JP2011009033A - イオン交換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池スタック110を経由するように冷媒を循環させる冷媒回路120に設けられ、冷媒中のイオンを吸着し、イオン濃度を低減するイオン交換器1であって、イオンを吸着する粒状のイオン交換樹脂11が集合してなるイオン交換樹脂集合体10と、イオン交換樹脂集合体10を収容するゴムホース20と、ゴムホース20の両端側にそれぞれ設けられ、イオン交換樹脂11の流出を防止するフィルタ40と、を備え、ゴムホース20は、径方向内側に収縮する収縮力を有しており、イオン交換樹脂11の体積が小さくなったとしても、収縮力を有するゴムホース20が収縮し、ゴムホース20とイオン交換樹脂集合体10とは密着する。
【選択図】図3
Description
このように隙間が形成されないので、冷媒はイオン交換樹脂集合体内を流通し、イオン交換樹脂に良好に接触等し、冷媒中のイオンはイオン交換樹脂に吸着・回収される。よって、イオン交換器のイオン回収機能は好適に持続する。
さらに、収縮チューブ、収縮バンド等のゴムホースを径方向内側に押圧する押圧手段を使用せず、ゴムホース自体の収縮力を利用するので、部品点数が少なくなると共に、簡易な構成となり、製造容易となる。
また、イオン交換樹脂集合体は略円柱状になるから、輪切り断面方向において、粒状の熱交換樹脂は、均等に分布しやすくなり、輪切り断面方向における熱交換樹脂の密度はばらつきにくくなる。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システム100は、燃料電池スタック110(燃料電池)と、燃料電池スタック110を経由するように冷媒を循環させる冷媒回路120と、冷媒回路120に設けられたイオン交換器1と、を備えている。
なお、本実施形態では、燃料電池システム100は、燃料電池車(移動体)に搭載されている。
燃料電池スタック110は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)をセパレータ(図示しない)で挟持してなる単セルが複数積層されて構成されている。MEAは、電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟持するカソード及びアノードとを備えている。各セパレータには、溝や貫通孔からなるアノード流路111及びカソード流路112が形成されている。
冷媒回路120は、燃料電池スタック110の冷媒流路113を経由するように冷媒を循環させる回路であって、冷媒ポンプ121と、ラジエータ122と、ノーマルクローズ型の遮断弁123と、を備えている場合もある。
なお、冷媒は、例えば、エチレングリコールと、水と、導電率を調整したり、耐腐食性を高める添加剤との混合液からなる。
冷媒ポンプ121は、燃料電池スタック110及び/又はバッテリ(図示しない)を電源とし、図示しないECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)からの指令に従って作動すると、冷媒が、燃料電池スタック110とラジエータ122との間で循環するようになっている。
ただし、これに限定されず、直列で配置された構成、例えばイオン交換器1が配管122aに設けられた構成や、ラジエータ122をバイパスするラジエータバイパス配管(図示しない)に設けられた構成でもよい。
次に、イオン交換器1の具体的構成について、図2〜図4を参照して説明する。
なお、図2〜図4では、分かりやすく説明するため、イオン交換樹脂11等を大きく記載している。
すなわち、ゴムホース20の両端開口には、ジョイント30、30がそれぞれ差し込まれており、そして、ゴムホース20の外周面を巻回するバンド21によって、ゴムホース20がジョイント30から脱離しないようになっている。
イオン交換樹脂集合体10は、複数のイオン交換樹脂11(陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂)が集合して構成され、円筒状を呈するゴムホース20の径方向内側への収縮力(矢印A1参照)によって、略円柱状を呈している。
イオン交換樹脂11は、粒状を呈しており、脱イオンすべきイオン種(陽イオン、陰イオン)に対応して、所定の配合比で、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とが混合されたものである。なお、このようなイオン交換樹脂11は、使用に伴って、経時的に体積が小さくなり、収縮する(図3(b)参照)。
