JP5863694B2 - 永久磁石埋込型電動機、圧縮機及び冷凍空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石埋込型電動機、圧縮機及び冷凍空調装置に関するものである。
冷凍空調装置の圧縮機に搭載する電動機は、省エネ・低騒音を求められると共に、約150℃の高温雰囲気中での使用を保証する必要がある。
一般に、Nd−Fe−B系希土類磁石は、残留磁束密度が高く、電動機の小型・高効率化に向いている。その一方で、かかる希土類磁石は、高温になるほど保磁力が低下するため、同一電流で比較した場合、高温雰囲気で使用する電動機ほど減磁し易い課題がある。そのため、高温雰囲気中で使用する希土類磁石には、例えば、Dy(ディスプロシウム)、Tb(テルビウム)といった重希土類元素を添加することで、保磁力を向上させ、減磁しないように使用している。
しかし、近年、重希土類元素は希少価値が高まり、調達性や価格高騰のリスクが大きくなっている。そのような情勢を反映して、高効率且つ低騒音な電動機であって、尚且つ、高温雰囲気中では保持力が高くない希土類磁石を、減磁を抑えて使用することができる、減磁に強い電動機が求められている。
従来の電動機に関しては、例えば、特許文献1に開示の構成がある。特許文献1に開示の永久磁石式ブラシレスDCモータの回転子では、永久磁石挿入孔の周方向両側に磁石固定用の突起と空隙とを設け、それら空隙によって磁束の漏れを防ぐと共に、それら突起によって永久磁石の位置決めを行っていた。
さらに、当該特許文献1には、複数の電磁鋼板を積層してロータコアを構成するにあたって、電磁鋼板の永久磁石挿入孔に突起があるものと、突起がないものとを組み合わせることで、上述した磁石固定用の突起を得ると共に、特性の悪化を防ぐようにしている。
特開2007−181254号公報
しかしながら、上述した特許文献1に例示された構成のように、永久磁石を回転子表面近くに埋め込み、磁石挿入孔の径方向内側に磁石位置決め用突起を設けるように回転子を構成した場合、磁束が突起に集中して流れようとし、永久磁石において突起に隣接した部位が減磁し易くなるという問題が生じる。さらに、永久磁石位置決め用突起が有る鋼板と無い鋼板とを組み合わせてロータコアを構成することで、磁石位置決め突起の存在が原因となる減磁の影響を緩和することはできるものの、今度は、永久磁石を挿入する際、永久磁石の傾きが生じやすくなり、挿入性が悪化し、つまりは生産性が悪くなるという新たな問題が生じうる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、磁石が運転中に磁石挿入孔内で動き振動が発生するのを抑制しながらも、その磁石の動きを抑える手段に起因した減磁を低減することができ、尚且つ、磁石の挿入性の悪化を防止することができる、永久磁石埋込型電動機を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明は、空隙を隔ててステータと対向するように設置されたロータを備え、前記ロータは、複数の磁石挿入穴を有するロータコアと、前記複数の磁石挿入穴のそれぞれに挿入された複数の永久磁石とを含み、前記ロータコアは、複数の積層要素を積層して形成されている、永久磁石埋込型電動機であって、前記複数の積層要素は、前記磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第一高さh1である少なくとも一つの第一積層要素と、前記磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第二高さh2である少なくとも一つの第二積層要素とを含み、前記第一高さh1>前記第二高さh2であり、且つ、前記第一積層要素の合計厚さA<前記第二積層要素の合計厚さBである。
本発明の永久磁石埋込型電動機によれば、磁石が運転中に磁石挿入孔内で動き振動が発生するのを抑制しながらも、その磁石の動きを抑える手段に起因した減磁を低減することができ、尚且つ、磁石の挿入性の悪化を防止することができる。
