JP5628607B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
一方、2つのデシカントロータを備えた他の空調システムでは、上記特許文献1と同様に、空調用空気を第1デシカントロータの第1吸湿部と第2デシカントロータの第2吸湿部との2段階で除湿しているが、第2デシカントローラの第2吸湿部にて除湿された空調用空気を冷却すべく、空調用空気に水等の液体を噴霧して加湿する加湿機を設けられている。加湿機は、空調用空気に直接液体を噴霧することで、その液体の蒸発潜熱を空調用空気から奪う形態で空調用空気を冷却しており、この加湿機にて冷却された空調用空気が、空調対象空間に導かれる(特許文献2を参照)。
また、上記特許文献2に開示の技術では、加湿機にて冷却・加湿された空調用空気が、空調対象空間に導かれるので、加湿機にて空調用空気を十分に冷却することが可能となり、冷却性能としては十分な性能を発揮することができる。しかしながら、加湿機は、空調用空気に直接液体を噴霧することで、空調用空気を冷却しているので、空調用空気が加湿されるので、除湿性能が低下することになる。
前記第1デシカントロータの前記第1吸湿部を通流した気体を第1冷却用媒体との熱交換により冷却させる第1冷却器と、
回転駆動する通気性吸湿体からなり、第2吸湿部に通流される気体の水分を吸着するとともに、吸着した水分を第2再生部に通流させる気体に放出する第2デシカントロータと、
前記第2デシカントロータの前記第2吸湿部を通流した気体を第2冷却用媒体との熱交換により冷却させる第2冷却器と、
空調対象空間の外部からの空調用空気を、前記第1デシカントロータの第1吸湿部、前記第1冷却器、前記第2デシカントロータの第2吸湿部、前記第2冷却器、及び前記第1デシカントロータの第1再生部の夫々に通流させた後、前記空調対象空間に供給する空調用空気供給手段と、
前記空調対象空間からの再生用空気を加熱手段により加熱した後、前記第2デシカントロータの前記第2再生部に通流させた後、前記空調対象空間の外部へ放出する再生用空気通流手段とが設けられている空調システムであって、その特徴構成は、
前記第1冷却用媒体としての前記空調対象空間の外部からの外気に冷却用液体を噴霧して冷却用液体の蒸発潜熱を外気から奪う形態で外気を冷却する外気冷却手段を備え、
前記第1冷却器が、前記第1デシカントロータの第1吸湿部を通流した後の空調用空気を通流させる空調用空気流路と前記外気冷却手段により冷却された前記外気を通流させる外気通流路とを備え、前記外気通流路を通流する前記外気と前記空調用空気流路を通流する空調用空気との熱交換により前記外気にて前記空調用空気を冷却自在に構成され、
前記空調対象空間の外部からの外気を、前記外気冷却手段、前記第1冷却器の夫々を順に通流させた後、前記空調対象空間の外部へ放出する外気通流手段とを備え、
前記再生用空気通流手段は、気体吸引手段の吸引により前記再生用空気を通流自在に構成され、前記外気通流手段は、気体吸引手段の吸引により前記外気を通流自在に構成され、前記再生用空気通流手段の気体吸引手段と前記外気通流手段の気体吸引手段とが、1つの気体吸引手段にて構成され、
前記第1冷却器へ外気を導く前記外気通流路に、前記外気通流路を通流する外気の通流量を制限する外気通流量制限手段が設けられている点にある。
ここで、空調用空気は、第1デシカントロータの第1吸湿部を通流するときに、除湿されて低湿となり加熱される。そして、空調用空気は、第1冷却器を通流するときに外気と熱交換されることにより冷却される。このときの外気は、外気冷却手段により冷却用液体を噴霧してその蒸発潜熱を奪う形態で冷却されたものであるから、十分に低温の外気となっている。したがって、第1冷却器において、十分に低温の外気にて空調用空気を冷却することができ、上記特許文献1に記載のシステムと比べて、空調用空気を十分に低温まで冷却することができる。さらに、このとき、第1冷却器における空調用空気と外気とは、空調用空気流路と外気通流路とを挟んで熱交換され、外気と空調用空気とを直接接触させ
ずに熱交換させることができる。したがって、外気冷却手段にて冷却用液体が噴霧されて加湿された外気とは直接接触させることがなく、空調用空気を加湿することなく低湿に維持したまま、十分な低温まで冷却することができる。
