JP2011017246A - 建物の基礎構造 - Google Patents

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【課題】建物の上部構造の浮き上がりを許容するようにした建物の基礎構造において、その施工性を大幅に向上させる。
【解決手段】杭12とフーチング14とを備えた基礎10は、杭頭上面に嵌合凸部18を設け、フーチングの下面に嵌合凹部20を設けてあり、嵌合凸部と嵌合凹部とが嵌合することで杭とフーチングとの間の相対的な水平方向の変位が阻止され、嵌合凹部と嵌合凸部とが離れることでフーチングが杭頭から浮き上がれるようにしてある。プレキャスト・コンクリート(PC)製の嵌合凸部画成部材22を製作し、場所打ちコンクリート杭12の先打ち部42を打設し、先打ち部の上面に鉄筋32を介してPC製嵌合凸部画成部材22を設置する。杭12の後打ち部を打設して、杭12を構築する。完成した杭12の杭頭を型枠の一部として利用して場所打ちコンクリート造のフーチング14を打設する。
【選択図】図5

Description

本発明は、建物の基礎構造及びその構築方法に関する。より詳しくは、本発明は、建物の上部構造の浮き上がりを許容することによって、地震発生時に建物が受けるエネルギを低減するようにした建物の基礎構造及びその構築方法に関する。
地震発生時に建物の基礎に水平方向の加速度が加わると、建物に転倒モーメントが作用する。水平方向の加速度が大きく、建物のアスペクト比(幅に対する高さの比)も大きい場合には、転倒モーメントによって建物の一側が浮き上がろうとする。その結果、例えば杭基礎を採用している建物の場合、建物の浮き上がり側では杭を引き抜こうとする引張荷重が杭に作用し、その反対側では杭を押し込もうとする圧縮荷重が増大する。これらの荷重に耐えられるだけの十分な強度を備えた基礎構造を構築するためには、それ相応のコストが必要であるが、近年、アスペクト比の大きな高層建物が次々と出現するようになったことから、そのコストの増大が著しかった。
そのため、通常は杭頭に固定連結するフーチングを杭頭から縁切りして、大きな転倒モーメントが作用したときには、フーチングより上の建物上部構造が、杭頭から浮き上がれるようにした建物の基礎構造が提案されている。
例えば特開2003−129498号公報には、杭とフーチングとの間を、せん断抵抗用の鋼管を介して接合することで、杭とフーチングとの縁を切った建物の基礎構造が開示されており、この基礎構造では、浮き上がった建物上部構造が着座する際の衝撃を緩和するために、緩衝材を杭とフーチングとの間に敷設している。
また、特開2000−240315号公報には、柱脚で浮き上がりを発生させて、エネルギ吸収装置で浮き上がり後の建物応答の低減を図るようにした建物の基礎構造が開示されており、この基礎構造では、着座時の衝撃を緩和するための緩衝材や、変位を制御するための復元部材を浮き上がり部分に介装している。
また、特開2001−115683号公報には、建物上部構造の鋼管柱と、建物下部構造である基礎のフーチングに埋め込んだ鋼管との間隙に、ダンパを介装した構造が開示されている。
特開2000−240315号公報 特開2001−115683号公報 特開2003−129498号公報
しかしながら、これら特許文献に開示されているものをはじめとして、従来提案されていた上部構造の浮き上がりを許容するようにした基礎構造には、浮き上がり部を製作するために複雑で面倒な作業を強いられ、高い精度を出すことが困難であるという、施工性に関する難点が付随していた。浮き上がり部を構成する、杭の杭頭部分とフーチングとを、プレキャスト・コンクリート製の部材(PC部材)とする方法は、現場作業の簡易化を図る上で有用であるが、ただしPC部材が大型のものとなるため、運搬及び現場での設置作業に困難を生じ、また、PC部材とした杭頭と場所打ちの杭本体との間の接合部の狭小な部分へ、モルタルグラウトを行う作業が必要となり、この作業にも困難が伴う。更には、各々をPC部材として構成した杭頭部分とフーチングとの間で、精密な位置合せが必要であるが、この位置合せの作業も容易なものではなかった。
