JP5720375B2 - 回転電気機械 - Google Patents

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Description

本発明は、磁石が挿入されたロータを有する回転電気機械に関するものである。
磁石補助型のシンクロナスリラクタンスモータ(SynRM:Synchronous Reluctance Motor)や内部磁石埋込型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet)などの回転電気機械は、磁石が挿入されたロータコアを有している。このような回転電気機械では、ロータコアの永久磁石に、何らかの原因で、大きな逆磁界がステータから作用し、永久磁石の磁力が低減する現象(減磁)が起こる場合がある。
これに対して、磁束の磁路を工夫することで、減磁の対策を図ったものが、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1のロータでは、永久磁石の表面上に磁性部材が配置されている。そして、ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ上記磁性部材の端部と空隙をおいて、磁性材製のエンドリングが設けられている。
特開平8−51751号公報
ところで、特許文献1の例では、ロータ本体とエンドリングの間には空隙が設けられているので、モータ全体としてのサイズを従来通りに維持しようとすると、ロータ鉄心の配置スペースが小さくなってしまう。すなわち、ロータ鉄心が小さくなり、回転電気機械としての性能が低下してしまうという問題があった。逆に、ロータ鉄心のサイズを従来通りに確保すれば、モータ全体としてのサイズが大きくなってしまい、コストアップにつながるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁石が挿入されたロータを有する回転電気機械において、性能を低下させることなく、磁石の減磁を抑制することにある。
本発明は、上述した目的を達成するために、ロータコア(210)における磁石用スロット(211)の外周側部分(217)と内周側部分(218)とを磁気的に接続することによって、ステータ(100)からロータコア(210)へ逆磁界が作用した際にその磁束の磁路を短絡させるようにした。
具体的に、第1の発明は、軸方向に貫通し永久磁石(220)が挿入される磁石用スロット(211)が周方向に複数形成されたロータコア(210)を有するロータ(200)と、上記ロータコア(210)の外周側に該ロータコア(210)とギャップを存して対向配置されたステータコア(110)を有するステータ(100)とを備えた回転電気機械を対象としている。そして、本発明は、上記永久磁石(220)と離隔して設けられ、温度に応じて、上記ロータコア(210)における上記磁石用スロット(211)の外周側部分(217)と内周側部分(218)とに磁気的に繋がる磁気接続部材(251,252)を備えている。
上記第1の発明では、磁気接続部材(251,252)が高温または低温になると、磁気接続部材(251,252)が変態して外周側部分(217)と内周側部分(218)とに磁気的に繋がる。そうすると、ステータ(100)からロータコア(210)の外周側部分(217)へ逆磁界が作用した場合、その磁束の全部または一部は、永久磁石(220)を通過することなく、磁気接続部材(251,252)を介して内周側部分(218)へ向かう。そのため、逆磁界による永久磁石(220)の減磁が抑制される。つまり、本発明は、磁気接続部材(251,252)を設けることによって、永久磁石(220)に作用する磁界強度が小さくなる。磁気接続部材(251,252)は、回転電気機械の周囲の気温などによって温度が上下する。また、冷媒などの流体を圧縮する圧縮機のケーシング内に本発明に係る回転電気機械が設けられる場合、磁気接続部材(251,252)の温度は、ケーシング内を流通する流体の温度などによっても上下する。
また、の発明は、上記磁気接続部材(251)は、温度に応じて変形し、その変形によって上記外周側部分(217)と内周側部分(218)とに接触するバイメタルである。
上記第の発明の磁気接続部材(251)は、温度が高くなる前(即ち、熱が加えられる前)は外周側部分(217)および内周側部分(218)には接触していない。そして、磁気接続部材(251)は、温度が高くなると(即ち、熱が加えられると)、形状が変化して外周側部分(217)と内周側部分(218)とに接触する。これによって、外周側部分(217)と内周側部分(218)とは磁気接続部材(251)を介して磁気的に接続される。
の発明は、上記第の発明において、上記ロータ(200)は、上記ロータコア(210)とその軸方向に積層される端板(230)を有している。そして、上記磁気接続部材(251)は、板状に形成されて、上記端板(230)の薄肉部(235)における上記ロータコア(210)側の面に設けられ、上記磁気接続部材(251)の両端が温度に応じて上記ロータコア(210)側へ折れ曲がることによって上記外周側部分(217)と内周側部分(218)とに接触するように構成されている。
