JP2011008444A - 火災警報器 - Google Patents

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昭一 岡
Tetsuhiro Nishikawa
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Abstract

【課題】装置の筐体に気流導入口を設け、その気流導入口近傍に検知素子を配設した構造の火災警報器において、火災検知の初期段階において、スピーカによる空気振動により警報の出力が不安定になる現象を防止する。
【解決手段】気流導入口11aは、装置が壁面に設置されたときに、筐体の上面となる部分に開口しており、かつ筐体内には、検知素子12aと、警報を鳴動させる音響素子18とを分離する仕切壁13aが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、装置の筐体に気流導入口を設け、筐体内の空気導入口近傍に検知素子を配設した構造の火災警報器の改良に関する。
従来、天井面、あるいは壁面に固定する火災警報器として、装置本体の中央部から検知部を突出させた形状のものが広く市販されている。
例えば、次の特許文献1に記載されている火災警報器も、そのような形状を有したものである。具体的には、発光部、受光部、ラビリンス壁などで構成した煙感知室を円盤状の本体から突出させており、この煙感知室に有底円筒形の防虫カバーが被せられ、防虫カバーの直上には、警報を出力するスピーカが配置され、更に、これらの防虫カバー、スピーカは、保護カバーによって覆われている。
この構造では、防虫カバーの天面は、スピーカ収容空間と煙感知室とを仕切る仕切り壁として作用する。また、仕切り壁には、スピーカが十分に振動することで十分な音圧が得られるように、煙感知室に連通する通気孔が開設されている。なお、スピーカの音出力面をふさいでいる保護カバーの天面には、多数の音孔が開設されている。
特開2009-031833号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている火災警報器では、スピーカ収容空間と煙感知室とを仕切る仕切り壁に通気孔が開設されているので、火災検知の初期段階では、煙感知室に流入した煙粒子を含んだ気流が、スピーカによる空気振動のために煙検知室から流出してしまう現象が起き、その結果、警報の出力が停止、再開を繰り返して不安定になるという問題があった。
また、装置の筐体に気流導入口を設け、筐体内の空気導入口近傍に検知素子を配設した構造の火災警報器でも、上記のような問題が想定されるが、その解決方法は現時点では提言されていない。
そこで、本発明は、装置の筐体に気流導入口を設け、筐体内の気流導入口近傍に検知素子を配設した構造の火災警報器において、火災検知の初期段階において、スピーカによる空気振動により警報の出力が不安定になる現象を防止することを目的とする。
本発明による火災警報器は、装置の筐体に気流導入口を設け、前記筐体内の前記気流導入口近傍に検知素子を配設した火災警報器において、前記気流導入口は、装置が壁面に設置されたときに、前記筐体の上面となる部分に開口しており、かつ前記筐体内には、前記検知素子と、警報を鳴動させる音響素子とを分離する仕切壁が設けられていることを特徴とする。ここに検知素子は、熱検知素子でも、煙検知素子でもよい。
また、前記筐体の前記気流導入口を開口させた部分は、装置が壁面に設置されたときに、壁面との間で90°よりも鋭角をなす傾斜面としてもよい。
また、前記筐体は、壁面に設置された装置を正面から見たときに、横長になるように形成され、その前面に、前記音響素子のための通音部が設けられており、かつその背面側には、壁面に設置された装置を正面から見たときに、前記筐体によって隠されるように、前記筐体より小さくした取付台部を備えてもよい。
本発明によれば、音響素子が鳴動して筐体内の空気を振動させても、仕切壁があるため、その振動が検知素子の配置された空間に伝播しない。そのため火災検知の初期段階において、音響素子による空気振動により、検知素子近傍の気流が乱されて、警報の出力が不安定になるようなことがない。また、検知素子を筐体の内部に収納しても、感度低下がなく、火災警報器を小型、薄型に形成でき、デザインの自由度が向上するという利点もある。
また、筐体の気流導入口を開口させた部分は、装置が壁面に設置されたときに、壁面との間で90°よりも鋭角をなす傾斜面とした構成では、上方から下方に向かう気流の圧力が高くなる位置に気流導入口がくるので、気流を効率的に取り込むことができる。また、傾斜面に沿って気流導入口を形成すれば、壁面に対して直立した平面に形成するよりも、より大きな気流導入孔が確保できる。
また、壁面に設置された装置を正面から見たときに、横長になるように形成し、その前面に通音部を設け、かつその背面側に、筐体より小さくした取付台部を備えた構成では、壁面に設置された装置を正面から見たときに、筐体によって取付台部が隠されるので、一見すれば、壁面設置のスピーカのような外観となり、インテリアとしても良好である。
は、実施例の部分縦切断図である。 (a)〜(c)は、実施例全体のそれぞれ立面、側面、平面図である。 は、実施例の分解図である。 は、仕切壁を説明するための部分分解図である。
以下、壁固定型の熱式火災警報器を実施例として本発明を説明する。しかしながら、本発明は熱式火災警報器のみに適用されるものではなく、煙式火災警報器にも適用できる。