本発明の実施の形態1に係る永久磁石埋込型電動機のロータの概要を示す図である。 第一電磁鋼板における永久磁石が挿入されていない状態の磁石挿入穴近傍を拡大して示す図である。 第一電磁鋼板における磁石位置決め突起の高さを示す図である。 第二電磁鋼板における磁石位置決め突起の高さを示す図である。 ロータコアを構成する複数の電磁鋼板の内訳を示す図である。 ロータコアを構成する複数の電磁鋼板の内訳と、ステータとの対面関係を示す図である。 (磁石位置決め突起高さ/永久磁石厚さ)と減磁電流との関係性を示すグラフである。 位置決め突起の有無に関して減磁耐力の比較結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る永久磁石埋込型電動機のロータの概要を示す図である。なお、図1は、その紙面がロータの回転軸を垂線する面に相当し、図の明瞭性を優先し、ハッチングや中央のシャフト、風穴等の細部を省略している。
永久磁石埋込型電動機は、環状の空隙(図示省略)を隔てて環状のステータ(なお模式的には図6に符号25として図示)と対向するようにステータの内側に設置されたロータ1を備えている。ステータの構成は、特に限定されるものではなく、既存の構成でよいものとする。
ロータ1は、ロータコア3と、複数の永久磁石5とを含んでいる。ロータコア3は、複数の磁石挿入穴7を有している。複数の永久磁石5はそれぞれ、対応する磁石挿入穴7に挿入されている。一例であるが、図1では、ロータが6極の場合を例示しており、N極とS極とが交互になるように着磁された6個の永久磁石5とそれに対応する6つの磁石挿入穴7とが示されている。本発明においては、ロータの磁極数は、2極以上であればよく、6極に限定されるものではない。
ロータコア3は、複数枚の電磁鋼板を積層して形成されている。本発明では、複数枚の電磁鋼板は、詳細は後述するが複数枚の第一電磁鋼板9と、複数枚の第二電磁鋼板11という二種類の電磁鋼板が用いられている。そのうちの第一電磁鋼板9を例に主に磁石挿入穴7周りの構成について説明する。
図2は、第一電磁鋼板における永久磁石が挿入されていない状態の磁石挿入穴近傍を拡大して示す図である。図1及び図2に示されるように、磁石挿入穴7はそれぞれ、ロータ1の回転軸CLを中心とする半径方向に延びる極中心線Xと直交する方向(以下、周方向と称する)に延びている。また、磁石挿入穴7はそれぞれ、対応する極中心線Xに関して線対称をなしている。また、磁石挿入穴7、並びに、それに対応する極中心線X及び後述するスリット群は、同じ形状をなしており、且つ、等角度間隔で並んでいるので、以下、一つの磁石挿入穴7周りの構成について説明する。
磁石挿入穴7は、図2に示されるように、ロータコア3に形成されている、径方向外側の外側画定ライン13と、径方向内側の内側画定ライン15と、左右一対のエンドライン17とによって、画定されている。
外側画定ライン13は、図2においてみて、周方向に直線的に延びるラインであり、内側画定ライン15は、外側画定ライン13よりも径方向内側に位置し、直線的に且つ外側画定ライン13とほぼ平行に延びるラインである。一対のエンドライン17はそれぞれ、外側画定ライン13及び内側画定ライン15の対応する周方向端部をつなげており、かかるエンドライン17の内側には、径方向外側に突出する空間19が生じる。これらの空間19は、磁石挿入穴7の周方向両端部において磁束短絡防止用穴であるフラックスバリアとして機能する。
磁石挿入穴7の内側画定ライン15における周方向両端部には、磁石位置決め突起21が形成されている。これら左右一対の磁石位置決め突起21は、径方向外側すなわち外側画定ライン13に向けて突出している。また、一対の磁石位置決め突起21における極中心線X側の側面は、それぞれ、永久磁石5における対応する周方向側端面と面接触する。
外側画定ライン13と、ロータコア3の外周面との間には、複数のスリット23が形成されている。スリット23は、磁石挿入穴7同様、回転軸CLの延びる方向に沿って電磁鋼板(積層後はロータコア3全体)を貫通する穴(空隙)である。かかるスリット23により、トルクの脈動や誘起電圧の高調波を低減することが可能となっている。