上記第の発明の磁気接続部材(251)は、温度が高くなる前(即ち、熱が加えられる前)はロータコア(210)と接触していない。そして、磁気接続部材(251)は、温度が高くなると(即ち、熱が加えられると)、両端が折れ曲がるように変形してそれぞれ外周側部分(217)と内周側部分(218)とに接触する。これによって、外周側部分(217)と内周側部分(218)とは磁気接続部材(251)を介して磁気的に接続される。
の発明は、上記第1または第2の発明において、上記永久磁石(220)は、板状に形成され、上記磁石用スロット(211)では、上記永久磁石(220)が該永久磁石(220)の平面視長手方向の両端側に空隙を存して挿入されている。そして、上記磁気接続部材(251)は、上記外周側部分(217)および内周側部分(218)のうち上記磁石用スロット(211)の上記空隙に対応する部分に接触するように構成されている。
永久磁石(220)の減磁は、永久磁石(220)の両端部において発生しやすい。本発明では、永久磁石(220)の両端側において、外周側部分(217)と内周側部分(218)とが磁気接続部材(251)によって磁気的に繋がる。そのため、永久磁石(220)の減磁が効果的に抑制される
以上のように、本発明では、温度に応じて、ロータコア(210)における磁石用スロット(211)の外周側部分(217)と内周側部分(218)とに磁気的に繋がる磁気接続部材(251,252)を設けるようにした。そのため、ステータ(100)からロータコア(210)の外周側部分(217)へ逆磁界が作用した場合、その磁束の全部または一部を、永久磁石(220)を通過させることなく磁気接続部材(251,252)を介して内周側部分(218)へ向かわせることができる。これによって、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を抑制することができる。また、磁気接続部材(251,252)を設けるのみなので、ロータコア(210)のサイズを従来通りに維持することができる。これによって、モータ(10)としての性能を低下させずにすむ。以上により、本発明によれば、性能を低下させることなく、永久磁石(220)の減磁を抑制することができる。
また、永久磁石(220)が例えばネオジウム磁石の場合は高温領域で、永久磁石(220)が例えばフェライト磁石の場合は低温領域で、逆磁界による減磁が発生しやすい。したがって、磁気接続部材(251,252)が高温領域または低温領域で外周側部分(217)と内周側部分(218)とに磁気的に繋がるように構成することで、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を効果的に抑制することが可能である。
また、の発明によれば、温度に応じて変形するバイメタルを磁気接続部材(251)として用いているため、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を簡易且つコンパクトな構成で抑制することができる。
の発明によれば、ロータコア(210)に積層される端板(230)に薄肉部(235)を設けて、その薄肉部(235)に磁気接続部材(251)を設けるようにしたので、ロータ(200)の大型化を招くことなく、永久磁石(220)の減磁を抑制することが可能である。
3の発明によれば、永久磁石(220)の両端側において外周側部分(217)と内周側部分(218)とを磁気接続部材(251,252)によって磁気的に接続するようにしたため、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を効果的に抑制することができる。
図1は、実施形態1に係るモータを示す横断面図である。 図2は、ステータの一部を示す斜視図である。 図3は、ステータコアのティース部を内周側から視て示す断面図である。 図4は、実施形態1に係るロータを示す分解斜視図である。 図5は、実施形態1に係るロータの端板を内側から視て示す平面図である。 図6は、ロータの端板の薄肉部を外周側から視て示す側面図である。 図7は、ロータを軸方向に視て示す平面図である。 図8は、図7のVIII−VIII線における断面図である。 図9は、バイメタルが変形した状態を示す図8相当の断面図である。 図10は、実施形態2に係るロータコアを軸方向に視て示す平面図である。 図11は、図10のXI−XI線における断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態のモータ(10)は、本発明に係る回転電気機械を構成するものであり、例えば空気調和機に設けられ冷媒を圧縮する電動圧縮機(図示は省略)に用いられる。
