JP2011012893A - 全熱交換素子用素材およびその素材を用いた熱交換形換気装置 - Google Patents

全熱交換素子用素材およびその素材を用いた熱交換形換気装置 Download PDF

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Abstract

【課題】全熱交換素子用素材およびその素材を用いた熱交換形換気装置において、液ダレを防ぎつつ熱交換形換気装置の潜熱交換効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】、多孔質シートa1と、薄膜a2、薄膜b3からなる全熱交換素子用素材は、吸湿剤として無機酸塩を備え、多孔質シートa1の片側の面に吸湿剤を担持する薄膜a2を備え、多孔質シートa1の逆側の面に吸湿剤を担持する薄膜b3を備え、吸湿剤の種類を変えて薄膜a2が薄膜b3よりも吸湿性が高い構成とする。この構成により、吸湿剤によって薄膜a2における吸湿性を高め、素材の片面で無く両面に吸湿剤を配することで吸湿剤が水と結合することで生じる素材中の水分拡散にたいする抵抗を減少させ、かつ相対的に吸湿性の低い面とすることで薄膜b3における放湿性を高めることで、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させた全熱交換素子用素材を得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝熱性と透湿性を有する素材を仕切板に用いて、顕熱及び潜熱を同時に回収する静止透過式の熱交換形換気装置に関するものである。
従来、冷房や暖房の効果を損なわずに換気できる装置として、換気の際に給気と排気の間で熱交換を行う熱交換形換気装置が知られている。
熱交換形換気装置には、熱交換を行うための熱交換素子が含まれており、素材には給気と排気が交じり合わないようにするガスバリア性(主として二酸化炭素バリア性)と難燃性、伝熱性が求められる。特に、顕熱と同時に潜熱の熱交換も行う全熱交換素子に関しては、透湿性も合わせて有する必要がある。
従って、全熱交換素子用素材には、塩化カルシウム等の各種吸湿剤や難燃剤等の配合が検討されており、下記のような従来技術が開示されている。
例えば、特許文献1を挙げる。(図面は示さず)。
特許文献1では、全熱交換素子用素材の吸放湿性を高めるために、全熱交換素子用素材(文献中では全熱交換器エレメント用原紙と記載)に、パルプを主体とする紙基材を備え、該紙基材中に塩化カルシウムが10〜25質量%含まれ、かつ吸湿率が15〜30%であることを特徴とする全熱交換素子用素材があげられている。吸湿剤となる塩化カルシウムの質量濃度及び吸湿率を規定することで、高湿環境下における結露による液ダレの防止と透湿性能の両立及び難燃性の付与を目指している。
また、特許文献2を挙げる。(図面は示さず)。
特許文献2では、高湿時や結露時における素材中の吸湿剤の溶出を抑制し、吸湿剤を多く含有させることで全熱交換素子用素材の透湿性の向上を目的としている。その目的を実現するための構成として、多孔質基材に水溶性高分子、高吸水性高分子、及び吸湿剤を必須成分として含有する処理層を設けてなることを特徴とした全熱交換素子用素材があげられている。保水剤となる高吸水性高分子を有することで、その保水力を用いて水と吸湿剤を素材へより多く保持し、全熱交換素子用素材の透湿性の向上を目指している。
特開2007−119969号公報 特開昭61−205796号公報
このような従来の全熱交換素子用素材においては、透湿性能の向上を目指して素材中へ吸湿剤を多量に有することによって吸湿した水分量が増加して基材中に保持しきれなくなり、結露による液ダレが発生するという課題があった。そのため従来例としてあげた特許文献1では、液ダレの抑制と透湿性能の両立を、単に吸湿剤の分量、吸湿率を制限するという形で目指しており、そのため素材の透湿性能も制限を受けてしまっていた。
また、特許文献2では、高吸水性高分子を添加することで素材の保持できる水分量を増加させ、液ダレを抑制しつつ吸湿剤を増量したが、放湿側にはなんら手が加えられておらず、透湿性能の向上という面では限定的であった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させた全熱交換素子用素材及び、その素材を用いた熱交換形換気装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、吸湿剤を備え、かつ吸湿剤が移動しない構造をとることで、平面状の素材の両面に異なる吸放湿性を持たせたことを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、吸湿剤を有する平面状で透湿性の素材であって、素材の両面に吸湿剤を備え、その吸湿性が素材の両面で異なり、かつ潜熱交換に伴う水分の移動によって吸湿剤が移動しない構造をとることで、平面状の素材の両面に異なる吸放湿性を備えた構成を特徴としたことにより、吸湿剤によって水分を吸着する側における吸湿性を高め、素材の片面で無く両面に吸湿剤を配することで吸湿剤が水と結合することで生じる素材中の水分拡散にたいする抵抗を減少させ、かつ相対的に吸湿性の低い面を備えることで水分を放出する側における放湿性を高めたことで、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を得ることができる。
以下にこのメカニズムをより詳細に説明する。
全熱交換素子用素材において、水分は素材表面において吸着され、素材を水蒸気及び液体の水として(特にガスバリア性を持つ層を通過する際には主に液体として)通過し、逆側の素材表面において水蒸気となり放出される。
最初に素材表面における現象を説明する。
吸着等温線に示されるように水蒸気は素材表面の気体の相対湿度に比例して吸着され、吸着され液体になった水は、界面における平衡状態を目指して素材表面の気体の水蒸気分圧と水の飽和水蒸気分圧とを等しくするように凝縮または蒸発する。
すなわち素材表面において、水の吸湿及び放湿は、素材表面の気体の相対湿度及び水蒸気分圧、素材表面の水の飽和水蒸気分圧の影響により、水の吸着速度と蒸発速度とのどちらがより大きいかによってそれぞれ起きる現象である。そして、実際に素材表面を気体が流れており、その時表面近傍の気体の相対湿度及び水蒸気分圧が一定であると考えられる微小な単位で素材表面を区切って考えた場合、素材の吸湿性は、素材固有の吸着等温線に従った吸着速度と、素材に含まれる水溶性物質による水の飽和水蒸気分圧の低下による蒸発量の減少の影響を受ける。
従来よく知られている水溶性の吸湿剤とは、ラウールの法則に近似されているように、この水の飽和水蒸気分圧を下げることによって水の蒸発速度を減少させ、もって素材の吸湿量を増加させるという機能を果たしている。
そのうえ、課題として前述したように、この現象は蒸発速度の減少による素材の放湿量の低下を引き起こし、吸湿剤の増加に伴って高湿時に起きる液ダレの原因ともなっていた。
続いて、素材内部における現象において説明する。
熱交換形換気装置における熱交換素子には、換気装置としての役割を果たすために、特許文献1にもあるように、熱交換素子の素材にガスバリア性を持つ層を備えていることが求められている。ガスバリア性を持つ層は水蒸気も通さないために、素材の他の部位と異なった性質を持つため、以下、ガスバリア性を持つ層と持たない層に分けて説明する。
ガスバリア性を持たない層では、水の移動は、主として水蒸気拡散、表面拡散、及び毛細管輸送によって行われる。
水蒸気拡散は、水が水蒸気の形で移動する輸送形態であり、素材内部の水蒸気圧差に応じて、水蒸気圧の高い側から低い側へと移動する。
表面拡散及び毛細管輸送は、水が液体の水の形で移動する輸送形態であり、吸着した水の可動性の高い方から低い方へと移動する。ここで水の可動性とは水が他の分子と結合することや水分子同士の結合が強固になることで低下する、水の移動しやすさを示す指標である。例えば親水性の吸湿剤を有することで、素材表面と水との結合に加え、吸湿剤と水との結合が生じるため、水の可動性は低下する。逆に例えば、水中に他の分子が溶け込んでいない場合、水は吸着された表面からの影響により可動性が変化するため、素材表面に吸着された水が増加すると、素材表面に構成された水の分子層の厚さが増加し、素材表面の分子と水分子の結合が弱まるため、水の可動性は上昇する。簡潔に言えば、単位空間あたりに存在する水の濃度が高いほど、水と他分子との相互作用が弱まることで水の可動性は高くなり、素材の存在や吸湿剤の存在によって水の濃度が低下すると、水と他分子との相互作用が強まることで水の可動性は低下する。
素材が湿潤されるにつれ、水蒸気の占める体積が減少するため、水は素材が乾燥するほど水蒸気圧の高い側から低い側へと移動し、素材が湿潤するほど吸着した水の可動性の高い方から低い方へと移動する。
また、ガスバリア性を持つ層においては、水が水蒸気の形で移動することは無いため、表面拡散及び毛細管輸送のみで移動すると考えられる。
以上を踏まえ、本発明におけるメカニズムと効果について詳細に説明する。
本発明によれば、少なくとも1種類の吸湿剤を有する平面状で透湿性の素材であって、素材の両面に吸湿剤を備え、その吸湿性が素材の両面で異なり、かつ潜熱交換に伴う水分の移動によって吸湿剤が移動しない構造をとることで、平面状の素材の両面に異なる吸放湿性を持たせた構成を特徴とする。
