JP2011015592A - 分割ステータとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接する分割コア同士を繋ぐヨークにおいて、かしめや焼き嵌め等の際に磁束が流れる領域の磁区等が乱されることがなく、したがって、ティースからヨークを介し、隣接するティースへの磁束の流れが阻害されることのない、分割ステータとその製造方法を提供する。
【解決手段】電磁鋼板が積層されてなる分割コア10を用意し、これを円周方向に組み付け、隣接する分割コア10,10同士は、ヨーク11のうち、ティース12と反対側の外側領域11a,11aで当接し、ヨーク11のティース側となる内側領域11b、11bでは非接触となっている中間体を形成する第1の工程、中間体の外周に筒体20を焼き嵌める方法等で締結し、隣接する分割コアそれぞれのヨークの内側領域11b、11b同士を、相互に圧力を付与しない姿勢で当接させ、もしくは、非接触の姿勢を保持させて分割ステータ100を製造する第2の工程、からなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、分割コアから形成される分割ステータと、この分割ステータの製造方法に関するものである。
自動車産業においては、ハイブリッド自動車や電気自動車のさらなる走行性能の向上を目指して、駆動用モータの高出力化、軽量化、小型化への開発が日々進められている。また、家電製品メーカーにおいても、各種家電製品に内蔵されるモータのさらなる小型化、高性能化への開発に余念がない。
モータの性能を向上させるには、モータ内部で発生する各種損失を如何に低減できるかが課題である。例えば、電気入力後においては、モータを構成するコイルにおいて導体抵抗損失に起因する銅損が生じ、ロータやステータには渦電流損失やヒステリシス損失に起因する鉄損(または高周波鉄損)が生じ、これらの損失に応じてモータ効率やトルク性能が低下することとなる。この渦電流損失は磁束密度の変化によって齎される損失であり、ヒステリシス損失は磁束密度波形に起因する損失である。
ところで、モータを構成するステータコアとして、コイル形成を含めた製造効率向上の観点から、複数の分割コアからステータ(分割ステータ)を製造する方法がある。この分割ステータにおいては、分割コアのティースにコイルを形成して各分割コアを組付けて円環状のコアユニットを形成し、このコアユニットを筒体(ケーシング)に挿入し、この筒体を焼き嵌めることなどによって、分割ステータが製造されており、たとえば特許文献1にこのような回転電機の開示がある。
一般的なステータコア、および上記する分割コアのいずれであっても、電磁鋼板を積層してなるコアは、少なくともヨークでかしめられたり、接着剤にて接着されたり、あるいはその外周を溶接される等することで、電磁鋼板が一体化され、コアの形状保持が図られている。
しかし、分割コアをその鋼板積層方向でかしめたり、分割コア同士を周方向に組み付け、筒体にて焼き嵌めたりする場合に、分割コア同士の接合箇所となるヨークの全体に外力に起因する内部応力が生じ、これが、ヨークの磁区等を乱してしまい、任意のティースからヨークを介し、隣接するティースへ流れる磁束の流れを阻害する主要因の一つとなっていた。
特開2003−88013号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、分割コアから形成される分割ステータとその製造方法に関し、隣接する分割コア同士を繋ぐヨークにおいて、かしめや焼き嵌め等の際に磁束が流れる領域の磁区等が乱されることがなく、したがって、ティースからヨークを介し、隣接するティースへの磁束の流れが阻害されることのない、分割ステータとその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による分割ステータの製造方法は、平面視が弧状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出するティースと、からなり、電磁鋼板が積層されてなる分割コアを用意し、該分割コアを円周方向に組み付け、この組み付け姿勢において、隣接する分割コア同士は、ヨークのうち、ティースと反対側の外側領域で当接し、ヨークのティース側となる内側領域では非接触となっている中間体を形成する、第1の工程、前記中間体の外周に、筒体を嵌め込む方法で、もしくは、筒体を焼き嵌める方法で配し、締結した際に、隣接する分割コアそれぞれのヨークの前記内側領域同士を、相互に圧力を付与しない姿勢で当接させ、もしくは、依然として非接触の姿勢を保持させて、分割ステータを製造する第2の工程、からなるものである。
