JP2011009079A - コンロ装置及びコンロ付き調理台装置 - Google Patents

コンロ装置及びコンロ付き調理台装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大型鍋や大型鍋や大型鉄板や横長魚焼鍋などの大型又は横長の単一の被加熱体を、隣接する発熱体に架け渡して隣接する発熱体の火力出力を同期連動制御して加熱調理できる。
【解決手段】コンロ装置1は、それぞれ単独で火力出力制御を行うことができる隣接する2つ以上の発熱体2よりなる発熱体対10を備えている。本発明は、発熱体対10に架け渡された単一の被加熱体3に対して前記発熱体対10を構成する2つ以上の発熱体2それぞれの火力出力を同期連動制御して前記単一の被加熱体3を加熱する架け渡し加熱運転モードを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の発熱体を備えたコンロ装置及びコンロ付き調理台装置に関する。
従来の、複数の発熱体を備えたコンロ装置は、各発熱体を独立して加熱運転することができるようになっている。
したがって、大型鍋や大型鉄板、横長魚焼鍋などの大型又は横長の被加熱体を使用すると、前記鍋の一部分しか加熱できないので、鍋全体を均等加熱することができない。
このため、従来は、一般的なコンロ装置とは別の、大型又は横長の被加熱体と大型の発熱体とがセットとなった、例えばホットプレートと称される専用の大型加熱調理器具が提供されているのが現実である。
複数の発熱体を備えたコンロ装置の従来例として、特許文献1を示す。
特開2003−100430号公報
本発明は、複数の発熱体を備えたコンロ装置において、個別の発熱体の上に載せた被加熱体を単独で加熱して調理できるだけでなく、大型又は横長の被加熱体を、隣接する2つ以上の発熱体よりなる発熱体対に架け渡して該発熱体対を構成する各発熱体の火力出力を同期連動制御して加熱調理できるコンロ装置及びコンロ付き調理台装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成になっている。
本発明のコンロ装置1は、それぞれ単独で火力出力制御を行うことができる隣接する2つ以上の発熱体2よりなる発熱体対10を備えている。本発明の特徴は、発熱体対10に架け渡された単一の被加熱体3に対して前記発熱体対10を構成する2つ以上の発熱体2それぞれの火力出力を同期連動制御して前記単一の被加熱体3を加熱する架け渡し加熱運転モードを備えていることである。
このような構成とすることで、通常の加熱調理時は、複数の発熱体2のうちのいずれかの発熱体2上に被加熱体3を載置し、該発熱体2の火力出力調整制御を単独で行って加熱調理ができ、一方、大型鍋や大型鉄板や横長魚焼鍋などの大型又は横長の被加熱体3で加熱調理する場合は、発熱体対10に大型又は横長の被加熱体3を架け渡して載置し、架け渡し加熱運転モードにすることで、発熱体対10を構成する2つ以上の発熱体2の火力出力を同期連動制御して前記単一の被加熱体3を加熱して調理できる。
また、前記発熱体対10を構成する対となった発熱体2には、各発熱体2上における被加熱体3の有無を検知する発熱体上鍋検知手段4を設けると共に、対となった発熱体2の間に、発熱体対10に架け渡される被加熱体3の有無を検知する発熱体間鍋検知手段5を設け、前記の発熱体上鍋検知手段4と、前記の発熱体間鍋検知手段5の両方で被加熱体3の存在を検知した場合にのみ、架け渡し加熱運転モードとなることが好ましい。
このような構成とすることで、発熱体対10に大型又は横長の単一の被加熱体3が架け渡されたことが確定されて、初めて架け渡し加熱運転モードとすることができ、安全性が担保される。
また、前記発熱体対10を構成する対となった発熱体2を同期連動制御する架け渡し加熱運転モードを、任意に選択設定するための架け渡し加熱入切スイッチ6を設けることが好ましい。
このような構成とすることで、使用者が専用の架け渡し加熱入切スイッチ6を操作することで架け渡し加熱運転モードに設定し、隣接する発熱体2を同期連動制御でき、また、通常の単独発熱体2の使用とは異なる操作を明確に区別してコンロの取り扱いをおこなうようにする。