まず、吸湿性の高い面においては、吸湿剤が水に溶け込むことで吸湿性を高めているが、吸湿剤と水の結合、及び吸湿剤が系に溶け込むことによる浸透圧の上昇によって水の可動性が低下する。素材はその高い吸湿性によって湿潤状態にあり、水の移動は前述したように水の可動性に支配される。このため、素材の逆側の面に吸湿剤が存在しない場合、吸湿性の高い面へ吸湿される水の量に比べ、素材内を伝って逆側の素材表面へ移動する水の量が減少し、液ダレが発生する。
ここで、素材の逆側の面を吸湿側より相対的に吸湿性の低い面とすることで、逆側の水の可動性低下を促進する。このことにより、逆側の素材表面に吸湿剤がない場合に比べ、湿潤して可動性の上昇した吸湿性の高い表面に対する逆側の素材表面の水の可動性がより低下し、可動性の差が広がることで素材内を伝って逆側の素材表面へ移動する水分量を増加することができる。
ただし、特許文献1のように、逆側の素材表面が吸湿側と同等以上の吸湿性を持つ場合、素材を移動してきた水分が十分に放出されないため、素材内に水分が溜まり、やがて液ダレが発生する。
つまり、従来であれば液ダレの発生を招く量の吸湿剤を添加する場合に、吸湿性の高い面と、その面に比べ相対的に吸湿性の低い面を備えることで、放湿側における放湿性を大きく抑制することなく、素材内部における水の移動性を確保することができる。
以上のように、本発明によって吸湿剤の増加による吸湿量の増加と液ダレの抑制を両立し、素材の透湿性能の向上という効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態2の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態3の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態4の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態5の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態6の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態7の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態8の全熱交換素子用素材の断面図 本発明の実施の形態9の全熱交換素子の分解鳥瞰図 本発明の実施の形態10の熱交換形換気装置を水平方向へ輪切りにした断面図
本発明の請求項1記載の全熱交換素子用素材は、吸湿剤を備えた平面状で透湿性の素材であって、素材の両面に吸湿剤を備え、吸湿剤の吸湿性が素材の両面で異なり、かつ吸湿剤が移動しない構造をとることで、平面状の素材の両面に異なる吸放湿性を持たせた構成を有する。これにより、吸湿剤によって水分を吸着する側における吸湿性を高め、素材の片面で無く両面に吸湿剤を配することで吸湿剤が水と結合することで生じる素材中の水分拡散に対する抵抗を減少させ、かつ相対的に吸湿性の低い面を備えることで水分を放出する側における放湿性を高めることができるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。
また、請求項2記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、基材として多孔質シートを備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートの片側の面に吸湿剤を担持する薄膜aを備え、多孔質シートの逆側の面に吸湿剤を担持する薄膜bを備え、薄膜aと薄膜bの吸湿性が異なる構成にしてもよい。これにより、素材表面に備えた2種類の薄膜によって素材の両面に異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。かつ、多孔質シートにより素材の強度を確保することができるので、全熱交換素子用素材として必要な強度を持たせることができるという効果を奏する。
また、請求項3記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、基材として多孔質シートを備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートに吸湿剤を担持させ、多孔質シートの片側の面に吸湿剤を担持する薄膜を備え、多孔質シートと薄膜の吸湿性が異なる構成にしてもよい。これにより、素材表面に備えた薄膜と多孔質シートとで異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。かつ、多孔質シートに素材の強度を確保する効果と、吸湿性という効果とを持たせることができるため、素材の層構造を減少させ、素材を薄くできるという効果を奏する。さらに、吸湿剤を基材へ担持させるため、吸湿剤による吸湿性により、基材の保水性が向上できるという効果を奏する。
また、請求項4記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、基材a及び基材bにそれぞれ吸湿剤を担持させ、基材aと基材bの吸湿性が異なり、基材a及び基材bを貼り合わせた構成にしてもよい。これにより、2種類の基材によって素材の両面で異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。かつ、吸湿剤を両面の基材へ担持させるため、吸湿剤による吸湿性により、素材全体の保水性が向上できるという効果を奏する。
また、請求項5記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、基材a及び基材bにそれぞれ吸湿剤を浸漬もしくは混合し、基材aと基材bの吸湿性が異なり、基材a及び基材bの間に孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートを挟んで貼り合わせた構成にしてもよい。IUPACにて限外濾過膜として定義されている孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートは、その孔径に応じてサイズが2ナノメートルから200ナノメートルの範囲の粒子や高分子を阻止することができる。このシートを備えて基材a及び基材bの間で吸湿性高分子の移動を阻止することで、素材の両面で異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。さらに、吸湿性高分子を基材へ担持する必要性がないため、水と結合可能な吸湿性高分子表面の部位が増加するため、吸湿性をより高めることができるという効果を奏する。
また、請求項6記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、基材aに含まれる吸湿剤aに、分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、基材bに含まれる吸湿剤bに、無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、基材aに吸湿剤aを浸漬もしくは混合し、基材bに吸湿剤bを担持し、基材aと基材bの吸湿性が異なり、基材a及び基材bの間に孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートを挟んで貼り合わせた構成にしてもよい。前記したように、孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートは、その孔径に応じてサイズが2ナノメートルから200ナノメートルの範囲の粒子や高分子を阻止することができる。このシートを備えて基材a及び基材bの間で吸湿性高分子の移動を阻止することで、素材の両面で異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。さらに、吸湿性高分子を基材へ担持する必要性がないため、水と結合可能な吸湿性高分子表面の部位が増加するため、吸湿性をより高めることができるという効果を奏する。
また、請求項7記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、基材a及び基材bにそれぞれ吸湿剤を浸漬もしくは混合し、基材aと基材bの吸湿性が異なり、基材a及び基材bの間に孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートを挟んで貼り合わせた構成にしてもよい。孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートは、逆浸透膜と呼ばれ海水淡水化装置や純水製造装置に使われており、ほぼ全てのイオンや有機化合物等を阻止することができる。このシートを備えて基材a及び基材bの間でのイオンもしくは有機化合物からなる吸湿剤の移動を阻止することで、素材の両面で異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。さらに、吸湿剤を基材へ担持する必要性がないため、水と結合可能な吸湿剤の部位が増加するため、吸湿性をより高めることができるという効果を奏する。
