルフアライメントによる位置修正について説明する側面図である。
図7において、129はセンターであり、一次実装用チップ部品108の実装時におけるセンター位置を示す。130は位置ずれ量(半田溶融前)、131は位置ずれ量(半田溶融後)である。
図7(a)は、プリント回路基板101上に形成されたCu箔である外部導体51の断面状態である。
図7(a)に示すようにプリント回路基板101の表面には、一次実装用外部導体103が形成されている。なお図において、ソルダーレジスト107等は図示していない。
図7(b)は、一次実装用外部導体103を覆う様に、接着層119を形成した状態である。接着層119は、Cu粉120を付着させることが目的であり、半田接合後に半田ペースト124の成分であるフラックスを溶剤で溶かした溶液を印刷やディスペンサーやインクジェットによって、形成できる。また、実施例3に示す粘着性付与化合物であるイミダゾール系誘導体などを用いて、接着層119を形成する。
図7(b)は、一次実装用外部導体103の上に、半田ペースト124を所定パターンで印刷形成する様子を示す。
図7(c)は、前記接着層119にCu粉120を接着させた状態である。
Cu粉120の付着方法は、事前に接着層119を形成した上に、Cu粉120を噴霧し、付着させることができる。なお目的外位置に付着した部分のCu粉120はエアーブロー装置で除去すればよい。また接着層119の代わりに、Cu粉120をフラックスと混合してペースト状にしたものを、印刷して形成してもよい。
図7(c)は、半田ペースト124の上に、一次実装用チップ部品108をセットした様子を示す。図7(c)の位置ずれ量(半田溶融前)130の矢印に示すように、センター129より、一定量だけ、位置ずれ量(半田溶融前)が発生する場合がある。
図7(d)は、Cu粉120で形成したCu粉層121上に、半田ペースト124により、半田印刷膜を形成した状態である。半田ペースト124は、メタルマスクを用いた印刷または、ディスペンサーにより形成が可能である。半田ペースト124の厚みは、25〜100μmの厚みにした。半田ペースト124の厚みは、Cu粉120の粒径の1〜20倍の範囲にしたが、半田再溶融抑制効果の点では、1〜5倍の範囲が好ましい。1倍未満では半田再溶融の抑制効果が得られない場合がある。また5倍を超えると、半田フラッシュが発生する可能性が考えられる。
図7(d)は、半田溶融に伴うセルフアライメント効果が得られた状態を示す側面図である。図7(c)に示した半田ペースト124は、溶融し、図7(d)に示す一次実装接合部110と共に、セルフアライメント効果が得られる。その結果、図7(d)に示すように、「位置ずれ量(半田溶融後)131」<「位置ずれ量(半田溶融前)130」の関係を満たすことになる。
なお図7(c)、図8(c)は、例えば図5(b)に示す、マウンター装置(図示していない)にて、一次実装用チップ部品108の外部電極109を半田ペースト124上に配置した状態に相当する。
次に、発明者らが行なった、半田溶融に伴うセルフアライメント効果(例えば図7)についての確認実験結果について説明する。
発明者らは、0603型(0.6mm×0.3mm)のチップ部品(N=300個)について行なった。
まず市販のマウンター(自動実装機)を使い、図7(c)のように、一次実装用のプリント回路基板101の上に、0603型のチップ部品をセットした。なお実装位置(半田溶融前)130が50μm以上になるよう(実測値で60μm〜80μmになった)、わざと実装位置をずらし、図7(c)の状態とした。
その後、このサンプルを、半田リフローし、位置ずれ量(半田溶融後)131を測定したところ、位置ずれ量(半田溶融後)131は12μm〜16μmであり、目標スペックである50μm未満(望ましくは25μm未満)に、全数が収まり、半田溶融に伴うセルフアライメント現象が発現したことが確認できた。
次に、図8を用いて、角度修正におけるセルフアライメントについて説明する。
図8(a)〜(d)は、共にセルフアライメントによる角度修正について説明する上面図である。
