JP2010259164A - アキシャルギャップ型電動機用界磁子、その製造方法、およびアキシャルギャップ型電動機 - Google Patents

アキシャルギャップ型電動機用界磁子、その製造方法、およびアキシャルギャップ型電動機 Download PDF

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伸 中増
Yoshinari Asano
能成 浅野
Tatsushi Yasumoto
竜志 安本
Atsushi Kito
敦之 木藤
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Abstract

【課題】製造コストおよび部品点数の上昇を抑えつつ、磁性発生部の界磁子での中心軸方向の移動を防止できるアキシャルギャップ型電動機用界磁子を提供する事を目的としている。
【解決手段】このアキシャルギャップ型電動機用界磁子1は、外側筒部11と内側筒部13と連結部15とで囲まれた複数の領域17の各々の内側に嵌合された複数の界磁発生部19と、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記外側筒部の中心軸P1方向の一方側P+の部分において前記領域の内側に突出する様に形成され、前記界磁発生部の前記一方側の面19aに係合する第1の係合部21とを備え、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記他方側P−の部分が塑性変形可能であり、前記部分から前記領域の内側に突出して前記界磁発生部の前記他方側の面19bに係合する第2の係合部23が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機や送風機などの駆動源として使用可能なアキシャルギャップ型電動機用界磁子、その製造方法、およびアキシャルギャップ型電動機に関する。
アキシャルギャップ型電動機は、その偏平形状の特異性により種々の機器(例えばハードディスク等の情報機器や小型アクチュエータ等の駆動機器)で使用されている。アキシャルギャップ型電動機については、昨今、各社より駆動用としても製品化事例を見かけることが増えているが、電動機の容量の大きな分野では、依然としてラジアルギャップ型電動機が使用されている。その要因は、アキシャルギャップ型電動機の中・大容量化における特有の課題が存在する為である。その課題解決の為の技術については、例えば特許文献1−5に公開されている。
特許第2957346号公報 特開2006−050844号公報 特開2008−148384号公報 特開2008−187863号公報 特開2007−244151号公報
特許文献1には、回転子に配設された永久磁石の耐遠心力を飛躍的に増大できる回転子構造が公開されている。
また特許文献2には、2つの固定子の間に2つ以上の回転子を配置した電動機が開示されている。
また特許文献3には、永久磁石の減磁を防止しつつ、トルクリプルと回転子鉄損とを低減できる回転子構造が公開されている。
また特許文献4には、アキシャルギャップ型電動機に特有の回転軸方向の力(即ち回転軸方向に掛かる大きな電磁力)を削減することにより、回転子軸受けの寿命の増大と永久磁石の減磁とを防止する電動機構造が公開されている。
また特許文献5には、永久磁石が固設される鉄系材料からなる外側部と、鉄系材料よりも低密度の材料からなる内側部とから構成される回転子において、それら外側部と内側部との一体化工程を簡素化し、軽量化された電動機を提供する技術が開示されている。
しかしながら、各特許文献1−5では、部品構成に関する技術は公開されているが、アキシャルギャップ型電動機に有効な量産化技術、例えば、アキシャルギャップ型電動機の回転子(ここでは界磁子として機能する)において、安価で簡便な技術により、回転子に配設された永久磁石等の界磁発生部が回転子の回転軸方向に移動する事を防止する技術(換言すれば、界磁発生部が回転子から外れる事を防止する技術)については、開示されていない。
この点につき、特許文献1には、1極あたり10個の円柱型とした永久磁石を、分散させて、ロータ円盤(回転子)に設けた10個の穴に埋め込む技術が開示されている(0024段落)。しかしこの様にすると、1極あたりの無磁極部分が増加してトルクの低下を招き、また回転子の生産工数が増大して製造コストが増加するという欠点がある。
一般にアキシャルギャップ型電動機では、回転子と固定子との間に発生する磁気吸引力の1磁極の値は、簡易的には式1の様に表される。
F=1/(2μ0)^B2・S ・・・・・式1
但し、F:吸引力[N]
μ0:真空の透磁率 4π×10-7[H/m]
B:エアギャップの磁束密度[T]
S:1磁極の磁束透過面積[m2]
式1から分かる様に、1磁極あたりの永久磁石の細分化数を少なくすると、Sが大きくなり、1磁極あたりの回転軸方向に掛かる電磁力が増大するので、一般に、永久磁石を埋め込むだけでは、永久磁石が回転子の回転軸方向に移動する事を防止することは難しい。
また特許文献5には、永久磁石が固設された外側部を過熱しその内径を内側部の外径以上に拡径させておき、前記外側部の内側に内側部を嵌入した後、冷却により前記外側部を縮径させることで、前記外側部と前記内側部とを一体化する技術が開示されている(0016段落)。しかしこの技術は、回転子の外周面に永久磁石を配設するラジアルギャップ型電動機の場合に有効な技術であり、回転子の中心軸方向の主面に永久磁石を配設するアキシャルギャップ型電動機には、適用する事はできない。
また特許文献1には、回転子の遠心力により永久磁石が飛散しない様に、相当厚い非磁性の保持環を永久磁石の外周面に設ける技術が開示されている(0002段落)。この様にこの特許文献では、保持環を用いて、即ち部品点数を増やして、永久磁石が回転子から飛散する事を防止する技術が開示されている。かかる保持環は固定子と回転子との間に働く磁気吸引力にも抗すると理解されるので、この観点で永久磁石を保持する技術をアキシャルギャップ型電動機に応用すると、上記の保持環は、回転子の回転軸方向の面側に設けられる例えば円盤状の保持部材になると考えられる。
この様に円盤状に形成された保持部材では、その回転子の中心軸方向(即ちアキシャルギャップ型の場合に永久磁石に働く磁気吸引力の方向)の剛性は、上記の保持環の半径方向(即ちラジアル型の場合に永久磁石に働く遠心力の方向であって、磁気吸引力と同じ方向)の剛性と比べて、構造的に著しく低くなる。保持部材の厚さを薄くすることは、回転子と固定子との間隔(いわゆるエアギャップ)を拡げない観点で要求されるためである。よって磁気吸引力による永久磁石の飛散(即ち回転子の中心軸方向の移動)を十分に防止できない。または、保持部材の剛性を向上させるために保持部材を厚くすると、エアギャップが拡くなり特性が低下し、又、製造コストが掛かるという欠点が生じる。
本発明は、上述した課題の解決を鑑みてなされたものであり、製造コストおよび部品点数の上昇を抑えつつも電動機特性を維持し、磁性発生部の界磁子での中心軸方向の移動を防止できるアキシャルギャップ型電動機用界磁子、その製造方法、およびアキシャルギャップ型電動機を提供する事を目的としている。
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、外側筒部(11)と、前記外側筒部の内側に間隔を空けて同心軸状に配置された内側筒部(13)と、前記外側筒部の略径方向に延びて、前記外側筒部と前記内側筒部とを連結する複数の連結部(15)と、前記外側筒部と前記内側筒部と前記連結部とで囲まれた複数の領域(17)の各々の内側に嵌合された複数の界磁発生部(19)と、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記外側筒部の中心軸(P1)方向の一方側(P+)の部分において前記領域の内側に突出する様に形成され、前記界磁発生部の前記一方側の面(19a)に係合する第1の係合部(21)とを備え、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記他方側(P−)の部分が塑性変形可能であり、前記部分から前記領域の内側に突出して前記界磁発生部の前記他方側の面(19b)に係合する第2の係合部(23)が設けられるものである。
本発明の第2の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)は、一体形成されるものである。
本発明の第3の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記第2の係合部(23)は、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分および/または前記内側筒部(13)の前記他方側の部分において隣合う前記各連結部(15)の間に形成されるものである。
本発明の第4の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1または2の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記第2の係合部(23)は、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分において前記連結部(15)と連結される位置に隣接した部分、および/または、前記内側筒部(13)の前記他方側(P−)の部分において前記連結部と連結される位置に隣接した部分に形成されるものである。
