JP2011016499A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの吸気管と負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧を供給している場合でも、精度よく負圧供給デバイスの故障を診断できるブレーキ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ECU7は、インテークマニホールド5aからブースタ2に供給されるインマニ圧Piとブースタ圧Pbの差圧である第1差圧と、負圧ポンプ8からブースタ2に供給されるデバイス圧Pdとブースタ圧Pbの差圧である第2差圧を算出するとともに、第1差圧と第2差圧に基づいて、予め設定される所定時間にブースタ2に供給されるインマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の比率を求める。さらに、ECU7は、求めた比率によってデバイス圧Pdの供給量を算出する。そしてECU7は、算出したデバイス圧Pdの供給量に基づいて、負圧ポンプ8の故障を診断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのインテークマニホールドと負圧ポンプによって、ブースタに負圧の供給が可能なブレーキ装置に関する。
運転者がブレーキペダルを踏み込む踏力(ブレーキ操作力)を、エンジンのインテークマニホールド(エンジンの吸気管)から供給される負圧、及び、負圧ポンプなどの負圧供給デバイスから供給される負圧で倍力するブースタを備えた車両用のブレーキ装置が知られている。
また、例えば特許文献1には、負圧供給デバイスが駆動している場合に、ブースタの負圧を計測する負圧センサの検出値が変化しないときには、負圧供給デバイスが故障したと判定するブレーキ装置が開示されている。
特開2007−107422号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるブレーキ装置は、負圧供給デバイスが単独でブースタに負圧を供給する場合に負圧供給デバイスが故障したことを判定する構成であり、インテークマニホールドと負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧を供給している場合は、負圧供給デバイスが故障したことを精度よく判定できないという問題がある。
そこで、本発明は、エンジンの吸気管と負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧を供給している場合でも、負圧供給デバイスの故障を精度よく診断できるブレーキ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、エンジンの吸気管と負圧であるデバイス圧を生成する負圧供給デバイスとに接続され、運転者のブレーキ操作力を、前記吸気管の吸気圧と前記負圧供給デバイスから供給される前記デバイス圧によって倍力するブースタと、前記吸気管の吸気圧を判定する吸気圧判定装置と、前記デバイス圧を判定するデバイス圧判定装置と、前記ブースタのブースタ圧を判定するブースタ圧判定装置と、前記負圧供給デバイスの異常状態を判定する異常状態判定装置と、を備えるブレーキ装置とする。そして、前記異常状態判定装置は、前記吸気圧と前記デバイス圧が前記ブースタ圧以下である場合に、前記吸気圧と前記ブースタ圧の差圧である第1差圧と、前記デバイス圧と前記ブースタ圧の差圧である第2差圧を求め、前記第1差圧と、前記第2差圧と、予め設定される所定時間に前記ブースタに供給される前記吸気圧の供給量と前記デバイス圧の供給量の比率と、の対応関係の情報に基づいて前記比率を求めるとともに、前記比率に基づいて前記所定時間における前記デバイス圧の供給量を求め、前記所定時間における前記デバイス圧の供給量が、予め設定される所定値の範囲から外れるときに、前記負圧供給デバイスが異常状態であると判定することを特徴とする。
この発明によると、エンジンの吸気管と負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧が供給されている場合でも、異常状態判定装置は、負圧供給デバイスからブースタに供給されるデバイス圧の供給量を算出し、更に、算出したデバイス圧の供給量に基づいて、負圧供給デバイスの故障を診断できる。したがって、エンジンの吸気管と負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧が供給されている場合でも、負圧供給デバイスの故障を精度よく診断できる。
また、エンジンの吸気管と負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧が供給されている場合でも、負圧供給デバイスの故障を診断することができ、負圧供給デバイスの故障診断の頻度を高めることができる。
また、本発明のブレーキ装置は、ブレーキ操作部の操作量を判定する操作量判定装置と、前記ブレーキ操作部が操作されたときの前記ブースタ圧の変動量であるブースタ消費圧力を、前記ブレーキ操作部の操作量に基づいて推定するブースタ消費圧力推定装置と、をさらに備える。そして、前記異常状態判定装置は、前記所定時間に前記ブースタ消費圧力推定装置が推定する前記ブースタ消費圧力を、前記所定時間における前記ブースタ圧の変動量から減算して、前記所定時間に前記ブースタに供給される前記吸気圧の供給量と前記デバイス圧の供給量の合計である負圧供給量を算出するとともに、前記負圧供給量と前記比率に基づいて、前記所定時間における前記デバイス圧の供給量を求めることを特徴とする。
