JP4280051B2 - 位置決めシステムにおける原点復帰方法及び制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や倉庫等で使用される位置決めシステムにおける原点復帰方法及び制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場の製造ラインや倉庫等の設備で使用される位置決めシステムは、X軸駆動用モータ、Y軸駆動用モータ、各モータのドライブユニット及び位置決め/カウンタユニットを用いて構成することができる。X軸駆動用モータ、Y軸駆動用モータには、ステッピングモータ(パルスモータ)又はサーボモータが使用される。ステッピングモータを使用するときはそのドライブユニットとしてステッピングモータドライブユニットを位置決め/カウンタユニットに接続し、サーボモータを使用するときはパルス列入力タイプのサーボアンプを位置決め/カウンタユニットに接続する。
【0003】
位置決め/カウンタユニット(コントロールユニット又はコントローラと呼ばれることもある)は、X軸駆動用モータ及びY軸駆動用モータのドライブユニットに所定のパルス数のパルス列信号を与えることにより、X軸駆動用モータ及びY軸駆動用モータの起動、停止及び速度を制御し、物体の位置決めを行う。なお、「位置決め」とは、物体をある位置から目的の位置まで正確に移動させることをいう。
【0004】
パルス列信号を用いる位置決め制御の他に、リミットスイッチを用いる位置決めを行う制御もある。例えば、2個のリミットスイッチを用い、物体を移動させるときに第1のリミットスイッチが物体を検出すれば移動速度(モータの回転速度)を下げ、第2のリミットスイッチが物体を検出すればモータを停止させるといった位置決め制御が可能である。
【0005】
リミットスイッチを用いる位置決め制御に比べて、パルス列信号を用いる位置決め制御は、停止精度が高く、シーケンスプログラムやコンソール(ティーチングユニット)からの指令により停止位置を正確に指示することができる長所を有する。また、直線補間や円弧補間等の高度な運転がプログラムによって可能になる。但し、パルス列信号を用いる位置決め制御を採用する場合でも、安全のためにX軸及びY軸方向の可動範囲の両端にそれぞれリミットスイッチを設けて、それらの信号を位置決め/カウンタユニットに入力することが一般的である。また、可動範囲の一端に設けたリミットスイッチを原点センサーとして兼用することもある。
【0006】
リミットスイッチを用いる位置決め制御の停止精度が低い理由は、主としてリミットスイッチの動作遅れ等のばらつきに起因して、リミットスイッチの信号が反転するときの物体の位置がばらつくことにある。これに対して、パルス列信号を用いる位置決め制御では、位置決め/カウンタユニットからモータのドライブユニットに与えられるパルス列信号のパルス数によって移動距離が正確に指示される。指示された移動距離の移動は、ステッピングモータ又はサーボモータによって正確に実行される。
【0007】
しかし、移動距離が正確であっても、始点(原点)の位置が不正確であれば、移動先の位置も不正確なものとなってしまう。例えば位置決め動作中に停電が発生した場合や駆動部を手で動かしたような場合に、位置決め/カウンタユニットが記憶している物体の位置と実際の位置との不一致が発生する。このような場合は、物体をいったん原点に戻す原点復帰の処理を実行する必要がある。
【0008】
原点復帰は、位置決め/カウンタユニットのシーケンスプログラム又は位置決め/カウンタユニットに接続されたティーチングユニットや上位コンピュータからの指示によって実行される。このとき、原点の近傍に設けられた近接センサーである原点センサーを用いて物体の原点復帰が検出される。
【0009】
図9は、従来の原点復帰制御の一例を示す模式図である。この図では、X軸又はY軸(一次元)の原点復帰を示している。CWはモータの時計回り(正転)の移動方向を示し、CCWは反時計回り(逆転)の移動方向を示している。(a)は、開始点が原点センサーのオン領域(すなわち検出範囲)よりCCW側にある場合、(b)は開始点が原点センサーのオン領域内にある場合、(c)は開始点が原点センサーのオン領域よりCW側にある場合をそれぞれ示している。(a)〜(c)のいずれの場合も▲1▼、▲2▼の順番に物体を移動させる。
【0010】
近接センサーやリミットスイッチ等の原点センサーは、所定幅のオン領域(出力信号がオンになる領域)を有する。また、オン領域の同じ側(CCW側又はCW側)であっても、出力信号がオンからオフに反転するタイミングとオフからオンに反転するタイミングは一致しない(ヒステリシスを有する)。つまり、物体の検出位置が移動方向によって異なる。また、ギアのバックラッシュのために、CW方向から停止した場合とCCW方向から停止した場合とでは、次の起動の際に位置ずれが発生する。
