JP7319274B2 - コア、ステータ、及び回転電機 - Google Patents
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Description
本出願は、2018年7月27日付の日本国出願の特願2018-141841に基づく優先権を主張し、前記日本国出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
アキシャルギャップ型の回転電機のロータ又はステータに備わるコアであって、
前記コアは、圧粉成形体で構成されるブロック状の第一部材及び板状の第二部材を備え、
前記第一部材は、前記第二部材に対向する第一面と、前記第一面に形成される第一連結部とを備え、
前記第二部材は、前記第一面に対向する第二面と、前記第二面に形成され、前記第一連結部に連結する第二連結部とを備え、
前記第一連結部及び前記第二連結部の一方が突起、他方が前記突起に対応する形状を有する窪みで構成されており、
前記第一連結部を前記第一面に直交する方向から見た正面形状、及び前記第二連結部を前記第二面に直交する方向から見た正面形状が、環形状又は一部が繋がっていない断続的な環形状である。
本開示のコアと、
前記コアに備わる各ティースに配置されるコイルとを備える。
ロータとステータとが、前記ロータの回転軸の軸方向に並ぶアキシャルギャップ型の回転電機であって、
前記ステータが本開示のステータである。
コアの磁気特性を向上させ、かつコアの生産性を向上させることが望まれている。そのためには、ヨークとティースの両方を高密度の圧粉成形体で構成することが有効と考えられる。圧粉成形体を高密度化するには、高い成形圧(面圧)で軟磁性粉末を圧縮成形する必要がある。しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載される形状のヨークとティースでは、部分的に密度が低い部分ができ易いことが分かった。また、特許文献1に記載される形状のヨークとティースは、一度の圧縮成形で完成させられない場合があることも分かった。
本開示のコアは、全体的に高密度で、生産性に優れる。また、本開示のステータは、磁気特性と生産性に優れる。更に、本開示の回転電機は、出力特性と生産性に優れる。
本発明者らは、ブロック状のティースと板状のヨークとを各々、圧粉成形体で形成する際の問題点を検討した。その結果、ティースとヨークとを連結させる凹部と凸部が特許文献1に記載されるような単純な形状であることが問題となることが分かった。圧縮成形で凸部を有するティースを作製する場合、凸部の角となる部分に軟磁性粉末が行き渡り難く、凸部(特に凸部の角)の密度が他の部分よりも低くなり易い。凸部の密度が低いと、凸部の強度が低下し、凸部が破損し易くなる。そのため、ティースとヨークとを連結できなくなる恐れがある。また、圧縮成形で凹部を有するヨークを作製する場合、凹部の縁となる部分に軟磁性粉末が行き渡り難い。そのため、凹部を有するヨークを作製するには、ヨークの全体形状を形成する圧縮成形を行った後、更に凹部を完成させるための圧縮成形を行わなければならない。つまり、一度の圧縮成形で凹部を有するヨークを完成させることができない。これらの問題点を踏まえて本発明者らは、凹部と凸部の形状を特定の形状とすることで上記問題点を解決できることを見出した。
アキシャルギャップ型の回転電機のロータ又はステータに備わるコアであって、
前記コアは、圧粉成形体で構成されるブロック状の第一部材及び板状の第二部材を備え、
前記第一部材は、前記第二部材に対向する第一面と、前記第一面に形成される第一連結部とを備え、
前記第二部材は、前記第一面に対向する第二面と、前記第二面に形成され、前記第一連結部に連結する第二連結部とを備え、
前記第一連結部及び前記第二連結部の一方が突起、他方が前記突起に対応する形状を有する窪みで構成されており、
前記第一連結部を前記第一面に直交する方向から見た正面形状、及び前記第二連結部を前記第二面に直交する方向から見た正面形状が、環形状又は一部が繋がっていない断続的な環形状である。
前記第一部材はティースであり、
前記第二部材はヨークである形態を挙げることができる。
前記第一部材は鍔部を有するティースであり、
前記第二部材はヨークである形態を挙げることができる。
前記第一部材はティースとヨークとの一体物であり、
前記第二部材は前記ヨークとは別の板状片であり、
前記板状片は、前記ティースにおける前記ヨークとは反対側の端面に配置され、前記端面の輪郭線からはみ出す鍔部を備える形態を挙げることができる。
前記第一部材はティースであり、
前記第二部材はヨーク及び前記ヨークとは別の板状片であり、