この発明によると、異常状態判定装置は、運転者がブレーキ操作中であっても、ブースタ圧のブースタ消費圧力を推定してデバイス圧の供給量を精度よく算出することができる。そして、算出したデバイス圧の供給量に基づいて、負圧供給デバイスの故障を診断できる。したがって、異常状態判定装置は、運転者がブレーキ操作中であっても、負圧供給デバイスの故障を精度よく診断することができる。
また、運転者がブレーキ操作中であっても、負圧供給デバイスの故障を診断することができ、負圧供給デバイスの故障診断の頻度を高めることができる。
本発明によると、エンジンの吸気管と負圧供給デバイスの両方からブースタに負圧を供給している場合でも、負圧供給デバイスの故障を精度よく診断できるブレーキ装置を提供できる。
本実施形態に係るブレーキ装置の概略構成図である。 ブースタの概略構造を示す断面図である。 ECUが負圧ポンプの故障を診断する手順を示すフローチャートである。 デバイス圧の供給量を算出する手順を示すフローチャートで、図3のステップS9の詳細を示すフローチャートである。 シリンダ油圧変動量と単位ブースタ消費圧力の関係を示すグラフである。 第1差圧、第2差圧、及び供給比率の関係を示す供給比率マップの一例である。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において「負圧」は、大気圧より真空の側の圧力、すなわちゲージ圧における負の圧力を示し、大気圧に近い負圧を「小さな負圧」、真空に近い負圧を「大きな負圧」と表記する。
図1に示すように、本実施形態に係るブレーキ装置1は、運転者が踏み込み操作するブレーキペダル(ブレーキ操作部)4、運転者がブレーキペダル4を踏み込む力(ブレーキ操作力)を倍力してマスタシリンダ3に入力するブースタ2、及びブースタ2で倍力されたブレーキ操作力を油圧に変換し、図示しない駆動部を駆動する油圧系統10に入力するマスタシリンダ3を含んで構成される。
なお、ブースタ2とマスタシリンダ3は一体に構成されていてもよい。
また、運転者がブレーキペダル4を踏み込んでいるときのブレーキペダル4の動作を「進み動作」と称し、運転者がブレーキペダル4を解放しているときにブレーキペダル4が戻る動作を「戻り動作」と称して区別する場合がある。
そして、ブレーキペダル4が操作されない状態、すなわちブレーキペダル4が操作される前の状態を「無操作状態」と称する。
ブースタ2は、エンジン5の吸気側を形成するインテークマニホールド(吸気管)5aと、配管5bを介して連通している。そして、ブースタ2には、チェックバルブ6を介して、インテークマニホールド5aに発生する負圧(以下、インマニ圧Piと称する)が供給され、ブースタ2内の圧力(以下、ブースタ圧Pbと称する)は負圧に維持される。
インマニ圧Piは、エンジン5の吸気側であるインテークマニホールド5aからブースタ2に供給される負圧であり、特許請求の範囲に記載される吸気圧に相当する。
ブースタ圧センサ2aはブースタ圧Pbを検出し、その検出値をブースタ圧信号P1としてエンジン制御装置(以下、ECU)7に入力する。
ECU7は、ブースタ圧信号P1からブースタ圧Pbを算出(判定)する。したがって、ECU7及びブースタ圧センサ2aが特許請求の範囲に記載されるブースタ圧判定装置になる。
また、インマニ圧センサ5cはインマニ圧Piを検出し、その検出値をインマニ圧力信号P2としてECU7に入力する。
ECU7は、インマニ圧力信号P2からインマニ圧Piを算出(判定)する。
インマニ圧Piは吸気圧に相当し、ECU7はインマニ圧センサ5cから入力されるインマニ圧力信号P2からインマニ圧Piを算出(判定)することから、本実施形態に係るECU7及びインマニ圧センサ5cは、特許請求の範囲に記載される吸気圧判定装置になる。
なお、インマニ圧Piを検出するインマニ圧センサ5cを備えず、例えばエンジン5の回転速度や図示しないスロットルバルブの開度等からインマニ圧Piを推定する吸気圧判定装置を備える構成としてもよい。
チェックバルブ6は1方向弁であり、ブースタ2のブースタ圧Pbの負圧がインテークマニホールド5aに発生するインマニ圧Piより大きい場合、チェックバルブ6は閉じてブースタ圧Pbを大きな負圧に維持する。一方、ブースタ圧Pbの負圧がインマニ圧Piより小さい場合、チェックバルブ6は開いてブースタ2にインマニ圧Piを供給し、ブースタ圧Pbの負圧をインマニ圧Piと同等に大きくする。
このように機能するチェックバルブ6を備えることで、ブースタ2は、ブースタ圧Pbをより大きな負圧に維持できる。
そして、ブースタ2は、運転者がブレーキペダル4を操作するときのブレーキ操作力を、ブースタ圧Pbの負圧で倍力してマスタシリンダ3に入力する。
また、本実施形態に係るブレーキ装置1には、ブースタ2に負圧を供給する負圧供給デバイスとして、ECU7によって制御される負圧ポンプ8が配管8aを介してブースタ2に接続される。負圧ポンプ8は、ECU7から入力される制御信号C1によって駆動が制御され、ブースタ2内の空気を排気することでブースタ2に負圧を供給する。
負圧ポンプ8がブースタ2に供給する負圧を、以下、デバイス圧Pdと称する。
デバイス圧Pdは、負圧供給デバイスである負圧ポンプ8が生成してブースタ2に供給する負圧である。
さらに、ブレーキ装置1には、ブレーキスイッチ4aが備わっていてもよい。ブレーキスイッチ4aは、例えば、ストロークセンサであって、ブレーキペダル4が操作されるときの操作量と操作方向を検出してブレーキ信号P5をECU7に入力する構成とする。ECU7は、ブレーキ信号P5に基づいて、ブレーキペダル4が運転者によって操作されていることを判定できる。さらに、ECU7は、ブレーキペダル4が運転者によって操作されている場合は、操作量と、進み動作しているか、戻り動作しているかを判定できる。
