JP2011014099A - 位置決め制御装置及び位置決め制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期状態に関係なく位置ズレを補正できる位置決め制御装置を提供すことを目的とする。
【解決手段】 第1の速度で全軸同時に原点方向に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止手段S05と、原点方向と逆方向に、第1の速度より遅い第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動手段S06と、全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止手段S08と、検出された各軸のドグ前進端位置に基づき、マスタ軸を基準とする各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量を算出し記憶部に記憶する原点ドグ信号ズレ量算出手段S09と、各スレーブ軸の原点を原点ドグ信号ズレ量にて補正して各軸を原点に移動させる原点復帰手段S10とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、マスタ軸及び1軸以上のスレーブ軸で構成される並列駆動機構を制御し、且つ機械端センサによってマスタ軸およびスレーブ軸の原点復帰を行う位置決め制御装置及び位置決め制御方法に関するものである。
従来、機械端センサを用いた原点復帰方法において、位置検出器による1回転信号(以下、精原点)と精原点直前に設定された粗原点検出リミットスイッチ(以下、粗原点)を用いた原点復帰方法が提案されている。
上記原点復帰方法においては、原点方向に高速の速度で移動し、粗原点検出で中速の速度(高速の速度より遅い速度)に減速し、精原点検出で停止後、逆方向に微速の速度(中速の速度より遅い速度)で移動する。逆方向に移動して精原点が検出されなくなったら、再び原点方向に微速の速度で移動し、精原点検出で停止して原点復帰完了となる。
上記原点復帰方法によれば、速い速度で一度精原点を検出し、その後微速の速度で再度精原点の検出を行うことで、短時間で原点復帰を完了することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、グリッド方式の原点復帰において、マスタ軸とスレーブ軸の位置を原点復帰動作によって同期させる(マスタ軸とスレーブ軸の原点位置を一致させる)原点復帰方法が提案されている。
上記原点復帰方法おいては、マスタ軸とスレーブ軸を各軸移動させ、マスタ軸のグリッドとスレーブ軸のグリッドが共に立ち上がった時点でマスタ軸とスレーブ軸を停止する。停止後、マスタ軸とスレーブ軸のグリッド位置の位置ズレ量を算出し、停止位置からグリッド位置の位置ズレ量とグリッドシフト量を加算した距離だけ分移動して原点復帰完了となる。
上記原点復帰方法によれば、原点復帰動作中にマスタ軸とスレーブ軸のグリッド位置の位置ズレ量を算出することで、簡単にマスタ軸とスレーブ軸の同期をとり、原点復帰を完了することができる(例えば、特許文献2参照)。
特公昭61−61124号公報 特開平8−22313号公報
しかしながら、2軸以上で構成される並列駆動機構を有する軸(以下、並列駆動軸)において、上記特許文献1等に開示された原点復帰動作を行なった場合、原点復帰速度(微速より速い速度)で移動中に、並列駆動軸の各軸が精原点検出で各々原点復帰速度から停止することになる。そのため、並列駆動軸の各軸の精原点検出位置にズレが存在する場合、各軸の精原点検出後の停止位置にズレが生じるため、機械に過大な負荷が作用し、機械の故障を誘発する場合もある。
また、上記特許文献2等に開示されたグリッド方式の原点復帰方法では、電源投入時にマスタ軸とスレーブ軸の位置が1グリッド以上ずれている場合、マスタ軸とスレーブ軸のグリッド位置の位置ズレ量がマスタ軸とスレーブ軸の実ズレ量と異なるものとなる。また、この原点復帰方法では、例えばマスタ軸とスレーブ軸のグリッド位置が無為であり、原点復帰開始時のマスタ軸とスレーブ軸の位置が1グリッド以上ずれている場合等、マスタ軸とスレーブ軸の初期位置のズレ量によって、原点復帰動作中に位置ズレを補正できない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機械端センサを用いる並列駆動軸の基準位置合わせ(原点復帰動作)において、電源投入時による原点復帰開始時の位置ズレ量等の初期状態に関係なく原点復帰動作中にズレを補正でき、また原点復帰動作中に並列駆動軸のズレ補正を行うことで、機械端センサのズレ、及び電源断中による並列駆動軸のズレが存在しても、電源断中のズレの範囲内で原点復帰動作ができるため、機械に過大な負荷を作用させることなく、原点復帰動作を完了させる位置決め制御装置及び位置決め制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の位置決め制御装置は、マスタ軸及び1軸以上のスレーブ軸で