JP2011011437A - 液体噴射装置、及び、充填状態切り替え方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び、充填状態切り替え方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充填状態の切り替えが適切に行われる液体噴射装置を実現することにある。
【解決手段】記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を有し、媒体に該記録用液体を噴射するヘッドと、前記記録用液体を収容する記録用液体収容体と、前記防止用液体を収容する防止用液体収容体と、前記防止用液体収容体と前記充填部とが連通した第一連通状態と前記記録用液体収容体と前記充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部と、前記充填部に前記防止用液体が充填された第一充填状態から前記充填部に前記記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から消費させることにより実行するコントローラーと、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体噴射装置、及び、充填状態切り替え方法に関する。
媒体に記録用液体を噴射するヘッドを備える液体噴射装置は既によく知られており、かかる液体噴射装置の一例としてインクジェットプリンターを挙げることができる。
かかる液体噴射装置の中には、記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を備えるヘッドを有するものがある。そして、当該液体噴射装置においては、コントローラーが、充填部に防止用液体が充填された第一充填状態から充填部に記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、以下のようにして実行する。すなわち、防止用液体収容体と充填部とが連通した第一連通状態と記録用液体収容体と充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を充填部から消費させることにより実行する。
特開2008−162023号公報
従来、前記第一充填状態から前記第二充填状態への切り替えが実行される際に、切り替えが適切に行われない場合があった。例えば、防止用液体が残留してしまう問題や切り替えに多くの時間を要してしまうという問題が発生することがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、充填状態の切り替えが適切に行われる液体噴射装置等を実現することにある。
主たる本発明は、記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を有し、媒体に該記録用液体を噴射するヘッドと、
前記記録用液体を収容する記録用液体収容体と、
前記防止用液体を収容する防止用液体収容体と、
前記防止用液体収容体と前記充填部とが連通した第一連通状態と前記記録用液体収容体と前記充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部と、
前記充填部に前記防止用液体が充填された第一充填状態から前記充填部に前記記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、
前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から消費させることにより実行するコントローラーと、
を有する液体噴射装置であって、
前記コントローラーは、
前記液体を前記充填部から消費させる液体消費処理として、第一液体消費処理及び該第一液体消費処理よりも後に実施される第二液体消費処理を行い、かつ、
前記第二液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第二流速が前記第一液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第一流速よりも遅くなるように前記第一液体消費処理及び前記第二液体消費処理を行うことを特徴とする液体噴射装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本実施形態に係るプリンター1のブロック図である。 プリンター1の概略を示す斜視図である。 プリンター1の概略を示す斜視図である。 ヘッド42に形成されたノズル列を示した概念図である。 図5Aは、ヘッド42の充填室70とインクカートリッジ44を示した概念図である。図5Bは、ヘッド42の充填室70を示した概念図である。 インク吸引ユニット32を示した概念図である。 図7Aは、クリア切り替え方法を説明するための説明図である。図7Bは、白切り替え方法を説明するための説明図である。 電源がONされた後に、コントローラー60が白切り替えを実行する例を示したフローチャートである。 電源がOFFされる際に、コントローラー60がクリア切り替えを実行する例を示したフローチャートである。 第二実施形態に係る白切り替え方法を説明するための説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を有し、媒体に該記録用液体を噴射するヘッドと、
前記記録用液体を収容する記録用液体収容体と、
前記防止用液体を収容する防止用液体収容体と、
前記防止用液体収容体と前記充填部とが連通した第一連通状態と前記記録用液体収容体と前記充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部と、
前記充填部に前記防止用液体が充填された第一充填状態から前記充填部に前記記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、
前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から消費させることにより実行するコントローラーと、
を有する液体噴射装置であって、
前記コントローラーは、
前記液体を前記充填部から消費させる液体消費処理として、第一液体消費処理及び該第一液体消費処理よりも後に実施される第二液体消費処理を行い、かつ、
前記第二液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第二流速が前記第一液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第一流速よりも遅くなるように前記第一液体消費処理及び前記第二液体消費処理を行うことを特徴とする液体噴射装置。