このように、ECU7は、ブレーキスイッチ4aから入力されるブレーキ信号P5に基づいて、ブレーキペダル4の操作量を判定する機能を有することから、ECU7及びブレーキスイッチ4aは、特許請求の範囲に記載される操作量判定装置に相当する。
マスタシリンダ3は、ブースタ2から入力されるブレーキ操作力を油圧に変換し、ブレーキ装置1の図示しない駆動部を駆動する油圧系統10に入力する。
マスタシリンダ3から油圧系統10に入力される油圧(以下、シリンダ油圧Pcと称する)は液圧センサ10aによって検出され、その検出値はシリンダ圧力信号P3としてECU7に入力される。
なお、ブレーキスイッチ4aが備わらない場合、ECU7は、シリンダ油圧Pcの変動量を検出することによって、ブレーキペダル4の操作量と、進み動作しているか、戻り動作しているかを判定することができる。
さらに、ブレーキ装置1には、大気圧センサ9が備わり、大気圧を検出してその検出値を大気圧信号P4としてECU7に入力する。
ECU7は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備えるコンピュータ及び周辺回路などを含んで構成される。そして、図示しないCPUがROMに記憶されるプログラムを実行してエンジン5を制御するとともに、ブースタ2のブースタ圧Pbを好適な負圧に維持する機能を有する。
図2に示すように、ブースタ2は、中空のハウジング20を有する部材である。ハウジング20は、例えば正面形状が円形の薄い円盤状を呈し、ハウジング20の内部は、ブースタピストン21によって厚み方向に2つの部屋に区画されている。ブースタピストン21は、例えばダイヤフラム22を介して、往復動可能にハウジング20に取り付けられる。
ハウジング20をブースタピストン21が区画して形成する部屋の1つは、配管5bを介してエンジン5のインテークマニホールド5a(図1参照)と連通し、インマニ圧Piが供給されて負圧に維持され、負圧室20aを形成する。
さらに、負圧室20aは、配管8aを介して負圧ポンプ8(図1参照)と接続される。
負圧ポンプ8は、配管8aを介して負圧室20a内の空気を吸引して、負圧室20aにデバイス圧Pd(負圧)を供給する。
そして、負圧室20aとブースタピストン21を介して隣接する部屋には、作動室20bが形成される。作動室20bには、ハウジング20の円盤状の中心部が円筒状に突出して延長筒23が形成され、延長筒23の端部には、大気導入口24が形成される。
また、ブースタピストン21は、戻しばね25によって、作動室20bの側に付勢される。
ブースタピストン21の中心部には、シール部材26を介して延長筒23の内部に摺動自在に支持される筒部21aが形成され、筒部21aの端部は、大気導入口24から導入される空気を浄化するフィルタ27で閉塞される。
筒部21aには、ブレーキペダル4に連結された入力杆28がフィルタ27を貫通して挿入され、筒部21aの内部に構成されるエアバルブ28aに連結する。
ブースタピストン21には、負圧室20aの側に突出して出力杆29が備わり、出力杆29はブースタピストン21と一体に往復動する。
出力杆29は負圧室20aを貫通し、その端部は、例えばブースタ2と一体に形成されるマスタシリンダ3と連結する。
エアバルブ28aは入力杆28に連動して、負圧室20aと作動室20bを連通・遮断するとともに、作動室20bと大気導入口24を連通・遮断する機能を有する。
運転者がブレーキペダル4を操作せず、ブレーキペダル4が無操作状態にあるとき、エアバルブ28aは、作動室20bと大気導入口24を遮断するとともに、負圧室20aと作動室20bを遮断した状態を維持する。
運転者がブレーキペダル4を操作して(踏み込んで)ブレーキペダル4が進み動作をするとき、入力杆28は負圧室20aの側に動作してブースタピストン21を負圧室20aの側に押し出すとともにエアバルブ28aを動作し、負圧室20aと作動室20bを遮断して、作動室20bと大気導入口24を連通する。作動室20bには大気導入口24から大気が導入して作動室20bの圧力が大気圧まで上昇する。そして、負圧室20aの負圧がブースタピストン21を吸引し、ブースタピストン21は負圧室20aの側に移動する。さらに、出力杆29はブースタピストン21と一体に動作し、マスタシリンダ3の側に押し出される。
一方、運転者がブレーキペダル4を解放して、ブレーキペダル4が戻り動作をするとき、入力杆28は作動室20bの側に引かれてエアバルブ28aを動作し、作動室20bと大気導入口24を遮断して、負圧室20aと作動室20bを連通する。作動室20bに導入されている大気は、負圧室20aと配管5bを経由してインテークマニホールド5a(図1参照)に吸引され、作動室20bは負圧室20aと同等の負圧になる。すなわち、インテークマニホールド5aから負圧室20aに負圧(インマニ圧Pi)が供給される。
また、負圧ポンプ8(図1参照)が駆動しているとき、作動室20b内の大気は、負圧室20aと配管8aを経由して負圧ポンプ8にも吸引される。すなわち、負圧ポンプ8から負圧室20aに負圧(デバイス圧Pd)が供給される。
そして、ブレーキペダル4が無操作状態の位置まで戻って入力杆28の動作が停止すると、エアバルブ28aは負圧室20aと作動室20bを遮断する。したがって、作動室20bは負圧室20aと同等の負圧に維持される。
なお、ブースタ2に備わるエアバルブ28aは公知の技術であり、詳細な図示は省略している。
このように、ブースタ2(図2参照)はインテークマニホールド5a(図1参照)から供給されるインマニ圧Pi、及び負圧ポンプ8(図1参照)から供給されるデバイス圧Pdによって入力杆28(図2参照)の動作を補助し、運転者がブレーキペダル4(図2参照)を操作するときのブレーキ操作力を倍力することから、負圧室20aの内部圧力(ブースタ圧Pb)を好適な負圧に維持することが必要になる。