前記板状片は、前記ティースにおける前記ヨークとは反対側の端面に配置され、前記端面の輪郭線からはみ出す鍔部を備える形態を挙げることができる。
前記第一連結部の前記正面形状、及び前記第二連結部の前記正面形状が、非円環形状である形態を挙げることができる。
前記窪みにおける底面と内壁面との繋ぎ目、及び前記内壁面と前記第一面又は第二面との繋ぎ目が丸められており、
前記突起における頂面と外壁面との繋ぎ目、及び前記外壁面と前記第一面又は第二面との繋ぎ目が丸められている形態を挙げることができる。
前記窪みの深さ、及び前記突起の高さは、0.5mm以上で、かつ前記第一部材と前記第二部材のうち、厚みが小さい方の厚みの30%以下である形態を挙げることができる。
前記窪みの幅、及び前記突起の幅は、0.5mm以上10mm以下である形態を挙げることができる。
前記窪みにおける底面と内壁面との繋ぎ目、及び前記内壁面と前記第一面又は前記第二面との繋ぎ目、並びに
前記突起における頂面と外壁面との繋ぎ目、及び前記外壁面と前記第一面又は前記第二面との繋ぎ目が丸められており、
前記各繋ぎ目の丸みの曲率半径が0.5mm以上4.0mm以下である形態を挙げることができる。
前記第一連結部は窪みで、前記第二連結部は突起である形態を挙げることができる。
前記第一連結部は突起で、前記第二連結部は窪みである形態を挙げることができる。
前記第一連結部の前記正面形状、及び前記第二連結部の前記正面形状が、レーストラック形状、又は各頂点が丸められた三角形、長方形、台形、及び菱形から選択されるいずれかの形状である形態を挙げることができる。
前記第一面の面積を100%としたとき、前記第一連結部の外周輪郭線よりも内側の面積が10%以上80%以下、
前記第二面の面積を100%としたとき、前記第二連結部の外周輪郭線よりも内側の面積が10%以上80%以下である形態を挙げることができる。
前記第一部材は、前記第一面における前記第一連結部の環形状の内側に形成される第三連結部を備え、
前記第二部材は、前記第二面における前記第二連結部の環形状の内側に形成される第四連結部を備え、
前記第三連結部は、前記第一面よりも前記第一連結部の反対側に突出する形状、又は窪んだ形状を備え、
前記第四連結部は、前記第三連結部に対応する形状を備える形態を挙げることができる。
上記<1>から<15>のいずれかのコアと、
前記コアに備わる各ティースに配置されるコイルとを備える。
ロータとステータとが、前記ロータの回転軸の軸方向に並ぶアキシャルギャップ型の回転電機であって、
上記<16>のステータである。
本開示の実施形態に係るコア、ステータ、及び回転電機の具体例を図面に基づいて説明する。図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
≪回転電機≫
実施形態1では、図10に示すアキシャルギャップ型の回転電機1を例にして説明を行う。回転電機1は、発電機でも良いし、電動機(モータ)でも良い。回転電機1は、ハウジング10内に配置されるロータ2とステータ3とを備える。
ロータ2は、平板状の複数の磁石22と、これら磁石22を支持する円環形状の保持板21とを備える。保持板21は、シャフト20に固定され、シャフト20と共に回転する。磁石22は保持板21に埋め込まれている。磁石22は、シャフト20の周方向に間隔をあけて配置されている。また、磁石22は、ロータ2の回転軸方向(シャフト20の軸方向)に着磁されている。シャフト20の周方向に隣り合う磁石22の磁化方向は互いに逆になっている。
ステータ3は、コア30と、コア30のティース4に配置されるコイル31とを備える。ステータ3は、シャフト20の軸方向にロータ2に対向して配置され、ハウジング10に固定されている。ステータ3とシャフト20との間には軸受23が配置されており、ステータ3は回転しない。本実施形態の回転電機1は、このステータ3、特にステータ3に備わるコア30に特徴がある。
図1~3に示すコア30は、ティース4とヨーク5とを備える。本例では、コア30に12個のティース4が形成されている。ティース4の数は特に限定されない。アキシャルギャップ型の回転電機1の場合、隣り合う2個のティース4でヨーク5を介した磁気回路を形成するため、ティース4の個数は2n(nは自然数)個とすることが好ましい。本例では、ティース4をブロック状の第一部材とし、ヨーク5を板状の第二部材とし、ティース4とヨーク5とを別個に作製する。別個に作製したティース4とヨーク5は、図3に示す連結機構9によって連結される。連結機構9の詳細は後述する。
