JP2007122906A - イオン交換器、及びイオン交換樹脂パック - Google Patents
イオン交換器、及びイオン交換樹脂パック Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007122906A JP2007122906A JP2005309670A JP2005309670A JP2007122906A JP 2007122906 A JP2007122906 A JP 2007122906A JP 2005309670 A JP2005309670 A JP 2005309670A JP 2005309670 A JP2005309670 A JP 2005309670A JP 2007122906 A JP2007122906 A JP 2007122906A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pack
- ion exchanger
- coolant
- ion
- exchange resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】樹脂体の交換作業が容易で、かつ冷却液を樹脂体に確実に通過させる構造のイオン交換器を提供する。
【解決手段】イオン交換器10は、イオン交換樹脂12(樹脂体)が封入されたパック14が内壁56の全周に亘って密着するように、冷却液の流れ方向に沿ってパック14を収縮させる収縮手段(張力発生部材48)を有している。パック14内の樹脂体12全体の体積が減少すると、収縮手段48がパックを冷却液の流れ方向に収縮させる。冷却液の流れ方向に対し垂直な方向には収縮しないため、内壁56全周に亘って密着し続ける。したがって、パック14と収容部44の内壁56との間に隙間が生じることを抑制し、パック14内の樹脂体12に、冷却液を確実に通過させることができる。
【選択図】図2
【解決手段】イオン交換器10は、イオン交換樹脂12(樹脂体)が封入されたパック14が内壁56の全周に亘って密着するように、冷却液の流れ方向に沿ってパック14を収縮させる収縮手段(張力発生部材48)を有している。パック14内の樹脂体12全体の体積が減少すると、収縮手段48がパックを冷却液の流れ方向に収縮させる。冷却液の流れ方向に対し垂直な方向には収縮しないため、内壁56全周に亘って密着し続ける。したがって、パック14と収容部44の内壁56との間に隙間が生じることを抑制し、パック14内の樹脂体12に、冷却液を確実に通過させることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池の冷却液循環器回路における冷却液中のイオン濃度を低減するイオン交換器、及びイオン交換器に収容されるイオン交換樹脂を封入したパックに関し、詳細には、パックに封入されるイオン交換樹脂の形態を適切に保持するための構造に関する。
燃料電池には、これに用いる電解質の種類に応じて、性能を発揮させるのに適正な動作温度がある。この適正な動作温度を保つために、燃料電池には、これを冷却するシステムとして冷却液循環回路が設けられている。
この燃料電池の冷却液循環回路には、冷却液の熱を外気に放散させるラジエータと、冷却液を圧送するウォータポンプと、燃料電池スタック内に設けられた冷却液が循環する内部通路と、これらを接続し、冷却液が循環する冷却配管が設けられている。このような燃料電池の冷却液循環回路には、純水やエチレングリコール等を含んだ冷却液が用いられる。
このような冷却液循環回路を構成する部品(ラジエータ、ウォータポンプ、及び冷却配管等)は、主に金属製であり、これらの部品からは僅かながら金属イオンが溶出する。金属イオンの溶出により冷却液中のイオン濃度が上昇すると、冷却液が導電性を有してしまい、燃料電池スタックから冷却液を伝って電流が流れることで燃料電池スタックとボデーアース間において所定の絶縁抵抗値を確保できないという問題があった。
そこで、従来から燃料電池の冷却液循環回路100には、冷却液に溶出した金属イオンを除去するため、例えば図4に示すような内部構造のイオン交換器120が設けられている。イオン交換器120は、硬質のケース122の内部124に、「粒状のイオン交換樹脂」(以下、「樹脂体」と記す)126が封入されて構成されている。ケース122に形成された流入口128と、流出口130には、樹脂体126がケース内部124から流出しないようフィルタ129,131が設けられている。流入口128をからケース内部124に流入した冷却液は、含有する金属イオンが樹脂体126に吸着されて、イオン濃度が低下する。イオン濃度が低下した冷却液は、流出口130に設けられたフィルタ131を通って、イオン交換器120外に流れ出る。以上のようにして、イオン交換器120は、冷却液循環回路を流れる冷却液中の、金属イオンの濃度を低減することができる。