本発明の第5の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記第2の係合部(23)は、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分の全周、および/または、前記内側筒部(13)の前記他方側(P−)の部分の全周に亘って形成されるものである。
本発明の第6の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜5の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)のうちの少なくとも1つの前記他方側(P−)の部分の当該他方側(P−)の端面(11a)に、その前記領域(17)側の側壁が前記第2の係合部(23)として機能する凹部(25)が設けられるものである。
本発明の第7の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜6の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記界磁発生部(19)の前記他方側(P−)の前記面(19b)における前記第2の係合部(23)との係合部分(19c)は、前記面のうちで前記係合部分以外の部分に対して、前記一方側(P+)に退いているものである。
本発明の第8の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜7の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記第1の係合部(21)は、前記外側筒部(11)および/または前記内側筒部(13)の前記一方側(P+)の部分に形成されるものである。
本発明の第9の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜7の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記第1の係合部(21)は、前記連結部(15)の前記一方側(P+)の部分において前記領域(17)側に突出する様に形成されるものである。
本発明の第10の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜9の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記外側筒部(11)の周方向(P2)における前記連結部(15)の断面形状(15a)は、その前記周方向の幅(15h)よりもその前記中心軸(P1)方向の幅(15v)の方が大きい略長方形であるものである。
本発明の第11の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜9の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)は、金属で形成されるものである。
本発明の第12の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第11の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記金属は、ステンレスであるものである。
本発明の第13の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第11または12の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)は、焼結によって形成されるものである。
本発明の第14の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子は、第1〜13の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、前記界磁発生部(19)は、永久磁石を有し、前記外側筒部(11)の中心軸(P1)方向の両側の各々において、前記外側筒部の周方向(P2)に交互に異なる磁極を呈する様に配置されるものである。
本発明の第15の態様に係るアキシャルギャップ型電動機は、回転子として回転自在に配置された第1〜14の態様の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子と、前記アキシャルギャップ型電動機用界磁子(1,1B〜1F)の中心軸(P1)方向の両側に同心軸状に配置された2つの固定子(20,50)と、を備えるものである。
本発明の第16の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法は、(a)外側筒部(11)と、前記外側筒部の内側に間隔を空けて同心軸状に配置された内側筒部(13)と、前記外側筒部の略径方向に延びて、前記外側筒部と前記内側筒部とを連結する複数の連結部(15)と、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記外側筒部の第1中心軸(P1)方向の一方側(P+)の部分において、前記領域(17)の内側に突出する様に形成された第1の係合部(21)とを備えた枠体(27)を形成する工程と、(b)前記枠体における前記外側筒部と前記内側筒部と前記連結部とで囲まれた複数の領域の内側に、前記第1中心軸方向の他方側(P−)から、界磁発生部(19)を嵌合する工程と、(c)金型(30,30W,30X)による押圧力により、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記他方側の部分を、前記領域の内側に突出して前記界磁発生部の前記他方側の面(19b)に係合する様に塑性形成して、第2の係合部(23)を形成する工程と、を備えるものである。
本発明の第17の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法は、第16の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、前記工程(c)では、前記金型(30)は棒状に形成されており、前記金型の先端部(30a)によって、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分の外側面を前記領域(17)側へ向けて押圧することで、前記外側筒部の前記他方側の前記部分を前記領域側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成するものである。
本発明の第18の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法は、請求項16に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、前記工程(c)では、前記金型(30W)は筒状内周面(31a)を有し、前記筒状内周面のその第2中心軸(P4)方向の一方側(P+)の周縁部分(31b)は、前記第2中心軸方向の前記一方側に行くほど前記筒状内周面の径方向(P5)の外側に傾斜し、且つ前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記一方側の最大径(31r1)は、前記外側筒部(11)における前記第1中心軸方向の前記他方側の部分(11a)の内径(11r2)以上に大きく形成され、且つ前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記他方側の最小径(31r2)は、前記外側筒部の前記部分(11a)の外径(11r1)以下に小さく形成されており、前記筒状内周面の前記周縁部分を、前記外側筒部の前記部分に押圧することで、前記外側筒部の前記部分を内周側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成するものである。
本発明の第19の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法は、第16または18の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、前記工程(c)では、前記金型(30W)は筒状外周面(32a)を有し、前記筒状外周面のその第2中心軸(P4)方向の一方側(P+)の周縁部分(32b)は、前記第2中心軸方向の前記一方側に行くほど前記筒状外周面の径方向(P5)の内側に傾斜し、且つ前記筒状外周面の前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記他方側(P−)の最大径(32r1)は、前記内側筒部(13)における前記第1中心軸方向の前記他方側(P−)の部分(13a)の内径(13r2)以上に大きく形成され、且つ前記筒状外周面の前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記一方側の最小径(32r2)は、前記内側筒部(13)の前記部分(13a)の外径(13r1)以下に小さく形成されており、前記筒状外周面の前記周縁部分を、前記内側筒部の前記部分に押圧することで、前記内側筒部の前記部分を外周側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成するものである。
