JP2011009202A - ナトリウム二次電池の製造方法およびナトリウム二次電池 - Google Patents

ナトリウム二次電池の製造方法およびナトリウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量で、かつサイクル特性に優れるナトリウム二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる正極、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極およびセパレータを積層して、または積層、巻回して得られる電極群と、電解質とを電池ケースに収容した後に、電池ケースを封口するナトリウム二次電池の製造方法であって、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極が、ナトリウム源材料を用いることによりナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である。
【選択図】なし

Description

本発明はナトリウム二次電池の製造方法に関する。
正極にLiMO2(MはCo,Mn,Ni等の遷移金属)等の酸化物を用い、負極に炭素材料やリチウムの低電位化合物等を用いたいわゆるリチウム二次電池は、携帯機器用電源として広く用いられている。しかしながら、リチウム二次電池は、高価で希少なリチウムを多く使用することから、大型電池としての普及に難がある。
一方、電極活物質にナトリウムを用いるナトリウム二次電池の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。ナトリウム二次電池は、高価なリチウムに代えて安価なナトリウムを使用することから、リチウム二次電池と比較して材料コストを低減させることが期待される。
特開2005−317511号公報
従来のナトリウム二次電池においては、リチウム二次電池のような実用に値する二次電池性能が得られておらず、未だ改良の余地がある。本発明の目的は、従来に比し、高い放電容量と、良好なサイクル特性を示すことのできるナトリウム二次電池を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、種々の検討を重ね、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる正極、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極およびセパレータを積層して、または積層、巻回して得られる電極群と、電解質とを電池ケースに収容した後に、電池ケースを封口するナトリウム二次電池の製造方法であって、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極が、ナトリウム源材料を用いることによりナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であるナトリウム二次電池の製造方法。
<2> ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極に、ナトリウム源材料を電気的に接続し、該ナトリウム源材料と電解質とを接触させることにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である前記<1>記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<3> 前記少なくとも一方の電極とナトリウム源材料との間に外部電圧を印加することにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた前記<2>記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<4> 前記ナトリウム源材料がナトリウム金属である前記<1>から<3>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<5> ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極に、ナトリウム金属を溶解した液体を接触させることにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である前記<1>記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<6> ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極を、ナトリウム金属を用いて得られるナトリウム蒸気雰囲気下におくことにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である前記<1>記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<7> ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、少なくとも負極である前記<1>から<6>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<8> ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、正極および負極であり、正極における予備ドープ手段と負極における予備ドープ手段とが異なる前記<1>から<7>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<9> 電解質を収容した後、電池ケースの封口前に、充電を行う前記<1>から<8>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<10> 電解質が非水電解液であり、該電解液を収容した後、電池ケースの封口前において、20〜80℃でエージングを行う前記<1>から<9>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<11> 電解質が非水電解液であり、該電解液を収容した後、電池ケースの封口前において、放電を行う前記<1>から<10>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<12> 電解質が非水電解液であり、該電解液の収容を2回以上に分割して行う前記<1>から<11>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<13> 電池ケースが封口されるまでに、1回以上の雰囲気ガス加圧および/または減圧を行う前記<1>から<12>のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の製造方法で製造されたナトリウム二次電池。
本発明によれば、従来に比し、放電容量、サイクル特性が大幅に向上した実用に値するナトリウム二次電池を得ることができる。また、大型電池への適用も可能であり、本発明は、極めて実用性に富む。
本発明は、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる正極、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極およびセパレータを積層して、または積層、巻回して得られる電極群と、電解質とを電池ケースに収容した後に、電池ケースを封口するナトリウム二次電池の製造方法であって、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極が、ナトリウム源材料を用いることによりナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であるナトリウム二次電池の製造方法に係るものである。本発明において、ナトリウム源材料を用いることにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極には、ナトリウムがイオン状態または金属状態で保持されている。
以下、本発明のナトリウム二次電池の製造方法に係る正極、負極、電解質、セパレータおよび電池ケースについて説明する。
(1)正極
正極は、正極活物質、結合剤および導電剤等を含む正極合剤が、正極集電体に担持されているものであり、通常、シート状である。より、具体的には、正極活物質、結合剤および導電剤等に溶剤を添加してなる正極合剤を、正極集電体に、ドクターブレード法などで塗工または浸漬し、乾燥する方法、正極活物質、結合剤および導電剤等に溶剤を添加して混練、成形し、乾燥して得たシートを正極集電体表面に導電性接着剤等を介して接合した後にプレス、乾燥する方法、正極活物質、結合剤、導電剤および液状潤滑剤等からなる混合物を正極集電体上に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸または多軸方向に延伸処理する方法などが挙げられる。正極がシート状である場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。
前記正極活物質としては、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる正極材料を用いることができる。得られるナトリウム二次電池のサイクル性の観点では、該材料としては、ナトリウム無機化合物を用いることが好ましい。ナトリウム無機化合物としては、次の化合物を挙げることができる。
すなわち、Nax1yで表される酸化物(M1は1種以上の遷移金属元素、0.4<x<2、1.9<y<2.1);
Na6Fe2Si1230およびNa2Fe5Si1230等のNab2 cSi1230で表される酸化物(M2は1種以上の遷移金属元素、2≦b≦6、2≦c≦5);
Na2Fe2Si618およびNa2MnFeSi618等のNad3 eSi618で表される酸化物(M3は1種以上の遷移金属元素、3≦d≦6、1≦e≦2);
Na2FeSiO6等のNaf4 gSi26で表される酸化物(M4は遷移金属元素、MgおよびAlからなる群より選ばれる1種以上の元素、1≦f≦2、1≦g≦2);
NaFePO4、NaMnPO4、NaNiPO4等のNaM6 aPO4で表されるリン酸塩(M6は1種以上の遷移金属元素);
Na3Fe2(PO43等のリン酸塩;NaFeBO4、Na3Fe2(BO43等のホウ酸塩;Na3FeF6およびNa2MnF6等のNah56で表されるフッ化物(M5は1種以上の遷移金属元素、2≦h≦3);
等が挙げられる。