そのため、図1に示すように、ブースタ圧判定装置としてのブースタ圧センサ2aをブースタ2に備えてブースタ圧Pbを判定し、負圧室20a(図2参照)の内部を好適な負圧に維持するようにECU7がブレーキ装置1を制御する。
例えば、ECU7は、ブースタ圧Pbの負圧が予め設定される所定値より小さい場合など、必要に応じて、負圧ポンプ8に制御信号C1を送信して負圧ポンプ8を駆動してデバイス圧Pdを負圧室20aに供給し、ブースタ圧Pbを好適な負圧に維持する。
そして、本実施形態に係るECU7は、負圧ポンプ8が駆動しているとき、負圧ポンプ8の故障診断を実行する。
具体的に、ECU7は、負圧ポンプ8がブースタ2の負圧室20aにデバイス圧Pdを供給する能力を評価し、その評価結果に基づいて、負圧ポンプ8の故障を診断する。
図3を参照して、ECU7が負圧ポンプ8の故障を診断する手順を説明する(適宜、図1、図2参照)。
この手順は、例えばECU7が実行するプログラムにサブルーチンとして組み込まれ、所定のサイクルタイムで実行する構成とすればよい。
ECU7は、負圧ポンプ8が作動中でなければ(ステップS1→No)、故障を診断する手順を終了してリターンするが、負圧ポンプ8が作動中の場合は(ステップS1→Yes)、ブースタ圧の初期値Pb、インマニ圧の初期値Pi、シリンダ油圧の初期値Pc、及びデバイス圧の初期値Pdを算出する(ステップS2)。
ステップS2におけるブースタ圧の初期値Pb、インマニ圧の初期値Pi、シリンダ油圧の初期値Pc、及びデバイス圧の初期値Pdの算出について補足すると、ECU7は、ブースタ圧センサ2aから入力されるブースタ圧信号P1に基づいてブースタ圧Pbを算出し、ブースタ圧の初期値Pbとする。また、インマニ圧センサ5cから入力されるインマニ圧力信号P2に基づいてインマニ圧Piを算出し、インマニ圧の初期値Piとする。
さらに、ECU7は、液圧センサ10aから入力されるシリンダ圧力信号P3に基づいてシリンダ油圧Pcを算出し、シリンダ油圧の初期値Pcとする。
また、ECU7は、負圧ポンプ8から入力される作動状態信号に基づいてデバイス圧Pdを算出し、デバイス圧の初期値Pdとする。
負圧ポンプ8から入力される作動状態信号は、例えば、負圧ポンプ8を駆動するモータの回転速度を示す信号とする。
そして、作動状態信号(負圧ポンプ8を駆動するモータの回転速度)とデバイス圧Pdの関係を示すマップ(デバイス圧算出マップ)が予め作成され、図示しないROMに記憶されている構成とすれば、ECU7は、デバイス圧算出マップを参照することで、作動状態信号に基づいてデバイス圧Pdを算出できる。
このように、ECU7は、負圧ポンプ8から入力される作動状態信号に基づいてデバイス圧Pdを算出(判定)することから、ECU7は、特許請求の範囲に記載されるデバイス圧判定装置としての機能を有する。
なお、作動状態信号は、負圧ポンプ8を駆動するモータの回転速度を示す信号に限定されず、負圧ポンプ8の作動状態を示す信号であればよく、例えば、負圧ポンプ8の消費電力を示す信号や消費電流を示す信号であってもよい。
また、デバイス圧判定装置として、負圧ポンプ8のデバイス圧Pdを検出する図示しない圧力計を備える構成であってもよい。
そして、ECU7は、算出したブースタ圧の初期値Pb、インマニ圧の初期値Pi、シリンダ油圧の初期値Pc、及びデバイス圧の初期値Pdを、図示しないRAMに記憶する。
ECU7は、デバイス圧Pdとインマニ圧Piが共にブースタ圧Pb以下のときは(ステップS3→Yes)、手順をステップS4に進め、デバイス圧Pdとインマニ圧Piが共にブースタ圧Pb以下でないとき(ステップS3→No)、すなわち、デバイス圧Pdとインマニ圧Piの少なくとも一方がブースタ圧Pbより高いときは、故障を診断する手順を終了してリターンする。
ちなみに、ステップS3では、ECU7は、ブースタ圧の初期値Pbとインマニ圧の初期値Piを比較するとともに、ブースタ圧の初期値Pbとデバイス圧の初期値Pdを比較する。
そして、ECU7は、デバイス圧の初期値Pdとインマニ圧の初期値Piが、共にブースタ圧の初期値Pb以下のとき、デバイス圧Pdとインマニ圧Piが共にブースタ圧Pb以下と判定する。
また、ECU7は、デバイス圧の初期値Pdとインマニ圧の初期値Piの少なくとも一方がブースタ圧の初期値Pbより高いとき、デバイス圧Pdとインマニ圧Piが共にブースタ圧Pb以下でないと判定する。
ステップS4において、ECU7は、所定時間として予め設定されている待機時間が経過するまで待機する(ステップS4→No)。
このときの待機時間は、例えばECU7が負圧ポンプ8の故障を診断するのに必要な、後記するブースタ消費圧力を算出するための時間であり、実験等によって予め決定される時間である。
そして、待機時間が経過したら(ステップS4→Yes)、ECU7は、負圧室20aの容積(体積)に基づく係数Kvを算出する(ステップS5)。
例えば、負圧ポンプ8は、負圧室20aの容積が小さいほど速やかにブースタ圧Pbを下げることができる。すなわち、負圧ポンプ8は、負圧室20aの容積が小さいほど、デバイス圧Pdを供給する能力が高くなる。
このように、負圧ポンプ8がデバイス圧Pdを供給する能力は、負圧室20aの容積によって異なる。
係数Kvは、ECU7が、負圧ポンプ8がデバイス圧Pdを負圧室20aに供給する能力を、負圧室20aの容積の違いによる影響を受けることなく評価するための係数であり、例えば、負圧ポンプ8がデバイス圧Pdを負圧室20aへ供給する能力を、負圧室20aの単位容積あたりの能力に変換する係数である。