本発明の第20の態様に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法は、第16の態様に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、前記工程(a)では、前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)のうちの少なくとも1つの前記第1中心軸(P1)方向の他方側(P−)の部分の当該他方側(P−)の端面(11a)に凹部(25a)を形成し、前記工程(c)では、前記金型(30X)は前記凹部内に圧入される圧入部(33)を有し、前記圧入部の先端側から基端側に行くほど幅広に形成されており、前記金型の前記圧入部をその先端側から前記凹部に圧入することで、前記凹部の前記領域側の側壁を前記領域側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成するものである。
本発明の第1および第16の態様によれば、第1の係合部(21)および第2の係合部(23)を備えるので、界磁発生部(19)が、外側筒部(11)と内側筒部(13)と連結部(15)とで囲まれた領域(17)から外れる事(即ち界磁子から外れる事)を防止できる。
また第2の係合部は、外側筒部、内側筒部および連結部のうちの少なくとも1つの他方側(P−)の部分を塑性変形して形成できるので、界磁発生部を領域内に嵌合した後に第2の係合部を形成できる。これにより、第2の係合部が、界磁発生部を領域内に嵌合する際の妨げになる事を防止でき、また界磁発生部に中心軸(P1)方向の寸法誤差があっても、第2の係合部により、界磁発生部が第1の中心軸方向にがたつく事を防止できる。
これらの効果により、製造コストおよび部品点数の上昇を抑えつつ、磁性発生部が界磁子から外れる事を防止できる。
本発明の第2の態様によれば、部品数を軽減できると共に当該界磁子の剛性を高める事ができる。
本発明の第3の態様によれば、適切に第2の係合部(23)を界磁発生部(19)に係合させる事ができる。
本発明の第4の態様によれば、適切に第2の係合部(23)を界磁発生部(19)に係合させる事ができる。
本発明の第5の態様によれば、適切に第2の係合部(23)を界磁発生部(19)に係合させる事ができる。
本発明の第6の態様によれば、中心軸(P1)方向の他方側(P−)から簡単に第2の係合部を形成できる。
本発明の第7の態様によれば、第2の係合部(23)が界磁発生部(19)に係合した状態で、第2の係合部と界磁発生部の面(19)とを平坦にできる。これにより、界磁発生部と、それに対抗配置する電機子の界磁面との間隔を小さくできる。
本発明の第8の態様によれば、適切に第1の係合部(23)を界磁発生部(19)に係合させる事ができる。
本発明の第9の態様によれば、第1の係合部(21)は、連結部(15)の一方側(P+)の部分において領域(17)側に突出する様に形成されるので、適切に第1の係合部を界磁発生部(19)に係合させる事ができる。
本発明の第10の態様によれば、外側筒部(11)、内側筒部(13)および連結部(15)で構成される枠体(27)における中心軸(P1)方向の剛性を高める事ができる。また当該界磁子を用いたアキシャルギャップ型電動機のトルクを向上できる。
本発明の第11の態様によれば、外側筒部(11)、内側筒部(13)および連結部(15)で構成される枠体(27)における中心軸(P1)方向の剛性を高める事ができる。
本発明の第12の態様によれば、外側筒部(11)、内側筒部(13)および連結部(15)で構成される枠体(27)における中心軸(P1)方向の剛性を効果的に高める事ができる。
本発明の第13の態様によれば、製造コストを低減できる。
本発明の第14の態様によれば、中心軸(P1)方向に磁束が貫通する磁束貫通型の界磁子として使用可能であり、また非磁束貫通型の界磁子として使用する場合は、バックヨークが不要となり界磁子の薄型化に資する事ができる。
本発明の第15の態様によれば、信頼性が高く且つ製造コストを低減したアキシャルギャップ型電動機を提供できる。
本発明の第17の態様によれば、棒状の金型(30)を用いて簡単に、外側筒部(11)の他方側(P−)の部分に第2の係合部(23)を形成できる。
本発明の第18の態様によれば、その周縁部分(31b)が傾斜した筒状内周面(31a)を有する金型(30W)を用いて簡単に、外側筒部(11)の部分(11a)に第2の係合部(23)を形成できる。
その周縁部分(32b)が傾斜した筒状外周面(32a)を有する金型(30W)を用いて簡単に、内側筒部(13)の部分(13a)に第2の係合部(23)を形成できる。
本発明の第19の態様によれば、本発明の第20の態様によれば、外側筒部(11)、内側筒部(13)および連結部(15)のうちの少なくとも1つの第1中心軸(P1)方向の他方側(P−)の部分に、簡単に第2の係合部(23)を形成できる。
(a)は実施形態1に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1の平面図であり、(b)は(a)のA1−A1断面図である。 図1(a)のII-II断面図である。 (a)は第2の係合部が形成される前の界磁子1であり、(b)は(a)のA2−A2断面図である。 実施形態2に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Bの平面図である。 (a)は実施形態3に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Cの平面図であり、(b)は(a)のA3−A3断面図である。 (a)は実施形態4に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Dの平面図であり、(b)は(a)のA4−A4断面図である。 実施形態4に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Dを製造するための金型30Wの断面図である。 (a)図7の上側金型30iのその中心軸P4方向の一方側P+から見た平面図であり、(b)は(a)のA5−A5断面図である。 (a)図7の下側金型30jのその中心軸P6方向の他方側P−から見た平面図であり、(b)は(a)のA6−A6断面図である。 上側金型30iを枠体27に押圧して第2の係合部23を形成する製造工程を説明する図(断面図)である。 (a)は実施形態4に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Eの平面図であり、(b)は(a)のA7−A7断面図である。 (a)は実施形態4に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Eにおいて第2の係合部23が形成されていない状態の平面図であり、(b)は(a)のA8−A8断面図である。 (a)は図12のアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Eにおいて凹部25aに金型30Xを圧入する前の状態を説明する図(断面図)であり、(b)は図12のアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Eにおいて凹部25aに金型30Xを圧入した状態を説明する図(断面図)である。 実施形態6に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Fを説明する図(断面図)である。 実施形態7に係るアキシャルギャップ型電動機100の分解斜視図である。
<実施形態1>
この実施形態に係るアキシャルギャップ型電動機用界磁子1は、アキシャルギャップ型電動機の回転子として使用可能な界磁子であり、図1(a)(b)の様に、外側筒部11と、内側筒部13と、外側筒部11と内側筒部13とを連結する複数の連結部15と、界磁発生部19と、界磁発生部19の脱落防止用の第1の係合部21および第2の係合部23とを備えている。
外側筒部11は、筒状(例えば略円筒状)に形成されており、その中心軸P1方向の長さが例えば短尺に形成されている。
内側筒部13は、外側略円筒部11の内径よりも小さい外径を有する例えば円筒状に形成されており、その中心軸P3方向の長さが外側筒部11の中心軸P1方向の長さよりも例えば長く形成されている。内側筒部13の筒孔13aには、所定の回転シャフト40が貫装される。この内側筒部13は、外側筒部11の内側に間隔を空けて外側筒部11と同心軸状に配置されている。
各連結部15はそれぞれ、外側筒部11の略径方向P7に延びた棒状に形成され、その一端部が外側筒部11の内周面に連結され、その他端部が内側筒部13の外周面に連結して、外側筒部11と内側筒部13とを連結している。ここでは、各連結部15は、外側筒部11の周方向P2に等間隔に並ぶ様にして、外側筒部11の中心軸P1に対して放射状に配列されている。
また外側筒部11の周方向P2における各連結部15の断面形状15aは、例えば図2の様に、その周方向P2の幅15hよりも、その中心軸P1方向の幅15vの方が大きい略長方形に形成されている。