図8において、132は、ずれ角度(半田溶融前)、133は、ずれ角度(半田溶融後)である。なお当初の実装時にずれ角度(半田溶融前)132であったものが、溶融した半田の表面張力によって、ずれ角度(半田溶融後)133で、小さくなることをセルフアライメント効果とする。
図8(a)に示すようにプリント回路基板101(あるいは基材102)の表面には、一次実装用外部導体103が形成されている。なお図において、ソルダーレジスト107等は図示していない。
図8(b)は、一次実装用外部導体103の上に、半田ペースト124を所定パターンで印刷形成する様子を示す。図8(b)において、センター129は、一次実装用チップ部品108の設計上の実装位置を示す。
図8(c)は、半田ペースト124の上に、一次実装用チップ部品108をセットした様子を示す。図8(c)に示すように一次実装用チップ部品108は、ずれ角度(半田溶融前)132の矢印に示すように、センター129より、一定量だけ、位置ずれ量(半田溶融前)が発生する場合がある。
図8(d)は、半田溶融に伴うセルフアライメント効果が得られた状態を示す側面図である。図8(c)に示した半田ペースト124は、溶融し、図8(d)に示す一次実装接合部110と共に、セルフアライメント効果が得られる。その結果、図8(d)に示すように、「ずれ角度(半田溶融後)133」<「ずれ角度(半田溶融前)132」の関係を満たすことになる。
次に、本願発明による半田実装効果について、(表1)を用いて説明する。
(表1)は、Cu低濃度層128の厚みに対するセルフアライメント性と半田再溶融抑制効果を示すものである。
Figure 2011018787
(表1)は、図6(b)におけるCu低濃度層128の厚みを5μm〜35μmまでの範囲で評価した結果を示す。
(表1)において、セルフアライメント性は、一次実装用チップ部品108実装後のずれ角度(半田溶融前)132(詳細は後述する図8(c)で説明する)を13〜17°になるように調整して、半田リフロー炉の加熱処理後のずれ角度(半田溶融後)133(詳細は後述する図8(d)で説明する)とで示す。
半田再溶融(すなわち耐半田フラッシュ性)に関しては、(表1)における吸湿リフロー試験結果で評価した。なお(表1)において、信頼性評価結果で問題無しはOKで表示して、課題等が発生した場合はNGで示している。
まず、セルフアライメント性は、Cu成分含有量が0重量%以上5重量%以下としたCu低濃度層128の厚みが、5〜35μmの範囲内では、一次実装用チップ部品108の実装時のずれ角(半田溶融前)132を13〜15°に設定しても、セルフアライメント効果によって、ずれ角度(半田溶融後)133が、1〜2°程度に修正された。
以上より、一次実装接合部110のCu低濃度層128の厚みは5μm以上25μm以下の範囲が望ましいことが判る。なおCu低濃度層128の厚みが25μmを超える場合(例えば、(表1)のように35μmの場合)は、半田再溶融による電気的ショートが発生する可能性がある。なおCu低濃度層128の厚みは5μm以下でもOKな場合があるが、5μm以下の場合、Cu低濃度層128の厚み測定が難しい場合がある。
(表1)におけるリフロー前角度とは、例えば図8(c)に示した、ずれ角度(半田溶融前)132であり、セルフアライメント前のずれ角度に相当する。
(表1)におけるリフロー後角度とは、例えば図8(d)に示した、ずれ角度(半田溶融後)133であり、セルフアライメント後のずれ角度に相当する。なおセルフアライメント後のずれ角度は3度以下(望ましくは2度以下)である。
(表1)における吸湿リフロー試験結果とは、図1の部品搭載基板115を用いて、60℃60%RHの高温高湿槽に40時間放置後、窒素リフロー装置にて、ピーク温度(240〜250℃)にて加熱する環境試験を3回繰り返した後に、前述の図18(b)(c)に示した半田フラッシュによる電気的ショート不良発生の有無を調べた結果であり、不良なしの場合は「OK」、不良が発生した場合は「NG」とした。
(表1)における総合評価とは、セルフアライメント性(リフロー後の角度が3度以下をOK(合格)、吸湿リフロー試験結果でOK(合格)とした場合、両方の試験結果が共にOK(合格)の場合を、○(合格)、それ以外を×(不合格)としたものである。