また、請求項8記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、基材として孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートを備え、吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、多孔質シートの片側の面に吸湿剤を有する薄膜aを備え、多孔質シートの逆側の面に吸湿剤を有する薄膜bを備え、薄膜aと薄膜bの吸湿性が異なる構成にしてもよい。前記したように、孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートは、その孔径に応じて2ナノメートルから200ナノメートルの範囲の粒子や高分子を阻止することができる。このシートを備えて基材a及び基材bの間で吸湿性高分子の移動を阻止することで、素材の両面で異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。さらに、吸湿性高分子を基材へ担持する必要性がないため、水と結合可能な吸湿性高分子表面の部位が増加するため、吸湿性をより高めることができるという効果を奏する。また、吸湿剤を有する層を薄膜とすることで、素材全体を薄くすることができるという効果を奏する。
また、請求項9記載の全熱交換素子用素材は、請求項1記載の全熱交換素子用素材について、基材として孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートを備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートの片側の面に吸湿剤を有する薄膜aを備え、多孔質シートの逆側の面に吸湿剤を有する薄膜bを備え、薄膜aと薄膜bの吸湿性が異なる構成にしてもよい。前記したように、孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートは、ほぼ全てのイオンや有機化合物等を阻止することができる。このシートを備えて基材a及び基材bの間でのイオンもしくは有機化合物からなる吸湿剤の移動を阻止することで、素材の両面で異なる吸放湿性を持たせることができ、水分を吸着する側における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する側における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ透湿性能を向上させるという効果を奏する。さらに、吸湿剤を基材へ担持する必要性がないため、水と結合可能な吸湿剤の部位が増加するため、吸湿性をより高めることができるという効果を奏する。また、吸湿剤を有する層を薄膜とすることで、素材全体を薄くすることができるという効果を奏する。
また、請求項10記載の全熱交換素子用素材は、請求項5、6、8のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、多孔質シートにセラミックス膜を備える構成にしてもよい。これにより、別途素材へ難燃剤を添加することなく、セラミックス膜によって素材へ難燃性を付与することができるという効果を奏する。
また、請求項11記載の全熱交換素子用素材は、請求項5から9のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、多孔質シートに酢酸セルロース膜を用いる構成にしてもよい。これにより、別途素材へ難燃剤を添加することなく、酢酸セルロース膜によって素材へ難燃性を付与することができるという効果を奏する。
また、請求項12記載の全熱交換素子用素材は、請求項3、4、6、7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、少なくとも1枚の基材に多糖類をイオン架橋剤でイオン的に架橋させた架橋体を用いる構成にしてもよい。これにより、多糖類及びイオン架橋剤が吸湿剤としての働きを持ち、かつ、水によって流出することがないため、別途素材へ吸湿剤を含ませることなく、架橋体によって素材へ吸湿性を付与することができるという効果を奏する。
また、請求項13記載の全熱交換素子用素材は、請求項3記載の全熱交換素子用素材について、多孔質シートの吸湿性が薄膜の吸湿性より高くなる構成にしてもよい。素材内の水分の分配は、全体に均一に広がるか、吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を持つ。また、薄膜よりも基材の方が厚く、保持できる水分量も多いため、これにより、吸湿性の高い部位を基材側とすることで、素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるという効果を奏する。
また、請求項14記載の全熱交換素子用素材は、請求項4から7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、基材aの吸湿性が基材bの吸湿性より高くなる組み合わせを用い、基材bより基材aの厚みを厚くする構成にしてもよい。前記したように素材内の水分の分配は、全体に均一に広がるか、吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を持つ。これにより、基材aの保持できる水分量を基材bより増加することで、素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるという効果を奏する。
また、請求項15記載の全熱交換素子用素材は、請求項1、2、3、4、6、7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、基材がセルロースを主体とする分子から構成され、吸湿剤にグアニジン塩を有する構成としてもよい。これにより、グアニジン塩の持つ吸湿性と、セルロースに対する脱水炭化型の難燃作用を素材へ付与することができ、別途素材へ難燃剤を添加することなく、素材へ難燃性を付与することができるという効果を奏する。
また、請求項16記載の全熱交換素子用素材は、請求項1から15のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、基材に高吸水性高分子を有する構成としてもよい。これにより、素材の保持できる水分量が増加し、透湿性能を向上させることができるという効果を奏する。
また、請求項17記載の全熱交換素子用素材は、請求項4から7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、基材aの吸湿性が基材bの吸湿性より高くなる組み合わせを用い、基材aに高吸水性高分子を有する構成としてもよい。前記したように素材内の水分の分配は、全体に均一に広がるか、吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を持つ。これにより、基材aの保持できる水分量を基材bより増加することで、素材全体に保持できる水分量を増加させ、透湿性能を向上することができるという効果を奏する。
また、請求項18記載の全熱交換素子用素材は、請求項4から7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材について、基材a及び基材bの間に、高吸水性高分子を有するシートを備える構成にしてもよい。これにより、特許文献2にもあるように、高吸水性高分子は水蒸気を吸湿する力が弱いが、液状の水を吸収する力は強いために、基材a及び基材bの間に液状の水を蓄える層を備えることができる。そして、高吸水性高分子が基材aと基材bとの水の移動を仲介することで、素子へ加工した場合の水分量の平面的な偏りを緩和して乾燥部位からの放湿を促進し、また、素材全体に保持できる水分量を増加するため、透湿性能を向上することができるという効果を奏する。
また、請求項19記載の全熱交換素子は、請求項1から18のいずれかに記載の全熱交換素子用素材を伝熱板として用い、吸湿性の高い面同士または吸湿性の低い面同士がそれぞれ向かい合うように、前記伝熱板を互い違いに複数層重ね合わせ、その重ね合わせた各層間を交互に通るように第1流路及び第2流路を構成したものである。これにより、全熱交換素子内に伝熱板の吸湿性が異なる2種類の流路を形成することができ、水分を吸着する流路における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、水分を放出する流路における放湿性の高さを両立できるので、液ダレを抑制しつつ素子の透湿性能を向上させることができるという効果を奏する。
また、請求項20記載の熱交換形換気装置は、請求項19に記載の全熱交換素子を備えるものである。これにより、透湿性能の高い素子を備えることで、熱交換形換気装置の潜熱回収効率を高めることができるという効果を奏する。