構成される並列駆動軸を制御し、且つ機械端センサによってマスタ軸およびスレーブ軸の原点復帰を行う位置決め制御装置において、システム立上げ時の原点復帰動作の際に、第1の速度で全軸同時に原点方向に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止手段と、原点方向と逆方向に、第1の速度より遅い第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動手段と、全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止手段と、検出された各軸のドグ前進端位置に基づき、マスタ軸を基準とする各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量を算出し記憶部に記憶する原点ドグ信号ズレ量算出手段と、各スレーブ軸の原点を原点ドグ信号ズレ量にて補正して各軸を原点に移動させる原点復帰手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の位置決め制御方法は、マスタ軸及び1軸以上のスレーブ軸で構成される並列駆動軸を制御し、且つ機械端センサによってマスタ軸およびスレーブ軸の原点復帰を行う位置決め制御方法において、システム立上げ時の原点復帰動作の際に、第1の速度で全軸同時に原点方向に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止工程と、第1の減速停止工程の後、原点方向と逆方向に、第1の速度より遅い第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動工程と、逆方向移動工程の後、全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止工程と、逆方向移動工程の後、検出された各軸のドグ前進端位置に基づき、マスタ軸を基準とする各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量を算出し記憶部に記憶する原点ドグ信号ズレ量算出工程と、各スレーブ軸の原点を原点ドグ信号ズレ量にて補正して各軸を原点に移動させる原点復帰工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、システム立ち上げ時の原点復帰動作のときに、並列駆動軸が全軸同時移動、及び全軸同時減速停止し、各軸の原点ドグ信号を検出することから、原点復帰動作でズレが拡大することなく、並列駆動軸の原点ドグ信号のズレ量を計測、保存して原点復帰動作を完了する位置決め制御装置、及び位置決め制御方法とすることができる。
図1は、本発明を実施する並列駆動軸の原点復帰動作を制御する位置決め制御装置の概略のシステム構成図である。 図2は、本実施の形態における並列駆動機構の概略図である。 図3は、本実施の形態におけるシステム立ち上げ時の原点復帰動作図である。 図4は、本実施の形態におけるシステム立ち上げ時の原点復帰動作のフローチャートである。 図5は、本実施の形態における電源再投入時の原点復帰動作図である。 図6は、本実施の形態における電源再投入時の原点復帰動作のフローチャートである。
図1は、本発明を実施する並列駆動軸の原点復帰動作を制御する位置決め制御装置の概略のシステム構成図である。システムは、位置決め制御装置に対して命令を発行する制御装置10と、原点復帰などの位置決め制御を行なう位置決め制御装置20と、それぞれエンコーダとサーボモータを有するN個の駆動軸40〜40と、この駆動軸40〜40の位置制御を行うN個の駆動軸制御装置30〜30とで構成される。
位置決め制御装置20を制御する制御装置10は、内部に不揮発性メモリ(記憶部)11を有しており、原点復帰方向、原点復帰速度、クリープ速度(原点復帰速度より遅い速度)、原点シフト量、及び原点座標といった原点復帰パラメータと、並列駆動軸の原点ドグ信号ズレ量を記憶する。この制御装置10は、位置決め制御装置20とはバスで接続されており、位置決め制御装置20が内部に有するメモリ(記憶部)21〜21に対して原点復帰パラメータと原点ドグ信号ズレ量の書込み、読出し、及び原点復帰等の位置制御命令を発行する。
位置決め制御装置20は、制御装置10とバスで接続されたメモリ21〜21を内部に有しており、原点復帰パラメータ、及び原点ドグ信号ズレ量を記憶する。また、制御装置10より位置制御命令を受付けることで原点復帰制御に代表される位置決め制御演算を行ない、同期型通信のネットワーク上に接続されたN個の駆動軸制御装置30と通信(位置情報を送受信)する。なお、上記制御装置10と位置決め制御装置20は、同一の装置としても構わない。