かかる場合には、充填状態の切り替えが適切に行われる液体噴射装置が実現される。
また、前記コントローラーは、
前記切り替えを、前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から吸引することにより実行し、
前記第二液体消費処理において前記液体が吸引される際の第二吸引速度を前記第一液体消費処理において前記液体が吸引される際の第一吸引速度よりも小さくすることにより、前記第二流速を前記第一流速よりも遅くすることとしてもよい。
かかる場合には、簡易な方法で第二流速を第一流速よりも遅くすることができる。
また、前記充填部は、前記記録用液体及び前記防止用液体の吐出口であるノズルが複数並ぶことにより形成されたノズル列を備え、
前記コントローラーは、
前記第一液体消費処理として、液体を前記充填部から吸引するインク吸引処理を行い、前記第二液体消費処理として、複数の前記ノズルのうち前記ノズル列の端部に位置するノズルのみを対象としてフラッシングを行う端部フラッシング処理を行うことにより、前記第二流速を前記第一流速よりも遅くすることとしてもよい。
かかる場合には、充填状態の切り替えがより一層適切に行われることとなる。
次に、記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を有し、媒体に該記録用液体を噴射するヘッドと、
前記記録用液体を収容する記録用液体収容体と、
前記防止用液体を収容する防止用液体収容体と、
前記防止用液体収容体と前記充填部とが連通した第一連通状態と前記記録用液体収容体と前記充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部と、を有する液体噴射装置を準備することと、
前記充填部に前記防止用液体が充填された第一充填状態から前記充填部に前記記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、
前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から消費させることにより実行することと、
を有する充填状態切り替え方法であって、
前記切り替えを実行する際に、前記液体を前記充填部から消費させる液体消費処理として、第一液体消費処理及び該第一液体消費処理よりも後に実施される第二液体消費処理を行い、かつ、
前記第二液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第二流速が前記第一液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第一流速よりも遅くなるように前記第一液体消費処理及び前記第二液体消費処理を行うことを特徴とする充填状態切り替え方法。
かかる場合には、充填状態の切り替えが適切に行われる充填状態切り替え方法が実現される。
===本実施形態に係るプリンター1について===
先ず、本実施の形態に係るプリンター1の概略について、図1乃至図6を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)のブロック図である。図2及び図3は、プリンター1の概略を示す斜視図である。図4は、ヘッド42に形成されたノズル列を示した概念図である。図5Aは、ヘッド42の充填室70とインクカートリッジ44を示した概念図である。図5Bは、ヘッド42の充填室70を示した概念図である。図6は、インク吸引ユニット32を示した概念図である。
なお、図2に示すプリンター1と、図3に示すプリンター1とでは、後述するキャリッジ48の位置が異なっている。また、図5A及び図5Bにおいては、図を分かり易くするために、ノズル72、圧力室74、及び、ピエゾ素子78の数が実際の数(360個)より少ない7個であることとして、図が描かれている。また、図6においては、図を分かり易くするために、5つの吸引ポンプ35のうちの一つのみを表している(4つの吸引ポンプ35の記載を省略している)。
プリンター1は、例えばロール紙や大型の印刷用紙(これらが、媒体に相当)に対応しており、図2及び図3に示す例においては、当該プリンター1にロール紙Sが備えられている。プリンター1は、図1に示すように、搬送ユニット20、ヘッドユニット40、インク吸引ユニット32、検出器群50、及び、コントローラー60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データ(印刷指令)を受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット40等)を制御する。例えば、コントローラー60は、コンピュータ110から印刷データ(印刷指令)を受信し、受信した印刷データ(印刷指令)に基づいて、各ユニットを制御し、ロール紙Sに画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、ロール紙Sを搬送方向に搬送するためのものである。この搬送ユニット20は、紙送りモータ31と、紙送りモータ31により駆動されロール紙Sを搬送方向(以下、副走査方向とも呼ぶ)へ送るスマップローラー24と、ロール紙Sをセットするためのロール紙ホルダ27と、ロール紙Sを前記スマップローラー24に押圧するための紙押さえローラー29と、ロール紙Sを支持するプラテン26と、を有している。
ロール紙Sは、ロール紙ホルダ27にセットされる。ロール紙Sは、紙押さえローラー29によりスマップローラー24に押圧され、スマップローラー24が回転することでプラテン26の表面上を搬送方向へ送られる。
ヘッドユニット40は、ロール紙Sに液体の一例としてのインク(インクとは、水性インク及び油性インクの双方を含む概念である。本実施の形態においては、水性インク)を噴射(以下、吐出とも呼ぶ)するためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド42と、該ヘッド42へ供給するためのインクを収容するインクカートリッジ44と、ヘッド42を支持し該ヘッド42を移動方向(以下、主走査方向とも呼ぶ)に移動させるためのキャリッジ48と、キャリッジモータ49と、キャリッジモータ49によって駆動されキャリッジ48を移動させる牽引ベルト46と、キャリッジ48を案内するためのガイドレール47と、を有している。キャリッジ48は、キャリッジモータ49により駆動される牽引ベルト46により牽引されて、ガイドレール47に沿って主走査方向に移動する。そして、キャリッジ48が主走査方向に移動しながらヘッド42がインクを吐出する動作と前述した搬送ユニット20がロール紙Sを送る動作とが繰り返されることにより、ロール紙Sにドットが形成され画像がロール紙Sに印刷される。