ところで、イオン交換樹脂(樹脂体)のイオン吸着量には限界があり、従来からイオン交換器に充填された樹脂体は、所定の寿命をもって交換又は再生する必要があった。特に、燃料電池車等の移動体に搭載されるイオン交換器においては、整備性やコストの観点から、イオン交換器を新しいものに交換するのではなく、イオン交換器のケースに収容される樹脂体を、容易に交換にすることが要望されていた。
そこで、下記の特許文献1のイオン交換器においては、通水性を有する布帛で形成された袋体にイオン交換樹脂を封入したもの(以下、「イオン交換樹脂パック」と記す)を、これをイオン交換器のケース内部に配置している。イオン交換樹脂パックごと交換することで、寿命となった樹脂体の交換作業を容易にしている。
さらに、特許文献1の袋体を形成する布帛は弾力性を有しており、樹脂体の体積が全体として変化する場合において適切な形態に保持している。このため、冷却液中を樹脂体が浮遊し、衝突し合って樹脂体の「割れ」や磨耗粉が生じてしまうことを抑制することが可能となっている。
しかし、特許文献1のイオン交換器においては、樹脂体の体積減少がある程度進行すると、これに応じて袋体が全体的に収縮してしまい、ケースと袋体との間に隙間が生じてしまう。このような隙間が生じると、冷却液が樹脂体を通過することなくイオン交換器を貫流する、いわゆる「ショートパス」を生じるため、イオン交換器として所望のイオン吸着能力を発揮できないという問題がある。
そこで本発明は、冷却液を樹脂体に確実に通過させることを目的としている。
本発明に係るイオン交換器は、冷却液が内部に流通可能で、イオン交換樹脂が封入されたパックと、冷却液が貫流する流路に形成され、前記パックを収容する収容部と、を有しており、さらにイオン交換器は、前記パックが収容部の内壁に密着するように、前記パックを収縮させる収縮手段、を備えている。パック内の樹脂体全体の体積が減少すると、収縮手段がパックを冷却液の流れ方向に収縮させる。パックは、冷却液の流れ方向に対し垂直な方向には収縮しないため、収容部の内壁に密着し続けることが可能となる。
ここで、収縮手段は、一端が前記パックの上流側に、他端が前記パックの下流側に接続され、これらの部位を引き寄せる張力を発生する張力発生部材であることが好ましい。張力発生部材には、ゴムひもや、コイルスプリング等が用いられる。張力発生部材が相対向する位置に接続されたパックを、収容部内に所定の方向に向けて配置することで、パックを冷却液の流れ方向に沿って収縮させることができる。
また、収縮手段は、収容部の前記パックより上流側及び下流側に設けられても良く、前記パックを挟持して、前記パックを圧縮する力を発生する圧縮力発生部材であることが好ましい。圧縮力発生部材には、コイルスプリング等が用いられる。パックより上流側及び下流側に設けられた圧縮力発生部材が、パックを挟持し、かつ冷却液の流れ方向に沿って圧縮する。上流側及び下流側から圧縮力が付与されたパックは、冷却液の流れ方向に収縮することができる。
また、収容部には、開口と、その開口に脱着可能な蓋が設けられても良く、パックが交換可能となっていることが好ましい。蓋を開けて、パックを交換するだけで、劣化した樹脂体全体を交換することができる。
また、パックは、伸縮自在な材質で形成されていることが好ましい。パックに充填された樹脂体を、冷却液の流れ方向だけでなく、全体的に収縮させることができる。
本発明に係るイオン交換樹脂パックは、イオン交換器に収容され、イオン交換樹脂が封入されたパックであって、イオン交換器内に形成された収容部の内壁に前記パックが密着するように、前記パックを収縮させる収縮手段を有している。パック内の樹脂体全体の体積が減少すると、収縮手段がパックを収縮させる。このパックを、イオン交換器の収容部に、所定の方向に向けて配置することで、パックは冷却液の流れ方向に収縮する。パックは、冷却液の流れ方向に対し垂直な方向には収縮しないため、収容部の内壁の全周に亘って密着し続けることが可能となる。
ここで、収縮手段は、一端が前記パックの上流側に、他端が前記パックの下流側に接続されても良く、これらの接続部位を引き寄せる張力を発生する張力発生部材であることが好ましい。張力発生部材には、ゴムひもや、コイルスプリング等が用いられる。張力発生部材が接続されたパックを、収容部内に所定の方向に向けて配置することで、パックを冷却液の流れ方向に沿って収縮させることができる。
本発明によれば、樹脂体に冷却液を、確実に通過させることができる。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
まず、本実施形態のイオン交換器10が適用される燃料電池の冷却液循環回路について、図1を用いて概略構成を説明する。図1は、主に燃料電池車等の移動体に搭載される燃料電池の冷却液循環回路の概略構成を示す図である。
まず、本実施形態のイオン交換器10が適用される燃料電池の冷却液循環回路について、図1を用いて概略構成を説明する。図1は、主に燃料電池車等の移動体に搭載される燃料電池の冷却液循環回路の概略構成を示す図である。
