JP2011011996A - 体脂肪の低減用または増加抑制用医薬とこれを含む体脂肪の低減または増加抑制剤、ラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源の使用、ラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源の使用、ならびに飲食品 - Google Patents
体脂肪の低減用または増加抑制用医薬とこれを含む体脂肪の低減または増加抑制剤、ラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源の使用、ラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源の使用、ならびに飲食品 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ラクチュロースおよびカルシウム源、またはラクチュロース、カルシウム源、およびマグネシウム源からなる体脂肪の低減用または増加抑制用医薬と、これを含む体脂肪の低減または増加抑制剤。
【選択図】なし
Description
特に、生活習慣病と呼ばれる慢性疾患と、体脂肪(特に内臓脂肪)との関係が重要視されつつある。内臓脂肪が蓄積すると、脂肪細胞の機能異常が発生しやすくなり、耐糖能異常、高血圧、高脂血症などの慢性疾患を引き起こしやすくなる。このような慢性疾患が引き起こされやすくなった状態は、メタボリックシンドロームと呼ばれている。
体脂肪を低減させる方法としては、オリゴ糖を有効成分として用いる方法が知られている。例えばキシロオリゴ糖を有効成分として含有する抗肥満及び/または体脂肪減少剤(特許文献1参照)や、フラクトオリゴ糖を含有する体内脂質減少剤(特許文献2参照)が報告されている。
[1]ラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源からなる体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
[2]ラクチュロースとカルシウムとの比率(質量比)が、1:0.03〜1:0.30の範囲内である[1]に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
[3]ラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源からなる体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
[4]ラクチュロースとカルシウムとの比率(質量比)が、1:0.03〜1:0.30の範囲内である[3]に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
[5]ラクチュロースとマグネシウムとの比率(質量比)が、1:0.01〜1:0.15の範囲内である[3]または[4]に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
[6][1]または[2]に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を含有する体脂肪の低減または増加抑制剤。
[7]ラクチュロース含量が、総固形分に対し15〜96質量%である[6]に記載の体脂肪の低減または増加抑制剤。
[8][3]〜[5]のいずれか一項に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を含有する体脂肪の低減または増加抑制剤。
[9]ラクチュロース含量が、総固形分に対し15〜96質量%である[8]に記載の体脂肪の低減または増加抑制剤。
[10]体脂肪の低減または増加抑制剤製造のためのラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源の使用。
[11]体脂肪の低減または増加抑制剤製造のためのラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源の使用。
[12][1]または[2]に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を配合した飲食品。
[13][3]〜[5]のいずれか一項に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を配合した飲食品。
また、本発明の医薬、本発明の医薬を含む体脂肪の低減または増加抑制剤、および本発明の医薬を配合した飲食品は、メタボリックシンドロームと呼ばれる状態を解消・防止し、耐糖能異常、高血圧、高脂血症などの慢性疾患を効果的に予防したり改善したりするために有用である。
[第一の実施の形態]
本発明の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬は、ラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源からなる。
ラクチュロースとしては、市販のラクチュロースが使用できる。現在市場にはシロップ形状のもの(例、森永乳業株式会社製、商品名:MLS−50)と、粉末形状のもの(例、森永乳業株式会社製、商品名:MLC−97)などが存在するが、本発明に使用されるラクチュロースとしては、ラクチュロースが必要量含有されていれば、その形状やラクチュロース純度は特に問うものではない。
また、ラクチュロースは、市販のものでなくてもよく、例えば特開昭48−001143号公報や、特許第2977654号公報に記載された方法で使用時に製造したものであっても良い。
ここで、カルシウムの比率は、カルシウム源としての比率ではなく、元素としてのカルシウムの比率である。
例えば体重50kgの成人に経口投与する場合、1日あたり、3〜20gであることが好ましい。また、投与回数は、1日あたり、1〜5回であることが好ましい。
体脂肪の低減または増加抑制剤の剤形は、経口投与剤形でも非経口投与剤形でもよいが、経口投与剤形が好ましい。経口投与剤形としては、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤等の固形投与剤、シロップ剤、乳剤等の液剤等、公知の経口投与剤形とすることができる。
経口投与用の固形投与剤の場合の担体としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
ここで、カルシウム含量とは、カルシウム源としての含量ではなく、元素としてのカルシウムの含量である。
このような他の有効成分としては、栄養成分(例えばカゼイン酵素分解物、ビタミンD等)等が挙げられる。
体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を配合できる飲食品としては、飲料、ヨーグルト、ゼリー、プリン、アイスクリームに代表される冷菓、スキムミルク、豆腐、テーブルシュガー、チョコレート、キャンディーなどに代表される菓子類などが挙げられる。これらの中でも、本発明の医薬品を効率よく摂取できることから、飲料が特に好ましい。
飲料の種類に制限はなく、例えば酸性飲料、中性飲料、アルカリ性飲料、乳製品を主体とするもの、果汁を主体とするもの、野菜汁を主体とするもの、コーヒー、紅茶などのお茶類、乳酸菌飲料、豆乳、ココア類等が挙げられる。
体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を配合できる飼料としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料などが挙げられる。