本発明は、かかる事情に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、建物の上部構造の浮き上がりを許容するようにした建物の基礎構造において、その施工性を大幅に向上させることにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎構造は、杭と該杭に支持されたフーチングとを備えた建物の基礎構造であって、前記杭の杭頭上面に嵌合凸部を設け、前記フーチングの下面に嵌合凹部を設け、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが嵌合することで前記杭と前記フーチングとの間の相対的な水平方向の変位が阻止される一方で、前記建物に所定大きさ以上の転倒モーメントが作用したときには前記嵌合凹部と前記嵌合凸部とが離れることで前記フーチングが前記杭の杭頭から浮き上がれるようにした建物の基礎構造において、前記杭は、場所打ちコンクリート杭の杭頭に、前記嵌合凸部を画成するプレキャスト・コンクリート(PC)製の部材であるPC製嵌合凸部画成部材を接合することで構築されており、前記フーチングは場所打ちコンクリート造のフーチングであり、完成した前記杭の杭頭を型枠の一部として利用して打設されることで、該フーチングの下面に前記嵌合凹部が画成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る建物の基礎構造の構築方法は、杭と該杭に支持されたフーチングとを備えた建物の基礎構造であって、前記杭の杭頭上面に嵌合凸部を設け、前記フーチングの下面に嵌合凹部を設け、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが嵌合することで前記杭と前記フーチングとの間の相対的な水平方向の変位が阻止される一方で、前記建物に所定大きさ以上の転倒モーメントが作用したときには前記嵌合凹部と前記嵌合凸部とが離れることで前記フーチングが前記杭の杭頭から浮き上がれるようにした建物の基礎構造の構築方法において、杭頭に前記嵌合凸部を設けた前記杭を構築し、しかる後に、完成した前記杭の杭頭を型枠の一部として利用して場所打ちコンクリート造のフーチングを打設することで、下面に前記嵌合凹部が画成された前記フーチングを構築することを特徴とする。
本発明によれば、建物の上部構造の浮き上がりを許容する基礎構造において、杭頭に嵌合凸部を設けた杭を先に構築し、しかる後に、完成した杭の杭頭を型枠の一部として利用して場所打ちコンクリート造のフーチングを打設するようにしているため、嵌合凹部並びにフーチングの底面を、極めて容易な作業で、高い精度をもって画成することができる。従って、基礎を構築するための現場作業が格段に容易化され、施工性が大幅に向上すると共に、嵌合凸部及び嵌合凹部の寸法精度も向上する。
本発明の好適な実施の形態にかかる建物の基礎構造を採用した基礎の断面側面図である。 図1の基礎に用いるプレキャスト・コンクリート(PC)製嵌合凸部画成部材の具体例を示した図であり、Aは第1の具体例の平面図、Bは同側面図、Cは第2の具体例の平面図、Dは同側面図、Eは第1及び第2の具体例の断面図、Fは第1及び第2の具体例の変更例を示した断面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、杭頭の断面側面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、A、Bは夫々杭頭の断面側面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、Aは杭頭の平面図、B、Cは夫々杭頭の断面側面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、Aは杭頭の平面図、B、Cは夫々杭頭の断面側面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、杭頭の一部断面側面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、Aは鉄筋組立体の配筋形態を示した模式図、Bは杭頭の一部断面側面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法を説明するための図であり、杭頭の一部断面側面図である。