冷却液循環回路100は、燃料電池スタック106の内部に形成された内部通路108と、この内部通路108に冷却液を圧送するウォータポンプ104と、冷却液の熱を外気に放熱するラジエータ102と、冷却液中のイオン濃度を低減するイオン交換器10を有しており、これらは、冷却液が循環するよう配管で接続されている。
内部通路108は、燃料電池スタック106のセパレータの内部等に、冷却液が貫流可能に形成されている。この内部通路108に冷却液を貫流させることで、発電反応に伴って生じる熱により高温となった燃料電池スタック106を冷却することができる。内部通路108を流れる冷却液の流量を適宜調整することにより、燃料電池スタック106を適正な動作温度に保つことができる。
内部通路108を通過して高温となった冷却液は、ラジエータ102に送られて、ここで外気により冷却される。ラジエータ102を通過し、低温となった冷却液は、配管の分岐点Xで分流される。分流された冷却液のうち一方は、イオン交換器10を貫流してからウォータポンプ104に送られ、もう一方は、バイパス配管110を通って、直接ウォータポンプ104に送られる。なお、ウォータポンプ104は、冷却液循環回路100に冷却液を循環できれば、回路中の任意の場所に設けることができる。
イオン交換器10は、内部にイオン交換樹脂を収容しており、ここに流入した冷却液に含まれる所定のイオンを、イオン交換樹脂に吸着させる。よって、イオン交換樹脂を貫流し、イオン交換器から流出した冷却液は、流入する冷却液に比べて所定のイオン濃度が低減されている。
以上のようにして、冷却液は、燃料電池スタック106の内部通路108、ラジエータ102、及びイオン交換器10を含む冷却液循環回路100を循環する。この冷却液は、ラジエータ102において冷却されると共に、イオン交換器において冷却液中のイオン濃度が低減される。
次に、本実施形態のイオン交換器10の構成について、図2を用いて説明する。図2には、イオン交換器10の縦断面図を示す。イオン交換器10は、粒状のイオン交換樹脂が封入されたイオン交換樹脂パック14(以下、単に「パック14」と記す)と、これを収容する空間である収容部44を形成するケース16とを有している。
ケース16は、合成樹脂等の硬質部材で一体に成形されている。収容部44よりケース16の上流側(図中左側)には、収容部44に比べて断面積の小さい流入口22が形成されている。この流入口22より、ケース16内に冷却液が流入する。一方、ケース16の下流側(図中右側)は、収容部44の断面積そのままに開口している。この開口を覆うように、蓋18が装着される。
蓋18は、ケース16と同様の部材で成形されており、下流側には、流入口22と同等の断面積を有する流出口24が形成されている。この流出口24からケース16内の冷却液が流出する。
イオン交換器10においては、ケース16に、蓋18を装着することで、これらの内側に冷却液が貫流する流路43が形成される。この流路43を、冷却液が、図2に一点鎖線矢印Aで示す通水経路に沿って、冷却液の流れ方向に貫流する。流路43のうち、流入口22と流出口24に挟まれた部位であり、かつケース16で囲まれた部位が、収容部44となる。収容部44に比べて流入口22及び流出口24の断面積は十分に小さく設定されているため、収容部44に配置されたパック14は、流出口24及び流入口22から流出したり、はみ出したりすることなく、収容部44に収容・保持される。
また、ケース16に対して蓋18は、ボルト32により脱着可能となっているため、パック14を容易に交換することができる。ケース16の下流側の端部28には、蓋18を装着するためのフランジ30が突出している。フランジ30には、ボルト32と係合する雌ねじ穴34と、シール部材(Oリング36)を配置するための溝38が形成されている。一方、蓋18には、フランジ30の雌ねじ穴34に対応した位置には、ボルト32を通すための貫通穴40が形成されている。ケース16の溝38にOリング36を配置し、ボルト32を貫通穴40から挿入して雌ねじ穴34と係合させることで、蓋18はケース16に装着される。
一方、イオン交換樹脂パック14は、粒状のイオン交換樹脂(樹脂体)12が、袋体46に封入されて構成される。ここで「粒状」とは、直径0.5〜2mm程度の球状又はこれに相当する形状を意味している。本実施形態で用いられるイオン交換樹脂の種類は、吸着させて冷却液中から除去したい(濃度を低減させたい)イオンに応じたものが適宜用いられる。
この樹脂体12を封入する袋体46は、内部に冷却液が流通可能な材質で構成されている。つまり、袋体46は、通水性を有している。袋体46は、メッシュ状の布等により構成されており、メッシュの細かさは、袋体に封入された樹脂体12が、袋体46の外に漏れ出ない大きさに形成されている。ここで「封入」とは、袋体46が、樹脂体12(直径0.5〜2mm程度)を、袋体46の外に漏らさないよう収容することを意味している。袋体46のメッシュの細かさは、内部に収容する樹脂体12の大きさに加えて、冷却液の通水性、すなわち袋体46を通過する冷却液の圧力損失についても考慮して設定される。
