JP2011016685A - 樹脂被覆粒状肥料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂被覆粒状肥料の優れた製造方法を提供すること
【解決手段】粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させて樹脂被覆粒状物とする工程を有してなる製造方法により、樹脂被覆粒状肥料を製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂被覆粒状肥料の製造方法に関する。
従来、農業就労者の高年齢化、就労者数の減少、兼業農家の増加から、より省力型で植物の成長にあわせ所定の時期に溶出させるために種々の肥効調整型被覆肥料が提案されている。古くは粒状肥料を樹脂やワックス、あるいは硫黄などで被覆、カプセル化して肥料の溶出速度を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−202683号公報
しかしながら、樹脂被覆粒状肥料に関しては、粒状肥料の表面を樹脂で被覆するために未硬化熱硬化性樹脂を硬化させる際に、転動状態に付す方法が知られているが、粒状肥料どうしの固着、或いは、粒状肥料の転動装置への付着などを生じるため均質な樹脂被覆粒状肥料の効率的な製造を行う上では、必ずしも満足できるものではなく、新たな製造方法が求められていた。
本発明は、樹脂被覆粒状肥料の優れた製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、樹脂被覆粒状肥料の優れた製造方法を見出すべく検討の結果、本発明を見出すに至った。
すなわち本発明とは、次の通りである。
〔1〕 粒状肥料の表面部に、熱硬化性樹脂を含有する樹脂被覆層が設けられてなる樹脂被覆粒状肥料の製造方法であって、
粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させて樹脂被覆粒状物とする工程を有してなる製造方法。
〔2〕 樹脂被覆粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させる工程をさらに有してなる〔1〕記載の製造方法。
〔3〕 転動状態における温度が60〜80℃である〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。
〔4〕 37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンの保持量が、粒状肥料100重量部に対して、0.1〜10重量部である〔1〕〜〔3〕いずれか一項記載の製造方法。
〔5〕 未硬化熱硬化性樹脂の添加量が、粒状肥料100重量部に対して4〜18重量部である〔1〕〜〔4〕いずれか一項記載の製造方法。
〔6〕 未硬化熱硬化性樹脂が、未硬化ウレタン樹脂又は未硬化エポキシ樹脂である〔1〕〜〔5〕いずれか一項記載の製造方法。
〔7〕 未硬化熱硬化性樹脂が、ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートである〔1〕〜〔6〕いずれか一項記載の製造方法。
〔8〕 粒状肥料の平均粒径が、1〜5mmである〔1〕〜〔7〕いずれか一項記載の製造方法。
〔9〕 樹脂被覆層の平均膜厚が、1〜100μmである〔1〕〜〔8〕いずれか一項記載の製造方法。
〔10〕 粒状肥料が、粒状尿素である〔1〕〜〔9〕いずれか一項記載の製造方法。
本発明の樹脂被覆粒状肥料の製造方法により、粒状肥料への樹脂被覆時の粒子間の凝集及び転動装置への粒子の付着等の発生を抑制し粒子ごとにより均質に樹脂被覆層を設けることができるので、含有される粒子ごとの溶出パターンのばらつきが抑制され、均質な樹脂被覆粒状肥料を提供することができる。
本発明の樹脂被覆粒状肥料の製造方法とは、粒状肥料の表面部に、熱硬化性樹脂を含有する樹脂被覆層が設けられてなる樹脂被覆粒状肥料の製造方法であって、
粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させて樹脂被覆粒状物とする工程を有してなる製造方法である。
本発明に用いられる粒状肥料とは、従来の肥料の粒状物のいずれであってもよく、その具体例としては、尿素、硫安、塩安、燐安、硝安、石灰窒素、硝酸ソーダ、アセトアルデヒド縮合尿素等の窒素質肥料、焼成りん肥、加工燐酸肥料、重加燐酸石灰、混合燐酸肥料等の燐酸質肥料、塩化加里、硫酸加里苦土、重炭酸加里、けい酸加里肥料等の加重質肥料、燐酸加里肥料、硝酸加里肥料、硝酸加里肥料等の化成肥料、又は有機質肥料など、さらにこれらの肥料の混合物をそれ自体公知の方法により造粒した粒状肥料を挙げることができる。粒状肥料の粒径に特に限定はないが、通常は0.1〜15mmの範囲であり、1〜5mmであることが製造上好ましい範囲である。また粒状肥料の形状としては、例えば、球状及び円柱状が挙げられるが、未硬化熱硬化性樹脂を硬化により粒状肥料表面上に形成される被覆層の均質性の点からは、球状であることが好ましい。
本発明に用いられる37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンとは、日本工業規格JIS K2283に定められる測定方法により求められる動粘度が前記の数値である流動パラフィンである。本発明において用いられる流動パラフィンとしては、例えば、モレスコホワイトP−350P(37.78℃における動粘度 75.5mm2/S、株式会社松村石油研究所)、モレスコホワイトP−260(37.78℃における動粘度 56.0mm2/S、株式会社松村石油研究所)が挙げられる。
かかる37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンは、粒状肥料100重量部に対して、通常0.1〜10重量部の割合で保持される。