以下に本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の好適な実施の形態にかかる建物の基礎構造を採用した基礎10の断面側面図である。図1に示したように、基礎10は、鉄筋コンクリート杭12と、この杭12に支持された鉄筋コンクリート造のフーチング14とを備えた、いわゆる鉄筋コンクリート造の杭基礎である(尚、図1では、杭12及びフーチング14に配筋されている鉄筋は図示省略した)。ただし、通常の杭基礎のように、杭頭とフーチングとが固定連結されておらず、杭12の杭頭とフーチング14とは縁切りされている。そして、杭12の杭頭上面に嵌合凸部18を設け、フーチング14の下面に嵌合凹部20を設けてあり、それら嵌合凸部18と嵌合凹部20とが嵌合することで、杭12とフーチング14との間の相対的な水平方向の変位が阻止されるようにしてある。一方、地震発生時に地盤から建物に水平方向の加速度が加わり、それによって建物に、その建物の設計に応じて定まる所定の大きさ以上の転倒モーメントが作用したときには、建物の浮き上がり側において、嵌合凸部18と嵌合凹部20とが離れることで、フーチング14が杭12の杭頭から浮き上がれるようにしてある。尚、図中、嵌合凸部18と嵌合凹部20との間に介装されているのは板状緩衝材、フーチング14の底面と杭12の杭頭上面の嵌合凸部18の周囲との間に介装されているのは縁切りシートであり、これらについては後に説明する。
嵌合凸部18及び嵌合凹部20の形状は、上述した水平方向の変位の阻止機能と、浮き上がり許容機能とが得られるのであれば、任意の形状とすることができるが、ただし、採用可能な様々な形状のうちでも、特に、軸心を鉛直方向に向けた円錐台形または角錐台形の形状とすることが好ましい。また、良好に機能する基礎を実現するためには、嵌合凸部18及び嵌合凹部20を高精度で画成することが望まれる。鉄筋コンクリート造で、円錐台形または角錐台形の凸部ないし凹部を高精度で画成する作業は、従来の型枠を使用した工法では非常な困難が伴うが、本発明を用いることでその作業を極めて容易に実施することができる。
図2は、図1の基礎10を構築する上で使用するプレキャスト・コンクリート(PC)製の部材の具体例を示した図であり、Aは第1の具体例の平面図、Bは同側面図、Cは第2の具体例の平面図、Dは同側面図、Eは第1及び第2の具体例の断面図、Fは第1及び第2の具体例の変更例を示した断面図である。図2に示したPC部材は、嵌合凸部18を画成する部材であるため、以下、これらをPC製嵌合凸部画成部材と称する。
図2のA及びBに示した第1の具体例に係るPC製嵌合凸部画成部材22は、嵌合凸部18及び嵌合凹部20の形状を、軸心を鉛直方向に向けた八角錐台の形状とする場合に使用するものである。PC製嵌合凸部画成部材22は、上方部分である嵌合凸部画成部分28と下方部分である基根部分30とを備えている。基根部分30の下面から複数本の鉄筋32が延出しており、それら鉄筋32は下方へ延出した後に水平方向へ放射状に広がっている。嵌合凸部画成部分28は、軸心を鉛直方向に向けた八角錐台の形状を有し、基根部分30は、軸心を鉛直方向に向けた八角柱の形状を有する。
図2のC及びDに示した第2の具体例に係るPC製嵌合凸部画成部材24は、嵌合凸部18及び嵌合凹部20の形状を、軸心を鉛直方向に向けた円錐台の形状とする場合に使用するものである。第1の具体例に係るPC製嵌合凸部画成部材22との相違は、上方部分である嵌合凸部画成部分34が、軸心を鉛直方向に向けた円錐台の形状を有し、下方部分である基根部分36が、軸心を鉛直方向に向けた円柱の形状を有することである。その他の点は、第1の具体例に係るPC製嵌合凸部画成部材22と同じであり、基根部分36の下面からは、同様に複数本の鉄筋32が延出している。尚、本発明に使用するPC製嵌合凸部画成部材の形状は、嵌合凸部18及び嵌合凹部20の設計形状に応じて定まるものであり、以上に例示した形状に限定されるものではない。