なお、樹脂体12より生じた、直径が数十〜数百μmの磨耗粉等については、袋体46の外へ漏れ出る構成としてもかまわない。磨耗粉が袋体46の外へ漏れ出る構成とした場合には、ケース16の流出口24側に磨耗粉を捕集するフィルタを設けることで、磨耗粉がイオン交換器10より下流に流出することを防止することができる。
以上の構成に加えて、イオン交換器10は、パック14が、ケース16の、収容部44に対応する内壁56(以下、「収容部の内壁」と記す)の全周に亘って密着するように、冷却液の流れ方向に沿ってパック14を収縮させる収縮手段、を備えている。収縮手段が、冷却液の流れ方向に沿ってパック14を収縮させるため、パック14は、冷却液の流れ方向に対して垂直な方向、すなわち図2に矢印Aで示す通水経路から内壁56に向かう方向には、膨張することはあっても収縮することはない。よって、パック14の袋体46は、収容部の内壁56の全周に亘って密着することとなる。
このような収縮手段をイオン交換器が備えることで、パック14と、収容部44の内壁56との間に隙間が生じてしまうことを抑制することができる。これにより、イオン交換器10の流路43を貫流する冷却液は、必ずパック14内を通過することとなり、冷却液をパック14内に封入された樹脂体12に確実に通過させることができる。
イオン交換器10においては、収縮手段として、パック14の袋体46に張力発生部材48が装着されている。張力発生部材48としては、ゴムひもや、コイルスプリング等を用いることができる。張力発生部材48は、図2に示すように、所定の張力が生じる状態で、その両端が、それぞれパック14(樹脂体12が封入された袋体46)の相対向する部位50,52に接続され、冷却液の流れ方向に沿って延びている。部位50と部位52との間には、張力発生部材48により、互いに引き寄せ合う張力が作用するため、パック14は、部位50と52の周辺が凹んだ形状に収縮しようとする。これにより、パック14の袋体46は、この中に封入される樹脂体12を、冷却液の流れ方向に適度に圧縮することとなる。これにより、パック14が液体中に浸されても、樹脂体12が袋体46の中を浮遊することを抑制することができる。
なお、相対向する部位50と52は、これらを結んだ直線の中点が、樹脂体12が封入されたパック14の中心となるように、設定されることが好ましい。換言すれば、張力発生部材48は、パック14の中心を通るように相対向する部位50,52に接続されることが好ましい。このように張力発生部材48を接続することにより、パック14を所定の冷却液の流れ方向に、収縮させることができる。すなわち袋体46は、この中に充填された樹脂体12を冷却液の流れ方向に比較的均等に圧縮することが可能となる。
また、袋体46は、張力発生部材48が接続されているだけでなく、伸縮自在な材質で形成されていることが好ましい。袋体46を伸縮自在な材質で形成することで、袋体46に充填された樹脂体12を、冷却液の流れ方向だけでなく、全体的に収縮させることができる。これにより、パック14内の樹脂体12を、より均等に圧縮することができ、樹脂体12が袋体46の中を浮遊することを、確実に抑制することができる。
また、イオン交換器10において、上述のパック14は、部位50,52を接続する張力発生部材48が、図2に一点鎖線矢印Aで示す冷却液の通水経路、すなわち冷却液の流れ方向に沿うように、収容部44に配置される。これにより、パック14は、樹脂体12全体の体積が減少した場合に、冷却液の流れ方向に沿って収縮することが可能となる。
以上、イオン交換器10における、収容部44と、これを収容するパック14について説明したが、収容部44の横断面形状(冷却液の流れ方向に直交する断面形状)は、円形断面であっても矩形断面であっても良く、任意の形状とすることができる。収容部44の横断面形状は、これに収容されるパック14の横断面形状と、略同一であることが好ましい。パック14の横断面形状は、パック14の袋体46が、ケース16の、収容部44に対応する内壁56(収容部の内壁)の全周に亘って密着可能な形状に設定される。つまり、パック14の横断面形状は、収容部44の横断面形状に応じた形状に設定される。
次に、本実施形態のイオン交換器10及びイオン交換樹脂パック14の動作について、図2を用いて説明する。
まず、イオン交換器10の収容部44に、パック14を配設した直後の状態(初期状態)において、パック14は、図2に二点鎖線で示す縦断面形状となっている。張力発生部材48は、所定の張力が生じる状態に伸びており、パック14の袋体46と張力発生部材48とが接続された部位50’と52’の周辺は、僅かに凹んだ形状となっている。この初期状態において、袋体46は、収容部44の内壁56の全周に亘って密着している。
そして、イオン交換器10の収容部44に冷却液が貫流する。袋体46は、内壁56の全周に亘って密着しているため、収容部44を貫流する冷却液は、すべてパック14内を貫流する。すなわち、冷却液は、パック14内に封入された樹脂体12の隙間を通過することとなる。