【0011】
そこで、原点復帰の正確さを期するためには、原点位置の判定をオン領域のCCW側又はCW側のいずれか一方に定めると共に、出力信号がオンからオフに反転するタイミング又はオフからオンへ反転するタイミングのいずれか一方(通常は後者)に定める必要がある。図9の例では、オン領域のCWで出力信号がオフからオンに反転するタイミングで原点位置の判定を行っている。
【0012】
図9(a)〜(c)のいずれの場合も、開始点からCW側に先ず物体を移動させる(▲1▼)。(b)の場合は、原点センサーの出力信号がオンからオフに変化すれば、物体の移動方向をCCW側に反転させ(▲2▼)、次に原点センサーの出力信号がオフからオンに変化した時点で物体の移動を停止し、その位置を原点とする。(a)の場合は、原点センサーの出力信号がオフから一旦オンになった後に再びオフに変化する(▲1▼)。それ以降は(b)と同じである。(c)の場合は、物体がCW側の可動範囲の限界近くまで移動したときにCW側リミットSWの出力信号がオフからオンになる(▲1▼)。この時点で物体の移動方向をCCW側に反転させ(▲2▼)、やがて原点センサーの出力信号がオフからオンに変化した時点で物体の移動を停止し、その位置を原点とする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の原点復帰制御は、原点復帰に要する時間(ステップ)が短くなるといった長所を有するが、原点位置の精度があまり高くないといった欠点を有する。前述のように、原点センサーは所定幅のオン領域を有し、このオン領域にばらつきがある。その結果、オン領域のCW側又はCCW側端部をもって判定される原点の位置がばらつくことになる。例えば、原点センサーが故障して新しいものと交換した場合に、以前の原点位置と交換後の原点位置とが一致しない場合がある。
【0014】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、位置決めシステムにおいて原点センサーの検出範囲(オン領域)のばらつきにかかわらず精度が高い原点復帰方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による位置決めシステムにおける原点復帰方法は、物体の可動範囲内の原点近傍の検出範囲において物体を検出する原点センサーが設けられた位置決めシステムにおいて物体を原点に復帰させるための方法であって、前記原点センサーの検出範囲の両側において、物体の移動に伴って原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する値を検出して記憶し、検出された2つの値の中間値を求め、該中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させることを特徴とする。
【0016】
このような原点復帰方法によれば、例えば原点センサーを交換した結果、原点センサーのオン領域の幅が大きく変化したような場合であっても、オン領域の略中間点が原点として求められ、その原点まで移動することになるので、オン領域の幅の大小にかかわらず略一定の原点位置に復帰することができる。
【0017】
また、本発明による位置決めシステムにおける原点復帰のための第1の制御プログラムは、(a)物体を原点センサーに向かう方向に移動させ、原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第1の値を検出して記憶するステップと、(b)同じ方向に更に物体を移動させ、原点センサーの出力信号が検出を示す状態から非検出を示す状態に変化するに伴って物体の移動方向を反転するステップと、(c)物体の移動方向を反転した後に原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第2の値を検出して記憶するステップと、(d)第1の値と第2の値の中間値を求めるステップと、(e)中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させるステップとを備えていることを特徴とする。
【0018】
このような制御プログラムを位置決めシステムの処理装置に実行させることにより、原点センサーのオン領域の幅が変動する場合でも、物体を略一定の原点位置に復帰することができる。
【0019】