図2のEは、PC製嵌合凸部画成部材22、24の鉄筋32の配筋を示した断面図であり、複数本の鉄筋32が、3本のフープ筋を介して相互に組付けられている。鉄筋32の配筋は、図2のEに示したものに限られない。例えば、図2のFは、PC製嵌合凸部画成部材22、24の変更例を示したものであり、この図のように、鉄筋32をPC製嵌合突部画成部材22、24の外周部近傍から延出させるようにしてもよい。この変更例においては、放射状に配設された複数本の鉄筋32が、4本のフープ筋を介して相互に組付けられている。
以下に、本発明の好適な実施の形態に係る建物の基礎構造の構築方法の具体例を、その各段階を示した図3〜図9を参照して説明する。尚、ここでは、図2のA及びBに示したPC製嵌合凸部画成部材22を使用した場合、並びに、図2のFに示したPC製嵌合凸部画成部材22を使用した場合に即して説明する。
この具体例の方法においては、先ず、PC製嵌合凸部画成部材22を工場で製作し、現場へ運搬する。現場では杭12を場所打ちコンクリート杭として構築する。その際に、先ず、図3に示すように、杭主筋40を有する場所打ちコンクリート杭12の先打ち部42を打設する。この先打ち部42は、場所打ちコンクリート杭12の全体のうちの、杭頭部を除いた本体部分であり、図3における想像線は、杭12が完成したときの杭頭部の形状を示したものである。
次に、図4に示すように、先打ち部42の上面にPC製嵌合凸部画成部材22を支持するための複数のスペーサ44を配置する。このとき、先打ち部42の上面が荒れていて、スペーサ44を落ち付かせにくいようであれば、先打ち部42の上面を適当にはつるとよい。スペーサ44は、PC製嵌合凸部画成部材22のコンクリート部分の底面を支持するよりも、鉄筋32を支持するようにする方が、スペーサ44の設置作業を行いやすい。また、その場合には、スペーサ44の配置を、PC製嵌合凸部画成部材22の鉄筋32の形態に合わせることになる。図4のAは、図2のA及びBに示したPC製嵌合凸部画成部材を使用する場合のスペーサ44の配置を示し、図4のBは、図2のFに示したPC製嵌合凸部画成部材を使用する場合のスペーサの配置を示した。
続いて、図5に示すように、先打ち部42の上面に、スペーサ44を介してPC製嵌合凸部画成部材22を設置する。PC製嵌合凸部画成部材22の設置位置は、高い精度をもって目標位置に合わせる必要があるが、このように先打ち部42の上面にスペーサ44を介して設置する方法を用いるならば、極めて容易に高い精度を出すことができる。尚、スペーサ44は、図4及び図5には模式的に三角形で示したが、実際には高さ調節のし易い適宜の形状のものを使用し、また必要に応じて、高さの微調整用の薄板などを併せて用いるようにしてもよい。更に、杭12の先打ち部42から突出した杭主筋40の上方突出部に、フープ筋45を緊結する。図5は以上が完了した状態を示しており、図5のAは、杭頭の平面図、図5のBは、図2のA及びBに示したPC製嵌合凸部画成部材を使用した場合の杭頭の断面側面図、図4のCは、図2のFに示したPC製嵌合凸部画成部材を使用した場合の杭頭の断面側面図である。
続いて、杭頭部を画成するための不図示の型枠を組み、そして、杭主筋40の上方突出部と、PC製嵌合凸部画成部材22の下面から延出した鉄筋32と、PC製嵌合凸部画成部材22の下方部分である基根部分30とをコンクリートで包持するようにして、場所打ちコンクリート杭12の後打ち部46を打設し、型枠を取外すことで、場所打ちコンクリート杭12の構築を完了する。図6は以上が完了した状態を示しており、図6のAは、完成した杭12の杭頭の平面図であり、図6のBは、図2のAに示したPC製嵌合凸部画成部材22を使用した場合の完成した杭12の杭頭の断面側面図、図6のCは、図2のFに示した変更例に係るPC製嵌合凸部画成部材22を使用した場合の完成した杭12の杭頭の断面側面図である。
尚、嵌合凸部18の作成については、PC製嵌合凸部画成部材を使用せずに、嵌合凸部18に配筋する鉄筋と既製の型枠とを現場で杭12の先打ち部42の杭頭に設置して、後打ち部46のコンクリートを打設する際に嵌合凸部18を一体に画成する方法を採用することも可能であるが、嵌合凸部18の寸法及び形状を高精度のものとする上では、PC製嵌合凸部画成部材を使用することが好ましい。