上述した第一電磁鋼板9に対して、第二電磁鋼板11は、以下に説明するように磁石位置決め突起の高さが異なる以外は、第一電磁鋼板9と同様に構成されている。図3は、第一電磁鋼板における磁石位置決め突起の高さを示す図であり、図4は、第二電磁鋼板における磁石位置決め突起の高さを示す図である。第二電磁鋼板11も、第一電磁鋼板9と同数、同位置に、磁石挿入穴7及びスリット23を有しており、第二電磁鋼板11の磁石挿入穴7も、外側画定ライン13、内側画定ライン15及び一対のエンドライン17によって画定されている。一方、第二電磁鋼板11の磁石挿入穴7の磁石位置決め突起21’は、挿入された永久磁石5の端面とは接触するものの、その高さは、第一電磁鋼板9の磁石挿入穴7の磁石位置決め突起21よりも低く形成されている。図3及び図4に示すように、第一電磁鋼板9の磁石位置決め突起21の高さ(内側画定ライン15からの突出量)を第一高さh1とし、第二電磁鋼板11の磁石位置決め突起21’の高さ(内側画定ライン15からの突出量)を第二高さh2とした場合、第一高さh1>第二高さh2となる。また、永久磁石5の厚さ(挿入時の径方向の寸法)を厚さt1とし、第二電磁鋼板11における磁石位置決め突起21’の先端と、外側画定ライン13との間の距離を間隔t2とした場合、厚さt1>間隔t2を満たすように構成されている。
以上のような構成を有する第一電磁鋼板9及び第二電磁鋼板11は、共に、同じ厚さを有しており、一例を示すと、厚さ0.1mm〜1mm程度の薄い電磁鋼板から形成されている。
図5は、ロータコアを構成する複数の電磁鋼板の内訳を示す図である。また図6は、ロータコアを構成する複数の電磁鋼板の内訳と、ステータとの対面関係を示す図である。ロータコア3は、図5に示されるように、積層に関する下側(下層領域)と上側(上層領域)とにそれぞれまとめて複数の第一電磁鋼板9が積層されており、積層に関する真ん中(中間領域)に複数の第二電磁鋼板11が積層されている。
さらに、上層領域の複数の第一電磁鋼板9の合計厚さを厚さA1とし、下層領域の複数の第一電磁鋼板9の合計厚さを厚さA2とし、それら厚さA1と厚さA2との合計厚さを、すなわち、ロータコア3中における全第一電磁鋼板9の合計厚さを、合計厚さAとし、中間領域の複数の第二電磁鋼板11の合計厚さ(すなわち全第二電磁鋼板11の合計厚さ)を合計厚さBとした場合、合計厚さA<合計厚さBを満たす。
また、上記のようなロータコアの電磁鋼板の内訳に対して、ステータ25は、図6に示されるような関係で配置されている。すなわち、ロータ1の高さ(回転軸CL方向の寸法)は、ステータ25の高さよりも大きく、ステータ25に対してロータ1がオーバーハングする。かかる態様において、ステータ25の上端25a及び下端25bは、それらの高さ位置が第二電磁鋼板11の積層されている範囲に位置するように配置されている。換言すれば、ステータ25は、ロータコア3における第二電磁鋼板11だけが積層されている中間領域と対面するように、ロータ1と向き合っている。また、別の言い方をすれば、複数の第一電磁鋼板9はすべて、ロータ1におけるオーバーハング部1aだけに配置されている。なお、オーバーハング部1aのみに磁石位置決め突起21を設けるのが最も適しているが、改変形態として、オーバーハング部1aに存在する第一電磁鋼板9の合計厚さよりも少ない合計厚さとなる枚数の第一電磁鋼板9を、ステータ25と対面する部分(ロータにおけるオーバーハングしていない部分)に設けても効果を示すことができる。
複数の電磁鋼板を積層して構成されたロータコア3の磁石挿入穴7のそれぞれには、永久磁石5が収容されている。具体的一例であるが、永久磁石5はそれぞれ、Nd−Fe−B(ネオジム−鉄−ボロン)系の希土類磁石で構成されている。なお、永久磁石の種類はこれに限るものではない。また、1極あたり1個の永久磁石5が周方向に平行に磁化され極性が交互となるように配置され、それによって、それぞれの磁極が構成される。
挿入された永久磁石5はそれぞれ、第一電磁鋼板9の部分においても、第二電磁鋼板11の部分においても、対応する一対の磁石位置決め突起21の間、及び、対応する一対の磁石位置決め突起21’の間に配置され、それら一対の磁石位置決め突起21,21’に挟まれて位置決めされている。