また、架け渡し加熱運転モードが選択された状態では、発熱体対10を構成する対となった発熱体2のうち一つの発熱体2の個別操作スイッチ7が有効となり、他の発熱体2の個別操作スイッチ7や加熱状態表示が無効となるように制御されることが好ましい。
このような構成とすることで、単独加熱運転モードにおいて、個別操作スイッチ7のうち一方を、架け渡し加熱運転モードが選択された際における個別操作スイッチ7として兼用することができ、コンロ操作部においてスイッチが増え、取り扱いが複雑になることを避けている。
また、前記発熱体対10を構成する対となった発熱体2間に、被加熱体3の架け渡し状態を表示する架け渡し報知手段8を設けることが好ましい。
このような構成とすることで、大型又は横長の被加熱体3が架け渡されていることを架け渡し報知手段8で報知でき、使用者に対して、架け渡し加熱運転モードでの使用と、通常の単独発熱体での使用であることを区別して一目瞭然に報知することにより、より安全な使用を提供できる。
また、前記発熱体対10を構成する対となった発熱体2のそれぞれに被加熱体3の温度検知をおこなう発熱体上温度検知手段9aを備え、各発熱体上温度検知手段9aにより検知した温度の検知信号を制御部11に入力して、発熱体対10を構成する対となった各発熱体2の火力出力を同期加減制御することが好ましい。
これにより、発熱体対10を構成する対となった各発熱体2の真上で、単一の被加熱体の各発熱体2に対応した箇所の温度を検知することができ、各発熱体2に対応した箇所の温度差異を基に、各発熱体2の加熱出力を加減調整することによって、あたかも一つの発熱体2のように制御することで各発熱体2に対応した箇所を左右均熱加熱ができる。
また、発熱体対10を構成する対となった発熱体2の間の位置に被加熱体3の温度検知おこなう発熱体間温度検知手段9bを備え、この発熱体間温度検知手段9bにより検知した温度の検知信号を制御部に入力して、発熱体対10を構成する対となった各発熱体2の火力出力を同期加減制御することが好ましい。
このような構成とすることで、発熱体対10を構成する対となった各発熱体2の真上と、対となった発熱体2間の、少なくとも3箇所で温度検知することで、大型又は横長の被加熱体3に対して、より精度の高い均一加熱制御が行え、また、左右と中央それぞれの極度な温度偏差の検知を基に、異常加熱も監視できる。
また、本発明のコンロ付き調理台装置は、被加熱体3を架け渡して同期連動制御する発熱体対10を構成する2つ以上の発熱体2と、他の発熱体2とを調理台13上面に並列に配置する。
このように発熱体対10と、他の発熱体2とを調理台13上面に並列に配置することで、鍋の取扱いが左右横一列の動線で行え、従来のように、他の加熱中の鍋を跨ぐことなく、特に横長の鍋の取り扱いについては、両手方向で作業ができることで安全性と利便性に優れたものとなる。
本発明は、上記のように構成したので、複数の発熱体をそれぞれ単独で火力出力制御を行って通常の加熱調理ができるだけでなく、大型又は横長の被加熱体を用いて、隣接する発熱体に架け渡し、隣接する発熱体の火力出力を同時に同期連動制御して、架け渡し加熱運転モードで運転することで、多量あるいは大形、横長の食材を加熱調理するができるコンロを提供できる。このように、本発明は、コンロ装置において、一つの発熱体単独では加熱が不可能な大型又は横長の被加熱体を用いた場合でも、安全に均一もしくは調理方法に応じた加熱ができ、加熱調理の利便性が向上する。
本発明の一実施形態の平面図である。 同上の架け渡し加熱運転モード状態を例示する概略断面図である。 同上の架け渡し加熱運転モードのフローチャートである。 (a)(b)(c)(d)は同上の架け渡し加熱運転モードの各段階における個別報知手段、架け渡し報知手段による報知例を示す説明図である。 同上の単独加熱運転モード状態を例示する概略断面図である。 同上の単独加熱運転モードのフローチャートである。 (a)(b)(c)(d)(e)は同上の単独加熱運転モードの各段階における個別報知手段、架け渡し報知手段による報知例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態の平面図である。 同上の架け渡し加熱運転モード状態を例示する概略断面図である。 同上の架け渡し加熱運転モードのフローチャートである。 同上の単独加熱運転モード状態を例示する概略断面図である。 同上の単独加熱運転モードのフローチャートである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