また、請求項21記載の熱交換形換気装置は、請求項20記載の熱交換形換気装置について、室外の空気を室内へ取り込み、室内の空気を室外へ排出する熱交換形換気装置において、互いに独立した、室外の空気を通風させる給気流路及び室内の空気を通風させる排気流路を備え、素子の第1流路及び第2流路を接続する流路を、それぞれ給気流路及び排気流路から選択できるように流路を切り替える切り替え手段を備えた構成にしてもよい。これにより、前記全熱交換素子の吸湿性の高い流路へ、給気流路または排気流路を選択して接続することができ、熱交換形換気装置の潜熱交換効率を高めることができるという効果を奏する。
また、請求項22記載の熱交換形換気装置は、請求項21記載の熱交換形換気装置について、室内の空気が室外の空気よりも湿度が高い場合に、吸湿性の高い面が排気流路に含まれるとともに吸湿性の低い面が給気流路に含まれ、室内の空気が室外の空気よりも湿度が低い場合に、吸湿性の高い面が給気流路に含まれるとともに吸湿性の低い面が排気流路に含まれるように流路を切り替える構成としてもよい。これにより、室内及び室外の温度湿度環境の変化に合わせて、吸湿性の高い面へ湿度の高い空気を流すことができるため、熱交換形換気装置の潜熱交換効率を高めることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に断面図を示すように、多孔質シートa1と、薄膜a2、薄膜b3からなる全熱交換素子用素材は、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートa1の片側の面、すなわち多孔質シートa1の一方の面に吸湿剤を担持する薄膜a2を備え、多孔質シートa1逆側の面、すなわち多孔質シートa1の他方の面に吸湿剤を担持する薄膜b3を備え、薄膜a2と薄膜b3に含まれる吸湿剤の吸湿性能が異なり、薄膜a2に含まれる吸湿剤の吸湿性能が薄膜b3に含まれる吸湿剤の吸湿性能よりも高くしている。したがって、薄膜a2の吸湿性が薄膜b3の吸湿性よりも高くなる。
例えば、具体的には、多孔質シートとしてポリエチレンを主成分とし、親水性を高めるためにポリビニルアルコールを20%含有する高分子素材を用い、薄膜a2にポリオキシエチレンを用いて塩化リチウムを吸湿剤として担持し、薄膜b3にポリオキシエチレンを用いて塩化カルシウムを吸湿剤として担持した構成が挙げられる。
なお、薄膜a2と薄膜b3に吸湿性能が同じ吸着剤を使って、吸湿剤の薄膜a2に担持する担持量を薄膜b3に担持する担持量よりも多くして、薄膜a2の吸湿性を薄膜b3の吸湿性よりも高くしても良い。
この構成により、薄膜a2において水が吸湿され、薄膜a2が湿潤状態となる。吸湿された水は、水蒸気拡散及び表面拡散及び毛細管輸送、主として表面拡散及び毛細管輸送、により多孔質シートa1内へ拡散する。多孔質シートa1内を拡散した水は、薄膜b3へ到達し、薄膜b3から蒸発する。このとき、薄膜b3に吸湿性の低い吸湿剤を担持することにより薄膜b3が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所となり、薄膜a2から薄膜b3に至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、薄膜a2に担持した吸湿剤より低い吸湿性能の吸湿剤を薄膜b3に担持することにより、薄膜a2よりも薄膜b3の吸湿性を下げることで、薄膜b3からの水の蒸発量を薄膜a2からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ薄膜a2から薄膜b3方向への透湿性能を向上させることができる。さらに、薄膜a2および薄膜b3に吸湿剤を担持することで吸湿剤が薄膜に固定され、したがって、水に吸湿剤が溶け出し水の移動である表面拡散及び毛細管輸送において水とともに吸湿剤が水の放出側、すなわち放湿側へ移動することを防ぐことができ、よって薄膜a2と薄膜b3との吸湿性の差が保つことができるので前記水の輸送の促進を継続的に行うことができる。
本発明における多孔質シートとは、透湿性と伝熱性を兼ね備えたものであり、例えば、多孔性の高分子膜があげられ、具体的にはポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、セルロース等が原料となる。また、パルプや合成繊維からなる紙や不織布、織布等の細かい孔を有するものも上げられ、具体的には、セルロースを主成分とする木材パルプ、レーヨン、綿、麻等や、セルロース誘導体である酢酸セルロース等、動物性繊維である羊毛、絹等、合成繊維であるアクリル繊維等、無機繊維であるガラス繊維や炭素繊維等、合成繊維であるポリエステル、ポリビニルアルコール等が原料となる。さらに、多孔質性無機素材も上げられ、具体的にはセラミックスやシリカゲル等を主成分とするものが含まれる。特に本発明においては、水が液体の形で素材内を移行することが望ましく、そのために上記多孔質シートなのかでも親水性のもの、具体的には、木材パルプや、ポリビニルアルコール等の親水性物質を有するものが望ましい。なお、疎水性物質、具体的にはポリエチレンや炭素繊維等を主成分とし、前記親水性成分を有することで、親水性を持つものも好適である。
さらに、多糖類をイオン架橋剤でイオン的に架橋させた架橋体を多孔質シートに用いることで、イオン架橋剤及び多糖類が吸湿性物質としての働きを持つため、吸湿性物質を添加せずに架橋体を用いた基材に吸湿性を持たせることができ、好適である。
そのうえ、基材が高吸水性高分子を有することで、素材全体に保持できる水分量が増加し、透湿性能を向上させることができるので好適である。
本発明における高吸水性高分子とは、高い水分保持性を持つ親水性高分子化合物であり、その架橋構造内に自重の10倍以上の水を保持する。素材として、ポリアクリル酸塩、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース等が挙げられる。高吸水性高分子は高分子中のカルボキシル基等の官能基がイオン的に反発し、また水と結合することで多くの水分子を吸収する機構のため、塩に弱い。このため、イオン性の吸湿剤を備える場合は、高吸水性高分子の中でも高吸水性高分子内にスルホ基やメチル基、メトキシ基、メチルアミノ基、水酸基等の官能基を追加することにより耐塩性を持つものがより好適である。
本発明における薄膜とは、素材のうち基材となる部分よりも薄く、それ単体において、熱交換素子用素材としての強度を得ることができないものを指す。
吸湿剤としての無機酸塩とは、具体的には、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄等のハロゲン化物や、スルファミン酸グアニジン、塩酸グアニジン、燐酸グアニジン等のグアニジン塩、硝酸銀や硝酸リチウム等の硝酸塩、硫酸マンガン等の硫酸塩等が挙げられる。
吸湿剤としての有機酸塩は、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等があげられる。
吸湿剤としての多価アルコールは、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール等が挙げられる。
吸湿剤としての吸湿性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸及びその塩または架橋物や、ペクチン、ジェランガム等及びその架橋物、ポリエチレングリコールや、ポリグリセリン等及びその重合体が挙げられる。
吸湿剤としては特に、吸湿性が高く、物性が安定していて、人体への毒性が低い塩化リチウムや、塩化カルシウム等が望ましい。
また、基材にセルロースが主体となったものを備える場合、吸湿剤としてグアニジン塩を備えることで、グアニジン塩がセルロースに対し脱水炭化型の難燃作用を有することから、素材に難燃性を付与でき好適である。
本発明における吸湿剤の担持とは、吸湿剤を基礎となる物質に結合させ、水によって流失しないようにすることを指す。例えば吸湿剤としてアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を備え、かつ、基礎となる物質にポリオキシエチレンを有することで、ポリオキシエチレンによるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の担持ができる。これは、前記塩化リチウムや塩化カルシウムも担持できる方法である。また、例えば、吸湿剤に乳酸ナトリウム等のカルボキシル基を持つ有機酸塩を備え、分子内にエポキシ基を2つ以上持つ多官能エポキシ樹脂と架橋させることで担持することができる。また、例えば、乳酸ナトリウムやグリセリン、エチレングリコール等の吸湿剤は、重合させることでそれぞれポリ乳酸、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール等の高分子となり、それら吸湿性高分子をセルロースやポリエチレン等の繊維と架橋させることで担持することができる。
なお、全熱交換素子用素材として、強度及び難燃性も重要な性質であるが、例えば難燃性を増すための物質、具体的には水酸化アルミニウム等、を有することによって、吸湿剤以外の物質が素材の吸湿性能に影響を与えることもあるため、本発明における吸湿剤とは、素材への添加物として、素材の吸湿性能に影響を与えるものを指す。
なお、実施の形態において吸湿剤の種類を変えたが、吸湿剤の量を変えることで、素材の両面の吸湿性に差をつけても良い。