この中でも、好ましくは、Nax1y(M1は1種以上の遷移金属元素、0.4<x<2、1.9<y<2.1)で表される酸化物である。その好適な具体例としては、層状構造を有するNaFeO2、NaMnO2、NaNiO2およびNaCoO2並びにNaFe1-p-qMnpNiq2(0≦p+q≦1,0≦p≦1,0≦q≦1)等のNaM12で表される酸化物(0≦a<1);トンネル構造を有するNa0.44Mn1-a1 a2で表される酸化物(0≦a<1);準層状構造を有するNa0.7Mn1-a1 a2.05(0≦a<1)で表される酸化物が挙げられる。
また、前記正極材料として、硫化物等のカルコゲン化合物を用いることもできる。硫化物としてはTiS2、ZrS2、VS2、V25、TaS2、FeS2およびNiS2等のM62で表される化合物(M6は1種以上の遷移金属元素)等が挙げられる。この場合、負極としては、例えば、ナトリウム金属、ナトリウム合金などを用いればよい。
上記のナトリウム無機化合物の中では、Feを含有する化合物を好ましく用いることができる。Feを含有する化合物を使用することは、資源量が豊富で安価な材料により、二次電池を構成する観点でも、非常に重要なことである。
前記の正極に用いられる導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどの炭素材料などを挙げることができる。
前記の正極に用いられる結合剤としては、例えば、フッ素化合物の重合体が挙げられる。フッ素化合物としては、例えば、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−オクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート]、パーフルオロアルキル置換アルキル(メタ)アクリレート[例えばパーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート]、パーフルオロオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシルオキシエチル(メタ)アクリレートおよびパーフルオロデシルオキシエチル(メタ)アクリレートなど]、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)クロトネート、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)マレートおよびフマレート、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)イタコネート、フッ素化アルキル置換オレフィン(炭素数2〜10程度、フッ素原子数1〜17程度)、例えばパーフロオロヘキシルエチレン、炭素数2〜10程度、およびフッ素原子の数1〜20程度の二重結合炭素にフッ素原子が結合したフッ素化オレフィン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデンまたはヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられる。
結合剤のその他の例示としては、フッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体の付加重合体が挙げられる。かかる単量体としては、例えば、(シクロ)アルキル(炭素数1〜22)(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等];芳香環含有(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等];アルキレングリコールもしくはジアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4)のモノ(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート];(ポリ)グリセリン(重合度1〜4)モノ(メタ)アクリレート;多官能(メタ)アクリレート[例えば、(ポリ)エチレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等]などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系誘導体[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等]などの(メタ)アクリルアミド系単量体;(メタ)アクリロニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチルアクリルアミド等のシアノ基含有単量体;スチレンおよび炭素数7〜18のスチレン誘導体[例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレンおよびジビニルベンゼン等]などのスチレン系単量体;炭素数4〜12のアルカジエン[例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等]などのジエン系単量体;カルボン酸(炭素数2〜12)ビニルエステル[例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルおよびオクタン酸ビニル等]、カルボン酸(炭素数2〜12)(メタ)アリルエステル[例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリルおよびオクタン酸(メタ)アリル等]などのアルケニルエステル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;炭素数2〜12のモノオレフィン[例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンおよび1−ドデセン等]のモノオレフィン類;塩素、臭素またはヨウ素原子含有単量体、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなどのフッ素以外のハロゲン原子含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸;ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合含有単量体などが挙げられる。
また、付加重合体として、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体またはエチレン・プロピレン共重合体などの共重合体でもよい。また、カルボン酸ビニルエステル重合体は、ポリビニルアルコールなどのように、部分的または完全にケン化されていてもよい。結合剤はフッ素化合物とフッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体との共重合体であってもよい。
結合剤のその他の例示としては、さらに、例えば、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどの多糖類およびその誘導体;フェノール樹脂;メラミン樹脂;ポリウレタン樹脂;尿素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;石油ピッチ;石炭ピッチなどが挙げられる。
前記の正極に用いられる溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒、イソプロピルアルコール、エチルアルコール若しくはメチルアルコールなどのアルコール類、プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。
導電性接着剤とは、導電剤と結合剤との混合物であり、特に、カーボンブラックとポリビニルアルコールとの混合物が溶剤を用いる必要もなく、調製が容易であり、さらに保存性にも優れることから好適である。
また、正極合剤において、その構成材料の配合量としては、適宜設定すればよいが、結合剤の配合量としては、正極活物質100重量部に対し、通常、0.5〜30重量部程度、好ましくは2〜30重量部程度であり、導電剤の配合量としては、正極活物質100重量部に対し、通常、1〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度であり、溶剤の配合量としては、正極活物質100重量部に対し、通常、50〜500重量部程度、好ましくは100〜200重量部程度である。
前記の正極に用いられる正極集電体としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、金、銀、白金、アルミニウム合金またはステンレス等の金属、例えば、炭素素材、活性炭繊維、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、鉛またはこれらの合金をプラズマ溶射、アーク溶射することによって形成されたもの、例えば、ゴムまたはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)など樹脂に導電剤を分散させた導電性フィルムなどが挙げられる。特に、アルミニウム、ニッケルまたはステンレスなどが好ましく、とりわけ、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でアルミニウムが好ましい。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状若しくはエンボス状であるものまたはこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。正極集電体表面にエッチング処理による凹凸を形成させてもよい。
(2)負極
次に、負極について、説明する。負極としては、負極活物質、結合剤および必要に応じて導電剤等を含む負極合剤が、負極集電体に担持されているもの、ナトリウム金属またはナトリウム合金を挙げることができ、通常、シート状である。より、具体的には、負極活物質および結合剤等に溶剤を添加してなる負極合剤を、負極集電体に、ドクターブレード法などで塗工または浸漬し乾燥する方法、負極活物質および結合等に溶剤を添加して混練、成形し、乾燥して得たシートを負極集電体表面に導電性接着剤等を介して接合した後にプレスおよび熱処理乾燥する方法、負極活物質、結合剤および液状潤滑剤等からなる混合物を負極集電体上に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、得られたシート状の成形物を一軸または多軸方向に延伸処理する方法などが挙げられる。負極がシート状である場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。
