JP2012046381A - 樹脂被覆粒状肥料の製造方法 - Google Patents

樹脂被覆粒状肥料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定重量当たりに占める肥料成分量の低下が少なく、肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された、すなわち肥料成分の溶出速度が制御され、肥料成分の溶出が所定期間持続する樹脂被覆粒状肥料の製造方法を提供する。
【解決手段】粒状肥料表面に、室温下で液状の液体肥料および室温下で液状の鉱油を添加被覆することにより、室温下での吸水量を0.01g−水/g−肥料未満に低減した後、その表面を樹脂被覆材で被覆して樹脂被覆粒状肥料を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂被覆粒状肥料の製造方法に関する。詳しくは、肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された樹脂被覆粒状肥料の製造方法に関する。
近年、農業就労者の高年齢化、就業者数の減少、兼業農家の増加から、より省力型で植物の成長に合わせて肥料成分の溶出が所定の期間持続する肥効調節型樹脂被覆粒状肥料が要求されている。中でも肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された樹脂被覆粒状肥料が望まれている。
肥料成分の溶出を制御するための被膜欠陥の少ない樹脂被覆粒状肥料の製造方法としては、一般に樹脂被膜量を増やして被膜欠陥部分を補修して行く方法が取られている。しかしながらこの方法では、特定重量当たりに占める肥料成分量の低下および被覆材から生じるコスト高の問題がある。
被覆欠陥の少ない被覆粒状肥料のその他の製造方法として、室温下での吸水量が0.003g−水/g−肥料以上である粒状肥料表面に、室温下で液状の鉱油を添加被覆することにより、室温下での吸水量を0.01g―水/g−肥料未満とした粒状肥料を用いる方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながらこの方法においても、吸水量に応じて鉱油の添加量を調整するため、吸水量の大きい粒状肥料ほど鉱油の添加量が増えることから、特定重量当たりに占める肥料成分量が低下するという問題がある。
特開2009−215129(2009年9月24日公開)
本発明は、特定重量当たりに占める肥料成分量の低下が比較的少なく、肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された、すなわち肥料成分の溶出速度が制御され、肥料成分の溶出が所定期間持続する樹脂被覆粒状肥料を製造する方法を提供することにある。
かかる事情下に鑑み、本発明者等は、肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された樹脂被覆粒状肥料の製造方法について鋭意検討した結果、樹脂被膜欠陥は使用する粒状肥料の吸水量の大きいものほど多く、吸水量が小さくなるほど少なくなることを見出し、粒状肥料表面を室温下で液状の液体肥料および液状の鉱油で被覆すれば、その吸水量を容易に小さくすることが可能となり、この方法で粒状肥料の室温下での吸水量を0.01g−水/g−肥料未満とした後、その表面を樹脂被覆材で被覆処理することによって、従来法に比較して特定重量当たりに占める肥料成分量の低下が少なく、肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された樹脂被覆粒状肥料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第一は、粒状肥料表面に、室温下で液状の液体肥料および室温下で液状の鉱油を添加被覆することにより、室温下での吸水量を0.01g−水/g−肥料未満に低減した後、その表面を樹脂被覆材で被覆することを特徴とする樹脂被覆粒状肥料の製造方法である。
また、本発明の第二は、液体肥料および鉱油で被覆処理し、室温下での吸水量を0.003g−水/g−肥料未満とした後、その表面を樹脂被覆材で被覆することを特徴とする本発明第一に記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法である。
本発明の第三は、液体肥料および鉱油で被覆処理した後の、室温下での吸水量が0.001g−水/g−肥料未満であることを特徴とする本発明第一または第二に記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法である。
本発明の第四は、粒状肥料表面への液体肥料および鉱油の被覆処理が、液体肥料を被覆した後、次いで液状の鉱油を被覆することを特徴とする本発明第一〜第三のいずれか一つに記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法である。