第1冷却器にて冷却された空調用空気は、第2デシカントロータの第2吸湿部を通流して除湿され、第1冷却器を通過したときより低湿となり加熱される。このとき、第2デシカントロータの第2吸湿部に導かれる空調用空気は、第1冷却器によって十分に低温となっているので、第2デシカントロータの除湿部の吸着熱を適切に奪うことができる。結果、第2デシカントロータでの除湿性能を向上することができ、空調用空気は、第2デシカントロータにて適切に除湿される。
第2デシカントロータの第2吸湿部に供給される空調用空気が十分に低温まで冷却されていることから、第2デシカントロータの第2吸湿部にて除湿される際に加熱されるものの、第2デシカントロータの第2吸湿部にて除湿された空調用空気の温度を極力低温に維持することができる。これにより、第2冷却器を通過して冷却されて第1デシカントロータの第1再生部に供給される空調用空気の温度も極力低温とすることができる。上述の如く、第2デシカントローラでの除湿性能を向上することができることから、第1デシカントロータの第1再生部は、第2デシカントロータにより十分に除湿された低湿の空調用空気により再生されることになる。結果、当該第1デシカントロータの除湿性能をも向上できる。このようにして、第1デシカントロータの第1再生部を通流した極力低温の空調用空気を空調対象空間に供給することができるとともに、第1冷却器にて十分な低温まで空調用空気を冷却することで、第2デシカントロータの除湿性能を向上でき、その除湿性能の向上に伴って第2デシカントロータの除湿性能をも向上することができる。
さらに、上記特徴構成によれば、第2デシカントロータの第2再生部にて第2デシカントロータを再生する再生用空気と、第1冷却器に導かれる外気との双方が、1つの気体吸引手段により吸引されるように構成されているので、構成を簡略化できる。
尚、通常、第2デシカントロータの第2吸湿部を通流する空調用空気と、第2デシカントロータの第2再生部を通流する再生用空気とは、第2デシカントロータの性能を適切に発揮させるべく、その流量を等しく設定される。そこで、再生用空気通流手段の気体吸引手段の吸引力は、再生用空気の流量が空調用空気の流量と等しくなるように、設定される。しかしながら、上述の特徴構成で述べた如く、再生用空気通流手段の気体吸引手段と外気通流手段の気体吸引手段とが1つの気体吸引手段にて構成されているので、気体吸引手段が第2デシカントロータに導かれる再生用空気とともに第1冷却器に導かれる外気をも吸引するので、第1冷却器に導かれる外気の流量は、再生用空気の流量の依存することになる。そして、再生用空気は、加熱手段にて加熱された後、第2デシカントロータの第2再生部を通流することから、大きな抵抗を受けることから、外気の方が再生用空気よりも流れ易い状態となる。したがって、第1冷却器を通流する外気の流量が大きくなり過ぎ、再生用空気の流量として十分な流量を確保しようとすると、それだけ気体吸引手段の吸引力を大きなものとしなければならず、気体吸引手段の必要動力が増大する虞がある。
上記特徴構成によれば、外気通流路に、外気通流量制御手段を設けているので、気体吸引手段により吸引された外気は、当該外気通流量制御手段により抵抗を受け、第1冷却器に導かれる外気の流量を適切なものとできる。
また、気体吸引手段が必要以上に外気を吸引することを防止できるため、再生用空気の流量として十分な流量を確保することができ、結果として、気体吸引手段の動力を低減できる。
以上より、除湿性能を適切に発揮しながらも、十分な冷却性能を発揮できる空調システムを実現できた。
前記外気通流量制限手段は、外気冷却手段と第1冷却器との間の外気通流路に設けられた絞り弁又は格子状部材である点にある。
湯水供給源から供給される湯水の温度を調整可能な湯水温度調整手段を備え、
前記加熱手段は、前記再生用空気を前記湯水温度調整手段により温度調整させた湯水と熱交換させて加熱する再生用熱交換器である点にある。
前記第2冷却器にて空調用空気と熱交換する冷却用媒体は、前記再生用空気であり、
前記再生用空気通流手段は、前記再生用空気を、前記第2冷却器、前記再生用熱交換器の夫々を順に通流させた後、前記空調対象空間の外部へ放出する点にある。