このような係数Kvは、負圧室20aの容積と負圧ポンプ8の基本性能等に基づいて予め実験等によって決定しておけばよい。
なお、係数Kvは、負圧室20aの容積の変化に応じて変化する。また、負圧室20aの容積はブースタピストン21の移動量に応じて変化し、ブースタピストン21の移動量は、ブレーキペダル4の操作量に応じて変化する。そこで、係数Kvとブレーキペダル4の操作量の関係を示すマップ(係数算出マップ)が予め作成され、図示しないROMに記憶されている構成が好適である。
ECU7は、ブレーキスイッチ4aから入力されるブレーキ信号P5に基づいて待機時間におけるブレーキペダル4の操作量を算出するとともに、算出したブレーキペダル4の操作量に基づいて係数算出マップを参照して係数Kvを算出する。
次に、ECU7は、待機時間におけるブースタ消費圧力を算出する。
例えば、運転者がブレーキペダル4を踏み込み操作して、ブレーキペダル4が進み動作すると、ブースタピストン21が負圧室20aの側に動作して負圧室20aの容積が減少する。したがって、負圧室20a内の圧力は上昇する。
このとき、負圧室20aの容積が減少する速度が速く、負圧室20aへのインマニ圧Pi及びデバイス圧Pdの供給が追いつかないと、負圧室20aの内部圧力が上昇する。すなわち、ブースタ圧Pbの負圧が小さくなる。
また、ブレーキペダル4が戻り動作をするとき、負圧室20aと作動室20bが連通し、作動室20bに溜まっている大気が負圧室20aに流れ込むことから、負圧室20aの内部圧力が上昇する。すなわち、ブースタ圧Pbの負圧が小さくなる。
このようにブースタ圧Pbの負圧が小さくなることを、ブースタ圧Pbが消費されると称する。そして、ブースタ圧Pbが消費されるときのブースタ圧Pbの負圧の減少量をブースタ消費圧力とする。
さらに、待機時間におけるブースタ消費圧力を単位ブースタ消費圧力Pbと称する。
すなわち、ECU7は、ステップS6で、単位ブースタ消費圧力Pbを算出する。
図5は、シリンダ油圧変動量ΔPcと単位ブースタ消費圧力Pbの関係を示すグラフで、横軸はシリンダ油圧変動量ΔPcを示し、縦軸は単位ブースタ消費圧力Pbを示す。
マスタシリンダ3のシリンダ油圧Pcは、ブレーキペダル4の動作によって変動することから、シリンダ油圧変動量ΔPcは、待機時間におけるブレーキペダル4の操作量の変化量、すなわち、ブレーキペダル4の動作速度に対応している。
図5に示すグラフは、待機時間にブレーキペダル4が進み動作をするときの動作速度をプラスとして、そのときのシリンダ油圧変動量ΔPcを原点Oから正の方向に記載している。そして、ブレーキペダル4が進み動作をするときのシリンダ油圧変動量ΔPcと単位ブースタ消費圧力Pbの関係を直線Sに示す。
シリンダ油圧変動量ΔPcは、待機時間におけるシリンダ油圧Pcの変動量を示している。
一方、ブレーキペダル4が戻り動作をするときの動作速度をマイナスとして、そのときのシリンダ油圧変動量ΔPcを原点Oから負の方向に記載している。そして、ブレーキペダル4が戻り動作をするときのシリンダ油圧変動量ΔPcと単位ブースタ消費圧力Pbの関係を直線Sに示す。
図5に示す直線S、Sは、例えば実験等によってシリンダ油圧変動量ΔPcと単位ブースタ消費圧力Pbの関係を計測することで求めることができる。
また、シリンダ油圧変動量ΔPcが小さいとき、すなわち、ブレーキペダル4の動作速度が小さいとき、負圧室20aの容積減少率(容積増加率)が小さく、負圧室20aにはインマニ圧Pi及びデバイス圧Pdが充分に供給されることから、ブースタ圧Pbの負圧が小さくならない。すなわち、原点Oを中心にした所定の範囲内(幅)には、単位ブースタ消費圧力Pbが0になる不感帯が設けられる。
この不感帯の幅は、ブレーキ装置1やブースタ2の構成によって決定される。
ブレーキペダル4が進み動作をするとき、ECU7は、図5に示す直線Sに基づいてシリンダ油圧変動量ΔPcに対応する単位ブースタ消費圧力Pbを算出する。
例えば、シリンダ油圧変動量がΔPcのとき、ECU7は直線Sに基づいて単位ブースタ消費圧力PbS1を算出する。
このように、本実施形態に係るECU7は、シリンダ油圧変動量ΔPcに基づいて、単位ブースタ消費圧力Pbを算出(推定)することから、特許請求の範囲に記載されるブースタ消費圧力推定装置としての機能を有する。
本実施形態に係るECU7は、待機時間経過後に液圧センサ10aから入力されるシリンダ圧力信号P3に基づいてシリンダ油圧Pcを算出して、シリンダ油圧の初期値Pcとの差(Pc−Pc)を算出し、この差をシリンダ油圧変動量ΔPcとする。
このように、ECU7は、待機時間におけるシリンダ油圧変動量ΔPcを算出し、さらに、算出したシリンダ油圧変動量ΔPcに基づいて図5に示すグラフを参照し、単位ブースタ消費圧力Pbを算出する。
また、ブレーキペダル4が進み動作をするときの単位ブースタ消費圧力Pbは、大気圧、ブースタ圧Pbの大きさに伴って変動する。
具体的に、大気圧、及びブースタ圧Pbが低いほど、図5に一点鎖線SPAで示すように、シリンダ油圧変動量ΔPcに対する単位ブースタ消費圧力Pbが小さくなることがわかっている。
そこで、例えば、大気圧、及びブースタ圧Pbに対応した係数が予め設定され、図示しないROMにマップ(補正値算出マップ)として記憶されている構成が好適である。
ECU7は、大気圧センサ9から入力される大気圧信号P4に基づいて大気圧を算出し、さらに、ブースタ圧センサ2aから入力されるブースタ圧信号P1に基づいてブースタ圧Pbを算出する。そして、補正値算出マップを参照して算出した大気圧、及び、待機時間経過後に算出したブースタ圧Pbに対応する補正値を算出する。
そして、算出した補正値をステップS6で算出した単位ブースタ消費圧力Pbに、例えば乗算することで、単位ブースタ消費圧力Pbを大気圧・ブースタ圧補正できる。