コンロ装置1は、薄箱状をした本体部18の上面にコンロ天板12を設けて主体が構成してあり、コンロ天板12の複数個所に対応して複数の発熱体2が配置してある。発熱体2は、電磁誘導(IH)、あるいは電熱式等の電気的熱源、もしくはガス熱源により加熱するものが用いられる。
図1乃至図7には本発明の一実施形態を示している。本実施形態では、コンロ装置1に3つの発熱体2を設け、各発熱体2を電磁誘導コイル14で構成した例を示している。
上記3つの発熱体2はいずれも単独加熱運転ができると共に、上記3つの発熱体2のうち2つの隣接する発熱体2(図1、図2、図5においては中央と右側の発熱体2)は後述の架け渡し加熱運転モードで同期連動制御ができるように構成している。この架け渡し加熱運転モードで同期連動制御される2つの隣接する発熱体2を発熱体対10と定義して以下説明する。
コンロ装置1には、図1に示すように、3個の発熱体2の手前側にそれぞれ各発熱体2を個別に加熱運転制御するための単独加熱入/切スイッチ7aと火力調節スイッチ7bとよりなる個別操作スイッチ7、各発熱体2に対応した鍋検知・火力レベル・その他異常などを表示報知する個別報知手段30を設けている。
また、上記発熱体対10を構成する左右対となった2つの発熱体2間の手前側に架け渡し加熱入切スイッチ6、架け渡し状態表示手段が設けてあり、本実施形態ではこの架け渡し状態表示手段が架け渡し報知手段8を構成している。
また、コンロ装置1には、各発熱体2上における被加熱体3の有無を検知する発熱体上鍋検知手段4、上記発熱体対10を構成する対となった2つの発熱体2の間の位置における被加熱体3の有無を検知する発熱体間鍋検知手段5を設けている。
更に、コンロ装置1には、温度検知手段として、各発熱体2に対応して各発熱体2上に位置する鍋底の温度を検知するための発熱体上温度検知手段9a、発熱体2の間における鍋底の温度を検知するための発熱体間温度検知手段9bを設けている。
コンロ装置1は本体部18の上面部に耐熱強化ガラス等により形成されたコンロ天板12を設けたもので、このコンロ天板12の左右方向の3箇所に鍋などの被加熱体3を載置するための載置位置表示部20を並列して設けている。本体部18にはコンロ天板12の3箇所の載置位置表示部20の直下にそれぞれ上記3個の電磁誘導コイル14を配置し、更に、各発熱体2をそれぞれ駆動するための駆動部21、制御部11を内装している。
各発熱体2の運転加熱状態を報知する報知手段30としては、各発熱体2の鍋載置位置表示部20の手前に設けた各々の発熱体2の個別状態表示部において発光体22により点灯表示される。
さらに、本実施形態においては図1に示すように、個別状態表示部の手前に単独加熱入/切スイッチ7aと火力調節スイッチ7bとよりなる個別操作スイッチ7を配置している。
また、架け渡し状態を表示する架け渡し報知手段8は、発熱体対10を構成する対となった2つの載置位置表示部20の間の手前に設けた架け渡し表示部において、発光体23により点灯表示される。
上記コンロ天板12の架け渡し報知手段8の手前に架け渡し加熱入切スイッチ6を配置している。
被加熱体3の有無を検知するための上記発熱体上鍋検知手段4、発熱体間鍋検知手段5としては、従来から公知の非接触式又は接触式で被加熱体3の存在の有無を検知する種々の技術が採用できるが、図1乃至図7に示す実施形態では、発熱体2を構成する対となった電磁誘導コイル14で発熱体上鍋検知手段4を構成する例が示してある。
本例では電磁誘導コイル14に微弱出力を与えると、電磁誘導コイル14上に鍋が有る場合はコイル渦電流が発生するので、このコイル渦電流を検知することで、鍋が有ると判断し、コイル渦電流が発生しない場合は鍋が無いと判断する。
また、図1乃至図7に示す実施形態では、発熱体間鍋検知手段5を反射型光電(赤外線)センサーで構成した例が示してある。