前記負極活物質としては、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極材料を用いることができる。該材料としては、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、難黒鉛化炭素材料、有機材料焼成体などの炭素材料で、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる材料を用いることができる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよい。
また、負極活物質として用いることのできる好適な炭素材料として、カーボンマイクロビーズを挙げることができ、具体的には、日本カーボン社製のICB(商品名:ニカビーズ)が挙げられる。
ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる有機材料焼成体としては、種々の有機材料の炭化(焼成)により得られる炭素材料のうち、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる炭素材料を用いればよい。有機材料としては、石油や石炭等の天然鉱物資源や、これら資源を原料として合成した各種合成樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)のほか、石油ピッチ、石炭ピッチ、紡糸用ピッチなどの種々のプラント残渣油、木材等の植物由来の有機材料等を挙げることができ、これらを単独または二種以上用いることが可能である。
上記合成樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シアネート樹脂、ケトン樹脂などを挙げることができ、これらを単独または二種以上用いることが可能である。また、硬化剤、添加剤を含有させて用いてもよい。硬化方法は、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂を用いた場合では、熱硬化、熱酸化、エポキシ硬化、イソシアネート硬化などが挙げられる。また、エポキシ樹脂を用いた場合では、フェノール樹脂硬化、酸無水物硬化、アミン硬化等が挙げられる。
有機材料の中でも、芳香環を有する有機材料であることが好ましい。該有機材料を用いることにより、炭素材料を収率よく得ることができ、環境負荷が小さく、製造コストも小さくすることもでき、工業的な利用価値がより高い。
芳香環を有する有機材料としては、例えば、上記合成樹脂の中で、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂など)、エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂など)、アニリン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂を挙げることができ、これらを単独または二種以上用いることが可能である。また、硬化剤、添加剤を含有していてもよい。
芳香環を有する有機材料としては、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを重合させて得られる有機材料であることが好ましい。該有機材料は、芳香環を有する有機材料の中でも安価であり、工業的な生産量も多く、これを炭化して得られる炭素材料は好ましい炭素材料である。
フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを重合させて得られる有機材料としては、フェノール樹脂を挙げることができる。フェノール樹脂は安価であり、工業的な生産量も多く、炭素材料の原料として好ましい。フェノール樹脂を炭化して得られる炭素材料を、ナトリウム二次電池の負極活物質として用いた場合、二次電池の充放電容量、充放電を繰り返した後の放電容量が、特に大きい。フェノール樹脂は、三次元架橋の発達した構造を特徴とし、該樹脂を炭化して得られる炭素材料も、該特徴に由来した特異な三次元架橋の発達した構造を有する炭素材料となっているものと推定され、この推定が前記放電容量の特に大きい一因になっていると考えられる。
フェノールまたはその誘導体としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、キシレノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等を挙げることができ、これらを単独または二種以上用いることが可能である。
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等を挙げることができ、これらを単独または二種以上用いることが可能である。
フェノール樹脂としては、特に限定されないが、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。レゾール型フェノール樹脂は、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを塩基性触媒の存在下で重合させることにより得ることができるし、ノボラック型フェノール樹脂は、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを酸性触媒の存在下で重合させることにより得ることができる。
自硬性のレゾール型フェノール樹脂を用いる場合は、レゾール型フェノール樹脂に対して、酸や硬化剤を添加してもよいし、硬化度を低下させるためにノボラック型フェノール樹脂を添加しても良い。また、それらを組合せて添加してもよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを公知の有機酸および/または無機酸を触媒に用い、常圧100℃で数時間縮合反応し、その後脱水および未反応モノマー除去を行う方法により得られる、メチレン基結合位置がオルソ位とパラ位が同程度のランダムノボラックと呼ばれているタイプと、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを酢酸亜鉛、酢酸鉛、ナフテン酸亜鉛等の金属塩触媒により弱酸性下で付加縮合反応させた後、直接あるいは更に酸触媒を添加し脱水しながら縮合反応を進め、更に必要により未反応物を除去する工程により得られるオルソ位でのメチレン基結合の多いハイオルソノボラックが知られている。
芳香環を分子構造中に有する有機材料としては、他にも多種多様な有機材料を利用することができる。
合成樹脂としては一般にモノマーを重合させ高分子となることが特徴的であるが、芳香環を有する有機材料として、数個〜数十個程度のモノマーが重合した有機材料を利用することもできる。
フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物との重合の際には、副生物が生成したり、未重合物が残存したりする場合もあるが、これらの副生物、未重合物を、有機材料として、利用することもでき、廃棄物を減らすという点で環境負荷を低減できるとともに安価に炭素材料を得ることができ、工業的な利用価値がより高い。
また、負極活物質に用いられる炭素材料として、植物由来の有機材料の炭化(焼成)により得られる炭素材料を用いることにより、環境負荷を低減することができ、工業的な利用価値がより高い。
植物由来の有機材料として、木材等を挙げることができ、これを炭化して得られる木炭は、負極活物質に用いる炭素材料として、好ましい実施態様である。また、木材として、廃棄材木、おが屑等の木材加工プロセスにおいて発生する廃棄木材、森林の間伐木材等を利用することもできる。木材の構成成分としては一般にセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの3種が主成分として挙げられ、リグニンは、芳香環を有する有機材料でもあり、好ましい。
木材としては、ソテツ類、イチョウ類、針葉樹類(スギ、ヒノキ、アカマツ等)、マオウ類等の裸子植物、広葉樹類(ミズナラ、ブナ、ポプラ、ハルニレ、カシ等)、草本植物、ヤシ類、竹類等の被子植物等を挙げることができる。
上記の木材の中でも、スギは建築材料として広く用いられており、その加工プロセスにおいて発生するスギのおが屑は、環境負荷を低減できるとともに安価に炭素材料を得ることができ、好ましい。また、カシを炭化して得られる備長炭も、負極活物質に用いる炭素材料として好ましい実施態様である。
また、負極活物質に用いる炭素材料として、プラント残渣油の炭化(焼成)により得られる炭素材料を用いることにより、資源を有効活用することができ、工業的な利用価値がより高い。
プラント残渣油としては、エチレンなど各種石油化学製品の製造時における各種残渣油を挙げることができる。より具体的には、蒸留残渣油、流動接触分解残渣油、それらの水素化脱硫油、あるいはそれらの混合油から成る石油系重質油を挙げることができる。中でも、芳香環を有する石油化学製品の製造時における残渣油を用いることが好ましく、具体的には、レゾルシノール製造時の残渣油を挙げることができる。
負極活物質に用いる炭素材料は、上述の種々の有機材料を、単独または2種以上用いて、これを炭化(焼成)して得ることができる。炭化の温度は、800℃以上2500℃以下の温度であることが好ましく、炭化は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、有機材料をそのまま炭化してもよいし、有機材料を400℃以下の酸化性ガスの存在下で加熱して得られる加熱物を、不活性ガス雰囲気下で炭化してもよい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンなどを挙げることができ、酸化性ガスとしては、空気、H2O、CO2、O2などを挙げることができる。また、炭化は、減圧下で行ってもよい。これらの加熱、炭化は、例えば、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルン、多段炉、流動炉などの設備を用いればよい。ロータリーキリンは、汎用的である。
また、炭化(焼成)して得られる炭素材料については、必要に応じて粉砕を行ってもよく、粉砕には、例えば、衝撃摩擦粉砕機、遠心力粉砕機、ボールミル(チューブミル、コンパウンドミル、円錐形ボールミル、ロッドミル)、振動ミル、コロイドミル、摩擦円盤ミルまたはジェットミルなどの微粉砕用の粉砕機が好適に用いられ、ボールミルによる粉砕が一般的である。この粉砕時には、金属粉の混入は避けたほうがよく、これら粉砕機における炭素材料の接触部分には、アルミナ、メノウなど、非金属材料の材質を用いた方がよい。