本発明の製造方法では、電磁鋼板が積層してなる分割コアのヨークを、外周側の外側領域とティース側となる内側領域に形式的に区分し、この外側領域は隣接する分割コアの外側領域と当接させ、内側領域は隣接する分割コアの内側領域と非接触の状態を保持させて周方向に組み付け、中間体を製作する(第1の工程)。
ここで、分割コアの形状保持を図るべく、電磁鋼板同士をかしめるに際し、上記するヨークの外側領域でこのかしめが実施されるのが好ましい。この外側領域は、以後の第2の工程でも筒体からの締結力を直接的に受ける領域であり、少なくとも第2の工程で受ける圧力によってその磁気特性が乱される領域であることから、分割コアの形状保持用の上記かしめに際しても、この外側領域を利用することにより、内側領域を完全に外部からの圧力を受けない領域とすることができる。すなわち、何等の外力を受けない内側領域を、モータ駆動時に磁束が流れる領域とすることにより、磁束の流れが良好なステータが形成されるものである。
中間体が製作されたら、中間体の外周に、筒体を嵌め込む方法、もしくは筒体を焼き嵌める方法で配し、該中間体を一体に締結する。そして、この締結された姿勢において、隣接する分割コアそれぞれのヨークの内側領域同士は、相互に圧力を付与しない姿勢で当接されてもよいし、依然として非接触の姿勢を保持させてもよい(第2の工程)。
この締結時には、各分割コアのヨークの上記外側領域に締結圧力に起因する応力が生じるが、磁束流れ領域となるヨークの内側領域は、隣接分割コアのヨークから何等の圧力も受けておらず、したがって、当該内側領域の磁気特性が乱されることはない。
ここで、第2の工程にて隣接する分割コアのヨークの内側領域同士が依然として非接触の状態となっている場合でも、その隙間は0.1mm未満の隙間であるのが望ましい。隙間が大きすぎると、磁束が流れ難くなるためであり、本発明者等の知見によれば、0.1mm未満の隙間であれば、スムースな磁束流れが担保できることが特定されている。
また、このように隣接するヨーク間に隙間が存在することで、相互に当接しているヨークの外側領域に磁束が逃げることも考えられるが、本発明者等の知見によれば、ヨークの外側領域は焼き嵌め処理等の際に磁気特性が乱されることで磁気抵抗が大きくなっており、したがって、磁束が逃げ得る領域とはならないことも特定されている。
上記する本発明の分割ステータの製造方法によれば、分割コアの組立体の外周に筒体を嵌め込む、もしくは焼き嵌める等して分割ステータが製造された際に、ヨークの内側領域がスムースな磁束流れを保障する無応力状態となっていることで、回転性能、トルク性能に優れた分割ステータを具備するモータの提供に寄与できる。
また、本発明による分割ステータの製造方法の好ましい実施の形態は、前記第1の工程において、前記外側領域の結晶粒の平均粒径が、前記内側領域の結晶粒の平均粒径に比して相対的に小さくなっている電磁鋼板が積層してなる分割コアが用意されるものである。
本発明者等によれば、電磁鋼板に圧縮応力が作用した場合には、該電磁鋼板の結晶粒の平均粒径が大きくなるに従って生じる鉄損も大きくなること、および、圧縮応力が作用しない場合(無応力の場合)には、平均粒径が所定範囲の場合に鉄損が少なくなり、その範囲を下回る、もしくは上回る場合には鉄損が大きくなること、という知見が得られている。そこで、少なくとも第2の工程にて圧力を受けるヨークの外側領域の結晶粒(もしくは磁粉)の平均粒径に比してその内側領域の結晶粒の平均粒径を大きくしておくことにより、焼き嵌め等の処理の際に圧縮力が直接作用して、内部応力が生じるヨークの外側領域の鉄損を可及的に少なくするとともに、該焼き嵌め等の処理の際に内部応力が生じ得ないヨークの内側領域の鉄損も可及的に少なくして、コア全体の鉄損を最小とする分割ステータコアである。なお、ヨークの内側領域に繋がり、やはり外部からの圧力を受けないティースも、当該内側領域と同様にヨークの外側領域に比してその結晶粒の平均粒径が大きいことが望ましい。