ここで、BGA113は、半田ボールで形成されたもので、材料として、Sn系Pbフリー半田にCu粉120を半田接合部の20〜30重量%の範囲になるように添加した半田を用いた。またCu粉120はめっきや蒸着により表面にAgコートしたものを用いた場合、半田ボール内の空洞の少ないものが得られるために信頼性の向上が望める。またBGA113の半田ボールは、半田ボール中にCu粉120およびCu−Sn合金層125(Cu3Sn、Cu6Sn5)が網目状に形成した状態のものであり、半田実装工程により、Sn系Pbフリー半田から成る半田のSn成分がBGA113へ拡散して変形することを抑制した構造とすることが望ましい。
なおBGA113の材料としては、半田ボール以外に、一次実装接合部110の半田部126のSn成分の相互拡散によるBGA113に使用する材料の低融点化による変形や半田再溶融などの弊害の発生しない金属や合金又は、それらをSn拡散防止効果のあるバリア層となるNiやPdめっきしたものが使用可能である。
以上(表1)より、Cu低濃度層128が一定の厚み範囲内(例えば、5μm以上25μm以下)にあれば、セルフアライメント性と耐半田フラッシュ性の両方に優れた、部品搭載基板115が得られることが判る。
なお(表1)に示すような結果が得られたのは、図6(b)において、Cu低濃度層128の厚みが、Cu高濃度層127の厚みより薄くなったためと考えられる。このように、Cu低濃度層128の厚みを、Cu高濃度層127の厚みより薄くすることで、セルフアライメント性と耐半田フラッシュ性とを両立できる。
(実施例4)
次に実施例4として、一次実装用チップ部品108の外部電極109に、半田部126との間でCu−Sn合金層125を形成するCu系外部電極材料を用いた場合について、図9、図10を用いて説明する。
図9(a)(b)は、共にCu系の外部電極109を、半田ペースト124の上にセットする様子を説明する断面図である。
Cu系の外部電極109とは、半田部126とCu−Sn合金層125を形成するものである。なおCu系の外部電極109とすることで、接続部分の低抵抗化が可能となる場合がある。
図9(a)において、プリント回路基板101の上の一次実装用外部導体103の上には、接着層119を用いてCu粉120を保持し、この上に半田ペースト124が所定厚みで形成されている。
図9(a)の矢印は、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109をセットする様子を示す。
図9(b)は、半田ペースト124の上に、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109がセットされた様子を示す断面図である。
次に図10を用いて、半田ペースト124が溶融されてなる一次実装接合部110について説明する。
図10(a)(b)は、それぞれCu系外部電極を用いた場合の一次実装接合部110の断面図と、一次実装接合部110のCu濃度分布を示す模式図である。
図10(a)に示すように、一次実装接合部110の中には、Cu系の外部電極109の表面と、Cu系の一次実装用外部導体103の表面には、共にCu−Sn合金層125が形成されている。また一次実装用外部導体103に接着層119(図示していない)を用いて接着していたCu粉120が半田部126に拡散すると共に、Cu粉120表面にCu−Sn合金層125を形成している。
図10(b)は、図10(a)における一次実装接合部110におけるCu濃度を模式的に示すものである。
このように、図10(a)における外部電極109の半田部126に接する部分に形成されたCu高濃度層127aは、図10(b)におけるCu高濃度層127aに対応する。同様に図10(a)の一次実装用外部導体103の半田部126に接する部分に形成されたCu高濃度層127bは、図10(b)に示すCu高濃度層127bに対応する。同様に図10(a)のCu粉120が殆ど分散されていない半田部126は、図10(a)のCu低濃度層128に相当し、このCu濃度の濃度を評価した結果が図10(b)のCu低濃度層128に相当する。
