JP2006280021A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 イナーシャを向上させ、低い残留磁束密度を有する永久磁石による低コストモータを提供する。
【解決手段】 イナーシャを上げるために前記ロータコアの積厚LRは前記ステータコアの積厚LSより大きくし、前記ロータコアのブリッジ部を磁気飽和の状態とし、充分な磁束をステータコアに流すために、前記永久磁石の軸方向長さは前記ロータコアの積厚LRと同等とし、永久磁石の軸方向端面の磁束が、ロータの周りの空間を流れるより、ステータコアに流れやすくするために、前記ロータコア外周から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを、(LR−LS)/2より大きくするように、ロータコア10の積厚LRとロータコア10の外周10から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを設定する。(請求項1のコピーに符号を付けてもよい)
【選択図】 図1
【解決手段】 イナーシャを上げるために前記ロータコアの積厚LRは前記ステータコアの積厚LSより大きくし、前記ロータコアのブリッジ部を磁気飽和の状態とし、充分な磁束をステータコアに流すために、前記永久磁石の軸方向長さは前記ロータコアの積厚LRと同等とし、永久磁石の軸方向端面の磁束が、ロータの周りの空間を流れるより、ステータコアに流れやすくするために、前記ロータコア外周から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを、(LR−LS)/2より大きくするように、ロータコア10の積厚LRとロータコア10の外周10から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを設定する。(請求項1のコピーに符号を付けてもよい)
【選択図】 図1
Description
本発明は、冷凍空調機器用電動コンプレッサに使用されるモータに関する。
レシプロコンプレッサやロータリコンプレッサなどの1回転中の負荷変動が大きい冷凍空調機器用電動コンプレッサでは、負荷変動による速度変動により振動、騒音が大きくなるという課題がある。本課題を解決するために、トルク制御等の制御で対応するか、機械的にロータコアの積厚を大きくしてロータのイナーシャを大きくして対応する必要がある。
従来、冷凍空調機器用電動コンプレッサに使用されるモータは、図7から図9に示しているものがある(特許文献1参照)。
従来例1のモータを図7と図8を用いて説明する。図7は従来例1のモータ1の平面図を示す。図8は従来例1のモータ1の断面図を示す。ステータコア5にコイルが巻装されるステータ2と、前記ステータ2内で回転すると共に、ロータコア10に形成されたスロット11内に永久磁石14を備えるロータ8とからなるモータ1において、ロータコア10の積厚LRをステータコアの積厚LSよりも大きくし、永久磁石14の軸方向長さLMをステータコアの積厚LSよりも小さくしている。
従来例2のモータを図9を用いて説明する。図9は従来例2のモータ1の断面図を示す。ステータコア5にコイルが巻装されるステータ1と、前記ステータ1内で回転すると共に、ロータコア10に形成されたスロット11内に永久磁石14を備えるロータ8とからなるモータ1において、ロータコア10の積厚LRをステータコアの積厚LSよりも大きくし、永久磁石の軸方向長さLMをロータコア10の積厚LRと同等としている。
特開2003−274591号公報
しかしながら、前記従来例1の構成では、図7および図8において、永久磁石14の長さ方向端部の磁束は、磁路19を通ってロータ8内を流れることにより、ステータ2に充分な磁束が流れない。したがって、充分な磁束を得るために高い残留磁束密度を有する永久磁石を使用する必要があり、永久磁石のコストが高くなる。磁路19は、永久磁石14の長さ方向端部から、ロータの積厚方向をロータコア端部方向に通り、スロット11とロータコア10によって形成されるブリッジ部16を通り、ロータコア10のスロット11とロータコア内径の間において、ロータの積厚方向をロータコア中心部方向に通り、永久磁石14の長さ方向端部を通る。スロット11内に永久磁石14が備えられているロータコアのブリッジ部16は、永久磁石14の磁束によって、磁気飽和(磁気飽和とは、鉄板がこれ以上磁束を通すことができない磁束密度になる状態のことを表わし、不純物を含まない純鉄が一番が高く2.185Tで、通常の電磁鋼板では磁束密度が約2Tである。)の状態であるため、永久磁石14の磁束はステータコア5に流れる。一方、スロット11内に永久磁石14が備えられていないロータコアのブリッジ部16は、流れる磁束が少ないために磁気飽和の状態にならないため、永久磁石14の長さ方向端部の磁束は、磁路19を流れる。
また、前記従来例2の構成では、図9において、永久磁石14はロータコアの積厚と同等であるため、ロータコアのブリッジ部は磁気飽和の状態となり、従来例1のように磁束がブリッジ部を通って、ステータコアに流れないことはないが、透磁率は空気またはコンプレッサ中の冷媒ガスに対して、ステータコアやロータコアを形成する電磁鋼板の方が大きいことから、磁路中における空気または冷媒ガスを通る長さが長いほど磁束は流れにくいため、磁路中における空気または冷媒ガスを通る長さが、磁路20より磁路21の方が短い場合、永久磁石14の長さ方向端部の磁束は、磁路21より磁路20の方に多く流れることにより、ステータコア5に充分な磁束が流れない。したがって、充分な磁束を得るために高い残留磁束密度を有する永久磁石を使用する必要があり、永久磁石のコストが高くなる。磁路20は、永久磁石14の長さ方向端部から、ロータコア10を通り、ロータコア10の外側の空間を通り、ロータコア10のスロット11とロータコア内径の間を通り、永久磁石14の長さ方向端部を通る。