外側筒部11と内側筒部13と各連結部15とで囲まれた複数の領域17の各々の内側に、界磁発生部19が嵌合される。各領域17の平面視形状はそれぞれ、例えば、その上底(内側筒部13で規定される辺)が当該領域17の内側に向けて(中心軸P1から見て外周側)凸状に曲成し、その下底(外側筒部11で規定された辺)が当該領域17の外側に向けて(中心軸P1からみて外周側)凸状に曲成した略台形状に形成されている。ここで平面視の方向は中心軸P1方向に一致する。
各界磁発生部19はそれぞれ、その平面視形状が、領域17に嵌合する様に領域17と略同形同大の形に形成されており、その中心軸P1方向の長さが、外側筒部11の同方向の長さよりも短く形成されている。
各界磁発生部19はそれぞれ、例えば、磁石部19dとコア部19cとが重ねられて構成されている。磁石部19dは、例えば、永久磁石からなり、領域17の平面視形状(即ち略台形状)と同形同大の板状に形成されている。
コア部19cは、例えば、軟磁性材からなり、磁石部19dと同形同大の板状に形成されている。コア部19cは界磁発生部19に必須の構成要件ではなく、換言すれば界磁発生部19は磁石部19dのみで構成してもよい。但し、固定子(図示省略)から発生する電機子磁界が磁石部19dに渦電流を発生させにくくする観点から、磁石部19dに対して固定子側にコア部19cが設けられることが望ましい。
各界磁発生部19は、例えば、磁石部19dが中心軸P1方向の一方側P+に配置し、コア部19cが中心軸P1方向の他方側P−に配置する様にして、領域17内に嵌合されている。少なくとも他方側P−において、界磁子1は固定電機子(図示省略)と対向する。また各界磁発生部19は、外側筒部11の中心軸P1方向の少なくとも他方側P−において、外側筒部11の周方向P2に相互に極性が異なる磁極(N極またはS極)を交互に呈する様に嵌合される。ここでは一つの領域17内において磁極が呈する極性は単一である場合を想定しているが、複数種の極性の磁極が呈せられても良い。
また、一方側P+において界磁子1が固定電機子と対向するのであれば、界磁発生部19においてコア部19cを磁石19dに対して一方側P+に近く配置されることが望ましい。両側P+,P−において界磁子1が固定電機子と対向するのであれば、一対のコア部19cで磁石19dを両側P+,P−から挟むことが望ましい。ここでは一方側P−において固定電機子(固定子)20と対抗し、他方側P+において、電機子ではない固定子50と対抗する場合を例示している。
第1の係合部21は、外側筒部11、内側筒部13および連結部15のうちの少なくとも1つの、中心軸P1方向の一方側P+の部分において領域17の内側に突出する様に形成されており、界磁発生部19の前記一方側P+の面19aの周縁に係合している。ここでは、第1の係合部21は、例えば、外側筒部11と内側筒部13とだけに形成されている。またここでは、第1の係合部21は、外側筒部11の前記一方側P+の部分(例えば外側筒部11の内周面の前記一方側P+の縁部分)の全周に亘って形成されると共に、内側筒部13の前記一方側P+の部分(例えば内側筒部13の外周面の前記一方側P+の縁部分)の全周に亘って形成されている。
第2の係合部23は、外側筒部11、内側筒部13および連結部15のうちの少なくとも1つの中心軸P1方向の他方側P−の部分において領域17の内側に突出する様に形成されており、界磁発生部19の前記他方側P−の面19bの周縁に係合している。ここでは、第2の係合部23は、例えば、外側筒部11だけに形成されている。またここでは、第2の係合部23は、例えば、外側筒部11の前記他方側P−の部分において隣合う各連結部15の間(例えば中央)に形成されている。
外側筒部11、内側筒部13、連結部15、第1の係合部21および第2の係合部23は、非磁性を有すると共に塑性を有する材質により形成されている。前記材料としては、例えば金属、具体的には例えばステンレス(非磁性ステンレス)が使用される。また前記非磁性ステンレスとしては、SUS303,304等が挙げられるが、使用環境に応じて316等や、より耐薬品性・耐食性に優れたものを使用しても良い。
ここでは、外側筒部11、内側筒部13、連結部15および第1の係合部21は、例えば、例えば焼結により互いに一体的に形成されている。第2の係合部23は、外側筒部11、内側筒部13、連結部15および第1の係合部21が形成された後に、それらの前記他方側P−の部分を塑性変形して形成されている。
次に、アキシャルギャップ型電動機用界磁子1の製造方法を説明する。
まず図3(a)(b)の様に、外側筒部11、内側筒部13、連結部15および第1の係合部21からなる枠体27を、非磁性を有すると共に塑性を有する材質(例えば金属、具体的には例えばステンレス)から、例えば焼結により一体的に形成する。尚、この段階では、まだ第2の係合部23は形成されていない。
そして図3(a)(b)の様に、枠体27の各領域(即ち外側筒部11、内側筒部13および各連結部15で囲まれた領域)17内にそれぞれ、中心軸P1方向の他方側P−から、界磁発生部19を嵌合する。その際、各界磁発生部19は、外側筒部11の中心軸P1方向のうち、少なくとも固定子(図示省略)と対向する側において、相互に極性が異なる磁極(N極またはS極)が外側筒部11の周方向P2に交互に呈する様に嵌合される。ここではコア部19cが磁石19dよりも他方側P−に設けられているので、他方側P−において界磁子1が固定電機子と対向する場合に好適である。
この嵌合状態では、図3(b)の様に、各界磁発生部19は、その中心軸P1方向の一方側P+(ここでは磁石19dの一方側P+)の面19aの周縁に第1の係合部21が係合され、且つその中心軸P1方向の他方側P−(ここではコア19cの他方側P−)の面19bが外側筒部11の同側P−の部分の端面11aよりも一方側P+に退く様にして、各領域17内に嵌合している。
そして例えば図1(a)(b)の様に、金型30による押圧力により、外側筒部11、内側筒部13および連結部15のうちの少なくとも1つの中心軸P1方向の他方側P−の部分を、領域17の内側に突出して界磁発生部19の他方側P−の面19bの周縁に係合させる様に塑性形成して、第2の係合部23を形成する。
図1(a)(b)では、金型30は、例えば、矩形状の棒状に形成されており、その先端部30aにおける周方向P2の両側の角部が面取りされることで、その先端部30aが平面視略円弧状に形成されている。そして図1(a)(b)の様に、外側筒部11の所定部分(例えば隣合う各連結部15の間(例えば中央)の部分)に第2の係合部23を形成する場合は、金型30の先端部30aによって、外側筒部11の当該部分の外側面を内側筒部13側へ向けて押圧することで、外側筒部11の当該部分を領域17側に突出する様に塑性変形して、第2の係合部23を形成する。尚、内側円筒部13または連結部15の各々の所定部分に第2の係合部23を形成する場合も、この手順と同様にして形成すれば良い。
そして、第2の係合部23が形成された状態では、図3(a)(b)の様に、各領域17内の界磁発生部19は、その面19bの周縁に、第2の係合部23が係合されている。即ち各領域17内の界磁発生部19は、第1の係合部21により、枠体27における中心軸部P1の一方側P+から外れる事が防止されると共に、第2の係合部23により、枠体27における中心軸P1方向の他方側P−から外れる事が防止されている。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機用界磁子1およびその製造方法によれば、第1の係合部21および第2の係合部23を備えるので、界磁発生部19が、外側筒部11と内側筒部13と連結部15とで囲まれた領域17から外れる事(即ち磁性発生部19が界磁子1において中心軸P1方向に移動する事)を防止できる。
また第2の係合部23は、外側筒部11、内側筒部13および連結部15のうちの少なくとも1つの中心軸P1方向の他方側P−の部分が塑性変形して形成されるので、界磁発生部19を領域17内に嵌合した後に第2の係合部23を形成できる。これにより、第2の係合部23が、界磁発生部19を領域17内に嵌合する際の妨げになることを防止でき、また界磁発生部19に中心軸P1方向の寸法誤差があっても、第2の係合部23により、界磁発生部19が中心軸P1方向にがたつく事を防止できる。
これらの効果により、電動機特性の低下と製造コストおよび部品点数の上昇を抑えつつ、磁性発生部19の界磁子1での中心軸P1方向の移動を防止できる。
また界磁発生部19の界磁子1での中心軸P1方向の移動を防止するのに、接着材等の化学物質を使用しないので、界磁子1を圧縮機等の冷媒雰囲気の下で使用しても、界磁発生部19の当該移動防止の効果が低下する事を防止できる。
また外側筒部11、内側筒部13および各連結部15は一体形成されるので、部品数を軽減できると共に当該界磁子1の剛性を高める事ができる。
また第2の係合部23は、外側筒部11の他方側P−の部分において隣合う各連結部15の間(例えば中央)に形成されるので、適切に第2の係合部23を界磁発生部19に係合させる事ができる。
また第1の係合部21は、外側筒部11および内側筒部13の各々の一方側P+の部分に形成されるので、適切に第1の係合部21を界磁発生部19に係合させる事ができる。