大気圧・ブースタ圧補正された単位ブースタ消費圧力Pbは、大気圧、及びブースタ圧Pbの変動に対応した、精度の高い値を示す。したがって、大気圧・ブースタ圧補正された単位ブースタ消費圧力Pbを使用することで、ECU7は、以降の演算の精度を向上できる。
図3に戻って、ECU7は、待機時間のブースタ圧変動量ΔPbを算出する(ステップS7)。
ECU7は、待機時間経過後(ステップS4→Yes)に、ブースタ圧センサ2aから入力されるブースタ圧信号P1に基づいてブースタ圧Pbを算出して、ブースタ圧の初期値Pbとの差(Pb−Pb)の絶対値を算出し、この絶対値をブースタ圧変動量ΔPbとする。
ECU7は、ブースタ圧変動量ΔPbから単位ブースタ消費圧力Pbを減算して負圧供給量を算出する(ステップS8)。
すなわち、ECU7は、ブースタ圧変動量ΔPb(待機時間におけるブースタ圧Pbの変動量)に基づいて負圧供給量を算出する。
負圧供給量は、待機時間にインテークマニホールド5aと負圧ポンプ8からブースタ2の負圧室20aに供給される負圧の量(インマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の合計)である。
待機時間におけるブースタ圧変動量ΔPbは、負圧室20aの容積が変化したことによる変動量(単位ブースタ消費圧力Pbによる変動量)と、負圧供給量による変動量を含んでいる。
したがって、ECU7は、待機時間におけるブースタ圧変動量ΔPbから単位ブースタ消費圧力Pbを減算することで負圧供給量を算出できる。
次に、ECU7は、負圧ポンプ8によるデバイス圧Pdの供給量を算出する(ステップS9)。
ECU7は、ブースタ圧Pbとインマニ圧Piの差圧である第1差圧ΔPbi、及び、ブースタ圧Pbとデバイス圧Pdの差圧である第2差圧ΔPbdに基づいて、デバイス圧Pdの供給量を算出できる。
例えば、待機時間にブースタ2に供給されるインマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の比率(デバイス圧Pdの供給量/インマニ圧Piの供給量)を供給比率と称すると、供給比率は、ブースタ圧Pbとインマニ圧Piの差圧(第1差圧ΔPbi)、及び、ブースタ圧Pbとデバイス圧Pdの差圧(第2差圧ΔPbd)によって決定されることがわかっている。
そこで、本実施形態においては、図6に一例を示すように、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdと供給比率の対応関係の情報である供給比率マップ30が予め作成され、図示しないROMに記憶されている構成が好適である。
なお、図6に示す供給比率マップ30に記載されるデータ(供給比率)は一例を示すものであり、これらの数値に限定するものではない。
例えば、供給比率は、インテークマニホールド5aの容積や負圧ポンプ8の基本性能、配管5b及び配管8aの管径、ブースタ2とインテークマニホールド5a及び負圧ポンプ8の距離等によって変化するものであり、ブレーキ装置1が備わる車種ごとに決定される値である。
したがって、供給比率マップ30は、ブレーキ装置1が備わる車種ごとに作成される。
また、供給比率マップ30において、第1差圧ΔPbiが「0」の場合は、ブースタ2にインマニ圧Piが供給されないことを示し、第2差圧ΔPbdが「0」の場合は、ブースタ2にデバイス圧Pdが供給されないことを示す。
すなわち、第1差圧ΔPbiが「0」の場合は、待機時間におけるデバイス圧Pdの供給量が負圧供給量になり、第2差圧ΔPbdが「0」の場合は、待機時間におけるインマニ圧Piの供給量が負圧供給量になる。
さらに、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdが共に「0」の場合、ブースタ2には、デバイス圧Pd及びインマニ圧Piが共に供給されない。
図4を参照して、ステップS9でECU7がデバイス圧Pdの供給量を算出する手順を説明する。
ECU7は、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdを算出する(ステップS901)。
第1差圧ΔPbiは、ブースタ圧Pbからインマニ圧Piを減算して算出するが、例えば、ECU7は、待機時間におけるインマニ圧Piの平均値をブースタ圧Pbから減算して第1差圧ΔPbiを算出する。
すなわち、ECU7は、待機時間経過後(図3のステップS4→Yes)に、インマニ圧Piを算出して、インマニ圧の初期値Piとの平均値((Pi+Pi)/2)を算出する。
また、ECU7は、ブースタ圧センサ2aから入力されるブースタ圧信号P1に基づいてブースタ圧Pbを算出する。
そして、ECU7は、算出したインマニ圧Piの平均値を算出したブースタ圧Pbから減算して第1差圧ΔPbiを算出する。
または、ECU7は、例えば、待機時間の間に所定の時間間隔でインマニ圧Piを計測し、待機時間におけるインマニ圧Piの最小値をブースタ圧Pbから減算して第1差圧ΔPbiを算出してもよい。
同様に、ECU7は、待機時間におけるデバイス圧Pdの平均値をブースタ圧Pbから減算して第2差圧ΔPbdを算出する。
すなわち、ECU7は、待機時間経過後(図3のステップS4→Yes)にデバイス圧Pdを算出して、デバイス圧の初期値Pdとの平均値((Pd+Pd)/2)を算出する。
そして、ECU7は、算出したデバイス圧Pdの平均値を、待機時間経過後に算出したブースタ圧Pbから減算して第2差圧ΔPbdを算出する。
または、ECU7は、例えば、待機時間の間に所定の時間間隔でデバイス圧Pdを計測し、待機時間におけるデバイス圧Pdの最小値をブースタ圧Pbから減算して第2差圧ΔPbdを算出してもよい。