詳細には、空調システムは、回転駆動する第1通気性吸湿体10aからなり、第1吸湿部10bに通流される気体の水分を吸着するとともに、吸着した水分を第1再生部10cに通流させる気体に放出する第1デシカントロータ10と、第1デシカントロータ10の第1吸湿部10bを通流させた気体を冷却用媒体との熱交換により冷却させる第1冷却器14と、回転駆動する第2通気性吸湿体16aからなり、第2吸湿部16bに通流される気体の水分を吸着するとともに、吸着した水分を第2再生部16cに通流させる気体に放出する第2デシカントロータ16と、第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bを通流した気体を冷却用媒体との熱交換により冷却する第2冷却器17とを備えている。
さらに、当該空調空気流路F1には、第1デシカントロータ10と第1冷却器14との間に、空調用空気CAを上述の如く通流させるべく、空調用空気CAを第1デシカントロータ10側から吸引して第1冷却器14側へ送り出す第1ファン11(空調用空気供給手段の一例)が設けられている。第1ファン11をこの部位に設けることにより、空調用空気CAの通流方向で第1デシカントロータ10の上流側に設ける場合に比べて、第1デシカントロータ10の第1再生部10cから第1吸湿部10bへの空気の漏れ出しを抑制することができ、第1デシカントロータ10の除湿性能を向上できる。
以下、空調用空気CAが空調用空気流路F1を介して空調対象空間Sに導かれる過程にて、空調用空気CAを冷却・除湿する各構成について、順に詳述する。
上記第1デシカントロータ10の更に具体的な構成として、第1通気性吸湿体10aは、吸湿性高分子を主成分としており、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムを主成分として構成されている。当該第1通気性吸湿体10aは、感温性高分子としてのポリアクリルアミドを用いることもできる。
第2デシカントロータ16については、上記第1通気性吸湿体10aが第2通気性吸湿体16aであり、上記第1吸湿部10bが第2吸湿部16bであり、上記第1再生部10cが第2吸湿部16bである点以外は、第1デシカントロータ10と同一の構成であるので、詳細な説明を割愛する。
これにより、空調用空気CAは、第1冷却器14にて水噴霧により冷却された低温の外気OAと熱交換して冷却され、単に外気OAと熱交換して冷却するよりも十分に冷却される。即ち、上記外気通流路F4と第2ファン15とが外気通流手段として働く。
そして、空調用空気CAは、第2冷却器17を通流した後、第1デシカントロータ10の第1再生部10cに導かれ、そこで適切に冷却されて空調対象空間Sに導かれるのである。以上が、空調用空気CAを冷却、除湿する流れである。
即ち、第2デシカントロータ16を再生する構成を詳述すると、第2冷却器17にて空調用空気CAと熱交換した後の再生用空気RAと貯湯槽31(湯水供給源の一例)から供給される高温の湯水Wとを熱交換させて加熱する再生用熱交換器18(加熱手段の一例)と、空調対象空間Sと第2冷却器17と再生用熱交換器18と第2デシカントロータ16の第2再生部16cの夫々を順に接続する再生用空気通流路F2と、第2デシカントロータ16の第2再生部16cの下流側で再生用空気通流路F2内の再生用空気RAを吸引する第2ファン15(気体吸引手段の一例)とが設けられている。そして、第2ファン15が、再生用空気RAを吸引する形態で、第2冷却器17にて空調用空気CAと熱交換して加熱され、再生用熱交換器18にて高温の湯水Wと熱交換して加熱されて高温となった再生用空気RAを、第2デシカントロータ16の第2再生部16cに導き、第2再生部16cを再生できるのである。即ち、上記再生用空気通流路F2と第2ファン15とが、再生用空気通流手段として働く。