結合剤および導電剤は正極で用いられるものと同様のものを用いることができる。負極において、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる炭素材料は、導電剤としての役割を果たす場合もある。
また、正極における正極活物質が、上述のナトリウム無機化合物である場合には、この正極よりも低い電位でナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる硫化物等のカルコゲン化合物を用いることもできる。ここで硫化物としてはTiS2、ZrS2、VS2、V25、TaS2、FeS2、NiS2、およびM62(ただし、M6は1種以上の遷移金属元素である。)で示される化合物等が挙げられる。
負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを挙げることができ、ナトリウムと合金を作り難い点、薄膜に加工しやすいという点で、Cuが好ましい。負極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状若しくはエンボス状であるものまたはこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。負極集電体表面にエッチング処理による凹凸を形成させてもよい。
(3)電解質
次に、電解質について、説明する。電解質としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF32、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4などが挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用されてもいてもよい。これらの中でもフッ素を含むNaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3およびNaN(SO2CF32からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。また、本発明において、電解質は、有機溶媒に溶解された状態(液状)、すなわち、非水電解液として用いることが好ましい。
非水電解液における有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができる。有機溶媒として、これらのうちの二種以上を混合して用いてもよい。
非水電解液における電解質の濃度は、通常、0.1モル/L〜2モル/L程度であり、好ましくは、0.3モル/L〜1.5モル/L程度である。
また、本発明において、電解質は、高分子化合物に前記非水電解液を保持させた状態、すなわち、ゲル状電解質として用いることもできるし、固体状、すなわち、固体電解質として用いることもできる。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などに、前記電解質を保持させた有機系固体電解質を用いることができる。また、Na2S−SiS2、Na2S−GeS2、NaTi2(PO43、NaFe2(PO43、Na2(SO43、Fe2(SO42(PO4)、Fe2(MoO43、β−アルミナ、β”−アルミナ、NASICON等の無機系固体電解質を用いてもよい。これら固体電解質を用いて、電池の安全性をより高めることができることもある。
(4)セパレータ
セパレータとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質フィルム、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いた単層または積層セパレータとしてもよい。セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載のセパレータを挙げることができる。セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。セパレータの厚みは一般に、5〜200μm程度が好ましく、より好ましくは5〜40μm程度である。
セパレータは、好ましくは、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムを有する。二次電池において、セパレータは、正極と負極の間に配置される。なお、正極−負極間の短絡等が原因で電池内に異常電流が流れた際に、電流を遮断して、過大電流が流れることを阻止する(シャットダウンする)役割を果たすことが好ましい。ここで、シャットダウンは、通常の使用温度を越えた場合に、セパレータにおける多孔質フィルムの微細孔を閉塞することによりなされる。そしてシャットダウンした後、ある程度の高温まで電池内の温度が上昇しても、その温度により破膜することなく、シャットダウンした状態を維持すること、換言すれば、耐熱性が高いことが好ましい。かかるセパレータとして、耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層されてなる積層フィルムなどの耐熱材料を有する多孔質フィルム、好ましくは、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層フィルムを挙げることができ、このような耐熱材料を有する多孔質フィルムをセパレータとして用いることにより、二次電池の熱破膜をより防ぐことが可能となる。ここで、耐熱多孔層は、多孔質フィルムの両面に積層されていてもよい。
以下、セパレータとして好ましい耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層されてなる積層フィルムについて説明する。ここで、このセパレータの厚みは、通常5μm以上40μm以下、好ましくは20μm以下である。また、耐熱多孔層の厚みをA(μm)、多孔質フィルムの厚みをB(μm)としたときには、A/Bの値が、0.1以上1以下であることが好ましい。また更に、このセパレータは、イオン透過性の観点から、ガーレー法による透気度において、透気度が50〜300秒/100ccであることが好ましく、50〜200秒/100ccであることがさらに好ましい。このセパレータの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。
積層フィルムにおいて、耐熱多孔層は、耐熱樹脂を含有することが好ましい。イオン透過性をより高めるために、耐熱多孔層の厚みは、1μm以上10μm以下、さらには1μm以上5μm以下、特に1μm以上4μm以下という薄い耐熱多孔層であることが好ましい。また、耐熱多孔層は微細孔を有し、その孔のサイズ(直径)は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。さらに、耐熱多孔層は、後述のフィラーを含有することもできる。また、耐熱多孔層は、無機粉末から形成されていてもよい。
耐熱多孔層に含有される耐熱樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、芳香族ポリエステル、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドを挙げることができ、耐熱性をより高める観点で、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドが好ましく、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドがより好ましい。さらにより好ましくは、耐熱樹脂は、芳香族ポリアミド(パラ配向芳香族ポリアミド、メタ配向芳香族ポリアミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の含窒素芳香族重合体であり、とりわけ好ましくは芳香族ポリアミドであり、特に好ましくはパラ配向芳香族ポリアミド(以下、「パラアラミド」ということがある。)である。また、耐熱樹脂としては、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状オレフィン系重合体を挙げることもできる。これらの耐熱樹脂を用いることにより、耐熱性を高めること、すなわち熱破膜温度を高めることができる。
熱破膜温度は、耐熱樹脂の種類に依存し、使用場面、使用目的に応じ、選択使用される。通常、熱破膜温度は160℃以上である。耐熱樹脂として、上記含窒素芳香族重合体を用いる場合は、400℃程度に、また、ポリ−4−メチルペンテン−1を用いる場合は250℃程度に、環状オレフィン系重合体を用いる場合は300℃程度に、夫々、熱破膜温度をコントロールすることができる。また、耐熱多孔層が、無機粉末からなる場合には、熱破膜温度を、例えば、500℃以上にコントロールすることも可能である。
上記パラアラミドは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレン、2,6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。パラアラミドとしては、パラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミド、具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が例示される。
上記芳香族ポリイミドとしては、芳香族の二酸無水物とジアミンの縮重合で製造される全芳香族ポリイミドが好ましい。二酸無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などがあげられる。ジアミンとしては、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3,3’−メチレンジアニリン、3,3’−ジアミノベンソフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5’−ナフタレンジアミンなどがあげられる。また、溶媒に可溶なポリイミドが好適に使用できる。このようなポリイミドとしては、例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンとの重縮合物のポリイミドが挙げられる。
上記芳香族ポリアミドイミドとしては、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジイソシアネートを用いてこれらの縮合重合から得られるもの、芳香族二酸無水物および芳香族ジイソシアネートを用いてこれらの縮合重合から得られるものが挙げられる。芳香族ジカルボン酸の具体例としてはイソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また芳香族二酸無水物の具体例としては、無水トリメリット酸などが挙げられる。芳香族ジイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、オルソトリランジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