ゴムホース20は、円筒状を呈すると共に(図4(a)参照)、若干径方向外側に伸ばされた状態で、つまり、やや拡径した状態で、イオン交換樹脂集合体10を収容しており、ゴムホース20自体が、径方向内側に収縮する収縮力を有している(矢印A1参照)。ただし、ゴムホース20は、この他に例えば、正六角形筒状でもよい。
また、このようなゴムホース20は、ゴムホース20自体からのイオン溶出を防止するため、例えばシリコーンブレードから形成される。
図5に示すように、ゴムホース20から左側のジョイント30を取り外し、ゴムホース20の左端に、空気を所定圧力で吐出するノズル51を差し込む。そして、空気が漏れないように、右側のジョイント30の開口を、適宜な治具(図示しない)で塞いだ後、ノズル51から空気を吐出し、ゴムホース20を所定に膨らませ、径方向外側に広げる(矢印A3参照)。
図3に戻って説明を続ける。
ジョイント30、30は、ゴムホース20(イオン交換器1)と、配管123b、123c(他の機器)とを接続するためのものである。このようなジョイント30は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)等から形成されており、ジョイント30の剛性は、ゴムホース20の剛性よりも高く設計されている。
フィルタ40は、ゴムホース20の軸方向(冷媒の流通方向)におけるイオン交換樹脂11の外部への流出を防止するものであり、インサート成形によって、ジョイント30に設けられると共に、ジョイント30と一体成形されている。このようなフィルタ40は、円板状を呈すると共に、フィルタ40には、冷媒の流通を許可し、かつ、体積収縮したとしてもイオン交換樹脂11の通過を許可しない複数の連通孔41が形成されている。
すなわち、フィルタ40の厚さ等に基づく剛性は、軸方向外側に延在しようとするイオン交換樹脂集合体10の圧力で、変形しない程度に設定されることが望ましい。
このようなイオン交換器1によれば、次の作用効果を得る。
使用に伴ってイオン交換樹脂11の体積が小さくなったとしても、これに対応して、ゴムホース20が径方向内側に収縮し、イオン交換樹脂集合体10とゴムホース20との間に隙間が形成されない。これにより、冷媒がイオン交換樹脂集合体10内を流通し、イオン交換器1のイオン回収機能は好適に持続する。
ただし、イオン交換樹脂11の収縮に対応したゴムホース20の収縮を確実とするべく、ゴムホース20の外周面に例えば所定間隔でゴムバンドを巻回する構成としてもよい。
さらにまた、ゴムホース20は円筒状であるので、輪切り断面方向におけるイオン交換樹脂11の密度を均一にでき、冷媒が輪切り断面全体を流通すると共に、冷媒からイオンを効率的に吸着・回収できる。
例えば、図6に示すように、ジョイント30と、フィルタ40とを別部品とする構成としてもよい。この場合において、フィルタ40をジョイント30に対して軸方向でスライド自在に設け、さらに、フィルタ40をゴムホース20側に付勢する複数の皿ばね42(付勢ばね)を備えることが好ましい。なお、フィルタ40は、ジョイント30に取り付けられたリング板43によって、ジョイント30から脱落しないようになっている。
10 イオン交換樹脂集合体
11 イオン交換樹脂
20 ゴムホース
30 ジョイント
40 フィルタ
110 燃料電池スタック(燃料電池)
Claims (3)
- 燃料電池を経由するように冷媒を循環させる冷媒回路に設けられ、冷媒中のイオンを吸着し、イオン濃度を低減するイオン交換器であって、
イオンを吸着する粒状のイオン交換樹脂が集合してなるイオン交換樹脂集合体と、
前記イオン交換樹脂集合体を収容するゴムホースと、
前記ゴムホースの両端側にそれぞれ設けられ、前記イオン交換樹脂の流出を防止するフィルタと、
を備え、
前記ゴムホースは、径方向内側に収縮する収縮力を有しており、
前記イオン交換樹脂の体積が小さくなったとしても、収縮力を有する前記ゴムホースが収縮し、前記ゴムホースと前記イオン交換樹脂集合体とは密着する
ことを特徴とするイオン交換器。 - 前記ゴムホースの両端にそれぞれ設けられ、前記ゴムホースと他の機器とを接続し、前記ゴムホースよりも剛性の高いジョイントを備え、
前記各フィルタは、前記各ジョイントにそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のイオン交換器。 - 前記ゴムホースは円筒状である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン交換器。
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