また外側筒部11の周方向P2における連結部15の断面形状15aは、その周方向P2の幅15hよりも、その中心軸P1方向の幅15vの方が大きい略長方形であるので、界磁子の中心軸方向の長さを短く保ったまま、外側筒部11、内側筒部13および各連結部15で構成される枠体27における中心軸P1方向の剛性を高める事ができる。
また連結部15の断面形状をこの様な略長方形にすることで、断面形状15aの面積を同じに保った状態で、断面形状15aをその周方向P2の幅15hよりもその中心軸P1方向の幅15vの方が小さい略長方形にした場合と比べて、界磁子における中心軸P1方向の主面の無磁極部分が増大する事を抑制でき、当該界磁子を用いたアキシャルギャップ型電動機のトルクを向上できる。
また外側筒部11、内側筒部13および各連結部15は金属で形成されるので、それらで構成される枠体27(即ち当該界磁子1)における中心軸P1方向の剛性を高める事ができる。特に金属としてステンレスを使用すれば、アルミ材等を選択した場合に比べて、枠体27における中心軸P1方向の剛性を効果的に高める事ができる。
また外側筒部11、内側筒部13および連結部15は例えば焼結によって形成されるので、製造コストを低減できる。特に、それら各部11,13,15の材料としてステンレスを用いて焼結した場合は、電動機の使用環境下での当該界磁子1の耐熱性・耐食性の向上と、当該界磁子1の表裏間を透過する短絡磁束による電動機の性能低下の抑制とを同時に達成できる。
また界磁発生部19は、永久磁石を有し、外側筒部11の中心軸P1方向の両側P+,P−において、互いに異なる磁極を呈する様に配置されるので、中心軸P1方向に磁束が貫通する磁束貫通型の界磁子として使用可能である。また磁束非貫通型の複数固定子電動機の界磁子として使用する場合は、バックヨークが設けられていない点で界磁子の薄型化に好適である。
また第2の係合部23は、棒状の金型30の先端部30aによって、外側筒部11の他方側P−の部分の外側面の所定部分が内側筒部13側へ向けて押圧されて塑性変形して形成されるので、簡単に、外側筒部11の当該部分に第2の係合部23を形成できる。
尚この実施形態では、第1の係合部21は、外側筒部11、内側筒部13および連結部15と共に例えば焼結により形成したが、第2の係合部23と同様に、それら各部11,13,15が形成された後、それら各部11,13,15の一方側P+の部分を塑性変形して形成しても良い。
<実施形態2>
この実施形態は、実施形態1において、第2の係合部23を、外側筒部11における中心軸P1方向の他方側P−の部分において、図4の様に、連結部15と連結される位置に隣接した部分に形成したものである。この場合も、第2の係合部23は、実施形態1の場合と同様に、金型30を用いて形成すれば良い。
尚、図4では、外側筒部11だけに第2の係合部23を形成した場合が図示されるが、内側筒部13における中心軸P1方向の他方側P−の部分において連結部15と連結される位置に隣接した部分だけに第2の係合部23を形成しても良く、外側筒部11および内側筒部13の各々の当該部分に第2の係合部23を形成しても良い。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Bおよびその製造方向によっても、適切に第2の係合部23を界磁発生部19に係合させる事ができる。
<実施形態3>
この実施形態は、実施形態1において、第1の係合部21を外側筒部11および内側筒部13に形成する代わりに、図5の様に、各連結部15に形成したものである。より詳細には、この実施形態では、第1の係合部21は、各連結部15における中心軸P1方向の一方側P+の部分において各連結部15の両側の各領域17へと突出し(即ち周方向P2の両側に突出し)、それら各領域17に嵌合された界磁発生部19の同側P+の面19aの周縁に係合する様に形成されている。
ここでは、第1の係合部23は、連結部15の長手方向(即ち外側筒部11の略径方向P7)の全体に亘って形成されているが、連結部15の長手方向に部分的に形成されても良い。またここでは、第1の係合部23は、連結部15の両側の領域17へと突出する様に形成されるが、連結部15の片側の領域17だけに突出する様に形成されても良い。
尚この実施形態でも、第1の係合部21は、実施形態1と同様に、例えば焼結により連結部15と一体的に形成しても良い。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Cおよびその製造方向によっても、適切に第2の係合部23を界磁発生部19に係合させる事ができる。
尚この実施形態では、実施形態1に適用する場合で説明したが、他の実施形態に適用しても良い。
<実施形態4>
この実施形態は、実施形態1において、第2の係合部23を、図6(a)(b)の様に、外側筒部11における中心軸P1方向の他方側P−の部分の全周、および、内側筒部13における中心軸P1方向の他方側P−の部分の全周に亘って形成したものである。
この場合のアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Dの製造方法を図6〜図10に基づいて説明する。
まず図7の様に、外側筒部11、内側筒部13、連結部15および第1の係合部21からなる枠体27を、非磁性を有すると共に塑性を有する材質(例えば金属、具体的には例えばステンレス)から例えば焼結により一体的に形成する。尚、この段階では、まだ第2の係合部23は形成されていない。図7は金型30Wの他、アキシャルギャップ型電動機用界磁子1Dの断面をも合わせて示している。これらの断面の位置は図6(b)の断面の位置に相当する。
そして図7の様に、枠体27の各領域17内にそれぞれ、中心軸P1方向の他方側P−から、界磁発生部19を嵌合する。その際、各界磁発生部19は、外側筒部11の中心軸P1方向の両側の各々において、外側筒部11の周方向P2に交互に異なる磁極(N極またはS極)を呈する様に嵌合される。
この嵌合状態では、図7の様に、各界磁発生部19は、その中心軸P1方向の一方側P+の面19aの周縁に第1の係合部21が係合され、且つその中心軸P1方向の他方側P−の面19bが外側筒部11の同側P−の部分の端面11aおよび内側筒部13の同側P1の部分の端面13aよりも一方側P+に退く様にして、各領域17内に嵌合している。
そして例えば図7の様に、金型30Wによる中心軸P1方向の押圧力により、外側筒部11および内側筒部13の少なくとも1つの中心軸P1方向の他方側P−の部分の全周が、領域17の内側に突出して界磁発生部19の他方側P−の面19bの周縁に係合する様に塑性形成して、第2の係合部23を形成する。
図7では、金型30Wは、例えば、上側金型30iと下側金型30jとから構成されている。上側金型30iは、図7および図8(a)(b)の様に、円板状の基板部33と、基板部33のその中心軸P4方向の一方側P+側の主面に環状に形成された外周壁31と、基板部33のその中心軸P4方向の一方側P+側の主面に外周壁33と同心軸状に形成された内周壁32とから構成される。
外周壁31は、例えば円筒状に形成されている。外周壁31の内周面(筒状内周面)31aのうち、少なくともその中心軸P4方向の一方側P+の周縁部分31bは、当該一方側P+に行くほど内周面31aの径方向P5の外側に傾斜している。また周縁部分31bのその中心軸P4方向の一方側P+の最大径31r1は、外側筒部11のその中心軸P1方向の他方側P−の部分11aの内径11r2以上に大きく形成されており、且つ、周縁部分31bのその中心軸P4方向の他方側P−の最小径31r2は、外側筒部11の部分11aの外径11r1以下に小さく形成されている。この様な寸法設定により、外周壁31の中心軸P4と外側筒部11の中心軸P1とを同心軸状に合わせた状態で、外周壁31の周縁部分31bと外側筒部11の部分11aとを平面視上で部分的に重ならせる事ができる。
内周壁32は、例えば円柱状に形成されている。内周壁32の外周面(筒状外周面)32aのうち、少なくともその中心軸P4方向の一方側P+の周縁部分32bは、当該一方側P+に行くほど外周面32aの径方向P5の内側に傾斜している。また周縁部分32bのその中心軸P4方向の他方側P−の最大径32r1は、内側筒部13のその中心軸P1方向の他方側P−の部分13bの内径13r2以上に大きく形成されており、且つ、周縁部分32bのその中心軸P4方向の一方側P+の最小径32r2は、内側筒部13の部分13bの外径13r1以下に小さく形成されている。この様な寸法設定により、内周壁32の中心軸P4方向と内側筒部11の中心軸P1方向とを同心軸状に合わせた状態で、内周壁32の周縁部分32bと内側筒部13の部分13bとを重ならせる事ができる様になる。
下側金型30jは、図7および図9(a)(b)の様に、例えば円盤状の基板部33を有している。基板部33のその中心軸P6方向の他方側P−の主面33aには、枠体27のその中心軸P1方向の一方側P+の略半分27aが嵌合する環状の嵌合凹部33bが形成されており、嵌合凹部33bの中央には、内側筒部13の筒孔13aに内嵌合する円柱部33cが形成されている。ここでは、嵌合凹部33bおよび円柱部33cは共に、基板部33の中心軸P6方向に対して同心軸状に形成されている。