上記課題を解決するために本発明は、打ち抜かれた電磁鋼板からなるステータコアシートを積層してなるステータコアに巻線を巻装したステータと、前記ステータコアの内径円筒面に対向して回転自在に回転し、打ち抜かれた電磁鋼板からなる略円形ロータコアシートを積層してなるロータコア内部のスロットに複数個の永久磁石を埋設してなるロータからなるモータにおいて、イナーシャを上げるために前記ロータコアの積厚LRは前記ステータコアの積厚LSより大きくし、前記ロータコアのブリッジ部を磁気飽和の状態とし、充分な磁束をステータコアに流すために、前記永久磁石の軸方向長さは前記ロータコアの積厚LRと同等とし、永久磁石の軸方向端面の磁束が、ロータの周りの空間を流れるより、ステータコアに流れやすくするために、前記ロータコア外周から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを、(LR−LS)/2より大きくすることを特徴とするモータ。
本発明のモータによれば、ロータコアの積厚LRをステータコアの積厚LSより大きくすることによりイナーシャを大きくすることができ、且つ永久磁石の長さをロータコアの積厚LRと同等とすることにより、ロータコアのブリッジ部は磁気飽和の状態となり、前記狭小ブリッジ部を磁気飽和させるのに必要な磁束以外の、永久磁石の磁束のほとんどはステータコアに流れ、充分な磁束を得ることができる。さらに、ロータコア外周から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを、(LR−LS)/2より大きくすることにより、永久磁石端部からの磁束は、ロータの周りの空間を流れるより、ステータコアに流れやすくなり、充分な磁束を得ることができて、残留磁束密度が低い永久磁石を採用することができ、永久磁石のコストを下げることができる。
したがって、イナーシャを大きくすることによって1回転中の負荷変動が大きい冷凍空調機器用電動コンプレッサを低振動低騒音化することができ、低コストのモータを提供することができる。
打ち抜かれた電磁鋼板からなるステータコアシートを積層してなるステータコアに巻線を巻装したステータと、前記ステータコアの内径円筒面に対向して回転自在に回転し、打ち抜かれた電磁鋼板からなる略円形ロータコアシートを積層してなるロータコア内部のスロットに複数個の永久磁石を埋設してなるロータからなるモータにおいて、前記ロータコアの積厚LRは前記ステータコアの積厚LSより大きくし、前記永久磁石の軸方向長さは前記ロータコアの積厚LRと同等とし、前記ロータコア外周から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを、(LR−LS)/2より大きくする。
実施例1について、図1から図6を用いて説明する。図1は本発明の実施例1によるモータ1の斜視図を示す。図2は図1の正面図である。図3は図2のモータ1の線A−Aにおける断面図である。図4は図1の側面図である。図5は図4のモータ1の線B−Bにおける断面図である。図6は図5の部分拡大図である。図3において、ステータ2は、複数の歯部3を有する打ち抜かれた電磁鋼板からなるステータコアシート4を積層してなるステータコア5に絶縁端板6を装着し、歯部3に位置する絶縁端板6上に直接コイル7を巻装してなる。コイル7の端部はリード線に接続部され、リード線が電源に接続されるが、図1から図6においてリード線とを省略している。図3において、ロータ8は、ステータ2内で回転すると共に、打ち抜かれた電磁鋼板からなるロータコアシート9を積層してなるロータコア10内部に複数のスロット11とリベット12を通す穴13を設け、複数のスロット11内には永久磁石14を備え、ロータコア10の両端面には、リベット12を通す穴13Aを有し複数のスロット11を覆うように非磁性体からなる端板15が配置され、ロータコア10と端板15はリベット12によって一体化されている。永久磁石14は、平板状のネオジ・鉄・ボロンの焼結磁石である。ネオジ・鉄・ボロンの焼結磁石はフェライト磁石より高い残留磁束密度が得られるため、少ない体積および面積で必要な磁束が得られるため、ロータのコア形状の自由度があることから採用している。
レシプロコンプレッサやロータリコンプレッサなどの1回転中の負荷変動が大きい冷凍空調機器用電動コンプレッサでの負荷変動による速度変動による振動、騒音を低減するために、ロータコア10の積厚LRは、ステータコア5の積厚LSより大きくしている。
永久磁石12の軸方向長さLMは、ロータコア10の積厚LRと同等としている。ロータコア10の外周とスロット11との間のブリッジ部16は、ロータコア10の全積厚において、永久磁石12により磁気飽和の状態となり、永久磁石12から流れる磁束のほとんどはロータコア10の表面に向かって流れることになる。