図1、図2(a)〜図2(c)、図3に示しているように、火災警報器1は、取付台座部となるブランケット15を介して壁面に固定される壁固定型で、ベースパネル11と、ボディパネル13と、カバーパネル14からなる筐体に、メイン基板12、操作部を構成する押釦16、音響素子を構成するスピーカ18を収容した基本構成である。ブランケット15は、壁面に設置された火災警報器1を正面から見たときに、筐体によって隠されるように、筐体よりも小さくしている。なお、ブランケット15、ベースパネル11、ボディパネル13は、樹脂成型品である。カバーパネル14は、通音部14aとして金属網が取り付けられている。
特に、図2(a)〜図2(c)に示した外観は、従来の天井面設置型とは、大きく異なっている。すなわち、一見すれば、壁面設置型スピーカのような形状で、インテリアとしても良好である。
ベースパネル11には、熱を伴った気流を導入するための気流導入口11a、電源電池収容部11b、メイン基板収容部11c等が形成されている。特に、この例で、ベースパネル11の気流導入口11aを開口させた部分は、火災警報器1が壁面に設置されたときに、壁面との間で90°よりも鋭角をなす傾斜面となっている。
このようにすると、上方から下方に向かう気流(図1に矢印で示している)によって空気圧力が高くなる位置に気流導入口11aがくるので、気流を効率的に取り込むことができる。また、傾斜面とすることで、気流導入口11aをより大きく確保できる。
また、ベースパネル11の背面側には、ブランケット15に形成された係止爪15aと係合する係合部を有する。これに対して、ブランケット15には、係止爪15aの他、壁面に固定するためのネジを挿通させるネジ孔15bも形成されている。
メイン基板12は、ガラス繊維製、エボキシ、あるいは紙製のプリント回路基板からなり、サーミスタ等の熱検知素子12a、マイコン、音声出力回路、スイッチ12b、発光ダイオード等の各種電子部品が実装され、更に、電源電池4本を把持するための金属部品12cが固着されている。熱検知素子12aは、警報器が壁面に固定されたとき、気流導入口11aの直下に位置するように、メイン基板12から突出して実装されている。
図4に示しているように、ボディパネル13には、メイン基板12、スピーカ18が取り付けられ、熱検知素子12aを配置した空間と、スピーカ18を配置した空間とを分離する仕切壁13aが設けられている。この例では、仕切壁13aは、熱検知素子12aとスピーカ18との間のみに、板状に形成しているが、スピーカ18の背面を囲い込む連続的な壁として構成してもよい。あるいは、熱検知素子12aを囲い込む壁として形成してもよい。
この例では、スピーカ18が鳴動して筐体内の空気を振動させても、仕切壁13aがあるため、その振動が熱検知素子12aの配置された空間内に伝播しない。そのため火災検知の初期段階において、スピーカ18による空気振動により気流によって熱気流が乱されて、警報の出力が不安定になる状態が起きなくなる。また、熱検知素子12aを筐体の内部に収納しても、感度低下がない、火災警報器1を小型、薄型に形成できる、デザインの自由度が向上する等の利点もある。
押釦16は、警報停止操作等を受け付ける操作部となるもので、例えばFRP等の樹脂成型品である。押し操作される操作片16aの一方側端に、押圧作動片と、弾性支持片16cとが突出形成されている。押釦16の各部は、一体形成でもよいが、個々に形成したあとで一体化されたものでもよい。押圧作動片は、メイン基板12に実装されているスイッチ12bに対応した位置にあって、操作片16aが押し操作されると、スイッチ12bを押圧する。
光ガイド17は、透明樹脂部品で、メイン基板12に実装されている発光ダイオードの照射光を押釦16に形成された照明孔16dまで導くものである。発光ダイオードは、火災警報器1の作動状態に応じて、点灯、点滅し、その光が照明孔から視認できる。
エンブレム20は、装飾部品で、型番あるいは製造会社ロゴ等が印刷されている。
火災警報器1の基本動作を説明する。火災警報器1は、熱検知素子12a等の作動を休止させて電力消費を抑制する待機モードと、熱検知素子12aを作動させて火災を監視する監視モードとを所定時間毎に繰り返す機能を有している。例えば、待機モードは30秒、監視モードは1秒としてもよい。監視モードでは、熱検知素子12aを所定回数作動させて温度を計測し、測定した温度が所定値を超えた回数等に基づいて、火災を判別する。そして、火災発生と判断した場合は、火災警報を出力開始すると共に、発光ダイオードを点灯状態にする。この火災警報は、押釦16によって警報停止操作がなされるまで継続する。また、所定時間毎に電源電池の出力電圧を監視して、所定値を下回っていれば、発光ダイオードを点滅状態にして、電池交換を促す。
1 火災警報器
11a 気流導入口
12a 検知素子
18 スピーカ(音響素子)
13a 仕切壁
14a 通音部
15 ブランケット(取付台部)

Claims (3)

  1. 装置の筐体に気流導入口を設け、前記筐体内の前記気流導入口近傍に検知素子を配設した火災警報器において、
    前記気流導入口は、装置が壁面に設置されたときに、前記筐体の上面となる部分に開口しており、かつ
    前記筐体内には、前記検知素子を配置した空間と、警報を鳴動させる音響素子を配置した空間とを分離する仕切壁が設けられていることを特徴とした火災警報器。
  2. 請求項1において、
    前記筐体の前記気流導入口を開口させた部分は、装置が壁面に設置されたときに、壁面に対して鋭角をなす傾斜面となっている火災警報器。
  3. 請求項1または2において、
    前記筐体は、壁面に設置された装置を正面から見たときに、横長になるように形成され、その前面に、前記音響素子のための通音部が設けられており、かつ
    その背面側には、前記筐体より小さくした取付台部を備えた火災警報器。
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