なお、実施の形態において吸湿剤の種類を変えたが、吸湿剤を有する部材の種類や、含有・担持方法により吸湿性能を変えても良い。具体的には、例えば吸湿剤としてポリ乳酸を備え、片側の面へメバロノラクトンを加えたポリ乳酸架橋体を備えることで、ポリ乳酸の分岐度を増加させ、ポリ乳酸の表面にある水分子と相互作用を持つ官能基数を増やし、吸湿性を増加させる例が挙げられる。
なお、全熱交換素子用素材として、ガスバリア性も重要な性質であり、多孔質シートa1と、薄膜a2と、薄膜b3とのいずれか少なくとも1つがガスバリア性を備えると好適である。
なお、薄膜a2のみがガスバリア性を備えることで、薄膜a2と薄膜b3に面している空気との水蒸気分圧差で薄膜a2から薄膜b3に面している空気に放湿でき、より好適である。同様に、薄膜b3のみがガスバリア性を備えることで、薄膜a2に面している空気と薄膜b3との水蒸気分圧差で薄膜a2に面している空気から薄膜b3が吸湿でき、より好適である。
(実施の形態2)
実施の形態1と同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図2に断面図を示すように、基材として多孔質シートb4を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートb4に吸湿剤を担持させ、多孔質シートの片側の面に吸湿剤を担持する薄膜c5を備え、多孔質シートb4が薄膜c5よりも吸湿性が高い構成とする。
この構成により、多孔質シートb4において水が吸湿され、湿潤状態となる。吸湿された水は、水蒸気拡散及び表面拡散及び毛細管輸送、主として表面拡散及び毛細管輸送、により多孔質シートb4内へ拡散する。多孔質シートb4内を拡散した水は、薄膜c5へ到達し、薄膜c5から蒸発する。このとき、薄膜c5が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、多孔質シートb4から薄膜c5へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、多孔質シートb4よりも薄膜c5の吸湿性を下げることで、薄膜c5からの水の蒸発量を多孔質シートb4からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ多孔質シートb4から薄膜c5方向への透湿性能を向上させることができる。
さらに、この構成により、多孔質シートb4に素材の強度を確保する効果と、吸湿性という効果とを持たせることができるため、素材の層構造を2層のみとし、素材を薄くできる。
その上、吸湿剤を多孔質シートb4へ担持させるため、吸湿剤により多孔質シートb4の保水性が向上でき、素材の保水量を高めることで透湿性能を向上することができる。
なお、本実施の形態では、薄膜c5に比べ厚みのある多孔質シートb4を吸湿性の高い側にした。この構成により、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートb4と薄膜c5からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
(実施の形態3)
実施の形態1または2と同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3に断面図を示すように、2枚の透湿性の多孔質シート(多孔質シートc6、多孔質シートd7)を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートc6及び多孔質シートd7にそれぞれ吸湿剤を担持させ、多孔質シートc6が多孔質シートd7よりも吸湿性が高く、多孔質シートc6及び多孔質シートd7を貼り合わせた構成とする。
この構成により、多孔質シートc6において水が吸湿され、湿潤状態となる。吸湿された水は、水蒸気拡散及び表面拡散及び毛細管輸送、主として表面拡散及び毛細管輸送、により多孔質シートc6内へ拡散する。多孔質シートc6内を拡散した水は、多孔質シートd7へ到達し、多孔質シートd7から蒸発する。このとき、多孔質シートd7が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、多孔質シートc6から多孔質シートd7へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、多孔質シートc6よりも多孔質シートd7の吸湿性を下げることで、多孔質シートd7からの水の蒸発量を多孔質シートc6からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ多孔質シートc6から多孔質シートd7方向への透湿性能を向上させることができる。
貼り合わせる方法としては、熱溶着や圧着、接着剤を用いる方法等が挙げられるが、接着剤を用いる場合、接着剤は具体的には例えば、ポリエチレンやポリ酢酸ビニル、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
なお、前記接着剤を用いた場合、接着剤がガスバリア性を有するため、多孔質シートc6及び多孔質シートd7にガスバリア性を持たせる必要が無く好適である。
なお、本実施の形態において2枚の基材に多孔質シートを備えたが、例えばガスバリア性を素材へ備えるためなどの必要性に応じて、基材のどちらか少なくとも1枚に透湿性の無孔質シートを備えてもよく、その作用効果に差異は生じない。
なお、多孔質シートc6を多孔質シートd7よりも厚いシートとする構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートc6と多孔質シートd7からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートc6が多孔質シートd7よりも多く高吸水性高分子を有する構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートc6と多孔質シートd7からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートc6と多孔質シートd7の間に高吸水性高分子を有するシートを挟むことで、高吸水性高分子が多孔質シートc6と多孔質シートd7との水の移動を仲介することで、素子へ加工した場合の水分量の平面的な偏りを緩和して乾燥部位からの放湿を促進し、また、多孔質シートc6と多孔質シートd7からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
(実施の形態4)
実施の形態1から3のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に断面図を示すように、2枚の透湿性の多孔質シート(多孔質シートe8、多孔質シートf9)を備え、吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子、例えば平均分子量1075から2400、重合度で24から54のポリエチレングリコール等、好ましくは平均分子量1500程度の重合度が33から34程度のポリエチレングリコール等、を備え、多孔質シートe8及び多孔質シートf9にそれぞれ吸湿剤を備え、多孔質シートe8と多孔質シートf9に含まれる吸湿剤の吸湿性がポリエチレングリコールの量を変えることで異なり、多孔質シートe8及び多孔質シートf9の間に孔径が200ナノメートル以下2ナノメートル以上の透湿性の限外濾過膜10、例えば孔径が2ナノメートル、分画分子量1000のポリエーテルスルホン膜、を挟んで貼り合わせた構成とする。
この構成により、吸湿性高分子が限外濾過膜10によって移動を制限されるために、多孔質シートe8及び多孔質シートf9の吸湿性の違いを水分移動後も保つことができる。
そのため、多孔質シートf9が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、多孔質シートe8から限外濾過膜10を通過し多孔質シートf9へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、多孔質シートe8よりも多孔質シートf9の吸湿性を下げることで、多孔質シートf9からの水の蒸発量を多孔質シートe8からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ多孔質シートe8から多孔質シートf9方向への透湿性能を向上させることができる。
本発明における分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子とは、実施の形態では重合度が33程度のポリエチレングリコールを例示したが、限外濾過膜10における阻止率が85%以上、好ましくは90%以上あるものが必要であるため、備える限外濾過膜10の分画分子量によって、備える吸湿性高分子の分子量の実際の下限が規定される。また、一般的に吸湿性高分子はその重合度が高くなるほど吸湿性が低下するので、必要とされる吸湿性の強さによって、重合度の上限、すなわち分子量の上限が規定される。
本発明における限外濾過膜10は、孔径が約2ナノメートルから約200ナノメートルの多孔質シートであり、一般的に分画分子量は1000から300000程度の性能のものが市販されている。材質は、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、セラミックス等が挙げられ、その中でも、ポリエーテルスルホン等、酢酸セルロース等を用いた分画分子量の小さな濾過膜が好適である。