そこで、第2ファン15の吸引力(回転数)は、第2デシカントロータ16の第2再生部16cを通流する再生用空気RAの流量と第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bを通流する空調用空気CAの流量とが等しくなるように設定されることとなるが、このように第2ファン15の吸引力(回転数)を設定すると、第1冷却器14に導かれる外気OAの流量が必要以上に多くなる場合がある。そこで、外気通流路F4のうち、噴霧装置12と第1冷却器14との間には、外気OAの通流量を制限する絞り弁13(外気通流量制限手段の一例)が設けられている。
当該絞り弁13は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、適宜変更可能に構成されており、これにより、外気通流路F4を通流する外気OAの流量を制限可能となっている。当該絞り弁13の絞り量を適切なものに設定することで、第2ファン15により吸引される再生用空気RAの流量を、空調用空気CAの流量と略同一に設定した状態としながらも、第1冷却器14に導かれる外気OAの流量を、空調用空気CAを冷却するのに適した流量とすることができる。
そこで、本発明では、貯湯槽31(湯水供給源の一例)から供給される湯水Wと湯水Wより温度の低い給水Cとを、その混合比を調整可能な形態で混合する三方弁30(温度調整手段の一例)が設けられ、当該三方弁30により給水Cと混合されて所望の温度(例えば、45℃〜80℃)に調整された湯水Wが、再生用熱交換器18へ導かれるように構成されている。これにより、第2デシカントロータ16の第2再生部16cに導かれる再生用空気RAは所望の温度(例えば、40〜75℃)に調整される。
即ち、第1ファン11が回転駆動することで、空調用空気CAは、空調用空気流路P1を介して、第1デシカントロータ10の第1吸湿部10bに導かれ、当該第1吸湿部10bにて適切に除湿され低湿となる。このとき、空調用空気CAは、第1吸湿部10bの水分の吸着に伴う吸着熱を吸収することにより高温となる。そこで、空調用空気CAは、第1冷却器14にて、噴霧装置12により噴霧された水の蒸発に伴う蒸発潜熱が奪われ低温となった外気OAと熱交換することで冷却され、低温となる。さらに、空調用空気CAは、第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bを通流して除湿され、第1デシカントロータ10の第1吸湿部10bを通流した後よりも低湿となる。このとき、空調用空気CAは、第1デシカントロータ10の第1吸湿部10bを通流したときと同様に、第2吸湿部16bでの水分の吸着に伴う吸着熱を吸収するため高温となる。そこで、空調用空気CAは、第2冷却器17にて、空調対象空間Sの空気と熱交換して冷却され低温となる。当該空調用空気CAは、第1デシカントロータ10の第1再生部10cに導かれ、冷却されることにより、空調対象空間Sに低湿で低温の空調用空気CAが導かれるのである。
以下では、本発明の空調システムの除湿性能・冷却性能を示すべく、これまで説明した空調システムにおいて、噴霧装置12(外気冷却手段の一例)にて水噴霧を行った場合、及び行わなかった場合の夫々おける空調用空気CAの温度・相対湿度・絶対湿度の変化について、図2〜4に基づいて説明する。
図2〜4に示されるP1−P6は、図1に示される空調用空気通流路F1における計測点を示しており、図2〜4は、P1−P6での空調用空気CAの温度・相対湿度・絶対湿度の計算値を示している。図2は、水噴霧を行わなかったときの値を示し、図3は水噴霧を行ったときの値を示しており、図4は、これらの値の変化をグラフに示したものである。以下では、特に、空調用空気CAの温度及び絶対湿度の変化について説明する。
水噴霧を行った場合、空調用空気CAが第1冷却器14を通流するとき、即ち、計測点P2からP3の間において、温度は、43.9℃から29.5℃まで14.4℃低下している。一方、水噴霧を行わない場合、温度は、41.0℃から35.2℃まで5.8℃の低下に留まっている。即ち、水噴霧を行った場合のほうが、8.6℃だけ多く温度を低下させることができている。
尚、このとき、水噴霧を行った場合も行わなかった場合も、絶対湿度は変化しない。