ティース(第一部材)4の説明にあたっては、主として図4,5A,5B,6を参照する。本例のティース4は、ヨーク5(図3)とは反対側の端部にフランジ(鍔部45)を有する概略台形柱状の部材である。ティース4の形状は特に限定されない。例えば、ティース4は概略三角柱状であっても構わない。その他、ティース4の形状は、円柱状や四角柱状などでも良い。
ヨーク5の説明にあたっては主として図7,8A,8B,9を参照する。図7に示すように、ヨーク5は円環形状の部材である。本例のヨーク5は一つの部材で構成されている。ヨーク5は複数の分割片を組み合わせて構成することもできる。例えば、扇状の分割片を繋ぎ合わせて円環形状のヨーク5を形成できる。
連結機構9は、第一連結部91と第二連結部92とを備える。第一連結部91は、第一面40に形成される窪みであり、第二連結部92は、第二面50から突出する突起である。第一連結部91(窪み)の内形は、第二連結部92(突起)の外形に対応する形状となっている。そのため、第一連結部91に第二連結部92を嵌め込むことで、第一連結部91の内周面に第二連結部92の外周面が面接触する。その結果、ティース4とヨーク5とが連結される。
図4,5A,5Bに基づいて、第一連結部91(窪み)の形状を詳しく説明する。図4に示すように、第一連結部91を第一面40と直交する方向から見た正面形状は環形状になっている。本例の第一連結部91の正面形状は、レーストラック形状となっている。第一連結部91の正面形状は、円環形状であっても良いし、本例のレーストラック形状を含む非円環形状であっても良い。レーストラック形状以外の非円環形状としては、例えば各頂点が丸められた三角形、長方形(正方形を含む)、台形、又は菱形などの多角形状、環の一部が繋がっていないC字形やU字形などの断続的な環形状を挙げることができる。第一連結部91の正面形状が非円環形状であれば、ティース4とヨーク5とを連結した後、第一面40(第二面50)上で、ティース4がヨーク5に対して回転することを抑制できる。図4の例示とは異なり、第一連結部91をヨーク5(図1)の径方向の内方側と外方側に二分したとき、分割線(図4の二点鎖線参照)を挟む紙面上側の部分と下側の部分とが非線対称となっても良い。その場合、ヨーク5に対するティース4の向きが限定されるので、ティース4の向きを間違えることが無くなる。
図7,8に基づいて、第二連結部92(突起)の形状を詳しく説明する。既に述べたように、第二連結部92は、第一連結部91に対応する形状を備えている。そのため、図7に示すように、第二連結部92を第二面50と直交する方向から見た正面形状は、第一連結部91の正面形状と同じ形状・同じ大きさとなっている。
実施形態のコア30(図1)には局所的に軟磁性粉末の密度が低い箇所が殆ど無いため、コア30は全体的に高密度である。局所的に低密度な箇所がコア30に形成されないのは、第一連結部91と第二連結部92を構成する突起と窪みの正面形状が環形状又は断続的な環形状となっているからである。
実施形態2では、実施形態1とは異なるコア30を図11に基づいて説明する。図11の見方は実施形態1の図3と同じである。
実施形態3では、ティース4が第三連結部93を有し、ヨーク5が第四連結部94を有するコア30を図12A,12Bに基づいて説明する。
実施形態4では、実施形態3と異なるコア30を図13A,13Bに基づいて説明する。
実施形態5では、ティース4と、ティース4におけるヨーク5とは反対側に配置される板状片6と、を連結したコア30を図14に基づいて説明する。
ティース4におけるヨーク5とは反対側に配置される板状片6を備える構成として、実施形態6では、実施形態5とは異なるコア30を図15に基づいて説明する。
実施形態1~6で説明したコア30は、ステータに用いられるものである。このコアは、ロータに用いることもできる。
10 ハウジング
2 ロータ
20 シャフト、21 保持板、22 磁石、23 軸受
3 ステータ
30 コア、31 コイル
4 ティース(第一部材)
40 第一面、41 周面、42 端面、45 鍔部
5 ヨーク(第二部材)
50 第二面、52 裏面、53 内側の縁面、54 外側の縁面、55 貫通孔
6 板状片(第二部材)
60 対向面
9 連結機構
91 第一連結部、92 第二連結部、93 第三連結部、94 第四連結部
9d 底面、9i 内壁面、9o 外壁面、9t 頂面
Claims (17)
- アキシャルギャップ型の回転電機のロータ又はステータに備わるコアであって、
前記コアは、圧粉成形体で構成されるブロック状の第一部材及び板状の第二部材を備え、
前記第一部材は、前記第二部材に対向する第一面と、前記第一面に形成される第一連結部とを備え、
前記第二部材は、前記第一面に対向する第二面と、前記第二面に形成され、前記第一連結部に連結する第二連結部とを備え、
前記第一連結部及び前記第二連結部の一方が突起、他方が前記突起に対応する形状を有する窪みで構成されており、