また、限外濾過膜10にセラミックス膜または酢酸セルロース膜を備えることで素材へ難燃性を付加することができるため、好適である。
なお、実施の形態では、限外濾過膜10を備えたが、同等以上の分画性能を持つ膜であれば、その作用効果に差異は生じず、例えば、孔径が1から2ナノメートル前後のナノフィルター膜も適している。
なお、本実施の形態において2枚の基材に多孔質シートを備えたが、例えばガスバリア性を素材へ備えるためなどの必要性に応じて、基材のどちらか少なくとも1枚に透湿性の無孔質シートを備えてもよく、その作用効果に差異は生じない。
なお、多孔質シートe8を多孔質シートf9よりも厚いシートとする構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートe8と多孔質シートf9、限外濾過膜10からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートe8が多孔質シートf9よりも多く高吸水性高分子を有する構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートe8と多孔質シートf9、限外濾過膜10からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートe8と多孔質シートf9の間に高吸水性高分子を有するシートを挟む構成により、高吸水性高分子が多孔質シートe8と多孔質シートf9との水の移動を仲介することで、素子へ加工した場合の水分量の平面的な偏りを緩和して乾燥部位からの放湿を促進し、また、多孔質シートe8と多孔質シートf9、限外濾過膜10からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
(実施の形態5)
実施の形態1から4のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に断面図を示すように、2枚の透湿性の多孔質シート(多孔質シートe8、多孔質シートg11)を備え、多孔質シートe8に含まれる吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、多孔質シートg11に含まれる吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートe8に吸湿剤を浸漬もしくは混合し、多孔質シートg11に吸湿剤を担持し、多孔質シートe8と多孔質シートbの吸湿性が異なり、多孔質シートe8及び多孔質シートbの間に孔径が200ナノメートル以下2ナノメートル以上の透湿性の限外濾過膜10を挟んで貼り合わせた構成とする。
この構成により、多孔質シートe8に含まれる吸湿性高分子が限外濾過膜10によって移動を制限され、多孔質シートg11に含まれる吸湿剤が多孔質シートg11内へ保持されるために、多孔質シートe8及び多孔質シートg11の吸湿性の違いを水分移動後も保つことができる。
そのため、多孔質シートg11が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、多孔質シートe8から限外濾過膜10を通過し多孔質シートg11へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、多孔質シートe8よりも多孔質シートg11の吸湿性を下げることで、多孔質シートg11からの水の蒸発量を多孔質シートe8からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ多孔質シートe8から多孔質シートg11方向への透湿性能を向上させることができる。
なお、実施の形態では、限外濾過膜10を備えたが、同等以上の分画性能を持つ膜であれば、その作用効果に差異は生じず、例えば、孔径が1から2ナノメートル前後のナノフィルター膜等も適している。
なお、本実施の形態において2枚の基材に多孔質シートを備えたが、例えばガスバリア性を素材へ備えるためなどの必要性に応じて、基材のどちらか少なくとも1枚に透湿性の無孔質シートを備えてもよく、その作用効果に差異は生じない。
なお、多孔質シートe8を多孔質シートg11よりも厚いシートとする構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートe8と多孔質シートg11、限外濾過膜10からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートe8が多孔質シートg11よりも多く高吸水性高分子を有する構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートe8と多孔質シートg11、限外濾過膜10からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートe8と多孔質シートg11の間に高吸水性高分子を有するシートを挟む構成により、高吸水性高分子が多孔質シートe8と多孔質シートg11との水の移動を仲介することで、素子へ加工した場合の水分量の平面的な偏りを緩和して乾燥部位からの放湿を促進し、また、多孔質シートe8と多孔質シートg11、限外濾過膜10からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
(実施の形態6)
実施の形態1から5のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に断面図を示すように、2枚の透湿性の多孔質シート(多孔質シートh12、多孔質シートi13)を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、多孔質シートh12及び多孔質シートi13にそれぞれ吸湿剤、例えばそれぞれ塩化リチウム及び塩化カルシウムを備え、多孔質シートh12及び多孔質シートi13の間に孔径が2ナノメートル以下の透湿性の逆浸透膜14、例えば塩化ナトリウムイオン阻止率が90%以上の芳香族ポリアミド膜を挟んで貼り合わせた構成とする。
この構成により、多孔質シートh12及び多孔質シートi13に含まれる吸湿剤が逆浸透膜14によって移動を制限されるために、多孔質シートh12及び多孔質シートi13の吸湿性の違いを水分移動後も保つことができる。
そのため、多孔質シートi13が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、多孔質シートh12から逆浸透膜14を通過し多孔質シートi13へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、多孔質シートh12よりも多孔質シートi13の吸湿性を下げることで、多孔質シートi13からの水の蒸発量を多孔質シートh12からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ多孔質シートh12から多孔質シートi13方向への透湿性能を向上させることができる。
本発明における逆浸透膜14とは、孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートであり、その孔径に応じて、ほぼ全てのイオンや有機化合物等を阻止することができる。孔径の上限は備える吸湿剤の種類によって変化し、吸湿剤に使われる分子を透過しないような塩化ナトリウムイオン阻止率や2価イオン阻止率を持つ孔径といった形で上限が規定される。また、孔径が極端に小さくなると透湿性も失われることから、孔径の下限は透湿性を有する下限として規定される。材質は酢酸セルロースや芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン等が挙げられ、親水性の酢酸セルロース等や、塩類の阻止率が高い芳香族ポリアミド等が好適である。
また、逆浸透膜14に酢酸セルロース膜を備えることで素材へ難燃性を付加することができるため、好適である。
なお、実施の形態において逆浸透膜14を備えたが、同等以上の分画性能を持つ膜であれば、その作用効果に差異は生じず、例えば、イオンを通さない無孔質の透水膜も適している。
なお、本実施の形態において2枚の基材に多孔質シートを備えたが、例えばガスバリア性を素材へ備えるためなどの必要性に応じて、基材のどちらか少なくとも1枚に透湿性の無孔質シートを備えてもよく、その作用効果に差異は生じない。
なお、多孔質シートh12を多孔質シートi13よりも厚いシートとする構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートh12と多孔質シートi13、逆浸透膜14からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートh12が多孔質シートi13よりも多く高吸水性高分子を有する構成は、素材内の水分の分配が全体に均一に広がるか吸湿性の高い部位に水分が偏るという特徴を生かし、多孔質シートh12と多孔質シートi13、逆浸透膜14からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