永久磁石から流れる磁束は、磁路中における、透磁率が高い電磁鋼板に比べて透磁率が低い空気または冷媒ガスを通る磁路の長さ短い方が、流れやすい。永久磁石14の軸方向端部からロータ8の周りの空間を通って永久磁石14に戻る磁路17中における、空気および冷媒ガスを通る磁路の長さは、おおよそロータコア10の外周から永久磁石14のロータ内径側の面までの距離Yで表わされる。一方、永久磁石14の軸方向端部からステータコア5を通って、ロータコア10を介して永久磁石14に戻る磁路18中における、空気および冷媒ガスを通る磁路の長さは、ロータの軸方向の磁気中心とステータの軸方向の磁気中心を合わせるため、おおよそ(LR−LS)/2となる。したがって、Y>(LR−LS)/2となるようにロータコア10の積厚LRとロータコア10の外周10から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを設定することにより、永久磁石14の端部の磁束はステータコア5に流れ、充分な磁束を得ることができて、残留磁束密度が低い永久磁石を採用することができる。従って低エネルギー積(残留磁束密度×保磁力)の永久磁石を選択することができる。低エネルギー積の永久磁石は一般的に永久磁石の原材料および工法上、低コストで作ることができるため、永久磁石のコストを下げることができる。
本発明のモータは、1回転中の負荷変動が大きい冷凍空調機器用電動コンプレッサの低振動、低騒音化を必要とする用途などに有用である。
1 モータ
2 ステータ
3 歯部
4 ステータコアシート
5 ステータコア
6 絶縁端板
7 コイル
8 ロータ
9 ロータコアシート
10 ロータコア
11 スロット
12 リベット
13、13A 穴
14 永久磁石
15 端板
LR ロータコアの積厚
LS ステータコアの積厚
LM 永久磁石の軸方長さ
16、16A ブリッジ部
17、18、19、20、21 磁路
Y 距離
2 ステータ
3 歯部
4 ステータコアシート
5 ステータコア
6 絶縁端板
7 コイル
8 ロータ
9 ロータコアシート
10 ロータコア
11 スロット
12 リベット
13、13A 穴
14 永久磁石
15 端板
LR ロータコアの積厚
LS ステータコアの積厚
LM 永久磁石の軸方長さ
16、16A ブリッジ部
17、18、19、20、21 磁路
Y 距離
Claims (1)
- 打ち抜かれた電磁鋼板からなるステータコアシートを積層してなるステータコアに巻線を巻装したステータと、前記ステータコアの内径円筒面に対向して回転自在に回転し、打ち抜かれた電磁鋼板からなる略円形ロータコアシートを積層してなるロータコア内部のスロットに複数個の永久磁石を埋設してなるロータからなるモータにおいて、前記ロータコアの積厚LRは前記ステータコアの積厚LSより大きくし、前記永久磁石の軸方向長さは前記ロータコアの積厚LRと同等とし、前記ロータコア外周から永久磁石のロータ内径側の面までの距離Yを、(LR−LS)/2より大きくすることを特徴とするモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005090908A JP2006280021A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005090908A JP2006280021A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006280021A true JP2006280021A (ja) | 2006-10-12 |
Family
ID=37214171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005090908A Pending JP2006280021A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006280021A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9800096B2 (en) | 2012-07-19 | 2017-10-24 | Mitsubishi Electric Corporation | Interior permanent magnet synchronous motor with optimized thicknesses and sectional areas |
US11949291B2 (en) | 2019-02-22 | 2024-04-02 | Mitsubishi Electric Corporation | Motor having rotor with different core regions, compressor, and air conditioner having the motor |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005090908A patent/JP2006280021A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9800096B2 (en) | 2012-07-19 | 2017-10-24 | Mitsubishi Electric Corporation | Interior permanent magnet synchronous motor with optimized thicknesses and sectional areas |
US11949291B2 (en) | 2019-02-22 | 2024-04-02 | Mitsubishi Electric Corporation | Motor having rotor with different core regions, compressor, and air conditioner having the motor |
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