耐熱多孔層が、耐熱樹脂を含有する場合には、耐熱多孔層は、1種以上のフィラーを含有していてもよい。耐熱多孔層に含有されていてもよいフィラーは、有機粉末、無機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものであってよい。フィラーを構成する粒子は、その平均粒子径が、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。フィラーの形状としては、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状等が挙げられ、いずれの粒子も用いることができるが、均一な孔を形成しやすいことから、略球状粒子であることが好ましい。略球状粒子としては、粒子のアスペクト比(粒子の長径/粒子の短径)が1以上1.5以下の範囲の値である粒子が挙げられる。粒子のアスペクト比は、電子顕微鏡写真により測定することができる。
フィラーとしての有機粉末としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレート等の有機物からなる粉末が挙げられる。有機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの有機粉末の中でも、化学的安定性の点で、ポリテトラフルオロエチレン粉末が好ましい。
フィラーとしての無機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉末が挙げられ、これらの中でも、導電性の低い無機物からなる粉末が好ましく用いられる。具体的に例示すると、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウム等からなる粉末が挙げられる。無機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機粉末の中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であることがより好ましく、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であり、かつその一部または全部が略球状のアルミナ粒子であることがさらにより好ましい。因みに、耐熱多孔層が、無機粉末から形成される場合には、上記例示の無機粉末を用いればよく、必要に応じてバインダーと混ぜて用いればよい。
耐熱多孔層が耐熱樹脂を含有する場合におけるフィラーの含有量は、フィラーの材質の比重にもよるが、例えば、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子である場合には、耐熱多孔層の総重量を100としたとき、フィラーの重量は、通常5以上95以下であり、好ましくは20以上95以下、より好ましくは30以上90以下である。これらの範囲は、フィラーの材質の比重に依存して適宜設定できる。
積層フィルムにおいて、多孔質フィルムは、微細孔を有し、シャットダウンすることが好ましい。この場合、多孔質フィルムは、熱可塑性樹脂を含有する。この多孔質フィルムの厚みは、通常、3〜30μmであり、さらに好ましくは3〜25μmである。多孔質フィルムは、上記耐熱多孔層と同様に、微細孔を有し、その孔のサイズは通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。多孔質フィルムの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。ナトリウム二次電池において、通常の使用温度を越えた場合には、多孔質フィルムは、それを構成する熱可塑性樹脂の軟化により、微細孔を閉塞することができる。
多孔質フィルムに含有される熱可塑性樹脂としては、80〜180℃で軟化するものを挙げることができ、非水電解液を用いる場合には、これに溶解しないものを選択すればよい。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂を挙げることができ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。より低温で軟化してシャットダウンさせるためには、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンを含有することが好ましい。ポリエチレンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等のポリエチレンを挙げることができ、分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンを挙げることもできる。多孔質フィルムの突刺し強度をより高めるためには、熱可塑性樹脂は、少なくとも超高分子量ポリエチレンを含有することが好ましい。また、多孔質フィルムの製造面において、熱可塑性樹脂は、低分子量(重量平均分子量1万以下)のポリオレフィンからなるワックスを含有することが好ましい場合もある。
また、上記積層フィルムとは異なる耐熱材料を有する多孔質フィルムとしては、耐熱樹脂および/または無機粉末からなる多孔質フィルムや、耐熱樹脂および/または無機粉末が、ポリオレフィン樹脂や熱可塑性ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂フィルムに分散した多孔質フィルムを挙げることもできる。ここで、耐熱樹脂、無機粉末としては、上述のものを挙げることができる。
(5)電池ケース
電池ケースは、従来公知のあらゆるものでよく、必要な機械的強度と重量を考慮に入れて用途に応じて決定される。例えば、有底円筒形、有底角筒形のスチール缶やアルミニウム缶などの外装缶型や、金属ラミネート樹脂フィルムで構成されたフィルムケース型などを挙げられる。
なお、フィルムケース型電池ケースで使用される金属ラミネート樹脂フィルムにおける金属層は、外気の透過を抑制することで該フィルムに気密性を持たせることができるものであればよく、アルミニウム、チタンやこれらを含む合金などを材料とするが、特にアルミニウムが好ましい。フィルムの樹脂層としては、適度な柔軟性と強度を有するものであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を好適に使用することができる。また、金属ラミネート樹脂フィルムの金属層および樹脂層は、1層でもよく複層でもよい。
次に本発明のナトリウム二次電池の製造方法における具体的な手順を説明する。
電極群の組立手順としては、上述の正極、負極、およびセパレータを、積層する方法、または積層、巻回する方法が挙げられる。電極群の形状としては、電極群の断面(積層、巻回の場合は、巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面)が、例えば、円、楕円、長方形、角がとれたような長方形等となるような形状が挙げられる。
得られた電極群を電池ケース内に収容し、電解質を収容した後に電池ケースを封口することで、ナトリウム二次電池を製造することができる。なお、電池の形状としては、特に制限はなく、例えば、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
本発明の製造方法における特徴の一つは、正極および負極のうち少なくとも一方の電極が、ナトリウム源材料を用いることによりナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であることにある。詳細な理由は現時点では不明だが、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極を用いることにより、電極のロス容量を低減することができ、放電容量、サイクル特性の向上を実現することができる。
ここでナトリウム源材料とは、正極および負極のうち少なくとも一方の電極にナトリウムを予備ドープ可能な材料であり、具体例としてはナトリウム金属、ナトリウムを含む合金、ナトリウム酸化物、ナトリウム硫化物、ナトリウム炭酸塩、ナトリウム有機酸塩、ナトリウム遷移金属複合酸化物、ナトリウム遷移金属複合硫化物およびアジ化ナトリウムが挙げられる。
ナトリウム源材料を用いることによるナトリウムイオンの予備ドープの好適な方法として、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極に、ナトリウム金属を電気的に接続し、該ナトリウム金属と電解質とを接触する方法が挙げられる。この方法では、ナトリウム金属と電極との間に電位差が発生し、電気的にショートされた状態となっている局部電池を形成し、ナトリウム金属からナトリウムイオンが溶出し、ナトリウムイオンが高電位である電極側に移動して、電極にナトリウムイオンが予備ドープされる。
ナトリウムイオンの予備ドープのより好適な方法は、前記少なくとも一方の電極とナトリウム金属との間に外部電圧を印加する方法、すなわち、電解する方法である。この方法では、電源のプラス極をナトリウム金属につないで、電源のマイナス極を予備ドープすべき電極につなぐという構成となり、電解によりナトリウム金属からナトリウムイオンが溶出し電極に取り込まれ、予備ドープされるナトリウムイオン量、あるいは予備ドープの速度が増加する。
また、ナトリウムイオンの予備ドープの好適な方法として、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極に、ナトリウム金属を溶解した液体を接触させる方法を挙げることもできる。この方法では、ナトリウム金属を溶解した液体と電極との化学反応が促進され、電極にナトリウムイオンが予備ドープされる。
また、ナトリウムイオンの予備ドープの他の好適な方法として、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極を、ナトリウム金属を用いて得られるナトリウム蒸気雰囲気下におく方法が挙げられる。この方法では、ナトリウム蒸気と電極との化学反応が促進され、電極にナトリウムイオンが予備ドープされる。なお、本発明では、電極表面にナトリウム金属が蒸着される場合も、ナトリウムイオンが予備ドープされた電極であるものとみなす。
電極へのナトリウムイオンの予備ドープ量は、正極、負極を構成する材料によって、適宜設計する。特に、負極のロス容量が大きい場合が多いことから、少なくとも負極について予備ドープすることが好ましく、負極について、予備ドープを行う場合には、放電容量、サイクル特性がより向上する傾向があるため、予備ドープ量は、満充電容量の5%以上であることが好ましい。この場合、負極としては、負極活物質、結合剤および必要に応じて導電剤等を含む負極合剤が、負極集電体に担持されているものを用いることができる。
