JP2011015649A - チョコレートかけ麩菓子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼き麩を使用する麩菓子において、美味しさがあり保存性が良好な麩菓子が未だ提案されていない現状に鑑みて、美味しさがあり保存性が良好な麩菓子を製造することができる麩菓子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】焼き麩の切断面の長径より薄い厚さに切断した焼き麩にチョコレートを塗布することを特徴とする。また、前記焼き麩は米粉を含む焼き麩であることを特徴とする。また、前記焼き麩の径は1〜5cmで厚さが2〜10mmであり、前記焼き麩に対して表面積で50%以上、重量比で3倍以上10倍以下のチョコレートを塗布することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、麩菓子の製造方法に係り、更に詳しくは、チョコレートかけ麩菓子の製造方法に関するものである。
焼き麩を使った麩菓子として従来から、焼き麩に黒糖蜜や砂糖蜜をかけて乾燥した麩菓子が有名であるが、これらの麩菓子には焼き麩独特の口の中で「もそもそ」とする食感があり、よって美味しさに欠けるものとなっている。
また、これらの食感を変える目的で、焼き麩に米粉を入れて二度加熱することで食感を米菓子に近づけるようにした提案(特許文献1)がなされているが、麩菓子としての美味しさは十分に解決されておらず、二度加熱という工程的複雑さもある。
また、この二度加熱において、膨化開始前に高温蒸気をかける焼き麩の製造方法が提案(特許文献2)されているが、膨化した焼き麩は皮が硬く、麩菓子として好ましい食感ではない。
また、古くは焼き麩にチョコレートをかける提案(特許文献3)がなされているが、この提案に焼き麩の大きさについての説明はなく単にチョコレートの被覆率が記載されているだけで、その目的は食感の改良より腐敗の防止が主目的であり、保存温度もマイナス環境下であり、実用性に欠けるものである。
特開平11−9193号公報 特開昭52−3841号公報 特開昭55−141161号公報
以上のように、焼き麩を使用する麩菓子において、美味しさがあり保存性が良好な麩菓子は未だ提案されていない現状に鑑みて、本発明は、美味しさがあり保存性が良好な麩菓子を製造することができる麩菓子の製造方法を提供することを目的とする。
そこで、本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、焼き麩の食感を改良するために焼き麩の大きさとチョコレートをかける度合いを工夫することで、焼き麩の欠点である「もそもそ」とした食感を改良できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本願の請求項1に係る発明は、焼き麩の切断面の長径より薄い厚さに切断した焼き麩にチョコレートを塗布することを特徴とするチョコレートかけ麩菓子の製造方法に関する。
また、本願の請求項2に係る発明は、前記焼き麩が米粉を含む焼き麩であることを特徴とする請求項1記載のチョコレートかけ麩菓子の製造方法に関する。
また、本願の請求項3に係る発明は、前記焼き麩の径が1〜5cmで厚さが2〜10mmであり、前記焼き麩に対して表面積で50%以上、重量比で3倍以上10倍以下のチョコレートを塗布することを特徴とする請求項1又は2記載のチョコレートかけ麩菓子の製造方法に関する。
本発明は、上記の特徴を有するものであるが、焼き麩の原料やその配合は、特に限定されるものではない。例えば原料としては、冷凍グルテン、活性グルテン粉末、強力小麦粉、粳粉など以外に、蕎麦粉、米粉、トウモロコシなどの穀類粉;馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーン澱粉、小麦澱粉、米澱粉などの澱粉類;これら澱粉の酢酸エステル、プロピオン酸エステル、リン酸エステル、リン酸架橋、エーテル化、酸化などの加工を施した化工澱粉;卵黄、卵白、乳蛋白、大豆蛋白、グルテンなどの動植物性蛋白質類;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチンなどの乳化剤類;クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、リン酸、炭酸、塩酸、硫酸などの酸類;それら酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩類;糖質;蜂蜜;糖アルコール;甘味料;油脂類;香料;香辛料;色素;野菜粉類;クロレラ;スピルリナ粉末;ビタミンA、B、C、D、Eなどのビタミン類などを挙げることができる。