水噴霧を行った場合、第2デシカントロータ16に導かれる空調用空気CAの温度は、29.5℃まで低下しているので、空調用空気CAが第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bを通流するとき、即ち、計測点P3からP4の間において、空調用空気CAが第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bにおける水分の吸着に伴う吸着熱を十分に吸収することができ、除湿性能が高まる。このとき、絶対湿度は、10.9g/kgから5.5g/kgまで低下し、除湿量(図4でhA)は、5.4g/kgとなる。一方、水噴霧を行わなかった場合、第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bを通流する空調用空気CAの温度は、35.2℃と水噴霧を行った場合に比べて高いため、空調用空気CAが第2デシカントロータ16の第2吸湿部16bにおける水分の吸着に伴う吸着熱を十分に吸着することができず、その除湿性能は低い。このため、絶対湿度は12.2g/kgから7.1g/kgまでしか低下せず、除湿量(図4でhB)は、5.1g/kgに留まる。
尚、このときの空調用空気CAの温度変化を示しておくと、水噴霧を行った場合、第2吸湿部16bを通流する空調用空気CAの温度は、29.5℃から42.4℃まで12.9℃上昇しており、第2吸湿部16bの吸着熱を適切に吸収している。一方、水噴霧を行わなかった場合、第2吸湿部16bを通流する空調用空気CAの温度は、35.2℃から47.1℃まで12.1℃しか上昇しておらず、水噴霧を行った場合に比べて、第2吸湿部16bの吸着熱の吸収が少ないことがわかる。
第2冷却器17を通流するときは、水噴霧を行った場合も、水噴霧を行わなかった場合も、空調用空気CAは、冷却用媒体としての室内空気と熱交換して、適切に冷却される。このとき、いずれも、絶対湿度は変化しない。
水噴霧を行った場合、第1デシカントロータ10の第1再生部10cに導かれる空調用空気CAは、その絶対湿度が5.5g/kgと低い値であるので、第1再生部10cの水分を吸収し易い状態、即ち、第1再生部10cを再生し易い状態となっているため、第1再生部10cを適切に再生できる。このとき、空調用空気CAの絶対湿度は、5.5g/kgから10.1g/kgまで4.6g/kg増加しており、この分だけ第1再生部10cを再生したことになる。
一方、水噴霧を行っていない場合、空調用空気CAは、その絶対湿度が7.1g/kg
と水噴霧を行った場合に比べて高い値であるため、水噴霧を行った場合に比べて、第1再生部10cの水分を吸収し難い状態、即ち、第1再生部10cを再生し難い状態となっている。当該空調用空気CAの絶対湿度は、第1再生部10cを通流することにより、7.1g/kgから10.5g/kgまで3.4g/kgしか増加しておらず、水噴霧を行った場合より、第1再生部10cの再生が不十分となる。
水噴霧を行った場合も、水噴霧を行ってない場合も、P1における空調用空気CAの温度・絶対湿度は、同じ値である。しかしながら、第1デシカントロータ10の第1再生部10cは、水噴霧を行った場合は、水噴霧を行ってない場合より十分に再生されている。このため、水噴霧を行った場合で、第1デシカントロータ10の第1通気性吸湿体10aの回転駆動により上述の再生された第1再生部10cが第1吸湿部10bとして機能している状態で、空調用空気CAが第1吸湿部10bを通流したときには、その絶対湿度を、15.6g/kgから10.9g/kgまで4.7g/kg低下できる。一方、水噴霧を行っていない場合では、絶対湿度が、15.6g/kgから12.2g/kgまで3.4g/kg低下しか低下できない。
以上、説明してきたように、本発明の噴霧装置12(外気冷却手段の一例)を適切に働かせて、水噴霧を行うことにより、水噴霧を行わない場合に比べ、第1デシカントロータ10、第2デシカントロータ16の除湿性能を向上させることができている。
除湿性能については、水噴霧を行った場合の絶対湿度の総減少量が5.5g/kgであるのに対し、水噴霧を行っていない場合の絶対湿度の総減少量が5.1g/kgである。これにより、水噴霧による除湿性能の向上率は、以下のようになる。
(水噴霧による除湿性能の向上率)=(5.5−5.1)/5.1=7.8%