また、健康な成人にラクチュロースおよびカルシウム源を一定期間摂取させた後の体脂肪率(体脂肪量)の測定結果からも、体脂肪の低減または増加抑制作用を評価できる。
第二の実施の形態について説明する。なお、第二の実施の形態において第一の実施の形態と同様の点は、詳細な説明を省略する。
本発明の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬は、ラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源からなる。
ここで、マグネシウムの比率は、マグネシウム源としての比率ではなく、元素としてのマグネシウムの比率である。
例えば体重50kgの成人に経口投与する場合、1日あたり、3〜20gであることが好ましい。また、投与回数は、1日あたり、1〜5回であることが好ましい。
ここで、マグネシウム含量とは、マグネシウム源としての含量ではなく、元素としてのマグネシウムの含量である。
また、ラクチュロース、カルシウム源、およびマグネシウム源からなる体脂肪の低減用または増加抑制用医薬は、これを飲食品や飼料等に配合して経口投与してもよい。
また、健康な成人にラクチュロース、カルシウム源、およびマグネシウム源を一定期間摂取させた後の体脂肪率(体脂肪量)の測定結果からも、体脂肪の低減または増加抑制作用を評価できる。
雄のWister系ラットに、表1に示す配合組成のコントロール食品を6週間自由摂取させた後、体重、体脂肪率が均等になるように、5匹ずつ試験食群とコントロール食群の2群に分けた。
なお、コントロール食品は、AIN93組成にラードを付加した組成となっており、脂肪エネルギー比が30%まで高められている。また、「AIN93組成」は、米国国立栄養研究所(American Institute of Nutrition)から1993年に発表されたマウス・ラット用の栄養研究のための標準精製飼料組成である。
なお、表1中のラクチュロース含量およびカルシウム含量は、食品の総固形分に対する含有量である。また、表2中の「P値」は、t検定のP値を示す。
「ラクチュロース粉末」は、森永乳業株式会社製の「商品名:MLC−97」である。
「ミルクカルシウム」は、フォンテラ社製の「商品名:アラミン998。」である。
「AIN−93M」、「AIN−93Mミネラル配合の通常配合から炭酸カルシウムを抜いたもの」、「AIN−93ビタミン混合」、および「ラード」は、オリエンタル酵母工業株式会社製の実験動物用飼料である。
健康な成人女性44名をランダムに摂取群24名と対照群20名の2群に分けた。
摂取群には、後述の実施例2と同様に作製した顆粒品を、1包あたり2.7gずつアルミスティックに充填した試験食品を1日2包ずつ、1年間に渡り摂取させた。
対照群には、試験食品を摂取させなかった。
試験開始時、半年後、1年後の3回にわたり、DEXA法に準拠し、骨密度測定装置(GEヘルスケア社製、PRODIGY)を用いて、摂取群および対照群の体脂肪率を測定した。体重×体脂肪率で体脂肪量を算出し、試験食品による体脂肪量の低減効果を検証した。結果を表3に示す。
なお、表3には試験開始時と1年後の体脂肪量、およびその変化量(1年後の体脂肪量−試験開始時の体脂肪量)を、平均値±標準偏差として示した。また、表3中の「P値」は、体脂肪量の変化量のt検定のP値である。
ラクチュロース粉末(森永乳業株式会社製、商品名:MLC−97)1.5kg、ミルクカルシウム(フォンテラ社製、商品名:アラミン998。)1.5kgを、混合機(株式会社昭和化学機械工作所製、型式:Power Kneader PK−350)で混合し、白色粉末を得た。得られた粉末は均一で、流動性の良い粉末であった。
ラクチュロース粉末(森永乳業株式会社製、商品名:MLC−97)756g、ミルクカルシウム(フォンテラ社製、商品名:アラミン998。)197g、酸化マグネシウム(富田製薬株式会社製、商品名:酸化マグネシウム)47gを混合した後、水―エタノール溶液0.3L(水:エタノール=1:4(容積比))をバインダーとして混合し、常法に従い、押し出し造粒機(日本薬業機械社)にて混錬、押し出して、顆粒品を得た。
得られた顆粒品をアルミ製トレーに広げた後、乾燥機(ヤマト科学株式会社製、型式:DA63)に入れ、60℃で1時間乾燥し、さらに80℃で2時間乾燥した。乾燥後の顆粒品の水分量を、赤外線水分計(メトラー・トレド社製、型式:LP−16)を用い、105℃、5分、サンプリング量5gで測定したところ、1.0質量%であった。
また、得られた顆粒品中のラクチュロースの含有量は、顆粒品の総固形分に対し74.2質量%であった。さらに、顆粒品中のラクチュロースとカルシウムとの質量比は、ラクチュロース:カルシウム=1:0.07であり、ラクチュロースとマグネシウムとの質量比は、ラクチュロース:マグネシウム=1:0.04であった。
Claims (13)
- ラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源からなる体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
- ラクチュロースとカルシウムとの比率(質量比)が、1:0.03〜1:0.30の範囲内である請求項1に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
- ラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源からなる体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
- ラクチュロースとカルシウムとの比率(質量比)が、1:0.03〜1:0.30の範囲内である請求項3に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
- ラクチュロースとマグネシウムとの比率(質量比)が、1:0.01〜1:0.15の範囲内である請求項3または4に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬。
- 請求項1または2に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を含有する体脂肪の低減または増加抑制剤。
- ラクチュロース含量が、総固形分に対し15〜96質量%である請求項6に記載の体脂肪の低減または増加抑制剤。
- 請求項3〜5のいずれか一項に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を含有する体脂肪の低減または増加抑制剤。
- ラクチュロース含量が、総固形分に対し15〜96質量%である請求項8に記載の体脂肪の低減または増加抑制剤。
- 体脂肪の低減または増加抑制剤製造のためのラクチュロース、およびカルシウムを含むカルシウム源の使用。
- 体脂肪の低減または増加抑制剤製造のためのラクチュロース、カルシウムを含むカルシウム源、およびマグネシウムを含むマグネシウム源の使用。
- 請求項1または2に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を配合した飲食品。
- 請求項3〜5のいずれか一項に記載の体脂肪の低減用または増加抑制用医薬を配合した飲食品。
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