本実施形態のモータ(10)は、図1に示すように、ステータ(100)、ロータ(200)および駆動軸(300)を備え、上記電動圧縮機のケーシング(20)に収容されている。なお、以下の説明において、軸方向とは駆動軸(300)の軸心の方向をいい、径方向とは上記軸心と直交する方向をいう。また、外周側とは上記軸心からより遠い側をいい、内周側とは上記軸心により近い側をいう。
〈ステータの構成〉
ステータ(100)は、図1に示すように、円筒状のステータコア(110)と、コイル(120)を備えている。
ステータコア(110)は、電磁鋼板(P)をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成し、複数の積層板を軸方向に積層した積層コアである。図2は、ステータ(100)の斜視図である。ステータコア(110)は、図1,2に示すように、1つのバックヨーク部(111)、それぞれ複数(この例では9つ)のティース部(112)およびツバ部(113)を備えている。なお、図2には、1つのティース部(112)を主に描いてある。
各ティース部(112)は、ステータコア(110)において径方向に伸びる直方体状の部分である。各ティース部(112)同士の間の空間は、コイル(120)が収容されるスロット(114)である。
バックヨーク部(111)は、円環状をしている。バックヨーク部(111)は、各ティース部(112)を該ティース部(112)の外周側で連結している。ステータコア(110)は、バックヨーク部(111)の外周部がケーシング(20)の内面に固定されている。
ツバ部(113)は、各ティース部(112)の内周側に連なる部分である。ツバ部(113)は、ティース部(112)よりも幅(周方向の長さ)が大きく構成されている。ツバ部(113)は、内周側の面が円筒面である。その円筒面は、後述のロータコア(210)の外周面(円筒面)と所定の距離(エアギャップ(G))をもって対向している。
ティース部(112)には、いわゆる集中巻方式で、コイル(120)が巻回されている。つまり、1つのティース部(112)ごとにコイル(120)が巻回され、巻回されたコイル(120)はスロット(114)内に収容されている。図3に示すように、ティース部(112)の軸方向の両端面側からインシュレータ(131)が設けられると共に、コイル(120)とティース部(112)の間には、絶縁フィルム(130)が設けられている。本実施形態では、絶縁フィルム(130)は、ポリエチレンテレフタレートのフィルムである。
〈ロータの構成〉
図4にも示すように、ロータ(200)は、ロータコア(210)(磁心)、複数の永久磁石(220)および2つの端板(230)を備え、全体が略円筒状に形成されている。本実施形態のロータ(200)は、6つの永久磁石(220)を備えている。
ロータコア(210)は、電磁鋼板(P)をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成し、複数の積層板を軸方向に積層した積層コアである。ロータコア(210)には、永久磁石(220)が挿入された複数の磁石用スロット(211)が形成されている。各磁石用スロット(211)は、ロータコア(210)の周方向(軸心回り)に60°ピッチで配置されている。各磁石用スロット(211)は、軸方向から見て概ねU字状の形状を有し、ロータコア(210)を軸方向に貫通している。詳しくは、各磁石用スロット(211)は、ロータコア(210)の半径と直交する磁石挿入部(212)と、該磁石挿入部(212)から外周側に延びる2つのバリア部(213)とで構成されている。磁石挿入部(212)は、平面視がやや細長い長方形であり(図1も参照)、該磁石挿入部(212)に永久磁石(220)が挿入される。ロータコア(210)においては、磁石用スロット(211)の外周側部分がコア外周部(217)となっており、磁石用スロット(211)の内周側部分がコア内周部(218)となっている。
永久磁石(220)は、板状に形成され、平面視において、幅が磁石挿入部(212)の長さよりも短い。つまり、磁石挿入部(212)では、永久磁石(220)が該永久磁石(220)の平面視長手方向の両端側に空隙を存して挿入されている。また、永久磁石(220)は、軸方向の両端部をロータコア(210)の軸方向端から内側にオフセットされている(図8,9参照)。なお、永久磁石(220)は、磁石挿入部(212)内で移動しないように、例えば接着するなどしてロータコア(210)に固定される。
端板(230)は、円板状の形態を有し、例えばステンレスなどの非磁性金属で形成されている。端板(230)は、ロータコア(210)の両端側に積層される。ロータコア(210)と2つの端板(230)は、ボルト穴(216,233)に通した6つのボルトで固定される。この積層状態において、永久磁石(220)の軸方向端部は、上述したようにロータコア(210)の軸方向端から内側にオフセットしているため、端板(230)には接触しない。