また、本発明による位置決めシステムにおける原点復帰のための第2の制御プログラムは(a)物体をリミットスッチに向かう方向に移動させ、原点センサーの出力信号が検出を示す状態から非検出を示す状態に変化したとき、又はリミットスッチの出力信号が反転したときに物体の移動方向を反転するステップと、(b)原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第1の値を検出して記憶するステップと、(c)同じ方向に更に物体を移動させ、原点センサーの出力信号が検出を示す状態から非検出を示す状態に変化するに伴って物体の移動方向を反転するステップと、(d)物体の移動方向を反転した後に原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第2の値を検出して記憶するステップと、(e)第1の値と第2の値の中間値を求めるステップと、(f)中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させるステップとを備えていることを特徴とする。
【0020】
このような制御プログラムを位置決めシステムの処理装置に実行させることにより、物体の現在位置が可動範囲のどこにあるか不明である場合も、上記第1の制御プログラムの効果と同様の効果を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るX−Y位置決めシステムの構成図である。このシステムは、工場の製造ラインや倉庫等の設備で使用され、X軸方向及びY軸方向のスライドテーブルを駆動するモータ4,6とそのドライブユニット5,7、そしてそれらの制御ユニットである位置決め/高速カウンタユニット2を備えている。
【0023】
位置決め/高速カウンタユニット2のコネクタ2aには、ティーチングユニットと呼称されるコンソール1がケーブル3で接続され、別のコネクタ2b,2cにX軸駆動用モータ4のドライブユニット5とY軸駆動用モータ6のドライブユニット7がそれぞれ接続されている。また、コネクタ2dには複数のリミットスイッチ又は原点センサーを含む位置センサー8が接続されている。位置決め/高速カウンタユニット2は、隣に配置されたCPUユニット9に接続され、CPUユニット9はパーソナルコンピュータ10等に接続される。
【0024】
X軸駆動用モータ4及びY軸駆動用モータ6には、ステッピングモータ(パルスモータ)又はサーボモータが使用される。ステッピングモータを使用するときはそのドライブユニット5,7としてステッピングモータドライブユニットが使用され、サーボモータを使用するときはそのドライブユニット5,7としてパルス列入力タイプのサーボアンプが使用される。
【0025】
位置決め/高速カウンタユニット2は、内蔵メモリに記憶されている制御用パラメータにしたがってモータ4,6のドライブユニット5,7を制御する。制御用パラメータには、位置決めポイントごとに設定されるポイントパラメータ、移動速度を設定する速度パラメータ、位置決め/高速カウンタユニット2の全体動作に関するシステムパラメータが含まれる。
【0026】
制御用パラメータはティーチングコンソール1を用いて設定される。また、パーソナルコンピュータ10やCPUユニット9を介してCD−ROMやメモリカード等の記憶媒体からパラメータを読み込み、位置決め/高速カウンタユニット2に転送することもできる。CPUユニット9には、メモリカードのリード・ライター9aが備えられている。ティーチングコンソール1を用いて設定した制御用パラメータの値は位置決め/高速カウンタユニット2の内蔵メモリに書き込まれる。また、パーソナルコンピュータ10にインストールしたパラメータ設定用ソフトウェアを用いて設定した制御用パラメータの値は、CPUユニット9を介して位置決め/高速カウンタユニット2の内蔵メモリに書き込まれる。
【0027】
パルス出力中、原点復帰中、エラー発生中のような位置決め/高速カウンタユニット2の動作状態は、位置決め/高速カウンタユニット2に割り当てられた入力リレーで確認できる。例えば、パルス出力中は移動中リレーがオンになり、停止中は移動中リレーがオフになる。
【0028】
また、CPUユニット9のシーケンスプログラムで出力リレーを操作することにより、運転開始、原点復帰、エラーのリセット等の動作が位置決め/高速カウンタユニット2に指示される。例えば、運転開始リレーをオンにすれば位置決め/高速カウンタユニット2の運転が開始する。必要な場合は、CPUユニット9のシーケンスプログラムで位置決め/高速カウンタユニット2の内蔵メモリから制御パラメータを読み出したり、その値を書き換えたりすることができる。
【0029】