次に(表2)として、一次実装用チップ部品108の外部電極109に、半田部126との間でCu−Sn合金層125を形成するCu系外部電極材料を用いた場合の効果について説明する。
Figure 2011018787
なお(表2)における各条件等は、前述の(表1)と同じである。(表2)より、Cu系外部電極材料を用いた場合も、(表1)で説明したように、Cu低濃度層の厚みが薄い場合(例えば、6μm以上28μm以下)、(表2)に示したようにセルフアライメント性と耐半田フラッシュ性の両方に優れた、部品搭載基板115が得られることが判る。
(実施例5)
次に実施例5を用いて、一次実装用半導体部品111のBGA113の固定について、図11、図12を用いて説明する。
図11は、実施例4における一次実装用半導体部品111のBGA113の一次実装について説明する断面図であり、例えば図1の点線100bに相当する。
図12(a)(b)は、それぞれ実施例4における一次実装用半導体部品111のBGA113の一次実装接合部110について説明する断面図と、一次実装接合部110のCu濃度分布について説明する模式図である。
なお図11、図12の構成におけるセルフアライメント効果や耐半田フラッシュ性等は、前述の図4〜図10で説明した内容である。
(実施例6)
次に実施例6を用いて、本願発明と、従来例との比較について説明する。
実施例5を使って、試作した試作品(実施例1による実験サンプル)の評価結果について、説明する。
なお半田フラッシュ(あるいは半田再溶融抑制効果)の評価は、一次実装用チップ部品108の半田実装(一次実装)後に、封止樹脂114を形成したものを、吸湿リフロー試験した後に、その一次実装接合部110の状態を観察した。ここで、吸湿リフロー試験の条件は、加速試験条件である温度60℃、湿度60%RHにて40時間放置後に、半田リフロー炉にて、JEITAのPbフリー半田(Sn−3.0Ag−0.5Cu半田)用温度プロファイルにて、加熱処理を3回繰り返して、前述の図18(a)(b)に示す半田フラッシュ19a、19bによる電気的ショートチェックやX透過装置による一次実装接合部110の変形状態で半田再溶融を評価した。
次に比較例1について、市販のPbフリー半田について、半田再溶融効果とセルフアライメント性についての評価について、図13〜図15を用いて説明する。
図13(a)(b)は、共に比較例1として作成したサンプルの一次実装部分の製造工程を説明する断面図である。
ここで、比較例1とは、Cu粉120をまったく使っていない、Pbフリー半田であり、Cu粉120を添加したPbフリー半田については、後述する図16等で説明する。
図13(a)は、基材102の上に、一次実装用外部導体103が形成された様子を示す断面図である。
図13(b)は、一次実装用外部導体103の上に、半田粉122とフラックス等123とからなる半田ペースト124が印刷された状態を示す断面図である。
図14(a)(b)は、それぞれ比較例1における半田リフロー前後の様子を説明する断面図である。
図14(a)は、半田ペースト124の上に、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109をセットした様子を示す。図14(a)は、半田リフロー前(すなわち、半田溶融によるセルフアライメント現象の発生前)を示す断面図である。
図14(b)は、半田リフロー後(すなわち、半田溶融におけるセルフアライメント現象の発生後)の様子を示す断面図である。
図14(b)より、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109は、半田粉122が溶融してなる半田部126で固定されていることが判る。なお図14(b)におけるCu−Sn合金層125は、一次実装用外部導体103と、半田部126との界面に形成されたCu−Sn合金層125を示す。
図15は、図14(b)のサンプルの断面におけるCu濃度分布の測定結果の一例を示す模式図である。