ここで、本実施の形態に係るプリンター1においては、通常のモノクロ印刷及びカラー印刷の他に、白色印刷(白インクによる印刷)を実行することが可能となっている。すなわち、プリンター1は、印刷モードとして、白色印刷を行う印刷モード(白インクを使用する印刷モード)、モノクロ印刷を行う印刷モード(白インクを使用しない印刷モード)、カラー印刷を行う印刷モード(白インクを使用しない印刷モード)を備えている。
そして、本実施の形態に係るプリンター1においては、これらの印刷モードの実現のために、白色印刷用の記録用液体の一例としての白インクとモノクロ・カラー印刷用のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが用意されている。
なお、本実施の形態に係る白インクは、例えば、特開2003−313481号公報に記述されているものである。この白インクは、水性顔料インクであり、この白インクに係る特徴的な事項としては、中空樹脂を備えている点を挙げることができる。中空樹脂が液体インク中に存在する場合には、中空部(空洞)は水分で満たされている。そして、インクが吐出され媒体上に置かれると、中空部(空洞)内の水分が蒸発し、中空部(空洞)は空気で満たされるようになる。そして、この中空部(空洞)のサイズは、可視光を有効に(つまり、インクを白く見せるように)散乱させるように設計されており、したがって、当媒体上に置かれたインクにより形成された画像を見た場合には、当該画像が白く見えることとなる。
ヘッド42には、インクが充填される室(以下、便宜上、充填室70と呼ぶ)が5色のインク毎に(色毎に)設けられている。この充填室70は、図5A及び図5Bに示すように、ノズル72、圧力室74、リザーバー76等から構成されている。
ノズル72は、ヘッド42の下面に備えられたインクの吐出口であり、図4に示すように、5色のインク毎に(色毎に)、360個ずつ設けられている。すなわち、本実施の形態においては、白インクが吐出されるノズル、シアンインクが吐出されるノズル、マゼンタインクが吐出されるノズル、イエローインクが吐出されるノズル、ブラックインクが吐出されるノズルが、それぞれ360個(合計で、360×5=1800個)備えられている。そして、それぞれの360個のノズルは、副走査方向に沿って列状に並んでおり、ホワイトノズル列W、シアンノズル列C、マゼンタノズル列M、イエローノズル列Y、ブラックノズル列Kを形成している。
圧力室74は、図5A及び図5Bに示すように、ノズル72と連通した室である。この圧力室74と隣接する位置には、インクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子78)が設けられている。そして、印刷が行われる際には、ピエゾ素子78が、ユニット制御回路64から出力される駆動信号に含まれる駆動パルスに基づいて伸縮動作を行う。すると、当該伸縮動作により、圧力室74の容量が変化して、ノズル72からインクが吐出されるようになっている。
圧力室74は(ピエゾ素子78も)、ノズル72毎に設けられている。そのため、本実施の形態に係る圧力室74としては、白インク用圧力室、シアンインク用圧力室、マゼンタインク用圧力室、イエローインク用圧力室、ブラックインク用圧力室が、それぞれ360個(合計で、360×5=1800個)備えられている。なお、前述したとおり、図5A及び図5Bにおいては、ノズル72、圧力室74、及び、ピエゾ素子78の数が実際の数(360個)より少ない7個であることとして、図が描かれているが、図5Aには、左から順に、白インクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、シアンインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、マゼンタインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、イエローインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、ブラックインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78が、表されている。また、図5Bには、左から順に、白インクが吐出される#1、#2、#3・・・、#7番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78が、表されている。
リザーバー76は、図5A及び図5Bに示すように、圧力室74と供給路75を介して連通した室である。このリザーバー76は、インクを貯留するためのものであり、5色のインク毎に(色毎に)1つずつ設けられている。すなわち、本実施の形態においては、白インク用リザーバー、シアンインク用リザーバー、マゼンタインク用リザーバー、イエローインク用リザーバー、ブラックインク用リザーバーが備えられており、各々のリザーバー76は360個の圧力室74と連通している。なお、図5Aには、左から順に、白インク用リザーバー、シアンインク用リザーバー、マゼンタインク用リザーバー、イエローインク用リザーバー、ブラックインク用リザーバーが表されているが、図5Bには、白インク用リザーバーのみが表されている。
このように、ヘッド42には、5色のインク毎に(色毎に)、1つのリザーバー76と360個の圧力室74と360個のノズル72を備える充填室70が設けられている。すなわち、本実施の形態においては、白インクが充填される充填部の一例としての白インク充填室70a、シアンインクが充填されるシアンインク充填室、マゼンタインクが充填されるマゼンタインク充填室、イエローインクが充填されるイエローインク充填室、ブラックインクが充填されるブラックインク充填室が備えられている。
そして、図5Aに示すように、ヘッド42(より具体的には、ヘッド42の充填室70のリザーバー76)には、インクカートリッジ44が着脱可能に連結されており、インクカートリッジ44内のインクが充填室70に流入する(供給される)ことにより、充填室70が充填されるようになっている。ここで、図5Aからも明らかなように、シアンインク充填室、マゼンタインク充填室、イエローインク充填室、ブラックインク充填室の各々には、一つのインクカートリッジ44のみ(すなわち、シアンインク用インクカートリッジ、マゼンタインク用インクカートリッジ、イエローインク用インクカートリッジ、ブラックインク用インクカートリッジ)が連結されているのに対し、白インク充填室70aには、二つのインクカートリッジ44が連結されている。