なお、ロータコア(210)および各端板(230)の中心には、軸穴(215,232)が形成され、この軸穴(215)に鉄などの金属で構成された駆動軸(300)が嵌合される(図1参照)。駆動軸(300)は、上記電動圧縮機のケーシング(20)内に収容された圧縮機構(図示は省略)を駆動するためのものである。
〈端板の構成〉
端板(230)の詳細な構成について図4〜図7を参照しながら説明する。端板(230)は、略円板状の本体(231)を備えている。本体(231)の外縁部には、該本体(231)の周方向に複数(本実施形態では、6箇所)の薄肉部(235)が形成されている。この薄肉部(235)は、本体(231)の厚さよりも薄くなっている。薄肉部(235)は、本体(231)に形成されたボルト穴(233)を中心とする平面視扇状に形成されており、本体(231)の外縁まで形成されている。薄肉部(235)では、扇状の2つの辺に相当する側壁(236)がテーパ状となっている(図6参照)。
そして、本実施形態の薄肉部(235)には、バイメタル(251)が取り付けられている。バイメタル(251)は、やや細長い矩形状の板材であり、各薄肉部(235)に対して2つずつ設けられている。バイメタル(251)は、薄肉部(235)における側壁(236)に沿って設けられている。端板(230)では、バイメタル(251)が取り付けられる面(例えば、図5に示す面)がロータコア(210)側となる内側面である。バイメタル(251)の厚さは、薄肉部(235)の深さよりも薄くなっている(図6参照)。
図7に示すように、端板(230)とロータコア(210)が積層された状態において、バイメタル(251)は、永久磁石(220)と離隔しており、平面視でロータコア(210)の磁石用スロット(211)と交差している。具体的に、バイメタル(251)は、平面視において、磁石用スロット(211)の磁石挿入部(212)のうち、永久磁石(220)が挿入されていない部分を直交するように重なっている。つまり、バイメタル(251)は、磁石挿入部(212)における永久磁石(220)の平面視長手方向の両端側の空隙部分を直交している。
バイメタル(251)は、温度が高くなると(即ち、熱が加えられると)変形する部材である。本実施形態のバイメタル(251)としては、低膨張材料と高膨張材料が挙げられる。低膨張材料の例としては、ニッケル−鉄などが用いられる。高膨張材料の例としては、銅、ニッケル、銅−亜鉛、ニッケル−銅、ニッケル−マンガン−鉄、ニッケル−クロム−鉄、マンガン−ニッケル−銅などが用いられる。本実施形態のバイメタル(251)は、温度が高くなると、長手方向両端がロータコア(210)側へ折れ曲がって、ロータコア(210)のコア外周部(217)とコア内周部(218)とに接触するように構成されている(図9参照)。つまり、バイメタル(251)は、温度に応じて変形することによって、ロータコア(210)のコア外周部(217)とコア内周部(218)218)とに磁気的に繋がる磁気接続部材を構成している。また、本実施形態のバイメタル(251)は、磁石用スロット(211)の磁気抵抗よりも小さい磁気抵抗を有するものである。
〈逆磁界作用時の磁路〉
図8に示すように、例えばモータ(10)の周囲の気温または冷媒温度がそれ程高くない状態(常温状態)では、バイメタル(251)は変形せずに真っ直ぐな板状のままである。この状態では、バイメタル(251)の厚さが薄肉部(235)の深さよりも薄いため、バイメタル(251)はロータコア(210)には接触しない。
このような常温状態において、ロータ(200)に逆磁界が作用したとしても、その逆磁界による永久磁石(220)の減磁はそれ程発生しない。
図9に示すように、例えばモータ(10)の周囲の気温または冷媒温度が上昇して高温状態になると、バイメタル(251)の両端がロータコア(210)側へ折れ曲がるように変形する。折れ曲がったバイメタル(251)の両端は、ロータコア(210)におけるコア外周部(217)とコア内周部(218)とに接触する。つまり、バイメタル(251)は、永久磁石(220)と離隔した状態で、磁石挿入部(212)を跨いでコア外周部(217)およびコア内周部(218)と接触する。詳しくは、バイメタル(251)は、コア外周部(217)およびコア内周部(218)のうち、磁石挿入部(212)における永久磁石(220)の両側に存する空隙に対応する部分と接触する。これによって、コア外周部(217)とコア内周部(218)とが磁気的に接続される。