本発明において、粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物とは、予め転動状態にある粒状肥料に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンを添加し、転動状態を維持することにより粒状肥料の各粒子の表面に満遍なく前記流動パラフィンを保持せしめることにより製造することができる。また、粒状肥料と37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンとを混合した後、該混合物を転動状態に付すことによっても製造することができる。該粒状物は前記したいずれの方法によっても転動状態となるため、転動状態を維持したまま次に未硬化熱硬化性樹脂を添加混合することができる。
かかる粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物を製造する方法で適用される温度は、粒状肥料と37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンとの混合の程度により適宜設定しうるものであるが、通常は40〜100℃程度であり、好ましくは60〜80℃程度である。
転動状態とする方法としては、特に装置に制限はなく公知、慣用のものを用いることができるが、例えば、回転パン、回転ドラムなどを例示することができる。なお、該装置に加温設備を敷設されたものは、本発明の製造方法における高精度化や加工時間の調整に好適である。
本発明に用いられる未硬化熱硬化性樹脂を硬化させることにより樹脂被覆層を形成する熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。
樹脂被覆層を形成する熱硬化性樹脂がウレタン樹脂である場合についてさらに説明すると、ウレタン樹脂とはポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させることにより3次元架橋させた樹脂の総称であるが、本発明で未硬化熱硬化性樹脂の一種として用いられる未硬化ウレタン樹脂とは、該ポリイソシアネート化合物と該ポリオール化合物との混合物であり、全く反応させていないか、あるいは3次元化しない程度に予め一部を硬化反応させたものをいう。硬化反応の促進のために触媒を添加しておくことも有用な技術である。該未硬化熱硬化性樹脂の形態としては無溶媒型、溶液型、水系エマルジョン型等何れでも良いが、特に無溶剤型で、かつ加工温度において液状であるものが好適である。
ポリイソシアネ−ト化合物の例としては、例えば芳香族イソシアネート化合物が挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としては、具体的には例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の2つのイソシアネート基及びベンゼン環を有する化合物、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)等の2つのイソシアネート基及びナフタレン環を有する化合物が挙げられる。
ポリオ−ル化合物の例としては、多価アルコ−ル、アミノアルコ−ル、アミンを開始剤として用い、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重付加して得られるポリエ−テルポリオ−ル;テトラヒドロフランを重合して得られるポリテトラメチレンエ−テルグルコ−ルなどのポリエ−テルポリオ−ル;多価アルコ−ルとポリエ−テルポリオ−ルとカルボン酸化合物を反応させる等の方法により得られるポリエステルポリオ−ル;等が挙げられる。また、生分解性を考慮してOH基含有の天然物、またはその変性物を用いることも可能である。
ポリオール化合物のうち、ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子ポリオールとε−カプロラクトンを開環重合させることにより得られるポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとは、原料として用いられる低分子ポリオールの種類及びε−カプロラクトンの重合度により、得られるポリカプロラクトンの種類が異なる。1分子中の水酸基の数が2又は3であるポリカプロラクトンポリオール(ポリカプロラクトンジオール又はポリカプロラクトントリオール)の典型的な構造を次に示す。該ポリカプロラクトンポリオールは分子中に(1−オキソヘキサ−1,6−ジイル)オキシ構造(−C(=O)−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−O−)を1以上有するポリオールである。
Figure 2011016685
〔上記の式中、mは0以上の整数、nは1以上の整数、R1は2価の有機残基(例えば、エチレン基等)を表す。〕
Figure 2011016685
〔上記の式中、mおよびpは0以上の整数、nは1以上の整数、R2は3価の有機残基(例えば、プロパン−1,2,3−トリイル基)を表す。〕
例えば、エチレングリコール1分子にε−カプロラクトン6分子が開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオールの構造は、例えば以下の構造となる。
Figure 2011016685
このポリカプロラクトンポリオールにおけるオキシカルボニル[−O−C(=O)−]部分構造の重量割合は35%である。
(44×6)/(62+114×6)=0.354