詳細に説明すると、流入口22から収容部44に流入した冷却液は、袋体46を通り抜け、袋体46の中に充填された樹脂体12に接触する。樹脂体12に接触した冷却液からは、所定のイオンが樹脂体12に吸着される。樹脂体12は、所定のイオンを吸着するのと引換えに、水素イオンや水酸化物イオンを放出する。これら放出されたイオンが反応することで水が生成される。以上のようにして、樹脂体12が封入されたパック14内を通過した冷却液は、パック14を通過する前の冷却液に比べて、除去したい所定のイオン濃度が低減されている。
このとき、樹脂体12同士がこすれ合って磨耗粉が生じる。生じた磨耗粉は、袋体46を通過して流出口24からイオン交換器10外へ流出する。以上のような理由により、冷却液がパック14内を貫流すればするほど、樹脂体12全体の体積は減少する。
そして、パック14内にある樹脂体12全体の体積が減少すると、パック14の相対向する部位50’と,部位52’が張力発生部材48により互いに引き寄せられて、パック14は、冷却液の流れ方向に沿って、図2に矢印B及びCで示すように上流側及び下流側から収縮する。収縮した状態のパック14は、図2に実線で示すように、部位50と部位52の周辺が、初期状態に比べ、より凹んだ形状に収縮している。
樹脂体12全体の体積の減少に応じて、パック14が収縮するため、収縮状態にあるパック14内の樹脂体12は、袋体46により適度に圧縮されている。このため、収縮状態においても、パック14(袋体46)の内部で、樹脂体12が浮遊することを抑制することができる。
また、パック14は、冷却液の流れ方向に沿って収縮するため、流れ方向に対して垂直な方向には収縮することがない。したがって、パック14の袋体46は、内壁56の全周において、初期状態と変わることなく密着し続ける。パック14と内壁56との間に隙間が生じてしまうことがないため、イオン交換器10の収容部44を貫流する冷却液は、必ずパック14内を貫流する。よって、冷却液は、パック14内にある樹脂体12を確実に通過することとなる。
以上に説明したイオン交換器10においては、パック14が、収容部44の内壁56の全周に亘って密着するように冷却液の流れ方向に沿って収縮させる手段として、パック14の相対向する部位に張力発生部材48が接続されている。パック14内の樹脂体12全体の体積が減少するにつれて、パック14は冷却液の流れ方向に収縮するため、パック14と内壁56は密着し続ける。これにより、パック14と内壁56との間に隙間が生じることを抑制し、パック14内の樹脂体12に、冷却液を確実に通過させることができる。
〔第2実施形態〕
まず、第2実施形態のイオン交換器60の構成について、図3を用いて説明する。イオン交換器60は、図1に示す冷却液循環回路において、イオン交換器10に替えて用いられる。図3には、イオン交換器60の縦断面図を示す。本実施形態のイオン交換器60において、冷却液の流れ方向に沿ってパック62を収縮させる収縮手段は、パック62より上流側及び下流側に設けられた圧縮力発生部材70,72であり、これらの圧縮力発生部材70,72が、パック62の相対向する部位74,76を挟持し、かつパック62に圧縮力を両側から作用させることにより、パック62を収縮させる点で、第1実施形態のイオン交換器10とは異なり、以下に詳細を説明する。なお、第1実施形態のイオン交換器10と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。また、図3において理解を容易とするため、圧縮力発生部材70,72については、断面ではなく側面を示している。
まず、第2実施形態のイオン交換器60の構成について、図3を用いて説明する。イオン交換器60は、図1に示す冷却液循環回路において、イオン交換器10に替えて用いられる。図3には、イオン交換器60の縦断面図を示す。本実施形態のイオン交換器60において、冷却液の流れ方向に沿ってパック62を収縮させる収縮手段は、パック62より上流側及び下流側に設けられた圧縮力発生部材70,72であり、これらの圧縮力発生部材70,72が、パック62の相対向する部位74,76を挟持し、かつパック62に圧縮力を両側から作用させることにより、パック62を収縮させる点で、第1実施形態のイオン交換器10とは異なり、以下に詳細を説明する。なお、第1実施形態のイオン交換器10と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。また、図3において理解を容易とするため、圧縮力発生部材70,72については、断面ではなく側面を示している。
圧縮力発生部材70,72は、例えば図3に示すように、先端部75,77側(パック62が挟まれる側)ほど、コイルの径が小さくなるコイルスプリングである。これら圧縮力発生部材70,72は、収容部44内に配置されたパック62に対し、それぞれ上流側(流入口22が形成される側、図中左側)及び下流側(流出口24が形成される側、図中右側)に設置される。上流側の圧縮力発生部材70は、ケース66に形成された冷却液の流入口22の近傍に設置される。一方、下流側の圧縮力発生部材72は、ケース66の蓋68に形成された流出口24の近傍に設置される。これら上流側の圧縮力発生部材70と、下流側の圧縮力発生部材72との間に挟まれて、パック62が収容部44内に配置される。