以上のように構成された本実施の形態1に係る永久磁石埋込型電動機においては、磁石挿入穴内に二種類の高さの突起を形成しているので、磁石位置決め突起による減磁耐力の悪化を最小限に抑え、さらに永久磁石の挿入性を改善し、生産性を改善することができる。
すなわち、磁石位置決め突起が大きいと磁束が磁石位置決め突起の部分に多く流れるため、永久磁石が減磁しやすくなるが、磁石位置決め突起の高さが大きい領域は、ロータコアにおいて部分的にあるだけであるので、磁石位置決め突起による減磁耐力の悪化を低く抑えることができる。具体的には、ロータコア中における全第一電磁鋼板の合計厚さを合計厚さAとし、全第二電磁鋼板の合計厚さを合計厚さBとした場合、合計厚さA<合計厚さBを満たすように構成するので、磁石位置決め突起による減磁耐力の悪化を少なく抑えることができる。
その一方で、磁石位置決め突起が小さい領域においても、突起自体は存在しているため、つまり、本実施の形態では、磁石挿入穴内には高さの大小はあるものの回転軸CLに沿って連続して常に突起自体があるため、永久磁石を挿入する際、永久磁石は、常に磁石位置決め突起にガイドされ突起に沿って挿入されるため、挿入途中で永久磁石が傾き挿入性を悪化させることがなく、生産性を改善することができる。
また、通常、磁石挿入穴に対して、永久磁石は若干小さく構成される。そのため、小さい方の磁石位置決め突起先端と磁石挿入穴の画定面との間隔を、永久磁石の厚さよりも大きくしてしまうと、永久磁石を挿入する際に永久磁石が傾く可能性が大きくなる。この点、本実施の形態1では、永久磁石の厚さを厚さt1とし、第二電磁鋼板における磁石位置決め突起の先端と外側画定ラインとの間の距離を間隔t2とした場合、厚さt1>間隔t2を満たすように構成されている。よって、永久磁石を挿入する際に、永久磁石を、確実に第二電磁鋼板の磁石位置決め突起に沿って挿入することができる。
図7は、(磁石位置決め突起高さ/永久磁石厚さ)と減磁電流との関係性を示すグラフである。図7の縦軸は、突起の高さが0(突起がない状態)であるときの減磁電流を100%としている。つまり、減磁電流が100%よりも小さくなると減磁電流が低減したこと示しており、低い電流で減磁することを示し、減磁耐力が悪化していることを示している。
図7のグラフより(磁石位置決め突起高さ/永久磁石厚さ)が0.15までは減磁電流がほぼ100%のまま推移していることが分かる。つまり、磁石位置決め突起の高さは、永久磁石の厚さに対して15%以下に構成すれば永久磁石の減磁に与える影響が小さいといえる。そのため、第二電磁鋼板11の磁石位置決め突起21’の高さh2は、好適には、永久磁石の厚さt1の15%以下とする。
その一方で、第一電磁鋼板9の磁石位置決め突起21の高さh1は、確実に永久磁石を位置決めする必要があるが、大きすぎると突起部分の影響で磁束の漏れが発生してしまう。そのため、磁石位置決め突起の高さh1は、好適には、永久磁石の厚さt1の半分以下(永久磁石の厚さt1の50%以下)とし、永久磁石を確実に位置決めしつつ磁束の漏れを最小限に抑える構造にする。
また、図6に示したように、ロータ1の高さ(回転軸CL方向の寸法)がステータ25の高さよりも大きい場合、ステータ25に対してロータ1がオーバーハングする構造となる。ロータ1におけるオーバーハング部1aは、ステータ25からの磁束の影響を受けにくく、減磁しにくい傾向にある。このため、本実施の形態1では、より高さの大きい磁石位置決め突起21が設けられた領域は、オーバーハングした部分だけにとどめ、減磁の影響を小さくすることができる利点が得られている。特にロータ1が電磁鋼板で構成された物は、軸方向に磁束が流れにくいため、より顕著にオーバーハング部1aの部分は減磁しにくい特徴がある。また、オーバーハング部1aのみに磁石位置決め突起21を設けるのが最も適しているが、オーバーハング部1aに存在する第一電磁鋼板9の合計厚さよりも少ない合計厚さとなる枚数の第一電磁鋼板9を、ステータ25と対面する部分に設けても効果を示すことができる。