N個の駆動軸制御装置30〜30は、同期型通信のネットワークで接続された位置決め制御装置20から受信して得た位置情報に基づいて、それぞれ駆動軸40〜40の位置制御を行ない、駆動軸40〜40の位置を位置情報として位置決め制御装置20に対して送信する。図1に示すように、位置決め制御装置20と駆動軸制御装置30〜30及び駆動軸40〜40とは、1対N個の関係であり、N個の駆動軸制御装置30〜30及び駆動軸40〜40は、並列駆動機構を構成する。なお、本実施の形態においては、駆動軸制御装置30及び駆動軸40がマスタ軸を構成し、駆動軸制御装置30〜30及び駆動軸40〜40がスレーブ軸を構成する。
図2は、本実施の形態における並列駆動機構の概略図である。駆動軸40〜40にそれぞれ接続されたボールスクリュー43〜43は、互いに平行に配置されている。そして、隣接する2本のボールスクリュー43〜43間に、それぞれコラム51〜51N−1が架け渡されている。駆動軸40〜40は、各々のサーボモータを駆動してコラム51〜51N―1を水平を保ちながら同一の方向に移動させる。ボールスクリュー43〜43の端部位置には、それぞれ機械端センサとして原点ドグ41〜41とストロークリミット42〜42が設けられている。原点ドグ41〜41は、軸方向に所定の長さを有し、踏まれている間、原点ドグ信号を出力する。位置決め制御装置20は、上記原点ドグ信号がオフからオンになる位置を、原点ドグ前進端位置として検出する。また、位置決め制御装置20は、ストロークリミット42〜42の信号を検出した位置を機械端として認識する。本実施の形態においては、コラム51〜51N−1の水平を保つために駆動軸(マスタ軸)40と駆動軸(スレーブ軸)40〜40の各軸の位置関係をシステム立ち上げ時の1回のみ機械的に直角状態として平衡度を出す必要がある。
図3は、本実施の形態におけるシステム立ち上げ時の原点復帰動作図である。図4は、本実施の形態におけるシステム立ち上げ時の原点復帰動作のフローチャートである。図3において、上段は、駆動軸40(以降、マスタ軸)の原点復帰動作を示し、下段は、駆動軸40〜40(以降、スレーブ軸)の原点復帰動作を示している。
原点復帰動作は、制御装置10より位置決め制御装置20のメモリ21〜21に各軸の原点復帰パラメータが書き込まれた後に、原点復帰開始命令を位置決め制御装置20に対して発行することで、位置決め制御装置20が原点復帰動作を開始する。
位置決め制御装置20の原点復帰制御22は、制御装置10より原点復帰開始命令を受付けると、位置決め制御装置20のメモリ21〜21に格納されている原点復帰パラメータに従った制御演算を開始し、マスタ軸とスレーブ軸(以下、全軸)を同時起動させ、パラメータで指定された原点復帰方向に原点復帰速度(第1の速度)で全軸同時に移動させる(S01)。
全軸同時移動の開始の後、原点復帰制御22は、全軸の原点ドグ信号を検出すると(S04のYES)、全軸同時減速停止を開始する(S05:第1の減速停止手段、第1の減速停止工程)。なお、全軸原点ドグ信号検出前にマスタ軸とスレーブ軸のいずれかの軸でストロークリミットを検出した場合(S02のYES)は、全軸同時減速停止後に原点復帰方向と逆方向に原点復帰速度で全軸同時移動し、全軸原点ドグ前進端検出で全軸同時減速停止後(S03)、再度ステップS01からの処理を行なう。
ステップS05にて全軸が停止した後、原点復帰制御22は、原点復帰パラメータで指定された、原点復帰速度より遅いクリープ速度(第2の速度)で原点復帰方向と逆方向に全軸同時移動を開始する(S06:逆方向移動手段、逆方向移動工程)。
クリープ速度で全軸同時移動開始後、原点復帰制御22は、全軸の原点ドグ前進端を検出すると(S07のYES)、マスタ軸とスレーブ軸の各々の原点ドグ前進端検出位置(原点ドグ前進端検出時の駆動軸40〜40の位置)を記憶し、全軸同時減速停止を開始する(S08:第2の減速停止手段、第2の減速停止工程)。
全軸停止後、原点復帰制御22は、マスタ軸の原点ドグ前進端検出位置D、スレーブ軸の原点ドグ前進端検出位置D、マスタ軸の停止位置P、及びスレーブ軸の停止位置Pを使用し、マスタ軸の原点ドグ前進端検出位置を基準とした各スレーブ軸の原点ドグ前進端検出位置のズレ量Sを下記式にて算出し、原点ドグ信号ズレ量として位置決め制御装置20のメモリ21〜21に格納する(S09:原点ドグ信号ズレ量算出手段、原点ドグ信号ズレ量算出工程)。
マスタ軸原点ドグ前進端検出位置までの移動量 X=D−P
スレーブ軸原点ドグ前進端検出位置までの移動量 X=D−P
マスタ軸基準の原点ドグ信号ズレ量 S=X−X
上記原点ドグ信号ズレ量を算出後、原点復帰制御22は停止位置からマスタ軸原点ドグ前進端検出位置+原点シフト量までクリープ速度で全軸同時移動を開始させる(S10:原点復帰手段、原点復帰工程)。
全軸移動完了後、原点復帰制御22は停止位置を原点(原点復帰パラメータで指定された原点座標)とし、原点復帰動作を完了させる。
原点復帰完了後、制御装置10は位置決め制御装置20のメモリ21〜21に格納されている原点ドグ信号ズレ量を制御装置10の不揮発性メモリ11に記憶し、次回以降の電源投入時の原点復帰動作で使用する。