なお、無応力時に電磁鋼板の結晶粒径が所定範囲で最小となる、すなわち、所定範囲で鉄損の最適値を有する理由は、渦損が粒子径の増加に伴って増加する一方で、ヒステリシス損が粒子径の増加に伴って減少する傾向にあり、したがって、渦損とヒステリシス損の総計からなる鉄損は、ある粒子径範囲で鉄損の少ない最適値(最適範囲)を有するというものである。また、ここでいう「粒子径」とは、結晶粒(もしくは磁粉)が球状もしくは略球状の場合はその直径のことであり、結晶粒がそのほかの形状(多角形状、角形と曲面が混ざり合った形状、などの任意形状)の場合にはその最大寸法のことである。また、「平均粒径」とは、ヨーク内、もしくはティース内でそれぞれ測定された、複数の結晶粒径の平均値のことであり、たとえば、ヨーク内のデジタル画像から任意部位の複数の結晶粒の粒径を測定し、その平均値を求めることで「平均粒径」を規定することができる。
さらに、本発明による分割ステータの製造方法の好ましい実施の形態は、前記第1の工程において、電磁鋼板の前記ティースに相当する領域が前記径方向に圧延処理されており、電磁鋼板の前記ヨークに相当する領域が前記周方向に圧延処理されている電磁鋼板から前記分割コアが形成されているものである。
無方向性電磁鋼板を使用する場合であっても、磁束の流れをより良好とするべく、ヨークの圧延方向は周方向に、ティースの圧延方向は径方向となるようにそれらの圧延方向が調整されているのが好ましい。
また、本発明による分割ステータは、平面視が弧状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出するティースと、からなり、電磁鋼板が積層されて分割コアが形成され、該分割コアが円周方向に組み付けられてなる、分割ステータであって、隣接する分割コア同士は、ヨークのうち、ティースと反対側の外側領域で当接し、ヨークのティース側となる内側領域では非接触もしくは相互に圧力を付与しない姿勢で当接しており、前記ヨークの外側領域において、電磁鋼板同士がその積層方向で固定されており、円周方向に組み付けられた前記分割コアが、その外周に配された筒体にて締結されているものである。
既述するように、本発明の分割ステータを具備するモータでは、磁気特性が乱されていない領域がヨークの内側に形成されていることで、ティースからヨークを介し、隣接するティースへ流れる磁束のスムースな流れが保障される。しかも、ティース側となるヨークの内側領域の磁気特性が乱されていないことで、磁束の流れる距離が可及的に短くなること、磁束が流れ易い内側の磁気特性が良好であること、より、これらの観点からも良好な磁束流れが保障されることとなる。
また、本発明の分割ステータにおいて、ヨークの前記外側領域の結晶粒の平均粒径が、前記内側領域の結晶粒の平均粒径に比して相対的に小さくなっているのが好ましいこと、さらに、電磁鋼板の前記ティースに相当する領域が前記径方向に圧延処理されており、電磁鋼板の前記ヨークに相当する領域が前記周方向に圧延処理されている電磁鋼板から前記分割コアが形成されているのが好ましいことは既述の通りである。
上記する本発明の分割ステータ、もしくは分割ステータの製造方法によって製造された分割ステータは、可及的に鉄損の少ない高性能なステータとなる。したがって、この分割ステータを具備するモータ(回転機)は、トルク性能、回転性能、出力効率に優れたものとなり、近時その生産が拡大しており、車載される特に駆動用モータに一層の高出力性能を要求する、ハイブリッド車や電気自動車に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明の分割ステータとその製造方法によれば、隣接するヨークの内側領域同士が相互に圧力を付与することなく、したがって当該内側領域の磁気特性が乱されていないことから、ステータ全体の鉄損を低減でき、スムースな磁束流れを保障でき、トルク性能、回転性能、出力効率に優れたモータの提供に資するものである。
(a)は、本発明の分割ステータを構成する分割コアの斜視図であり、(b)は、分割コアを上方から見た平面図である。 本発明の分割ステータの製造方法の第1の工程を説明した模式図であり、分割コア同士を周方向に組み付けている状況を説明した図である。 第2の工程で筒体が焼き嵌め処理されて製造された分割ステータの斜視図である。 (a)は、製造された分割ステータの一実施の形態であって、隣接する分割コアのヨークの内側領域の間に隙間が形成されているものを示した平面図であり、(b)は、製造された分割ステータの他の実施の形態であって、隣接する分割コアのヨークの内側領域の間に隙間が形成されていないものを示した平面図である。 分割コアの他の実施の形態の平面図であって、ヨークとティース双方の結晶粒を模式的に示した図である。 (a)は、電磁鋼板に圧縮応力が生じた際の鉄損に関し、電磁鋼板の結晶粒の平均粒径が100μmの場合の鉄損に対するその他の平均粒径の場合の鉄損比を示した実験結果であり、(b)は、電磁鋼板が無応力の際の鉄損に関し、電磁鋼板の結晶粒の平均粒径が100μmの場合の鉄損に対するその他の平均粒径の場合の鉄損比を示した実験結果である。 図3で示す本発明の分割ステータを具備するモータの解析モデル(実施例)と、従来構造の分割ステータを具備するモータの解析モデル(比較例)の各鉄損を比較した磁場解析結果である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、説明を明りょうとするべく、分割ステータのティース周りに形成されるコイルの図示は省略している。