図15に示すように、Cu粉120を使用していない比較例1の場合、Cu低濃度層128の厚みは、Cu高濃度層127の厚みより厚くなる(Cu低濃度層128の厚みは、Cu高濃度層127の厚みの2倍以上、厚くなる場合もある)ことが判る。一方、本願発明の場合、前述の図6(b)や図10(b)、図12(b)等で示すように、Cu低濃度層128の厚みはCu高濃度層127の厚みより薄くなる。これは本願発明の場合、添加したCu粉120の影響によるためである。。
比較例1による評価結果を、(表3)に示す。
Figure 2011018787
以上(表3)より、比較例1の場合、Cu低濃度層128の厚みが厚い(本願発明の2倍以上、あるいはCu低濃度層128の厚みがCu高濃度層127の厚みよりも大きくなる)ためにセルフアライメント性に優れた結果が得られたと考えられる。
なお(表3)において吸湿リフロー試験結果でNGが得られたのは、半田フラッシュ等が発生したためと考えられ、これはCu低濃度層128の厚みがCu高濃度層127の厚みよりも大きくなったためと考えられた。
次に比較例2について、図16〜図17を用いて説明する。
比較例2とは、比較例1のサンプルにCu粉120を添加し、吸湿リフロー特性を改善しようとしたものである。
図16(a)(b)は、共に比較例2について説明する断面図である。
図16(a)は、比較例1に用いた、鉛フリー半田にCu粉120を添加し、均一に分散させ、Cu粉が均一に分散された鉛フリーの半田ペースト124を作成し、この上に、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109をセットした状態を示す。図16(a)において、半田ペースト124は、フラックス等123と、半田粉122とCu粉120とが、均一に分散されていることが判る。なお図16(a)は、半田リフロー前である。
図16(b)は、半田リフロー後である。図16(b)に示すように、半田リフローによって、半田ペースト124中に均一に分散されたCu粉120の表面に、Cu−Sn合金層125が形成され、このCu−Sn合金層125によって、プリント回路基板101の一次実装用外部導体103と、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109とが橋渡しされていることが判る。
図17は、図16(b)のサンプル断面のXMA分析結果の一例を示す模式図である。
また発明者らの測定から、二つのCu高濃度層127a、127bは、共にCu濃度が5重量%以上であることが判った。
この結果より、図17に示す比較例2のサンプルにおいて、一次実装接合部110は、二つのCu高濃度層127a、127bで構成され、Cu低濃度層128が存在していないことが判る。
次に比較例2の評価結果について、(表4)に示す。
Figure 2011018787
(表4)に示すように、比較例2による試作品(特に、Cu粉含有量20wt%、30wt%))では、吸湿リフロー試験結果が良いことが判るが、図16(b)に示したように、リフロー前後でのセルフアライメント性がまったく得られなかった。これはCu粉120の表面に形成されたCu−Sn合金層125が、一次実装用チップ部品108(図示していない)の外部電極109と、一次実装用外部導体103との間を橋渡ししたためと思われる。
一方、(表4)の半田層中のCu粉含有量が0wt%の場合には、吸湿リフロー試験結果がNG(すなわち、半田フラッシュが発生した可能性が考えられる)となる反面、セルフアライメント性が発現した(例えば、リフロー前角度13〜17度が、リフロー後角度1〜2度)となったが、これはCu粉120を含まないCu低濃度層128の厚みが35μm以上と厚くなりすぎたためと考えられる。
なお(表4)において、発明者らは半田層中のCu粉120含有率を3wt%や5wt%として実験したが、半田フラッシュの防止効果が得られなかった。これは、Cu粉120を半田ペースト124中に均一に分散させた場合、Cu低濃度層128の厚みが厚くなる(更には、Cu高濃度層127の厚みより、Cu低濃度層128の厚みの方が厚くなる)ためである。Cu低濃度層128の厚みが厚くなりすぎると、半田の再溶融する半田量が増加してしまうためであり、半田実装部における半田量(あるいは半田の占める体積割合)が増加することにより、その分半田フラッシュを引き起こしやすくなるためである。