この反射型光電(赤外線)センサーは、本体部18内に赤外線を放射する発光素子と、受光素子を配置することで構成されるもので、発光素子から放射された赤外線がコンロ天板12を通過して被加熱体3の底面に反射して再びコンロ天板12を通過して受光素子で受光し、その受光出力を制御部11に入力することで、該入力値により被加熱体3の有無を判断するようになっている。
また、図1乃至図7に示す実施形態では、発熱体上温度検知手段9a、発熱体間温度検知手段9bとして赤外線放射センサーを用いており、各載置位置表示部20の領域内、及び、発熱体対10を構成する対となった2つの発熱体2間の位置の本体部18内に配置している。
上記の構成の本発明のコンロ装置1は、各発熱体2の火力出力制御をそれぞれ単独で行う単独加熱運転モードと、発熱体対10を構成する対となった2つの発熱体2の架け渡し加熱運転モードを有している。
すなわち、架け渡し加熱入切スイッチ6を操作することで、図3に示すフローチャートに示すようにして発熱体対10を構成する対となった2つの発熱体2を、架け渡し加熱運転モードで火力出力を同期連動制御するようになっている。
また、各個別操作スイッチ7を操作することで、図6に示すフローチャートに示すようにして単独加熱運転モードで各発熱体2を単独で制御して単独加熱運転をするようになっている。
以下、図3に基づいて、架け渡し加熱運転モードにつき説明する。なお、図1、図2は架け渡し加熱運転モード状態における平面図、概略断面図を示し、図4は架け渡し加熱運転モードの各段階における個別報知手段30、架け渡し報知手段8による報知例を示している。
まず、コンロ装置1に設けた電源スイッチ(図示せず)をオンすると、待機状態となる。
架け渡し加熱運転をする場合は、上記待機状態において、架け渡し加熱入切スイッチ6をオンする。
架け渡し加熱入切スイッチ6をオンすると、発熱体間鍋検知手段5を構成する反射型光電(赤外線)センサーで、発熱体対1の中間に鍋が有るか否かが検知される。この時、同時に架け渡し報知手段8により架け渡し状態判定中であることが表示される(例えば、図4(a)に示すように、架け渡し報知手段8の一部、隣接する個別報知手段30の一部が点滅して表示される)。
上記のように発熱体間鍋検知手段5で発熱体2の間に鍋が有ることが検知されると、隣接する発熱体2を構成する対となった発熱体2の電磁誘導コイル14(つまり各々の発熱体上鍋検知手段4)に微弱出力し鍋の有無を判断する。
このようにして発熱体間鍋検知手段5と、左右の発熱体上鍋検知手段4の3箇所で鍋の存在を検知すると、架け渡し加熱運転モードが確定すると共に、架け渡し報知手段8により、架け渡し確定であることを報知表示する。例えば、図4(b)に示すように、架け渡し報知手段8の一部の発光体23、発熱体対10の一方の個別報知手段30の一部が常時点灯して「架け渡し確定報知」が表示される。
一方、発熱体間鍋検知手段5で鍋を検知しない場合、あるいは、発熱体対10の左右いずれか、もしくは両方の発熱体上鍋検知手段4が鍋を検知しない場合、架け渡し失敗であるとして、架け渡し報知手段8により「架け渡し失敗警告」が報知される。
例えば、図4(d)のように、架け渡し報知手段8の全発光体23を点滅させ、また、特に異常が検知された側の個別報知手段30の一部の発光体22を点滅させる。
さらに、上記のように「架け渡し失敗警告」を報知し、同時に、発熱体対10の左右の電磁誘導コイル14への出力を停止して待機状態に移行する。
このように、本発明は、発熱体対10を構成する対となった左右の発熱体2に鍋が正しく架け渡されていない場合、つまり、鍋が一方の発熱体2のみに載置されている場合、あるいは、発熱体対10の対となった発熱体2に、それぞれ別の鍋が載置され、発熱体2間に鍋が検知されない場合等は、発熱体対10を構成する対となった発熱体2の両方に加熱出力がなされず、待機に移行することで安全性を担保している。
上記のように本発明は、発熱体間鍋検知手段5、隣接する左右の発熱体上鍋検知手段4により3箇所で鍋の存在を検知した場合のみ架け渡し加熱運転モードとなる。
また、架け渡し加熱運転モードが確定すると、発熱体対10の左右の個別操作スイッチ7のうち一方(図では右側)の個別操作スイッチ7と個別報知手段30が無効化され、他方(図では左側)の個別操作スイッチ7の火力調節スイッチ7bが、架け渡し加熱運転モードにおける火力調節スイッチを代用するように制御される。