収容部44内にパック62が配置されると、2つの圧縮力発生部材70,72は、パック62の相対向する部位74,76を挟持する。圧縮力発生部材70,72の先端部75,77が、パック62の相対向する部位74,76を、それぞれ上流側及び下流側から冷却液の通水経路に沿って押圧することで、パック62は収容部44内において、所定の圧縮力もって挟持される。
なお、2つの圧縮力発生部材70,72は、パック62が挟持されたとき、先端部75,77を結んだ直線が、パック62の中心を通るように配設されていることが好ましい。このように圧縮力発生部材70,72を配設することにより、パック62を所定の冷却液の流れ方向に、収縮させることができる。袋体46は、この中に充填された樹脂体12を比較的均等に圧縮することが可能となる。
また、本実施形態のイオン交換器60において、圧縮力発生部材70,72として、先細形状のコイルスプリングが用いられたが、これに限定されるものではない。パック62を、その上流側及び下流側から所定の圧縮力をもって挟持可能な部材であれば良い。例えば「板バネ」をパック62の上流側及び下流側に設け、これらを撓ませてパック62を挟持させる構成とすることも好適である。より低コストで、圧縮力発生部材を実現することができる。
次に、本実施形態のイオン交換器60の動作について、図3を用いて説明する。
まず、イオン交換器60の収容部44にパック62を配設した初期状態において、パック62は、図3に二点鎖線で示す縦断面形状となっている。パック62の部位74’と部位76’は、圧縮力発生部材70,72の先端部75,77が当接されて挟まれている。これら部位の間には、圧縮力発生部材70,72により冷却液の流れ方向に沿って圧縮力が作用している。部位74’と部位76’の周辺は、僅かに凹んだ形状となっている。なお、この初期状態において、パック62の袋体46は、ケース66の、収容部44に対応する内壁56(以下、「収容部の内壁」と記す)の全周に亘って密着している。
そして、イオン交換器60の収容部44に冷却液が貫流すると、冷却液は、すべてパック62内の樹脂体12を通過する。パック62内を通過した冷却液は、パック62を通過する前の冷却液に比べて、所定のイオン濃度が低減される。冷却液がパック62内を貫流するにつれて、パック62内に封入されている樹脂体12全体の体積は減少する。
パック62の相対向する部位74’と,部位76’との間には、冷却液の通水経路(図3に矢印Aで示す)に沿って圧縮力が作用しているため、パック62は、通水経路に沿って上流側及び下流側から収縮する。収縮した状態のパック62を、図3に実線で示す。パック62(袋体46)は、部位74と部位76の周辺が、初期状態に比べ、より凹んだ形状に収縮している。
以上のように、パック62は、冷却液の流れ方向に沿って収縮するため、流れ方向に対して垂直な方向(図3に矢印Dで示す)には収縮することがない。したがって、パック62の袋体46は、収容部の内壁56の全周に亘って、初期状態と変わることなく密着し続ける。パック62の袋体46と内壁56との間に隙間が生じることがないため、イオン交換器60の収容部44を貫流する冷却液は、必ずパック62内を貫流する。よって、冷却液は、パック62内にある樹脂体12を確実に通過することとなる。
以上に説明した第2実施形態のイオン交換器60においては、パック62が、収容部44の内壁56の全周に亘って密着するように冷却液の流れ方向に沿って収縮させる収縮手段として、収容部44のパック62より上流側及び下流側に圧縮力発生部材70,72が設けられている。圧縮力発生部材70,72が、前記パック62の相対向する部位74,76を圧縮することにより、パック62は、冷却液の流れ方向に収縮する。パック62内の樹脂体12全体の体積が減少するにつれて、パック62は冷却液の流れ方向に沿って収縮するため、パック62と内壁56は密着し続ける。収容部44の上流側及び下流側、すなわちケース66及びその蓋68に、圧縮力発生部材70,72を設置するという簡単な構成で、パック62と内壁56との間に隙間が生じることを抑制し、パック62内の樹脂体12に、冷却液を確実に通過させることができる。
10,60 イオン交換器、12 樹脂体(粒状のイオン交換樹脂)、14,62 イオン交換樹脂パック、16,66 ケース、18,68 ケースの蓋、22 流入口、24 流出口、43 流路、44 収容部、46 袋体、48 張力発生部材、50,52,74,76 部位、56 内壁、70,72 圧縮力発生部材(コイルスプリング)、75,77 先端部分、100 冷却液循環回路、106 燃料電池スタック。
Claims (7)
- 燃料電池の冷却液循環回路に設けられ、冷却液に含まれる所定のイオンをイオン交換樹脂に吸着させて冷却液中のイオン濃度を低減するイオン交換器であって、
冷却液が内部に流通可能で、イオン交換樹脂が封入されたパックと、
冷却液が貫流する流路に形成され、前記パックを収容する収容部と、
を有し、さらに、