本発明の第五は、室温下で液状の液体肥料の添加被覆量が、粒状肥料に対して0.1重量%〜10重量%、室温下で液状の鉱油の添加被覆量が、粒状肥料に対して0.1重量%〜1重量%である本発明第一〜第四のいずれか一つに記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法である。
本発明の第六は、樹脂被覆材が熱硬化性樹脂である本発明第一〜第五のいずれか一つに記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法である。
本発明の方法によって、従来法に比較して特定重量当たりに占める肥料成分量の低下が少なく、初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された樹脂被覆粒状肥料を製造することができ、その産業上の利用価値は頗る大きい。
本発明において用いる粒状肥料は、肥料成分を含有する粒状物であり、室温下での吸水量が0.01g−水/g−肥料以上のものである。
肥料成分は、水稲などの植物栽培において養分を与えるために土壌に施される窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素等の種々の元素を含有する成分であり、粒状肥料の具体例としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過燐酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リン安等のリン酸質肥料、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウム等のカリウム質肥料、珪酸カルシウム等の珪酸質肥料、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料、硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料、ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ酸質肥料等の肥料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)、および/またはこれらに粒状物の組合せによって得られる窒素―リン酸、窒素―加里、およびリン酸―加里の2成分系、窒素―リン酸―加里の3成分系、あるいはこれらにマグネシウム、マンガン、ホウ素等の植物の生育に必要な要素を含有させた粒状肥料が挙げられる。中でも化成肥料は常温下での吸水量が通常約0.01g−水/g−肥料〜0.06g−水/g−肥料であり、本発明方法は常温下での吸水量が比較的高い化成肥料に対し特に好適である。
粒状肥料の粒径は特に限定はないが、製造上の観点から通常1〜15mmの範囲であり、好ましくは2〜5mmの範囲である。
本発明で使用する液体肥料としては、室温下(通常約10〜約35℃、普通には約20〜約30℃、以下同じ)において液状のものであれば良いが、好ましいのは添加被覆する粒状肥料の肥料成分量に近いものであり、通常液体肥料として市販されているものの中から選定されたものが用いられる。これら液体肥料の具体例としては、尿素、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の窒素質肥料、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム等のリン酸質肥料、塩化カリウム、硫酸カリウム等のカリウム質肥料、および/またはこれら肥料原料物質の組み合わせによって得られる窒素―リン酸、窒素―加里、およびリン酸−加里の2成分系、窒素−リン酸−加里の3成分系、あるいはこれらにマグネシウム、ホウ素、マンガン等植物の生育に必要な要素を含有させた液体肥料が挙げられる。
本発明で使用する鉱油としては、室温下において液状のものであれば良いが、好ましいのは引火点が70℃以上の危険物第4類第3石油類であり、通常工業用として市販されているものが用いられる。
室温下で液状の液体肥料および室温下で液状の鉱油の添加被覆量は、使用する粒状肥料により一義的ではないが、通常被覆する粒状肥料に対し液体肥料は0.1重量%〜10重量%、鉱油は0.1重量%〜1重量%である。実施に際しては予備実験により被覆対象となる粒状肥料に液体肥料および鉱油で被覆処理し処理後の吸水量を測定し、所望とする吸水量範囲となる被覆量を簡単に求めることができる。被覆後の肥料の吸水量は0.01g−水/g−肥料未満、普通には0.003g−水/g−肥料未満、より好ましくは0.001g−水/g−肥料未満に調節し得る。被覆処理方法としては特に制限されるものではなく、当該分野で公知の方法が適用し得る。一般的には、転動型の回転円筒や回転皿等の装置で、粒状肥料を転動させながら、これにスプレー添加、混合して被覆する方法が用いられる。