なお、実施形態では他方(図では左側)の個別操作スイッチ7の単独加熱入/切スイッチ7aが無効化される。この時、他方の火力調節スイッチ7bが、架け渡し加熱運転モードにおける火力調節スイッチを代用していることを、図4(b)のように他方(図では左側)の個別報知手段30の一部を点灯することで表示する。
次に、上記代用している他方(図では左側)の火力調節スイッチ7bを操作して、左右の発熱体2の火力調節をおこなうことができ、左右の発熱体2の火力出力を同期連動制御して加熱運転を行う。
この架け渡し加熱運転モードにおける上記火力調節の表示は、図4(c)のように、架け渡し報知手段8の発光体23の複数個でレベル表示される。
上記のようにして、架け渡し加熱運転を行って大型鍋や大型鉄板、横長魚焼鍋などの大型又は横長の被加熱体を加熱して調理を行う。
この架け渡し加熱運転中、左右の発熱体上鍋検知手段4でそれぞれ被加熱体3の有無を検知すると共に、発熱体間鍋検知手段5で隣接する発熱体2間の上方位置における被加熱体3の有無を検知し、また、架け渡し加熱している被加熱体3の各発熱体2上に位置する鍋底の温度と発熱体2間の鍋底の温度をそれぞれ発熱体上温度検知手段9a、発熱体間温度検知手段9bで検知する。
左右の発熱体上鍋検知手段4、発熱体間鍋検知手段5のすべてで鍋の存在が確認されて架け渡し状態が持続していることが検知され、これに加え、3箇所の温度検知手段(発熱体上温度検知手段9a、発熱体間温度検知手段9b)により、架け渡し加熱している被加熱体3の鍋底の左右両側部分及び中間部分の温度を検知し、上記3箇所の検知温度が設定された所定温度の範囲内にあるときは、架け渡し加熱入切スイッチ6がオフとなるまで上記架け渡し加熱運転を継続する。
また、フロー図には示していないが、2つの発熱体上温度検知手段9aとその間の位置にある発熱体間温度検知手段9bにおける温度検知の値の相関において、予め設定された範囲内の値の偏差を検知した場合、鍋内の食材の影響等による加熱むらと判断して、このむらを補正すべく、発熱体対10のいずれか一方の発熱体2への出力を増減させて、前記の加熱むらを解消するように発熱体対10の加熱量を偏差調節制御することもできる。
一方、架け渡し加熱運転中、隣接する左右の発熱体上鍋検知手段4、発熱体間鍋検知手段5のうち少なくとも1つで鍋(物体)の存在が検知されない場合や、あるいは、3箇所の温度検知手段9(発熱体上温度検知手段9a、発熱体間温度検知手段9b)により検知した温度のうち、少なくとも1箇所以上の温度が設定された範囲を外れている場合は、発熱体対10を構成する対となった発熱体2への各出力を停止して待機状態に移行する。これにより架け渡し加熱運転中に、鍋を移動した場合、あるいは異常加熱が発生した場合等は出力を停止して、安全性が担保される。
本実施形態においては、2つの発熱体2を個別に火力調節する火力調節スイッチ7bの一つを、架け渡し加熱運転モードの際の火力調節スイッチとして代用しているので、スイッチの数が少なくできて、構造が簡略化できる。もちろん、架け渡し加熱運転モードの際の火力調節スイッチとして専用のものを設けてもよい。
次に、図6に基づいて、単独加熱運転モードにつき説明する。なお、図5は単独加熱運転モード状態における概略断面図を示し、図7は単独加熱運転モードの各段階における個別報知手段、架け渡し報知手段による報知例を示している。
コンロ装置1に設けた電源スイッチ(図示せず)をオンして待機状態にし、続いて使用する発熱体2の単独加熱入/切スイッチ7aをオンする。
単独加熱入/切スイッチ7aをオンすると、発熱体間鍋検知手段5を構成する反射型光電(赤外線)センサーで隣接する発熱体2間に鍋等の物体が有るか否かが検知される。
この時、同時に対応する個別報知手段30により単独加熱入/切スイッチ7aをオンされたことを報知する(例えば、図7(a)に示すように対応する個別報知手段30の一部が点滅して表示する)。
発熱体間鍋検知手段5で鍋等の物体が有ることが検知されると、単独加熱としては異常であるとして待機状態に戻る。この場合、例えば、図7(e)のように、対応する個別報知手段30が全点滅すると共に、架け渡し報知手段8の一部が点滅して、鍋が対応する発熱体2上に単独で正しく載置してないことを報知する。