前記パックが収容部の内壁に密着するように、前記パックを収縮させる収縮手段、
を備えるイオン交換器。 - 請求項1に記載のイオン交換器であって、
収縮手段は、一端が前記パックの上流側に、他端が前記パックの下流側に接続され、これら接続部位を引き寄せる張力を発生する張力発生部材である、
イオン交換器。 - 請求項1に記載のイオン交換器であって、
収縮手段は、収容部の前記パックより上流側及び下流側に設けられ、前記パックを挟持して、前記パックを圧縮する力を発生する圧縮力発生部材である、
イオン交換器。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換器であって、
収容部には、開口と、その開口に脱着可能な蓋が設けられており、前記パックが交換可能となっている、イオン交換器。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン交換器であって、
前記パックは、伸縮自在な材質で形成されていることを特徴とする、イオン交換器。 - 燃料電池の冷却液循環回路に設けられるイオン交換器に収容され、冷却液に含まれる所定のイオンを吸着するイオン交換樹脂が封入されたパックであって、
イオン交換器内に形成された収容部の内壁に前記パックが密着するように、前記パックを収縮させる収縮手段を有する、イオン交換樹脂パック。 - 請求項6に記載のイオン交換樹脂パックであって、
収縮手段は、一端が前記パックの上流側に、他端が前記パックの下流側に接続されて、これらの接続部位を引き寄せる張力を発生する張力発生部材である、
イオン交換樹脂パック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005309670A JP2007122906A (ja) | 2005-10-25 | 2005-10-25 | イオン交換器、及びイオン交換樹脂パック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005309670A JP2007122906A (ja) | 2005-10-25 | 2005-10-25 | イオン交換器、及びイオン交換樹脂パック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007122906A true JP2007122906A (ja) | 2007-05-17 |
Family
ID=38146544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005309670A Pending JP2007122906A (ja) | 2005-10-25 | 2005-10-25 | イオン交換器、及びイオン交換樹脂パック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007122906A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011009033A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Honda Motor Co Ltd | イオン交換器 |
JP2011090803A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Toyota Boshoku Corp | イオン交換樹脂及びイオン交換樹脂の形状保持方法 |
WO2012062433A1 (de) * | 2010-11-13 | 2012-05-18 | Daimler Ag | Kühlmittelkreis für ein brennstoffzellensystem und verfahren zum austauschen von ionenaustauschermaterial |
JP2012187439A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Toyota Boshoku Corp | イオン交換器 |
JP2012187440A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Toyota Boshoku Corp | イオン交換樹脂用のカートリッジハウジング |
JP2013502031A (ja) * | 2009-08-13 | 2013-01-17 | マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 機能システムのための冷却デバイス |
CN114870431A (zh) * | 2022-05-25 | 2022-08-09 | 上海捷氢科技股份有限公司 | 一种燃料电池及其热管理系统、冷却液离子过滤装置 |
-
2005