図2は、位置決め/高速カウンタユニット2の内部回路構成を示すブロック図である。位置決め/高速カウンタユニット2は、マイクロコンピュータ11、メインメモリ12、プログラムメモリ13、バックアップメモリ14及び位置決めASIC15を備えている。マイクロコンピュータ11は、プログラムメモリ13に格納された制御プログラムにしたがって、位置決め制御等の処理を実行する。メインメモリ12は、制御データの一時記憶等に使用される。バックアップメモリ14は制御プログラムや制御データのバックアップに使用される。
【0030】
マイクロコンピュータ11に含まれる位置決め演算処理部(制御プログラムによって構成される)は、設定されたパラメータ、モード、位置決め制御指令に基づいて演算を行い、位置決めASICにパルス出力指令を与える。マイクロコンピュータ11はその他に、割込コントローラ、バス通信コントローラ、シリアル通信ポート及び入出力ポートを備えている。
【0031】
割込コントローラは、位置決め割込信号、タイマー割込信号等にしたがって、割込処理を実行する。バス通信コントローラは、PLC拡張ユニットとしての情報をCPUユニット9に転送する。あるいは、CPUユニット9からの位置決め制御指令を受信する。シリアル通信ポートは、ティーチングコンソール1からの位置決め制御指令を受信し、内部情報をティーチングコンソール1へ送信するのに用いられる。入出力ポートは、高速性を必要としない制御信号(リミットスイッチ信号、サーボエンド信号、アラーム信号等)の入力に使用される。
【0032】
位置決めASICは、位置決め制御専用の集積回路であり、位置決めブロック15a、第1(ch0)高速カウンタ15b及び第2(ch1)高速カウンタ15cを有する。位置決めブロック15aは、マイクロコンピュータ11の演算結果に基づいてパルス出力を行う。また、出力パルスの数をカウントし、絶対位置の管理を行う。位置決めブロック15aは、パルス生成コントローラ兼パルス生成設定レジスタ、1軸パルス生成回路、1軸絶対位置カウンタ、2軸パルス生成回路及び2軸絶対位置カウンタを含んでいる。第1及び第2の高速カウンタ15b,15cは付加機能であり、入力されたパルス数をカウントする働きを有するが、位置決め制御に直接関わりは無い。
【0033】
位置決めASICはその他に、バスインターフェイスコントローラ、割込コントローラ、PLCバス通信コントローラ、入力回路及び出力回路を備えている。バスインターフェイスコントローラは内部バスとのインターフェイスを制御してマイクロコンピュータ11とのデータの授受を実行する。割込コントローラは位置決め動作に関する割込信号を生成し、マイクロコンピュータ11の割込コントローラへ出力する。PLCバス通信コントローラは、CPUユニット9からの制御指令をマイクロコンピュータ11に転送する。入力回路は、位置決め制御に関して非常停止信号や原点センサー等8の出力信号を入力するのに用いられる。出力回路は、ドライブユニット5,7に対してパルス列信号である制御信号を出力する際に使用される。
【0034】
図3は、ドライブユニット5,7としてのパルス列入力タイプのサーボアンプの回路構成を示すブロック図である。前述のように、モータ4,6としてサーボモータを使用するときは、そのドライブユニット5,7としてのパルス列入力タイプのサーボアンプが使用される。
【0035】
サーボアンプ(ドライブユニット5,7)は、偏差カウンタ21、D/A変換器22、速度制御部23、電流制御部24、インバータ部25及びF/V変換器26を有する。インバータ部25を除く各回路が1チップに集積化されている。サーボモータ4,6の回転軸に接続されたエンコーダ27の出力信号が偏差カウンタ21、F/V変換器26及び電流制御部24にそれぞれフィードバックされている。F/V変換器26は、エンコーダ27からの周波数(回転速度)信号を電圧信号に変換して速度制御部23に与える。
【0036】
偏差カウンタ21は、位置決め/高速カウンタユニット2から与えられた入力パルス(パルス列信号)とエンコーダ27からのフィードバックパルスとの偏差を計算する。その結果は、たまりパルスとしてD/A変換器22に与えられる。D/A変換器22は入力したたまりパルスのパルス数(ディジタル信号)をアナログ信号に変換し、その出力は速度指令として速度制御部23に与えられる。
【0037】
速度制御部23は、D/A変換器22からの速度指令(アナログ信号)とF/V変換器26からのフィードバック速度(電圧)との差分を増幅し、電流指令として電流制御部24に与える。電流制御部24は、速度制御部23からの電流指令とモータ電流のフィードバック量との差分を増幅する。更に、エンコーダ27からのフィードバックパルスに基づいて、モータ4,6の力率を1に維持するように励磁シーケンスを作成し、その励磁シーケンスに基づいてインバータ部25の制御を行う。
【0038】