すなわち、本実施の形態においては、白インク充填室70aに、白インクとヘッド42における目詰まりを防止するための防止用液体(本実施の形態においてはクリアインク)とが充填できるようになっている。つまり、本実施の形態に係るプリンター1においては、白インクとクリアインクとが選択的に充填されるヘッド42(具体的には、充填室70)が実現されている。そして、このために、白インク充填室70aには、二つのインクカートリッジ44、すなわち、白インクが収容された記録用液体収容体の一例としての白インク用インクカートリッジ44a及びクリアインクが収容された防止用液体収容体の一例としてのクリアインク用インクカートリッジ44bが、クリアインク用インクカートリッジ44bと白インク充填室70aとが連通した第一連通状態と白インク用インクカートリッジ44aと白インク充填室70aとが連通した第二連通状態とを選択するための選択部の一例としての切り替えスイッチ80を介して連結されている。切り替えスイッチ80により第二連通状態が選択された際には、白インク充填室70aに白インクが充填され、第一連通状態が選択された際には、白インク充填室70aにクリアインクが充填されるようになっている。
なお、白インク及びクリアインクの選択的な充填の目的、白インクからクリアインク(クリアインクから白インク)への具体的な切り替え方法や切り替えタイミング例については、後に詳述する。
インク吸引ユニット32は、インクを吸引するためのものである。このインク吸引ユニット32は、図2及び図3に示すように、キャリッジ48が主走査方向端部のホームポジションに位置する際に、ヘッド42が対向する位置に設けられている。そして、インク吸引ユニット32は、ヘッド42の吐出不良を解消するためのクリーニング処理や、白インクからクリアインク(クリアインクから白インク)への切り替え処理(切り替え処理の詳細については、後述)の際に、インクを吸引する。インク吸引ユニット32は、図6に示すように、ヘッドキャップ33とホース34と吸引ポンプ35とを備えている。
ヘッドキャップ33においては、その内部空間が5つの吸引室33aに区画されている。そして、ヘッドキャップ33が上昇すると、ヘッドキャップ33はヘッド42の下面に密着し、このとき、5つの吸引室33aの各々は前述した5つのノズル列のうちの対応するノズル列を覆う閉塞空間を形成する。すなわち、ヘッドキャップ33は、上昇することにより、ヘッド42の下面(ノズル面)を封止するようになっている。
吸引ポンプ35は、その周縁部近傍に2つの小ローラー35aを有しており、これら2つの小ローラー35aの周囲には、ホース34が巻回されている。そして、不図示のDCモータに駆動されて吸引ポンプ35が矢印方向に回転すると、小ローラー35aによってホース34内の空気が押され、これによってヘッドキャップ33内の閉塞空間において排気がなされるようになっている。そして、当該閉塞空間において排気が成されると、当該閉塞空間が負圧となり、ヘッド42の充填室70(ノズル72)からインクが吸引されることとなる。吸引されたインクはホース34を介して不図示の廃インク排出部に排出される。
なお、前記ヘッドキャップ33は、吸引ポンプ35が作動することなく、以下の機能を発揮する。すなわち、プリンター1が印刷を行わないときには(そして、キャリッジ48がホームポジションに位置しているときには)、ヘッドキャップ33は上昇してヘッド42の下面に密着する。そして、このことにより、ノズル72からのインクの蒸発(換言すれば、インクの乾燥)を抑制する。すなわち、ヘッドキャップ33は、印刷休止中にヘッド42の下面(ノズル面)を封止して、インクの蒸発を抑制する蓋体としての機能を発揮する。
また、図3に示すように、主走査方向においてインク吸引ユニット32と隣り合う位置(インク吸引ユニット32よりも内側に位置する位置)には、フラッシングボックス37が設けられている。液体噴射装置(プリンター1)においては、印刷処理の実行中(すなわち、コントローラー60が印刷指令を受けてからプリンター1が待機状態へ移行するまでの間)であって、ヘッド42が画像の印刷のためにインクを吐出する動作を実行していないときに、フラッシングが全てのノズル72(当該画像の印刷のために使われないノズル72も含まれる)を対象として実施される。フラッシングが行われる際には、ヘッド42が前記フラッシングボックス37と対向する位置にキャリッジ48が移動する。そして、この位置にて、前述したピエゾ素子78が、ユニット制御回路64から出力される駆動信号(この駆動信号は、フラッシング用の駆動信号であり、印刷用の駆動信号とは異なる)に含まれる駆動パルスに基づいて伸縮動作を行うと、圧力室74の容量が変化して、ノズル72からインクがフラッシングボックス37に向けて吐出される。フラッシングボックス37に向けて吐出されたインクは不図示の廃インク排出部に排出される。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、揮発性のメモリであるRAM、不揮発性のメモリであるEEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
===白インク及びクリアインクの選択的な充填について===
上述したとおり、本実施の形態においては、充填室70(白インク充填室70a)に、白インクだけでなくクリアインクも充填することができるようになっている。本項では、かかる事項につき、先ず、その目的について説明する。そして、その後に、白インクからクリアインクへの、及び、クリアインクから白インクへの、具体的な切り替え方法について説明し、これに引き続いて、白インクからクリアインクへの、及び、クリアインクから白インクへの、切り替えタイミングの例について説明する。
<<<白インク及びクリアインクの選択的な充填の目的について>>>
ここでは、白インクとクリアインクとを白インク充填室70aに選択的に充填させるようにした目的について説明する。
当該目的は、ヘッド42(白インク充填室70a)における目詰まりを防止することである。すなわち、白インクとクリアインクとを比較した場合に、当然のことながら、白インクの方が前記目詰まりを生じさせ易いインクであり、したがって、白インクが白インク充填室70aに充填された状態で長い間放置された場合には、白インクの増粘等が促進されて、ヘッド42(特に、ノズル72)において目詰まりが発生してしまう。そして、このことに鑑みて、本実施の形態においては、電源がOFFされているときに、クリアインクを白インク充填室70aに充填させるようにしている(詳細については、後述)。