また、本実施の形態1は、スリット自体の有無にかかわらず、上述した効果を示すことができるが、スリットを設けると、磁石のパーミアンスの低下、ステータからの反磁界の集中が発生し、減磁耐力が悪化する。そのため、ロータコアにスリットを設けた形状ではスリットなしにくらべて減磁耐力を上げるため永久磁石の厚さを厚くする必要がある。本実施の形態1を適用することで、減磁耐力が改善することから、スリット23を設けても永久磁石を厚くする必要がなく、スリットなしに比べてより効果を示すことができる。また、スリット形状はスリットによりステータからの磁束を集中させてしまうため、磁石位置決め突起による減磁耐力の悪化が大きい。このことからもスリット形状を用いたロータに本実施の形態1を適用することで、スリットがない態様よりも効果を示すことができる。また、本実施の形態で示すスリットとは、ロータコアにおいて磁石挿入穴よりも径方向外側に位置する空隙を示しており、スリットは2箇所以上であればスリットとなる。
また,磁石挿入穴7は、回転軸CLよりもロータ1の外周面の方が近くなるように配置されている。磁石挿入穴が外周面に近いロータは、磁石挿入穴が回転軸に近いロータよりも、減磁しやすい特徴を持つ。そのため,磁石挿入穴7が回転軸CLよりもロータ1の外周面の方に近くなるように配置した本実施の形態のロータ1では、減磁耐力の悪化を防ぐ必要性が大きい。言い換えると、本発明は、磁石挿入穴7が回転軸CLよりもロータ1の外周面の方に近い形状でこそ、より効果を示すことができる。
図8に、位置決め突起の有無に関して減磁耐力の比較結果を示す。本結果は、簡易的に位置決め突起ありと、位置決め突起なしとの間で比較をするが、スリットがある場合の方が、位置決め突起がない時に対する減磁耐力改善の増加分が大きく、位置決め突起を設けた効果が大きいことを示している。よって、スリットが存在する方が本実施の形態の磁石位置決め突起の形成態様の効果を、より享受できることとなる。
また、磁石位置決め突起を設けることで磁石固定のための接着剤等が不要となるため、接着剤を使用できない環境や接着剤に掛かるコストを削減することができる。
また、磁束が、磁石位置決め突起に集中して流れようとし、磁石位置決め突起に隣接する永久磁石の部位が減磁し易くなる。このため、永久磁石の径方向外側の表面と、磁石位置決め突起との距離が、永久磁石の厚さよりも狭い状態であると、より磁束が通りやすくなり、減磁しやすくなるため、永久磁石の表面が電磁鋼板で覆われている形状で、より顕著に効果を示すことができる。
なお、本実施の形態1の永久磁石埋込型電動機は、巻線方式、ステータのスロット数、極数によらず効果を奏する。
従来と同じ減磁耐力であれば、低保磁力な磁石を使用することが可能となり、重希土類元素の添加量の少ない、安価な希土類磁石を使用することが可能となる。さらに、重希土類元素の添加量を減らすと、磁石の残留磁束密度が向上するため、マグネットトルクが向上し、同一トルクを発生させるための電流を小さくすることができ、銅損、及び、インバータの通電損失を低減することが可能となる。また、減磁に強い電動機となるため、従来と同じ減磁耐力であれば、磁石厚さを薄くすることが可能であり、高価な希土類磁石の使用量を抑制し、安価な電動機を構成することが可能となる。
上述した本実施の形態によれば、次のような優れた作用効果がある。まず、磁石位置決め突起の高さが大きいと永久磁石の減磁に悪影響を及ぼす。そのため、そのような観点では、磁石位置決め突起は小さいか、もしくは、全く無いことが望ましい。そのため、比較的大き目の磁石位置決め突起をロータコアの一部分のみに設けることにより、磁石位置決め突起による永久磁石の減磁への影響を最小限に抑えることができる。しかし、一部分にのみ磁石位置決め突起を設け、そのほかに磁石位置決め突起を設けないと、永久磁石を挿入する際に、永久磁石が傾き永久磁石の挿入の生産性が悪化する課題がある。そこで、磁石位置決め突起の高さがh1、h2と異なる2種類のコアを用い、h1>h2の関係とする。磁石位置決め突起の高さh1の高さのロータコアにより永久磁石の位置決めを確実に行い、磁石位置決め突起の高さh2は最小限に設定し、永久磁石を挿入する際のガイドとなり、磁石位置決め突起に沿って挿入される。磁石位置決め突起の高さh2は最小限に設定されているため、永久磁石の減磁への影響が小さくなり、永久磁石の減磁耐力が改善する。さらに、磁石位置決め突起の高さh1であるコアは減磁に僅かながら悪影響を与えることから、少ない方が望ましい。そのため、磁石位置決め突起の高さh1であるコアの積厚の合計幅Aと、位置決め突起の高さh2であるコアの積厚の合計幅Bの関係がA<Bにすることで、より効果を示すことができる。