冷却性能については、水噴霧を行った場合の温度の減少量(計測点P1と計測点P6の温度の差)が13.2℃であるのに対し、水噴霧を行っていない場合の温度の減少量(計測点P1と計測点P6の温度の差)が9.2℃である。これにより、水噴霧による冷却性能の向上率は、以下のようになる。
(水噴霧による冷却性能の向上率)=(13.2−9.2)/9.2=43.5%
また、不快指数については、Tを温度、Hを相対湿度としたとき、以下のようになる。
(水噴霧を行った場合の不快指数)=0.81T+0.01H(0.99T−14.3)+46.3=66.2
(水噴霧を行わない場合の不快指数)=71.0
尚、不快指数は、60以下であると肌寒いと感じる人が出てくるもので、且つ、70を超えると不快を感じはじめる人が出てくる値である。上記計算結果によれば、水噴霧を用いた空調システムにより、不快指数が適切なものとなるように、温度・湿度を調整できることがわかる。
簡易実験装置では、内部に外気OAを通流する筒状流路20において、上流側から順に、筒状流路20の内部の外気OAに水を噴霧する超音波振動子22(噴霧装置12の具体例:600cc/h、粒径4μm)を備え、外気OA(相対湿度:60%)と水との混合を促進するハニカム状部材21(外気通流量制限手段の具体例)をそのハニカム形状を外気OAの通流方向に対向して備え、筒状流路20の内部の外気OAを吸引して筒状流路20の外部へ導くシロッコファン19を備えている。そして、シロッコファン19を働かせて、外気OAを吸引し、当該外気OAに超音波振動子22により水を噴霧し、水が噴霧された外気OAをハニカム状部材21にて混合して、外部へ導き、その外気OAの温度を測定した。
尚、噴霧装置12として、上記超音波振動子22に変えて、加湿機(三菱電機製,商品名:ラクリアミスト,型番:SV−DK807−W)を用いた場合の実測値を、黒四角として図6のグラフにプロットしている。当該加湿機を用いた場合には、その実測値は、理論値の90%の温度減少幅ΔTを示す一点鎖線L3の近傍にプロットされており、噴霧装置12として超音波振動子22を備えた場合に比べ、より理論値に近い温度減少幅ΔTが得られていることがわかる。
尚、計算においては、夏の夜間を想定して、外気温度(空調用空気CAのP1における温度)は27℃、外気の湿度(空調用空気CAのP1における相対湿度)を70%とした。また、空調対象空間Sの空気の温度(第2冷却器17に冷却用媒体として供給される空気の温度)は27℃、その湿度(第2冷却器17に冷却用媒体として供給される空気の湿度)は60%とした。また、空調用空気流路F1に導入される空調用空気CAの空気量は150m3/hとした。尚、外気温度が低く水噴霧による冷却効果が少ないため、再生温度が、40℃、60℃の何れの場合にも、水噴霧は行っていない。図7に図1の計測点P1−P6における温度・相対湿度・絶対湿度の算出値を示し、図8に当該算出値をプロットした結果を示す。
特に、特徴的な部分について説明すると、再生温度を60℃とした場合、空調対象空間Sに導かれる空調用空気CAの温度(計測点P6における温度)は、16.7℃となり、P1−P6までの総除湿量は、5.8g/kg(P1−P2間における除湿量)と、4.3g/kg(P3−P4間における除湿量)と、−5.9g/kg(P1−P2間における除湿量)とを加えて、4.3g/kgとなる。一方、再生温度を40℃とした場合、空調対象空間Sに導かれる空調用空気CAの温度(計測点P6における温度)は、23.6℃となり、P1−P6までの総除湿量は、2.3g/kg(P1−P2間における除湿量)と、2.7g/kg(P3−P4間における除湿量)と、−2.3g/kg(P1−P2間における除湿量)とを加えて、2.7g/kgとなる。
即ち、再生温度を低下する(60℃から40℃へ変更する)と、空調用空気CAの総除湿量は、4.3g/kgから2.7g/kgに低減するものの、空調対象空間Sに導かれる空調用空気CAの温度は、16.7℃から23.6℃に上昇し、冷えすぎを防止することができる。
上記実施形態において、外気通流量制限手段は、絞り弁13として構成したが、別にその流量を制限するものであればよい。例えば、格子状部材、棒状部材、及び図5で示したハニカム状部材21のような多孔状部材であってもよい。また、外気通流路の流路形状を、混合を促進するような形状としたものであってもよい。