<<<インクの切り替え方法について>>>
ここでは、白インクからクリアインクへの切り替え方法(正確には、ヘッド42に白インクが充填された第二充填状態(以下、便宜上、白充填状態とも呼ぶ)からヘッドにクリアインクが充填された第一充填状態(以下、便宜上、クリア充填状態とも呼ぶ)への第一切り替え(以下、便宜上、クリア切り替えとも呼ぶ)方法)及びクリアインクから白インクへの切り替え方法(正確には、クリア充填状態から白充填状態への第二切り替え(以下、便宜上、白切り替えとも呼ぶ)方法)について、図7A及び図7Bを用いて説明する。図7Aは、クリア切り替え方法を説明するための説明図である。図7Bは、白切り替え方法を説明するための説明図である。
クリア切り替え方法の実行の際には、先ず、コントローラー60が、ヘッドユニット40を制御して、前述した切り替えスイッチ80の切り替えを行う。すなわち、コントローラー60は、当該切り替えスイッチ80を操作して、白インク充填室70aと白インク用インクカートリッジ44aとが連通した前記第二連通状態(以下、便宜上、白連通状態とも呼ぶ)から白インク充填室70aとクリアインク用インクカートリッジ44bとが連通した前記第一連通状態(以下、便宜上、クリア連通状態とも呼ぶ)へと移行させる(ステップS2)。
次に、コントローラー60は、クリア連通状態において、インクを白インク充填室70aから消費させる(インクを白インク充填室70aから消費させる液体消費処理の一例としてのインク消費処理を行う。ステップS4)。より具体的には、コントローラー60は、当該インク消費処理として、インク吸引ユニット32(前述したDCモータ等)を制御して、インクの吸引を実行する。このことにより、白インク充填室70aに充填されていた白インクが廃インク排出部に排出され、白インクと置き換わるように、クリアインク用インクカートリッジ44bからクリアインクが白インク充填室70aに充填される。
また、白切り替え方法の実行の際にも、先ず、コントローラー60が、ヘッドユニット40を制御して、前述した切り替えスイッチ80の切り替えを行う。すなわち、コントローラー60は、当該切り替えスイッチ80を操作して、クリア連通状態から白連通状態へと移行させる(ステップS12)。
次に、コントローラー60は、白連通状態において、インクをヘッド42から消費させる(インク消費処理を行う)が、本白切り替えの際には、前述したクリア切り替えのときとは異なり、当該インク消費処理として二段階の処理を行う。すなわち、クリア切り替えの際には、インク消費処理として一つのインク消費処理(ステップS4)しか行われないが、白切り替えの際には、第一インク消費処理(ステップS14)及び該第一インク消費処理よりも後に実施される第二インク消費処理(ステップS16)が行われる。
ここで、第一インク消費処理と第二インク消費処理との相違について説明する。コントローラー60は、双方のインク消費処理においてインクが消費される際の流路(すなわち、切り替えスイッチ80からノズル72開口までのインクが通る通り道)におけるインクの流速が互いに異なるように、当該双方のインク消費処理を行う。より具体的には、第二インク消費処理においてインクが消費される際のインクの第二流速が第一インク消費処理においてインクが消費される際のインクの第一流速よりも遅くなるように、第一インク消費処理及び第二インク消費処理を行う。
なお、本実施の形態においては、双方の流速を互いに異ならせるために、コントローラー60が、インクが吸引される際の吸引速度(単位時間あたりのインク吸引量)を二段階に制御する。すなわち、コントローラー60は、第二インク消費処理においてインクが吸引される際の第二吸引速度を第一インク消費処理においてインクが吸引される際の第一吸引速度よりも小さくすることにより、前記第二流速を前記第一流速よりも遅くする。
つまり、コントローラー60は、先ず、インク消費処理として第一インク消費処理を行うが、かかる際には、インク吸引速度がより大きい速度である前記第一吸引速度v1となるようにインク吸引ユニット32のDCモータを制御する(例えば、DCモータの電圧をより高い電圧であるV1に設定して、DCモータの回転速度をより大きい回転速度とする。ステップS14)。そして、このことにより、インクがその流速がより速い状態で前記流路を流れて白インク充填室70aから消費される(吸引される)。
暫く第一インク消費処理が実行された後に、コントローラー60は、第二インク消費処理に切り替える。つまり、かかる際に、コントローラー60は、インク吸引速度がより小さい速度である前記第二吸引速度v2となるようにインク吸引ユニット32のDCモータを制御する(例えば、DCモータの電圧をより低い電圧であるV2に設定して、DCモータの回転速度をより小さい回転速度とする。ステップS16)。そして、このことにより、インクがその流速がより遅い状態で前記流路を流れて白インク充填室70aから消費される(吸引される)。
そして、第一インク消費処理及び第二インク消費処理の結果、白インク充填室70aに充填されていたクリアインクが廃インク排出部に排出され、クリアインクと置き換わるように、白インク用インクカートリッジ44aから白インクが白インク充填室70aに充填される。
なお、前述したとおり、クリア切り替えの際には、インク消費処理として一つのインク消費処理しか行われないが、当該インク消費処理は、本実施の形態においては、第一インク消費処理相当の処理(流速をより速くするためのインク消費処理)となっている。すなわち、クリア切り替えの際の当該インク消費処理において、コントローラー60は、インク吸引速度がより大きい速度である前記第一吸引速度v1となるようにインク吸引ユニット32のDCモータを制御する(例えば、DCモータの電圧をより高い電圧であるV1に設定して、DCモータの回転速度をより大きい回転速度とする。ステップS4)。
また、白切り替えの際に、クリア切り替えのときとは異なり、インク消費処理として前述の二段階の処理を行う理由については、後述する。
<<<インクの切り替えタイミングについて>>>
次に、クリア切り替え及び白切り替えの切り替えタイミングの例について説明する。上述したとおり、本実施の形態においては、電源がOFFされているときに、白インク充填室70aの状態をクリア充填状態とする。そのため、概略としては、電源がOFFされると、コントローラー60が、クリア切り替えを実行し、電源ONされた後に、コントローラー60が、白切り替えを実行する(白充填状態に戻す)。
以下では、上記について、図8及び図9を用いて、より詳しく説明する。図8は、電源がONされた後に、コントローラー60が白切り替えを実行する例を示したフローチャートである。図9は、電源がOFFされる際に、コントローラー60がクリア切り替えを実行する例を示したフローチャートである。