本発明においては、粒状肥料表面への液体肥料および鉱油の被覆順序は、肥料成分の溶出制御性能発現の点から、液体肥料で被覆処理し、次いで鉱油で被覆処理する方法が採用される。
前記処理方法で、室温下での吸水量を0.01g−水/g−肥料未満、好ましくは0.003g−水/g−肥料未満、より好ましくは0.001g−水/g−肥料未満とした粒状肥料の被覆処理物の表面を被覆処理する樹脂被覆材としては、主に熱硬化性樹脂が使用される。熱硬化性樹脂としては、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等が使用され、中でもウレタン樹脂が好ましく用いられる。ウレタン樹脂はポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により3次元架橋することにより生成するものである。また、ポリイソシアネート化合物を2種類以上および/またはポリオール化合物を2種類以上混合して用いることもできる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えばトルエンジイソシアネート(以下、TDIと略称することがある。)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDIと略称することがある。)、ナフタレンジイソシアネート、トリジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を挙げることができ、必要に応じてこれらの混合物を用いることができる。中でも、MDI、TDIまたはこれらから誘導されるオリゴマー体(ポリメリックMDI、ポリメリックTDI等)が好適に用いられる。
ポリイソシアネート化合物と反応させるポリオール化合物としては、前記と同様の例えばアミノアルコール、アミン等を開始剤として用い、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドとを重付加して得られるポリエーテルポリオール、テトラヒドロフランを重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテル型ポリオール、イサノ油やひまし油等の水酸基を保有する天然油脂や多価アルコールとポリエーテルポリオールとカルボン酸化合物を反応させる等の方法で得られるポリエステル型ポリオール等が挙げられる。
使用するポリイソシアネート化合物に由来するNCO基とポリオール化合物に由来するOH基の当量比、いわゆるNCO/OHは、通常0.9〜1.2の間で調整される。
ウレタン樹脂原料の硬化促進の目的で添加される触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N,N−ジメチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール、ジアザビシクロオクタン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノミチル)フェノール等のアミン系触媒、尿素等のアンモニア誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズマレート等の有機スズ化合物が挙げられる。中でもアミン系触媒が好適に用いられる。これら触媒の量は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の総重量に対して、通常、0.05〜5重量%程度である。
樹脂被覆材の量は、所望する溶出速度、溶出期間に応じて適宜調節される。通常は、粒状肥料に対して2〜15重量%の範囲内において行なわれる。
樹脂被覆材の被覆処理方法としては特に制限されるものではなく、当該分野で公知の方法が適用し得る。一般的には、温度制御可能な転動型の回転円筒や回転皿等の装置に、前記処理方法で、室温下での吸水量を0.01g−水/g−肥料未満、好ましくは0.003g−水/g−肥料未満、より好ましくは0.001g−水/g−肥料未満とした粒状肥料の被覆処理物を供給して転動させながら、これに液状の熱硬化性樹脂を添加被覆し、次いで熱硬化させて被覆処理する方法が用いられる。
本発明の方法によって、初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御された樹脂被覆粒状肥料が得られる理由は定かでないが、以下のように推察される。
従来の樹脂被覆法では、粒状肥料の細孔の有る部分と無い部分で樹脂の被膜の状態が不均一となる。細孔径が大きく、かつ吸水量の大きい場合には更に被膜の状態が不均一となり、このため被覆量に応じた溶出制御ができなくなると共に、使用する粒状肥料の吸水量が異なる度に、溶出が不安定となり、被覆量に応じた溶出制御が困難になる。