- 2005-10-25 JP JP2005309670A patent/JP2007122906A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011009033A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Honda Motor Co Ltd | イオン交換器 |
JP2013502031A (ja) * | 2009-08-13 | 2013-01-17 | マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 機能システムのための冷却デバイス |
JP2011090803A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Toyota Boshoku Corp | イオン交換樹脂及びイオン交換樹脂の形状保持方法 |
WO2012062433A1 (de) * | 2010-11-13 | 2012-05-18 | Daimler Ag | Kühlmittelkreis für ein brennstoffzellensystem und verfahren zum austauschen von ionenaustauschermaterial |
CN103201887A (zh) * | 2010-11-13 | 2013-07-10 | 戴姆勒股份公司 | 用于燃料电池系统的冷却剂回路以及用于对离子交换材料进行更换的方法 |
JP2012187439A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Toyota Boshoku Corp | イオン交換器 |
JP2012187440A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Toyota Boshoku Corp | イオン交換樹脂用のカートリッジハウジング |
CN114870431A (zh) * | 2022-05-25 | 2022-08-09 | 上海捷氢科技股份有限公司 | 一种燃料电池及其热管理系统、冷却液离子过滤装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007122906A (ja) | イオン交換器、及びイオン交換樹脂パック | |
JP4007725B2 (ja) | 燃料電池の冷却水循環装置 | |
JP4102744B2 (ja) | イオン交換フィルタ | |
JP4613125B2 (ja) | イオン交換式フィルタ | |
US7718294B2 (en) | Fuel cell system | |
US9738981B2 (en) | Electrochemical compression system | |
US9873066B2 (en) | Ion-exchanger | |
JP2013233499A (ja) | イオン交換器およびこれを含む燃料電池システム | |
US20110256470A1 (en) | Coolant demineralizer for fuel cell vehicle | |
JP5532197B2 (ja) | 燃料電池システム | |
EP2767514B1 (en) | Ion exchanger and cooling device equipped with ion exchanger | |
US20080305369A1 (en) | Fuel Cell Operating Method and Apparatus For the Same | |
KR20190042751A (ko) | 교환 가능한 탈이온 장치를 포함하는 연료 전지 유닛, 그리고 상기 연료 전지 유닛을 장착한 차량 | |
US20180013155A1 (en) | Ion exchanger | |
JP5297278B2 (ja) | イオン交換器 | |
JP4984542B2 (ja) | 中空糸膜モジュール製造方法及び中空糸膜モジュール | |
JP2005071709A (ja) | 燃料電池用イオン除去フィルタ | |
JP4815105B2 (ja) | 燃料電池用イオン除去フィルタ及びその製造方法 | |
JP2005072216A (ja) | 液冷システムおよびこれを用いた電子機器 | |
US20130224617A1 (en) | Coolant Circuit for a Fuel Cell System and Method for Changing out Ion Exchanger Material | |
KR101610445B1 (ko) | 연료전지 차량용 이온 필터 카트리지 | |
JP2011009034A (ja) | イオン交換器 | |
JP2013233500A (ja) | イオン交換器およびこれを含む燃料電池システム | |
JP2005259636A (ja) | 冷却装置 | |
KR20110045403A (ko) | 연료전지 차량용 냉각수 이온필터 |