また、通常のコンロに比べて、発熱体2の単独使用であっても、その発熱体2の周囲つまり2つの発熱体2間にある不用意な物体の存在に対しても、安全注意喚起の報知をおこなうことができ、より好適である。
一方、発熱体間鍋検知手段5で鍋が無い場合は、使用する発熱体2を構成する電磁誘導コイル14(これがそれぞれ発熱体上鍋検知手段4を構成する)に微弱出力して鍋があるか否かを判断する。該当する発熱体2上にそれぞれ鍋があることが検知されると、単独加熱運転モードが確定となる。
上記のように単独加熱運転モードが確定されると、鍋検知確定が個別報知手段30により報知される。この場合、例えば、図7(b)のように個別報知手段30の一部を点灯して「鍋検知確定」を報知する。
次に、火力調節スイッチ7bを操作して発熱体2の火力調節を行って、単独加熱運転を行う。この単独加熱運転モードにおける上記火力調節の表示は図7(c)のように、個別報知手段30で表示する。
発熱体上鍋検知手段4で鍋の存在が確認され、また、発熱体上温度検知手段9aにより被加熱体3の鍋底の温度を検知して設定された温度の範囲内にあるときは、単独加熱入/切スイッチ7aがオフとなるまで上記単独加熱運転を継続する。
一方、単独加熱運転の途中で、発熱体上鍋検知手段4で鍋の存在が検知されない場合、あるいは、発熱体上温度検知手段9aにより検知した温度が設定された温度の範囲を外れている場合は、例えば、図7(d)のように個別報知手段30で全点滅して「鍋無/不適合」であることを報知し、当該発熱体3への出力を停止して待機状態に移行する。
また、単独加熱運転中に、発熱体間鍋検知手段5、あるいは発熱体間温度検知手段9bが異常であると判断した場合、発熱体2のコイル出力を停止させる制御を用いても何ら支障はない。
なお、架け渡し加熱運転モード、単独加熱運転モードの各段階における架け渡し報知手段8、個別報知手段30における表示の内容は上記した例にのみ限定されない。
また、視認表示手段のみならず、音声報知手段を併せて備えてもよい。
次に、図8乃至図12に基づいて本発明の他の実施形態を説明する。
前述の各実施形態においては、発熱体2を電磁誘導コイル14で構成した例を示したが、本実施形態は発熱体2を燃焼バーナ16で構成したいわゆるガスコンロの例を示している。
図8、図9、図11に示すように、コンロ天板12に露出するように複数(図では3個)の燃焼バーナ16とその五徳26を左右方向に並列配置している。
本実施形態における発熱体上鍋検知手段4は、被加熱体3の底面(鍋底)が接触することで被加熱体3の存在の有無を検知する接触式のものを用いており、燃焼バーナ16の中心部に上下移動自在で上方に向けてばね付勢された可動部27と、可動部27の上下移動によりオン/オフされるリミットスイッチ(図示せず)とで発熱体上鍋検知手段4を構成している。
この発熱体上鍋検知手段4は、五徳26に被加熱体3を載置して被加熱体3が可動部27に接触すると、可動部27がばね力に抗して押し下げられてリミットスイッチをオンして該信号が制御部11に入力されることで被加熱体3が存在すると判断され、また、被加熱体3を五徳26から離すと、可動部27がばね力で上方に移動することで、リミットスイッチのオフとなって被加熱体3が存在しないと判断されるようになっている。
また、本実施形態における発熱体間鍋検知手段5としては、例えば、近接センサー、あるいは測距式センサーが使用される。
また、本実施形態においては、各発熱体2に対応して各発熱体2上に位置する鍋底の温度を検知するための発熱体上温度検知手段9aとしては可動部27に接触式サーミスタを設けることで構成している。発熱体対10を構成する対となった発熱体2の間の上方における鍋底の温度を検知するための発熱体間温度検知手段9bとしては赤外線放射センサーが使用される。
図10には本実施形態における架け渡し加熱運転モードのフローが示してあり、図12には本実施形態における単独加熱運転モードのフローを示している。
本実施形態は、図10に示すように非接触式センサーを用いた発熱体間鍋検知手段5と接触式センサーを用いた2つの発熱体上鍋検知手段4により鍋検知を同時に行う。