なお、本切り替えが実行されるときのプリンター1の各種動作は、主としてコントローラー60により実現される。特に、本実施の形態においては、メモリ63に格納されたプログラムをCPU62が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行うためのコードから構成されている。
先ず、電源がONされた後に、コントローラー60が白切り替えを実行する例について説明する。図8のフローチャートは、電源がユーザによりONされることから始まる(ステップS2)。なお、前述したとおり、本実施の形態においては、電源がOFFされているときにクリアインクが白インク充填室70aに充填されている(前記クリア充填状態となっている)。そして、電源がONされる際には、白切り替えは実行されず、当該クリア充填状態が維持される。
電源がONされるとプリンター1は印刷を待機している待機状態となるが(ステップS4:N)、かかる状態においても、白切り替えは実行されず、クリア充填状態が維持される。
そして、暫くすると、プリンター1(コントローラー60)はコンピュータ110から印刷指令を受信する(ステップS4:Y)。そして、この電源ON後の最初の印刷指令の受信の際に、コントローラー60は、当該印刷指令が白インクを使用する印刷モード(すなわち、白色印刷を行う印刷モード。以下、白使用モードと省略する)及び白インクを使用しない印刷モード(すなわち、モノクロ印刷やカラー印刷を行う印刷モード。以下、白不使用モードと省略する)のうちのどちらを示しているかをチェックする(ステップS6)。そして、当該印刷指令が白使用モードを示していた場合には(ステップS6:Y)、コントローラー60は白切り替えを実行し(ステップS8)、当該印刷指令が白不使用モードを示していた場合には(ステップS6:N)、コントローラー60は白切り替えを実行することなくクリア充填状態を維持させる。
また、電源ON後の最初の印刷指令の受信の際に、印刷モードの前記チェックが行われて白切り替えが実行されなかった場合には(ステップS6:N)、電源がONされた後二度目以降の印刷指令が使用されて白使用モードがチェックされるまで(ステップS6:Y)、コントローラー60は白切り替えを実行することなくクリア充填状態を維持させる。すなわち、コントローラー60は、クリア充填状態が維持されている状態で、電源がONされた後二度目以降の印刷指令を受信した際にも(ステップS4:Y)、印刷モードの前記チェックを行う(ステップS6)。そして、コントローラー60は、該二度目以降の印刷指令が白使用モードを示している場合には(ステップS6:Y)、白切り替えを実行するが(ステップS8)、該二度目以降の印刷指令が白不使用モードを示している場合には(ステップS6:N)、白切り替えを実行することなくクリア充填状態を維持させる。
次に、電源がOFFされる際に、コントローラー60がクリア切り替えを実行する例について説明する。図9のフローチャートは、電源がユーザによりOFFされることから始まる(ステップS12)。なお、前述したとおり(また、図8に示されるように)、電源がONされている際(電力がプリンター1に供給されている間)には、白インク充填室70aの状態は、クリア充填状態と白充填状態の双方を取り得る。そのため、電源がOFFされる直前においては、クリア充填状態と白充填状態の双方の可能性がある。
コントローラー60は、電源OFF指令を受信すると、白インク充填室70aの状態がクリア充填状態及び白充填状態のいずれであるかをチェックする(ステップS14。例えば、クリア切り替え及び白切り替えの履歴をメモリ63に記憶するようにすれば、履歴がメモリ63から参照されることにより、このチェックが実現可能となる)。そして、クリア充填状態である場合には(ステップS14:N)、コントローラー60は何も行わないが、白充填状態である場合には(ステップS14:Y)、クリア切り替えを実行する(ステップS16)。
===本実施の形態に係るプリンター1の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係るコントローラー60は、切り替えスイッチ80を操作してクリア連通状態から白連通状態へと移行させた後にインクを白インク充填室70aから消費させる(インク消費処理を行う)ことにより白切り替えを実行する。そして、かかる際に、インク消費処理として二段階の処理、すなわち、第一インク消費処理及び該第一インク消費処理よりも後に実施される第二インク消費処理を行い、かつ、第二インク消費処理においてインクが消費される際のインクの第二流速が第一インク消費処理においてインクが消費される際のインクの第一流速よりも遅くなるように第一インク消費処理及び第二インク消費処理を行う。そして、このことにより、充填状態の切り替えが適切に行われる。
従来例(比較例)においては、白切り替えの際に、インク消費処理として前述した二段階の処理を行うようなことはなかった。すなわち、白切り替えの際には、クリア切り替えのときと同様に、インク消費処理として一つのインク消費処理のみが行われていた。
これに対し、本実施の形態においては、次の事項(流体の性質)に着目して、インク消費処理として前述した二段階の処理を行うこととした。
すなわち、インク消費処理の際に、インクがその流速が速い状態で前記流路を流れるように制御すると、白切り替えを短時間で終了させることができるが、前記流路における端部側と中央部側(例えば、前記流路が管状である場合には、端部側は管内の内壁に近い側であり、中央部側は当該内壁から遠い真ん中周辺側である)でのインク流量の差が多くなる。つまり、当該中央部側においてはインクが良く流れるが、当該端部側においてはインクがあまり流れずに滞留する現象が発生する。その一方で、インクがその流速が遅い状態で前記流路を流れるように制御すると、前記インク流量の差を小さくする(端部側及び中央部側の双方において、満遍なくインクを流す)ことができ、端部側において前記滞留が起こらないようにすることが可能となるが、白切り替えを終了させるのに多くの時間を要してしまうこととなる。
つまり、従来例(比較例)においては、インク消費処理として一つのインク消費処理のみしか行われていなかったので、白切り替えを短時間で終了させるべくインク消費処理をインクの流速を速くする処理とした場合には、白切り替えを行っても前記端部側においてクリアインクが残留してしまうという問題(以下、第一問題)が生じていた。また、クリアインクの一掃(非残留)を目指すべくインク消費処理をインクの流速を遅くする処理とした場合には、白切り替えを終了させるのに多くの時間を要してしまうという問題(以下、第二問題)が生じていた。