そしてこの金型30Wを用いて、下記の様に枠部27に第2の係合部23を形成する。即ち、まず図10の様に中心軸P1,P6を一致させ、上記の枠体27を、下側金型30jの主面33a上に、枠体27の略半部分27aが下側金型30jの嵌合凹部33bおよび円柱部33cに嵌合する様に配置させる。この状態では、枠体27は、嵌合凹部33bおよび円柱部33cにより、下側金型30jに対して同心軸状にされた状態で、下側金型30jの主面33a上にて、中心軸P1方向に垂直な方向における位置決めがなされて配置されている。またこの状態では、枠体27の外側筒部11の部分11aは、下側金型30jの主面33aよりも他方側P−に突出し、且つ枠体27の内側筒部13の部分13bは、下側金型30jの円柱部33cの他方側P−の面33dよりも他方側P−に突出している。
そしてこの状態で、図10の様に、中心軸P1,P4を一致させて上側金型30iと下側金型30jとを同心軸状にした状態で、上側金型30iを、中心軸P1方向の他方側P−から、下側金型30j上に配置された枠体27に押圧する。これにより、上側金型30iの内周面31aの周縁部分31bが外側筒部11の部分11aを押圧することで、部分11aがその全周に亘って内周側に突出する様に塑性変形されて、部分11aの全周に亘って第2の係合部23が形成される。またこれと同時に、上側金型30iの外周面32aの周縁部分32bが内側筒部13の部分13bを押圧することで、部分13bがその全周に亘って外周側に突出する様に塑性変形されて、部分13bの全周に亘って第2の係合部23が形成される。
この状態(即ち第2の係合部23が形成された状態)では、外側筒部11の部分11aおよび内側筒部13の部分13bにそれぞれ形成された各第2の係合部23は、枠体27の各領域17内に嵌合された界磁発生部19の面19bの周縁に係合する。即ち各領域17内の界磁発生部19は、第1の係合部21により、枠体27において中心軸P1方向の一方側P+から抜け落ちる事が防止されると共に、第2の係合部23により、枠体27において中心軸P1方向の他方側P−から外れる事(即ち磁性発生部19が界磁子1において中心軸P1方向に移動する事)が防止される。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Dおよびその製造方向によれば、第2の係合部23は、外側筒部11の部分11aの全周、および内側筒部13の部分13bの全周に亘って形成されるので、適切に、第2の係合部23を界磁発生部19に係合させる事ができる。
尚この実施形態では、外側筒部11および内側筒部13の両方に第2の係合部23を形成したが、外側筒部11だけにまたは内側筒部13だけに第2の係合部23を形成しても良い。その際、外側筒部11だけに第2の係合部23を形成する場合は、上側金型30iにおいて内周壁32を省略すれば良く、また内側筒部13だけに第2の係合部23を形成する場合は、上側金型30iにおいて外周壁31を省略すれば良い。
尚この実施形態では、外側筒部11の部分11aおよび内側筒部13の部分13bの各々の全周に渡って第2の係合部23を形成したが、それらの部分11a,13aの周方向に沿って部分的に形成しても良い。その場合の上側金型30iの周縁部分31bをその周方向に沿って部分的に径方向P5の外側に傾斜させれば良く、また上側金型30iの周縁部分32bをその周方向に沿って部分的に径方向P5の内側に傾斜させれば良い。
尚この実施形態では、実施形態1に適用する場合で説明したが、他の実施形態に適用しても良い。
<実施形態5>
この実施形態は、図11(a)(b)の様に、実施形態1において、外側筒部11のその中心軸P1方向の他方側P−の端面11aに、その領域17側の側壁が第2の係合部23として機能する凹部25を設けたものである。
図11では、凹部25は、例えば、外側筒部11の端面11aにおける隣合う各連結部15の間(例えば中央)に形成されている。
この場合のアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Eの製造方法を図11〜図13に基づいて説明する。
まず図12(a)(b)の様に、外側筒部11、内側筒部13、連結部15および第1の係合部21からなり、外側筒部の端面11aに凹部25aを有する枠体27を、非磁性を有すると共に塑性を有する材質(例えば金属、より具体的には例えばステンレス)から例えば焼結により一体的に形成する。
尚、凹部25aは、例えば略長方形状の開口面を有する略直方体状の空間として形成されており、その開口面の長手方向が外側筒部11の端面11aの周方向P2に沿う様に形成されている。凹部25aは、例えば、外側筒部11の端面11aにおける隣合う各連結部15の間(例えば中央)に形成されており、その領域17側の側壁が領域17側に突出しない様に形成される。
そして、枠体27の各領域17内にそれぞれ、中心軸P1方向の他方側P−から、界磁発生部19を嵌合する。その際、各界磁発生部19は、外側筒部11の中心軸P1方向の両側の各々において、外側筒部11の周方向P2に交互に異なる磁極(N極またはS極)を呈する様に嵌合される。
この嵌合状態では、図12(a)(b)の様に、各界磁発生部19は、その一方側P+の面19aの周縁に第1の係合部21が係合され、且つその他方側P−の面19bが外側筒部11の端面11aよりも一方側P+に退く様にして、各領域17内に嵌合している。
そして例えば図13(a)(b)の様に、金型30Xによる押圧力により、凹部25aの領域17側の側壁を、領域17側に突出して界磁発生部19の他方側P−の面19bの周縁に係合する様に塑性形成して、第2の係合部23を形成する。
図13(a)(b)では、金型30Xは、例えば棒状に形成されており、その先端部が凹部25a内に圧入される圧入部33となっている。
圧入部33は、その先端側から基端側に行くほど幅広に形成されている。より詳細には、圧入部33におけるその圧入方向S0に直行する第1方向S1の幅は、図13(a)の様に、圧入部33の先端側から基端側に行くほど第1方向S1の一方側S−に張り出す様に幅広に形成されており、圧入部33の先端部の第1方向S1の幅33r1は、外側筒部11の径方向P7における凹部25aの幅25r以下に小さく形成され、圧入部33の基端部の第1方向S1の幅33r2は、径方向P7における凹部25aの幅25rよりも大きく形成されている。また圧入部33における各方向S0,S1に直行する第2方向S2の幅33r3は、図12(a)の様に、例えば、圧入部33の先端側から基端側に至るまで、周方向P2における凹部25aの幅25r2以下に小さく形成されている。ここでは、圧入部33の全体形状としては、例えば半錘形(例えば半円錐形)に形成されており、その半錐形の先端部が圧入部33の先端部となり、その半錘形の基端部が圧入部33の基端部となり、その半錘形の錘形側が第1方向S1の一方側S−を向く様に配置されている。
なお図12は凹部25aと圧入部33とを認識しやすいように平面視上の位置をずらせて描いている。
そしてこの金型30Xを用いて、下記の様に枠部27に第2の係合部23を形成する。即ち、まず図13(a)(b)の様に、金型30Xの圧入部33を、外側筒部11の中心軸P1の他方側P−から、その半錘形の錘形側を外側筒部11の径方向P7の内側(中心軸P1側)に向けた状態で、枠体27の凹部25a内に圧入する。例えば圧入方向S0は中心軸方向P1と平行に選択される。これにより、圧入部33により、凹部25aにおける領域17側の側壁が領域17側に突出する様に塑性変形して、第2の係合部23が形成される。
この状態(即ち第2の係合部23が形成された状態)では、外側筒部11の部分11aに形成された第2の係合部23は、枠体27の各領域17内に嵌合された界磁発生部19の面19bの周縁に係合する。即ち各領域17内の界磁発生部19は、第1の係合部21により、枠体27において中心軸部P1の一方側P+から外れる事が防止されると共に、第2の係合部23により、枠体27において中心軸P1方向の他方側P−から外れる事が防止される。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Eおよびその製造方向によれば、外側筒部11の中心軸P1方向の他方側P−の部分の前記他方側P−の端面11aに、その領域17側の側壁が第2の係合部23として機能する凹部25が設けられるので、外側筒部11における中心軸P1方向の他方側P−の部分に、簡単に、第2の係合部23を形成できる。
また外側筒部11の中心軸P1方向の他方側P−の部分の前記他方側P−の端面11aに凹部25aを形成しておき、その凹部25aに金型30の圧入部33を圧入するだけで、簡単に第2の係合部23を形成できる。
尚この実施形態では、外側筒部11の端面11aに凹部25aを予め形成しておき、金型30の圧入部33を凹部25aに圧入することで第2の係合部23を形成したが、外側筒部11の端面11aに凹部25を予め形成せずに、外側部11の端面11aに直接に金型30の圧入部33を押圧して凹部25を形成することで、その凹部25の形成と共にその凹部25における領域17側の側壁により第2の係合部23を形成しても良い。
またこの実施形態では、外側筒部11だけに第2の係合部23を形成する場合で説明したが、外側筒部11、内側筒部13および連結部15の少なくとも1つに形成する様にしても良い。連結部15に設ける第2の係合部23を上述の手法で形成する場合、圧入部33の形状として、先端部から基端部に向けて周方向に沿った二方向に拡がる形状を採用することも望ましい。凹部25aに相当して連結部15に設けられる凹部が周方向において有する一対の側壁を、連結部15によって区分される隣接した一対の領域17の両方に突出させる塑性変形を容易にするからである。