上記の点が異なるが、他は図3に示される前述の実施形態における架け渡し加熱運転モードのフローと同じフローで制御されるので、詳細な説明は省略する。
また、ガスコンロの場合には、発熱体対10の中央つまり両方の燃焼バーナ16の間は、双方の火炎が複雑に混合し、単一の放射式の発熱体間温度検知手段9bのみでは鍋底の温度の検知が困難であることより、各発熱体2上に用いた被加熱体3との接触式の温度検知手段や、火炎温度を検知する手段、あるいは火炎周囲の廃気ガス成分を検知して燃焼異常を監視する手段などを組み合わせて備えることも好適である。
上記した各実施形態において、被加熱体3の載置の有無を検知するための手段である発熱体上鍋検知手段4、発熱体間鍋検知手段5を、電磁誘導コイル14、あるいは、可動部27の上下移動によりオン、オフされる鍋検知スイッチ、あるいは、反射型光電(赤外線)センサー、あるいは、近接センサー、あるいは測距式センサーで構成した例を示したが、必ずしも上記例にのみ限定されず、被加熱体3の載置の有無をコンロ天板12での受光量で検知するようにしてもよい。
コンロ天板12での受光量で検知するには、コンロ天板12における各載置位置表示部20や隣接する各載置位置表示部20間の位置の直下に受光量センサを設け、コンロ装置1が設置される周囲環境からコンロ天板面に照射される受光量を、上記受光量センサにより検知するもので、各受光量センサの上方に対応する各載置位置表示部20上又は各載置位置表示部20間の位置に被加熱体3が存在して光量が遮断されると、コンロ天板12の所定位置に被加熱体3が載置されていると判断し、光量が遮断されず受光センサで所定の光量が受光されると被加熱体3が載置されていないと判断する。
特に、電磁誘導加熱(IH)式等の電気コンロの場合は、鍋とコンロ天板12が密接するので、前記の方式は、簡便な手段でかつ有効である。
もちろん、上記各例示したもの以外に従来から周知の鍋検知手段を用いて被加熱体の有無を検知するようにしてもよい。更に、これら各例のものを複数組み合わせてもよく、この場合は、被加熱体3の有無をより正確に検知できる。
なお、上記いずれの実施形態においても、架け渡し加熱運転モードにおける加熱運転において、発熱体対10を構成する発熱体2の同期連動制御を行うに当たり、両方の発熱体2の出力が変わらないようにして同出力で同期連動制御する同出力同期モードと、左右いずれか一方の発熱体2の出力が、左右いずれか他方の発熱体2の出力よりも大又は小となるように制御する異出力同期制御モードとを備え、同出力同期モードと異出力同期制御モードを有して選択自在としてもよい。
ここで、架け渡し加熱運転モードを異出力同期制御モードで運転すると、架け渡し加熱運転モードで加熱運転する際、隣接する左右の発熱体2の偏差加熱ができて、例えば、魚の頭を強加熱したり、あるいは、同一被加熱体3で熱の通り易い食材と、熱の通り難い食材とを同時加熱調理できる。
前述のいずれの実施形態においても、図1、図4、図6、図8、図13に示すように、発熱体2を左右方向に3個並列配置し、一側に位置する一つの発熱体2は大火力で面積が大きく、他の2つの隣接する発熱体2は上記大火力よりも小火力で面積が小さいものとし、この小火力の2つの発熱体2(ここで小火力の2つの発熱体2は同じ火力であってもよく、一つが上記大火力よりも小さい中火力、他の一つが中火力より火力の小さい小火力であってもよい)で架け渡し加熱を可能とする発熱体対10を構成してある例が示してある。そして、大火力の発熱体2とこれに隣接する中間の小火力の発熱体2との間のピッチよりも、架け渡し加熱を可能とする発熱体対10を構成する隣り合う小火力の発熱体2間のピッチを小さくしてあり、隣接する2つの小火力の発熱体2に被加熱体3を架け渡すのに都合がいいように構成してある。
また、これらの実施形態においては、大火力で面積の大きい発熱体2と小火力で面積の小さい発熱体2の後端をコンロ天板12の前縁と平行な仮想線上に揃え又は略揃えてあり、これにより小火力で面積の小さい発熱体2の手前のスペースを大きく確保して、特に、架け渡し加熱調理に用いる横長の鍋を手前のスペースに仮置きするなど、種々の用途に利用できるようにしてある。