なお、図4のフローチャートに示された原点復帰動作は、通常、位置決め制御装置20に記憶されたプログラムが、図示しないCPUにより起動されることにより動作する。そして、このプログラムのうち、上記のようにステップS05、ステップS06、ステップS08、ステップS09、及びステップS10に相当する部分が、第1の減速停止手段、逆方向移動手段、第2の減速停止手段、原点ドグ信号ズレ量算出手段、及び原点復帰手段を構成している。
図5は、本実施の形態における電源再投入時の原点復帰動作図である。図6は、本実施の形態における電源再投入時の原点復帰動作のフローチャートである。図5において、上段は、駆動軸40(以降、マスタ軸)の原点復帰動作を示し、下段は、駆動軸40〜40(以降、スレーブ軸)の原点復帰動作を示している。
原点復帰動作は、制御装置10より位置決め制御装置20のメモリ21〜21に原点復帰パラメータ、及び原点ドグ信号ズレ量が書き込まれた後に、原点復帰開始命令を位置決め制御装置20に対して発行することで、位置決め制御装置20は原点復帰動作を開始する。
図6において、ステップS11〜S18の動作は、図4に示すシステム立ち上げ時の原点復帰のステップS01〜S08の動作と同様であるので、説明を省略する。
ステップS19にて、全軸停止後、原点復帰制御22は、マスタ軸の原点ドグ前進端検出位置D、スレーブ軸の原点ドグ前進端検出位置D、マスタ軸の停止位置P、スレーブ軸の停止位置P、マスタ軸基準の原点ドグ信号ズレ量Sを使用し、マスタ軸とスレーブ軸の各々の原点までの移動量(マスタ軸の原点ドグ前進端検出位置までの移動量)を下記式で算出する(S19)。
マスタ軸の原点までの移動量 X=D−P
スレーブ軸の原点までの移動量 X=D−P+S
上記原点までの移動量算出後、原点復帰制御22は停止位置からマスタ軸原点ドグ前進端検出位置+原点シフト量までクリープ速度で全軸同時移動を開始させる(S20)。
全軸移動完了後、原点復帰制御22は停止位置を原点(原点復帰パラメータで指定された原点座標)とし、原点復帰動作を完了させる。この時、スレーブ軸はズレ補正量を考慮した移動を行なうため、マスタ軸と同一位置が原点となり、ズレ補正される。
システム立ち上げ時の原点復帰動作では、並列駆動軸が全軸同時移動、及び全軸同時減速停止し、並列駆動軸の各軸の原点ドグ信号を検出することから、原点復帰動作でズレが拡大することなく、並列駆動軸の原点ドグ信号のズレ量を計測、保存、及び並列駆動軸の原点復帰動作の完了が可能となる。また、電源再投入時の原点復帰動作では、並列駆動軸にズレが存在しても、予め保存した原点ドグ信号ズレ量を使用することで並列駆動軸のズレ補正を行うことができ、また原点復帰動作によって並列駆動軸のズレが拡大することがないため、機械に過大な負荷が作用することなく、原点復帰動作の完了が可能である。
なお、本実施の形態の並列駆動軸は、1つのマスタ軸(駆動軸40)とN個のスレーブ軸(駆動軸40〜40)とから構成されているが、スレーブ軸は、最低1個あれば、本実施の形態を適用することができる。
以上のように、システム立ち上げ時の原点復帰動作では全工程においてマスタ軸とスレーブ軸を同期動作させ、次回以降の電源投入時の原点復帰動作では電源断中のズレの範囲内でマスタ軸とスレーブ軸を動作させるため、機械に過大な負荷を作用させることなく、原点復帰を完了させることができる。
また、上記に加え、本実施の形態の原点復帰動作は、原点基準となる機械端センサの取り付け精度が高精度のものでなくてもよいため、装置製作時の時間短縮を図ることができる。また、絶対値システムのみならず非絶対値システム(インクリメントシステム)であっても、システム立ち上げ時の1度のみ、並列駆動軸の平衡度を確立するだけで、次回の電源投入時のズレ補正を自動的に実施させることができるため、機械が動作可能となるまでの時間の短縮が図れ、且つ、非絶対値システムによる安価なシステムを提供することも可能となる。
本発明の位置決め制御装置及び位置決め制御方法は、マスタ軸及び1軸以上のスレーブ軸で構成される並列駆動機構を制御し、且つ機械端センサによってマスタ軸およびスレーブ軸の原点復帰を行う位置決め制御装置及び位置決め制御方法に適用されて好適なものである。
10 制御装置
11 不揮発性メモリ(記憶部)
20 位置決め制御装置
21〜21 メモリ(記憶部)
22 原点復帰制御
30〜30 駆動軸制御装置
40〜40 駆動軸
41〜41 原点ドグ
42〜42 ストロークリミット
43〜43 ボールスクリュー
51〜51 コラム

Claims (8)

  1. マスタ軸及び1軸以上のスレーブ軸で構成される並列駆動軸を制御し、且つ機械端センサによってマスタ軸およびスレーブ軸の原点復帰を行う位置決め制御装置において、
    システム立上げ時の原点復帰動作の際に、
    第1の速度で全軸同時に原点方向に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止手段と、
    原点方向と逆方向に、第1の速度より遅い第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動手段と、
    全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止手段と、