尚この実施形態では、実施形態1に適用する場合で説明したが、他の実施形態に適用しても良い。
<実施形態6>
この実施形態は、図14の様に、実施形態1において、界磁発生部19の中心軸P1方向の他方側P−の面19bにおける第2の係合部23との係合部分19cを、面19bのうちで係合部分19c以外の部分に対して、中心軸P1方向の一方側P+に退く様に形成したものである。
そしてこの実施形態では、第2の係合部23が界磁発生部19の面19bの係合部分19cに係合した状態では、第2の係合部23と界磁発生部19の面19bとが平坦になっている。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機用界磁子1Fによれば、界磁発生部19の面19bにおける第2の係合部23との係合部分19cは、面19bのうちで係合部分19c以外の部分に対して中心軸P1方向の一方側P+に退いているので、第2の係合部23が界磁発生部19の面19bに係合した状態で、第2の係合部23と界磁発生部19の面19bとを平坦にできる。これにより、界磁発生部19と、それに対向配置する電機子の磁極面との間隔を小さくできる。
尚この実施形態では、実施形態1に適用する場合で説明したが、他の実施形態に適用しても良い。
<実施形態7>
この実施形態に係るアキシャルギャップ型電動機100は、図15の様に、実施形態1のアキシャルギャップ型電動機用界磁子1を回転子(以後、回転子1と呼ぶ)として使用し、その回転子1の中心軸P1方向のP−側に固定電機子20、P−側に巻き線のない固定子50を配置して構成したものである。尚、図15では、説明便宜上、回転子1の枠体27から界磁発生部19(即ち永久磁石19aおよびコア部19b)が外された状態で図示されており、第1の係合部21および第2の係合部23は図示省略されている。
この実施形態の回転子(界磁子)1は、実施形態1の界磁子1において更に、枠体27における回転軸P1方向の一方側P+に磁気短絡板13が設けられて構成されている。磁気短絡板13は、外側筒部11と内側筒部13とで規定される略環状領域と略同じ形状を呈し、界磁発生部19あるいは更に枠体27を支持する。
固定電機子20は、例えば、コア21と、コア21に配設された複数の電機子用磁芯24と、複数の電機子用磁芯24のそれぞれに巻回された電機子巻線22とを有している。
コア21は、環板状に形成され、その中央の孔(図示省略)に、回転子1の中央の孔13aに配設された回転シャフト(図示省略)が挿通される様になっている。コア21は、回転軸P1方向の他方側P−において、回転子1と対抗し且つ回転子1と同心軸状に配置されている。ただし、回転シャフトが一方側P+においてのみ回転自在に支持される場合、これがコア21を挿通する必要はなく、コア21が環板状である必要はない。
電機子用磁芯24は、例えば略台形柱状に形成されており、その外周に電機子巻線22が巻回された状態で、コア21における回転子1と対向する側の主面において、その略台形の上底側が回転軸P1側を向く様にして、回転軸P1の周りに環状に複数配置されている。尚、電機子用磁芯24における回転軸P1の一方側P+の部分は、電機子用磁芯24の外周側に張り出す様に幅広に形成されている。これは、回転子1の磁束をより多く固定電機子20に流れるようにすると共に、コギングトルクを低減する役割、また、電機子巻線22が電機子用磁芯24から抜ける事を防止する役割を果たす。
電機子巻線22は、電機子用磁芯24に絶縁体(図示省略)を介して巻回される。なお、本願では特に断りのない限り、電機子巻線22はこれを構成する導線の1本1本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指すものとする。これは図面においても同様である。また、巻始め及び巻終わりの引出線、および、それらの結線も図面においては省略している。
固定子50は、磁性材により環板状に形成されており、その中央の孔50aに、回転子1の孔13aに配設された回転シャフト(図示省略)が挿通される様になっている。固定子50は、回転軸P1方向の一方側P+において、回転子1と対向し且つ回転子1と同心軸状に配置されている。ただし、回転シャフトが他方側P−においてのみ回転自在に支持される場合、これが固定子50を挿通する必要はなく、固定子50が環板状である必要はない。
以上の様に構成されたアキシャルギャップ型電動機100によれば、実施形態1のキシャルギャップ型電動機用界磁子1を回転子(以後、回転子1と呼ぶ)として使用し、その回転子1における中心軸P1方向の両側にそれぞれ同心軸状に固定電機子20,50を配置して構成されるので、信頼性が高く且つ製造コストを低減したアキシャルギャップ型電動機を提供できる。より詳細には、回転子1の他方側P−に電機子である固定電機子20を配置し、回転子1の一方側P+に磁性体である固定子50を配置するので、回転軸P1方向に沿ったスラスト力が相殺される。しかも固定子50は磁性体であって交番磁束は流れない。よって回転子1の両側P+,P−に電機子を設ける場合と比較して、回転電機全体での鉄損が低減する。
なお、磁気短絡板13は、界磁子のバックヨークとして機能することで、回転子1と固定子50との間に働く磁気吸引力を調整し、低減する機能を果たす。磁気吸引力のかかる低減が不要で有れば磁気短絡13も不要である。
尚この実施形態では、実施形態1のキシャルギャップ型電動機用界磁子1を使用する場合で説明したが、他の実施形態のキシャルギャップ型電動機用界磁子を使用しても良い。
1,1B〜1F アキシャルギャップ型電動機用界磁子
11 外側筒部
11a 端面(部分)
11r 外径
13 内側筒部
13a 筒孔
13b 部分
15 連結部
15a 断面形状
17 領域
19 界磁発生部
19a 一方側の面
19b 他方側の面
19d 磁石部
19c コア部
21 第1の係合部
23 第2の係合部
23a 第2の係合部23の他方側P−の面
25 凹部
27 枠体
27a 中心軸P1方向の一方側P+の略半分
30,30W,30X 金型
30a 先端部
30i 上側金型
30j 下側金型
31 円筒部
31r 内径
32 円柱部
40 回転シャフト
100 アキシャルギャップ型電動機
P1 外側筒部11の中心軸方向
P2 外側筒部11の周方向
P3 内側筒部11の中心軸方向
P4 筒状内周面31aの中心軸方向
P5 筒状内周面31aの径方向
P6 下側金型30の中心軸方向
P7 外側筒部11の径方向

Claims (20)

  1. 外側筒部(11)と、
    前記外側筒部の内側に間隔を空けて同心軸状に配置された内側筒部(13)と、
    前記外側筒部の略径方向に延びて、前記外側筒部と前記内側筒部とを連結する複数の連結部(15)と、
    前記外側筒部と前記内側筒部と前記連結部とで囲まれた複数の領域(17)の各々の内側に嵌合された複数の界磁発生部(19)と、
    前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記外側筒部の中心軸(P1)方向の一方側(P+)の部分において前記領域の内側に突出する様に形成され、前記界磁発生部の前記一方側の面(19a)に係合する第1の係合部(21)と
    を備え、
    前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記他方側(P−)の部分が塑性変形可能であり、
    前記部分から前記領域の内側に突出して前記界磁発生部の前記他方側の面(19b)に係合する第2の係合部(23)が設けられることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  2. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)は、一体形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  3. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記第2の係合部(23)は、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分および/または前記内側筒部(13)の前記他方側の部分において隣合う前記各連結部(15)の間に形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  4. 請求項1または2に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記第2の係合部(23)は、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分において前記連結部(15)と連結される位置に隣接した部分、および/または、前記内側筒部(13)の前記他方側(P−)の部分において前記連結部と連結される位置に隣接した部分に形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  5. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記第2の係合部(23)は、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分の全周、および/または、前記内側筒部(13)の前記他方側(P−)の部分の全周に亘って形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)のうちの少なくとも1つの前記他方側(P−)の部分の当該他方側(P−)の端面(11a)に、その前記領域(17)側の側壁が前記第2の係合部(23)として機能する凹部(25)が設けられることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記界磁発生部(19)の前記他方側(P−)の前記面(19b)における前記第2の係合部(23)との係合部分(19c)は、前記面のうちで前記係合部分以外の部分に対して、前記一方側(P+)に退いていることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記第1の係合部(21)は、前記外側筒部(11)および/または前記内側筒部(13)の前記一方側(P+)の部分に形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  9. 請求項1〜7の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記第1の係合部(21)は、前記連結部(15)の前記一方側(P+)の部分において前記領域(17)側に突出する様に形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記外側筒部(11)の周方向(P2)における前記連結部(15)の断面形状(15a)は、その前記周方向の幅(15h)よりもその前記中心軸(P1)方向の幅(15v)の方が大きい略長方形であることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  11. 請求項1〜9の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)は、金属で形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  12. 請求項11に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記金属は、ステンレスであることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  13. 請求項11または12に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)は、焼結によって形成されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子であって、
    前記界磁発生部(19)は、永久磁石を有し、前記外側筒部(11)の中心軸(P1)方向の両側の各々において、前記外側筒部の周方向(P2)に交互に異なる磁極を呈する様に配置されることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子。
  15. 回転子として回転自在に配置された請求項1〜14の何れかに記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子と、
    前記アキシャルギャップ型電動機用界磁子(1,1B〜1F)の中心軸(P1)方向の両側に同心軸状に配置された2つの固定子(20,50)と、
    を備えることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機。
  16. (a)外側筒部(11)と、前記外側筒部の内側に間隔を空けて同心軸状に配置された内側筒部(13)と、前記外側筒部の略径方向に延びて、前記外側筒部と前記内側筒部とを連結する複数の連結部(15)と、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記外側筒部の第1中心軸(P1)方向の一方側(P+)の部分において、前記領域(17)の内側に突出する様に形成された第1の係合部(21)とを備えた枠体(27)を形成する工程と、
    (b)前記枠体における前記外側筒部と前記内側筒部と前記連結部とで囲まれた複数の領域の内側に、前記第1中心軸方向の他方側(P−)から、界磁発生部(19)を嵌合する工程と、
    (c)金型(30,30W,30X)による押圧力により、前記外側筒部、前記内側筒部および前記連結部のうちの少なくとも1つの前記他方側の部分を、前記領域の内側に突出して前記界磁発生部の前記他方側の面(19b)に係合する様に塑性形成して、第2の係合部(23)を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法。
  17. 請求項16に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、
    前記工程(c)では、前記金型(30)は棒状に形成されており、前記金型の先端部(30a)によって、前記外側筒部(11)の前記他方側(P−)の部分の外側面を前記領域(17)側へ向けて押圧することで、前記外側筒部の前記他方側の前記部分を前記領域側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成することを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法。
  18. 請求項16に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、
    前記工程(c)では、前記金型(30W)は筒状内周面(31a)を有し、前記筒状内周面のその第2中心軸(P4)方向の一方側(P+)の周縁部分(31b)は、前記第2中心軸方向の前記一方側に行くほど前記筒状内周面の径方向(P5)の外側に傾斜し、且つ前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記一方側の最大径(31r1)は、前記外側筒部(11)における前記第1中心軸方向の前記他方側の部分(11a)の内径(11r2)以上に大きく形成され、且つ前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記他方側の最小径(31r2)は、前記外側筒部の前記部分(11a)の外径(11r1)以下に小さく形成されており、前記筒状内周面の前記周縁部分を、前記外側筒部の前記部分に押圧することで、前記外側筒部の前記部分を内周側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成することを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法。
  19. 請求項16または18に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、
    前記工程(c)では、前記金型(30W)は筒状外周面(32a)を有し、前記筒状外周面のその第2中心軸(P4)方向の一方側(P+)の周縁部分(32b)は、前記第2中心軸方向の前記一方側に行くほど前記筒状外周面の径方向(P5)の内側に傾斜し、且つ前記筒状外周面の前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記他方側(P−)の最大径(32r1)は、前記内側筒部(13)における前記第1中心軸方向の前記他方側(P−)の部分(13a)の内径(13r2)以上に大きく形成され、且つ前記筒状外周面の前記周縁部分における前記第2中心軸方向の前記一方側の最小径(32r2)は、前記内側筒部(13)の前記部分(13a)の外径(13r1)以下に小さく形成されており、前記筒状外周面の前記周縁部分を、前記内側筒部の前記部分に押圧することで、前記内側筒部の前記部分を外周側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成することを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法。
  20. 請求項16に記載のアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法であって、
    前記工程(a)では、前記外側筒部(11)、前記内側筒部(13)および前記連結部(15)のうちの少なくとも1つの前記第1中心軸(P1)方向の他方側(P−)の部分の当該他方側(P−)の端面(11a)に凹部(25a)を形成し、
    前記工程(c)では、前記金型(30X)は前記凹部内に圧入される圧入部(33)を有し、前記圧入部の先端側から基端側に行くほど幅広に形成されており、前記金型の前記圧入部をその先端側から前記凹部に圧入することで、前記凹部の前記領域側の側壁を前記領域側に突出する様に塑性変形して、前記第2の係合部(23)を形成することを特徴とするアキシャルギャップ型電動機用界磁子の製造方法。
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