一般的に焼き麩の食感は、小麦粉が少なくなると軽くなり、小麦粉が多くなると重くなり、粳が入ると肌理の細かな軽い焼き麩となる。本発明において好ましくは、粳粉の入った肌理の細かい焼き麩であり、更に好ましくは、捏ね生地の15〜20重量%の量である。
本発明において、焼き麩の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば原料を加水混合した後、練り、分割細工、水槽ねかせ、焼成、戻し、切断、乾燥および選別と進むのが基本的な工程となり、焼成工程としては、直火焼、オーブン焼、型釜焼および連続オーブン焼の4種類があり、麩の種類によって異なることになる。これを更に詳しく説明すると例えば、冷凍グルテンを解凍したものに強力小麦粉と米粉や糯米粉などの副原料に捏ね水を加えて混合し、混合生地を乾燥しないようにして約1時間ねかせる。次いでこの生地を約1kgの大きさに分割し、練り機で練った後、約1時間同様にねかせる。次いでこの生地を更に分割して、着色、渦巻きなどの細工をした後、水槽に入れ、再びねかせる。次いでこの生地を更に細分化し、焼成機で焼成(170〜280℃、5〜30分間)し、乾燥して焼き麩を得る。
本発明において、麩の形状は特に限定されるものではなく、切断厚さについては焼き麩の切断面の長径よりも薄く切断することにより焼き麩の焼成面の面積(皮の面積)を少なくし、チョコレートの乗りを良くし、皮の硬い食感を少なくすることができる。好ましくは、焼き麩の断面の径が20〜40mmであるときに厚さとして4〜7mmである。
また、焼き麩の切断方向は特に限定されるものではなく、例えば焼き麩に対して直角、並行、斜めなどに切断する方法を挙げることができる。
また、チョコレートの種類は特に限定されるものではなく、例えばブラックチョコレート、スイートチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレートなどを挙げることができる。
また、焼き麩にかけるチョコレートの量は特に限定されるものではなく、好ましくは、切断された焼き麩の表面積の50%以上100%以下で、重量比で焼き麩の3倍以上10倍以下であれば良い。更に詳しくは、切断面の両面に塗布し、表面積で80〜100%、重量比で5倍〜8倍量である。
また、焼き麩にチョコレートを塗布する方法は特に限定されるものではなく、例えばチョコレートの溶けた中に切断された焼き麩を沈める方法や、連続した網の上に切断された焼き麩を載せて溶けたチョコレートを連続的にかける方法(エンローバー装置)などを挙げることができる。好ましくは、連続式である。
本発明によれば、焼き麩の食感を生かしたうえで「もそもそ感」がなく、口解けの良い美味しさのある麩菓子を提供することができるとともに、常温で流通させることができるチョコレートかけ麩菓子を提供することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明に係るチョコレートかけ焼き麩菓子の製造方法について更に詳細に説明する。但し、本発明の技術的範囲は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1〜6・・・
冷凍グルテン8.5kg、強力小麦粉6.0kg、粳粉4.0kg、水1.4kgを混合混捏し、混捏生地を約1時間乾燥しないように室温に放置(以後、ねかしという)した後、生地を細分化(1〜2kg)して練り機で15〜20分間練り、再び約1時間ねかせた後、更に生地を細分化(50〜200g)したものを水槽に漬けながらねかせた。次いでこの生地を焼成機で上釜230℃、下釜165℃として17分間焼成し、直径約25mm、長さ約1mの棒状の焼き麩を得た。次いでこの焼き麩を木箱などの中に12〜24時間保管(以後、戻しという)した後、斜めに厚さ5〜6mmに切断し、短径25mm、長径32mmの楕円形の切断面を有する焼き麩の切断品を得た。その後、約60℃の低温の風で乾燥し、切断焼き麩(以後、焼き麩チップという)を得た。
上記焼き麩チップを50℃に溶解したホワイトチョコレートの入った鍋に漬け込むか、あるいは上記焼き麩チップにホワイトチョコレートを刷けで塗布するかの方法で、焼き麩チップに塗布されるチョコレートの量(塗布量)と面積(塗布面積)を変化させた後、冷却し、チョコレートかけ麩菓子を得た。
焼き麩チップの面積(表面積)は切断面両面+側面の総計で18cm±2cm、重量は0.5g±0.15gとなるものを10枚そろえた。また、塗布倍率は塗布されたチョコレート重量/焼き麩チップ重量、塗布面積率は(塗布面積/焼き麩チップ総面積)×100、塗布面は表面全体:A、切断面の片面のみ:B、両切断面と側面の2/3:C、両切断面と側面の1/2:D、両切断面と側面の1/3:Eとした。