インバータ部25の一次側にはコンバータ部(図示せず)が交流電源から生成した直流電流が与えられ、電流制御部24からの制御信号にしたがって6個のスイッチング素子のオン・オフが制御される。その結果、モータ4,6に適切な三相電流が供給される。
【0039】
次に、上記のような位置決めシステムにおける原点復帰制御について説明する。原点復帰制御は、物体の可動範囲内の原点近傍の検出範囲において物体を検出する原点センサーが設けられた位置決めシステムにおいて物体を原点に復帰させるための制御である。プログラムメモリに記憶された制御プログラムにしたがって位置決め/高速カウンタユニット2のマイクロコンピュータ11が原点復帰制御を実行する。例えば、位置決め動作中に停電が発生した場合や駆動部(X−Yテーブル)を手で動かしたような場合に、位置決め/高速カウンタユニット2が記憶している物体の位置と実際の位置との不一致が発生する。このような場合は、物体をいったん原点に戻す原点復帰の処理を実行する必要がある。
【0040】
図4は、本発明の実施形態に係る原点復帰制御の第1例を示す模式図である。この図では、X軸又はY軸(一次元)の原点復帰を示している。CWはモータの時計回り(正転)の移動方向を示し、CCWは反時計回り(逆転)の移動方向を示している。(a)は、開始点が原点センサーのオン領域よりCCW側にある場合、(b)は開始点が原点センサーのオン領域内にある場合、(c)は開始点が原点センサーのオン領域よりCW側にある場合をそれぞれ示している。いずれの場合も、▲1▼、▲2▼、・・・の順番に物体を移動させて原点復帰を実現している。
原点センサーは、図4に示すように所定幅の検出範囲すなわちオン領域(出力信号がオンになる領域)を有する。また、オン領域の同じ側(CCW側又はCW側)であっても、出力信号がオンからオフに反転するタイミングとオフからオンに反転するタイミングは一致しない(ヒステリシスを有する)。つまり、物体の検出位置が移動方向によって異なる。
【0041】
そこで、本実施形態の原点復帰制御では、原点センサーの出力信号が非検出を示す状態(オフ)から検出を示す状態(オン)に変化したときの物体の位置に相当する値をオン領域(検出範囲)の両側で検出し、検出された2つの値の中間値を求め、その中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させる処理を行っている。
【0042】
図4(a)に示す開始点の場合は、物体を原点センサーに向かう方向(CW方向)へ移動させ(▲1▼)、原点センサーの出力信号がオフからオンに変化した時点でそのときの物体の位置に相当する値を検出して記憶する(この値を仮にP1とする)。更に同じ方向に物体を移動させ(▲2▼)、原点センサーの出力信号がオンからオフに変化した時点で物体の移動方向をCCW側に反転させる(▲3▼)。次に原点センサーの出力信号がオフからオンに変化した時点でそのときの物体の位置に相当する値を検出して記憶する(この値を仮にP2とする)。次に、検出された2つの値の中間値を求める(中間値をP0とすれば、P0=(P1+P2)/2)。そして、P0を原点として物体を原点まで移動させる(▲4▼)。
【0043】
図4(c)に示す開始点の場合は、物体の移動方向が図4(a)と逆方向になるが、処理の内容は図4(a)の場合と同様である。
【0044】
図4(b)に示す開始点の場合は、原点センサーの出力信号が最初からオンである。この場合はあらかじめ定めた方向(図示の例ではCW方向)に物体を移動させ(▲1▼)、原点センサーの出力信号がオンからオフに変化した時点で物体の移動方向をCCW側に反転させる(▲2▼)。次に原点センサーの出力信号がオフからオンに変化した時点でそのときの物体の位置に相当する値を検出して記憶する(この値を仮にP1とする)。更に同じ方向に物体を移動させ(▲3▼)、原点センサーの出力信号がオンからオフに変化した時点で物体の移動方向をCW側に反転させる(▲4▼)。次に原点センサーの出力信号がオフからオンに変化した時点でそのときの物体の位置に相当する値を検出して記憶する(この値を仮にP2とする)。次に、検出された2つの値の中間値を求める(中間値をP0とすれば、P0=(P1+P2)/2)。そして、P0を原点として物体を原点まで移動させる(▲5▼)。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に係る原点復帰制御の第2例を示す模式図である。この例では、開始点が原点センサーのCCW側にあるかCW側にあるかを判別しないで、最初に物体を移動させる方向をCW方向に定めている。物体の可動範囲のCW側の限界近くには、リミットスイッチが設けられている。もちろん、CCW側にもリミットスイッチを設けてよいが、この例の原点復帰制御では少なくともCW側にリミットスイッチがあればよい。逆に、最初に物体を移動させる方向をCCW方向に定めるのであれば、少なくともCCW側にリミットスイッチがあればよい。