ここで、「満充電容量」は、後述の予備電池を作製して求めることができる。
また、本発明においては、ナトリウムイオンの予備ドープを、正極と負極の両方に行ってもよい。ナトリウムイオンの予備ドープを、正極および負極の両方に対して行う場合には、正極における予備ドープ手段と負極における予備ドープ手段とを異ならせることにより、発明の効果がより高められることもある。
また、電解質を収容した後、電池ケースの封口前に充電を行うと、電極が活性化され、放電容量、サイクル特性が向上する傾向があるため好ましい。
また、得られるナトリウム二次電池における容量をさらに増加させる観点で、電解質が非水電解液であり、該電解液を収容した後、電池ケースの封口前において、20〜80℃でエージングを行うことが好ましい。電解質は、電池ケース内において、周囲の物質と、電池特性を向上させるための有用な様々な反応を行う可能性があり、その反応には、温度が支配的であると考えられる。エージングを行う温度が、20℃未満であると、エージング効果が十分でなく、また、80℃を超える高温でエージングする実用性は乏しい。
また、電極群と電解質とを電池ケースに収容した後、電池ケースの封口前において、放電を行うことが好ましい。放電はナトリウムイオンが負極から脱ドープして、正極にドープされるという充電とは逆の反応であり、この逆の反応を封口前に行うことよって、得られる電池の充放電サイクル反応をよりスムーズに行うことができる場合があり、充放電容量を増大することができる。この封口前の放電の効果は、電解質が非水電解液である場合に、より効果的である。
また、詳細な理由は不明ではあるが、電解液が非水電解液である場合には、該電解液の収容、すなわち電解液の注液を2回以上に分割して行うと、放電容量およびサイクル特性が向上する傾向にある。
また、電池ケースが封口されるまでに、1回以上の雰囲気ガス加圧および/または減圧を行うことが望ましい。この雰囲気ガス加圧および/または減圧は、充放電反応を阻害する初期生成物を除去する効果があり、このことは、特にナトリウム二次電池における電池特性低下の抑制に極めて有効である。
また、減圧することによって、正極、負極およびセパレータが有する微細な隙間や細孔に含まれるガスを除去することができ、該隙間や細孔への電解質の浸透を促進することができる。一方、雰囲気ガス加圧することによっても、前記正極、負極およびセパレータが有する微細な隙間や細孔への電解質の浸透を促進することができる。特に雰囲気ガス加圧と減圧を交互に行うことにより、微細な隙間や細孔への電解質の浸透をより均一に行い、電池内の電解質分散性を向上させることができ、より効果的である。
雰囲気ガス加圧および/または減圧する方法として具体的には、組み立て中の電池を耐圧容器に入れ、容器内部を雰囲気ガスで置換した後に、真空ポンプで減圧する方法、高圧ボンベから減圧弁を通して雰囲気ガスを導入して加圧する方法が挙げられる。
雰囲気ガスとしては、不活性ガスである窒素、ヘリウム、アルゴンが通常使用される。
以上説明した本発明の製造方法によって製造されたナトリウム二次電池は、放電容量が大きく、かつサイクル特性に優れるナトリウム二次電池となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでもない。
(1−1)正極活物質の作製
アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、Na22(Fluka Chemie AG 製)とFe34(Aldrich Chemical Company,Inc.製)をNaとFeがNaFeO2の化学量論比となるように秤取した後、メノウ乳鉢でよく混合した。得られた混合物をアルミナ製ルツボにいれ、あらかじめ真空ポンプで雰囲気を排気した後にアルゴンを導入して置換した電気炉に入れて、炉内の雰囲気をアルゴンにして昇温を開始した。100℃に達する直前に電気炉内を空気中に開放し、その後は空気雰囲気で加熱を行い、650℃で12時間保持し、取り出して、正極活物質であるナトリウム無機化合物(MC1)を得た。
(1−2)正極の作製
正極活物質としてのMC1と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデンとを85:10:5の比率で混合したものに、更にN−メチルピロリドンを適量加え混合し、塗料状スラリーを得た。厚さ20μmのアルミ箔の一部にマスキングテープを貼り、表面にドクターブレードにて前記スラリーを塗布したのちに乾燥して塗膜を形成した。次に反対側の面にも同様に塗膜を形成後、ロールプレスを施し、幅約50mm、長さ約300mm、厚さ約180μmの電極(正極)を作製し、正極とした。続いて、集電体用として厚さ50μm、幅5mmのアルミリード板を、マスキングテープを剥がした電極(正極)の一端に、超音波溶接により接続した。
(2−1)負極活物質の作製
フェノール樹脂(粉末状フェノール樹脂、商品名、スミライトレジン、PR−217)粉末をアルミナボートにのせ、環状炉内に設置し、アルゴンガス雰囲気中、1000℃で保持して、フェノール樹脂粉末を炭化した。炉内において、アルゴンガス流量はフェノール樹脂粉末1gあたり0.1L/分とし、室温から1000℃までの昇温速度を約5℃/分、1000℃での保持時間を1時間とした。炭化後、ボールミル(メノウ製ボール、28rpm、5分間)で粉砕して、負極活物質である炭素材料(MA1)を得た。平均粒径は50μm以下であった。平均粒径は、炭素材料を中性洗剤含有水溶液で分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000J(登録商標、島津製作所製)を用いて測定された体積平均粒径として測定した。
(2−2)負極の作製
負極活物質としてのMA1と、ポリフッ化ビニリデンとを95:5の比率で混合したものに、N−メチルピロリドンを適量加え混合し、塗料状スラリーを得た。厚さ10μmの銅箔の一部にマスキングテープを貼り、表面にドクターブレードにて前記スラリーを塗布したのちに乾燥して塗膜を形成した。次に反対側の面にも同様に塗膜を形成後、ロールプレスを施し、幅約55mm、長さ約330mm、厚さ約230μmの電極を作製し、負極とした。続いて、集電体用として厚さ30μm、幅5mmのニッケルリード板を、マスキングテープを剥がした電極(負極)の一端に、抵抗溶接により接続した。
(3)ナトリウム二次電池の作製
ここで、ナトリウム二次電池の基本的な作製手順を示す(以降、下記[1]〜[8]を作製手順と呼ぶ)。
[1]ドライボックス中に、真空乾燥機で110℃で乾燥を行った上記正極および上記負極を用意した。
[2]ドライボックス中に、真空乾燥機で60℃で乾燥を行った、幅約60mm、厚さ約20μmのポリオレフィン製微多孔膜セパレータを用意した。
[3]前記ドライボックス中において、前記セパレータを前記正極と負極の間でショートが発生しないように、該セパレータの幅方向の両端が電極端からほぼ均等に出るようにして、該正負電極ではさんで積層し、巻回機を用いて、巻き断面長円形状に巻いて、高さ約60mm、幅約55mm、厚さ約3mmの電極群を得た。
[4]次に、アルミ箔の両面にポリオレフィン製フィルムが接着された90mm角のラミネートフィルムを2枚用意し重ね、向かい合う2辺について変性ポリエチレンシートを挟んで熱溶着して袋状に成形し、ラミネート容器を得て、真空乾燥機中、60℃で乾燥を行った。
[5]乾燥後ラミネート容器を前記ドライボックスに移動し、該ラミネート容器に該電極群を挿入し、電極リード端部が外に導出される状態で、電極リードと開口部とが一体に封止されるように熱溶着を行い、一辺のみが開口状態となるようにした。
[6]次に過塩素酸ナトリウム(電解質)を有機溶媒であるプロピレンカーボネート溶媒中に溶解し、1モル/Lの非水電解液を得た。
[7]該電解液の一部を電池ケースである、ラミネート容器に注入し、非水電解液が電極群に吸収されたことを確認し、クリップにて開口部の仮留めを行った。
[8]仮留めを外し、減圧チャンバー内で開口部を熱溶着することによって封口を行い、電池を得た。
(4)予備電池の作製
また、次のようにして予備電池を作製して、満充電容量を求めた。上記と同様の負極と非水電解液とセパレータを用い、また、対極としてナトリウム金属を用意して、対極と負極との間にセパレータを配置させて、電池ケースに収容し、非水電解液を収容して、予備電池を作製した。なお、負極、対極のそれぞれには、リード線が接続されている。さらに、電源を用意し、予備電池における前記負極に接続されたリード線を電源のマイナス極に、対極に接続されたリード線を電源のプラス極に接続して、前記電源により5mAの電流を電圧が0Vになるまで流して、電流を遮断し、それまでの時間を計測して、電流容量(mAh)を求めた。電流を遮断した後、10分間静置し、電圧が0.2V以下であるときを充電の終点とした。ここで、電圧が0.2Vを超えていた場合には、前記と同様の操作、すなわち、5mAの電流を電圧が0Vになるまで流して、電流を遮断し、それまでの時間を計測して、電流容量(mAh)を求める操作を行った。充電の終点までに、要した電流容量の合計を、満充電容量とした。
(実施例1)
ニッケル線の一方の先端にナトリウム金属小片(厚さ0.5mm×幅3mm×長さ12mm)を圧着し、電源接続部となるもう一方の端の残し、その間を絶縁テープで覆ったニッケル線からなる補助電極を2本用意した。作製手順[3]までを行うことにより得た電極群に対して、前記補助電極に圧着したナトリウム金属を、電極群作製に用いたものと同様のセパレータで巻いて絶縁した後、それぞれ粘着テープにより、該電極群の巻き断面(端面)側の両端に設置固定した。その後、作製手順[5]までを行った。但しこの電池作製手順では、補助電極がラミネート容器開口部側から外に向かって導出できるようにした。その後引き続き作製手順[7]まで行った。その後開口部をクリップにて仮留めを行った後、負極端子と補助電極の間に5mAの電流を流し、負極にナトリウムイオンを予備ドープした。その後、クリップを外して、補助電極を引き抜き、作製手順[8]により、実施例1のナトリウム二次電池を作製した。なお、この実施例1の手法では、ナトリウム金属小片のサイズにより、予備ドープ量を制御することができる。
また、実施例1で行った、補助電極の設置および、それを用いた負極への予備ドープを行わなかったことのみ異なり、それ以外は実施例1と同様にして比較例1の電池を作製した。