この点に鑑みて、本実施の形態においては、先ず、白インク充填室70aにおいてクリアインクを白インクに素早く(高速に)置き換えるために、コントローラー60が、インクの流速がより速い第一インク消費処理を行う。そして、クリアインクが白インクにほぼ置き換わったところで、仕上げとして、前記端部側において残留しているクリアインクを確実に白インク充填室70aから排出すべく、コントローラー60が、インクの流速がより遅い第二インク消費処理を行う。そして、このような二段階の処理により、前記第一及び第二問題が生ずることなく、充填状態の切り替えが適切に行われることとなる。
なお、本実施の形態において、白切り替えの際にはインク消費処理として前述した二段階の処理を行うのに、クリア切り替えの際には一つのインク消費処理(特に、第一インク消費処理相当の処理(流速をより速くするためのインク消費処理))のみしか行わない理由については、以下の通りである。
すなわち、白切り替えをする目的は白色印刷を行うためであり、したがって、白色印刷により得られる画像の画質の劣化を防止することを考慮すると白切り替えの際にはクリアインクを白インクに確実に(完全に)切り替える必要がある(すなわち、白切り替え後にクリアインクが残留していることは画質の点から好ましくない)。そのため、前記第一問題を生じさせない前述した二段階の処理が有効となる。
その一方で、クリア切り替えをする目的はヘッドにおける目詰まりを防止するためであり、したがって、クリア切り替えの際には白インクをクリアインクに確実に(完全に)切り替える必要性は必ずしもない(多少、白インクが残留していても、クリアインクによる目詰まり防止機能は十分に発揮される)。そのため、本実施の形態においては、クリア切り替えを短時間で終了させることをより重視して、クリア切り替えの際には、前述した二段階の処理を行わず、第一インク消費処理相当の処理(流速をより速くするためのインク消費処理)のみを行うこととしている。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、主として液体噴射装置について記載されているが、充填状態切り替え方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
また、上記実施の形態においては、液体噴射装置をインクジェットプリンターに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体(液体以外にも、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体を含む)を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態においては、防止用液体としてクリアインクを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ライトシアンインクやライトマゼンタインクなどであってもよい。また、記録用液体として白インクを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、他の色のインクであってもよい。
また、上記実施の形態においては、コントローラー60が、白切り替えを、切り替えスイッチ80を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後にインクを白インク充填室70aから吸引することにより実行し、第一インク消費処理においてインクが吸引される際の第二吸引速度を第一インク消費処理においてインクが吸引される際の第一吸引速度よりも小さくすることにより、第二インク消費処理の際の前記第二流速を第一インク消費処理の際の前記第一流速よりも遅くすることとしたが、第二流速を第一流速よりも遅くする方策はこの方策に限定されるものではなく(ただし、この方策は、インク吸引のみを用いて、簡易な方法で第二流速を第一流速よりも遅くすることができる点で優位性を有する)、他の例も考えられる。
例えば、第一インク消費処理としては、上記実施の形態の第一インク消費処理と同様、インク吸引速度が第一吸引速度v1となるように(DCモータの電圧をV1に設定して)インクの吸引を行うが、第二インク消費処理としては、インクの吸引に代えて前述したフラッシングを行うようにしてもよい。特に、複数のノズル72のうちホワイトノズル列Wの端部に位置するノズル72のみを対象としてフラッシング(以下、端部フラッシングと呼ぶ)を行うようにすれば、フラッシングの対象となるノズル72の数が減ることとなるため、第二インク消費処理の際の前記第二流速を第一インク消費処理の際の前記第一流速よりも遅くすることができる。
以下、かかる例(第二実施形態とする)について、図10を参照しつつ詳細な説明を加える。図10は、図7Bに対応した図であり、第二実施形態に係る白切り替え方法を説明するための説明図である。
第二実施形態においては、コントローラー60が、先ず、インク消費処理として第一インク消費処理を行うが、かかる際には、インク吸引処理が行われる(ステップS14)。コントローラー60は、インク吸引速度が前記第一吸引速度v1となるようにインク吸引ユニット32のDCモータを制御する(例えば、DCモータの電圧を前記V1に設定する)。そして、このことにより、インクがその流速がより速い状態で前記流路を流れて白インク充填室70aから消費される(吸引される)。
暫く第一インク消費処理が実行された後に、コントローラー60は、第二インク消費処理に切り替えるが、かかる際には、端部フラッシングが行われる(ステップS16)。すなわち、コントローラー60は、複数のノズル72のうちホワイトノズル列Wの端部に位置するノズル72のみを対象としてフラッシングを行う端部フラッシング処理を行う。本実施の形態においては、当該端部フラッシング処理として複数のノズル72(#1番〜#360番ノズル)のうち#1〜#24、#337番〜#360番ノズル(つまり、両端部に位置するノズル72)のみを対象としてフラッシングを行う。本実施の形態に係る端部フラッシングが行われる際には、#1〜#24、#337番〜#360番ノズルに対応するピエゾ素子78が、ユニット制御回路64から出力される駆動信号に含まれる駆動パルスに基づいて伸縮動作を行う。そして、#1〜#24、#337番〜#360番ノズルに対応する圧力室74の容量が変化して、#1〜#24、#337番〜#360番ノズルからインクがフラッシングボックス37に向けて吐出される。そして、このことにより、インクがその流速がより遅い状態で前記流路を流れて白インク充填室70aから消費される(吸引される)。