図1aは、本発明の分割ステータを構成する分割コアの斜視図であり、図1bは、分割コアを上方から見た平面図である。
図示する分割コア10は、弧状のヨーク11とヨーク11の径方向内側に突出するティース12とからなる電磁鋼板片1,…が所定高さまで積層され、たとえば、このヨーク11は2点のかしめ部k、kで鋼板積層方向でかしめられて図示のごとき外形を保持している。
この分割コア10のうち、ヨーク11は、外周側の外側領域11aと、その内側でティース12側の内側領域11bとからなり、さらに、内側領域11bでは、一方の端部に凹溝11b’が設けてあり、他方の端部に突起11b”が設けてある。
そして、この外側領域11a(または内側領域11b)の範囲の決定は、最終的に分割コア10が周方向に組み付けられ、筒体が嵌めこまれて焼き嵌め等された際に、外力となる圧縮力の影響範囲、より詳細には、この圧縮力によって内部応力が生じ、磁区等が乱されると考えられる範囲を外側領域11aとするものである。したがって、この領域の決定は、焼き嵌め処理時の圧縮力、ヨークの大きさ等によって変化するものである。
そして、電磁鋼板1,…同士をそれらの積層方向でかしめる際にも鋼板の磁区が乱されるため、外側領域11aにてかしめ部kを設定しておくのがよい。
このように、外側領域11aは磁区等が乱されて磁気抵抗が相対的に大きな領域、内側領域11bは何等の外力も作用せず、したがって、相対的に磁気抵抗が小さくて磁束が流れ易い領域、という磁気抵抗上の区分けができるのである。なお、分割コア10,…が組み付けられた姿勢における全体の強度、磁束の流れる領域となる内側領域を可及的に広くとること、などを総合勘案するに、ヨーク11の全体幅:t2に対して、外側領域11aの幅:t1は1/3〜1/2の範囲であるのが好ましい。
図2は、本発明の分割ステータの製造方法の第1の工程を説明した模式図であり、分割コア同士を周方向に組み付けている状況を説明した図である。
図2で示すように、第1の工程で分割コア10,…を周方向に組み付けた際には、一方の分割コア10のヨーク11の凹溝11b’と、隣接する他方の分割コア10のヨーク11の突起11b”の間に隙間Sが形成されるようになっている。すなわち、このような隙間Sが形成されるように、双方の凹溝11b’および突起11b”の形状や寸法が設定されている。なお、双方のヨーク11,11の外側領域11a,11a同士は、相互に当接して当接ライン11cを形成している。
図2で示すような態様で、各分割コア10,…が周方向に組み付けられ、中空環状の中間体が形成される。なお、図2においてティース12外周に形成されるコイルの図示は省略しているが、実際には、この第1の工程で各分割コア10を周方向に組み付ける前段で、各分割コア10のティース12にコイルを形成しておき、その後に中空環状の中間体を形成するのがよい。
次いで、筒体20内に中空環状の中間体を挿通し、筒体20を焼き嵌めることにより、図3で示すような分割ステータ100が形成される(第2の工程)。
同図では、この第2の工程、すなわち、筒体20を焼き嵌め処理した状態においても、隣接する一方の分割コア10のヨーク11の凹溝11b’と、他方の分割コア10のヨーク11の突起11b”の間に隙間Sが形成される実施の形態を示している。この隙間Sは、良好な磁束流れを担保するべく、0.1mm未満の隙間であるのが望ましい。
ここで、図4aには、焼き嵌め処理後のヨーク11に作用する外力を示している。すなわち、筒体20を焼き嵌め処理することにより、筒体20からヨーク11の外側領域11aには圧縮力となる分布荷重qが作用しており、この分布荷重qによって外側領域11aの磁区が乱されてしまう。なお、この状態において、内側領域11bは既述するように分布荷重qが作用しておらず、磁区の乱れは生じ得ない。
一方、図4bは、第2の工程の焼き嵌め処理により、隣接する一方の分割コア10のヨーク11の凹溝11b’と、他方の分割コア10のヨーク11の突起11b”とが当接し、隙間を形成しない実施の形態を示している。