なお、多孔質シートh12と多孔質シートi13の間に高吸水性高分子を有するシートを挟む構成により、高吸水性高分子が多孔質シートh12と多孔質シートi13との水の移動を仲介することで、素子へ加工した場合の水分量の平面的な偏りを緩和して乾燥部位からの放湿を促進し、また、多孔質シートh12と多孔質シートi13、逆浸透膜14からなる素材全体に保持できる水分を増加させ、透湿性能を向上することができるのでより好適である。
(実施の形態7)
実施の形態1から6のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に断面図を示すように、基材として孔径が200ナノメートル以下2ナノメートル以上の限外濾過膜10を備え、吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、限外濾過膜10の片側の面に吸湿剤を有する薄膜d15を備え、限外濾過膜10の逆側の面に吸湿剤を有する薄膜f16を備え、薄膜d15と薄膜f16に含まれる吸湿剤の吸湿性が異なる構成とする。
この構成により、吸湿性高分子が限外濾過膜10によって移動を制限されるために、薄膜d15及び薄膜f16の吸湿性の違いを水分移動後も保つことができる。
そのため、薄膜f16が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、薄膜d15から限外濾過膜10を通過し薄膜f16へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、薄膜d15よりも薄膜f16の吸湿性を下げることで、薄膜f16からの水の蒸発量を薄膜d15からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ薄膜d15から薄膜f16方向への透湿性能を向上させることができる。
本実施の形態における限外濾過膜10は、全熱交換素子用素材として素材の強度を持たせる役割も担っているため、前記したポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、セラミックス等の材質の中で、ポリスルホン、セラミックス等の強度の強いもの、または透水性を阻害しない程度に膜厚を持たせたものが好適である。
なお、実施の形態では、限外濾過膜10を備えたが、同等以上の分画性能及び強度を持つ膜であれば、その作用効果に差異は生じず、例えば、孔径が1から2ナノメートル前後のナノフィルター膜等も適している。
(実施の形態8)
実施の形態1から7のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に断面図を示すように、基材として孔径が2ナノメートル以下の逆浸透膜14を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、逆浸透膜14の片側の面に吸湿剤を有する薄膜g17を備え、逆浸透膜14の逆側の面に吸湿剤を有する薄膜h18を備え、薄膜g17と薄膜h18に含まれる吸湿剤の吸湿性が異なる構成とする。
この構成により、吸湿性高分子が逆浸透膜14によって移動を制限されるために、薄膜g17及び薄膜h18の吸湿性の違いを水分移動後も保つことができる。
そのため、薄膜h18が吸湿性を持ち水の可動性が低い箇所とすることで、薄膜g17から逆浸透膜14を通過し薄膜h18へ至る表面拡散及び毛細管輸送による液体の水の輸送を促進することができる。そして、薄膜g17よりも薄膜h18の吸湿性を下げることで、薄膜h18からの水の蒸発量を薄膜g17からの蒸発量よりも増加でき、水の輸送の促進と合わせて、液ダレを防ぎつつ薄膜g17から薄膜h18方向への透湿性能を向上させることができる。
本実施の形態における逆浸透膜14は、全熱交換素子用素材として素材の強度を持たせる役割も担っているため、前記した酢酸セルロースや芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン等の材質の中で、ポリスルホン等の塩類阻止性はやや低いが強度の強いものを芳香族ポリアミドや酢酸セルロースへ重ね合わせて強度を持たせたものが好適である。
なお、実施の形態において逆浸透膜14を備えたが、同等以上の分画性能及び強度を持つ膜であれば、その作用効果に差異は生じず、例えば、イオンを通さない無孔質の透水膜も適している。
(実施の形態9)
実施の形態1から8のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。図9に分解鳥瞰図を示すように、熱交換素子として前記実施の形態1に示した全熱交換素子用素材を伝熱板として備え、伝熱板の吸湿性の高い第1面19同士または吸湿性の低い第2面20同士がそれぞれ向かい合うように、前記伝熱板を互い違いに複数層重ね合わせ、その重ね合わせた各層間を交互に通り、伝熱板の吸湿性の高い第1面19から構成された第1流路21及び吸湿性の低い第2面20から構成された第2流路22を備える構成とする。この構成により、全熱交換素子内に伝熱板の吸湿性が異なる2種類の流路を形成することができ、第1流路21における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、第2流路22における放湿性の高さを向上できるので、液ダレを抑制しつつ素子の透湿性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態では伝熱板として実施の形態1に示したものを備えたが、実施の形態1から8に示した全熱交換素子用素材であれば、どれを用いても良い。
なお、本実施の形態では、直交流型の素子を例示したが、対向流や平行流等の静止型空気対空気で顕熱及び潜熱の交換を行う全熱交換素子であれば、どれを用いても良い。
(実施の形態10)
実施の形態1から9のいずれかと同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。図10に熱交換形換気装置を水平方向へ輪切りにした断面図を示す。図9に示すように、熱交換形換気装置は、室外吸込口23と室内吸込口24、室外排出口25、室内給気口26を備えた本体箱27で構成され、室外吸込口23から吸い込んだ空気を室内給気口26より吐出し、室内吸込口24から吸い込んだ空気を室外排出口25から吐出する。本体箱27内部には実施の形態9に示した熱交換素子28を備える。また、送風手段として第1送風手段29と、第2送風手段30を備え、例えば送風手段として、遠心送風機や軸流送風機を備え、送風手段を駆動させる原動機として原動機31を備え、熱交換素子28と接続する風路を選択するための選択手段として、例えば原動機とダンパー板等で構成された風向調整板32を備えた構成である。
さらに本体箱27は、原動機31の回転軸に固着された第1送風手段29によって室外の空気を室内へ給気する給気流を通風させる給気流路33と、同じく原動機31の回転軸に固着された第2送風手段30によって室内の空気を室外に排気する排気流を通風させる排気流路34を備えた構成である。
風向調整板32は、室外吸込口23に熱交換素子28の第1流路21もしくは第2流路22のどちらか一方を接続し、他方の流路を室内吸込口24に接続する構成である。
さらに、室外吸込口23と風向調整板32との間の給気流路33内に第1湿度検知手段35を備え、室内吸込口24と風向調整板32との間の排気流路34内に第2湿度検知手段36を備えた構成である。
この構成により、熱交換素子28の第1流路21と第2流路22へ、それぞれ給気流路33または排気流路34を選択して接続することができる。給気流路33及び排気流路34のうち、湿度の高い流路を吸湿性の高い第1流路21へ接続し、湿度の低い流路を吸湿性の低い第2流路22へ接続するように、第1湿度検知手段35及び第2湿度検知手段36から湿度情報を得て風向調整板32を制御する。このことで、湿度の高い流路から湿度の低い流路への潜熱回収において、第1流路21における吸湿性の高さと、素材中の水分移動の容易さ、第2流路22における放湿性の高さにより、液ダレを抑制しつつ熱交換形換気装置の潜熱回収効率を向上させ、もって全熱回収効率も向上させることができる。
本発明における湿度検知手段とは、例えば、高分子膜に含まれる水分量の変化に伴う誘電率変化を検出する高分子膜湿度センサーや、白金抵抗体を用いた温度センサーを二本組み合わせて、片方をウイッグ等で湿らせておくことで乾球及び湿球温度を測定し湿度情報を得る乾湿計などが挙げられる。
なお、実施の形態において、第1送風手段29及び第2送風手段30を原動機31で駆動する構成としたが、二台の原動機を備えてそれぞれの送風手段を駆動する構成としてもよい。
なお、実施の形態において第1湿度検知手段35及び第2湿度検知手段36を備えることで湿度情報を得たが、例えば室内もしくは室外の湿度環境が一定である場合、湿度検知手段を湿度環境が変化する側の風路のみに設置する構成であっても同様の効果が得られる。
なお、実施の形態において第1湿度検知手段35及び第2湿度検知手段36を備えることで湿度情報を得、その情報に基づき風向調整板32を切り替えたが、これら湿度検知手段を設けず、例えば手動等、他の手段により風向調整板32を切り替えてもよい。