そして、ECU7は、算出した第1差圧ΔPbi及び第2差圧ΔPbdの両方に応じて供給比率マップ30を参照し、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdの交点に位置する値を抽出し、抽出した値を供給比率とする。
すなわちECU7は、供給比率マップ30に基づいて供給比率を算出する(ステップS902)。
例えば、第1差圧ΔPbiが「300」で、第2差圧ΔPbdが「200」のとき、ECU7は、図6に示す供給比率マップ30を参照して、「120/180」を供給比率とする。
なお、第1差圧ΔPbi又は第2差圧ΔPbdが供給比率マップ30に記載されない値(例えば、中間値)の場合、例えば、ECU7は、第1差圧ΔPbi又は第2差圧ΔPbdの前後の値から求められるデータ(供給比率)を比例配分することによって、第1差圧ΔPbi及び第2差圧ΔPbdに対応する供給比率を算出できる。
そして、ECU7は、インマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の合計に対する、デバイス圧Pdの供給量の比率(以下、デバイス圧供給比率と称する)を算出する(ステップS903)。
例えば、供給比率マップ30から算出する供給比率が「X/Y」の場合、インマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の合計は「X+Y」になり、インマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の合計に対する、デバイス圧Pdの供給量の比率(デバイス圧供給比率)は、「X/(X+Y)」になる。
前記した例の場合、供給比率が「120/180」であることから、インマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の合計は、「120+180」になり、デバイス圧供給比率は、「120/(120+180)」になる。
すなわち、供給比率が「120/180」の場合、デバイス圧供給比率は「120/(120+180)」になる。
ECU7は、このように、デバイス圧供給比率を算出した後(ステップS903)、負圧供給量に、算出したデバイス圧供給比率を乗算してデバイス圧Pdの供給量を算出する(ステップS904)。
負圧供給量は、待機時間におけるインマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の合計であることから、負圧供給量にデバイス圧供給比率を乗算すると待機時間におけるデバイス圧Pdの供給量を算出できる。
このように、ECU7は、負圧供給量、及びインマニ圧Piの供給量とデバイス圧Pdの供給量の比率(供給比率)に基づいてデバイス圧Pdの供給量を算出する。
なお、本実施形態において、ECU7は、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdに基づいて供給比率マップ30を参照して、供給比率を算出する構成としたが、例えば、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdを変数として供給比率を表す関数が、ECU7が実行するプログラムに組み込まれる構成であってもよい。
この構成によると、当該関数は、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdと供給比率の対応関係の情報になり、ECU7は、例えば、算出した第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdを当該関数に代入して供給比率を算出できる。
その他、供給比率マップ30に替えて、第1差圧ΔPbiと第2差圧ΔPbdと供給比率の対応関係の情報であるテーブル形式のデータを備える構成であってもよい。
以上のように、本実施形態に係る供給比率マップ30は、特許請求の範囲に記載される対応関係の情報に相当する。
図3に戻って、ECU7は、デバイス圧Pdの供給量を算出した後(ステップS9)、算出したデバイス圧Pdの供給量に係数Kvを乗算して、負圧ポンプ8が負圧室20aにデバイス圧Pdを供給する能力を評価するための値である負圧供給実力値Psを算出する(ステップS10)。
負圧供給実力値Psは、例えば、前記したように、単位容積の負圧室20aへのデバイス圧Pdの供給量である。
そして、ECU7は、負圧ポンプ8の負圧供給実力値Psを評価して、負圧ポンプ8の故障を診断する。すなわち、負圧ポンプ8の負圧供給実力値Psが、予め設定される下限値Pslowより大きく、上限値Pshigh未満の場合(ステップS11→Yes)、ECU7は、負圧ポンプ8が正常と判定する(ステップS12)。
一方、負圧ポンプ8の負圧供給実力値Psが下限値Pslow以下か、上限値Pshigh以上の場合(ステップS11→No)、ECU7は、負圧ポンプ8が故障していると判定する(ステップS13)。
下限値Pslow及び上限値Pshighは、負圧ポンプ8の基本性能に基づいて予め設定される所定値である。
したがって、ECU7は、負圧供給実力値Psが予め設定される所定値の範囲から外れるときに、負圧ポンプ8が故障していると判定する。
このように、ECU7は、負圧ポンプ8の負圧供給実力値Ps、すなわち、デバイス圧Pdの供給量が、予め設定される範囲(上限値Pshighと下限値Pslowの間)から外れるときに、負圧ポンプ8が故障している、すなわち負圧ポンプ8が異常状態であると判定する。
そして、ECU7は、負圧ポンプ8が故障していること、すなわち、負圧ポンプ8の異常状態を判定することから、特許請求の範囲に記載される異常状態判定装置としての機能を有する。