前記第一連結部を前記第一面に直交する方向から見た正面形状、及び前記第二連結部を前記第二面に直交する方向から見た正面形状が、環形状又は一部が繋がっていない断続的な環形状である、
コア。 - 前記第一部材はティースであり、
前記第二部材はヨークである請求項1に記載のコア。 - 前記第一部材は鍔部を有するティースであり、
前記第二部材はヨークである請求項1に記載のコア。 - 前記第一部材はティースとヨークとの一体物であり、
前記第二部材は前記ヨークとは別の板状片であり、
前記板状片は、前記ティースにおける前記ヨークとは反対側の端面に配置され、前記端面の輪郭線からはみ出す鍔部を備える請求項1に記載のコア。 - 前記第一部材はティースであり、
前記第二部材はヨーク及び前記ヨークとは別の板状片であり、
前記板状片は、前記ティースにおける前記ヨークとは反対側の端面に配置され、前記端面の輪郭線からはみ出す鍔部を備える請求項1に記載のコア。 - 前記第一連結部の前記正面形状、及び前記第二連結部の前記正面形状が、非円環形状である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコア。
- 前記窪みにおける底面と内壁面との繋ぎ目、及び前記内壁面と前記第一面又は第二面との繋ぎ目が丸められており、
前記突起における頂面と外壁面との繋ぎ目、及び前記外壁面と前記第一面又は第二面との繋ぎ目が丸められている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコア。 - 前記窪みの深さ、及び前記突起の高さは、0.5mm以上で、かつ前記第一部材と前記第二部材のうち、厚みが小さい方の厚みの30%以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコア。
- 前記窪みの幅、及び前記突起の幅は、0.5mm以上10mm以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコア。
- 前記窪みにおける底面と内壁面との繋ぎ目、及び前記内壁面と前記第一面又は前記第二面との繋ぎ目、並びに
前記突起における頂面と外壁面との繋ぎ目、及び前記外壁面と前記第一面又は前記第二面との繋ぎ目が丸められており、
前記各繋ぎ目の丸みの曲率半径が0.5mm以上4.0mm以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のコア。 - 前記第一連結部は窪みで、前記第二連結部は突起である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコア。
- 前記第一連結部は突起で、前記第二連結部は窪みである請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコア。
- 前記第一連結部の前記正面形状、及び前記第二連結部の前記正面形状が、レーストラック形状、又は各頂点が丸められた三角形、長方形、台形、及び菱形から選択されるいずれかの形状である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のコア。
- 前記第一面の面積を100%としたとき、前記第一連結部の外周輪郭線よりも内側の面積が10%以上80%以下、
前記第二面の面積を100%としたとき、前記第二連結部の外周輪郭線よりも内側の面積が10%以上80%以下である請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のコア。 - 前記第一部材は、前記第一面における前記第一連結部の環形状の内側に形成される第三連結部を備え、
前記第二部材は、前記第二面における前記第二連結部の環形状の内側に形成される第四連結部を備え、
前記第三連結部は、前記第一面よりも前記第一連結部の反対側に突出する形状、又は窪んだ形状を備え、
前記第四連結部は、前記第三連結部に対応する形状を備える請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のコア。 - 請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のコアと、
前記コアに備わる各ティースに配置されるコイルとを備える、
ステータ。 - ロータとステータとが、前記ロータの回転軸の軸方向に並ぶアキシャルギャップ型の回転電機であって、
前記ステータが請求項16に記載のステータである、
回転電機。
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