本発明にかかる全熱交換素子用素材およびその素材を用いた熱交換形換気装置は、液ダレを防ぎつつ熱交換形換気装置の潜熱交換効率を向上させることを可能とするものであるので、伝熱性と透湿性を有する素材を仕切板に備えて、顕熱及び潜熱を同時に回収する静止透過式の熱交換形換気装置などにも有用である。
1 多孔質シートa
2 薄膜a
3 薄膜b
4 多孔質シートb
5 薄膜c
6 多孔質シートc
7 多孔質シートd
8 多孔質シートe
9 多孔質シートf
10 限外濾過膜
11 多孔質シートg
12 多孔質シートh
13 多孔質シートi
14 逆浸透膜
15 薄膜d
16 薄膜f
17 薄膜g
18 薄膜h
19 第1面
20 第2面
21 第1流路
22 第2流路
23 室外吸込口
24 室内吸込口
25 室外排出口
26 室内給気口
27 本体箱
28 熱交換素子
29 第1送風手段
30 第2送風手段
31 原動機
32 風向調整板
33 給気流路
34 排気流路
35 第1湿度検知手段
36 第2湿度検知手段

Claims (22)

  1. 吸湿剤を有する平面状で透湿性の素材であって、前記素材の両面に吸湿剤を備え、前記吸湿剤の吸湿性が前記素材の両面で異なり、かつ前記吸湿剤が移動しない構成を特徴とする全熱交換素子用素材。
  2. 素材に基材を備え、前記基材として多孔質シートを備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、前記多孔質シートの片側の面に前記吸湿剤を担持する薄膜aを備え、前記多孔質シートの逆側の面に前記吸湿剤を担持する薄膜bを備え、前記薄膜aと前記薄膜bの吸湿性が異なる構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  3. 素材に基材を備え、前記基材として多孔質シートを備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、前記多孔質シートに前記吸湿剤を担持させ、前記多孔質シートの片側の面に前記吸湿剤を担持する薄膜を備え、前記多孔質シートと前記薄膜の吸湿性が異なる構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  4. 素材に2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、前記基材a及び前記基材bにそれぞれ前記吸湿剤を担持させ、前記基材aと前記基材bの吸湿性が異なり、前記基材a及び前記基材bを貼り合わせた構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  5. 素材に2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、前記基材a及び前記基材bにそれぞれ吸湿剤を浸漬もしくは混合し、前記基材aと前記基材bの吸湿性が異なり、前記基材a及び前期基材bの間に孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートを挟んで貼り合わせた構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  6. 素材に2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、前記基材aに含まれる吸湿剤aに、分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、前記基材bに含まれる吸湿剤bに、無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、前記基材aに前記吸湿剤aを浸漬もしくは混合し、前記基材bに前記吸湿剤bを担持し、前記基材aと前記基材bの吸湿性が異なり、前記基材a及び前記基材bの間に孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートを挟んで貼り合わせた構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  7. 素材に2枚の透湿性の基材(基材a、基材b)を備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、前記基材a及び前記基材bにそれぞれ前記吸湿剤を浸漬もしくは混合し、前記基材aと前記基材bの吸湿性が異なり、前記基材a及び前記基材bの間に孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートを挟んで貼り合わせた構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  8. 素材に基材を備え、前記基材として孔径が2ナノメートル以上200ナノメートル以下の多孔質シートを備え、吸湿剤に分子サイズが2ナノメートル以上の吸湿性高分子を備え、前記多孔質シートの片側の面に前記吸湿剤を有する薄膜aを備え、前記多孔質シートの逆側の面に前記吸湿剤を有する薄膜bを備え、前記薄膜aと前記薄膜bの吸湿性が異なる構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  9. 素材に基材を備え、前記基材として孔径が2ナノメートル以下の多孔質シートを備え、吸湿剤に無機酸塩または有機酸塩または多価アルコールまたは吸湿性高分子を備え、前記多孔質シートの片側の面に前記吸湿剤を有する薄膜aを備え、前記多孔質シートの逆側の面に前記吸湿剤を有する薄膜bを備え、前記薄膜aと前記薄膜bの吸湿性が異なる構成を特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子用素材。
  10. 多孔質シートにセラミックス膜を用いる構成を特徴とする請求項5、6または8のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  11. 多孔質シートに酢酸セルロース膜を用いる構成を特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  12. 少なくとも1枚の基材に多糖類をイオン架橋剤でイオン的に架橋させた架橋体を用いる構成を特徴とする請求項3、4、6または7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  13. 多孔質シートの吸湿性が薄膜の吸湿性より高くなる構成を特徴とする請求項3に記載の全熱交換素子用素材。
  14. 基材aの吸湿性が基材bの吸湿性より高い基材の組み合わせを備え、前記基材bより前記基材aの厚みを厚くする構成を特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  15. 素材に基材を備え、前記基材がセルロースを主体とする分子から構成され、吸湿剤にグアニジン塩を有する構成を特徴とする請求項1、2、3、4、6または7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  16. 素材に基材を備え、前記基材に高吸水性高分子を有する構成を特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  17. 基材aの吸湿性が基材bの吸湿性より高い基材の組み合わせを備え、前記基材aに高吸水性高分子を有する構成を特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  18. 基材a及び基材bの間に、高吸水性高分子を有するシートを備える構成を特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の全熱交換素子用素材。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の全熱交換素子用素材を伝熱板に用い、前記伝熱板の吸湿性の高い面同士または吸湿性の低い面同士がそれぞれ向かい合うように、前記伝熱板を互い違いに複数層重ね合わせ、その重ね合わせた各層間を交互に通るように第1流路及び第2流路を構成したことを特徴とする全熱交換素子。
  20. 請求項19に記載の全熱交換素子を備えることを特徴とする熱交換形換気装置。
  21. 室外の空気を室内へ取り込み、室内の空気を室外へ排出する熱交換形換気装置において、互いに独立した、室外の空気を通風させる給気流路及び室内の空気を通風させる排気流路を備え、素子の第1流路及び第2流路を接続する流路を、それぞれ前記給気流路及び前記排気流路から選択できるように流路を切り替える切り替え手段を備えた構成を特徴とする請求項20に記載の熱交換形換気装置。
  22. 室内の空気が室外の空気よりも湿度が高い場合に、吸湿性の高い面が排気流路に含まれるとともに吸湿性の低い面が給気流路に含まれ、室内の空気が室外の空気よりも湿度が低い場合に、吸湿性の高い面が前記給気流路に含まれるとともに吸湿性の低い面が前記排気流路に含まれるように流路を切り替える構成を特徴とする請求項21に記載の熱交換形換気装置。
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