実施例1の電池および比較例1の電池について20mAの定電流で4.0Vまで充電を行った。続いて20mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。試験は25℃および10℃で行った。結果を表1−1に示す。実施例1は比較例1に比べ、大幅な放電容量の向上が確認できた。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率を表1−2に示す。実施例1は比較例1に比べ、大幅なサイクル特性の向上が確認できた。なお、放電容量維持率(以下、「容量維持率」と記載する場合もある。)は、以下の式で定義される。

放電容量維持率=(100サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例2)
作製手順[1]において用意した負極について、負極のニッケル電極リード溶接部付近の集電体における塗料状スラリー無塗布部に、実施例1で補助電極に圧着したものと同様のナトリウム金属小片を圧着した後、作製手順[2]〜[7]までを行うことにより、負極にナトリウムイオンを予備ドープし、さらに作製手順[8]により、実施例2の電池を得た。なお、この実施例2の手法では、ナトリウム金属小片のサイズにより、予備ドープ量を制御することができる。
実施例2の電池について20mAの定電流で4.0Vまで充電を行った。続いて20mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。試験は25℃および10℃で行った。結果を表2−1に示す。実施例2は、比較例1に比べ、大幅な容量増加が認められた。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率を表2−2に示す。実施例2は、比較例1に比べ、大幅なサイクル特性向上が確認できた。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例3)
作製手順[6]による電解液を別途用意した蓋付密閉容器に満たし、これに、作製手順[1]および[2]において用意した正極、負極、セパレータのうち、負極のみを浸漬し、さらに、ナトリウム金属を対極として、20mAの電流で0.3Vまで通電して、外部電圧を印加することにより、負極にナトリウムイオンを予備ドープした。なお、ここでは、電源のプラス極をナトリウム金属に、電源のマイナス極を負極に、それぞれ接続した。
通電後、負極を取り出し、手早く作製手順[3]および[4]を行った。次に、作製手順[5]においては、負極のニッケルリード溶着部に付着した電解液を、乾燥したクリーンルーム用タオルを使いてふき取り除去した後、溶着を行った。続いて作製手順[6]、[7]、[8]を行い、実施例3の電池を得た。該電池について20mAの定電流で4.0Vまで充電を行った。続いて20mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。試験は25℃および10℃で行った。結果を表3−1に示す。実施例3は比較例1に比べ、大幅な容量増加が認められた。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率を表3−2に示す。実施例3は比較例1に比べ、大幅なサイクル特性向上が確認できた。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例4)
−40℃程度に冷却した容器に満たした液体アンモニアにナトリウム金属を溶解した溶液を用意し、その中に作製手順[1]で用意した負極を浸漬した後に取り出し、該負極を室温の真空チャンバー内にいれ、アンモニアの除去を行なって、ナトリウムイオンが予備ドープされた負極を得た。ここでは、ナトリウム金属溶解量および負極の浸漬時間を変えることによりナトリウムイオンの予備ドープ量が制御された複数の負極を用意し、実施例3と同様の作製手順[6]による電解液が満たされた蓋付密閉容器を用いて、ナトリウム金属を対極として電圧を測定し、電圧が0.3Vになる電極を、負極として用いた。該負極を用いて作製手順[2]〜[8]を行い、実施例4の電池を得た。該電池について20mAの定電流で4.0Vまで充電を行った。続いて20mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。試験は25℃および10℃で行った。結果を表4−1に示す。実施例4は比較例1に比べ、大幅な容量増加が認められた。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率を表4−2に示す。実施例4は比較例1に比べ、大幅なサイクル特性向上が確認できた。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例5)
実施例5の電池における正極および負極の作製、並びに負極へのナトリウムイオンの予備ドープ、電池の作製は以下の方法で行った。
(ペレット状正極の作製)
実施例1〜4で用いた正極の作製において、集電体の片面のみに塗布を行った電極を乾燥、ロールプレスを行った後、直径15mmのペレットに打ち抜き、ペレット状正極を得た。
(ペレット状負極の作製)
負極材料とシリコン樹脂固形分が95:5の比率になるように負極材料とシリコン樹脂溶液を混合し、塗料状スラリーを得た。厚さ50μmのニッケル箔の片面にドクターブレードにて前記スラリーを塗布し乾燥し塗膜を形成した。乾燥後ロールプレスを行った後、直径15mmのペレットに打ち抜き、ペレット状負極を得た。
(負極へのナトリウムイオンの予備ドープ)
アルゴングローブボックス内に、2台の加熱ステージ装備した、幅50mm、長さ200mmの長円形のステンレス製チャンバーを用意し、一方の加熱ステージにナトリウム金属を入れたステンレス浅容器、他方のステージにステンレス浅容器の底に、上記のペレット状負極をカーボン電極面側を上にして置き、更にその上にステンレスネットを置いた。
チャンバー内を真空にした後、ナトリウム金属側を250〜400℃、負極側を300〜450℃の範囲で変化させ、ナトリウムイオンが予備ドープされたペレット状負極を得た。ここでは、温度、時間を変えて、ナトリウムイオンが予備ドープされた複数の負極を用意し、実施例3と同様の作製手順[6]による電解液が満たされた蓋付密閉容器を用いて、ナトリウム金属を対極として電圧を測定し、電圧が0.3Vになる電極を、実施例5−1の電池の負極として用いた。
また、ナトリウム金属側の温度を300〜400℃、負極側の温度を30℃として、負極表面にナトリウムイオンが予備ドープ(蒸着)されたペレット状負極を得た。ここでは、温度、時間を変えて、ナトリウムイオンが予備ドープされた複数の負極を用意し、実施例3と同様の作製手順[6]による電解液が満たされた蓋付密閉容器を用いて、ナトリウム金属を対極として電圧を測定し、電圧が0.3Vになる電極を、実施例5−2の負極として用いた。
(電池の作製)
上記の2種の負極を用いて、それぞれ、作製手順[1]〜[8]に準じて電池を得た。
ただし、ここではペレット状の正極と負極とによってセパレータをはさみ、両電極の活物質を対向させた配置となるよう積層して電極群を得て、電流導出用リードとして正極にはアルミ箔、負極にはニッケル箔を用いて、それぞれの電極の集電体に接触されてなり、その外側両面を2枚のポリプロピレン板ではさみ、粘着テープで仮留めを行った。このようにして得た電極対をアルミラミネート容器に収納し、外側から電極対をクリップで挟み固定した。該容器に適量の電解液を入れた後に、封口を行なうことで、実施例5−1の電池、実施例5−2の電池を得た。
また、比較例として、ナトリウムイオン予備ドープを行なわないことのみ異なり、それ以外は実施例5−1の電池、実施例5−2の電池と同様にして比較例2の電池を作製した。
それぞれの電池について0.3mAの定電流で4.0Vまで充電を行った。続いて0.3mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。試験は25℃および10℃で行った。結果を表5−1に示す。実施例5は比較例2に比べ、大幅な容量増加が認められた。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率を表5−2に示す。実施例5は比較例2に比べ、大幅なサイクル特性向上が確認できた。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例6)
上記予備電池において確認した負極の満充電容量を100%とした。実施例1と同様の方法で、負極へのナトリウムイオンの予備ドープ量を3%、5%、10%、15%、20%、25%として、実施例1と同様にして6個の電池(6−A)を得た。同様に、実施例2、3、4についても、負極へのナトリウムイオン予備ドープ量の制御を行い、実施例2と同様の6個の電池(6−B)、実施例3と同様の6個の電池(6−C)、実施例4と同様の6個の電池(6−D)を作製した。
作製した各電池について、20mAで4.0Vまで充電を行った。続いて20mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。結果を表6−1に示す。試験は25℃で行った。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率を表6−2に示す。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例7)
予め、作製手順[1]で用意した正極を、作製手順[6]と同様の電解液を満たした密閉容器中に浸漬し、ナトリウム金属を対極とし、2Vまで20mAの定電流で放電を行うことにより、正極へのナトリウムイオンの予備ドープを行った。この予備ドープがなされた正極と、実施例1と同様にして得たナトリウムイオンの予備ドープ量5%の負極を用いて、実施例1と同様にして、電池7−CAを得た。
電池7−CAと同様に、ナトリウムイオン予備ドープ方法として、実施例1に準じた補助電極による方法(以下、「補助電極法」と略記する。)、実施例2に準じたナトリウム金属の圧着による方法(以下、「ナトリウム圧着法」と略記する。)、実施例3に準じた電解による方法(以下、「電解法」と略記する。)を、正極、負極に施して、ナトリウムイオンを予備ドープして、下記表7−1の電池7−CA、電池7−AB、電池7−BCを得た。
試験条件は、実施例6と同様である。結果を表7−2、および表7−3に示す。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例8)
実施例7で得た、電池7−ABの作製手順に準じて、封口前に充電を行ったことのみ異なる電池8−ABを作製した。
即ち、電池8−ABについては仮留めを行った後、定電流5mAで4.0Vまで充電を行った後、封口を行い、定電流20mAで2.0Vまで、放電を行った。その後、電池について、20mAで4.0Vまで充電を行った。続いて20mAで2.0Vまで定電流で放電を行い、放電容量を確認した。試験は25℃および10℃で行った。結果を表8−1に示す。