更に、上記実施形態において、外気冷却手段としての噴霧装置12は、上記外気通流量制限手段としてのハニカム状部材21を外部から加湿できる加湿機等であってもよい。これにより、噴霧装置12として高価な超音波振動子等を用いなくとも、外気OAからハニカム状部材21の湿分の蒸発潜熱を奪う形態で、外気OAを適切に冷却できる。
OA :外気
RA :再生用空気
CA :空調用空気
W :湯水
10 :第1デシカントロータ
10a :第1通気性吸湿体
10b :第1吸湿部
10c :第1再生部
11 :第1ファン(空調用空気供給手段の一例)
12 :噴霧装置(外気冷却手段の一例)
13 :絞り弁(通流量制限手段の一例)
14 :第1冷却器
15 :第2ファン(気体吸引手段の一例)
16 :第2デシカントロータ
16a :第2通気性吸湿体
16b :第2吸湿部
16c :第2再生部
17 :第2冷却器
18 :再生用熱交換器
30 :三方弁(湯水温度調整手段の一例)
Claims (4)
- 回転駆動する第1通気性吸湿体からなり、第1吸湿部に通流される気体の水分を吸着するとともに、吸着した水分を第1再生部に通流させる気体に放出する第1デシカントロータと、
前記第1デシカントロータの前記第1吸湿部を通流した気体を第1冷却用媒体との熱交換により冷却させる第1冷却器と、
回転駆動する通気性吸湿体からなり、第2吸湿部に通流される気体の水分を吸着するとともに、吸着した水分を第2再生部に通流させる気体に放出する第2デシカントロータと、
前記第2デシカントロータの前記第2吸湿部を通流した気体を第2冷却用媒体との熱交換により冷却させる第2冷却器と、
空調対象空間の外部からの空調用空気を、前記第1デシカントロータの第1吸湿部、前記第1冷却器、前記第2デシカントロータの第2吸湿部、前記第2冷却器、及び前記第1デシカントロータの第1再生部の夫々に通流させた後、前記空調対象空間に供給する空調用空気供給手段と、
前記空調対象空間からの再生用空気を加熱手段により加熱した後、前記第2デシカントロータの前記第2再生部に通流させた後、前記空調対象空間の外部へ放出する再生用空気通流手段とが設けられている空調システムであって、
前記第1冷却用媒体としての前記空調対象空間の外部からの外気に冷却用液体を噴霧して冷却用液体の蒸発潜熱を外気から奪う形態で外気を冷却する外気冷却手段を備え、
前記第1冷却器が、前記第1デシカントロータの第1吸湿部を通流した後の空調用空気を通流させる空調用空気流路と前記外気冷却手段により冷却された前記外気を通流させる外気通流路とを備え、前記外気通流路を通流する前記外気と前記空調用空気流路を通流する空調用空気との熱交換により前記外気にて前記空調用空気を冷却自在に構成され、
前記空調対象空間の外部からの外気を、前記外気冷却手段、前記第1冷却器の夫々を順に通流させた後、前記空調対象空間の外部へ放出する外気通流手段とを備え、
前記再生用空気通流手段は、気体吸引手段の吸引により前記再生用空気を通流自在に構成され、前記外気通流手段は、気体吸引手段の吸引により前記外気を通流自在に構成され、前記再生用空気通流手段の気体吸引手段と前記外気通流手段の気体吸引手段とが、1つの気体吸引手段にて構成され、
前記第1冷却器へ外気を導く前記外気通流路に、前記外気通流路を通流する外気の通流量を制限する外気通流量制限手段が設けられている空調システム。 - 前記外気通流量制限手段は、前記外気冷却手段と前記第1冷却器との間の前記外気通流路に設けられた絞り弁又は格子状部材である請求項1に記載の空調システム。
- 湯水供給源から供給される湯水の温度を調整可能な湯水温度調整手段を備え、
前記加熱手段は、前記再生用空気を前記湯水温度調整手段により温度調整させた湯水と熱交換させて加熱する再生用熱交換器である請求項1又は2に記載の空調システム。 - 前記第2冷却器にて空調用空気と熱交換する冷却用媒体は、前記再生用空気であり、
前記再生用空気通流手段は、前記再生用空気を、前記第2冷却器、前記再生用熱交換器の夫々を順に通流させた後、前記空調対象空間の外部へ放出する請求項3に記載の空調システム。
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