このような高温状態において、ロータ(200)に逆磁界が作用し、ステータ(100)からロータコア(210)のコア外周部(217)に磁束が作用したとする。この場合、コア外周部(217)へ作用した逆磁界による磁束は、その全体または一部が永久磁石(220)を通過せずにバイメタル(251)を介してコア内周部(218)へ向かう(図9の矢印を参照)。つまり、磁石用スロット(211)の磁気抵抗よりも小さい磁気抵抗を有するバイメタル(251)がコア外周部(217)と接触しているため、磁束は永久磁石(220)を通過せずにバイメタル(251)を通過する。このように、本実施形態では、ロータコア(210)へ作用した逆磁界の磁路は、バイメタル(251)によって永久磁石(220)の部分が短絡する。これによって、逆磁界による永久磁石(220)の減磁が抑制される。なお、バイメタル(251)は、温度が低下すると、再び変形前の形状(即ち、真っ直ぐな板状)に戻る。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、温度に応じて、ロータコア(210)におけるコア外周部(217)とコア内周部(218)とに磁気的に繋がる磁気接続部材(バイメタル(251))を設けるようにした。そのため、ステータ(100)からロータコア(210)のコア外周部(217)へ逆磁界が作用した場合、その磁束の全部または一部を、永久磁石(220)を通過させることなく磁気接続部材(251)を介して内周側部分(218)へ向かわせることができる。これによって、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を抑制することができる。また、磁気接続部材(251)を設けるのみなので、ロータコア(210)のサイズを小さくしなくてもすむこれによって、モータ(10)としての性能が低下するのを回避できる。その結果、性能を低下させることなく、永久磁石(220)の減磁を抑制することができる。
また、永久磁石(220)が例えばネオジウム磁石である場合、高温領域で逆磁界による減磁が発生しやすい。したがって、本実施形態のように、磁気接続部材(バイメタル(251))が高温領域でコア外周部(217)とコア内周部(218)とに繋がるように構成することで、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態では、磁気接続部材として温度に応じて変形するバイメタル(251)を用いるようにしたため、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を簡易且つコンパクトな構成で抑制することができる。
また、本実施形態では、ロータコア(210)に積層される端板(230)に薄肉部(235)を設けて、その薄肉部(235)に磁気接続部材(バイメタル(251))を設けるようにしたので、ロータ(200)の大型化を招くことなく、永久磁石(220)の減磁を抑制することが可能である。
また、永久磁石(220)の減磁は、永久磁石(220)の両端部において発生しやすい。そこで、本実施形態では、磁気接続部材(バイメタル(251))が、永久磁石(220)の両端側においてコア外周部(217)とコア内周部(218)とに接触するようにしたので、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を効果的に抑制することができる。
関連技術
関連技術は、上記実施形態1におけるバイメタル(251)に代えて感温磁性部材(252)を設けるようにしたものである。つまり、本関連技術のモータ(10)は、磁気接続部材として感温磁性部材(252)を備えているものである。
図10に示すように、本関連技術において、感温磁性部材(252)は、やや細長い矩形状の板材であり、ロータコア(210)の磁石用スロット(211)に挿入されている。感温磁性部材(252)は、各磁石用スロット(211)に対して2つずつ設けられている。詳しくは、感温磁性部材(252)は、磁石挿入部(212)における永久磁石(220)の平面視長手方向の両端側に存する空隙の部分に挿入されている。磁石挿入部(212)において、感温磁性部材(252)は、永久磁石(220)と離隔する一方、該磁石挿入部(212)の内壁と接触する状態で挿入されている。つまり、感温磁性部材(252)は、ロータコア(210)におけるコア外周部(217)とコア内周部(218)とに接触した状態で設けられている。また、感温磁性部材(252)は、軸方向の両端がロータコア(210)の軸方向端面と面一となる状態で磁石挿入部(212)に挿入されている(図11参照)。
関連技術の感温磁性部材(252)は、温度が低くなると(即ち、吸熱されると)、磁性を有する部材である。つまり、本関連技術の感温磁性部材(252)は、温度に応じて磁性を有することで、ロータコア(210)におけるコア外周部(217)とコア内周部(218)とに磁気的に繋がる。これによって、コア外周部(217)とコア内周部(218)とが感温磁性部材(252)を介して磁気的に接続される。感温磁性部材(252)としては、鉄−ニッケル合金などが用いられる。また、磁性を有したときの感温磁性部材(252)の磁気抵抗は、磁石用スロット(211)の磁気抵抗よりも小さい。
関連技術において、モータ(10)が常温状態になると、感温磁性部材(252)は磁性を失って非磁性体となる。このような常温状態において、ロータ(200)に逆磁界が作用したとしても、その逆磁界による永久磁石(220)の減磁はそれ程発生しない。