ECU7は、負圧ポンプ8が故障していると判定した場合(ステップS13)、ブースタ圧Pbの負圧が予め設定される所定値より小さいときには、例えば、エアコン動作を抑制してエンジン回転速度が低下することを抑制する、など、エンジン5(図1参照)に適切な指令を与えて、インマニ圧Piが小さくならないように制御する。そして、負圧室20a(図2参照)にインマニ圧Piを供給して、ブースタ2のブースタ圧Pbを好適な負圧に維持する。
以上のように、図1に示す、本実施形態に係るブレーキ装置1は、インテークマニホールド5aがインマニ圧Piをブースタ2の負圧室20a(図2参照)に供給し、且つ、負圧ポンプ8がデバイス圧Pdをブースタ2の負圧室20aに供給する場合であっても、負圧室20aに供給されるデバイス圧Pdの供給量を精度よく算出できる。
したがって、ECU7は、負圧ポンプ8が負圧室20aにデバイス圧Pdを供給する能力を精度よく求められる。そして、負圧ポンプ8が負圧室20aにデバイス圧Pdを供給する能力を評価することで、精度よく負圧ポンプ8の故障を診断できるという優れた効果を奏する。
また、インテークマニホールド5aと負圧ポンプ8の両方から負圧室20aに負圧が供給されている場合でも、ECU7は、負圧ポンプ8の故障を診断することができ、負圧ポンプ8の故障診断の頻度を高めることができる。
また、運転者がブレーキペダル4を操作しているとき、ECU7は、ブースタ2の負圧室20a(図2参照)の負圧の消費量であるブースタ消費圧力を推定することで、負圧室20aに供給されるデバイス圧Pdの供給量を精度よく算出することができ、負圧ポンプ8が負圧室20aにデバイス圧Pdを供給する能力を精度よく求められる。したがって、運転者がブレーキペダル4を操作している場合であっても、精度よく負圧ポンプ8の故障を診断できるという優れた効果を奏する。
また、運転者がブレーキペダル4を操作中であっても、負圧ポンプ8の故障を診断することができ、負圧ポンプ8の故障診断の頻度を高めることができる。
なお、本実施形態に係るブレーキ装置1(図1参照)は、電気自動車など、インテークマニホールド5a(図1参照)の備わらない車両にも適用できる。
この場合、ECU7(図1参照)は、デバイス圧Pdの供給量が、負圧供給量に常に等しくなるとすればよい。
すなわち、ECU7は、図3のステップS8で算出する負圧供給量をデバイス圧Pdの供給量とする。
したがって、ECU7は負圧供給量に係数Kvを乗算することで、負圧ポンプ8(図1参照)の負圧供給実力値Psを算出できる。
そして、ECU7は、算出した負圧供給実力値Psを評価して、負圧ポンプ8の故障を診断できる。
1 ブレーキ装置
2 ブースタ
2a ブースタ圧センサ(ブースタ圧判定装置)
3 マスタシリンダ
4 ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
4a ブレーキスイッチ(操作量判定装置)
5 エンジン
5a インテークマニホールド(吸気管)
5c インマニ圧センサ(吸気圧判定装置)
7 ECU(吸気圧判定装置、操作量判定装置、ブースタ圧判定装置、デバイス圧判定装置、ブースタ消費圧力推定装置、異常状態判定装置)
8 負圧ポンプ(負圧供給デバイス)
9 大気圧センサ
10a 液圧センサ
30 供給比率マップ(対応関係の情報)
ΔPbi 第1差圧
ΔPbd 第2差圧

Claims (2)

  1. エンジンの吸気管と負圧であるデバイス圧を生成する負圧供給デバイスとに接続され、運転者のブレーキ操作力を、前記吸気管の吸気圧と前記負圧供給デバイスから供給される前記デバイス圧によって倍力するブースタと、
    前記吸気管の吸気圧を判定する吸気圧判定装置と、
    前記デバイス圧を判定するデバイス圧判定装置と、
    前記ブースタのブースタ圧を判定するブースタ圧判定装置と、
    前記負圧供給デバイスの異常状態を判定する異常状態判定装置と、を備えるブレーキ装置において、
    前記異常状態判定装置は、
    前記吸気圧と前記デバイス圧が前記ブースタ圧以下である場合に、
    前記吸気圧と前記ブースタ圧の差圧である第1差圧と、前記デバイス圧と前記ブースタ圧の差圧である第2差圧を求め、
    前記第1差圧と、前記第2差圧と、予め設定される所定時間に前記ブースタに供給される前記吸気圧の供給量と前記デバイス圧の供給量の比率と、の対応関係の情報に基づいて前記比率を求めるとともに、
    前記比率に基づいて前記所定時間における前記デバイス圧の供給量を求め、
    前記所定時間における前記デバイス圧の供給量が、予め設定される所定値の範囲から外れるときに、前記負圧供給デバイスが異常状態であると判定することを特徴とするブレーキ装置。
  2. ブレーキ操作部の操作量を判定する操作量判定装置と、
    前記ブレーキ操作部が操作されたときの前記ブースタ圧の変動量であるブースタ消費圧力を、前記ブレーキ操作部の操作量に基づいて推定するブースタ消費圧力推定装置と、をさらに備え、
    前記異常状態判定装置は、
    前記所定時間に前記ブースタ消費圧力推定装置が推定する前記ブースタ消費圧力を、前記所定時間における前記ブースタ圧の変動量から減算して、前記所定時間に前記ブースタに供給される前記吸気圧の供給量と前記デバイス圧の供給量の合計である負圧供給量を算出するとともに、
    前記負圧供給量と前記比率に基づいて、前記所定時間における前記デバイス圧の供給量を求めることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
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