そして、第一インク消費処理及び第二インク消費処理の結果、白インク充填室70aに充填されていたクリアインクが廃インク排出部に排出され、クリアインクと置き換わるように、白インク用インクカートリッジ44aから白インクが白インク充填室70aに充填される。
第二実施形態においても、上述した二段階の処理により、前記第一問題(白切り替えを行っても前記端部側においてクリアインクが残留してしまうという問題)及び前記第二問題(白切り替えを終了させるのに多くの時間を要してしまうという問題)が生ずることなく、充填状態の切り替えが適切に行われることとなる。また、第二実施形態においては、複数のノズル72のうちホワイトノズル列Wの端部に位置するノズル72のみを対象としてフラッシングが行われるため、前記端部側(特に、リザーバー76における端部側であって、例えば、図5Bに示した部位E)におけるインクの流れが良くなる。そのため、前記第一問題をより確実に生じさせないようにすることが可能となり、充填状態の切り替えがより一層適切に行われることとなる。
なお、当該第二実施形態においては、第一インク消費処理として、インク吸引処理が行われることしたが、これに限定されるものではなく、例えば、当該インク吸引処理に代えてフラッシング処理(端部ノズルだけではなくホワイトノズル列Wの全ノズルを対象としたフラッシング処理)を行うような例であってもよい。
1 プリンター、20 搬送ユニット、24 スマップローラー、26 プラテン、27 ロール紙ホルダ、29 紙押さえローラー、31 紙送りモータ、32 インク吸引ユニット、33 ヘッドキャップ、33a 吸引室、34 ホース、35 吸引ポンプ、35a 小ローラー、37 フラッシングボックス、40 ヘッドユニット、42 ヘッド、44 インクカートリッジ、44a 白インク用インクカートリッジ、44b クリアインク用インクカートリッジ、46 牽引ベルト、47 ガイドレール、48 キャリッジ、49 キャリッジモータ、50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、70 充填室、70a 白インク充填室、72 ノズル、74 圧力室、75 供給路、76 リザーバー、78 ピエゾ素子、80 切り替えスイッチ、110 コンピュータ、S ロール紙

Claims (4)

  1. 記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を有し、媒体に該記録用液体を噴射するヘッドと、
    前記記録用液体を収容する記録用液体収容体と、
    前記防止用液体を収容する防止用液体収容体と、
    前記防止用液体収容体と前記充填部とが連通した第一連通状態と前記記録用液体収容体と前記充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部と、
    前記充填部に前記防止用液体が充填された第一充填状態から前記充填部に前記記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、
    前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から消費させることにより実行するコントローラーと、
    を有する液体噴射装置であって、
    前記コントローラーは、
    前記液体を前記充填部から消費させる液体消費処理として、第一液体消費処理及び該第一液体消費処理よりも後に実施される第二液体消費処理を行い、かつ、
    前記第二液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第二流速が前記第一液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第一流速よりも遅くなるように前記第一液体消費処理及び前記第二液体消費処理を行うことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記コントローラーは、
    前記切り替えを、前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から吸引することにより実行し、
    前記第二液体消費処理において前記液体が吸引される際の第二吸引速度を前記第一液体消費処理において前記液体が吸引される際の第一吸引速度よりも小さくすることにより、前記第二流速を前記第一流速よりも遅くすることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記充填部は、前記記録用液体及び前記防止用液体の吐出口であるノズルが複数並ぶことにより形成されたノズル列を備え、
    前記コントローラーは、
    前記第一液体消費処理として、液体を前記充填部から吸引するインク吸引処理を行い、前記第二液体消費処理として、複数の前記ノズルのうち前記ノズル列の端部に位置するノズルのみを対象としてフラッシングを行う端部フラッシング処理を行うことにより、前記第二流速を前記第一流速よりも遅くすることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 記録用液体と目詰まりを防止するための防止用液体とが充填可能な充填部を有し、媒体に該記録用液体を噴射するヘッドと、
    前記記録用液体を収容する記録用液体収容体と、
    前記防止用液体を収容する防止用液体収容体と、
    前記防止用液体収容体と前記充填部とが連通した第一連通状態と前記記録用液体収容体と前記充填部とが連通した第二連通状態とを選択するための選択部と、を有する液体噴射装置を準備することと、
    前記充填部に前記防止用液体が充填された第一充填状態から前記充填部に前記記録用液体が充填された第二充填状態への切り替えを、
    前記選択部を操作して前記第一連通状態から前記第二連通状態へと移行させた後に液体を前記充填部から消費させることにより実行することと、
    を有する充填状態切り替え方法であって、
    前記切り替えを実行する際に、前記液体を前記充填部から消費させる液体消費処理として、第一液体消費処理及び該第一液体消費処理よりも後に実施される第二液体消費処理を行い、かつ、
    前記第二液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第二流速が前記第一液体消費処理において前記液体が消費される際の該液体の第一流速よりも遅くなるように前記第一液体消費処理及び前記第二液体消費処理を行うことを特徴とする充填状態切り替え方法。
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