各チョコレートかけ麩菓子のチョコレート塗布量と「もそもそ感」の関係について官能試験を行なった結果を表1に示す。結果から分かるように表面積塗布量50%以上、重量比3倍以上のものは焼き麩独特の「もそもそ感」が軽減され、ソフトで、滑らかで口解けの良い美味しい麩菓子であった。
Figure 2011015649
但し、もそもそ感は何も塗布していないものを5点として、下記のように評価した。
0:まったくない
1:ほとんどない
2:極少しある
3:少しある
4:ある
実施例7〜12・・・
実施例1の焼き麩チップを用いて、この焼き麩チップを50℃に溶解したミルクチョコレートの入った鍋に漬け込むか、あるいは上記焼き麩チップにミルクチョコレートを刷けで塗布するかの方法で、焼き麩チップに塗布されるチョコレートの量(塗布量)と面積(塗布面積)を変化させた後、冷却し、チョコレートかけ麩菓子を得た。
焼き麩チップの面積(表面積)は切断面両面+側面の総計で18cm±2cm、重量は0.5g±0.15gとなるものを10枚そろえた。また、塗布倍率は塗布されたチョコレート重量/焼き麩チップ重量、塗布面積率は(塗布面積/焼き麩チップ総面積)×100、塗布面は表面全体:A、切断面の片面のみ:B、両切断面と側面の2/3:C、両切断面と側面の1/2:D、両切断面と側面の1/3:Eとした。
各チョコレートかけ麩菓子のチョコレート塗布量と「もそもそ感」の関係について官能試験を行なった結果を表2に示す。結果から分かるように表面積塗布量50%以上、重量比3倍以上のものは焼き麩独特の「もそもそ感」が軽減され、ソフトで、滑らかで口解けの良い美味しい麩菓子であった。また、ホワイトチョコレートより塗布量が減っても「もそもそ感」の軽減ができる。
Figure 2011015649
但し、もそもそ感は何も塗布していないものを5点として、下記のように評価した。
0:まったくない
1:ほとんどない
2:極少しある
3:少しある
4:ある
実施例13〜16・・・
冷凍グルテン10kg、強力小麦粉10kg、水2kgを混合混捏し、混捏生地を約1時間乾燥しないように室温に放置(以後、ねかしという)した後、生地を細分化(1〜2kg)して練り機で15〜20分間練り、再び約1時間ねかせた後、更に生地を細分化(50〜200g)したものを水槽に漬けながらねかせた。次いでこの生地をスチーム式型釜で上釜220℃、下釜160℃として17分間焼成し、直径約18〜20mm、長さ約1mの棒状の焼き麩を得た。次いでこの焼き麩を木箱などの中に12〜24時間保管(以後、戻しという)した後、斜めに厚さ約15mmに切断し、短径18mm、長径21mmの楕円形の切断面を有する焼き麩の切断品を得た。その後、約60℃の低温の風で乾燥し、切断焼き麩(以後、焼き麩チップという)を得た。
上記焼き麩チップを50℃に溶解したビターチョコレートの入った鍋に漬け込むか、あるいは上記焼き麩チップにビターチョコレートを刷けで塗布するかの方法で、焼き麩チップに塗布されるチョコレートの量(塗布量)と面積(塗布面積)を変化させた後、冷却し、チョコレートかけ麩菓子を得た。
焼き麩チップの面積(表面積)は切断面両面+側面の総計で15cm±1.5cm、重量は0.4g±0.15gとなるものを10個そろえた。また、塗布倍率は塗布されたチョコレート重量/焼き麩チップ重量、塗布面積率は(塗布面積/焼き麩チップ総面積)×100、塗布面は表面全体:A、側面の2/3まで浸漬:F、側面の1/2まで浸漬:G、側面の1/3まで浸漬:Hとした。
各チョコレートかけ麩菓子のチョコレート塗布量と「もそもそ感」の関係について官能試験を行なった結果を表3に示す。結果から分かるように表面積塗布量40%以上、重量比4倍以上のものは焼き麩独特の「もそもそ感」がなく、少し歯ごたえがあり、口解けの良い美味しい麩菓子であった。
Figure 2011015649
但し、もそもそ感は何も塗布していないものを5点として、下記のように評価した。
0:まったくない
1:ほとんどない
2:極少しある
3:少しある
4:ある

Claims (3)

  1. 焼き麩の切断面の長径より薄い厚さに切断した焼き麩にチョコレートを塗布することを特徴とするチョコレートかけ麩菓子の製造方法。
  2. 前記焼き麩が米粉を含む焼き麩であることを特徴とする請求項1記載のチョコレートかけ麩菓子の製造方法。
  3. 前記焼き麩の径が1〜5cmで厚さが2〜10mmであり、前記焼き麩に対して表面積で50%以上、重量比で3倍以上10倍以下のチョコレートを塗布することを特徴とする請求項1又は2記載のチョコレートかけ麩菓子の製造方法。
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