また、永久磁石の厚さをt1とし、第二電磁鋼板における磁石位置決め突起の先端と、磁石挿入穴の外側画定ラインとの間の距離を間隔t2とした場合、厚さt1>間隔t2を満たすように構成することで、永久磁石を挿入する際、永久磁石が横にずれることがなく、生産性を改善することができる。
第二電磁鋼板の磁石位置決め突起の第二高さh2を、永久磁石の厚さt1の15%以下とした場合、減磁耐力の大幅な悪化を防ぐことができる。
第一電磁鋼板の磁石位置決め突起の第一高さh1を、永久磁石の厚さt1の50%以下とした場合、漏れ磁束を低減することができる。
ロータの高さは、ステータの高さよりも大きく、ステータに対してロータはオーバーハングしており、複数の第一電磁鋼板は、ロータにおけるオーバーハング部だけに配置されているようにした場合、オーバーハング部は減磁しにくいため、オーバーハング部に減磁がしやすい磁石位置決め突起高さh1のコア構成要素を配置することで減磁の悪化を抑えることができる。
実施の形態2.
また、本発明は、実施の形態2として、圧縮機として実施することができ、その圧縮機において、上述した実施の形態1の永久磁石埋込型電動機を、圧縮部を駆動する要素として機能させる。さらに、本発明は、そのように実施の形態1の永久磁石埋込型電動機を有する圧縮機を、冷凍回路の構成要素として含む、冷凍空調装置として実施することも可能である。なお、圧縮機の種別や圧縮機における永久磁石埋込型電動機以外の構成は、特に、限定されるものではなく、また、冷凍空調装置の冷凍回路における、圧縮機以外の構成要素の構成も、特に、限定されるものではない。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
例えば、上述した実施の形態では、ロータコアが、複数枚の電磁鋼板を積層して形成されており、それら複数枚の電磁鋼板は、磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第一高さh1である複数枚の第一電磁鋼板と、磁石位置決め突起が第二高さh2である複数枚の第二電磁鋼板とを含む態様として説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロータコアは、複数の積層要素を積層して形成されており、複数の積層要素は、磁石位置決め突起が第一高さh1である少なくとも一つの第一積層要素と、磁石位置決め突起が第二高さh2である少なくとも一つの第二積層要素とを含む態様であればよい。したがって、一例であるが、第一積層要素及び第二積層要素それぞれが、金属製の一塊のブロック状の部分であり、上記実施の形態との対応として厚さBの一つの第二積層要素の上下に、それぞれ厚さA1,A2である上下一対の第一積層要素が設けられている態様のロータコアを用いて実施することも可能である。
1 ロータ、3 ロータコア、5 永久磁石、7 磁石挿入穴、9 第一電磁鋼板、11 第二電磁鋼板、13 外側画定ライン、21 磁石位置決め突起、25 ステータ。

Claims (8)

  1. 空隙を隔ててステータと対向するように設置されたロータを備え、
    前記ロータは、複数の磁石挿入穴を有するロータコアと、前記複数の磁石挿入穴のそれぞれに挿入された複数の永久磁石とを含み、
    前記ロータコアは、複数の積層要素を積層して形成されている、永久磁石埋込型電動機であって、