〔ε−カプロラクトン及びエチレングリコールの分子量はそれぞれ114及び62であり、オキシカルボニル部分構造は分子量換算で44であるとした。〕
また、このポリカプロラクトンポリオールにおける水酸基当量は373である。
(62+114×6)/2=373
〔ポリカプロラクトンポリオールの分子量を水酸基の数の2で除した。〕
ポリカプロラクトンポリオールの製造において、原料として用いられる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等のジオール化合物、並びに、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリメチロールプロパン)、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、グリセリン及びトリエタノールアミン等のトリオール化合物が挙げられる。
ポリオール化合物のうち、生分解性を考慮して用いられるOH基含有の天然物、またはその変性物としては、例えば、ヒマシ油が挙げられ、ポリオール化合物として、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとヒマシ油とを用いることにより、樹脂被覆粒状肥料としての溶出抑制と生分解性とに優れたウレタン樹脂被覆層を形成することができる。
また、樹脂被覆層を形成する熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合についてさらに説明すると、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、フェノール系化合物変性エポキシ樹脂、多官能アルコールのモノ又は多官能グリシジルエーテル、多官能カルボン酸のモノ又は多官能グリシジルエステル等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の市販品としては、例えばジャパン エポキシ レジン社製のjER(登録商標)815、同828、同834、同1001、同1004、同1007、同1009;東部化成社製のエポトートYD127、同128、同134、同171、同172、同715、同716、同011、同014、同017、同019、エポトートYDF170、同180、エポトートYDPN638;ナガセケムテックス社製のデナコールEX810、同211、同212、同721、同313、同321、同421、同512、同611が挙げられる。
本発明の樹脂被覆粒状肥料の製造方法においては、粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、転動状態を維持することにより未硬化熱硬化性樹脂を硬化させて樹脂被覆粒状物とする工程(以下、工程Aと記す場合がある。)を有する。
当該工程に用いられる37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物は、前記した方法により転動状態で製造されたものを、そのまま転動状態を維持した状態で用いることができる。当該工程は、かかる転動状態にある、粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物に対して、未硬化熱硬化性樹脂を添加して転動状態を維持することにより行われるが、その温度は未硬化熱硬化性樹脂の種類や粒状物の大きさ等に応じて適宜設定されるものであるが、通常は転動状態にある回転槽内の温度が40〜100℃の範囲であり、好ましくは60〜80℃の範囲である。また、未硬化熱硬化性樹脂の添加後の転動状態は、未硬化熱硬化性樹脂が硬化し、樹脂被覆粒状物が粒子どうしの付着が生じなくなる程度まで維持されるが、その時間は通常は1〜30分間程度、製造効率の点からは1〜10分間程度である。
本発明の樹脂被覆粒状肥料の製造方法においては、前記した工程で得られる樹脂被覆粒状物を取り出し、樹脂被覆粒状肥料としてそのまま用いることもできるが、さらに前記した工程により得られる樹脂被覆粒状物に、転動状態での未硬化熱硬化性樹脂の添加混合及び転動状態を維持させることにより未硬化熱硬化性を硬化させる工程(以下、工程Bと記す場合がある。)を行うことにより、樹脂被覆層の膜厚の調整などを行うこともできる。
本工程では、その前工程により転動状態で製造される樹脂被覆粒状物を、そのまま転動状態を維持することにより用いることができる。本工程に用いられる未硬化熱硬化性樹脂は、前工程に用いられる未硬化熱硬化性樹脂と同種でも相異なっていてもよいが、製造効率の点から、通常は同種の未硬化性熱硬化性樹脂が用いられる。
本工程における温度は、未硬化熱硬化性樹脂の種類や樹脂被覆粒状物の大きさ等に応じて適宜設定されるものであるが、通常は転動状態にある回転槽内の温度が40〜100℃の範囲であり、好ましくは60〜80℃の範囲である。また、未硬化熱硬化性樹脂の添加後の転動状態は、未硬化熱硬化性樹脂が硬化し、樹脂被覆粒状物が粒子どうしの付着が生じなくなる程度まで維持されるが、その時間は通常は1〜30分間程度、製造効率の点からは1〜10分間程度である。
本発明の樹脂被覆粒状肥料の製造方法に用いられる未硬化熱硬化性樹脂の添加量は、用いられる粒状肥料の大きさ、形状及び製造される樹脂被覆粒状肥料に求められる溶出制御の程度により適宜設定されるものであるが、工程A、及び、必要に応じて行われる工程Bで用いられる未硬化熱硬化性樹脂の合計量で、粒状肥料100重量部に対して通常2〜30重量部程度、好ましくは4〜18重量程度であり、本発明により製造される樹脂被覆粒状肥料における樹脂被覆層の平均膜厚は、通常1〜100μm程度である。