この姿勢においては、双方の凹溝11b’と突起11b”が当接するものの、相互に押圧力を付与しない状態を形成しており、また、当接しても相互に押圧力を付与しないような当初設計(凹溝11b’や突起11b”の当初形状、当初寸法、押圧力の大きさ、分割コアの剛性など)がなされているものである。
図4bのように凹溝11b’と突起11b”が相互に押圧力を付与しない姿勢で当接していることにより、双方の間に隙間が存在する場合よりも磁束の流れはスムースとなり、磁気特性は向上する。なお、従来構造の分割ステータでは、本発明の分割ステータのヨークの内側領域に相当する箇所同士も相互に押圧力を付与するものであり、したがって、ヨークの全体で磁区が乱されているものであることから、図4bで示す本発明の分割ステータの実施の形態とは大きな相違があることを付言しておく。
また、図5は、分割コアの他の実施の形態の平面図であって、ヨークとティース双方の結晶粒を模式的に示した図である。本発明者等による以下で示す検証によれば、電磁鋼板に圧縮応力が作用した場合には、該電磁鋼板の結晶粒の平均粒径が大きくなるに従って生じる鉄損も大きくなること、および、圧縮応力が作用しない場合には、平均粒径が所定範囲の場合に鉄損が少なくなり、その範囲を下回る、もしくは上回る場合には鉄損が大きくなること、という知見が得られている。そこで、少なくとも第2の工程にて圧力を受けるヨークの外側領域の結晶粒の平均粒径に比してその内側領域の結晶粒の平均粒径を大きくしておくことにより、焼き嵌め等の処理の際に圧縮力が直接作用して、内部応力が生じるヨークの外側領域の鉄損を可及的に少なくするとともに、該焼き嵌め等の処理の際に内部応力が生じ得ないヨークの内側領域の鉄損も可及的に少なくして、コア全体の鉄損を最小とすることができる。このような検証結果に基づき、ヨーク11の内側領域11bの結晶粒11b1は、外側領域11aの結晶粒11a1に比してその平均粒径を大径としておき、さらに、この内側領域11bと同様に圧縮応力が作用しないティース12も内側領域11bと同程度の相対的に大径の結晶粒12a1とするものである。以下、この結晶粒に関する上記内容を担保するべく本発明者等によって実施された実験結果を示す。
[電磁鋼板に圧縮応力が生じた際の鉄損、および、電磁鋼板が無応力の際の鉄損に関する実験とその結果]
本発明者等は、結晶粒の平均粒径が異なる複数の電磁鋼板を製造し、一つの実験は、その電磁鋼板に圧縮力を付与して圧縮応力を生じさせてその際の鉄損を求め、他の実験は、電磁鋼板に圧縮力を作用させず、したがって無応力の状態における鉄損を求めたものである。本実験では、1T(テスラ)で周波数が1000Hzの磁気を作用させ、結晶粒の平均粒径が100μmの電磁鋼板で求められた鉄損を基準として、他の平均粒径の結晶粒からなる電磁鋼板の鉄損を求め、基準鉄損に対する比を算定したものである。
圧縮応力が生じた際の鉄損比を図6aに、無応力の際の鉄損比を図6bにそれぞれ示している。
図6aより、電磁鋼板に圧縮応力が生じている場合は、その結晶粒の平均粒径の大きさにほぼ比例するようにして鉄損が増加する傾向にあることが実証されている。このことから、焼き嵌め処理によって圧縮力が作用し、内部に圧縮応力が生じているヨークの外側領域においては、可及的に平均粒径の小さな結晶粒から形成するのが好ましいことが分かる。なお、本発明者等によれば、平均粒径が50μm未満の結晶粒からなる電磁鋼板の製造、すなわち、その範囲の粒径制御が極めて困難であることも特定されており、したがって、鉄損と、製造可能性もしくは製造効率の観点から、ヨークの外側領域の結晶粒の平均粒径は可及的に小さく、かつ、50μm以上に調整されるのが望ましいことが実証されている。
一方、図6bより、電磁鋼板が無応力の場合は、その結晶粒の平均粒径が70μm、100μmで変曲点を有し、かつ、70〜100μmの範囲で鉄損が相対的に小さくなる傾向にあることが実証されている。このことから、焼き嵌め処理の際に圧縮力が作用せず、したがって無応力状態のヨークの内側領域やティースにおいては、その結晶粒がたとえば上記する70〜100μmの範囲の平均粒径で形成されるのが好ましいことが分かる。
図6a,bの結果を総合勘案すると、ヨークの外側領域の結晶粒の平均粒径は可及的に小さく、かつ、50μm以上が望ましいこと、ヨークの内側領域およびティースの結晶粒の平均粒径は70〜100μmの範囲が好ましいこと、より、ヨークの内側領域およびティースの結晶粒の平均粒径を70〜100μmの範囲に調整し、かつ、ヨークの外側領域の結晶粒の平均粒径を50〜70μm未満の範囲に調整するのが望ましいと結論付けられる。