一方、本発明方法では、添加される液体肥料および鉱油が細孔に取込まれて細孔が埋められる。細孔が大きい場合は、添加される液体肥料量および鉱油量を増加することにより、細孔が完全に埋められ、結果、極めて細孔の少ない粒状肥料を得ることが出来る。このようにして得られた粒状肥料を樹脂被覆材で被覆処理する際には、樹脂被覆材は細孔に取込まれることなく被膜を重ねて行くことができることから、被膜厚が均一となり、従って、被覆量に応じた溶出制御が可能になる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%は特記しない限りすべて重量部および重量百分率を示す。
また、吸水量および肥料成分の溶出量の測定は以下の方法で行なった。
(1)吸水量の測定:
室温下に、市販のパン型造粒機(容器:ステンレス、容器寸法:240mmφ×75mm、傾斜角度:45度、回転数:50rpm)に粒状肥料300gを入れ、転動させながら電動ビュレットを使用し、水を0.01g/秒の添加速度で、転動する粒状肥料の上部より添加し、粒状肥料が転動しなくなるまで添加し、転動しなくなった時までの水量を測定し、吸水量とした。
(2)肥料成分の溶出量の測定:
20本の100mlの栓付きガラス管のそれぞれに、測定する樹脂被覆粒状肥料5gを入れ、水100mlを添加して浸漬し、栓をして25℃の恒温槽に静置した。
所定期間毎に、ガラス管を恒温槽から取り出し、溶液を化学濾紙で濾過して水中に溶出した肥料成分を定量分析し、溶出量(%)を算出した。
実施例1
(1)室温下での吸水量が、0.003g-水/g-肥料 未満の粒状肥料の被覆処理物の製造:
室温下において、転動型の被覆装置(内容量110リットルのコンクリートミキサー:光洋機械産業株式会社製)に粒状化成肥料13−13−13(室温下の吸水量:0.026g-水/g-肥料 、平均粒径3.5mm)(13−13−13はN−P−KOとしての含量%を示す)20kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を10〜20rpmで回転させ、仕込んだ粒状化成肥料を転動状態にした。この転動物の上部から、液体肥料(商品名:エクセル10、N−P−KOとしての含量%は10−10−10、住友化学株式会社製品)543.9g(420ml)をスプレー添加し被覆処理した。次いで鉱油(商品名:フッコール コーティングオイル、危険物第4類第3石油類、富士興産株式会社製品)86g(100ml)をスプレー添加し被覆処理した。得られた被覆処理物の吸水量は0.001g-水/g-肥料であった。
(2)樹脂被覆粒状肥料の製造:
前記(1)で得た吸水量0.001g-水/g-肥料の被覆処理物の表面を、以下の方法でウレタン樹脂で被覆して樹脂被覆粒状化成肥料を製造した。被覆処理物に対するウレタン樹脂の被覆量は4%とした。
室温下でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン(商標登録)TM、住友バイエルウレタン社製)208.8gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール4gを加え、30分撹拌し、混合物212.8gを得た(以下、混合物Aと記す。)。
温度制御可能な転動型の被覆装置に被覆処理物10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を10〜20rpmで回転させ、仕込んだ被覆処理物を転動状態にした。被覆処理物の温度を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(スミジュール(登録商標)44V10、住友バイエルウレタン社製)187.2gと混合物A212.8gを混合して得られる液状の未硬化ウレタン樹脂組成物を除々に添加し熱硬化させながら被覆処理した。この被覆処理に要した時間は約32分であった。
このようにして得たウレタン樹脂被覆量4%の樹脂被覆粒状化成肥料について、肥料成分溶出性能を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いたものと同じ粒状化成肥料13−13−13(室温下の吸水量:0.026g-水/g-肥料、平均粒径3.5mm)をそのまま用いて、実施例1と同様にしてウレタン樹脂の被覆量が4%の樹脂被覆粒状化成肥料を製造した。
この樹脂被覆粒状化成肥料について、肥料成分溶出性能を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
(1)室温下での吸水量が、0.003g-水/g-肥料 未満の粒状肥料の被覆処理物の製造:
室温下において、転動型の被覆装置(実施例1で用いたものと同じ)に粒状化成肥料13−8−10−5(室温下の吸水量:0.048g-水/g-肥料 、平均粒径3.3mm)(13−8−10−5はN−P−KO−MgOとしての含量%を示す)20kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を10〜20rpmで回転させ、仕込んだ粒状化成肥料を転動状態にした。この転動物の上部から、液体肥料(商品名:エクセル12、N−P−KOとしての含量%は12−10−10、住友化学株式会社製品)1122.3g(860ml)をスプレー添加し被覆処理した。次いで鉱油(商品名:フッコール コーティングオイル、危険物第4類第3石油類、富士興産株式会社製品)86g(100ml)をスプレー添加し被覆処理した。得られた被覆処理物の吸水量は0.001g-水/g-肥料であった。