本発明において、未硬化熱硬化性樹脂が未硬化ウレタン樹脂である場合には、該ポリイソシアネート化合物と該ポリオール化合物との混合物に、さらに触媒を添加することにより、反応速度を加速することもできる。かかる触媒としては、例えば、酢酸カリ、酢酸カルシウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチオチン酸、オクチル酸第一チン、ジ−n−オクチルチンジラウレート、イソプロピルチタネート、ビスマス2−エチルヘキサノエート、ホスフィン、Znネオデカノエート等の有機金属、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルジドデシルアミン、N−ドデシルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、テトラブチルチタネート、オキシイソプロピルバナデート、n−プロピルジルコネート、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン触媒が挙げられる。
次に本発明を製造例等の実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
製造例1
平均分子量が1200のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業製、商品名:Placcel212) 1859.0gを70℃にて加熱溶融し、70℃に加温したひまし油(豊国製油製、商品名:工業用一号ひまし油)1308.5g及び1,4−ブタンジオール(BASF出光製、商品名:1,4−BDO) 279.5gと混合し、ポリオール混合物を得た。
一方、粒状尿素(大粒尿素、粒径約3mm、球状、1g当たりの粒数約60個)50000gを回転槽に仕込み、転動状態にして、該粒状尿素を熱風により約66℃まで加熱した後、流動パラフィン(松村石油研究所製、商品名:モレスコホワイトP−350P、37.78℃における動粘度:76mm2/S) 500gを添加し、10分間転動状態を継続し、粒状尿素の表面に前記流動パラフィンが保持されてなる粒状物を調製した。転動状態を保持した状態で、ここに70℃に加温した前記ポリオール混合物689.4gと、70℃に加温した芳香族ジイソシアネート(住化バイエルウレタン製、商品名:Sumidur44S)310.7gとを素早く撹拌混合した未硬化ポリウレタンを添加し、8分間以上、加熱条件下で転動状態を維持した。さらに、前記未硬化ポリウレタンの添加、及び、加熱条件下での転動状態の維持を、未硬化ウレタン樹脂の総量が5000.5gになるまで繰り返した。その後、室温付近まで冷却し、ウレタン樹脂被覆粒状肥料を得た。
該製造工程を通じて、顕著な粒状物どうしの凝集及び粒状物の回転槽内壁への付着は観察されず、回転槽内の粒状物の転動状態は良好であった。
製造例2
流動パラフィンとして、モレスコホワイトP−350Pの代わりにモレスコホワイト P−260(松村石油研究所製、37.78℃における動粘度:56mm2/S)を用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、ウレタン樹脂被覆粒状肥料を得た。
該製造工程を通じて、顕著な粒状物どうしの凝集及び粒状物の回転槽内壁への付着は観察されず、回転槽内の粒状物の転動状態は良好であった。
比較製造例1
流動パラフィンとして、モレスコホワイトP−350Pの代わりにモレスコホワイト P−200(松村石油研究所製、37.78℃における動粘度:43mm2/S)を用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、ウレタン樹脂被覆粒状肥料を得た。
該製造工程を通じて、顕著な粒状物どうしの凝集した塊状物の生成と、また顕著な粒状物の回転槽内壁への付着との発生が観察された。

Claims (10)

  1. 粒状肥料の表面部に、熱硬化性樹脂を含有する樹脂被覆層が設けられてなる樹脂被覆粒状肥料の製造方法であって、
    粒状肥料の表面に、37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンが保持されてなる粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させて樹脂被覆粒状物とする工程を有してなる製造方法。
  2. 樹脂被覆粒状物に、転動状態で未硬化熱硬化性樹脂を添加混合し、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させる工程をさらに有してなる請求項1記載の製造方法。
  3. 転動状態における温度が60〜80℃である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 37.78℃における動粘度が50〜90mm2/Sである流動パラフィンの保持量が、粒状肥料100重量部に対して、0.1〜10重量部である請求項1〜3いずれか一項記載の製造方法。
  5. 未硬化熱硬化性樹脂の添加量が、粒状肥料100重量部に対して4〜18重量部である請求項1〜4いずれか一項記載の製造方法。
  6. 未硬化熱硬化性樹脂が、未硬化ウレタン樹脂又は未硬化エポキシ樹脂である請求項1〜5いずれか一項記載の製造方法。
  7. 未硬化熱硬化性樹脂が、ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートである請求項1〜6いずれか一項記載の製造方法。
  8. 粒状肥料の平均粒径が、1〜5mmである請求項1〜7いずれか一項記載の製造方法。
  9. 樹脂被覆層の平均膜厚が、1〜100μmである請求項1〜8いずれか一項記載の製造方法。
  10. 粒状肥料が、粒状尿素である請求項1〜9いずれか一項記載の製造方法。
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