【0046】
図5において、(a)及び(b)の開始点の場合については結果的に図4と同じ処理となるが、(c)の開始点の場合が図4と異なる処理となる。すなわち、CW方向に物体を移動させ(▲1▼)、物体がCW側の可動範囲の限界近くまで移動したときにCW側リミットSWの出力信号がオフからオンになるので、この時点で物体の移動方向をCCW側に反転させる(▲2▼)。これ以降の処理は図5(b)の場合(すなわち図4(b)の場合)と同じである。
【0047】
図6は、本発明の実施形態に係る原点復帰制御の第3例を示す模式図である。この例では、図5に示した例と同様に、最初に物体を移動させる方向をCW方向に定め、物体の可動範囲の少なくともCW側の限界近くには、リミットスイッチが設けられている。(b)及び(c)の開始点の場合の処理については図5に示した例と同じであり、(a)の開始点の場合のみが図5に示した例と異なる。すなわち、開始点が原点センサーよりCCW側にある場合は、先ず原点センサーの出力信号がオフからオンを経てオフに変化するまで物体をCW方向に移動させる。つまり、原点センサーのCW側に物体を一旦移動させる。この後、物体の移動方向をCCW方向に反転し、以降の処理は(b)及び(c)と同じである。
【0048】
本発明の実施形態に係る原点復帰制御の3通りの具体例を説明したが、要するに実施形態に係る原点復帰制御では、原点センサーの出力信号がオフからオンに変化するときの物体の位置に相当する値を原点センサーのオン領域の両側で検出して記憶し(P1及びP2)、これら2つの値の中間値(P0=(P1+P2)/2)を求め、その中間値(P0)に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させる処理を行う。
【0049】
従来の原点復帰制御のように、オン領域(検出範囲)の片側のみで原点センサーの出力信号がオフからオンになるときを原点とする方法では、原点センサーのオン領域の幅のばらつきによって原点位置が変動するが、本実施形態の原点復帰制御では、オン領域の略中間点が原点として求められるので、オン領域の幅の大小にかかわらず略一定の原点位置に復帰することができる。
【0050】
図7及び図8に、上記の第3例の原点復帰制御のフローチャートを示す。まずステップ#101で物体をCW方向に移動させる。ステップ#102でCW側リミットスイッチがオンになったか否かをチェックし、オンになった場合はステップ#104へ移行して移動方向を反転させる。ステップ#102でCW側リミットスイッチがオフのままである場合は、続くステップ#103で原点センサーがオンからオフに変化したか否かをチェックする。図6(a)に示した場合のように、原点センサーの初期状態がオフの場合は、一旦オンになってから再びオフになることが必要条件である。
【0051】
原点センサーがオンからオフに変化するまでステップ#101からステップ#103の処理が繰り返され、原点センサーがオンからオフに変化すれば次のステップ#104で物体の移動方向を反転してCCW方向に移動させる。
【0052】
次のステップ#105で原点センサーがオフからオンに変化したか否かをチェックし、変化した場合はそのときの物体の位置に相当する値P1を検出して記憶する(ステップ#106)。引き続いてCCW方向に物体を移動し(ステップ#107)、次のステップ#108で原点センサーがオンからオフに変化したか否かをチェックする。変化した場合は、次のステップ#109で物体の移動方向を反転してCW方向に移動させる。
【0053】
次のステップ#110で原点センサーがオフからオンに変化したか否かをチェックし、変化した場合はそのときの物体の位置に相当する値P2を検出して記憶する(ステップ#111)。続くステップ#112で2つの値P1及びP2の中間値P0=(P1+P2)/2を算出し、ステップ#113で中間値(原点)P0まで物体を移動して停止する。これで原点復帰制御の処理が終了する。
【0054】
上述の第1例及び第2については、フローチャートの図示及び説明を省略するが、第3例のフローチャートと同様に考えることができる。
【0055】
なお、本発明は、上記の実施形態で説明した具体的な制御の例に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の位置決めシステムにおける原点復帰方法及び制御プログラムによれば、例えば原点センサーを交換した結果、原点センサーの検出範囲(オン領域)の幅が大きく変化したような場合であっても、オン領域の略中間点が原点として求められ、その原点まで移動することになるので、オン領域の幅の大小にかかわらず略一定の原点位置に復帰することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るX−Y位置決めシステムの構成図である。