(2)樹脂被覆粒状肥料の製造:
前記(1)で得た吸水量0.001g-水/g-肥料の被覆処理物の表面を、以下の方法でウレタン樹脂で被覆して樹脂被覆粒状化成肥料を製造した。被覆処理物に対するウレタン樹脂の被覆量は6%とした。
室温下でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン(商標登録)TM、住友バイエルウレタン社製)313.2gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール6gを加え、30分撹拌し、混合物319.2gを得た(以下、混合物Bと記す。)。
温度制御可能な転動型の被覆装置(実施例1で用いたと同じ)に被覆処理物10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を10〜20rpmで回転させ、仕込んだ被覆処理物を転動状態にした。被覆処理物の温度を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(スミジュール(登録商標)44V10、住友バイエルウレタン社製)280.8gと混合物B319.2gを混合して得られる液状の未硬化ウレタン樹脂組成物を除々に添加し熱硬化させながら被覆処理した。この被覆処理に要した時間は約48分であった。
このようにして得たウレタン樹脂被覆量6%の樹脂被覆粒状化成肥料について、肥料成分溶出性能を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2で用いたものと同じ粒状化成肥料(室温下の吸水量:0.048g-水/g-肥料、平均粒径3.3mm)をそのまま用いて、実施例2と同様にしてウレタン樹脂の被覆量が6%の樹脂被覆粒状化成肥料を製造した。
この樹脂被覆粒状化成肥料について、肥料成分溶出性能を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例2で用いたものと同じ粒状化成肥料(室温下の吸水量:0.048g-水/g-肥料、平均粒径3.3mm)20kgを実施例2と同様の転動型の被覆装置を用いて、鉱油(商品名:フッコール コーティングオイル、危険物第4類第3石油類、富士興産株式会社製品)200gをスプレー添加し被覆処理した。得られた被覆処理物の吸水量は0.036g-水/g-肥料 であった。次いで実施例2と同様にしてウレタン樹脂の被覆量が6%の樹脂被覆粒状化成肥料を製造した。
この樹脂被覆粒状化成肥料について、肥料成分溶出性能を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2012046381
表1に示すとおり、本発明の方法によって得られた樹脂被覆粒状肥料は、肥料成分の初期溶出が抑制され、肥料成分の溶出が制御されたものとなっている。また、本発明によれば従来法に比べて樹脂被覆量の削減が可能であり、この分肥料成分の低下を少なくすることが出来る。

Claims (6)

  1. 粒状肥料表面に、室温下で液状の液体肥料および室温下で液状の鉱油を添加被覆することにより、室温下での吸水量を0.01g−水/g−肥料未満に低減した後、その表面を樹脂被覆材で被覆することを特徴とする樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
  2. 液体肥料および鉱油で被覆処理し、室温下での吸水量を0.003g−水/g−肥料未満とした後、その表面を樹脂被覆材で被覆することを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
  3. 液体肥料および鉱油で被覆処理した後の、室温下での吸水量が0.001g−水/g−肥料未満であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
  4. 粒状肥料表面への液体肥料および鉱油の被覆処理が、液体肥料を被覆した後、次いで液状の鉱油を被覆することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
  5. 室温下で液状の液体肥料の添加被覆量が、粒状肥料に対して0.1重量%〜10重量%、室温下で液状の鉱油の添加被覆量が、粒状肥料に対して0.1重量%〜1重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
  6. 樹脂被覆材が熱硬化性樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
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