こうして杭12が完成したならば、続いて、図7に示すように、PC製嵌合凸部画成部材の嵌合凸部画成部分で画成された嵌合凸部18の表面に、クロロブレンゴムの板材などから成る板状緩衝材48を接着剤などを用いて貼着する。この板状緩衝材48は、地震発生時に杭頭から浮き上がったフーチング14が再び着座する際の衝撃を吸収するためのものである。また、嵌合凸部18の周囲の杭12の杭頭の上面に、コンクリートの剥離が容易なビニールなどの縁切りシート50を貼着する。尚、板状緩衝材48も、その表面にコンクリートを打設したときに、そのコンクリートの剥離が容易なものであって、従って、縁切りシートとしての機能も果たすものである。また、以上の構成の変更例として、嵌合凸部18の周囲の杭12の杭頭の上面に、縁切りシート50を貼着する替わりに、そこにも板状緩衝材を貼着するようにしてもよい。
更に、嵌合凸部18の頂部に貼着した板状緩衝材48と嵌合凸部18の斜面部分に貼着した板状緩衝材48との間の隙間にコーキング材51を充填し、嵌合凸部18の斜面部分に貼着した板状緩衝材48と縁切りシート50との間の隙間にもコーキング材51を充填する。使用するコーキング材は、充填時に板状緩衝材48及び縁切りシート50に強力に付着し、また、硬化後にその表面にコンクリートを打設したときに、そのコンクリートの剥離が容易なものを使用する。
次に、図8に示すように、フーチング14の下面側の鉄筋組立体54を、スペーサ52を介して杭12の杭頭上に設置する。この鉄筋組立体54は、フーチング14の底面に対応した格子状に鉄筋を組んだ部分と、嵌合凹部20に対応した放射状に鉄筋を組んだ部分とを含んでおり、工場などで予め組立てたものを現場に運搬するようにすれば、作業能率を上げることができる。尚、図8のAは、鉄筋組立体54の配筋形態を示した模式図であり、同図において、鉄筋組立体54の周囲の点線は、完成後のフーチング14の輪郭を示している。図8のBは、杭頭の一部断面側面図である。
次に、図9に示すように、鉄筋組立体54に、フーチング14の側面側及び上面側の鉄筋56を緊結して固定する。この後、フーチング14の底面のうちの杭12の周囲部分、側面、及び上面を画成するための型枠(不図示)を組み、コンクリートを打設し、型枠を取外すことで、図1に示した、場所打ちコンクリート造のフーチング14の構築を完了する。この方法によれば、杭頭に嵌合凸部18を設けた杭12を先に構築し、しかる後に、完成した杭12の杭頭を型枠の一部として利用して場所打ちコンクリート造のフーチング14を打設するようにしているため、嵌合凹部22並びにフーチング14の底面を、極めて容易な作業で、高い精度をもって画成することができる。
また、以上に説明した実施の形態に係る方法によれば、杭頭の嵌合凸部18の部分だけをPC製嵌合凸部画成部材22としてPC化しているため、PC部材の軽量化及び小型化が図れ、運搬及び現場での設置作業が容易であり、嵌合凸部18の位置に関しても容易に高い精度を出すことができる。更に、嵌合凸部18に板状緩衝材48を貼着した上で、フーチング14を打設しているため、板状緩衝材48とフーチング14の嵌合凹部20とのなじみがよく、嵌合凹部20から嵌合凸部18に作用する剪断荷重による応力が均等に伝わることから、フーチング14に作用する水平方向か銃に対する高い抵抗力が得られる。
10……基礎、12……場所打ちコンクリート杭、14……フーチング、18……嵌合凸部、20……嵌合凹部、22……PC製嵌合凸部画成部材、24……PC製嵌合凸部画成部材、32……PC製嵌合凸部画成部材の鉄筋、40……杭主筋、42……杭の先打ち部、44……スペーサ、46……杭の後打ち部、48……板状緩衝材、50……縁切りシート、51……コーキング材、52……スペーサ、54……鉄筋組立体。

Claims (8)