次に同じ充放電条件で充放電サイクル試験を行なった。100サイクルにおける放電容量維持率の結果を表8−2に示す
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例9)
実施例8において、仮留め後の充電のあと、10℃から80℃の温度に6時間のエージング工程を加えたことのみ異なり、それ以外は同様にして、電池9−ABを得た。実施例8と同様の条件で放電容量の確認、充放電サイクル試験を行った。結果を表9−1〜表9−3に示す。
なお、30分から24時間までエージング時間を変化させてみたが、1時間以上では効果は同等であった。また、その場合でも10℃でエージングしたものは他の条件の場合より、劣っていた。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例10)
実施例9において、電池9−ABの作製手順に準じて、エージング温度を20℃として封口前に定電流で放電を行ったことのみ異なる電池10−ABを作製した。なお、電池10−ABは、20mAで2.0Vまで定電流で放電した後、封口を行った。
作製した電池を用いて、試験温度を25℃および10℃で行った以外は、実施例9と同様の条件で試験を行った結果を表10−1および表10−2に示す。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例11)
作製手順[6]における電解液調合に際し、溶質濃度のみを0.7モル/Lに変えた電解液および溶質濃度のみを1.3モル/Lに変えた2種類の電解液を準備し、実施例10における注液時に、0.7モル/Lの電解液を用いて全注液量の半分を注液に供し、封口前に1.3モル/Lの電解液を用いて全注液量の半分を注液に供すことを除き、それ以外は同様にして電池11−ABを得た。試験は実施例10と同様の条件で行った。結果を表11−1および表11−2に示す。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例12)
実施例11において、1回目の電解液の注液後減圧を行うこと、およびそれに加えて2回目の注液後に雰囲気ガス加圧し、さらに減圧を行うことのみ異なり、それ以外は同様にして電池12−ABを得た。減圧条件および雰囲気ガス加圧条件は以下の通りであり、他の試験条件は、実施例11と同様にして行った。結果を表12−1、表12−2に示す。
なお、雰囲気ガスとしては、アルゴンを用いた。

減圧条件:50kPa
加圧条件:300kPa
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例13)
(正極活物質の作製)
Na2CO3とMn23をモル比でNa:Mn=1:2となるようにして秤量した後、瑪瑙乳鉢で混合を行った。得られた混合物を空気雰囲気下で900℃、6時間焼成した後、瑪瑙乳鉢で粉砕することにより、ナトリウム無機化合物(MC2)を得た。
ナトリウム無機化合物(MC2)を用いて粉末X線回折分析を行った結果、斜方晶の結晶構造を有していた。また、(130)/(201)のピーク強度比は0.4022であった。ナトリウム無機化合物としてMC2を用いた以外は実施例1と同様にして、電池13−CAを得た。
(試験電池の作製および試験)
電池13−CAと同様に、ナトリウムイオン予備ドープ方法として、実施例1に準じた補助電極法、実施例2に準じたナトリウム圧着法、実施例3に準じた電解法を、正極、負極に施して、ナトリウムイオンを予備ドープして、下記表13−1の電池13−CA、電池13−AB、電池13−BCを得た。
試験条件は、実施例6と同様である。結果を表13−2、および表13−3に示す。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
Figure 2011009202
(実施例14)
(正極活物質の作製)
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、および四三酸化コバルト(Co34:正同化学工業株式会社製:純度99%)を、Na:Mn:Coのモル比が0.7:0.5:0.5となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、ナトリウム無機化合物(MC3)を得た。ナトリウム無機化合物としてMC3を用いた以外は実施例1と同様にして、電池14−CAを得た。
試験電池の作製および試験
電池14−CAと同様に、ナトリウムイオン予備ドープ方法として、実施例1に準じた補助電極法、実施例2に準じたナトリウム圧着法、実施例3に準じた電解法を、正極、負極に施して、ナトリウムイオンを予備ドープして、下記表14−1の電池14−CA、電池14−AB、電池14−BCを得た。
試験条件は、実施例6と同様である。結果を表14−2、および表14−3に示す。
Figure 2011009202
Figure 2011009202
Figure 2011009202
本発明によれば、高い放電容量、サイクル特性が大幅に向上できるナトリウム二次電池を、しかも安価に得ることができることから、携帯電話やノートパソコン等の小型電源だけでなく、以下例示する用途にも適用することができ、工業的に極めて有用である。
ナトリウム二次電池の用途としては例えば、大容量の用途として工場、家屋、その他屋外装置用の定置型電源、太陽光発電、風力発電、潮力発電、地熱発電等各種自然エネルギーを用いた発電装置用の負荷平準化電源が挙げられる。また、低温・高温環境下での電源用途として冷蔵・冷凍倉庫内や南極、砂漠、宇宙などの特殊環境における用途が挙げられる。さらに移動体用電源として、自動車、自動二輪車、電動椅子、フォークリフト、電車、飛行機、船舶、宇宙船、潜水艦、等の輸送機器用電源、耕運機等のロボット用電源、キャンプ用途等の移動式電源、屋外/屋内自動販売機用電源などの移動体用中型電池としての用途が挙げられる。

Claims (14)

  1. ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる正極、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極およびセパレータを積層して、または積層、巻回して得られる電極群と、電解質とを電池ケースに収容した後に、電池ケースを封口するナトリウム二次電池の製造方法であって、
    前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極が、ナトリウム源材料を用いることによりナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であることを特徴とするナトリウム二次電池の製造方法。
  2. ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極に、ナトリウム源材料を電気的に接続し、該ナトリウム源材料と電解質とを接触させることにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である請求項1記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  3. 前記少なくとも一方の電極とナトリウム源材料との間に外部電圧を印加することにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた請求項2記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  4. 前記ナトリウム源材料がナトリウム金属である請求項1から3のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  5. ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極に、ナトリウム金属が溶解した液体を接触させることにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である請求項1記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  6. ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方の電極を、ナトリウム金属を用いて得られるナトリウム蒸気雰囲気下におくことにより、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極である請求項1記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  7. ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、少なくとも負極である請求項1から6のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  8. ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極が、正極および負極であり、正極における予備ドープ手段と負極における予備ドープ手段とが異なる請求項1から7のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  9. 電解質を収容した後、電池ケースの封口前に、充電を行う請求項1から8のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  10. 電解質が非水電解液であり、該電解液を収容した後、電池ケースの封口前において、20〜80℃でエージングを行う請求項1から9のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  11. 電解質が非水電解液であり、該電解液を収容した後、電池ケースの封口前において、放電を行う請求項1から10のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  12. 電解質が非水電解液であり、該電解液の収容を2回以上に分割して行う請求項1から11のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  13. 電池ケースが封口されるまでに、1回以上の雰囲気ガス加圧および/または減圧を行う請求項1から12のいずれかに記載のナトリウム二次電池の製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の製造方法で製造されたナトリウム二次電池。
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