以上のように、一次実装用半導体部品111もしくは一次実装用チップ部品108等の電子部品のどちらか一つ以上の部品と、プリント回路基板101とからなる部品搭載基板115であって、前記部品と前記プリント回路基板101との半田接合部である一次実装接合部110は、Sn系半田からなる半田部126とCu粉120とCu−Sn合金層125とで構成されており、この一次実装接合部110に、Cu含有濃度が5重量%未満のCu低濃度層128を設けることによって、セルフアライメント性の向上と半田フラッシュの抑制効果の両方特性に優れた部品搭載基板115を提供する。
図6(b)、図10(b)、図12(b)等に示すように、一次実装接合部110の接合面に対して垂直方向のCu含有濃度分布において、Cu含有濃度が0重量%以上5重量%未満からなるCu低濃度層128を、厚み5μm以上25μm以下で設けることで、部品搭載基板115のセルフアライメント性の向上と半田フラッシュの抑制効果の両方特性に優れた部品搭載基板115を提供する。
プリント回路基板101の一次実装用外部導体103である外部導体に接着層119を図4(b)等で示したように形成する接着層形成工程と、図4(c)等で示したように接着層119にCu粉120を付着させる付着工程と、図4(d)等で示したようにCu粉120の付着面に印刷等で半田ペースト124を形成する形成工程と、半田ペースト124上に、図5(a)(b)や図9(a)(b)等で示したように一次実装用半導体部品111もしくは一次実装用チップ部品108のどちらか一つ以上の部品の外部電極109、112を配置する配置工程と、半田ペースト124を加熱して一次実装接合部110からなる半田接合部を形成する接合工程と、を有する部品搭載基板115の製造方法によって、セルフアライメント性の向上と半田フラッシュの抑制効果の両方特性に優れた部品搭載基板115を提供する。
プリント回路基板101の一次実装用外部導体103はCuであり、接着層119は、粘着性付与化合物がCu上に化学反応によって形成されたものである部品搭載基板115の製造方法によって、セルフアライメント性の向上と半田フラッシュの抑制効果の両方特性に優れた部品搭載基板115を安定して製造できる。
なお一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111等部品を半田実装する工程において、プリント回路基板101の一次実装用外部導体103に予め、接着層119を形成し、この接着層119上に粒径5〜35μmのCu粉120を付着させ。更にCu粉120を付着させた全面に、セルフアライメント性を有するSn系Pbフリー半田ペーストを印刷等でパターン状に形成することで、Cu粉層121とSn系Pb半田ペーストからなる半田ペースト124の2層構造を形成しても良い。
なお半田ペースト124の印刷膜上に、外部電極109、112が接するようにマウント(あるいは機械実装)した状態で、プリント回路基板101を半田の融点以上の温度で加熱して半田により接合部、一次実装接合部110を形成しても良い。
なお一次実装接合部110の構造として、前記接合部の接合面に対して垂直方向にCu含有濃度分布を0重量%以上5重量%未満のCu低濃度層128の厚みを5μm以上25μm以下になるように前記Cu粉120と半田ペースト124の量を予め調整することで、部品搭載基板115に内蔵された一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111の一次実装時のセルフアライメント性の向上と、部品搭載基板115の二次実装時の半田フラッシュの抑制効果の両方特性に優れた部品搭載基板115の最適化が可能となる。