  1. 杭と該杭に支持されたフーチングとを備えた建物の基礎構造であって、前記杭の杭頭上面に嵌合凸部を設け、前記フーチングの下面に嵌合凹部を設け、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが嵌合することで前記杭と前記フーチングとの間の相対的な水平方向の変位が阻止される一方で、前記建物に所定大きさ以上の転倒モーメントが作用したときには前記嵌合凹部と前記嵌合凸部とが離れることで前記フーチングが前記杭の杭頭から浮き上がれるようにした建物の基礎構造において、
    前記杭は、場所打ちコンクリート杭の杭頭に、前記嵌合凸部を画成するプレキャスト・コンクリート(PC)製の部材であるPC製嵌合凸部画成部材を接合することで構築されており、
    前記フーチングは場所打ちコンクリート造のフーチングであり、完成した前記杭の杭頭を型枠の一部として利用して打設されることで、該フーチングの下面に前記嵌合凹部が画成されている、
    ことを特徴とする建物の基礎構造。
  2. 前記PC製嵌合凸部画成部材は、上方部分である嵌合凸部画成部分と下方部分である基根部分とを備え、前記基根部分の下面から複数本の鉄筋が延出していることを特徴とする請求項1記載の建物の基礎構造。
  3. 前記PC製嵌合凸部画成部材の前記嵌合凸部画成部分は、軸心を鉛直方向に向けた角錐台または円錐台の形状を有し、前記PC製嵌合凸部画成部材の前記基根部分は、軸心を鉛直方向に向けた角柱または円柱の形状を有することを特徴とする請求項2記載の建物の基礎構造。
  4. 前記場所打ちコンクリート杭は、前記PC製嵌合凸部画成部材を杭頭に設置する前に打設する先打ちコンクリート部と、前記PC製嵌合凸部画成部材を杭頭に設置した後に打設する後打ちコンクリート部とを含み、該後打ちコンクリート部は、前記PC製嵌合凸部画成部材の下面から延出した前記鉄筋と、前記PC製嵌合凸部画成部材の前記基根部分とを包持していることを特徴とする請求項2記載の建物の基礎構造。
  5. 前記嵌合凸部の表面に板状緩衝材が貼着され、前記嵌合凸部の周囲の前記杭の杭頭の上面にコンクリートの剥離が容易な縁切りシートまたは板状緩衝材が貼着されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の建物の基礎構造。
  6. 杭と該杭に支持されたフーチングとを備えた建物の基礎構造であって、前記杭の杭頭上面に嵌合凸部を設け、前記フーチングの下面に嵌合凹部を設け、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが嵌合することで前記杭と前記フーチングとの間の相対的な水平方向の変位が阻止される一方で、前記建物に所定大きさ以上の転倒モーメントが作用したときには前記嵌合凹部と前記嵌合凸部とが離れることで前記フーチングが前記杭の杭頭から浮き上がれるようにした建物の基礎構造の構築方法において、
    杭頭に前記嵌合凸部を設けた前記杭を構築し、しかる後に、完成した前記杭の杭頭を型枠の一部として利用して場所打ちコンクリート造のフーチングを打設することで、下面に前記嵌合凹部が画成された前記フーチングを構築する、
    ことを特徴とする建物の基礎構造の構築方法。
  7. 前記杭を構築する際に、
    前記嵌合凸部を画成する部材であって、下面から鉄筋が延出したプレキャスト・コンクリート(PC)製の部材であるPC製嵌合凸部画成部材を製作し、
    杭主筋を上方へ突出させて場所打ちコンクリート杭の先打ち部を打設し、
    前記先打ち部の上面にスペーサを介して前記PC製嵌合凸部画成部材を設置し、
    前記杭主筋の上方突出部と、前記PC製嵌合凸部画成部材の下面から延出した鉄筋と、前記PC製嵌合凸部画成部材の下方部分とをコンクリートで包持するようにして、前記場所打ちコンクリート杭の後打ち部を打設して、前記杭を構築する、
    ことを特徴とする請求項6記載の建物の基礎構造の構築方法。
  8. 前記杭が完成した後に、前記嵌合凸部の表面に板状緩衝材を貼着し、前記嵌合凸部の周囲の前記杭の杭頭の上面にコンクリートの剥離が容易な縁切りシートまたは板状緩衝材を貼着し、その後に前記場所打ちコンクリート造のフーチングを打設することを特徴とする請求項7記載の建物の基礎構造の構築方法。
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