関連技術において、モータ(10)が低温状態になると、感温磁性部材(252)は磁性を有する磁性体となる。この状態では、図11に示すように、ロータコア(210)のコア外周部(217)へ作用した逆磁界による磁束は、その全体または一部が永久磁石(220)を通過せずに感温磁性部材(252)を介してコア内周部(218)へ向かう。
以上のように、本関連技術では、低温状態において、ロータコア(210)のコア外周部(217)へ作用した逆磁界による磁束が永久磁石(220)を通過するのを抑制することができる。したがって、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を抑制することができる。
また、永久磁石(220)が例えばフェライト磁石である場合、低温領域において逆磁界による減磁が発生しやすい。したがって、本関連技術のように、磁気接続部材(感温磁性部材(252))が低温領域でコア外周部(217)とコア内周部(218)とに磁気的に繋がるように構成することで、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を効果的に抑制することが可能である。
また、本関連技術では、磁気接続部材として温度に応じて磁性を有する感温磁性部材(252)を用いるようにしたため、永久磁石(220)の減磁を簡易且つコンパクトな構成で抑制することができる。
また、本関連技術では、感温磁性部材(252)をロータコア(210)に形成された磁石用スロット(211)に挿入するようにしたため、ロータ(200)の大型化を招くことなく、永久磁石(220)の減磁を抑制することが可能である。
また、永久磁石(220)の減磁は永久磁石(220)の両端部において発生しやすいところ、本関連技術によれば、感温磁性部材(252)が永久磁石(220)の両端側においてコア外周部(217)とコア内周部(218)とに接触するようにしたので、逆磁界による永久磁石(220)の減磁を効果的に抑制することができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下の構成にするようにしてもよい。
例えば、上記各実施形態において、バイメタル(251)の設置箇所は上述したものに限らない。本発明において、バイメタル(251)の設置箇所は、温度に応じてコア外周部(217)とコア内周部(218)とに磁気的に繋がる箇所であればよい。
以上説明したように、本発明は、磁石が挿入されたロータを有する回転電気機械について有用である。
10 モータ(回転電気機械)
100 ステータ
110 ステータコア
200 ロータ
210 ロータコア
211 磁石用スロット
217 コア外周部(外周側部分)
218 コア内周部(内周側部分)
220 永久磁石
251 バイメタル(磁気接続部材)
252 感温磁性部材(磁気接続部材)

Claims (3)

  1. 軸方向に貫通し永久磁石(220)が挿入される磁石用スロット(211)が周方向に複数形成されたロータコア(210)を有するロータ(200)と、上記ロータコア(210)の外周側に該ロータコア(210)とギャップを存して対向配置されたステータコア(110)を有するステータ(100)とを備えた回転電気機械であって、
    上記永久磁石(220)と離隔して設けられ、温度に応じて、上記ロータコア(210)における上記磁石用スロット(211)の外周側部分(217)と内周側部分(218)とに磁気的に繋がる磁気接続部材(251,252)を備え
    上記磁気接続部材(251)は、温度に応じて変形し、その変形によって上記外周側部分(217)と内周側部分(218)とに接触するバイメタルである
    ことを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項において、
    上記ロータ(200)は、上記ロータコア(210)とその軸方向に積層される端板(230)を有し、
    上記磁気接続部材(251)は、板状に形成されて、上記端板(230)の薄肉部(235)における上記ロータコア(210)側の面に設けられ、上記磁気接続部材(251)の両端が温度に応じて上記ロータコア(210)側へ折れ曲がることによって上記外周側部分(217)と内周側部分(218)とに接触するように構成されている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項またはにおいて、
    上記永久磁石(220)は、板状に形成され、
    上記磁石用スロット(211)では、上記永久磁石(220)が該永久磁石(220)の平面視長手方向の両端側に空隙を存して挿入され、
    上記磁気接続部材(251)は、上記外周側部分(217)および内周側部分(218)のうち上記磁石用スロット(211)の上記空隙に対応する部分に接触するように構成されている
    ことを特徴とする回転電気機械。
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