【図2】位置決め/高速カウンタユニットの内部回路構成を示すブロック図である。
【図3】ドライブユニットとしてのパルス列入力タイプのサーボアンプの回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る原点復帰制御の第1例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る原点復帰制御の第2例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施形態に係る原点復帰制御の第3例を示す模式図である。
【図7】第3例の原点復帰制御のフローチャート(前半)である。
【図8】第3例の原点復帰制御のフローチャート(後半)である。
【図9】従来の原点復帰制御の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
2 位置決め/高速カウンタユニット
3 ケーブル
4,6 モータ
5,7 ドライブユニット
8 原点センサー、リミットスイッチ等
11 マイクロコンピュータ
Claims (3)
- 物体の可動範囲内の原点近傍の検出範囲において物体を検出する原点センサーが設けられた位置決めシステムにおいて物体を原点に復帰させるための方法であって、
前記原点センサーの検出範囲の両側において、物体の移動に伴って前記原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する値を検出して記憶し、
検出された2つの値の中間値を求め、該中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させる
ことを特徴とする位置決めシステムにおける原点復帰方法。 - 物体の可動範囲内の原点近傍の検出範囲において物体を検出する原点センサーが設けられた位置決めシステムにおいて物体を原点に復帰させるための制御プログラムであって、
(a)物体を前記原点センサーに向かう方向に移動させ、物体が前記原点センサーの検出範囲の一端に到達して前記原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第1の値を検出して記憶するステップと、
(b)同じ方向に更に物体を移動させ、前記原点センサーの出力信号が検出を示す状態から非検出を示す状態に変化するに伴って物体の移動方向を反転するステップと、
(c)物体の移動方向を反転した後に、物体が前記原点センサーの検出範囲の前記一端とは反対側の端に到達して前記原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第2の値を検出して記憶するステップと、
(d)前記第1の値と前記第2の値の中間値を求めるステップと、
(e)前記中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させるステップと
を備えていることを特徴とする制御プログラム。 - 物体の可動範囲内の原点近傍の検出範囲において物体を検出する原点センサーが設けられ、前記可動範囲の少なくとも一端側にリミットスッチが設けられた位置決めシステムにおいて物体を原点に復帰させるための制御プログラムであって、
(a)物体を前記リミットスッチに向かう方向に移動させ、前記原点センサーの出力信号が検出を示す状態から非検出を示す状態に変化したとき、又は前記リミットスッチの出力信号が反転したときに物体の移動方向を反転するステップと、
(b)物体が前記原点センサーの検出範囲の一端に到達して前記原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第1の値を検出して記憶するステップと、
(c)同じ方向に更に物体を移動させ、前記原点センサーの出力信号が検出を示す状態から非検出を示す状態に変化するに伴って物体の移動方向を反転するステップと、
(d)物体の移動方向を反転した後に、物体が前記原点センサーの検出範囲の前記一端とは反対側の端に到達して前記原点センサーの出力信号が非検出を示す状態から検出を示す状態に変化したときの物体の位置に相当する第2の値を検出して記憶するステップと、
(e)前記第1の値と前記第2の値の中間値を求めるステップと、
(f)前記中間値に相当する位置を原点として物体を原点まで移動させるステップと
を備えていることを特徴とする制御プログラム。
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