    前記複数の積層要素は、前記磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第一高さh1である少なくとも一つの第一積層要素と、前記磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第二高さh2である少なくとも一つの第二積層要素とを含み、
    前記第一高さh1>前記第二高さh2であり、且つ、前記第一積層要素の合計厚さA<前記第二積層要素の合計厚さBであり、
    前記複数の第一積層要素は、積層に関する上層領域と下層領域とに積層されており、
    前記ロータコアは、前記複数の積層要素としての複数枚の電磁鋼板を積層して形成されており、
    前記複数の積層要素は、前記第一積層要素としての複数枚の第一電磁鋼板と、前記第二積層要素としての複数枚の第二電磁鋼板とを含み、
    前記複数枚の第一電磁鋼板の合計厚さA<前記複数枚の第二電磁鋼板の合計厚さBであり、
    前記ロータの高さは、前記ステータの高さよりも大きく、該ステータに対して前記ロータはオーバーハングしており、
    前記ロータにおけるオーバーハングしていない部分に設けられた前記複数の第一電磁鋼板の合計厚さよりも、オーバーハングしている部分に設けられた前記複数の第一電磁鋼板の合計厚さの方が大きい、
    永久磁石埋込型電動機。
  2. 空隙を隔ててステータと対向するように設置されたロータを備え、
    前記ロータは、複数の磁石挿入穴を有するロータコアと、前記複数の磁石挿入穴のそれぞれに挿入された複数の永久磁石とを含み、
    前記ロータコアは、複数の積層要素を積層して形成されている、永久磁石埋込型電動機であって、
    前記複数の積層要素は、前記磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第一高さh1である少なくとも一つの第一積層要素と、前記磁石挿入穴に形成された磁石位置決め突起が第二高さh2である少なくとも一つの第二積層要素とを含み、
    前記第一高さh1>前記第二高さh2であり、且つ、前記第一積層要素の合計厚さA<前記第二積層要素の合計厚さBであり、
    前記複数の第一積層要素は、積層に関する上層領域と下層領域とに積層されており、
    前記ロータコアは、前記複数の積層要素としての複数枚の電磁鋼板を積層して形成されており、
    前記複数の積層要素は、前記第一積層要素としての複数枚の第一電磁鋼板と、前記第二積層要素としての複数枚の第二電磁鋼板とを含み、
    前記複数枚の第一電磁鋼板の合計厚さA<前記複数枚の第二電磁鋼板の合計厚さBであり、
    前記ロータの高さは、前記ステータの高さよりも大きく、該ステータに対して前記ロータはオーバーハングしており、
    前記複数の第一電磁鋼板は、前記ロータにおけるオーバーハング部だけに配置されている、
    永久磁石埋込型電動機。
  3. 前記永久磁石の厚さをt1とし、
    前記第二電磁鋼板における前記磁石位置決め突起の先端と、前記磁石挿入穴の外側画定ラインとの間の距離を間隔t2とした場合、
    厚さt1>間隔t2を満たす、
    請求項1または2の永久磁石埋込型電動機。
  4. 前記第二電磁鋼板の前記磁石位置決め突起の第二高さh2は、前記永久磁石の厚さt1の15%以下である、
    請求項1〜3の何れか一項の永久磁石埋込型電動機。
  5. 前記第一電磁鋼板の前記磁石位置決め突起の第一高さh1は、前記永久磁石の厚さt1の50%以下である、
    請求項1〜4の何れか一項の永久磁石埋込型電動機。
  6. 前記複数の第一積層要素は、積層に関する上層領域と下層領域とにまとめて積層されており、前記第二積層要素は、前記上層領域および前記下層領域の間にある中間領域にまとめて積層されている、
    請求項1〜5の何れか一項の永久磁石埋込型電動機。
  7. 請求項1〜6の何れか一項の永久磁石埋込型電動機により圧縮部を駆動する、圧縮機。
  8. 請求項7の圧縮機を冷凍回路の構成要素として含む、冷凍空調装置。
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