[本発明の分割ステータを具備するモータの解析モデル(実施例)と、従来構造の分割ステータを具備するモータの解析モデル(比較例)の各鉄損を比較した磁場解析とその結果]
本発明者等は、図3で示す本発明の分割ステータを具備するモータの解析モデル(実施例)と、従来構造の分割ステータを具備するモータの解析モデルをそれぞれコンピュータ内で形成し、1Tで周波数が1000Hzの磁気を作用させた磁場解析をおこない、双方の鉄損を求めて比較した。その結果を図7に示している。なお、同図では、比較例の鉄損を1に正規化し、実施例の鉄損をそれに対する比率で示している。
図7より、比較例に対して、実施例の鉄損はその65%程度にまで低減しており、35%程度の鉄損低減(もしくはトルク性能向上)を実現できることが実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…電磁鋼板片、10…分割コア、11…ヨーク、11a…外側領域、11a1…ヨークの外側領域の結晶粒、11b…内側領域、11b1…ヨークの内側領域の結晶粒、11b’…凹溝、11b”…突起、12…ティース、12a1…ティースの結晶粒、20…筒体、100…分割ステータ、k…かしめ部、s…隙間、100…分割ステータ

Claims (8)

  1. 平面視が弧状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出するティースと、からなり、電磁鋼板が積層されてなる分割コアを用意し、該分割コアを円周方向に組み付け、この組み付け姿勢において、隣接する分割コア同士は、ヨークのうち、ティースと反対側の外側領域で当接し、ヨークのティース側となる内側領域では非接触となっている中間体を形成する、第1の工程、
    前記中間体の外周に、筒体を嵌め込む方法で、もしくは、筒体を焼き嵌める方法で配し、締結した際に、隣接する分割コアそれぞれのヨークの前記内側領域同士を、相互に圧力を付与しない姿勢で当接させ、もしくは、依然として非接触の姿勢を保持させて、分割ステータを製造する第2の工程、からなる、分割ステータの製造方法。
  2. 前記第1の工程、もしくは前記第2の工程において、分割コアを構成する電磁鋼板同士を、そのヨークの外側領域でその積層方向に固定する、請求項1に記載の分割ステータの製造方法。
  3. 前記第1の工程において、前記外側領域の結晶粒の平均粒径が、前記内側領域の結晶粒の平均粒径に比して相対的に小さくなっている電磁鋼板が積層してなる分割コアが用意される、請求項1または2に記載の分割ステータの製造方法。
  4. 前記第1の工程において、電磁鋼板の前記ティースに相当する領域が前記径方向に圧延処理されており、電磁鋼板の前記ヨークに相当する領域が前記周方向に圧延処理されている電磁鋼板から前記分割コアが形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の分割ステータの製造方法。
  5. 平面視が弧状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出するティースと、からなり、電磁鋼板が積層されて分割コアが形成され、該分割コアが円周方向に組み付けられてなる、分割ステータであって、
    隣接する分割コア同士は、ヨークのうち、ティースと反対側の外側領域で当接し、ヨークのティース側となる内側領域では非接触もしくは相互に圧力を付与しない姿勢で当接しており、
    前記ヨークの外側領域において、電磁鋼板同士がその積層方向で固定されており、
    円周方向に組み付けられた前記分割コアが、その外周に配された筒体にて締結されている、分割ステータ。
  6. ヨークの前記外側領域の結晶粒の平均粒径が、前記内側領域の結晶粒の平均粒径に比して相対的に小さくなっている、請求項5に記載の分割ステータ。
  7. 電磁鋼板の前記ティースに相当する領域が前記径方向に圧延処理されており、電磁鋼板の前記ヨークに相当する領域が前記周方向に圧延処理されている電磁鋼板から前記分割コアが形成されている、請求項5または6に記載の分割ステータ。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の分割ステータと、該分割ステータの内側に配設されたロータと、からなる、モータ。
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