なお一次実装用チップ部品108や一次実装用半導体部品111と、プリント回路基板101を接合する部分として、Cu粉層121とセルフアライメントを有するSn系Pbフリー半田ペーストからなる半田ペースト124との2層構造にすることで、半田実装時の半田の融点以上の温度で熱処理することで、半田印刷膜のSn系Pbフリー半田が溶融状態に達して、溶融した半田は、表面張力と熱対流によって流動状態が発生する。
この結果、一次実装用外部導体103上の接着層119に付着させたCu粉120が溶融流動した半田部126中に一次実装用チップ部品108の外部電極109や一次実装用半導体部品111の外部電極112側へ分散できる。更に加熱され溶融流動状態にある半田部126に浮遊するCu粉120は、Cu粉120のCu成分とSn系Pbフリー半田のSn成分の相互拡散で耐熱性を有するCu−Sn合金層125(例えばCu3Sn、Cu6Sn5)をCu粉120の近傍(あるいは表面)に生成し、更に経時的に成長することで、セルフアライメント性の向上と半田フラッシュの抑制効果の両方特性に優れた部品搭載基板115を提供する。
以上のように、本願発明の一次実装接合部110において、半田接合時の加熱処理において、加熱初期段階では、前記半田の良好な溶融流動状態を得ることができると、同時に、前記半田溶融流動による半田接合部に分散させたCu粉120とその近傍から成長したCu−Sn合金層125による耐熱性の構造を任意に作ることが可能であり、また、この接合部の構造を、一次実装接合部110の厚み方向のCu濃度分布が接合部の0重量%以上5重量%以下のCu低濃度層128の厚みを調整する(例えば、5μm以上25μm以下、更にはCu高濃度層127の厚みより薄くする)ことにより、セルフアライメント性と半田再溶融抑制効果を両立できる。
本発明は、プリント回路基板の多段階実装において、二次実装として、比較的信頼性の高いSn−Ag系半田、Sn−Ag−Cu系半田、Sn−Cu系半田を必要とする場合に、一次実装時の半田材料として、セルフアライメント性と二次実装時の加熱による半田再溶融抑制効果を両立する必要とするプリント回路基板に適合する。
100a、100b 点線
101 プリント回路基板
102 基材
103 一次実装用外部導体
104 二次実装用外部導体
105 内部電極
106 ビア導体
107 ソルダーレジスト
108 一次実装用チップ部品
109 外部電極
110 一次実装接合部
111 一次実装用半導体部品
112 外部電極
113 BGA
114 封止樹脂
115 部品搭載基板
116 マザーボード基板
117 二次実装接合部
118 二次実装部品
119 接着層
120 Cu粉
121 Cu粉層
122 半田粉
123 フラックス等
124 半田ペースト
125 Cu−Sn合金層
126 半田部
127 Cu高濃度層
128 Cu低濃度層
129 センター
130 位置ずれ量(半田溶融前)
131 位置ずれ量(半田溶融後)
132 ずれ角度(半田溶融前)
133 ずれ角度(半田溶融後)

Claims (4)

  1. 半導体部品もしくは電子部品のどちらか一つ以上の部品と、プリント回路基板とからなる部品搭載基板であって、前記部品と前記プリント回路基板との半田接合部は、Sn系半田とCu粉とCu−Sn合金とで構成されており、前記接合部にCu含有濃度が5重量%未満の部分を設けた部品搭載基板。
  2. 接合面に対して垂直方向のCu含有濃度分布において、Cu含有濃度が0重量%以上5重量%未満からなるCu低濃度層を、厚み5μm以上25μm以下で設けた請求項1記載の部品搭載基板。
  3. プリント回路基板の外部導体に接着層を形成する接着層形成工程と、前記接着層にCu粉を付着させる付着工程と、前記Cu粉の付着面に半田ペーストを形成する形成工程と、前記半田ペースト上に、半導体部品もしくは電子部品のどちらか一つ以上の部品の外部電極を配置する配置工程と、前記半田ペーストを加熱して半田接合部を形成する接合工程と、を有する部品搭載基板の製造方法。
  4. プリント回路基板の外部導体はCuであり、接着層は前記Cu上に化学反応によって形成されたものである請求項3記載の部品搭載基板の製造方法。
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