前述の各実施形態では3個の発熱体2を並列配置した例を示したが、本発明は、2個の発熱体2を並列配置したものでも、4個以上の発熱体2を並列配置したものでもよいのはもちろんである。
また、本発明におけるコンロ装置1は、添付図面に示す実施形態において、調理台13の上面部のカウンター19に設けた開口部にコンロ装置1の本体部18をビルトインして組み込むと共に、カウンター19部分にコンロ装置1のコンロ天板12を露出させてコンロ付き調理台として構成してある。
もちろん、コンロ装置1を調理台13に組み込むことなく、コンロ装置1単体として用いるものであってもよい。
また、本発明のコンロ装置1にコンロ天板12を設けることなく、調理台13にコンロ装置1を組み込むと共に上面のカウンター19に複数の発熱体2を並列配置したものであってもよい。
1 コンロ装置
2 発熱体
3 被加熱体
4 発熱体上鍋検知手段
5 発熱体間鍋検知手段
6 架け渡し加熱入切スイッチ
7 個別操作スイッチ
8 架け渡し報知手段
9a 発熱体上温度検知手段
9b 発熱体間温度検知手段
11 制御部
12 コンロ天板
13 調理台
14 電磁誘導コイル
16 燃焼バーナ
29 調理台


Claims (8)

  1. それぞれ単独で火力出力制御を行うことができる隣接する2つ以上の発熱体よりなる発熱体対を備えたコンロ装置において、前記発熱体対に架け渡された単一の被加熱体に対して、前記発熱体対を構成する2つ以上の発熱体それぞれの火力出力を同期連動制御して前記単一の被加熱体を加熱する架け渡し加熱運転モードを備えていることを特徴とするコンロ装置。
  2. 前記発熱体対を構成する対となった発熱体には、各発熱体上における被加熱体の有無を検知する発熱体上鍋検知手段を設けると共に、対となった発熱体の間に、発熱体対に架け渡される被加熱体の有無を検知する発熱体間鍋検知手段を設け、前記の発熱体上鍋検知手段と、前記の発熱体間鍋検知手段の両方で被加熱体の存在を検知した場合にのみ、架け渡し加熱運転モードとなることを特徴とする請求項1記載のコンロ装置。
  3. 前記発熱体対を構成する対となった発熱体を同期連動制御する架け渡し加熱運転モードを、任意に選択設定するための架け渡し加熱入切スイッチを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンロ装置。
  4. 架け渡し加熱運転モードが選択された状態では、前記対となった発熱体のうち、一方の発熱体の個別操作スイッチが有効となり、他方の発熱体の個別操作スイッチや加熱状態表示が無効となるように制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のコンロ装置。
  5. 前記発熱体対を構成する対となった発熱体の間の位置に、前記の架け渡し加熱運転モ−ド状態であることを表示する架け渡し報知手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載のコンロ装置。
  6. 前記発熱体対を構成する対となった発熱体のそれぞれに被加熱体の温度検知をおこなう発熱体上温度検知手段を備え、各温度検知手段により検知した温度の検知信号を制御部に入力して、発熱体対を構成する対となった発熱体の火力出力を同期加減制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載のコンロ装置。
  7. 前記発熱体対を構成する対となった発熱体の間の位置に被加熱体の温度検知おこなう発熱体間温度検知手段を備え、この発熱体間温度検知手段により検知した温度の検知信号を制御部に入力して、発熱体対を構成する対となった各発熱体の火力出力を同期加減制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載のコンロ装置。
  8. 請求項1乃至請求項7記載のいずれか一項記載のコンロ装置を備えたコンロ付き調理台装置であって、被加熱体を架け渡して同期連動制御する発熱体を構成する2つ以上の発熱体と、他の発熱体とを調理台上面に並列に配置して成ることを特徴とするコンロ付き調理台装置。


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