    検出された前記各軸のドグ前進端位置に基づき、マスタ軸を基準とする各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量を算出し前記記憶部に記憶する原点ドグ信号ズレ量算出手段と、
    各スレーブ軸の原点を前記原点ドグ信号ズレ量にて補正して各軸を原点に移動させる原点復帰手段と、
    を備えたことを特徴とする位置決め制御装置。
  2. 電源再投入後の原点復帰動作の際に、
    前記第1の速度で全軸同時に原点方向に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止手段と、
    原点方向と逆方向に、前記第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動手段と、
    全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止手段と、
    検出された前記各軸のドグ前進端位置に基づき、前記記憶部に記憶した各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量から原点までの移動量を算出する移動量算出手段と、
    前記各スレーブ軸の移動量に基づき各軸を原点に移動させる原点復帰手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め制御装置。
  3. 前記並列駆動軸は、マスタ軸及び2軸以上のスレーブ軸で構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の位置決め制御装置。
  4. 前記第1の減速停止手段は、全軸の原点ドグ信号検出の前に、
    マスタ軸及びスレーブ軸のいずれか1つの軸のストロークリミットを検出したとき、
    原点方向と逆方向に全軸同時に移動させ、再度前記第1の速度で原点方向に全軸同時に移動させる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の位置決め制御装置。
  5. マスタ軸及び1軸以上のスレーブ軸で構成される並列駆動軸を制御し、且つ機械端センサによってマスタ軸およびスレーブ軸の原点復帰を行う位置決め制御方法において、
    システム立上げ時の原点復帰動作の際に、
    第1の速度で全軸同時に原点方向に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止工程と、
    前記第1の減速停止工程の後、原点方向と逆方向に、第1の速度より遅い第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動工程と、
    前記逆方向移動工程の後、全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止工程と、
    前記逆方向移動工程の後、検出された前記各軸のドグ前進端位置に基づき、マスタ軸を基準とする各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量を算出し前記記憶部に記憶する原点ドグ信号ズレ量算出工程と、
    各スレーブ軸の原点を前記原点ドグ信号ズレ量にて補正して各軸を原点に移動させる原点復帰工程と、
    を備えたことを特徴とする位置決め制御方法。
  6. 電源再投入後の原点復帰動作の際に、
    前記第1の速度で原点方向に全軸同時に移動させ全軸の原点ドグ信号検出にて全軸同時に減速停止させる第1の減速停止工程と、
    前記第1の減速停止工程の後、原点方向と逆方向に、第1の速度より遅い第2の速度にて全軸同時に移動させる逆方向移動工程と、
    前記逆方向移動工程の後、全軸のドグ前進端を検出して各軸のドグ前進端位置を記憶部に記憶し、全軸同時に減速停止する第2の減速停止工程と、
    検出された前記各軸のドグ前進端位置に基づき、前記記憶部に記憶した各スレーブ軸の原点ドグ信号ズレ量から原点までの移動量を算出する移動量算出工程と、
    前記各スレーブ軸の移動量に基づき各軸を原点に移動させる原点復帰工程と、
    を備えた請求項5に記載の位置決め制御方法。
  7. 前記並列駆動軸は、マスタ軸及び2軸以上のスレーブ軸で構成されている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の位置決め制御方法。
  8. 前記第1の減速停止工程は、全軸の原点ドグ信号検出の前に、
    マスタ軸及びスレーブ軸のいずれか1つの軸のストロークリミットを検出したとき、
    原点方向と逆方向に全軸同時に移動させ、再度前記第1の速度で原点方向に全軸同時に移動させる
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の位置決め制御方法。
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